JP2010182859A - 金属蒸着フィルム、及びその製造方法 - Google Patents

金属蒸着フィルム、及びその製造方法 Download PDF

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【課題】
本発明は、金属蒸着高分子フィルムの密着性を向上するものであり、特に金属蒸着フィルムを用いたコンデンサにおいて、コンデンサの生産工程におけるコンデンサ容量のばらつきを抑止するものである。
【解決手段】
高分子フィルムからなる基材の片面に金属蒸着層を有する金属蒸着フィルムにおいて、該高分子フィルムの金属蒸着層を有する面の反対面に金属が付着しており、500μm□の範囲内における該反対面に付着した金属の飛行時間型2次イオン質量分析による測定強度が300〜10000countsの範囲にあることを特徴とする金属蒸着フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属蒸着高分子フィルムの密着性を向上するものであり、特にコンデンサ用金属蒸着フィルム及びそれを用いてなるコンデンサに関するものである。
コンデンサ用金属蒸着フィルムは、蒸着時にマージン形成の為、テープを用いたり、或いはマージン形成部にオイルを塗布し、この部分に金属を付着させないようにしたりしている。
このうちオイルを塗布して形成したマージンをもつ金属蒸着フィルムは、テープを利用したマージンで生じるマージン際への蒸着金属粉の付着、あるいは金属蒸着層のマージン際の端面が不均一となることによる絶縁耐電圧の低下がなく、高い耐電圧、高いコロナ開始電圧を有する優れた金属蒸着フィルムである。一方このマスキングオイルの残存のためコンデンサ素子作成時にフィルムの密着性が悪化、かつばらつきが発生するため、コンデンサ容量の安定性に欠け、高精度な容量を求められるコンデンサにおいては、歩留まりが悪いという問題がある。
また、特許文献1や特許文献2などに記載されるような電極となる金属蒸着層の表層に、電極金属腐食防止のオイルを蒸着したコンデンサ用金属蒸着フィルムにおいては、特にコンデンサ素子のプレス性の悪化が大きく、容量バラツキが大きくなる傾向にある。
この問題を防ぐため、特許文献3では、フィルムに接着性の良い材質をコーティングしたフィルムを金属蒸着フィルムと抱き合わせる方法が提案されているが、これらの方法は材料および加工工程が増し、高コスト、およびコンデンサのサイズが大きくなる問題を抱えている。
コンデンサ用途以外にも密着性が必要とされる用途は多く、マスキングオイルで印刷を施す構成では該オイルが密着性を阻害することが問題となる。
特公昭63−15737号公報 米国特許第4785374号明細書 特公平3−12447号公報
本発明は、金属蒸着高分子フィルムの密着性を向上するものであり、特にコンデンサ素子作成時のフィルム層間の接着性を向上させ、密着性を改善し容量ばらつきの少ない金属蒸着フィルムを提供するものである。
かかる課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(7)のいずれかの構成を特徴とするものである。
(1)
高分子フィルムからなる基材の片面に金属蒸着層を有する金属蒸着フィルムにおいて、該高分子フィルムの金属蒸着層を有する面の反対面に金属が付着しており、500μm□の範囲内における該反対面に付着した金属の飛行時間型2次イオン質量分析による測定強度が300〜10000countsの範囲にあることを特徴とする金属蒸着フィルム。
(2)
(1)に記載の金属蒸着フィルムを製造する方法であって、前記高分子フィルムの金属蒸着層を設ける面の反対面に放電処理することにより金属を付着させることを特徴とする金属蒸着フィルムの製造方法。
(3)
前記放電処理がプラズマ放電処理であることを特徴とする(2)に記載の金属蒸着フィルムの製造方法。
(4)
前記高分子フィルムの金属蒸着層を有する面に、オイルを用いたマスキング法によりマージン部を形成することを特徴とする(2)または(3)に記載の金属蒸着フィルムの製造方法。
(5)
前記金属蒸着層の表面に、電極金属腐食防止層が形成されたことを特徴とする、(1)に記載の金属蒸着フィルム。
(6)
請求項1もしくは5に記載の金属蒸着フィルム、または(2)〜(4)のいずれかに記載の方法で得られた金属蒸着フィルムであって、コンデンサ用であることを特徴とする金属蒸着フィルム。
(7)
(6)に記載の金属蒸着フィルムを用いたコンデンサ。
