JP2010185455A - 排気ガス・ターボチャージャのコンプレッサ側のシャフト・シール - Google Patents

Abstract

【課題】容易に取り付け及び取り外し可能で、追加の構成部材を要しない流体機関のロータとハウジングとの間のシール装置を提供すること。
【解決手段】ピストンリング・シール領域（Ｄｇ，Ｄｋ）は、それぞれ、ピストンリング（５，６）と、径方向内側に向けられていて且つハウジング（３１）に設けられた円筒形の接触面（３５，３６）と、ロータ（Ｒ）に設けられた軸方向のストッパー（４１，４２）とを有している。外側のピストンリング・シール領域（Ｄｇ）のピストンリング（５）は、内側のピストンリング・シール領域のピストンリング（６）より大きい外側半径及び小さい内側半径を有している。同時に、外側のピストンリング・シール領域（Ｄｇ）は、内側のピストンリング・シール領域（Ｄｋ）より小さい内側半径を有している。Ｖ字形の装置コンセプトの故に、複数のピストンリング・シール領域の間に、ロータへ収縮される鋼製リングが不要になる。
【選択図】図２

Description

本発明は、流体機関の、特に、過給される内燃機関のための排気ガス・ターボチャージャの分野に関する。

本発明は、流体機関のロータとハウジングとの間のシール装置と、流体機関と、このようなシール装置を有する排気ガス・ターボチャージャとに関する。

今日では、排気ガス・ターボチャージャが、内燃機関の出力を増大させるために、一般的に用いられている。排気ガス・ターボチャージャは、内燃機関の排気管に設けられた排気ガス・タービンと、内燃機関の燃焼室に燃焼工程のための空気を供給するコンプレッサとを有している。内燃機関の過給によって、シリンダ内の空気及び燃料の量を増大させ、このことから、内燃機関のための目立った出力増大が結果として生じる。この目的のために用いられる排気ガス・ターボチャージャは、シャフトと、コンプレッサ・ホイールと、タービン・ホイールと、必要な場合には、シャフトに設けられた他の構成部材とを備えたロータ、並びに、軸受、流れを導くハウジング部分（コンプレッサ・ハウジング、タービン・ハウジング）及び軸受ハウジングから構成される。

排気ガス・ターボチャージャの、タービン側の及びコンプレッサ側の流れの領域における、排気ガス・ターボチャージャの実際の動作点に左右される高い処理圧力の故に、軸受ハウジングの内部空間を、シャフト・シールによって流路から密封しなければならない。その目的は、内部空間へのガス漏れを最小限に抑えなければならないためである。内部空間の圧力は、通常は、大気圧に対応している。

特許文献１は、排気ガス・ターボチャージャのためのシール装置を開示している。このシール装置では、一つまたは二つのシーリング・エレメントがコンプレッサ側に設けられていて、少なくとも一つのシーリング・エレメントがタービン側に設けられている。シーリング・エレメントは、ターボチャージャのシャフトを覆うように引っ張って被せられ且つターボチャージャのシャフトに形成された溝に挿入される分割されたピストンリングである。ピストンリングは、径方向に十分にプレストレスが与えられている。それ故に、ピストンリングは、組み立てられた状態では、この公開公報に記載の固定側のハウジング壁部に、径方向に載っていて、その際に生じる摩擦力によって、ハウジングの中で軸方向に位置決めされたままである。

特許文献２及び特許文献３は、排気ガス・ターボチャージャのためのシール装置を開示している。このシール装置では、固定側のハウジングに更に軸方向の停止用肩部が設けられていて、圧力差が加えられたとき、ピストンリングが、この停止用肩部にしっかり接触し、従って、所定の、軸方向の位置を保つ。この場合、ピストンリングは、回転する摺り合わせ面で摺り合わされ、従って、流路を、軸受ハウジングの内部空間から密封する。この場合、ピストンリングの、回転する溝は、静止したピストンリングよりも僅かに幅広くデザインされている。圧力差は、ピストンリングがハウジング孔の軸方向の停止用肩部に接触するまで、ピストンリングが摺り合わせ面の方向に移動され、この過程で研磨されることを保証する。ピストンリングの摺り合わせによって、高い密封作用が得られる。何故ならば、このことによって、ピストンリングと、対応要素の摺り合わせ面との間の軸方向の密封ギャップを、最小限に減じることが可能であるからである。摺り合わされたピストンリングを有しない密封は、一般的に、より速い漏れ速度を有する。

