JP2010185566A - コンバイン - Google Patents

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Abstract

【課題】制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標走行速度にかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能なコンバインの提供を目的とする。
【解決手段】制御手段200は、変速操作具25の操作量を検知する操作量検知手段25aと、走行用油圧式無段変速装置40の走行回転数を検知する走行回転数検知手段108と、が接続され、変速操作具25の操作量から算出される目標走行速度Vtと走行用油圧式無段変速装置40の走行回転数から算出される走行速度Vrとの速度偏差Vsを減少させるために、当該速度偏差Vsと走行制御ゲインG1とから算出される走行斜板角度補正値Vθmを目標走行速度Vtに加算して算出される速度指令値Vによって走行用油圧式無段変速装置40を制御する構成であって、走行制御ゲインG1は、目標走行速度Vtが第一設定速度V1以下では0とすることを特徴とするものである。
【選択図】図4

Description

本発明は、コンバインの駆動制御に関する。詳しくは駆動部の油圧式無段変速装置の制御技術に関する。
従来、走行用油圧式無段変速装置と操向用油圧式無段変速装置とを搭載しこれらにより走行および操向を行うコンバインは知られている。このようなコンバインにおいて、各油圧式無段変速装置の動作の制御は機械伝達機構によって行われていた。しかし、機械伝達機構によって各油圧式無段変速装置の動作の制御が行われる場合、組み立て時における機械伝達機構の調整が難しく、摩耗等の経時変化に対応するため機械伝達機構の調整が定期的に必要であり、メンテナンス性やコストの面で不利であった。
そこで、各油圧式無段変速装置の制御をモータ等のアクチュエータを介して行い、目標値と出力値との速度偏差を0にするように補正量を算出し、アクチュエータの指令値を補正することで摩耗等の経時変化の影響を受けることなく目標値に追従する制御を行うようにしたコンバイン等の制御技術は公知である。例えば、特許文献1の如くである。
しかし、前記補正値を算出するために必要な走行制御ゲインは常に一定であることから低速走行時等、各油圧式無段変速装置の走行回転数や操向回転数の検知精度が低下する状況では実際の出力値と検知される出力値の誤差が大きくなり、ハンチングや制御精度の低下等が発生し、低速走行時に違和感や不快感を発生させる可能性があった。
特開平11−63218号公報
そこで本発明は、制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標走行速度にかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能なコンバインの提供を目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、変速操作具の変速操作に応じて制御される走行用油圧式無段変速装置と、操向操作具の操向操作に応じて制御される操向用油圧式無段変速装置と、前記走行用油圧式無段変速装置および前記操向用油圧式無段変速装置を制御する制御手段と、を有するコンバインにおいて、前記制御手段は、前記変速操作具の操作量を検知する操作量検知手段と、前記走行用油圧式無段変速装置の走行回転数を検知する走行回転数検知手段と、が接続され、前記変速操作具の操作量から算出される目標走行速度と前記走行用油圧式無段変速装置の走行回転数から算出される走行速度との速度偏差、または前記変速操作具の操作量から算出される目標走行斜板角度と前記走行用油圧式無段変速装置の走行回転数およびエンジン回転数から算出される実走行斜板角度との走行斜板角度偏差、を減少させるために、前記速度偏差または前記走行斜板角度偏差と、走行制御ゲインと、から算出される走行斜板角度補正値を、前記目標走行速度または前記目標走行斜板角度から算出される速度指令値に加算して前記走行用油圧式無段変速装置を制御する構成であって、前記走行制御ゲインまたは前記走行斜板角度補正値の上限を、前記目標走行速度が第一設定速度以下、または前記目標走行斜板角度が第一設定走行斜板角度以下の場合に0とすることをとすることを特徴とするものである。
請求項2においては、前記制御手段は、前記目標走行速度が前記第一設定速度から前記第一設定速度より大きい速度に設定される第二設定速度までの間にある場合、または前記目標走行斜板角度が前記第一設定走行斜板角度から前記第一設定走行斜板角度より大きい角度に設定される第二設定走行斜板角度までの間にある場合、前記目標走行速度または目標走行斜板角度の増大にともなって、前記走行制御ゲインまたは前記走行斜板角度補正値の上限を徐々に大きくすることを特徴とするものである。
請求項3においては、前記制御手段は、前記コンバインの傾斜量を検出する傾斜量検出手段が接続され、前記傾斜量検知手段が検知する傾斜量が設定傾斜量を超えると前記第二設定速度を第一設定速度に近づくように小さく設定し直すこと、または前記第二設定走行斜板角度を第一設定走行斜板角度に近づくように小さく設定し直すことを特徴とするものである。
請求項4においては、前記制御手段は、前記操向操作具の操作量を検知する操向量検知手段と、前記操向用油圧式無段変速装置の操向回転数を検知する操向回転数検知手段と、が接続され、前記操向操作具の操作量から算出される目標操向量と前記操向用油圧式無段変速装置の操向回転数から算出される操向量との操向量偏差、または前記操向操作具の操作量から算出される目標操向斜板角度と前記操向用油圧式無段変速装置の操向回転数および前記エンジン回転数から算出される操向斜板角度との操向斜板角度偏差、を減少させるために、前記操向量偏差または前記操向斜板角度偏差と、操向制御ゲインと、から算出される操向斜板角度補正値を、前記目標操向量または前記目標操向斜板角度から算出される操向量指令値に加算して前記操向用油圧式無段変速装置を制御する構成であって、前記操向制御ゲインまたは前記操向斜板角度補正値の上限を、前記目標操向量が第一設定操向量以下、または前記目標操向斜板角度が第一設定操向斜板角度以下の場合に0とすることを特徴とするものである。
請求項5においては、前記操向用油圧式無段変速装置は、出力軸を制動しつつ所定値以上の回転力で回動可能とする操向ブレーキを有し、前記制御手段は、前記目標操向量が前記第一設定操向量から前記第一設定操向量より大きい値に設定される第二設定操向量までの間にある場合、または目標操向斜板角度が前記第一設定操向斜板角度より大きい値に設定される第二設定操向斜板角度までの間にある場合、この目標操向量または目標操向斜板角度の増大にともなって前記操向制御ゲインまたは前記操向斜板角度補正値の上限を徐々に大きくすることを特徴とするものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1の如く構成したので、経時変化による機械伝達機構の磨耗や走行用油圧式無段変速装置の走行回転数が走行時の負荷変動に影響されず、指定した速度で安定した走行をすることができ、かつ、低速走行時における制御精度の低下の影響もうけない。また、エンジン回転数を変更しても変速操作具の変速操作に応じて走行速度を維持することができる。これにより、制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標走行速度にかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能になる。
請求項2の如く構成したので、走行制御ゲインによる補正、または走行斜板角度補正値の上限が所定の区間で徐々に変化するため制御による急激な速度変動が少ない。これにより、制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標走行速度にかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能になる。
請求項3の如く構成したので、走行制御ゲインまたは走行斜板角度補正値の上限が小さく設定される目標走行速度または目標走行斜板角度でも傾斜により走行速度が増速もしくは減速する割合が大きい場合は、走行制御ゲインまたは走行斜板角度補正値の上限を大きくする。これにより、制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標走行速度にかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能になる。
