JP2010182941A - リアクトル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁樹脂の中に磁性体の粉末が分散した磁性粉末混合樹脂からなるコア13を備える。通電により磁束が発生するコイル11がコア13に埋設されている。また、コア13よりも熱伝導率が高い材料からなる板状の放熱フィン2が、コア13内に複数個設けられている。放熱フィン2は、その主表面がコイル11の軸線Aに平行であり、かつ該軸線Aを中心とした放射状となるようにコア13内に設けられている。
【選択図】図1
Description
コイルに通電してリアクトルを作動させると、これに伴いジュール熱が発生する。この発熱により、リアクトルの温度が上昇しすぎると、リアクトルの作動の安定性が損なわれるおそれがある。また、リアクトルの周囲の電子部品の温度上昇を招き、その電子部品の作動安定性を損ねるおそれがある。
その結果、かかるリアクトルを内蔵する電力変換装置等の作動安定性を損ねるおそれがある。
この構成にすると、コイル93から発生した熱がコア92(磁性粉末混合樹脂)を通って放熱部材94に伝わり、さらにケース91に伝わるため、上記コイル93を冷却することができる。
また、磁束Φが放熱部材94を通過すると渦電流が生じ、放熱部材94が発熱する等の問題も生じる。
そのため、放熱性を向上でき、かつインダクタンスの低下を防止できるリアクトルが求められている。
該コアに埋設され、通電により磁束が発生するコイルと、
上記コアよりも熱伝導率が高い材料からなり、上記コア内に複数個設けられた板状の放熱フィンと、
を備え、該放熱フィンは、その主表面が上記コイルの軸線に平行であり、かつ該軸線を中心とした放射状となるように上記コア内に設けられていることを特徴とするリアクトルにある(請求項1)。
上記リアクトルにおいては、板状の放熱フィンを、その主表面がコイルの軸線に平行であり、かつ該軸線を中心とする放射状となるように設けた。このようにすると、コイルの周りに発生した磁束が放熱フィンを横切る面積を最小限にすることができる。そのため、放熱フィンによって磁束の流れが阻害されにくくなり、インダクタンスの低下を防止できる。
第1の発明において、上記磁性粉末混合樹脂は、磁性粉末を絶縁樹脂に分散させたもので、磁性粉末としては、例えばフェライト粉末、鉄粉、珪素合金鉄粉等を用いることができる。また、上記絶縁樹脂としては、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂を用いることができる。
このようにすると、コイルおよびコアから発生した熱が放熱フィンを伝わって収納ケースに移動するため、冷却効率を高めることができる。例えば、収納ケースの底壁に放熱フィンが接触したり、側壁に接触したりするように構成できる。
このようにすると、放熱フィンの数が多くなるため、放熱効率を高めることができる。なお、コイルの内側に配置された内側放熱フィンと、コイルの外側に配置された外側放熱フィンとが同一面上に位置することが好ましい。このようにすれば、互い違いに配置した場合と比較して、磁束がコア内を通過しやすくなるため、インダクタンスが低下しにくくなる。また、外側に設けた放熱フィンは、収納ケースの底壁や側壁に接触させることができる。このようにすると、底壁と側壁の両方から熱が伝わるため、冷却効率が高くなる。
このようにすると、コイルの内側と外側との双方に放熱フィンを設けた場合と比較して放熱効率は低下するものの、磁気抵抗が高いアルミニウム製の放熱フィンの枚数が少ないため、インダクタンスの低下を抑制しやすい。そのため、放熱効率は低くてもインダクタンスを高めたい場合等に好適に使用できる。
このようにすると、放熱フィンに用いる部材(金属)の量を減らすことができるため、低コスト化を達成できる。また、放熱フィンの端面にて冷却部材が接触しており、この端面の長さは長いため、放熱効率を高くすることができる。
このようにすると、放熱フィンとコイルとの接触面積が大きくなるため、コイルから発生した熱の冷却効率を向上させることができる。
本発明の実施例にかかるリアクトルにつき、図1〜図5を用いて説明する。図1は本例に係るリアクトル1の横断面図であり、図2はその部分拡大図である。また、図3は図1のa−a断面図であり、図4は図1のb−b断面図である。
図1〜図4に示すごとく、本例のリアクトル1は、絶縁樹脂の中に磁性体の粉末が分散した磁性粉末混合樹脂からなるコア13を備える。また、通電により磁束Φが発生するコイル11がコア13に埋設されている。さらに、コア13よりも熱伝導率が高い材料からなる板状の放熱フィン2がコア13内に複数個設けられている。この放熱フィン2は、その主表面20(図2参照)がコイル11の軸線Aに平行であり、かつ軸線Aを中心とした放射状となるようにコア13内に設けられている。
より詳しくは、底部放熱フィン2cによって内側放熱フィン2aと外側放熱フィン2bとが接続されており、この底部放熱フィン2cが収納ケース14の底壁14aに接続されている。
また、外側放熱フィン2bは収納ケース14の側壁14bに接触している。
インバータ部86は複数個の半導体モジュール5から構成されている。各々の半導体モジュール5は、IGBT素子51とフライホイールダイオード52とを備える。図示するごとく、一方の半導体モジュール5aのコレクタ端子50aと、他方の半導体モジュール5bのエミッタ端子53bが直流入力端子となっている。また、一方の半導体モジュール5aのエミッタ端子53aと他方の半導体モジュール5bのコレクタ端子50bとが接続され、交流出力端子となっている。上記三相交流モータ83は、この交流出力端子に接続されている。
まず、図6に示すごとく型8(収納ケース14とは異なる)を用意し、この中に放熱フィン2およびコイル11を入れる。この際、放熱フィン2を放射状に配置し、その主表面20がコイル11の軸線Aに対して平行になるようにする。