摩擦学的な理由から、ねずみ鋳鉄（ＧＧ２５）を用いて成形されたピストンリングの回転する対応要素の摺り合わせ面が、アルミニウムからなることが回避されなければならない。従って、摺り合わされたピストンリングを有する排気ガス・ターボチャージャのための従来のシール装置の場合、回転する要素における摺り合わせ面が、常に、鋼から成形されている。

特許文献４に記載の、排ガス・ターボチャージャのためのシール装置では、ピストンリングは、ネジで結合されたアルミニウム製のコンプレッサ・ホイールと、ターボチャージャのシャフト上で共に回転する、鋼製のシーリング・ディスクとによって、軸方向にしっかり締められる。この場合、軟らかいピストンリングが、流路と、軸受ハウジングの内部空間との間の圧力差の故に、シーリング・ディスクの軸方向の摺り合わせ面で摺り合わされ、従って、所望のシーリング効果を作り出す。コンプレッサ・ホイールは、シーリング・ディスクを介して、ねじ結合手段によってターボチャージャ・シャフトに結合されている。特許文献５に開示されているように、ピストンリングは、シーリング・ディスクの周縁溝にも取り付けられる。それ故に、ピストンリングは、コンプレッサ・ホイールと直に接触しない。

このコンセプトに基づいて、特許文献６に記載の排気ガス・ターボチャージャのためのシール装置では、二つのピストンリングが、タービン側のシールのためのシーリング・エレメントとして用いられている。

二つのピストンリングのためのシール装置では、組立て上の理由から、ピストンリングは、通常、外側リングの種々の直径を有している。この場合、内側のピストンリングの外径は、外側のピストンリングの外径よりも小さい。このように形成されたピストンリングによって、ターボチャージャ・シャフトが、取り付けられたピストンリングと共に、テーパをなすハウジング孔へ軸方向に挿入される。内側のピストンリングが、外側のピストンリングよりも大きな外径を有するとき、内側のピストンリングの取り外しは、通常、最早、ピストンリングを取り壊すこと無しには可能でない。外側のピストンリングに、軸方向に、硬い摺り合わせ面を当てるために、従来のシール装置では、硬く且つ耐磨耗性の材料（例えば鋼）からなる追加のリングが必要である。このリングは、内側のピストンリングと外側のピストンリングとの間のコンプレッサ・ホイール上で、収縮される。収縮の程度は、非常に厳しい製造許容差を要する。鋼製リングの収縮は、ねじの接触パターンに、及び、コンプレッサ・ホイールとシャフトとの間のねじ結合部における負荷に著しい影響を及ぼす可能性がある。

独国特許出願公開第ＤＥ−２０２５１２５号明細書 欧州特許出願公開第ＥＰ−１１３０２２０号明細書 欧州特許出願公開第ＥＰ−１５０７１０６号明細書 米国特許第ＵＳ−５１７６４９７号明細書 米国特許第ＵＳ−４９８６７３３号明細書 独国特許出願公開第ＤＥ−３７３７９３２号明細書

本発明の課題は、二つまたはそれより多いピストンリング及び回転する摺り合わせ面を有し、容易に取り付け及び取り外しされることが可能であり、ロータおよび／またはハウジングに独自にシールのために用いられる追加の構成部材を要しない、流体機関のロータとハウジングとの間のシール装置、例えば、排気ガス・ターボチャージャの、コンプレッサ側のシャフト・シールを提供することにある。

