JP2010185864A - 残留塩素計 - Google Patents

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Abstract

【課題】拡散電流のPH依存性の導電率変化を考慮し、高精度に被測定液の塩素濃度を測定できる残留塩素計を実現する。
【解決手段】被測定液L中に配置された作用極3と対極2との間にプラトー電流を形成する加電圧Edを印加し、これらの電極間に流れる拡散電流Iiに基づいて被測定液Lの塩素濃度を測定する残留塩素計において、
被測定液LのPHを測定するPHセンサ5と、
PHセンサ5の出力と拡散電流Iiとが入力され、PH値と拡散電流値の関係を示す濃度補正表を用いて拡散電流Iiの値を補正する補正部20とを有し、
この演算部20は、前記濃度補正表を導電率に応じて複数備え、被測定液Lの導電率に応じて最適な濃度補正表を選択することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は残留塩素計に関し、詳しくは、被測定液中に配置された作用極と対極との間にプラトー電流を形成する加電圧を印加し、これらの電極間に流れる拡散電流に基づいて前記被測定液の塩素濃度を測定する残留塩素計に関する。
下記特許文献1には、被測定液に浸漬された作用極と対極間に流れる拡散電流に加電圧を印加する電圧印加手段と、被測定液に浸漬された導電率センサからの導電率信号が入力されあらかじめ決められた加電圧対導電率曲線群のプラトーの中心に加電圧の固定値と補償率とが来るように加電圧の設定をする電圧設定手段と、PH値と拡散電流値に対応した補正濃度表を有し被測定液に浸漬されたPHセンサからのPH信号と拡散電流とが入力され補正濃度表を用いて濃度補正をする補正演算手段とを具備する残留塩素計が記載されている。
図8は、拡散電流のPH依存性を示す図である。作用極と対極に流れる拡散電流は、図8に示すように、被測定液のPH値に応じて大きく変化する。そのため、特許文献1の残留塩素計では、被測定液のPH値を測定し、測定されたPH値に応じて拡散電流の電流値を補正することにより、被測定液の塩素濃度の測定精度を向上させている。
実公平5−15091号公報
しかしながら、拡散電流のPH依存性は被測定液の導電率によって変化するが、特許文献1の残留塩素計ではこの変化を考慮していない。
図9は拡散電流のPH依存性の導電率変化を示す図である。図中、点線は被測定液の導電率が高い場合(導電率σ1)、実線は被測定液の導電率が中程度の場合(導電率σ2)、破線は被測定液の導電率が低い場合(導電率σ3)における、拡散電流のPH依存性を示している。
図9に示すように、PH値と拡散電流の関係は、特にPH約7.0以上の高いPH領域において、導電率が低くなるほど拡散電流の電流値が低下する。すなわち、拡散電流のPH依存性が、被測定液の導電率によってばらついてしまう。特許文献1の残留塩素計では、被測定液の導電率によらず、一律に同じPH依存性を適用して拡散電流の値を補正しているため、被測定液の導電率によっては測定精度の低下を招くおそれがある。
本発明は、従来の問題をなくし、拡散電流のPH依存性の導電率変化を考慮し、高精度に被測定液の塩素濃度を測定できる残留塩素計を実現することを目的とする。
このような課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、
被測定液中に配置された作用極と対極との間にプラトー電流を形成する加電圧を印加し、これらの電極間に流れる拡散電流に基づいて被測定液の塩素濃度を測定する残留塩素計において、
被測定液のPHを測定するPHセンサと、
PH値と拡散電流値の関係を示す濃度補正表を備え、PHセンサの出力と拡散電流とが入力され、前記濃度補正表を用いて拡散電流の値を補正する補正演算手段とを有し、