請求項4の如く構成したので、経時変化による磨耗や操向時の負荷変動に影響されず、指定した操向量で安定した操向をすることができ、かつ、小旋回時における制御精度の低下の影響もうけない。これにより、制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標走行速度にかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能になる。
請求項5の如く構成したので、操向制御ゲインによる補正、または操向斜板角度補正値の上限が所定の区間で徐々に変化するので制御による急激な操向量変動が少ない。これにより、制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標操向量にかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能になる。
本発明の一実施形態に係るコンバインの全体構成を示す左側面図。 本発明の一実施形態に係るコンバインの動力伝達の構成を示す油圧回路図。 本発明の一実施形態に係るコンバインの制御システムの構成を示すブロック図。 (a)本発明の一実施形態に係るコンバインの目標走行速度に対する走行制御ゲインのグラフを示す図。(b)本発明の一実施形態に係るコンバインの目標走行斜板角度に対する走行制御ゲインのグラフを示す図。 (a)本発明の一実施形態に係るコンバインの目標走行速度に対する走行斜板角度補正値のグラフを示す図。(b)本発明の一実施形態に係るコンバインの目標走行斜板角度に対する走行斜板角度補正値のグラフを示す図。 本発明に係るコンバインの走行制御手順を示すフローチャート図。 (a)本発明の一実施形態に係るコンバインの目標操向量に対する操向斜板角度補正値のグラフを示す図。(b)本発明の一実施形態に係るコンバインの目標操向斜板角度に対する操向斜板角度補正値のグラフを示す図。 (a)本発明の一実施形態に係るコンバインの目標操向量に対する操向斜板角度補正値のグラフを示す図。(b)本発明の一実施形態に係るコンバインの目標操向斜板角度に対する操向斜板角度補正値のグラフを示す図。 本発明に係るコンバインの操向制御手順を示すフローチャート図。
次に、発明の実施形態を説明する。
まず、本発明の一実施形態に係るコンバイン1の全体構成について説明する。
図1に示すように、コンバイン1には、走行部3と、刈取部4と、脱穀部5と、選別部6と、穀粒貯溜部7と、排藁処理部8と、エンジン部9と、ミッション部10と、操縦部11とが備えられる。
走行部3は機体フレーム2の下部に設けられる。走行部3は左右一対のクローラを有するクローラ式走行装置12・12等を有し、左右のクローラ式走行装置12・12により機体を前進または後進方向に走行させることができるように構成される。
刈取部4は機体フレーム2の前端部に機体に対して昇降可能に設けられる。刈取部4は分草具13や、引起装置14や、切断装置15や、搬送装置16等を有し、分草具13により圃場の穀稈を分草し、引起装置14により分草後の穀稈を引き起こし、切断装置15により引き起こし後の穀稈を切断し、搬送装置16により切断後の穀稈を脱穀部5側へ搬送することができるように構成される。
脱穀部5は機体フレーム2の左側前部に設けられ、刈取部4の後方に配置される。脱穀部5はフィードチェーン17や、扱胴や受網等を有し、フィードチェーン17により刈取部4の搬送装置16からの穀稈を受け継いで排藁処理部8側へ搬送し、前記扱胴および受網により搬送中の穀稈を脱穀し、その脱穀物を漏下させることができるように構成される。
選別部6は機体フレーム2の左側部に設けられ、脱穀部5の下方に配置される。選別部6は揺動選別装置や、風選別装置や、穀粒搬送装置や、藁屑排出装置等を有し、揺動選別装置により脱穀部5から落下する脱穀物を穀粒と藁屑や塵埃等とに揺動選別し、風選別装置により揺動選別後のものを更に穀粒と藁屑や塵埃等とに風選別し、穀粒搬送装置により選別後の穀粒を穀粒貯溜部7側へ搬送する一方、藁屑排出装置により藁屑や塵埃等を外部へ排出することができるように構成される。
穀粒貯溜部7は機体フレーム2の右側後部に設けられ、脱穀部5および選別部6の右側方に配置される。穀粒貯溜部7はグレンタンク21や、穀粒排出装置22等を有し、グレンタンク21により選別部6から搬送されてくる穀粒を一時的に貯溜し、穀粒排出装置22により貯溜中の穀粒をグレンタンク21から排出し、更に任意の方向に搬送してから外部へ排出することができるように構成される。
排藁処理部8は機体フレーム2の左側後部に設けられ、脱穀部5の後方に配置される。排藁処理部8は排藁搬送装置や、排藁切断装置等を有し、排藁搬送装置により脱穀部5のフィードチェーン17からの脱穀済みの穀稈を受け継いでこれを排藁として外部へ排出する、または排藁切断装置へ搬送し、排藁切断装置により切断してから外部へ排出することができるように構成される。
エンジン部9は機体フレーム2の右側前部に設けられ、穀粒貯溜部7の前方に配置される。エンジン部9はエンジン31等を有し、動力をエンジン31からこれを駆動源とする各部の装置に適宜の伝動機構を介して供給し、エンジン31により各部の装置を駆動させることができるように構成される。
ミッション部10は機体フレーム2の右側前部に設けられ、エンジン部9の前方に配置される。ミッション部10はエンジン部9のエンジン31の動力が走行部3や、刈取部4等へ供給される前に当該動力を変速するものである。ミッション部10は、コンバイン1(機体前後方向)の傾斜量Srを検出する傾斜量検知手段27と、走行用油圧式無段変速装置40および操向用油圧式無段変速装置50と、制御手段200とを有する。
操縦部11は機体フレーム2の右側前部に設けられ、エンジン部9およびミッション部10の上方に配置される。操縦部11は操縦席24や変速操作具25、操向操作具26を含む操作具類や、ステップ等を有し、操縦席24にステップ上の操縦者を着座させ、操作具類により操縦者が各部の装置を操作することができるように構成される。また、操縦部11は、変速操作具25の操作量を検知する操作量検知手段25aと、操向操作具26の操作量を検知する操向量検知手段26aと、を具備する。
このようにして、コンバイン1は、操縦部11での操作具類の操作によって、エンジン部9からエンジン31の動力を各部の装置に供給して、走行部3にて機体を走行させながら、刈取部4で圃場の穀稈を刈り取り、脱穀部5で刈取部4からの穀稈を脱穀し、選別部6で脱穀部5からの脱穀物を選別して、穀粒貯溜部7で選別部6からの穀粒を貯溜するととともに、排藁処理部8で脱穀部5からの排藁を外部へ排出することができるように構成される。
次に、図2を用いてミッション部10の構成について説明する。
ミッション部10は、図2に示すように、走行用油圧式無段変速装置(以下、走行用HSTという。)40、操向用油圧式無段変速装置(以下、操向用HSTという。)50、伝動機構70、ミッションケース、制御手段200等が備えられる。そして、ミッションケースに走行用HST40、操向用HST50、伝動機構70、制御手段200が収容され、これらによりコンバイン1の走行系の伝動機構が構成される。
走行用HST40は、エンジン31の動力を作動油を介して無段階に変速する。走行用HST40は、可変容積型の走行ポンプ40P、可変容積型の走行モータ40M、走行ポンプ斜板作動手段47(図3参照)、走行モータ斜板作動手段48(図3参照)等から構成される。走行用HST40は、走行ポンプ40Pと走行モータ40Mとが互いに流体接続される。
走行ポンプ40Pは、走行モータ40Mに作動油を供給する。走行ポンプ40Pは、走行ポンプ軸41、走行ポンプ本体42、走行ポンプ容積調整手段43等から構成される。走行ポンプ軸41はエンジン31の出力軸と連動連結され、走行ポンプ本体42は走行ポンプ軸41に相対回転不能に支持される。走行ポンプ容積調整手段43は、図示しない可動斜板と制御軸とを有し、該制御軸にて前記可動斜板を傾転させることにより走行ポンプ40Pの容積量を変更することができる。