流体機関のロータとハウジングとの間の、本発明に係るシール装置は、互いに軸方向に間隔をあけて設けられている二つのピストンリング・シール領域を有し、これらのピストンリング・シール領域は、それぞれ、ピストンリングと、ハウジングに設けられていて且つ径方向内側に向けられた円筒形の接触面と、ロータに設けられた軸方向のストッパーとを有している。ここで、回転ホイールに近い側の、一方の、外側のピストンリング・シール領域のピストンリングは、他方の、内側のピストンリング・シール領域のピストンリングの外側半径よりも大きい外側半径を有している。同時に、外側のピストンリング・シール領域のピストンリングは、内側のピストンリング・シール領域のピストンリングの内側半径よりも小さい内側半径を有している。ロータは、シャフトと、少なくとも一つの回転ホイールと、必要な場合には、シャフトに設けられた他の構成部材、例えば、シーリング・ディスクまたはスペーサ・ディスクと、を有している。

本発明に係るＶ字形の装置コンセプトの故に、従来の装置コンセプトでは必要となる鋼製リング、即ち、複数のピストンリング・シール領域の間にある、ロータへ収縮された鋼製リングであって、異なった内側半径を持つ二つのまたはそれより多いピストンリング・シール領域を有する鋼製リングは、必要でない。更に、本発明に係る装置は、ピストンリングを取り壊す必要が無い取り外し、及び容易な取り付けを可能にする。

ピストンリングは、オプションとして、ハウジングの停止用肩部に軸方向に接触している。

ロータに形成された摺り合わせ面は、好ましくは、ピストンリングの材料との間で適切な材料の組み合わせを形成する。摺り合わせ面が、硬く且つ耐磨耗性の材料、例えば鋼から製造されているとき、ピストンリングの摺り合わせ挙動及びピストンリングのシーリング効果を改善することが可能である。

更なる利点は、従属請求項に記載されている。

固定側のハウジング及びロータを有する、従来の技術に基づく排気ガス・ターボチャージャの断面図を示していて、コンプレッサ側のシール装置が拡大して詳細に示されている。 図１に示された排気ガス・ターボチャージャのロータとハウジングとの間の、本発明に基づいてデザインされた、コンプレッサ側のシール装置の断面図を示す。

以下、図面を参照して、本発明に係るシール装置の実施の形態を説明する。

図１は、流体機関の例として、ラジアル・コンプレッサ及びラジアル・タービンを有する、従来の技術に基づく排気ガス・ターボチャージャを示す。タービンのタービン・ホイール２は、シャフト３に取り付けられ、あるいは、シャフトに一体成形されている。タービン・ハウジング２０は、タービン・ホイール２を囲み、複数の流路を区画している。これらの流路の中で、内燃機関から来る熱い排気ガスが、タービン・ホイールを介して排出ユニットへ導かれる。コンプレッサ・ホイール１は、同様に、シャフト３に取り付けられている。

軸受ハウジングは、通常、複数のハウジング部分から構成されていて、図示した例では、軸受を含むハウジング部分３０と、軸受ハウジングによって囲まれる空間をコンプレッサに対して閉じるハウジング・カバー３１と、を有している。軸受ハウジングのハウジング・カバー３１には、中央のシャフト・ブッシング孔３９が形成されている。シャフト・ブッシング孔には、シャフト３が案内されている。このシャフト・ブッシング孔３９の領域には、コンプレッサ側のシール装置が、回転するアセンブリ（ロータＲ）と軸受ハウジングとの間に設けられている。

図示した例では、従来の技術に基づくコンプレッサ側のシール装置は、只一つのピストンリング５を有している。このピストンリングは、シャフト３、シーリング・ディスク４及びコンプレッサ・ホイール１からなるアセンブリと、静止したハウジング部分、即ちハウジング・カバー３１との間のギャップを密閉する。コンプレッサ側のシール装置は、コンプレッサ・ホイールの後部に設けられた、増大した圧力Ｐ_１下にある領域を、軸受ハウジング３０の内部に設けられた、通常の圧力Ｐ_２下にある空間から密封する。

