JP2010184291A - レーザ光状態検査方法及び装置並びにソーラパネル製造方法 - Google Patents

レーザ光状態検査方法及び装置並びにソーラパネル製造方法 Download PDF

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【課題】レーザ光の光軸の状態及びレーザ光の出力状態を加工時に検査できるようにする。
【解決手段】この発明は、レーザ加工時のレーザ光の状態として、レーザ光の光軸ずれ、パルス幅、パルス高さ(レーザパワー)、パルス抜けの中の少なくとも1つを検査するようにしたものであり、レーザ光の光路中に抽出手段を配置して、レーザ光の一部を分岐抽出し、分岐抽出されたレーザ光を受光手段で受光し、その受光信号に基づいて検査するものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、レーザ光を用いて薄膜等を加工する際のレーザ光の状態を検査するレーザ光状態検査方法及び装置並びにソーラパネル製造方法に係り、特にソーラーパネル作成時におけるレーザ光の光軸の状態及びレーザ光の出力状態を検査するレーザ光状態検査方法及び装置並びにソーラパネル製造方法に関する。
従来、ソーラパネルの製造工程では、透光性基板(ガラス基板)上に透明電極層、半導体層、金属層を順次形成し、形成後の各工程で各層をレーザ光で短冊状に加工してソーラパネルモジュールを完成している。このようにしてソーラパネルモジュールを製造する場合、ガラス基板上の薄膜に例えば10mmピッチでレーザ光でスクライブ線を形成している。このスクライブ線の線幅は約30μmで、線と線の間隔は約30μmとなるような3本の線で構成されている。レーザ光でスクライブ線を形成する場合、通常は定速度で移動するガラス基板上にレーザ光を照射していた。これによって、深さ及び線幅の安定したスクライブ線を形成することが可能であった。このようなソーラパネル(光電変換装置)の製造方法については、特許文献1に記載のようなものが知られている。
特開2006−054254号公報
特許文献1に記載のソーラパネル(光電変換装置)の製造方法では、シングルモードのレーザ光よりも、マルチモードのレーザ光すなわちパワー分布がほぼ台形状のレーザ光を用いてスクライブ線を形成することによって、高い電気絶縁性を確保することが記載されている。しかしながら、レーザ光発生装置の性能において、ある一定の確率でパルス抜けが発生することが判明している。このパルス抜けが発生すると、スクライブ線によって分割されたモジュール同士が電気的に繋がってショートしてしまう(隣接するセル同士がつながってしまう)という問題がある。
1個のパルス抜けによって隣接するセル同士がつながると発生電圧が低下してしまうので、パルス抜けを防止することは、極めて重要であるにも係わらず、従来はこのパルス抜けに関し、装置内でその対策を講じていなかったのが現状である。また、このパルス抜けは、レーザ発生装置の寿命や性能劣化によって、発生確率が高くなるので、このパルス抜けを有効に防止することはソーラパネルを安定的に製造する際の重要な課題であった。
さらに、ソーラパネルを製造する過程でレーザ光の光軸がずれた場合、従来は、レーザ加工後にスクライブ線を目視にて確認して光軸ずれそのままを判定していたのが現状である。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、レーザ光の光軸の状態及びレーザ光の出力状態を加工時に検査することのできるレーザ光状態検査方法及び装置並びにソーラパネル製造方法を提供することである。
本発明に係るレーザ光状態検査方法の第1の特徴は、ワークに対してレーザ光を相対的に移動させながら照射することによって前記ワークに所定の加工を施すレーザ加工時に、前記レーザ光の光路中に前記レーザ光の一部を分岐抽出し、抽出されたレーザ光に基づいて前記レーザ光の状態を検査することにある。これは、レーザ加工時にそのレーザ光の一部をサンプル抽出することによって、加工状態にあるレーザ光の状態をリアルタイムに検査できるようにしたものである。
本発明に係るレーザ光状態検査方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のレーザ光状態検査方法において、前記レーザ光の光軸ずれ、パルス幅、パルス高さ及びパルス抜けの少なくとも1つに基づいて前記レーザ光の状態を検査することにある。これは、レーザ加工時のレーザ光の状態として、レーザ光の光軸ずれ、パルス幅、パルス高さ(レーザパワー)、パルス抜けの中の少なくとも1つを検査するようにしたものである。