この補正演算手段は、前記濃度補正表を導電率に応じて複数備え、被測定液の導電率に応じて最適な濃度補正表を選択することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の残留塩素計において、
被測定液の導電率を測定する導電率センサを備え、
補正演算手段は、この導電率センサの出力に応じて濃度補正表を選択することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1または2に記載の残留塩素計において、
補正演算手段は、被測定液が取りうる導電率のうち高導電率の範囲、中導電率の範囲、低導電率の範囲に対応する少なくとも3つの濃度補正表を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の残留塩素計において、
補正演算手段は、被測定液が取りうる導電率のうち、低導電率の範囲について、その他の導電率の範囲と比較して多くの濃度補正表を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の残留塩素計において、
濃度補正表は、作用極の材質ごとに作成され、
補正演算手段は、作用極の材質に対応する濃度補正表を選択することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、
補正演算手段が、PH値と拡散電流値の関係を示す濃度補正表を導電率に応じて複数備え、被測定液の導電率に応じて最適な濃度補正表を選択し、その選択された濃度補正表を用いて拡散電流の値を補正することにより、拡散電流のPH依存性の導電率変化を考慮し、高精度に被測定液の塩素濃度を測定できる残留塩素計を実現できる。
請求項2の発明によれば、
被測定液の導電率を測定する導電率センサを備え、補正演算手段はこの導電率センサの出力に応じて濃度補正表を選択するため、被測定液の導電率が変化した場合に迅速にPH依存性を切り替えることができる。
請求項3の発明によれば、
補正演算手段は、被測定液が取りうる導電率のうち高導電率の範囲、中導電率の範囲、低導電率の範囲に対応する少なくとも3つの濃度補正表を有するため、比較的少ない数の濃度補正表で被測定液が取りうる導電率の全体にバランス良く対応できる。
請求項4の発明によれば、
補正演算手段は、被測定液が取りうる導電率のうち、低導電率の範囲について、その他の導電率の範囲と比較して多くの濃度補正表を備えるため、被測定液が低導電率で導電率とPH値の両方が変化しても同時に補正ができ、さらに高精度に塩素濃度を測定できる。
請求項5の発明によれば、
濃度補正表は作用極の材質ごとに作成され、補正演算手段は作用極の材質に対応する濃度補正表を選択するため、作用極の材質によらず、拡散電流のPH依存性の導電率変化に対応できる。
本発明の実施例1を示す構成図である。 加電圧Edと拡散電流Iiの関係を示す図である。 演算部20の詳細を示す図である。 本発明の実施例2を示す構成図である。 被測定液Lの導電率と拡散電流Iiの関係を示す図である。 本発明の実施例3を示す構成図である。 演算部20’の詳細を示す図である。 拡散電流のPH依存性を示す図である。 拡散電流のPH依存性の導電率変化を示す図である。
図1は本発明の実施例1を示す構成図であり、ポーラログラフ法により被測定液中の遊離塩素濃度を測定する無試薬形残留塩素計に適用した例を示している。なお、本実施例では、上水を被測定液Lとしたアプリケーションについて記載する。
上水では、殺菌など水質管理のために塩素が利用されている。全国の水道局において、上水中の塩素濃度の管理はきわめて重要である。
上水のPHは、時間とともに変動する。特に原水のPH変化は±2.0程度と大きく変動するため、塩素濃度を求める際に、PH補正の精度は重要となる。