コンプレッサの組み立ての際に、先ず、シーリング・ディスク４を、コンプレッサの側から、軸受ハウジングに挿入されたシャフト３の表面に沿って押し込む。次に、ハウジング・カバー３１を、シャフト・ブッシング孔３９に挿入されたピストンリング５と共に、軸受ハウジング３０に装着する。続いて、コンプレッサ・ホイール１を、シャフトの端部に装着し、シャフトに結合する。この工程の際に、シーリング・ディスク４を、コンプレッサ・ホイール１と軸方向のストッパーとの間で、シャフトにしっかり締め付ける。コンプレッサ・ホイールとシーリング・ディスクとの間には、環状溝が留まっていて、環状溝には、ピストンリング５が設けられている。最後に、コンプレッサ・ハウジング１０を、軸受ハウジングに装着し、外側の取付け手段７によってしっかりネジで結合する。

図２は、本発明に係るシール装置を有する排気ガス・ターボチャージャの、図１において拡大して示した部分の詳細図を示す。

本発明では、シール装置は、二つの、または一般的には複数の、軸方向に相前後して設けられた、径方向で寸法の異なるピストンリング・シール領域Ｄｇ及びＤｋを有している。ピストンリング・シール領域は、各々、固定側のハウジング３１に設けられた円筒形の接触面３５，３６と、軸方向の停止面を有するロータに設けられた、各々の、軸方向の突出部４１，４２と、各々のピストンリング５，６とを備えている。ピストンリング５，６は、径方向にプレストレスが与えられて、円筒形の接触面に嵌め込まれていて、軸方向の端面が、軸方向の突出部４１，４２に接触している。軸方向の突出部４１，４２における停止面の領域では、運転中に、ピストンリングでの摺り合わせ（grinding-in process）が生じる。このことによって、摺り合わせ面５１，６１が形成される。オプションとして、ハウジング３１に、軸方向のストッパー３２，３３が形成され、ピストンリングの軸方向の移動、従ってまた、軸方向の摺り合わせの深さを制限する。

先に述べたように、本発明では、ピストンリング・シール領域Ｄｇ，Ｄｋは、径方向に異なる寸法を有している。最も外側のピストンリング・シール領域Ｄｇから、即ち、コンプレッサ・ホイールの後方空間に最も近いピストンリング・シール領域から始まって、ハウジングに設けられた円筒形の接触面３５，３６と、ピストンリング・シール領域Ｄｇ，Ｄｋのロータに設けられた軸方向のストッパー４１，４２とは、Ｖ字形の狭隘領域を形成している。外側のピストンリング・シール領域Ｄｇの円筒形の接触面３５の内側半径は、内側のピストンリング・シール領域Ｄｋの円筒形の接触面３６の内側半径よりも大きい。外側のピストンリング・シール領域Ｄｇの軸方向のストッパー４１の、最大限の、径方向の広がりは、内側のピストンリング・シール領域Ｄｋの軸方向のストッパー４２の、最大限の、径方向の広がりよりも小さい。

ピストンリングは、Ｖ字形の狭隘領域に応じて、以下の大きさ、即ち、回転ホイールに向いた、外側のピストンリング・シール領域Ｄｇの、そのピストンリング５が、内側のピストンリング・シール領域Ｄｋのピストンリング６の外側半径Ｒｋａよりも大きい外側半径Ｒｇａを有し、及び、外側のピストンリング・シール領域Ｄｇのピストンリング５が、内側のピストンリング・シール領域Ｄｋのピストンリング６の内側半径Ｒｋｉよりも小さい内側半径Ｒｇｉを有する大きさである。

二つより多い、軸方向に相前後して設けられたピストンリング・シール領域が設けられているとき、ピストンリングは、或るピストンリング・シール領域から次のピストンリング・シール領域へ、回転ホイールから遠ざかる方向で、段状に形成されていて、縮小する外側半径及び拡大する内側半径を有し、円筒形の接触面は、段状に形成されていて、縮小する内側半径を有し、軸方向のストッパー即ち軸方向の突出部は、段状に形成されていて、増大する、最大の、径方向の広がりを有する。