本発明に係るレーザ光状態検査装置の第1の特徴は、ワークを保持する保持手段と、前記ワークにレーザ光を照射して所定の加工処理を施すレーザ光照射手段と、前記レーザ光の光路中に前記レーザ光の一部を分岐抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記レーザ光を受光する受光手段と、前記受光手段からの信号に基づいて前記レーザ光の状態を検査する検査手段とを備えたことにある。これは、レーザ光の光路中に抽出手段を配置して、レーザ光の一部を分岐抽出し、分岐抽出されたレーザ光を受光手段で受光し、その受光信号に基づいて、レーザ光の光軸ずれ、強度(パルス高さ)やパルス幅、パルス抜けなどを検査できるようにしたものである。また、分岐抽出されたレーザ光はその強度が比較的弱いのでCCDカメラなどで直接受光することによって、その光軸の位置を画像として把握し、それに基づいて光軸ずれを検査することが可能となる。
本発明に係るレーザ光状態検査装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のレーザ光状態検査装置において、前記検査手段が、前記受光手段からの信号に基づいて前記レーザ光の光軸ずれ、パルス幅、パルス高さ及びパルス抜けの少なくとも1つに基づいて、前記レーザ光の状態を検査することにある。これは、検査手段が、受光手段からの信号に基づいて、レーザ加工時のレーザ光の状態であるレーザ光の光軸ずれ、パルス幅、パルス高さ(レーザパワー)、パルス抜けの中の少なくとも1つを検査するようにしたものである。
本発明に係るレーザ光状態検査装置の第3の特徴は、ワークを保持する保持手段と、前記ワークにレーザ光を照射して所定の加工処理を施すレーザ光照射手段と、前記レーザ光の光路中に前記レーザ光の一部を分岐抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記レーザ光を受光し、受光した前記レーザ光強度に対応した信号を出力する光電変換手段と、前記抽出手段によって抽出された前記レーザ光を受光し、その受光画像を取得する画像取得手段と、前記光電変換手段からの信号及び前記画像取得手段からの画像に基づいて前記レーザ光の状態を検査する検査手段とを備えたことにある。これは、レーザ光の光路中に抽出手段を配置して、レーザ光の一部を分岐抽出し、分岐抽出されたレーザ光を光電変換手段で受光してそれを信号化することによって、レーザ光の強度(パルス高さ)やパルス幅、パルス抜けなどを検査できるようにし、分岐抽出されたレーザ光の受光画像を画像取得手段で取得して、レーザ光のスポット画像に基づいてレーザ光の光軸ずれを検査するようにしたものである。分岐抽出されたレーザ光はその強度が比較的弱いのでCCDカメラなどで直接受光することによって、その光軸の位置を画像として把握し、それに基づいて光軸ずれを検査することが可能となる。なお、画像取得手段で光電変換手段に照射されるレーザ光の位置を示す画像を取り込むことによって、レーザ光のスポット画像を取得するようにしてもよい。
本発明に係るレーザ光状態検査装置の第4の特徴は、前記第3の特徴に記載のレーザ光状態検査装置において、前記検査手段が、前記光電変換手段からの信号に基づいて前記レーザ光のパルス幅、パルス高さ及びパルス抜けの少なくとも1つを検査し、前記画像取得手段からの画像に基づいて前記レーザ光の光軸ずれを検査することにある。
本発明に係るソーラパネル製造方法の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載のレーザ光状態検査方法又は前記第1から第4までのいずれか1の特徴に記載のレーザ光状態検査装置を用いて、ソーラパネルを製造することにある。前記レーザ光状態検査方法又は前記レーザ光状態検査装置のいずれかを用いて、ソーラパネルを製造するようにしたものである。
本発明によれば、レーザ光の光軸の状態及びレーザ光の出力状態を加工時に検査することができるという効果がある。
本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置の概略構成を示す図である。 図1の光学系部材の詳細構成を示す図である。 図1の検出光学系部材の構成を示す模式図である。 図2の制御装置の処理の詳細を示すブロック図である。 図3のパルス抜け判定手段の動作の一例を示す図である。 図5の高速フォトダイオードから出力される波形の一例を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置の概略構成を示す図である。このレーザ加工装置は、ソーラパネル製造装置のレーザ光加工処理(レーザスクライブ)工程を行なうものである。