走行モータ40Mは、作動油の油圧により走行モータ軸45を回動させる。走行モータ40Mは、走行モータ本体44、走行モータ軸45、走行モータ容積調整手段46等から構成される。走行モータ本体44は、走行ポンプ本体42と流体接続され、走行モータ軸45に相対回転不能に支持される。走行モータ軸45には、PTOプーリ90が固定され、このPTOプーリ90から走行モータ40Mの出力が刈取部4の伝動機構に伝達可能とされる。走行モータ容積調整手段46は、図示しない可動斜板と制御軸とを有し、該制御軸にて前記可動斜板を傾転させることにより走行モータ本体44の容積量を変更することができる。
走行ポンプ斜板作動手段47(図3参照)は、走行ポンプ容積調整手段43を制御する。走行ポンプ斜板作動手段47は、図示しない電磁弁、油圧シリンダ等から構成され、前記電磁弁により前記油圧シリンダに供給される作動油の給排を切り替えることで油圧シリンダを伸縮させて走行ポンプ容積調整手段43を傾転させる。
走行モータ斜板作動手段48(図3参照)は、走行モータ容積調整手段46を制御する。走行モータ斜板作動手段48は、図示しない電磁弁、油圧シリンダ等から構成され、前記電磁弁により前記油圧シリンダに供給される作動油の給排を切り替えることで油圧シリンダを伸縮させて走行モータ容積調整手段46を傾転させる。
こうして、走行用HST40では、走行ポンプ40Pの駆動時に、前記可動斜板の傾転に応じて走行ポンプ40Pの容積量が変更されることによって、走行ポンプ40Pから走行モータ40Mへ吐出される作動油の吐出量および吐出方向が変更され、走行モータ軸45の回転方向が正または逆方向に変更されるとともに、回転数が無段階に変更される。さらに、前記可動斜板の傾転に応じて走行モータ40Mの容積量が変更されることによって、走行モータ40Mにおける走行モータ軸45の回転数が変更される。
操向用HST50は、エンジン31の動力を作動油を介して無段階に変速する。操向用HST50は、可変容積型の操向ポンプ50P、固定容積型の操向モータ50M、操向ポンプ斜板作動手段56(図3参照)等から構成される。操向用HST50は、操向ポンプ50Pと操向モータ50Mとが互いに流体接続される。
操向ポンプ50Pは、操向モータ50Mに作動油を供給する。操向ポンプ50Pは、操向ポンプ軸51、操向ポンプ本体52、操向ポンプ容積調整手段53等から構成される。操向ポンプ軸51はエンジン31と連動連結され、操向ポンプ本体52は操向ポンプ軸51に相対回転不能に支持される。操向ポンプ容積調整手段53は、図示しない可動斜板と制御軸とを有し、該制御軸にて前記可動斜板を傾転させることにことにより操向ポンプ50Pの容積量を変更することができる。
操向モータ50Mは、作動油の油圧により操向モータ軸55を回動させる。操向モータ50Mは、操向モータ本体54、操向モータ軸55、固定斜板から構成される。操向モータ本体54は操向ポンプ本体52と流体接続され、操向モータ軸55に相対回転不能に支持される。図示しない固定斜板は、操向モータ50Mの容積量を固定することができるように、操向モータ本体54に設けられる。
操向ポンプ斜板作動手段56(図3参照)は、操向ポンプ容積調整手段53を制御する。操向ポンプ斜板作動手段56は、図示しない電磁弁、油圧シリンダ等から構成され、前記電磁弁により前記油圧シリンダに供給される作動油の給排を切り替えることで油圧シリンダを伸縮させて操向ポンプ容積調整手段53を傾転させる。
こうして、操向用HST50では、操向ポンプ50Pの駆動時に、前記可動斜板の傾転に応じて操向ポンプ50Pの容積量が変更されることによって、操向ポンプ50Pから操向モータ50Mへ吐出される作動油の吐出量および吐出方向が変更され、操向モータ軸55の回転方向が正または逆方向に変更されるとともに、回転数が無段階に変更される。
伝動機構70は、走行用HST40および操向用HST50の回転動力を各クローラ式走行装置12・12に伝動する。伝動機構70は、一対の遊星ギヤ機構、即ち第一遊星ギヤ機構80aおよび第二遊星ギヤ機構80b、走行用出力伝動機構100、旋回用出力伝動機構110等から構成される。
第一遊星ギヤ機構80aは、一方のクローラ式走行装置12に回転動力を伝動する。第一遊星ギヤ機構80aは、サンギヤ81、複数の遊星ギヤ82・82・・・、キャリア83、インターナルギヤ84から構成される。第一遊星ギヤ機構80aは、サンギヤ81が回転軸85に固定され、サンギヤ81を同心状に囲繞するようにインターナルギヤ84が配置される。各遊星ギヤ82は、サンギヤ81の外歯とインターナルギヤ84の内歯とに噛合するように介装され、キャリア83に回転自在に軸支される。そして、キャリア83が第一出力軸60aと固定される。
第二遊星ギヤ機構80bは、他方のクローラ式走行装置12に回転動力を伝達する。第二遊星ギヤ機構80bは、サンギヤ81、複数の遊星ギヤ82・82・・・、キャリア83、インターナルギヤ84から構成される。第二遊星ギヤ機構80bは、サンギヤ81が回転軸85に固定され、サンギヤ81を同心状に囲繞するようにインターナルギヤ84が配置される。各遊星ギヤ82は、サンギヤ81の外歯とインターナルギヤ84の内歯とに噛合するように介装され、キャリア83に回転自在に軸支される。そして、キャリア83が第二出力軸60bと固定される。
走行用出力伝動機構100は、走行用HST40の回転動力を第一遊星ギヤ機構80aおよび第二遊星ギヤ機構80bに伝動する。走行用出力伝動機構100は、走行入力軸101、駐車用ブレーキ装置102、分岐軸105、第一走行用出力ギヤ列106a、第二走行用出力ギヤ列106b、副変速機構107等から構成される。走行用出力伝動機構100は、走行入力軸101が走行モータ40Mの走行モータ軸45と連動連結され、分岐軸105が副変速機構107を介して走行入力軸101に連動連結される。
駐車用ブレーキ装置102は、走行モータ軸45に制動力を付加する。駐車用ブレーキ装置102は、ブレーキ軸103とブレーキユニット104とが連結され、走行入力軸101の出力がブレーキ軸103を介して分岐軸105へ伝動される。駐車用ブレーキ装置102は、ブレーキユニット104によりブレーキ軸103に対して選択的に制動力を付加することで走行モータ軸45を制動可能にしている。ブレーキ軸103には、その回転数を検知する走行回転数検知手段108が設けられる。
第一走行用出力ギヤ列106aは、分岐軸105の回転動力を第一遊星ギヤ機構80aのインターナルギヤ84に伝動する。第二走行用出力ギヤ列106bは分岐軸105の回転動力を第二遊星ギヤ機構80bのインターナルギヤ84に伝達するものである。第一走行用出力ギヤ列106aおよび第二走行用出力ギヤ列106bの各伝動方向および伝動比は、互いに同一に設定される。
副変速機構107は走行用の走行モータ軸45によって回動される走行入力軸101の回転動力を多段変速して分岐軸105に伝動する。
旋回用出力伝動機構110は、操向用HST50の回転動力を第一遊星ギヤ機構80aおよび第二遊星ギヤ機構80bに伝動する。旋回用出力伝動機構110は、旋回入力軸111、共通軸112、第一旋回用出力ギヤ列113a、第二旋回用出力ギヤ列113b、操向ブレーキ114、クラッチ装置115等が備えられる。旋回用出力伝動機構110は、旋回入力軸111が操向モータ50Mの操向モータ軸55と連動連結され、共通軸112がクラッチ装置115を介して旋回入力軸111に連動連結される。
第一旋回用出力ギヤ列113aは、共通軸112の回転動力を回転軸85等を介して第一遊星ギヤ機構80aのサンギヤ81に伝動する。第二旋回用出力ギヤ列113bは、共通軸112の回転動力を回転軸85等を介して第二遊星ギヤ機構80bのサンギヤ81に伝動する。第一旋回用出力ギヤ列113aおよび第二旋回用出力ギヤ列113bの伝動比は同一に設定され、伝動方向は互いに反対方向に設定される。第一旋回用出力ギヤ列113aもしくは第二旋回用出力ギヤ列113bには、回転数を検知する操向回転数検知手段116が具備される。
操向ブレーキ114は、操向モータ軸55に制動力を付加する。操向ブレーキ114は、旋回入力軸111と一体的に構成され、旋回入力軸111に対して絶えず制動力を付加し、操向モータ軸55の回転動力が所定値以上となると回動するように構成される。
クラッチ装置115は、旋回入力軸111の回転動力を共通軸112に選択的に伝動する。クラッチ装置115は、共通軸112と一体的に構成され、旋回入力軸111から共通軸112への回転動力を図示しないクラッチ板の摩擦力を介して任意に伝動または遮断することができるように構成される。