本発明は、高分子フィルムの金属蒸着層を有する面の反対面に、金属を散点状に付着させることにより金属蒸着高分子フィルム層間の密着性を向上するものであり、特にコンデンサ用途において、コンデンサを形成する複数の蒸着フィルムを巻回、または積層し、加熱成型する際の各フィルム層間の密着を安定させることで、コンデンサの容量のばらつきを小さくするもので、高いコンデンサ容量精度を得ることが可能となる。

本発明の金属蒸着フィルムの一例を示した概略断面図である。
以下、本発明の金属蒸着フィルムと該金属蒸着フィルムの製造方法、及び該金属蒸着フィルムを用いてなるコンデンサについて、更に詳しく説明をする。
本発明の一実施態様である金属蒸着フィルムの概略図を図1に示す。なお、本発明は本実施態様に限定されるものではない。
本発明のフィルムは、高分子フィルムからなる基材の片面に金属蒸着層を有する金属蒸着フィルムにおいて、該高分子フィルムの金属蒸着層を有する面の反対面に金属が付着しており、500μm□範囲内における該反対面に付着した金属の飛行時間型2次イオン質量分析による測定強度が300〜10000countsの範囲にあることを特徴とする金属蒸着フィルムである。図1は本発明の金属蒸着フィルムであり、1は高分子フィルムからなる基材、2は金属蒸着層、3は金属蒸着層が形成されていないか、或いは金属酸化物等から形成された絶縁部でコンデンサにした時の対極との絶縁を保持するための絶縁部(以下マージン部と呼ぶ)である。
4はマージン部を形成する際に使用したマスキングオイルの残存物である。
5は、金属蒸着層を施す側の反対面のフィルム基材1の表面であるが、本発明の金属蒸着フィルムは表面5に、500μm□範囲内の飛行時間型2次イオン質量分析による測定強度が300〜10000countsの範囲にある金属が付着している。
本発明において、高分子フィルムの金属蒸着層を有する面の反対面に付着している金属の材質は特に限定されないが、例えば、アルミニウム、亜鉛、インジウム、スズ、ニッケル、クロム、鉄、銅、チタン、あるいはこれらの中から複数の物質、およびその化合物が挙げられ、好ましくは亜鉛、スズ、インジウム、ニッケル、クロム、鉄、銅であり、より好ましくはスズ、インジウム、ニッケル、クロム、鉄、銅である。
本発明における高分子フィルムの金属蒸着層を有する面の反対面に付着している金属は、500μm□範囲内における飛行時間型2次イオン質量分析による測定強度が300〜10000countsの範囲となるようにごく微量、散点状に付着される。ここで散点状とは、例えば塗液で形成した連続的な付着ではなく、非連続的かつ島状に分散した付着である。各島状構造は電気的に浮遊した状態となっており、本発明の金属蒸着フィルムをコンデンサ用途にした場合にコンデンサの絶縁抵抗が良好に確保される。あるいは該金属は付着した後に空気にさらされ、一部または全てが酸化され、本発明の金属蒸着フィルムをコンデンサ用途にした場合にコンデンサの絶縁抵抗は良好に確保される。複数の金属を付着させた場合は、各金属における測定強度の和がこの範囲となることが必要である。
測定強度が300countsより小さいと複数枚の金属蒸着フィルムを重ねて定加重をかけたときの層間密着力、あるいは金属蒸着フィルムに他の高分子フィルムを接着剤で貼り合わせる場合の密着力が十分保てない。10000countsより大きいと金属量が多くなって電気的に浮遊した状態が保てなくなり、絶縁抵抗(IR)に影響を及ぼし不適である。測定強度は好ましくは500〜8000counts、より好ましくは800〜8000countsである。
本発明における高分子フィルムの金属蒸着層を有する面の反対面に付着している金属は、放電処理によって付着させることができ、放電処理の方法としては、たとえば、誘導加熱法、電子ビーム法、スパッタリング法等の真空蒸着法や、常圧で行う大気圧プラズマ処理法やコロナ処理法などが挙げられる。
特に本発明における高分子フィルムの金属蒸着層を有する面の反対面に付着している金属を、飛行時間型2次イオン質量分析による測定強度300〜10000countsと極めて微量になるように形成するためには、プラズマ放電処理が効果的であり、真空蒸着法では比較的蒸着レートの低いスパッタリング法のうちグロー処理法が、常圧では大気圧プラズマ処理やコロナ処理などの放電処理法により、放電処理装置の電極をスパッタして付着させることが好ましい。金属蒸着層を真空蒸着法で形成する場合には、真空グロー処理法を用いると、真空蒸着工程で効率的に処理ができるため好ましい。