上水の導電率は、定常状態での変動は小さいものの、地域によって大きく異なる。たとえば、名古屋や金沢では上水中の導電率は低く(約80[μS/cm])、大阪や九州では導電率が高い(約300[μS/cm])ことが知られている。また、火山帯近くの地域ではさらに導電率が高くなり、400[μS/cm]近くになる場合もある。従来は、所定の測定精度を確保するため、同一の残留塩素計で測定可能な導電率の範囲は実質的に制限されていた。しかし、同一の残留塩素計でこのように広い範囲の導電率に対応できれば、便利である。
液槽1に被測定液Lが収納されている。被測定液Lには、塩素(Cl)や次亜塩素酸(HClO)などの遊離塩素が含まれている。液槽1には、さらに作用極3および対極2が配置されている。作用極3は微小面積の金電極であり、対極2とともに被測定液Lに浸るように配置されている。
10は、作用極3と対極2の間に加電圧Edを印加する電圧印加手段である。作用極2と対極3の間に加電圧Edが印加されると、被測定液L中の遊離塩素が電解還元され、作用極2と対極3の間に拡散電流Iiが流れる。拡散電流Iiは、アンプ6で増幅された後に、電流測定回路7に入力される。電流測定回路7は、拡散電流Iiを電流値に応じたデジタル信号(拡散電流信号Si)に変換し、演算部20に出力する。
被測定液Lには、被測定液Lの温度を測定する温度センサ4と、被測定液LのPHを測定するPHセンサ5が浸漬されている。温度測定回路8は、温度センサ4の出力に応じた温度信号Stを生成し、演算部20に出力する。また、PH測定回路9は、PHセンサ5の出力に応じたPH信号Sphを生成し、演算部20に出力する。
導電率入力手段11は、残留塩素計の使用者の操作により、あらかじめ測定により求めた被測定液Lの導電率が入力される。導電率入力手段11は、入力された導電率に応じた導電率信号Scを生成し、演算部20および電圧印加手段10に出力する。
図2は加電圧Edと拡散電流Iiの関係を示す図である。図2の(a)は加電圧Edと拡散電流Iiの関係の遊離塩素濃度による変化、(b)は加電圧Edと拡散電流Iiの関係の導電率による変化を示したものである。
図2の(a)に示すように、加電圧Edを上げていくと電流値は増加する。しかし、ある点に達すると加電圧Edを上げても電流値の変らないプラトー特性を示す。このプラトー特性を与える電位をプラトー電位と呼び、このときの拡散電流Iiの電流値をプラトー電流と呼ぶ。プラトー電流は遊離塩素の濃度に比例する。したがって、加電圧Edをプラトー電位から外れないように、適切に変化させながら拡散電流Iiを測定することにより、遊離塩素の濃度を知ることができる。
なお、加電圧Edを一定電圧としても、塩素濃度と拡散電流Iiは比例しない。そこで、電圧印加手段10は、遊離塩素濃度と拡散電流Iiが比例関係となるように、図2の(a)において破線で示すように、拡散電流Iiに対して所定の補償率Rで勾配させた加電圧Edを印加する。
また、図2の(b)に示すように、プラトー電位は被測定液Lの導電率によっても変化する。そのため、電圧印加手段10は、導電率入力手段11から出力される導電率信号Scに応じて加電圧Edの補償率Rを調整し、常に作用極3と対極2との間にプラトー電位が印加されるように、加電圧Edの値を設定する。
図1に戻り説明する。演算部20は、拡散電流信号Siに基づいて拡散電流Iiの電流値を把握し、さらに温度信号St、PH信号Sph、導電率信号Scに基づいて拡散電流Iiの電流値を補正し、補正後の電流値に基づいて被測定液Lの塩素濃度を求める。演算部20は、塩素濃度を示す濃度信号Soを生成し、出力部30に出力する。出力部30は、濃度信号Soを4〜20mAの電流信号Ioに変換し、出力端31に出力する。なお、演算部20はプログラムがダウンロードされたCPUなどで構成される。
ここで、被測定液Lが取りうる導電率の範囲を0〜400[μS/cm]と想定し、この導電率の範囲を高導電率の範囲、中導電率の範囲、低導電率の範囲の3つの範囲に分割する。
高導電率の範囲:250〜400[μS/cm]
中導電率の範囲:130〜250[μS/cm]