図1のソーラパネル製造装置は、台座10、XYテーブル20、レーザ発生装置40と、光学系部材50、アライメントカメラ装置60、リニアエンコーダ70、制御装置80及び検出光学系部材等によって構成されている。台座10上には台座10上でX軸方向及びY軸方向(XY平面)に沿って駆動制御されるXYテーブル20が設けられている。
XYテーブル20は、X方向及びY方向へ移動制御される。なお、XYテーブル20の駆動手段としては、ボールネジやリニアモータ等が用いられるが、これらの図示は省略してある。XYテーブル20の上側にはレーザ加工の対象となるワーク1が保持されている。また、台座10の上には光学系部材を保持しながらY軸方向にスライド駆動されるスライドフレーム30が設けられている。XYテーブル20は、Z軸を回転軸としてθ方向に回転可能に構成されている。なお、スライドフレーム30によりY軸方向の移動量が十分に確保できる場合には、XYテーブル20は、X軸方向の移動だけを行なう構成であってもよい。この場合、XYテーブル20はX軸テーブルの構成でもよい。
スライドフレーム30は、台座10上の四隅に設けられた移動台に取り付けられている。スライドフレーム30は、この移動台によってY軸方向へ移動制御される。ベース板31と移動台との間には除振部材(図示せず)が設けられている。スライドフレーム30のベース板31には、レーザ発生装置40、光学系部材50、制御装置80及び検出光学系部材が設置されている。光学系部材50は、ミラーやレンズの組み合わせで構成され、レーザ発生装置40で発生したレーザ光を4系列に分割してXYテーブル20上のワーク1上に導くものである。なお、レーザ光の分割数は4系列に限るものではなく、2系列以上であればよい。
アライメントカメラ装置60は、XYテーブル20上であってワーク1の両端部(X軸方向の前後縁部)付近の画像を取得する。このアライメントカメラ装置60で取得された画像は、制御装置80に出力される。制御装置80は、アライメントカメラ装置60からの画像を、ワーク1のIDデータと共にデータベース手段に格納し、これ以降のワーク1のアライメント処理に利用する。リニアエンコーダ70は、XYテーブル20のX軸移動テーブルの側面に設けられたスケール部材と検出部とから構成される。
リニアエンコーダ70は、XYテーブル20のX軸移動テーブルの側面に設けられたスケール部材と検出部とか構成される。リニアエンコーダ70の検出信号は、制御装置80に出力される。制御装置80は、リニアエンコーダ70からの検出信号に基づいてXYテーブル20のX軸方向の移動速度(移動周波数)を検出し、レーザ発生装置40の出力(レーザ周波数)を制御する。
光学系部材50は、図示のように、ベース板31の下面側に設けられている。レーザ発生装置40から出射されるレーザ光を光学系部材50に導くための反射ミラー33,35がベース板31上に設けられている。レーザ発生装置40から出射されたレーザ光は、反射ミラー33によって反射ミラー35へ向かって反射され、反射ミラー35は、反射ミラー33からの反射レーザ光をベース板31に設けられた挿通穴を介して光学系部材50に導く。なお、レーザ光発生装置40から出射されたレーザ光は、ベース板31に設けられた挿通穴から光学系部材50に対して上側から導入されるように構成されれば、どのような構成のものであってもよい。例えば、レーザ発生装置40を挿通穴の上側に設け、挿通穴を介して光学系部材50に直接レーザ光を導くようにしてもよい。
図2は、光学系部材50の詳細構成を示す図である。実際の光学系部材50の構成は、複雑であるが、ここでは説明を簡単にするために図示を簡略化して示している。図2は、光学系部材50の内部を図1の−X軸方向から見た図である。図2に示すようにベース板31には反射ミラー35で反射されたレーザ光を光学系部材50内に導入するための挿通穴37を有する。この挿通穴37の直下には、ガウシャン強度分布のレーザ光をトップハット強度分布のレーザ光に変換する位相型回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)500が設けられている。