真空グロー処理法による場合は、放電処理装置の電極には高分子フィルムの金属蒸着層を設ける面の反対面に付着させたい金属を使用し、高分子フィルムの金属蒸着層を設ける面と反対面に真空グロー処理を行うことによって、そのスパッタ効果で反対面に金属が付着する。グロー処理電力が大きいほど付着する金属量は多くなり、またライン速度が低い(遅い)ほど、付着する金属は多くなる。これらにより好適な範囲に金属量を調整する。
真空グロー処理については、設定条件は特に限定されないが、速度100〜800m/min、2〜120W/min・m、周波数10〜500kHzであることが好ましい。
本発明における高分子フィルムとは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、などのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリパラキシレンなどあるいはこれらの共重合樹脂等の高分子樹脂をフィルム状に成型したものをさす。
また、その他の有機重合体との混合体、積層体であっても良い。これらの高分子化合物に、公知の添加剤、例えば、滑剤や可塑剤などが含まれても良い。本発明で用いられる高分子フィルムの主成分としては、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィドから選ばれた1種であることが、耐湿性及びコンデンサ電気特性の観点から好ましい。ここで、主成分とは高分子フィルム全体に対して50質量%以上であることを言う。より好ましくは60質量%以上が、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィドから選ばれた1種であることを言う。特に好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド及びこれらの共重合体から選ばれた1種であることがコンデンサの電気特性上好ましい。
本発明で用いられる高分子フィルムの厚みは、特に限定されないが、0.5μm〜100μmの範囲が好ましい。厚みをこの範囲とすることで、本発明の効果をより高く発揮することができる。より好ましくは高分子フィルムの厚みは0.7μm〜13μmの範囲であり、さらに好ましくは1.0μm〜6μmの範囲である。
本発明の金属蒸着フィルムは、高分子フィルムの片面に金属蒸着層を有する。その金属蒸着層の形成方法は特に限定されない。例えば、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングあるいはメッキなどの方法を用いて形成することができる。好ましくは真空蒸着法を用いて形成された金属蒸着層である。真空蒸着法を用いると、効率的に本発明のフィルムを製造することができる。
本発明における金属蒸着層の材質としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、スズ、ニッケル、クロム、鉄、銅、チタン、あるいはこれらを含有する合金等が挙げられる。生産性の面からは、亜鉛、アルミニウム、またはそれらを含む合金が好ましく用いられる。より好ましくは、金属蒸着層がアルミニウムを90質量%以上含むことである。具体的には、アルミニウム単体またはアルミニウムを90質量%以上含むアルミニウム合金を用いることが耐湿性の観点から好ましい。
コンデンサ用途においては、金属蒸着層の厚みは1〜100nmであることが、電気特性上好ましい。また金属蒸着層の膜抵抗は、好ましくは0.5〜30Ω/□、より好ましくは1.5〜25Ω/□、さらに好ましくは3〜20Ω/□の範囲であることが好ましい。膜抵抗が0.5Ω/□未満では、セルフヒーリング不良を発生し絶縁抵抗が悪化するなど本来のコンデンサ特性が得られないことがある。また、30Ω/□を越えると直列等価抵抗が増大し、誘電正接(tanδ)が悪化することがある。より好ましくは1.5〜25Ω/□、さらに好ましくは3〜20Ω/□である。膜抵抗を上記範囲にするには、金属蒸着層の厚みの制御および金属種の選定をすることで可能である。
本発明の金属蒸着フィルムにおいて、前記金属蒸着層の表層に、電極金属腐食防止層を形成することが好ましい。特に、耐候性に劣る亜鉛などを金属蒸着層に用いて電極金属とする場合、金属蒸着層の上に電極金属腐食防止層を形成させることで耐侯性が高まる。電極金属防止層はオイルで形成され、たとえば特公昭63−15737号公報に開示された公知のものを用いることができる。具体的には、フッ素系オイルやシリコーン系オイルが挙げられ、シリコーン系オイルがより好ましい。電極金属腐食防止層の形成方法としては、金属蒸着層を設ける工程において、金属蒸着層を形成後に、その金属蒸着層の上にフッ素系オイルやシリコーン系オイルを真空中で加熱・蒸散させて付着させることにより電極金属腐食防止層を形成することができる。