低導電率の範囲:0〜130[μS/cm]
また、導電率σ1,σ2,σ3は、それぞれ高導電率の範囲、中導電率の範囲、低導電率の範囲を代表する導電率であり、たとえばσ1=300[μS/cm]、σ2=200[μS/cm]、σ3=60[μS/cm]とする。
図3は演算部20の詳細を示す図である。演算部20は、補正演算部21と、PH値と拡散電流値との関係を示す濃度補正表T1〜T3を備えた記憶部22から構成されている。
濃度補正表T1〜T3は、それぞれ導電率σ1,σ2,σ3の条件下におけるPH値と拡散電流値との関係を示したものである。すなわち、濃度補正表T1〜T3は、それぞれ高導電率の範囲、中導電率の範囲、低導電率の範囲に対応する。
濃度補正表T1〜T3は、それぞれ塩素濃度が0.5[mg/L]、1.0[mg/L]、1.5[mg/L]の場合におけるPH値と拡散電流値との関係が示されている。また、濃度補正表T1〜T3に示されるPH値の範囲は、国が上水の水質基準として定めるPH5.8〜8.6をカバーするように設定される。濃度補正表T1〜T3は、あらかじめ実験により作成しておく。
補正演算部21は、温度信号St、PH信号Sph、導電率信号Scが入力される。
補正演算部21は、導電率信号Scに基づいて、被測定液Lの導電率が高導電率の範囲、中導電率の範囲、低導電率の範囲のいずれに属するかを判断し、該当する導電率の範囲に対応する濃度補正表を記憶部22から読み出す。
たとえば、導電率信号Scが導電率280[μS/cm]であれば、高導電率の範囲に属するため、記憶部22から濃度補正表T1を読み出す。
同様に、導電率信号Scが導電率150[μS/cm]であれば、中導電率の範囲に属するため、記憶部22から濃度補正表T2を読み出す。
導電率信号Scが導電率80[μS/cm]であれば、低導電率の範囲に属するため、記憶部22から濃度補正表T3を読み出す。
このように、補正演算部21は、導電率信号Scに応じて最適な濃度補正表を選択し、記憶部22から読み出す。
拡散電流Iiの電流値が被測定液Lの温度によって変化することは従来より知られており、被測定液Lの温度が高いと拡散電流Iiの電流値は上がり、温度が低いと拡散電流Iiの電流値は下がる。
補正演算部21は、拡散電流信号Siから拡散電流Iiの電流値を求め、温度信号Stに基づいてこの電流値に温度補正を行う。
次に、補正演算部21は、PH信号Sphに基づいて被測定液LのPH値を把握する。そして、補正演算部21は、記憶部22から読み出した濃度補正表を参照して、拡散電流Iiの温度補正後の電流値と被測定液LのPH値から被測定液Lの塩素濃度を求める。
なお、濃度補正表T1〜T3には、0.5[mg/L]、1.0[mg/L]、1.5[mg/L]の3種類の塩素濃度におけるPH値と拡散電流値との関係が示されているが、他の塩素濃度については、上記3種類の塩素濃度におけるPH値と拡散電流値との関係から内挿または外挿により算出する。
たとえば、図3に示す濃度補正表T3において、被測定液LのPH値と拡散電流の電流値との交点が濃度0.5[mg/L]のラインと濃度1.0[mg/L]のラインの間に位置する場合には、これらのラインから内挿により交点の位置に相当する濃度を算出する。
なお、図3では濃度補正表T1〜T3をグラフで表現しているが、濃度補正表T1〜T3はPH値と拡散電流値を対応づける補正テーブルであってもよいし、PH値と拡散電流値を対応付ける数式であってもよい。
本実施例は以上のように構成され、
演算部20が、異なる導電率の下で作成された、PH値と拡散電流値の関係を示す複数の濃度補正表T1〜T3を有し、被測定液Lの導電率信号Scに応じて最適な濃度補正表を選択し、その選択された濃度補正表を用いて拡散電流Iiの電流値を補正することにより、拡散電流IiのPH依存性の導電率変化を考慮し、高精度に被測定液Lの塩素濃度を測定できる。