DOE500によってトップハット強度分布のレーザ光(トップハットビーム)に変換されたレーザ光はハーフミラー511によって反射ビームと透過ビームにそれぞれ分岐され、反射ビームは右方向のハーフミラー512に向かって、透過ビームは下方向の反射ミラー524に向かって進む。ハーフミラー511で反射したビームは、ハーフミラー512によってさらに反射ビームと透過ビームに分岐され、反射ビームは下方向の反射ミラー522に向かって、透過ビームは右方向の反射ミラー521に向かって進む。ハーフミラー512を透過したビームは反射ミラー521によって反射され、下方向の集光レンズ541を介してワーク1に照射される。ハーフミラー512で反射したビームは、反射ミラー522,523によって反射され、下方向の集光レンズ542を介してワーク1に照射される。ハーフミラー511を透過したビームは、反射ミラー524によって反射され、左方向に向かって進む。反射ミラー524で反射したビームは、ハーフミラー513によって反射ビームと透過ビームに分岐され、反射ビームは下方向の反射ミラー526に向かって、透過ビームは左方向の反射ミラー528に向かって進む。ハーフミラー513で反射したビームは、反射ミラー526,527によって反射され、下方向の集光レンズ543を介してワーク1に照射される。ハーフミラー513を透過したビームは反射ミラー528によって反射され、下方向の集光レンズ544を介してワーク1に照射される。
DOE500によって変換されたトップハットビームは、上述のハーフミラー511〜513及び反射ミラー521〜528によって、透過・反射されて集光レンズ541〜544に導かれる。このとき、DOE500から各集光レンズ541〜544までの光路長は等しくなるように設定されている。すなわち、ハーフミラー511で反射したビームがハーフミラ512を透過して反射ミラー521で反射して集光レンズ541に到達するまでの光路長、ハーフミラー511で反射したビームがハーフミラー512、反射ミーラ522,523でそれぞれ反射して集光レンズ542に到達するまでの光路長、ハーフミラー511を透過したビームが反射ミラー523、ハーフミラー513、反射ミーラ526,527でそれぞれ反射して集光レンズ543に到達するまでの光路長、ハーフミラー511を透過したビームが反射ミラー523で反射してハーフミラー513を透過して反射ミーラ528で反射して集光レンズ544に到達するまでの光路長は、それぞれ等しい距離である。これによって、ビームが分岐される直前にDOE500を配置しても、トップハット強度分布のレーザ光を集光レンズ541〜544に同様に導くことが可能となる。
シャッター機構531〜534は、光学系部材50の各集光レンズ541〜544から出射されるレーザ光がワーク1から外れた場合にレーザ光の出射を遮蔽するものである。オートフォーカス用測長システム52,54は、図示していない検出光照射用レーザとオートフォーカス用フォトダイオードとから構成され、検出光照射用レーザから照射された光の中でワーク1の表面から反射した反射光を受光し、その反射光量に応じて光学系部材50のワーク1に対する高さ(集光レンズ541〜544のフォーカス)を調整する。
図3は、検出光学系部材の構成を示す模式図である。検出光学系部材は、図1及び図3に示すように、ビームサンプラ92,93、高速フォトダイオード94及び光軸検査用CCDカメラ96から構成される。ビームサンプラ92,93は、光学系部材50内に導入されるレーザ光の光路中に設けられている。この実施の形態では、レーザ発生装置40と反射ミラー33との間に設けられている。ビームサンプラ92,93はレーザ光の一部(例えば、レーザ光の約1割程度又はそれ以下の光量)をサンプリングして外部に分岐出力する素子である。高速フォトダイオード94は、ビームサンプラ92で分岐出力されたレーザ光の一部(サンプリングビーム)を受光面のほぼ中央付近で受光するように配置される。高速フォトダイオード94によって検出されたレーザ光の強度に対応した出力信号は、制御手段80に出力される。光軸検査用CCDカメラ96は、ビームサンプラ93で分岐出力されたレーザ光の一部(サンプリングビーム)を受光面のほぼ中央付近で受光するように配置される。光軸検査用CCDカメラ96によって撮像された映像は、制御手段80に出力される。なお、光軸検査用CCDカメラ96は、高速フォトダイオード94に照射されるレーザ光の位置を示す画像を取り込み、その画像を制御手段80に出力するようにしてもよい。
制御装置80は、リニアエンコーダ70からの検出信号に基づいてXYテーブル20のX軸方向の移動速度(移動周波数)を検出し、レーザ発生装置40の出力(レーザ周波数)を制御し、高速フォトダイオード94及び光軸検査用CCDカメラ96から出力される信号に基づいてレーザ発生装置40から出射されるレーザ光のパルス抜けを検出したり、レーザ光の光軸ずれ量に基づいてレーザ発生装置40の出射条件を制御したり、光学系部材50内のレーザ光を導入するための反射ミラー33,35の配置等をフィードバック制御する。