その後、図7に示すごとく、液状の絶縁性樹脂の中に磁性体の粉末を分散させた液状コア13’を型8に流し込む。絶縁性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いる。液状コア13’を型8に流し込んだ後、加熱すると、熱硬化性樹脂が硬化し、放熱フィン2と、コイル11と、コア13とが一体になって固まる。
固化した後、図8に示すごとく、放熱フィン2と、コイル11と、コア13とが一体となった部材6を型8から取り出す。冷却するとコア13の体積が多少縮むため、型8から比較的容易に取り出すことができる。
一方、収納ケース14を別途用意し、その中に液状の接着剤7を少量入れておく。接着剤としては、例えばウレタン樹脂を用いることができる。この状態で、収納ケース14に上記部材6を収納する。これにより、部材6と収納ケース14の隙間に接着剤7が充填し、部材6と収納ケース14とを接着することができる。
本例のリアクトル1は、板状の放熱フィン2を、その主表面20がコイル11の軸線Aに平行であり、かつ軸線Aを中心とする放射状となるように設けた。このようにすると、図2に示すごとく、コイル11の周りに発生した磁束Φが放熱フィン2を横切る面積を最小限にすることができる。そのため、放熱フィン2によって磁束Φの流れが阻害されにくくなり、インダクタンスの低下を防止できる。
このようにすると、放熱フィン2の数を多くすることができるため、放熱効率を高めることができる。なお、本例では、コイルの内側に配置された内側放熱フィン2aと、コイルの外側に配置された外側放熱フィン2bとが同一面上に位置している。このようにすれば、互い違いに配置された場合と比較して、インダクタンスの低下を防止しやすくなる。
このようにすると、コイル11およびコア13から発生した熱が放熱フィン2を伝わって収納ケース14に移動するため、冷却効率を高めることができる。収納ケース14には、冷媒等を使った冷却装置(図示しない)を設けることができる。これにより、コイル11およびコア13の放熱効率を一層、高めることができる。
本例は、放熱フィン2の配置を変えた例である。図10はコイル11の内側にのみ放熱フィン2を設けたリアクトル1の横断面図であり、図11は図10のc−c断面図である。
また、図12はコイル11の外側にのみ放熱フィン2を設けたリアクトル1の横断面図であり、図13は図12のd−d断面図である。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、放熱フィン2の形状を変えた例である。図14に示すごとく、本例のリアクトル1は、コイル11の軸線方向における、放熱フィン2の端面21に接続された板状の冷却部材3を備えている。放熱フィン2は、軸線方向において端面21に向かうほど径方向幅Wが長くなる形に形成されている。
冷却部材3は、例えばアルミニウム製の板であり、収納ケース14と接触している。収納ケース14には図示しない冷却装置が設けられており、この冷却装置によって、収納ケース14および冷却部材3が冷却されている。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、放熱フィン2の形状を変えた例である。図15に、本例のリアクトル1の一部省略斜視図を示す。この図15では、リアクトルの手前側に存在している放熱フィン2を省略して書いてある。また、図16に放熱フィン2の側面図を示し、図17に図16のe−e矢視図を示す。
図示するごとく、本例の放熱フィン2は、コイル11の内周面11aに接触するコイル接触部4を有する。
より詳しくは、本例の放熱フィン2は、図16、図17に示すごとく、本体部24を有し、この本体部24に切欠部23が形成されている。切欠部23には、コイル11が嵌合する。また、本体部24は、端面21にて上記冷却部材3と接続するようになっている。本例の放熱フィン2は、実施例3と同様に、端面21に向かうほど径方向幅が長くなる形に形成されている。そして、本体部24にコイル接触部4が形成されている。
なお、図示しないが、コイル11の外周面11bにコイル接触部4が接触する構成にしてもよい。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
11 コイル
13 コア
14 収納ケース
2 放熱フィン
20 (放熱フィンの)主表面
21 端面
23 切欠部
3 冷却部材
4 コイル接触部
Φ 磁束
A 軸線
Claims (6)
- 絶縁樹脂の中に磁性体の粉末が分散した磁性粉末混合樹脂からなるコアと、
該コアに埋設され、通電により磁束が発生するコイルと、
上記コアよりも熱伝導率が高い材料からなり、上記コア内に複数個設けられた板状の放熱フィンと、
を備え、該放熱フィンは、その主表面が上記コイルの軸線に平行であり、かつ該軸線を中心とした放射状となるように上記コア内に設けられていることを特徴とするリアクトル。 - 請求項1において、上記コアを収納する収納ケースを備え、該収納ケースと上記放熱フィンとが接触していることを特徴とするリアクトル。
- 請求項1または請求項2において、上記放熱フィンは、上記コイルの内側と外側との双方に配置されていることを特徴とするリアクトル。
- 請求項1または請求項2において、上記放熱フィンは、上記コイルの内側と外側とのいずれか一方にのみ配置されていることを特徴とするリアクトル。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項において、上記コイルの軸線方向における、上記放熱フィンの端面に接続された板状の冷却部材を備え、該放熱フィンは、上記軸線方向において上記端面に向かうほど径方向幅が長くなる形に形成されていることを特徴とするリアクトル。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項において、上記放熱フィンは、上記コイルの外周面または内周面に接触するコイル接触部を有することを特徴とするリアクトル。
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