また、濃度補正表T1〜T3が、被測定液Lが取りうる導電率のうちの高導電率の範囲、中導電率の範囲、低導電率の範囲に対応するため、比較的少ない数の濃度補正表で被測定液Lが取りうる導電率の全体にバランス良く対応できる。
また、本実施例では、被測定液Lが取りうる導電率の範囲を3つの範囲に分割したが、分割する数は3つ以外であってもよい。より多くの数に分割すれば、拡散電流のPH依存性の導電率によるばらつきを、より高精度に補正できる。
また、分割の仕方は、被測定液Lが取りうる導電率の範囲を均等に分割してもよいし、非均等に分割してもよい。使用頻度が高いと考えられる導電率の範囲があれば、その範囲をより細かく分割するようにしてもよい。また、より高精度に塩素濃度を求めたい導電率の範囲があれば、その範囲をより細かく分割するようにしてもよい。
また、本実施例では、作用極3に金電極を用いて遊離塩素の濃度測定を行ったが、被測定液に結合塩素が含まれている場合には白金電極や金・白金合金電極を用いる必要がある。しかし、電極の材質が変わるとPH値と拡散電流値の関係は変化してしまう。そのため、作用極の材質ごとに濃度補正表のセットを作成して記憶部22に保持させておき、作用極の材質に応じてその材質に対応する濃度補正表のセットの中から使用する濃度補正表を選択するようにしてもよい。
たとえば、白金電極用には濃度補正表T1’〜T3’を作成し、金・白金合金電極用には濃度補正表T1”〜T3”を作成して記憶部22に保持させておく。そして、残留塩素計に、作用極の材質を設定する作用極選択スイッチを設けておき、補正演算部21はスイッチ位置に対応する濃度補正表のセットの中から濃度補正表を読み出す。
すなわち、補正演算部21は、作用極選択スイッチにより金電極が選択された場合には濃度補正表T1〜T3から濃度補正表を選択し、白金電極が選択された場合には濃度補正表T1’〜T3’から濃度補正表を選択し、金・白金合金電極が選択された場合には濃度補正表T1”〜T3”から濃度補正表を選択する。
このような構成とすれば、作用極の材質によらず、拡散電流IiのPH依存性の導電率変化に対応できる。
また、本実施例では、導電率入力手段11は被測定液Lの導電率が入力されたが、導電率入力手段11は濃度補正表T1に対応する高導電率モード、濃度補正表T2に対応する中導電率モード、濃度補正表T3に対応する低導電率モードのいずれかを使用者に選択させるスイッチで構成してもよい。
たとえば、スイッチ操作により高導電率モードが選択された場合には、補正演算部21は高導電率に対応する濃度補正表T1を読み出す。同様に、中導電率モードが選択された場合には補正演算部21は中導電率に対応する濃度補正表T2を読み出し、低導電率モードが選択された場合には補正演算部21は低導電率に対応する濃度補正表T3を読み出す。このような構成とすれば、使用者が濃度補正表を直接選択できる。
なお、本実施例の演算部20は、請求範囲の補正演算手段に相当する。
図4は本発明の実施例2を示す構成図である。本実施例は、前記実施例1に対し、導電率入力手段11を導電率センサとその測定回路に置き換えたものである。
上水の導電率は、定常状態での変動は小さいものの、降雨時など一時的に導電率が低下する場合がある。そのため、被測定液Lの導電率を常時監視し、導電率の変化に迅速に対応できれば便利である。
図4において、被測定液Lの導電率を測定する導電率センサ12が、被測定液Lに浸漬されている。導電率測定回路13は、導電率センサ12の出力に応じた導電率信号Sc’を生成し、演算部20および電圧印加手段10に出力する。
導電率信号Sc’は、前記実施例1における導電率信号Scと同様に用いられる。すなわち、電圧印加手段10は導電率信号Sc’に基づいて加電圧Edの補償率Rを調整する。また、演算部20は、導電率信号Sc’に基づいて濃度補正表T1〜T3から最適な濃度補正表を選択し、被測定液Lの塩素濃度を求める。その他の構成は前記実施例1と同じである。
本実施例は以上のように構成され、