図4は、制御装置80の処理の詳細を示すブロック図である。制御装置80は、分岐手段81、パルス抜け判定手段82、アラーム発生手段83、基準CCD画像記憶手段84、光軸ずれ量計測手段85及びレーザコントローラ86から構成される。分岐手段81は、リニアエンコーダ70の検出信号(クロックパルス)を分岐して後段のレーザコントローラ86に出力する。
パルス抜け判定手段82は、高速フォトダイオード94からのレーザ光強度に対応した出力信号(ダイオード出力)と分岐手段81から出力される検出信号(クロックパルス)とを入力し、それに基づいてレーザ光のパルス抜けを判定する。図5は、パルス抜け判定手段82の動作の一例を示す図である。図5において、図5(A)は分岐手段81から出力される検出信号(クロックパルス)の一例、図5(B)は高速フォトダイオード94から出力されるレーザ光強度に対応した出力信号(ダイオード出力)の一例、図5(C)はパルス抜け判定手段82がパルス抜け検出時に出力するアラーム信号の一例をそれぞれ示す。
図5に示すように、パルス抜け判定手段82は、分岐手段81からのクロックパルスの立ち下がり時点をトリガ信号として、ダイオード出力値が所定のしきい値Th以上であるか否かの判定を行い、ダイオード出力値がしきい値Thよりも小さい場合には、ハイレベル信号をアラーム発生手段83に出力する。アラーム発生手段83は、パルス抜け判定手段82からの信号がローレベルからハイレベルに変化した時点でパルス抜けが発生したことを示すアラームを外部に報知する。アラームの報知は、画像表示、発音等の種々の方法で行なう。アラームの発生によって、オペレータはパルス抜けが発生したことを認識することができる。また、このアラームが頻繁に発生する場合には、レーザ発生装置の性能が劣化したか又は寿命になったことを意味する。
基準CCD画像記憶手段84は、図4に示すような基準CCD画像84aを記憶している。この基準CCD画像84aは、光軸検査用CCDカメラ96の受光面の中央にレーザ光が受光した状態の画像を示すものである。光軸検査用CCDカメラ96からは、図4に示すような被検査画像85aが出力される。光軸ずれ量計測手段85は、光軸検査用CCDカメラ96からの被検査画像85aを取り込み、これと基準CCD画像84aとを比較し、光軸のずれ量を計測し、そのずれ量をレーザコントローラ86に出力する。例えば、図4に示す被検査画像85aのような画像が光軸検査用CCDカメラ96から出力された場合には、光軸ずれ量計測手段85は、両者を比較して、X軸及びY軸方向のずれ量を計測し、それをレーザコントローラ86に出力する。レーザコントローラ86は、被検査画像85aと基準CCD画像84aとが一致するように、レーザ光の光軸に関係する装置、すなわちレーザ発生装置40の出射条件や光学系部材50内にレーザ光を導入するための反射ミラー33,35の配置等をフィードバックして調整する。
上述の実施の形態では、レーザ光の光軸ずれ及びパルス抜けを検査する場合について説明したが、図6に示すように高速フォトダイオード94からの出力波形に基づいてレーザ光のパルス状態を検査するようにしてもよい。例えば、図6では、レーザ光のパルス幅及びパルス高さを計測し、これらに異常が発生した場合にはアラームを発生するようにしてもよい。なお、レーザ光のパルス幅は、高速フォトダイオード94からの出力波形が所定値以上になったいる期間が所定の範囲にある場合を正常とし、この範囲よりも大きかったり小さい場合にはパルス幅異常と判定し、アラームを出力する。また、レーザ光のパルス高さは、高速フォトダイオード94からの出力波形の最大値が許容範囲内に存在する場合を正常とし、この許容範囲よもも大きかった小さい場合にはパルス高さ異常と判定し、アラームを出力する。このように、レーザ光を常時サンプルしているので、リアルタイムでパルス幅、パルス高さ(パワー)などのレーザ光の品質を管理することができる。上述のようなパルス抜けが頻発するようになったら、レーザ発生装置40の劣化と判断できる。
上述の実施の形態では、パルス抜けの発生だけを見ているが、パルス抜けが発生した箇所の座標データ(位置データ)を取得して記憶することによって、スクライブ線のリペア処理を行なうことが可能となる。