このような構成において、操向用HST50の操向モータ50Mが停止し、走行用HST40の走行モータ40Mが駆動する場合、走行モータ40Mの回転動力が、走行モータ軸45から、走行用出力伝動機構100の走行入力軸101、分岐軸105、第一走行用出力ギヤ列106aおよび第二走行用出力ギヤ列106b、第一遊星ギヤ機構80aおよび第二遊星ギヤ機構80bのインターナルギヤ84、遊星ギヤ82、キャリア83の順に各部材に伝達され、ついで第一出力軸60aおよび第二出力軸60bに伝達される。
この回転動力の伝達によって、第一出力軸60aと第二出力軸60bとが同一回転数で回転され、ひいては左右の各クローラ式走行装置12に備えられた駆動輪が同一回転方向に同一回転数で回転される。その結果、左右のクローラ式走行装置12が駆動され、機体の前後方向における直進走行が行われる。
走行用HST40の走行モータ40Mが停止し、操向用HST50の操向モータ50Mが駆動する場合、操向モータ50Mの回転動力が、操向モータ軸55から、旋回用出力伝動機構110の旋回入力軸111、共通軸112、第一旋回用出力ギヤ列113aおよび第二旋回用出力ギヤ列113b、第一遊星ギヤ機構80aおよび第二遊星ギヤ機構80bのサンギヤ81、遊星ギヤ82、キャリア83の順に各部材に伝達され、ついで第一出力軸60aおよび第二出力軸60bに伝達される。
この回転動力の伝達によって、第一出力軸60aと第二出力軸60bとが互いに反対方向に回転され、ひいては左右一方のクローラ式走行装置12の駆動輪が正または逆方向へ回転され、左右他方のクローラ式走行装置12の駆動輪が逆または正方向へ回転される。その結果、左右のクローラ式走行装置12が駆動され、その場で機体のスピンターン旋回が行われる。これにより、たとえば圃場や枕地での方向転換が可能とされる。
走行用HST40における走行モータ40Mが駆動するとともに、操向用HST50の操向モータ50Mが駆動する場合、走行モータ40Mから走行用出力伝動機構100を介して伝達される回転動力と、操向モータ50Mから旋回用出力伝動機構110を介して伝達される回転動力とが、第一遊星ギヤ機構80aおよび第二遊星ギヤ機構80bでそれぞれ合成され後、第一出力軸60aおよび第二出力軸60bに伝達される。
この回転動力の伝達によって、第一出力軸60aおよび第二出力軸60bが互いに異なる回転数で回転され、ひいては左右の各クローラ式走行装置12の駆動輪が互いに異なる回転数で回転される。その結果、左右のクローラ式走行装置12が速度差をもって駆動され、機体の走行と左または右方向への旋回とが同時に行われる。なお、旋回方向および旋回半径は左右のクローラ式走行装置12の速度差に応じて決定される。
次に図3および図4を用いて制御手段200の構成について説明する。
制御手段200は、図3に示すように、エンジン31、走行ポンプ斜板作動手段47、走行モータ斜板作動手段48、操向ポンプ斜板作動手段56を介して走行用HST40および操向用HST50の動作を制御するものである。制御手段200は、具体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。制御手段200には、走行ポンプ斜板作動手段47、走行モータ斜板作動手段48、操向ポンプ斜板作動手段56等の動作を制御するための種々のプログラムおよびデータが格納される。制御手段200は、前記プログラム等に基づいてエンジン31、走行ポンプ斜板作動手段47、走行モータ斜板作動手段48等の動作を制御する。
制御手段200は、図4(a)に示すように、変速操作具25の操作量から算出される目標走行速度(以下、単に「目標走行速度」と記す)Vtと、目標走行速度Vtに対応する走行制御ゲインG1との関係を示す走行制御ゲインマップM11を格納する。走行制御ゲインG1は、目標走行速度Vtと走行用HST40が回動するブレーキ軸103の回転数から算出される実際の走行速度(以下、単に「走行速度」と記す)Vrとの速度偏差Vsを減少させる、特に0とするための走行斜板角度補正値Vθmを、速度偏差Vsから算出するものである。走行制御ゲインG1はPI制御またはPID制御を行う時のゲインである。
走行制御ゲインマップM11は、第一設定速度V1が設定されており、目標走行速度Vtが第一設定速度V1以下の場合、走行制御ゲインG1の値が0に設定されている。すなわち、目標走行速度Vtが畦越えや圃場への進入や条合わせ等を行うために微速で走行する第一設定速度V1以下の場合、走行斜板角度補正値Vθmは0とされる。
また、走行制御ゲインマップM11は、第一設定速度V1より大きい値の第二設定速度V2が設定されており、目標走行速度Vtが第一設定速度V1から第二設定速度V2までの場合、目標走行速度Vtの増大にともなって走行制御ゲインG1が徐々に大きくなるよう設定されている。すなわち、目標走行速度Vtが第一設定速度V1から第二設定速度V2までの場合、走行斜板角度補正値Vθmは目標走行速度Vtに対応した走行制御ゲインG1に基づいて算出される。
また、走行制御ゲインマップM11は、目標走行速度Vtが第二設定速度V2より大きい場合、走行制御ゲインG1が一定の値になるよう設定されている。すなわち、目標走行速度Vtが第二設定速度V2より大きい場合、走行斜板角度補正値Vθmは一定の値とされる。なお、第一設定速度V1および第二設定速度V2は変更可能とする。
また、走行制御ゲインマップM11は、傾斜量Srが設定傾斜量S1より大きい場合、第二設定速度V2を第一設定速度V1に近づける方向に変更し第二設定速度V3とするよう設定されている。すなわち、傾斜量Srが設定傾斜量S1より大きく、かつ目標走行速度Vtが第一設定速度V1以上第二設定速度V2以下の場合、走行斜板角度補正値Vθmは傾斜量Srが設定傾斜量S1より小さい場合より大きい値に算出される。
制御手段200は、図4(b)に示すように、走行制御ゲインマップM11に代えて変速操作具25の操作量から算出される目標走行斜板角度(以下、単に「目標走行斜板角度」と記す)Vθtと、目標走行斜板角度Vθtに対応する走行制御ゲインG1との関係を示す走行制御ゲインマップM12を格納してもよい。走行制御ゲインG1は、目標走行斜板角度Vθtと走行用HST40が回動するブレーキ軸103の回転数およびエンジン31の回転数から算出される実際の走行斜板角度(以下、単に「走行斜板角度」と記す)Vθrとの走行斜板角度偏差Vθsを減少させる、特に0とするための走行斜板角度補正値Vθmを、走行斜板角度偏差Vθsから算出するものである。
走行制御ゲインマップM12においては、第一設定走行斜板角度Vθ1が設定されており、目標走行斜板角度Vθtが第一設定走行斜板角度Vθ1以下の場合、走行制御ゲインG1の値が0に設定されている。
また、走行制御ゲインマップM12は、第一設定走行斜板角度Vθ1より大きい値の第二設定走行斜板角度Vθ2が設定されており、目標走行斜板角度Vθtが第一設定走行斜板角度Vθ1から第二設定走行斜板角度Vθ2までの場合、目標走行斜板角度Vθtの増大にともなって走行制御ゲインG1が徐々に大きくなるよう設定されている。
また、走行制御ゲインマップM12は、目標走行斜板角度Vθtが第二設定走行斜板角度Vθ2より大きい場合、走行制御ゲインG1が一定の値になるよう設定されている。
また、走行制御ゲインマップM12は、傾斜量Srが設定傾斜量S1より大きい場合、第二設定走行斜板角度Vθ2を第一設定走行斜板角度Vθ1に近づける方向に変更し第二設定走行斜板角度Vθ3とするよう設定されている。
制御手段200は、図5(a)に示すように、走行制御ゲインマップM11・M12に代えて変速操作具25の操作量から算出される目標走行速度Vtと、目標走行速度Vtに対応する走行斜板角度補正値Vθmの上限と、の関係を示す走行斜板角度補正値マップM13を格納してもよい。
走行斜板角度補正値マップM13においては、第一設定速度V1が設定されており、目標走行速度Vtが第一設定速度V1以下の場合、走行斜板角度補正値Vθmの値が0に設定されている。
また、走行斜板角度補正値マップM13は、第一設定速度V1より大きい値の第二設定速度V2が設定されており、目標走行速度Vtが第一設定速度V1から第二設定速度V2までの場合、目標走行速度Vtの増大にともなって走行斜板角度補正値Vθmの上限が徐々に大きくなるよう設定されている。
また、走行斜板角度補正値マップM13は、目標走行速度Vtが第二設定速度V2より大きい場合、走行斜板角度補正値Vθmの上限が一定の値になるよう設定されている。
また、走行斜板角度補正値マップM13は、傾斜量Srが設定傾斜量S1より大きい場合、第二設定速度V2を第一設定速度V1に近づける方向に変更し第二設定速度V3とするよう設定されている。