被測定液Lの導電率を測定する導電率センサ12を備え、演算部20は導電率センサ12の出力に応じて濃度補正表を選択するため、被測定液Lの導電率が変化した場合に迅速に拡散電流IiのPH依存性を切り替えることができる。
図5は被測定液Lの導電率と拡散電流Iiの関係を示す図である。被測定液Lの導電率がおよそ150[μS/cm]以上の範囲では、導電率による拡散電流Iiの変化、すなわち感度の変化はほとんど見られない。しかし、被測定液Lの導電率がおよそ150[μS/cm]より低い範囲では、導電率による拡散電流Iiの変化が大きくなる。そのため、特に導電率による拡散電流Iiの変化が大きい低導電率の範囲においては、拡散電流IiのPH依存性だけでなく、導電率の変動が拡散電流Iiに直接与える影響も考慮することにより、さらに高精度に塩素濃度の測定を行うことが可能になる。
以下、本実施例においては、被測定液Lが取りうる導電率の範囲をおよそ50[μS/cm]以上とし、およそ50[μS/cm]〜150[μS/cm]の導電率の範囲を低導電率の範囲と称し、およそ150[μS/cm]以上の導電率の範囲を中〜高導電率の範囲と称する。
図6は本発明の実施例3を示す構成図である。本実施例は、前記実施例2に対し、演算部20を、濃度補正表の構成が異なる演算部20’に置き換えたものである。
図7は演算部20’の詳細を示す図である。演算部20’は、補正演算部21’と、PH値と拡散電流値との関係を示す濃度補正表T1、T2a〜T2kを備えた記憶部22’から構成されている。
濃度補正表T1は中〜高導電率の範囲に対応する濃度補正表であり、中〜高導電率の範囲を代表して導電率200[μS/cm]の条件下におけるPH値と拡散電流値との関係を示したものである。
濃度補正表T1:155≦σ[μS/cm]
濃度補正表T2a〜T2kは低導電率の範囲に対応する濃度補正表であり、それぞれ導電率45〜155[μS/cm]の範囲を10[μS/cm]ずつ対応する。
濃度補正表T2a:45≦σ<55[μS/cm]
濃度補正表T2b:55≦σ<65[μS/cm]



濃度補正表T2j:135≦σ<145[μS/cm]
濃度補正表T2k:145≦σ<155[μS/cm]
濃度補正表T2a〜T2kは、それぞれ対応する導電率の範囲の中央値、すなわち50[μS/cm]、60[μS/cm]、70[μS/cm]、・・・、140[μS/cm]、150[μS/cm]の条件下におけるPH値と拡散電流値との関係を示したものである。
濃度補正表T1、T2a〜T2kは、それぞれ塩素濃度が0.5[mg/L]、1.0[mg/L]、1.5[mg/L]の場合におけるPH値と拡散電流値との関係が示されている。また、濃度補正表T1、T2a〜T2kに示されるPH値の範囲は、国が上水の水質基準として定めるPH5.8〜8.6をカバーするように設定される。濃度補正表T1、T2a〜T2kは、あらかじめ実験により作成しておく。
補正演算部21’は、温度信号St、PH信号Sph、導電率信号Sc’が入力される。補正演算部21’は、導電率信号Sc’に基づいて、被測定液Lの導電率がどの濃度補正表の範囲に属するかを判断し、該当する濃度補正表を記憶部22’から読み出す。
たとえば、導電率信号Sc’が導電率52[μS/cm]であれば、濃度補正表T2aが対応する導電率であるため、記憶部22’から濃度補正表T2aを読み出す。
同様に、導電率信号Sc’が導電率138[μS/cm]であれば、濃度補正表T2jが対応する導電率であるため、記憶部22’から濃度補正表T2jを読み出す。
また、導電率信号Sc’が導電率170[μS/cm]であれば、濃度補正表T1が対応する導電率であるため、記憶部22’から濃度補正表T1を読み出す。
このように、補正演算部21’は、導電率信号Sc’に応じて最適な濃度補正表を選択し、記憶部22’から読み出す。
なお、図7では濃度補正表T1、T2a〜T2kをグラフで表現しているが、これらの濃度補正表はPH値と拡散電流値を対応づける補正テーブルであってもよいし、PH値と拡散電流値を対応付ける数式であってもよい。その他の構成は前記実施例2と同じである。