本発明の金属蒸着フィルムは、例えば、コンデンサにした時に対電極との絶縁をとるため、マージン部を設けることができる。マージン部を設ける方法は特に限定されるものではないが、マスキング方式がオイルを用いたマスキング法を用いることがコンデンサの電気特性上好ましく、本発明の効果を顕著に発現させることが出来る。オイルを用いたマスキング法においては、金属蒸着層を設ける工程において、金属蒸着層を形成する前に、マスキングオイルとしてフッ素系オイル、シリコーン系オイル、あるいは鉱物系オイルを高分子フィルム上に付着させることにより、金属の付着を妨げてマージン部を設ける。マスキングオイルを付着させる方法は、マスキングオイルを真空中で加熱・蒸散させ、所定の間隔で穴あるいはスリットを設けたマスクを通してフィルムに付着させる方法などが例示できる。
一般に高分子フィルムを用いたフィルムコンデンサは、コアに金属蒸着フィルムを巻回した丸型コンデンサ、金属蒸着フィルムを巻回した後にプレスし、扁平にした扁平型コンデンサ、あるいは扁平型コンデンサを切り出して蒸着フィルムを積層構造にした積層コンデンサ等があるが、本発明の金属蒸着フィルムは、いずれのコンデンサに対してもコンデンサの容量のばらつきを改善するのに有効である。
特に容量のばらつきが発生しやすい扁平型コンデンサ、あるいは積層型コンデンサに優れた改善効果を示し、中でもフィルムのプレス成形が行い難く密着性が弱い、積層型コンデンサに著しい改善効果を示し、本発明の金属蒸着フィルムを用いることによってばらつきが極めて少ない容量の安定したコンデンサを作ることが出来る。
(物性値の測定及び評価方法)
(1)高分子フィルムの金属蒸着層を有する面の反対面の金属付着量
試料となる金属蒸着フィルムを測定容器に入るよう幅10mm×長さ10mm採取し、その中央部を飛行時間型2次イオン質量分析法で2回ずつ測定し、その平均値を金属付着量(counts)とした。
飛行時間型2次イオン分析には、TOF.SIMS 5(ION−TOF社製)を使用した。
測定条件は、以下で測定した。
1次イオン:Bi ++
1次イオンエネルギー:25kV、
パルス幅:3.1ns、
バンチング:あり、
帯電中和:あり、
測定真空度:4×10−7Pa
2次イオン極性:正および負、
質量範囲(m/z):0〜1500u
ラスターサイズ:500μm□
スキャン数:32scan
ピクセル数:128pixel
後段加速:10kV。
(2)コンデンサ容量精度
素子巻き後メタリコン及びリード端子付けしたコンデンサ素子を、安藤電気(株)製 LCR METER TYPE AG−4311で1Vrmsの電圧をかけ、周波数1kHzでコンデンサの容量を測定した。実施例で作成した素子100個について測定し、容量偏差が±5.0%以上のものを容量精度不良とし、5%未満を容量精度良好とした。また、素子100個のうち容量精度不良である素子の個数を容量不良率(%)とした。
(3)絶縁抵抗
日置電機株式会社製超絶縁抵抗計SM-8220にて、250Vにて1分値を測定した。
実施例においては、20000MΩ以上を良好とした。
(4)膜抵抗
4端子法により、100mmの電極間の金属膜の抵抗を測定し、測定値を測定幅と電極間距離で除し、幅10mm、電極間距離10mm当たりの膜抵抗を算出した。単位はΩ/□と表示する。
(5)金属蒸着フィルムの総厚み
JIS C 2151(1990年制定2006年改訂)に従い、10枚重ねの金属蒸着フィルムの厚みを電子マイクロメータで測定し、5点平均した平均値を金属蒸着フィルム枚数(10)で除して金属蒸着フィルム厚みとした。
(実施例1)
厚さ3μm、幅620mmのポリプロピレンフィルムに、蒸着機内でフィルム走行速度400m/minで搬送させながら、フッ素系マスキングオイルフォンブリンY04(ソルベイ ソレクシス社製)を蒸着し、幅2mmのマージン部を形成し、次いでアルミニウムを抵抗値が3Ω/□に蒸着した。コンデンサ用蒸着フィルムの非蒸着面に酸素、アルゴンを各々200cc/min流しながら、100kHz、300Vのパルス状直流電圧をかけ、持続するグロー放電にて処理したコンデンサ用蒸着フィルムを作成した。グロー放電電極には、断面が直径5cmの棒円筒状のステンレス金属を用いた。