制御手段200は、図5(b)に示すように、走行制御ゲインマップM11・M12、走行斜板角度補正値マップM13に代えて変速操作具25の操作量から算出される目標走行斜板角度Vθtと、目標走行斜板角度Vθtに対応する走行斜板角度補正値Vθmの上限と、の関係を示す走行斜板角度補正値マップM14を格納してもよい。
走行斜板角度補正値マップM14においては、第一設定走行斜板角度Vθ1が設定されており、目標走行斜板角度Vθtが第一設定走行斜板角度Vθ1以下の場合、走行斜板角度補正値Vθmの値が0に設定されている。
また、走行斜板角度補正値マップM14は、第一設定走行斜板角度Vθ1より大きい値の第二設定走行斜板角度Vθ2が設定されており、目標走行斜板角度Vθtが第一設定走行斜板角度Vθ1から第二設定走行斜板角度Vθ2までの場合、目標走行斜板角度Vθtの増大にともなって走行斜板角度補正値Vθmの上限が徐々に大きくなるよう設定されている。
また、走行斜板角度補正値マップM14は、目標走行斜板角度Vθtが第二設定走行斜板角度Vθ2より大きい場合、走行斜板角度補正値Vθmの上限が一定の値になるよう設定されている。
また、走行斜板角度補正値マップM14は、傾斜量Srが設定傾斜量S1より大きい場合、第二設定走行斜板角度Vθ2を第一設定走行斜板角度Vθ1に近づける方向に変更し第二設定走行斜板角度Vθ3とするよう設定されている。
走行制御ゲインマップM11に示される目標走行速度Vtと走行制御ゲインG1との関係、走行制御ゲインマップM12に示される目標走行斜板角度Vθtと走行制御ゲインG1との関係、走行斜板角度補正値マップM13に示される目標走行速度Vtと走行斜板角度補正値Vθmの上限との関係、および走行斜板角度補正値マップM14に示される目標走行斜板角度Vθtと走行斜板角度補正値Vθmの上限との関係は、予め数値計算や実験等により決定される。なお、図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)に示す走行制御ゲインマップM11・M12および走行斜板角度補正値マップM13・M14は例示である。目標走行速度Vtまたは目標走行斜板角度Vθtと走行制御ゲインG1との相関関係、もしくは目標走行速度Vtまたは目標走行斜板角度Vθtと走行斜板角度補正値Vθmの上限との相関関係はこれに限るものではない。
制御手段200は、図3に示すように、操作量検知手段25aに接続され、操作量検知手段25aに入力される変速操作具25の操作量を取得し、目標走行速度Vtまたは目標走行斜板角度Vθtを算出することが可能である。
制御手段200は、傾斜量検知手段27に接続され、傾斜量検知手段27が検知する傾斜量Srを取得することが可能である。
制御手段200は、エンジン31に接続され、エンジン31を制御し、エンジン31のエンジン回転数を取得することが可能である。
制御手段200は、走行ポンプ斜板作動手段47に接続され、走行ポンプ斜板作動手段47の動作を制御し、走行用HST40の走行回転数を変速することが可能である。
制御手段200は、走行モータ斜板作動手段48に接続され、走行モータ斜板作動手段48の動作を制御し、走行用HST40の走行回転数を変速することが可能である。
制御手段200は、操向ポンプ斜板作動手段56に接続され、操向ポンプ斜板作動手段56の動作を制御し、操向用HST50の操向回転数を変速することが可能である。
制御手段200は、走行回転数検知手段108に接続され、走行回転数検知手段108に入力されるブレーキ軸103の回転数を取得し、走行速度Vrを算出することが可能である。
次に、本発明の第一実施形態に係るコンバイン1の制御手段200による制御態様について説明する。
制御手段200は、目標走行速度Vtと走行速度Vrとの速度偏差Vs、または目標走行斜板角度Vθtと走行斜板角度Vθrとの走行斜板角度偏差Vθsから各マップに基づいて走行斜板角度補正値Vθmを算出する。制御手段200は、目標走行速度Vtまたは目標走行斜板角度Vθtから算出される速度指令値Vに走行斜板角度補正値Vθmを加算して走行用HST40を制御する。
以下では、制御手段200による制御態様について、図6を用いて具体的に説明する。
制御手段200は、変速操作具25が操作されると、制御段階をステップS110に移行する。
ステップS110において、制御手段200は、操作量検知手段25aから変速操作具25の操作量を取得した後、制御段階をステップS120へ移行する。
ステップS120において、制御手段200は、取得した変速操作具25の操作量から目標走行速度Vtまたは目標走行斜板角度Vθtを算出した後、制御段階をステップS130へ移行する。
ステップS130において、制御手段200は、算出した目標走行速度Vtまたは目標走行斜板角度Vθtから走行ポンプ40Pの速度指令値V、および走行モータ40Mの速度指令値Vを算出した後、制御段階をステップS140へ移行する。
ステップS140において、制御手段200は、算出した速度指令値Vに基づいて走行ポンプ斜板作動手段47、および走行モータ斜板作動手段48を作動させた後、制御段階をステップS150へ移行する。
ステップS150において、制御手段200は、走行回転数検知手段108からブレーキ軸103の回転数を取得し、エンジン31からエンジン回転数を取得した後、制御段階をステップS160へ移行する。
ステップS160において、制御手段200は、取得したブレーキ軸103の回転数から走行速度Vrを算出した後、または取得したブレーキ軸103の回転数およびエンジン31のエンジン回転数から走行斜板角度Vθrを算出した後、制御段階をステップS170へ移行する。
ステップS170において、制御手段200は、傾斜量検知手段27から傾斜量Srを取得した後、制御段階をステップS180へ移行する。
ステップS180において、制御手段200は、算出した目標走行速度Vtと走行速度Vrとから速度偏差Vsを算出した後、または算出した目標走行斜板角度Vθtと走行斜板角度Vθrとから走行斜板角度偏差Vθsを算出した後、制御段階をステップS190へ移行する。
ステップS190において、制御手段200は、算出した目標走行速度Vtが走行制御ゲインマップM11の第一設定速度V1以上か否かを判定する。または、算出した目標走行斜板角度Vθtが走行制御ゲインマップM12の第一設定走行斜板角度Vθ1以上か否かを判定する。
その結果、目標走行速度Vtが第一設定速度V1以上の場合、または目標走行斜板角度Vθtが第一設定走行斜板角度Vθ1以上の場合は、制御段階をステップS200へ移行する。
また、目標走行速度Vtが第一設定速度V1より小さい場合、または目標走行斜板角度Vθtが第一設定走行斜板角度Vθ1より小さい場合は、制御段階をステップS310へ移行する。
ステップS200において、制御手段200は、取得した傾斜量Srが設定傾斜量S1以下か否かを判定する。
その結果、傾斜量Srが設定傾斜量S1以下の場合は制御段階をステップS210へ移行する。
また傾斜量Srが設定傾斜量S1より大きい場合は制御段階をステップS320へ移行する。
ステップS210において、制御手段200は、目標走行速度Vtと走行制御ゲインマップM11とを比較して走行制御ゲインG1を決定した後、または目標走行斜板角度Vθtと走行制御ゲインマップM12とを比較して走行制御ゲインG1を決定した後、または、目標走行速度Vtと走行斜板角度補正値マップM13とを比較して走行斜板角度補正値Vθmの上限を決定した後、または、目標走行斜板角度Vθtと走行斜板角度補正値マップM14とを比較して走行斜板角度補正値Vθmの上限を決定した後、制御段階をステップS220へ移行する。
ステップS220において、制御手段200は、決定した走行制御ゲインG1と速度偏差Vsまたは走行斜板角度偏差Vθsから走行斜板角度補正値Vθmを算出した後、制御段階をステップS130へ移行する。一方、走行制御ゲインG1が目標走行速度Vtまたは目標走行斜板角度Vθtにかかわらず一定とする場合は、走行斜板角度補正値Vθmの上限に基づいて走行制御ゲインG1と速度偏差Vsまたは走行斜板角度偏差Vθsから走行斜板角度補正値Vθmを算出した後、制御段階をステップS130へ移行する。
ステップS130において、走行ポンプ40Pの速度指令値V、および走行モータ40Mの速度指令値Vに走行斜板角度補正値Vθmを加算した後、制御段階をステップS140へ移行する。
ステップS310において、目標走行速度Vtが第一設定速度V1より小さい場合、または目標走行斜板角度Vθtが第一設定走行斜板角度Vθ1より小さい場合は、制御手段200は、走行斜板角度補正値Vθmを0として制御段階をステップS130へ移行する。