最も外側のピストンリング・シール領域Ｄｇのピストンリング５は、コンプレッサ・ホイール１とシーリング・ディスク４との間の締付手段によって軸方向にロックされる。内側のピストンリング・シール領域Ｄｋのピストンリング６は、流路内が減圧状態になっている場合に、即ち、コンプレッサ・ホイールの後部にある圧力Ｐ_１が、軸受ハウジングの内部に形成された空間にある圧力Ｐ_２よりも低いときに、同様に、軸方向に固定されなくてはならない。この目的のために、軸受ハウジング３１に、小さな、径方向のリセス３４が設けられている。このリセスは、軸方向のストッパー・エッジとして、ピストンリング６のために用いられ、外側のピストンリング・シール領域の方向へのピストンリング６の移動を阻止する。リセス３４の内側半径は、円筒形の接触面３６の内側半径よりも僅かに小さい。

ピストンリング５，６は、ターボチャージャの組立の際に、ハウジング・カバー３１に形成されたシャフト・ブッシング孔３９に、予め取り付けられ、その後、ハウジング・カバー３１が、挿入されたピストンリング５，６と共に、軸受ハウジング３０に装着され且つしっかりネジで結合される。

１…コンプレッサ・ホイール、１０…コンプレッサ・ハウジング、２…タービン・ホイール、２０…タービン・ハウジング、３…排気ガス・ターボチャージャのシャフト、３０…軸受ハウジング、３１…軸受ハウジング、３２…軸方向のストッパー（ステータ）、３３…軸方向のストッパー（ステータ）、３４…径方向のリセス（ステータ）、３５…径方向の接触面、３６…径方向の接触面、３９…シャフト・ブッシング孔、４…シーリング・ディスク（シャフトと共に回転する構成部材）、４１…接触面を有する軸方向の突出部またはストッパー（ロータ）、４２…接触面を有する軸方向の突出部またはストッパー（ロータ）、５…ピストンリング、６…ピストンリング、５１…ピストンリングにおける摺り合わせ面、６１…ピストンリングにおける摺り合わせ面、７…ハウジング用取付け手段、Ｄｇ…ピストンリング・シール領域、Ｄｋ…ピストンリング・シール領域、Ｒｇａ…ピストンリングの外側半径、Ｒｋａ…ピストンリングの外側半径、Ｒｇｉ…ピストンリングの内側半径、Ｒｋｉ…ピストンリングの内側半径、Ｒ…（１，２，３，４からなる）ロータ、Ｐ_１…コンプレッサ・ホイールの後部にある圧力、Ｐ_２…コンプレッサ・ホイールの内部にある圧力。

Claims (10)