本実施例は以上のように構成され、
演算部20’が、中〜高導電率の範囲に対応する濃度補正表T1と、低導電率の範囲に対応する比較的多数の濃度補正表T2a〜T2kを有し、被測定液Lの導電率信号Sc’に応じて最適な濃度補正表を選択し、その選択された濃度補正表を用いて拡散電流Iiの電流値を補正することにより、被測定液Lが低導電率で導電率とPH値の両方が変化しても同時に補正ができ、さらに高精度に塩素濃度を測定できる。
また、本実施例では、低導電率の範囲を10[μS/cm]ずつに分割して濃度補正表T2a〜T2kを作成したが、分割する導電率の幅は10[μS/cm]に限られない。低導電率の範囲をより多くの数に分割すれば、導電率の変動が拡散電流Iiに直接与える影響をより高精度に補正できる。
また、本実施例では、中〜高導電率の範囲は濃度補正表T1のみで対応したが、中〜高導電率の範囲も複数の範囲に分割して濃度補正表を用意してもよい。
また、低導電率の範囲の分割の仕方は、本実施例のように均等な導電率幅で分割してもよいし、非均等に分割してもよい。低導電率になるほど導電率の変動が拡散電流Iiに直接与える影響が大きくなるため、低導電率になるほど分割の幅を狭くしてもよい。
なお、本実施例では、補正演算部21’は被測定液Lの導電率Sc’に応じて濃度補正表をひとつ選択し、その濃度補正表のみを用いて拡散電流Iiの補正を行ったが、濃度補正表が対応する導電率範囲の中央値が導電率Sc’に近い2つの濃度補正表を読み出し、これらの濃度補正表で得られる補正値からさらに導電率Sc’における補正値を内挿し、拡散電流Iiの補正を行ってもよい。
1 液槽
2 対極
3 作用極
4 温度センサ
5 PHセンサ
6 アンプ
7 電流測定回路
8 温度測定回路
9 PH測定回路
10 電圧印加手段
11 導電率入力手段
12 導電率センサ
13 導電率測定回路
20 演算部
21 補正演算部
22 記憶部
30 出力部
31 出力端
L 被測定液

Claims (5)

  1. 被測定液中に配置された作用極と対極との間にプラトー電流を形成する加電圧を印加し、これらの電極間に流れる拡散電流に基づいて前記被測定液の塩素濃度を測定する残留塩素計において、
    前記被測定液のPHを測定するPHセンサと、
    PH値と拡散電流値の関係を示す濃度補正表を備え、前記PHセンサの出力と前記拡散電流とが入力され、前記濃度補正表を用いて前記拡散電流の値を補正する補正演算手段とを有し、
    この補正演算手段は、前記濃度補正表を導電率に応じて複数備え、前記被測定液の導電率に応じて最適な濃度補正表を選択することを特徴とする残留塩素計。
  2. 前記被測定液の導電率を測定する導電率センサを備え、
    前記補正演算手段は、この導電率センサの出力に応じて濃度補正表を選択することを特徴とする請求項1に記載の残留塩素計。
  3. 前記補正演算手段は、前記被測定液が取りうる導電率のうち高導電率の範囲、中導電率の範囲、低導電率の範囲に対応する少なくとも3つの濃度補正表を有することを特徴とする請求項1または2に記載の残留塩素計。
  4. 前記補正演算手段は、前記被測定液が取りうる導電率のうち、低導電率の範囲について、その他の導電率の範囲と比較して多くの濃度補正表を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の残留塩素計。
  5. 前記濃度補正表は、前記作用極の材質ごとに作成され、
    前記補正演算手段は、前記作用極の材質に対応する濃度補正表を選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の残留塩素計。
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