ステップS130において、走行ポンプ40Pの速度指令値V、および走行モータ40Mの速度指令値Vに走行斜板角度補正値Vθmを加算した後、制御段階をステップS140へ移行する。
ステップS320において、傾斜量Srが設定傾斜量S1より大きい場合、制御手段200は、走行制御ゲインマップM11または走行斜板角度補正値マップM13の第二設定速度V2を第二設定速度V3に変更した後、もしくは、走行制御ゲインマップM12の第二設定走行斜板角度Vθ2または走行斜板角度補正値マップM14を第二設定走行斜板角度Vθ3に変更した後、制御段階をステップS330へ移行する。
ステップS330において、制御手段200は、目標走行速度Vtと走行制御ゲインマップM11とを比較して走行制御ゲインG1を決定した後、または目標走行斜板角度Vθtと走行制御ゲインマップM12を比較して走行制御ゲインG1を決定した後、または、目標走行速度Vtと走行斜板角度補正値マップM13とを比較して走行斜板角度補正値Vθmの上限を決定した後、または、目標走行斜板角度Vθtと走行斜板角度補正値マップM14とを比較して走行斜板角度補正値Vθmの上限を決定した後、制御段階をステップS340へ移行する。
ステップS340において、制御手段200は、前記決定した走行制御ゲインG1と速度偏差Vsまたは走行斜板角度偏差Vθsとから走行斜板角度補正値Vθmを算出した後、制御段階をステップS130へ移行する。一方、走行制御ゲインG1が目標走行速度Vtまたは目標走行斜板角度Vθtにかかわらず一定とする場合は、走行斜板角度補正値Vθmの上限に基づいて走行制御ゲインG1と速度偏差Vsまたは走行斜板角度偏差Vθsから走行斜板角度補正値Vθmを算出した後、制御段階をステップS130へ移行する。
ステップS130において、走行ポンプ40Pの速度指令値V、および走行モータ40Mの速度指令値Vに走行斜板角度補正値Vθmを加算した後、制御段階をステップS140へ移行する。
以上の如く、変速操作具25の変速操作に応じて制御される走行用油圧式無段変速装置40と、操向操作具26の操向操作に応じて制御される操向用油圧式無段変速装置50と、走行用油圧式無段変速装置40および操向用油圧式無段変速装置50を制御する制御手段200と、を有するコンバイン1において、制御手段200は、変速操作具25の操作量を検知する操作量検知手段25aと、走行用油圧式無段変速装置40の走行回転数を検知する走行回転数検知手段108と、が接続され、変速操作具25の操作量から算出される目標走行速度Vtと走行用油圧式無段変速装置40の走行回転数から算出される走行速度Vrとの速度偏差Vs、または変速操作具25の操作量から算出される目標走行斜板角度Vθtと走行用油圧式無段変速装置40の走行回転数およびエンジン回転数から算出される走行斜板角度Vθrとの走行斜板角度偏差Vθs、を減少させるために、速度偏差Vsまたは走行斜板角度偏差Vθsと、走行制御ゲインG1と、から算出される走行斜板角度補正値Vθmを目標走行速度Vtまたは目標走行斜板角度Vθtから算出される速度指令値Vに加算して走行用油圧式無段変速装置40を制御する構成であって、走行制御ゲインG1または走行斜板角度補正値Vθmの上限を、目標走行速度Vtが第一設定速度V1以下、または目標走行斜板角度Vθtが第一設定走行斜板角度Vθ1以下の場合に0とすることを特徴とするものである。
このように構成することで、経時変化による機械伝達機構の磨耗や走行用油圧式無段変速装置40の走行回転数が走行時の負荷変動に影響されず、指定した速度で安定した走行をすることができ、かつ、低速走行時における制御精度の低下の影響もうけない。また、エンジン回転数を変更しても変速操作具25の変速操作に応じて走行速度を維持することができる。これにより、制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標走行速度にかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能になる。
また、制御手段200は、目標走行速度Vtが第一設定速度V1から、第一設定速度V1より大きい速度に設定される第二設定速度V2までの間にある場合、または目標走行斜板角度Vθtが第一設定走行斜板角度Vθ1から第一設定走行斜板角度Vθ1より大きい角度に設定される第二設定走行斜板角度Vθ2までの間にある場合、目標走行速度Vtまたは目標走行斜板角度Vθtの増大にともなって、走行制御ゲインG1または走行斜板角度補正値Vθmの上限を徐々に大きくなるようにすることを特徴とするものである。
このように構成することで、走行制御ゲインG1による補正、または走行斜板角度補正値Vθmの上限が所定の区間で徐々に変化するので制御による急激な速度変動が少ない。これにより、制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標走行速度にかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能になる。
また、制御手段200は、コンバイン1の傾斜量Srを検出する傾斜量検知手段27が接続され、傾斜量検知手段27が検知する傾斜量Srが設定傾斜量S1を超えると第二設定速度V2を第一設定速度V1に近づくように小さく設定し直すこと、または第二設定走行斜板角度Vθ2を第一設定走行斜板角度Vθ1に近づくように小さく設定し直すことを特徴とするものである。
このように構成することで、走行制御ゲインG1または走行斜板角度補正値Vθmの上限が小さく設定される目標走行速度Vtまたは目標走行斜板角度Vθtでも傾斜により走行速度Vrが増速もしくは減速する割合が大きい場合は、走行制御ゲインG1または走行斜板角度補正値Vθmの上限を大きくする。これにより、制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標走行速度にかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能になる。
以下では、本発明の第二実施形態に係るコンバイン1について説明する。なお、以下の実施形態において、既に説明した第一実施形態と同様の点に関しては同一符号を付してその具体的な説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
次に、図3、図7および図8を用いて制御手段200の構成について説明する。
制御手段200は、図7(a)に示すように、操向操作具26の操作量から決定される目標操向量(以下、単に「目標操向量」と記す)Rtと、目標操向量Rtに対応する操向制御ゲインG2との関係を示す操向制御ゲインマップM21を格納する。操向制御ゲインG2は、目標操向量Rtと、操向用HST50が回動する第一旋回用出力ギヤ列113aもしくは第二旋回用出力ギヤ列113bの回転数から決定される操向量(以下、単に「操向量」と記す)Rrと、の操向量偏差Rsを減少させるための操向斜板角度補正値Rθmを、操向量偏差Rsから算出するものである。操向制御ゲインG2はPI制御またはPID制御を行う時のゲインである。
操向制御ゲインマップM21は、目標操向量Rtが設定されており、目標操向量Rtが第一設定操向量R1以下の場合、操向制御ゲインG2の値が0に設定されている。すなわち、目標操向量Rtが第一設定操向量R1以下の場合、操向量補正値Rmは0とされる。
また、操向制御ゲインマップM21は、第一設定操向量R1より大きい値の第二設定操向量R2が設定されており、目標操向量Rtが第一設定操向量R1から第二設定操向量R2までの場合、目標操向量Rtの増大にともなって操向制御ゲインG2が徐々に大きくなるよう設定されている。すなわち、目標操向量Rtが第一設定操向量R1から第二設定操向量R2までの場合、操向斜板角度補正値Rθmは目標操向量Rtに対応した操向制御ゲインG2に基づいて算出される。
また、操向制御ゲインマップM21は、目標操向量Rtが第二設定操向量R2より大きい場合、操向制御ゲインG2が一定の値になるよう設定されている。すなわち、目標操向量Rtが第二設定操向量R2より大きい場合、操向斜板角度補正値Rθmは一定の値とされる。なお、第一設定操向量R1および第二設定操向量R2は変更可能とする。