1. 流体機関のロータ（Ｒ）とハウジング（３１）との間のシール装置であって、
   前記ロータは、シャフト（３）及び少なくとも一つの回転ホイール（１）を有し、
   前記シャフト（３）は、前記ハウジング（３１）に形成されたシャフト・ブッシング孔（３９）の中に配置され、
   前記シール装置は、軸方向に互いに間隔をあけて配置された二つのピストンリング・シール領域（Ｄｇ，Ｄｋ）を有していて、これらのピストンリング・シール領域は、それぞれ、ピストンリング（５，６）と、前記ハウジングに設けられた円筒形の接触面（３５，３６）と、前記ロータ（Ｒ）に設けられた軸方向のストッパー（４１，４２）と、を有している、
   シール装置において、
   前記回転ホイールの最も近くに位置し、且つ外側のピストンリング・シール領域と呼ばれる一方のピストンリング・シール領域（Ｄｇ）のピストンリング（５）は、もう一方の、内側のピストンリング・シール領域（Ｄｋ）のピストンリング（６）の外側半径（Ｒｋａ）よりも大きい外側半径（Ｒｇａ）を有していること、及び、
   前記外側のピストンリング・シール領域（Ｄｇ）のピストンリング（５）は、前記内側のピストンリング・シール領域（Ｄｋ）のピストンリング（６）の内側半径（Ｒｋｉ）よりも小さい内側半径（Ｒｇｉ）を有していること、
   を特徴とするシール装置。
2. 前記外側のピストンリング・シール領域（Ｄｇ）の円筒形の接触面（３５）の内側半径は、前記内側のピストンリング・シール領域（Ｄｋ）の円筒形の接触面（３６）の内側半径よりも大きく、且つ、
   前記外側のピストンリング・シール領域（Ｄｇ）の前記軸方向のストッパー（４１）の最大限の径方向の広がりは、前記内側のピストンリング・シール領域（Ｄｋ）の前記軸方向のストッパー（４２）の最大限の径方向の広がりよりも小さく、それにより、これらの軸方向のストッパー（４１，４２）が、互いに対して、径方向の段差を有するようになっている、請求項１に記載のシール装置。
3. 径方向のリセスのエッジ（３４）が、前記ハウジングの、前記外側のピストンリング・シール領域（Ｄｇ）の前記円筒形の接触面（３５）と、前記内側のピストンリング・シール領域（Ｄｋ）の前記円筒形の接触面（３６）との間に配置されていて、
   このリセスのエッジは、前記内側のピストンリング・シール領域（Ｄｋ）の前記円筒形の接触面（３６）の内側半径よりも小さい最小の径方向の広がりを有している、請求項１または２に記載のシール装置。
4. 前記ハウジングは、前記円筒形の接触面（３５，３６）に、前記回転ホイールから遠い方の側でより小さい直径を備えた径方向の段差を、それぞれ有していて、これらの径方向の段差が、それぞれ、前記ピストンリング（５，６）のための軸方向のストッパー（３２，３３）を形成する、請求項１または２に記載のシール装置。
5. 複数のピストンリング・シール領域（Ｄｇ，Ｄｋ）が設けられていて、
   前記ピストンリング（５，６）は、一つのピストンリング・シール領域（Ｄｇ）から次のピストンリング・シール領域（Ｄｋ）へ、前記回転ホイールから遠ざかる方向に、それぞれ、段状に形成されていて、縮小する外側半径（Ｒｇａ，Ｒｋａ）及び拡大する内側半径（Ｒｇｉ，Ｒｋｉ）を有し、
   前記円筒形の接触面（３５，３６）は、それぞれ、段状に形成されていて、縮小する内側半径を有し、
   前記軸方向のストッパー（４１，４２）は、それぞれ、段状に形成されていて、増大する、最大の、径方向の広がりを有している、
   請求項１または２に記載のシール装置。
6. 前記ハウジングは、前記円筒形の接触面（３５，３６）に、前記回転ホイールから遠い方の側でより小さい直径を備えた径方向の段差を、それぞれ有していて、これらの径方向の段差が、それぞれ、前記ピストンリング（５，６）のための軸方向のストッパー（３２，３３）を形成する、請求項５に記載のシール装置。
7. 径方向のリセスのエッジ（３４）が、前記ハウジング（３１）の、隣接する二つのピストンリング・シール領域（Ｄｇ，Ｄｋ）の前記円筒形の接触面（３５，３６）の間に配置されていて、
   このリセスのエッジは、前記隣接する二つのピストンリング・シール領域の内の、前記回転ホイールから遠い方の側に配置されたピストンリング・シール領域（Ｄｋ）の、前記円筒形の接触面（３６）の内側半径よりも小さい最小の径方向の広がりを有している、請求項５に記載のシール装置。
8. 前記ハウジングは、前記円筒形の接触面（３５，３６）に、前記回転ホイールから遠い方の側でより小さい直径を備えた径方向の段差を、それぞれ有していて、これらの径方向の段差が、それぞれ、前記ピストンリング（５，６）のための軸方向のストッパー（３２，３３）を形成している、請求項７に記載のシール装置。
9. 流体機関であって、シャフト（３）及び回転ホイール（１）を有するロータ（Ｒ）と、当該流体機関のハウジング（３１）との間に、シール装置を有し、
   このシール装置が、請求項１または２の記載によりデザインされている流体機関。
10. 排気ガス・ターボチャージャであって、シャフト（３）及び回転ホイール（１）を有するロータ（Ｒ）と、当該排気ガス・ターボチャージャのハウジング（３１）との間に、シール装置を有し、
    このシール装置が、請求項１または２の記載によりデザインされている排気ガス・ターボチャージャ。

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