上述の実施の形態では、光軸検査用CCDカメラ96を用いてビームサンプラ93で分岐出力されたレーザ光の一部(サンプリングビーム)を直接受光して、それを画像処理することによって、光軸ずれを検査する場合について説明したが、高速フォトダイオード94の受光面の中央にレーザ光が受光した状態を示す画像を被検査画像として光軸検査用CCDカメラ96で取得しすることによって光軸ずれを検査するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、レーザ光の光軸ずれ及びパルス抜けを検査する場合について説明したが、光軸ずれ、パルス抜け、パルス幅及びパルス高さのそれぞれを適宜組み合わせてレーザ光の状態を検査するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、薄膜の形成されたワーク1の表面からレーザ光を照射して薄膜にスクライブ線(溝)を形成する場合について説明したが、ワーク1の裏面からレーザ光を照射して、ワーク表面の薄膜にスクライブ線を形成するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、ソーラパネル製造装置を例に説明したが、本発明はELパネル製造装置、ELパネル修正装置、FPD修正装置などのレーザ加工を行なう装置にも適用可能である。
1…ワーク
10…台座
20…XYテーブル
30…スライドフレーム
31…ベース板
33,35…反射ミラー
37…挿通穴
40…レーザ発生装置
50…光学系部材
500…位相型回折光学素子(DOE)
511〜513…ハーフミラー
521〜528…反射ミラー
531〜534…シャッター機構
541〜544…集光レンズ
52,54…オートフォーカス用測長システム
60…アライメントカメラ装置
70…リニアエンコーダ
80…制御装置
81…分岐手段
82…パルス抜け判定手段
83…アラーム発生手段
84…基準CCD画像記憶手段
85…光軸ずれ量計測手段
86…レーザコントローラ
92,93…ビームサンプラ
94…高速フォトダイオード
96…光軸検査用CCDカメラ

Claims (7)

  1. ワークに対してレーザ光を相対的に移動させながら照射することによって前記ワークに所定の加工を施すレーザ加工時に、前記レーザ光の光路中に前記レーザ光の一部を分岐抽出し、抽出されたレーザ光に基づいて前記レーザ光の状態を検査することを特徴とするレーザ光状態検査方法。
  2. 請求項1に記載のレーザ光状態検査方法において、前記レーザ光の光軸ずれ、パルス幅、パルス高さ及びパルス抜けの少なくとも1つに基づいて前記レーザ光の状態を検査することを特徴とするレーザ光状態検査方法。
  3. ワークを保持する保持手段と、
    前記ワークにレーザ光を照射して所定の加工処理を施すレーザ光照射手段と、
    前記レーザ光の光路中に前記レーザ光の一部を分岐抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された前記レーザ光を受光する受光手段と、
    前記受光手段からの信号に基づいて前記レーザ光の状態を検査する検査手段と
    を備えたことを特徴とするレーザ光状態検査装置。
  4. 請求項3に記載のレーザ光状態検査装置において、前記検査手段は、前記受光手段からの信号に基づいて前記レーザ光の光軸ずれ、パルス幅、パルス高さ及びパルス抜けの少なくとも1つに基づいて、前記レーザ光の状態を検査することを特徴とするレーザ光状態検査方法。
  5. ワークを保持する保持手段と、
    前記ワークにレーザ光を照射して所定の加工処理を施すレーザ光照射手段と、
    前記レーザ光の光路中に前記レーザ光の一部を分岐抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された前記レーザ光を受光し、受光した前記レーザ光強度に対応した信号を出力する光電変換手段と、
    前記抽出手段によって抽出された前記レーザ光を受光し、その受光画像を取得する画像取得手段と、
    前記光電変換手段からの信号及び前記画像取得手段からの画像に基づいて前記レーザ光の状態を検査する検査手段と
    を備えたことを特徴とするレーザ光状態検査装置。
  6. 請求項3に記載のレーザ光状態検査装置において、前記検査手段は、前記光電変換手段からの信号に基づいて前記レーザ光のパルス幅、パルス高さ及びパルス抜けの少なくとも1つを検査し、前記画像取得手段からの画像に基づいて前記レーザ光の光軸ずれを検査することを特徴とするレーザ光状態検査装置。
  7. 請求項1又は2に記載のレーザ光状態検査方法又は請求項3から6までのいずれか1に記載のレーザ光状態検査装置を用いて、ソーラパネルを製造することを特徴とするソーラパネル製造方法。
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