制御手段200は、図7(b)に示すように、操向制御ゲインマップM21に代えて操向操作具26の操作量から決定される目標操向斜板角度(以下、単に「目標操向斜板角度」と記す)Rθtと、目標操向斜板角度Rθtに対応する操向制御ゲインG2との関係を示す操向制御ゲインマップM22を格納してもよい。操向制御ゲインG2は、目標操向斜板角度Rθtと操向用HST50が回動する第一旋回用出力ギヤ列113aもしくは第二旋回用出力ギヤ列113bの回転数およびエンジン31の回転数から算出される実際の操向斜板角度(以下、単に「操向斜板角度」と記す)Rθrとの操向斜板角度偏差Rθsを減少させる、特に0とするための操向斜板角度補正値Rθmを、操向斜板角度偏差Rθsから算出するものである。
操向制御ゲインマップM22においては、第一設定操向斜板角度Rθ1が設定されており、目標操向斜板角度Rθtが第一設定操向斜板角度Rθ1以下の場合、操向制御ゲインG2の値が0に設定されている。
また、操向制御ゲインマップM22は、第一設定操向斜板角度Rθ1より大きい値の第二設定操向斜板角度Rθ2が設定されており、目標操向斜板角度Rθtが第一設定操向斜板角度Rθ1から第二設定操向斜板角度Rθ2までの場合、目標操向斜板角度Rθtの増大にともなって操向制御ゲインG2が徐々に大きくなるよう設定されている。
また、操向制御ゲインマップM22は、目標操向斜板角度Rθtが第二設定操向斜板角度Rθ2より大きい場合、操向制御ゲインG2が一定の値になるよう設定されている。
制御手段200は、図8(a)に示すように、操向制御ゲインマップM21・M22に代えて操向操作具26の操作量から算出される目標操向量Rtと、目標操向量Rtに対応する操向斜板角度補正値Rθmの上限と、の関係を示す操向斜板角度補正値マップM23を格納してもよい。
操向斜板角度補正値マップM23においては、第一設定操向量R1が設定されており、目標操向量Rtが第一設定操向量R1以下の場合、操向斜板角度補正値Rθmの値が0に設定されている。
また、操向斜板角度補正値マップM23は、第一設定操向量R1より大きい値の第二設定操向量R2が設定されており、目標操向量Rtが第一設定操向量R1から第二設定操向量R2までの場合、目標操向量Rtの増大にともなって操向斜板角度補正値Rθmの上限が徐々に大きくなるよう設定されている。
また、操向斜板角度補正値マップM23は、目標操向量Rtが第二設定操向量R2より大きい場合、操向斜板角度補正値Rθmの上限が一定の値になるよう設定されている。
制御手段200は、図8(b)に示すように、操向制御ゲインマップM21・M22、操向斜板角度補正値マップM23に代えて操向操作具26の操作量から算出される目標操向斜板角度Rθtと、目標操向斜板角度Rθtに対応する操向斜板角度補正値Rθmの上限と、の関係を示す操向斜板角度補正値マップM24を格納してもよい。
操向斜板角度補正値マップM24においては、第一設定操向斜板角度Rθ1が設定されており、目標操向斜板角度Rθtが第一設定操向斜板角度Rθ1以下の場合、操向斜板角度補正値Rθmの値が0に設定されている。
また、操向斜板角度補正値マップM24は、第一設定操向斜板角度Rθ1より大きい値の第二設定操向斜板角度Rθ2が設定されており、目標操向斜板角度Rθtが第一設定操向斜板角度Rθ1から第二設定操向斜板角度Rθ2までの場合、目標操向斜板角度Rθtの増大にともなって操向斜板角度補正値Rθmの上限が徐々に大きくなるよう設定されている。
また、操向斜板角度補正値マップM24は、目標操向斜板角度Rθtが第二設定操向斜板角度Rθ2より大きい場合、操向斜板角度補正値Rθmの上限が一定の値になるよう設定されている。
操向制御ゲインマップM21に示される目標操向量Rtと操向制御ゲインG2との関係、操向制御ゲインマップM22に示される目標操向斜板角度Rθtと操向制御ゲインG2との関係、操向斜板角度補正値マップM23に示される目標操向量Rtと操向斜板角度補正値Rθmの上限との関係、および操向斜板角度補正値マップM24に示される目標操向斜板角度Rθtと操向斜板角度補正値Rθmの上限との関係は、予め数値計算や実験等により決定される。なお、図7(a)、図7(b)、図8(a)、図8(b)に示す操向制御ゲインマップM21・M22および操向斜板角度補正値マップM23・M24は例示である。目標操向量Rtまたは目標操向斜板角度Rθtと操向制御ゲインG2との相関関係、もしくは目標操向量Rtまたは目標操向斜板角度Rθtと操向斜板角度補正値Rθmの上限との相関関係ははこれに限るものではない。
制御手段200は、図3に示すように、操向量検知手段26aに接続され、操向量検知手段26aに入力される操向操作具26の操作量を取得し、目標操向量Rtまたは目標操向斜板角度Rθtを算出することが可能である。
制御手段200は、操向回転数検知手段116に接続され、操向回転数検知手段116に入力される操向用HST50によって回動される第一旋回用出力ギヤ列113aもしくは第二旋回用出力ギヤ列113bの回転数を取得し、操向量Rrを算出することが可能である。
次に、本発明の第二実施形態に係るコンバイン1の制御手段200による制御態様について説明する。
制御手段200は、目標操向量Rtと操向量Rrとの操向量偏差Rs、または目標操向斜板角度Rθtと操向斜板角度Rθrとの操向斜板角度偏差Rθsから各マップに基づいて操向斜板角度補正値Rθmを算出する。制御手段200は、目標操向量Rtまたは目標操向斜板角度Rθtから算出される操向量指令値Rに操向斜板角度補正値Rθmを加算して操向用HST50を制御する。
以下では、制御手段200による制御態様について、図9を用いて具体的に説明する。
制御手段200は、操向操作具26が操作されると、制御段階をステップS510に移行する。
ステップS510において、制御手段200は、操向量検知手段26aから操向操作具26の操作量を取得した後、制御段階をステップS520へ移行する。
ステップS520において、制御手段200は、取得した操向操作具26の操作量から目標操向量Rtまたは目標操向斜板角度Rθtを算出した後、制御段階をステップS530へ移行する。
ステップS530において、制御手段200は、算出した目標操向量Rtまたは目標操向斜板角度Rθtから操向ポンプ50Pの操向量指令値Rを算出した後、制御段階をステップS540へ移行する。
ステップS540において、制御手段200は、算出した操向量指令値Rに基づいて操向ポンプ斜板作動手段56を作動させた後、制御段階をステップS550へ移行する。
ステップS550において、制御手段200は、操向回転数検知手段116から第一旋回用出力ギヤ列113aもしくは第二旋回用出力ギヤ列113bの回転数を取得した後、制御段階をステップS560へ移行する。
ステップS560において、制御手段200は、取得した第一旋回用出力ギヤ列113aもしくは第二旋回用出力ギヤ列113bの回転数から操向量Rrを算出した後、または取得した第一旋回用出力ギヤ列113aもしくは第二旋回用出力ギヤ列113bの回転数およびエンジン31のエンジン回転数から操向斜板角度Rθrを算出した後、制御段階をステップS570へ移行する。
ステップS570において、制御手段200は、算出した目標操向量Rtと操向量Rrとから操向量偏差Rsを算出した後、または算出した目標操向斜板角度Rθtと操向斜板角度Rθrとから操向斜板角度偏差Rθsを算出した後、制御段階をステップS580へ移行する。
ステップS580において、制御手段200は、算出した目標操向量Rtが操向制御ゲインマップM21の第一設定操向量R1以上か否かを判定する。または、算出した目標操向斜板角度Rθtが操向制御ゲインマップM22の第一設定操向斜板角度Rθ1以上か否かを判定する。
その結果、目標操向量Rtが第一設定操向量R1以上の場合、または目標操向斜板角度Rθtが第一設定操向斜板角度Rθ1以上の場合は、制御段階をステップS590へ移行する。
また、目標操向量Rtが第一設定操向量R1より小さい場合、または目標操向斜板角度Rθtが第一設定操向斜板角度Rθ1より小さい場合は、制御段階をステップS710へ移行する。
ステップS590において、制御手段200は、目標操向量Rtと操向制御ゲインマップM21とを比較して操向制御ゲインG2を決定した後、または目標操向斜板角度Rθtと操向制御ゲインマップM22とを比較して操向制御ゲインG2を決定した後、または、目標操向量Rtと操向斜板角度補正値マップM23とを比較して操向斜板角度補正値Rθmの上限を決定した後、または、目標操向斜板角度Vθtと操向斜板角度補正値マップM24とを比較して操向斜板角度補正値Rθmの上限を決定した後、制御段階をステップS600へ移行する。
