JP2010182706A - 積層固体電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ESL(等価直列インダクタンス)が低い、積層固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】 固体電解コンデンサ素子の陽極部のみで構成される辺を第一端面10とし、固体電解コンデンサ素子の陰極部のみで構成される辺を第二端面11とした場合、少なくとも2枚以上の固体電解コンデンサ素子を第一端面10と第二端面11の向きが交互に180度で反転する形で厚み方向に積層し、且つ、厚み方向で隣接する固体電解コンデンサ素子同士の第一端面10と第二端面11が重なる位置で陰極部同士を導電性接着剤9等で積層し、外部陽極端子8を陽極部に接続し、外部陰極端子12を陰極部に接続し、外部陽極端子8と外部陰極端子12を実装面側に配置し、外部陽極端子と外部陰極端子の実装部以外を外装樹脂13で封止する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、弁作用金属を用いた、ESL(等価直列インダクタンス)が低い積層固体電解コンデンサに関する。
近年、デジタル機器の小型化、高機能化が進み、機器に供給される電源にも高周波での駆動への対応が要求されている。それに伴い、ノイズ対策や電源電圧の平滑化が必要となり、電子回路における電解コンデンサの役割が重要になってきている。このような中で、小型で静電容量が大きく、周波数領域を問わずインピーダンスが低い、固体電解コンデンサに対する需要が高まっている。
コンデンサのインピーダンスは一般に自己共振点よりも低周波の領域では静電容量とESR(等価直列抵抗)によって決定され、一方、高周波の領域ではESLとESRの影響が強くなる。固体電解コンデンサでは陽極としてアルミニウムやタンタルを用い、電解質として導電性高分子を用いることにより、積層セラミックコンデンサに匹敵する低いESRを実現することが可能である。これは、導電性高分子が二酸化マンガンなどの他の種類の固体電解質や液体の電解質と比較して、比抵抗値が10分の1〜100分の1程度であることにより得られる特性である。
従来の積層固体電解コンデンサの一例として、平板型素子構造を有するアルミニウム積層固体電解コンデンサの形成方法に関して説明する。図3は従来の積層固体電解コンデンサを示す図であり、図3(a)は底面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A方向の縦断面図であり、図3(c)は図3(b)のC−C方向の横断面図である。まず弁作用金属である多孔質化した平板状のアルミニウム金属からなるアルミニウム基体1の表面に、陽極酸化によって絶縁膜である誘電体皮膜を形成する。次いで前記の誘電体皮膜の所定位置にエポキシ樹脂などにより絶縁体3を形成してアルミニウム基体1を2つの領域に区分し、前記領域のうちの一方のみに、導電性高分子からなる固体電解質層4を形成する。さらにこの固体電解質の上にスクリーン印刷などによりグラファイト層5を形成し、さらにグラファイト層の表面に導電性ペーストからなる金属層6を形成して陰極部とする。一方、絶縁体により区分されたもう一つの領域では、誘電体皮膜を剥離させるなどしてアルミニウム基体1を露出させ、金属リードフレーム7を溶接して陽極部とする。陽極部および陰極部は、それぞれ導電性接着剤9による接着や溶接によってリードフレームなどに電気的に接続してそれぞれ外部に取り出し、固体電解コンデンサの外部陽極端子8および外部陰極端子12とする。次に固体電解コンデンサを積層するため、複数の固体電解コンデンサの陽極部および陰極部同士を同一の方向で順次、導電性接着剤9で接続し、複数枚積層することで積層固体電解コンデンサを形成している(例えば特許文献1、2参照)。
導電性高分子を電解質とする固体電解コンデンサではESRが低いため、低周波領域におけるインピーダンスは十分に低いが、このコンデンサを高周波駆動の回路に適用するためには、高周波領域におけるインピーダンスも同時に低減させる必要がある。しかし固体電解コンデンサでは、素子の内部構成が原因でコンデンサ内部での電極の配線回路の引き回し長さが増加してしまい、これが原因となってESLが大きくなり、高周波領域でのインピーダンスが相対的に増大するという問題があった。