グロー放電処理したフィルム面を飛行時間型2次イオン質量分析で分析測定すると、グロー放電電極に用いたステンレス金属に由来するクロムと鉄が各々300、500countsの強度で検出された。
次いでこの金属蒸着フィルムをマージン部幅1mm、フィルム幅14mmにスリット後、素子巻きを行い3μFの素子を作成した。次いで、105℃、30kg、6分の条件でプレスを行い、容量不良率及び絶縁抵抗を評価した。容量不良率は0%、絶縁抵抗は31000MΩと良好であった。
(実施例2)
実施例2では、あらかじめ厚さ3μm、幅620mmのポリプロピレンフィルムに、幅700mm、長さ70mmの銅電極を有するスパッタリング装置にて、フィルム走行速度10m/minで搬送させ、酸素、アルゴンを各々200cc/min流しながら、スパッタリング電極に300kHz、200Vのパルス状直流電圧をかけて放電させることによって、飛行時間型2次イオン質量分析による強度8000countsの範囲になるように銅を付着させ、その後このスパッタリングされた面と反対の面に実施例1と同じように、フッ素系マスキングオイルフォンブリン(アウジモント社製)を蒸着した後アルミニウムと亜鉛の合金を蒸着し、更に金属腐食防止用シリコーンオイル(東レダウ製SH200)を蒸着し、マージン部幅2mm、金属蒸着層の抵抗値6Ω/□のコンデンサ用蒸着フィルムを作成した。次いでこの金属蒸着フィルムをフィルム幅14mmにスリット後、素子巻きを行い3μFの素子を作成した。次いで、105℃、30kg、6分の条件でプレスを行い、容量不良率及び絶縁抵抗を評価した。容量不良率は1%、絶縁抵抗は51000MΩと良好であった。
(比較例1)
比較例1では実施例1で行ったグロー放電処理を実施しなかった以外は、実施例1と同じ方法で蒸着フィルムを製造し、コンデンサを作製した。容量不良率及び絶縁抵抗を評価したところ、容量不良率は6%と不良であった。絶縁抵抗は25000MΩであった。
(比較例2)
比較例2は実施例2で用いたあらかじめスパッタリングされていないポリプロピレンを用いた以外は実施例2と同じ条件で蒸着した。容量不良率及び絶縁抵抗を評価したところ、容量不良率は8%と不良であった。絶縁抵抗は49000MΩであった。
(比較例3)
ポリプロピレンフィルムにスパッタリング装置にて、飛行時間型2次イオン質量分析による強度で200000countsの範囲になるように銅を付着させる以外は、実施例2と同様の方法で蒸着フィルムを作成した。容量不良率及び絶縁抵抗を評価したところ、容量不良率は2%と良好であったが、絶縁抵抗は14000MΩと不良であった。
Figure 2010182859
これらの実施例から明らかな様に、本発明による金属蒸着フィルムは、本発明の効果であるコンデンサの容量バラツキが大幅に改良されたものである。
1:高分子フィルム
2:金属蒸着層
3:マージン部
4:マスキングオイル
5:金属

Claims (7)

  1. 高分子フィルムからなる基材の片面に金属蒸着層を有する金属蒸着フィルムにおいて、該高分子フィルムの金属蒸着層を有する面の反対面に金属が付着しており、500μm□の範囲内における該反対面に付着した金属の飛行時間型2次イオン質量分析による測定強度が300〜10000countsの範囲にあることを特徴とする金属蒸着フィルム。
  2. 請求項1に記載の金属蒸着フィルムを製造する方法であって、前記高分子フィルムの金属蒸着層を設ける面の反対面に放電処理することにより金属を付着させることを特徴とする金属蒸着フィルムの製造方法。
  3. 前記放電処理がプラズマ放電処理であることを特徴とする請求項2に記載の金属蒸着フィルムの製造方法。
  4. 前記高分子フィルムの金属蒸着層を有する面に、オイルを用いたマスキング法によりマージン部を形成することを特徴とする請求項2または3に記載の金属蒸着フィルムの製造方法。
  5. 前記金属蒸着層の表面に、電極金属腐食防止層が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の金属蒸着フィルム。
  6. 請求項1もしくは5に記載の金属蒸着フィルム、または請求項2〜4のいずれかに記載の方法で得られた金属蒸着フィルムであって、コンデンサ用であることを特徴とする金属蒸着フィルム。
  7. 請求項6に記載の金属蒸着フィルムを用いたコンデンサ。
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