ステップS600において、制御手段200は、決定した操向制御ゲインG2と操向量偏差Rsまたは操向斜板角度偏差Rθsから操向斜板角度補正値Rθmを算出した後、制御段階をステップS530へ移行する。一方、操向制御ゲインG2が目標操向量Rtまたは目標操向斜板角度Rθtにかかわらず一定とする場合は、操向斜板角度補正値Rθmの上限に基づいて操向制御ゲインG2と操向量偏差Rsまたは操向斜板角度偏差Rθsから操向斜板角度補正値Rθmを算出した後、制御段階をステップS530へ移行する。
ステップS530において、制御手段200は、操向ポンプ50Pの斜板指令値に操向斜板角度補正値Rθmを加算した後、制御段階をステップS540へ移行する。
ステップS710において、目標操向量Rtが第一設定操向量R1より小さい場合、または目標操向斜板角度Rθtが第一設定操向斜板角度Rθ1より小さい場合は、制御手段200は、操向斜板角度補正値Rθmを0として制御段階をステップS530へ移行する。
ステップS530において、制御手段200は、操向ポンプ50Pの斜板指令値に操向斜板角度補正値Rθmを加算した後、制御段階をステップS540へ移行する。
以上の如く、制御手段200は、操向操作具26の操作量を検知する操向量検知手段26aと、操向用油圧式無段変速装置50の操向回転数を検知する操向回転数検知手段116と、が接続され、操向操作具26の操作量から算出される目標操向量Rtと、操向用油圧式無段変速装置50の操向回転数から算出される操向量Rrとの操向量偏差Rs、または操向操作具26の操作量から算出される目標操向斜板角度Rθtと操向用油圧式無段変速装置50の操向回転数および前記エンジン回転数から算出される操向斜板角度Rθrとの操向斜板角度偏差Rθs、を減少させるために、操向量偏差Rsまたは操向斜板角度偏差Rθsと操向制御ゲインG2と、から算出される操向斜板角度補正値Rθmを、目標操向量Rtまたは目標操向斜板角度Rθtから算出される操向量指令値Rに加算して操向用油圧式無段変速装置50を制御する構成であって、操向制御ゲインG2または操向斜板角度補正値Rθmの上限を、目標操向量Rtが第一設定操向量R1以下では0とすることを特徴とするものである。
このように構成することで、経時変化による機械伝達機構の磨耗や操向用油圧式無段変速装置50の操向回転数が操向操作時の負荷変動に影響されず、指定した操向量で安定した操向をすることができ、かつ、小旋回時における制御精度の低下の影響もうけない。これにより、制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標操向量Rtにかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能になる。
また、操向用油圧式無段変速装置50は、操向モータ軸55を制動しつつ所定値以上の回転力で回動可能とする操向ブレーキ114を有し、制御手段200は、目標操向量Rtが第一設定操向量R1から、第一設定操向量R1より大きい値に設定される第二設定操向量R2までの間にある場合、または目標操向斜板角度Rθtが第一設定操向斜板角度Rθ1より大きい値に設定される第二設定操向斜板角度Rθ2までの間にある場合、この目標操向量Rtまたは目標操向斜板角度Rθtの増大にともなって操向制御ゲインG2または操向斜板角度補正値Rθmの上限を徐々に大きくすることを特徴とするものである。
このように構成することで、操向制御ゲインG2による補正、または操向斜板角度補正値Rθmの上限が所定の区間で徐々に変化するので制御による急激な操向量変動が少ない。これにより、制御性およびメンテナンス性を向上させるとともに目標操向量Rtにかかわらず違和感や不快感が発生しない運転操作が可能になる。
1 コンバイン
25 変速操作具
25a 操作量検知手段
26 操向操作具
40 走行用油圧式無段変速装置
50 操向用油圧式無段変速装置
108 走行回転数検知手段
200 制御手段
Vt 目標走行速度
Vr 走行速度
Vs 速度偏差
Vθt 目標操向斜板角度
Vθr 走行斜板角度
Vθs 走行斜板角度偏差
Vθm 走行斜板角度補正値
V1 第一設定速度
G1 走行制御ゲイン

Claims (5)

  1. 変速操作具の変速操作に応じて制御される走行用油圧式無段変速装置と、
    操向操作具の操向操作に応じて制御される操向用油圧式無段変速装置と、
    前記走行用油圧式無段変速装置および前記操向用油圧式無段変速装置を制御する制御手段と、
    を有するコンバインにおいて、
    前記制御手段は、
    前記変速操作具の操作量を検知する操作量検知手段と、
    前記走行用油圧式無段変速装置の走行回転数を検知する走行回転数検知手段と、
    が接続され、
    前記変速操作具の操作量から算出される目標走行速度と前記走行用油圧式無段変速装置の走行回転数から算出される走行速度との速度偏差、または前記変速操作具の操作量から算出される目標走行斜板角度と前記走行用油圧式無段変速装置の走行回転数およびエンジン回転数から算出される実走行斜板角度との走行斜板角度偏差、を減少させるために、前記速度偏差または前記走行斜板角度偏差と、走行制御ゲインと、から算出される走行斜板角度補正値を、前記目標走行速度または前記目標走行斜板角度から算出される速度指令値に加算して前記走行用油圧式無段変速装置を制御する構成であって、前記走行制御ゲインまたは前記走行斜板角度補正値の上限を、前記目標走行速度が第一設定速度以下、または前記目標走行斜板角度が第一設定走行斜板角度以下の場合に0とすることを特徴とするコンバイン。
  2. 前記制御手段は、
    前記目標走行速度が前記第一設定速度から前記第一設定速度より大きい速度に設定される第二設定速度までの間にある場合、または前記目標走行斜板角度が前記第一設定走行斜板角度から前記第一設定走行斜板角度より大きい角度に設定される第二設定走行斜板角度までの間にある場合、前記目標走行速度または目標走行斜板角度の増大にともなって、前記走行制御ゲインまたは前記走行斜板角度補正値の上限を徐々に大きくすることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記制御手段は、
    前記コンバインの傾斜量を検出する傾斜量検出手段が接続され、前記傾斜量検知手段が検知する傾斜量が設定傾斜量を超えると前記第二設定速度を第一設定速度に近づくように小さく設定し直すこと、または前記第二設定走行斜板角度を第一設定走行斜板角度に近づくように小さく設定し直すことを特徴とする請求項2に記載のコンバイン。
  4. 前記制御手段は、
    前記操向操作具の操作量を検知する操向量検知手段と、
    前記操向用油圧式無段変速装置の操向回転数を検知する操向回転数検知手段と、
    が接続され、
    前記操向操作具の操作量から算出される目標操向量と前記操向用油圧式無段変速装置の操向回転数から算出される操向量との操向量偏差、または前記操向操作具の操作量から算出される目標操向斜板角度と前記操向用油圧式無段変速装置の操向回転数および前記エンジン回転数から算出される操向斜板角度との操向斜板角度偏差、を減少させるために、前記操向量偏差または前記操向斜板角度偏差と、操向制御ゲインと、から算出される操向斜板角度補正値を、前記目標操向量または前記目標操向斜板角度から算出される操向量指令値に加算して前記操向用油圧式無段変速装置を制御する構成であって、前記操向制御ゲインまたは前記操向斜板角度補正値の上限を、前記目標操向量が第一設定操向量以下、または前記目標操向斜板角度が第一設定操向斜板角度以下の場合に0とすることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載のコンバイン。
  5. 前記操向用油圧式無段変速装置は、
    出力軸を制動しつつ所定値以上の回転力で回動可能とする操向ブレーキを有し、
    前記制御手段は、
    前記目標操向量が前記第一設定操向量から前記第一設定操向量より大きい値に設定される第二設定操向量までの間にある場合、または目標操向斜板角度が前記第一設定操向斜板角度より大きい値に設定される第二設定操向斜板角度までの間にある場合、この目標操向量または目標操向斜板角度の増大にともなって前記操向制御ゲインまたは前記操向斜板角度補正値の上限を徐々に大きくすることを特徴とする請求項4に記載のコンバイン。
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