この解決策として、第一にコンデンサの形状自体を小型にすることで電極の配線回路の引き回し長さを減少させる方法が挙げられる。しかし、その場合、コンデンサの作製が困難となり、且つ、形状を小型にするほどコンデンサの体積当りの容量効率が小さくなるため、容量の低下が問題となる。
コンデンサの体積当りの容量効率を十分に確保し、且つ、ESLを低減する方法として、次に近接した複数の固体電解コンデンサ素子の陽極部および陰極部のそれぞれの電極を交互に配列する構造が提案されている。この構造はコンデンサ素子を充放電する際、隣接するそれぞれの電極からの導通経路で逆方向の電流が流れるため、この逆方向の電流に起因して発生する磁界が互いに相殺されて、ESLの低減が実現される。
上記の導電性高分子を電解質とし、近接した複数の外部陽極端子および外部陰極端子のそれぞれの電極を交互に配列する構造の固体電解コンデンサとして、特許文献3に開示されている例がある。
前述の特許文献3に開示された固体電解コンデンサに関する技術によれば、固体電解コンデンサのESLをある程度、低減を実現できるとされる。しかし、この技術は隣接するそれぞれの電極からの導通経路で逆方向の電流が流れる際に実際に逆方向の電流が流れる経路長は最大でも陰極部内の長さであり、コンデンサ素子までの(外部)陽極端子および(外部)陰極端子による配線回路では磁界の相殺が起こらないため、ESLの低減の効果は限定的であった。
従って、本発明の目的はESLの低い、積層固体電解コンデンサを提供することにある。
本発明の積層固体電解コンデンサにおいては、近接した複数の外部陽極端子および外部陰極端子のそれぞれの電極から固体電解コンデンサ素子の陽極部および陰極部に至るまで互いに導通経路で逆方向の電流が流れ、この導通経路に起因して発生する磁界が相殺される構造とする。この構造を実現するにあたり、使用する固体電解コンデンサ素子は従来の形状の固体電解コンデンサ素子を使用することが可能である。この構成によって、固体電解コンデンサの静電容量の減少を招くことなく、高周波領域におけるESLの低減を実現するこができる。
本発明の積層固体電解コンデンサは、矩形状の平面形状を有する平板状の対向する二端面の第一端面側に陽極部、第二端面側に前記陽極部と絶縁体で区分され、前記陽極部より大面積の陰極部が形成された固体電解コンデンサ素子を複数枚、第一端面と第二端面を交互に反転させて隣接する前記固体電解コンデンサ素子の陰極部同士を接続して積層され、それぞれの固体電解コンデンサ素子の陽極部から外部陽極端子が、陰極部から外部陰極端子が引き出されて実装面側に配置され、前記固体電解コンデンサ素子ならびに外部陽極端子および外部陰極端子の一部を外装樹脂で被覆したことを特徴とする。
ここで、実装面側から見て前記固体電解コンデンサ素子の第一端面と第二端面がそれぞれ隣接する固体電解コンデンサ素子の第二端面と第一端面と交互に重なる位置で積層されたことを特徴とする。
また、前記外部陽極端子と前記外部陰極端子の実装面側を除いて、前記固体電解コンデンサ素子ならびに外部陽極端子および外部陰極端子を外装樹脂で被覆したことを特徴とする。
さらに、前記固体電解コンデンサ素子の陽極部および陰極部にそれぞれ複数の外部陽極端子および外部陰極端子が接続され、前記外部陽極端子と前記外部陰極端子は実装面で交互に配列していることを特徴とする。
本発明によれば、積層固体電解コンデンサの実装面に配置された複数の外部陽極端子および外部陰極端子から固体電解コンデンサ素子の陽極部および陰極部に至るまで互いに導通経路で逆方向の電流が流れ、この導通経路に起因して発生する磁界が相殺される。また、固体電解コンデンサ素子を流れる逆方向の電流は積層体の各層の固体電解コンデンサ素子の厚み分だけ離れており、平板状の固体電解コンデンサ素子を使用する本発明においては逆方向の電流経路のピッチは短く、磁界の相殺に高い効果がある。また、積層固体電解コンデンサの各層の固体電解コンデンサ素子に対して、複数の外部陽極端子と外部陰極端子を交互に配列するだけで、容易に配線回路の引き回し長さが短い構造が実現できる。従って、本発明は従来技術の積層固体電解コンデンサと比較し、ESLの低減が可能である。
本発明の実施の形態による積層固体電解コンデンサについて、図面に基づいてその構成を説明する。
まず本発明の第一の実施の形態の積層固体電解コンデンサについて説明する。図1は、本発明における積層固体電解コンデンサの第1の実施の形態を説明する図である。
図1において、アルミニウム基体1は長方形状のアルミニウム箔からなり、その両面はエッチングにより多孔質層2が形成されている。このアルミニウム基体1の両表面は陽極酸化により陽極酸化皮膜が形成されている。長方形状のアルミニウム箔の対向する二端面の第一端面10側に陽極部、第二端面11側に陽極部より面積の大きい陰極部が区分して配置されるようにエポキシ樹脂などにより絶縁体3を形成してアルミニウム基体1を2つの領域に区分し、第二端面側の領域に導電性高分子からなる固体電解質層4、グラファイト層5、導電性ペーストなどによる金属層6が、長方形状にこの順番に積層により形成されて陰極部を構成している。絶縁体3を介して陰極部が形成されていない第一端面10側の領域の片面のみに長方形状の金属リードフレーム7が設けられており、陽極部が形成されている。金属リードフレーム7は銅箔などの金属部材からなり、固体電解コンデンサの上面に設けられる外部陽極端子8とアルミニウム基体1との間の陽極の電気的接続を行う役割を有している。なおアルミニウム基体1と金属リードフレーム7の接続部では電気的接続のために多孔質層2が剥離されており、両者は溶接などによって接続することが好適である。
次に同様に作製した複数のコンデンサ素子を用意し、コンデンサ素子の金属層6同士を導電性接着剤9で接着し、複数個積層することによって、積層固体電解コンデンサ素子を得る。ここで、積層固体コンデンサ素子は第一端面10と第二端面11の向きが交互に180度で反転する形で厚み方向に積層し、また、厚み方向で上下に隣接する固体電解コンデンサ素子同士の第一端面10と第二端面11が実装面側から見て重なる位置で積層する。尚、図1(b)では固体電解コンデンサ素子を2枚積層した場合を示しているが、積層枚数は多いほどESLの低減の効果が高いことがこれまでに明らかになっている。
次に積層固体電解コンデンサ素子の各層ごとの固体電解コンデンサ素子の第一端面10の方向から、外部陽極端子8を陽極部の金属リードフレーム7上に導電性接着剤9で電気的に接続し、積層固体電解コンデンサ素子の各層ごとの固体電解コンデンサ素子の第二端面11の方向から、外部陰極端子12を陰極部の金属層6上に導電性接着剤9で電気的に接続し、外部陽極端子8と外部陰極端子12をそれぞれ実装面側にU字状に折り込み、実装用の端子として形成した。次に、外部陽極端子8と外部陰極端子12の実装用の端子として形成する部分以外をモールド樹脂からなる外装樹脂13で封止することで、導電性高分子を電解質とする積層固体電解コンデンサを構成する。なお、図1(d)の横断面図においては外装樹脂部分は省略し、導電性接着剤9と外部陰極端子12を便宜上記載した。
次に本発明の第二の実施の形態の積層固体電解コンデンサについて説明する。本実施の形態は前術の第一の実施の形態と比較し、ESLの低減の効果を高めるため、固体電解コンデンサ素子からそれぞれ外部端子を複数形成した場合の形態を示す。図2は本発明における積層固体電解コンデンサの第2の実施の形態を説明する図である。
上述の第一の実施の形態と同様に積層固体電解コンデンサ素子を形成した後、積層固体電解コンデンサ素子の各層ごとの固体電解コンデンサ素子の第一端面10の方向から、複数の外部陽極端子8を陽極部の金属リードフレーム7上に導電性接着剤9で電気的に並列に配線し、積層固体電解コンデンサ素子の各層ごとの固体電解コンデンサ素子の第二端面11の方向から、複数の外部陰極端子12を陰極部の金属層6上に導電性接着剤9で電気的に接続する。ここで、積層固体電解コンデンサ素子の面方向の第一端面10および第二端面11を有する2つの辺において、複数の外部陽極端子8と複数の外部陰極端子12が交互に配列している。次に上述の第一の実施の形態と同様に外部陽極端子8と外部陰極端子12をそれぞれ実装面側にU字状に折り込み、実装用の端子として形成する。ここで、実装用の端子として実装面側の面方向で対向する2つの辺上に外部陽極端子8と外部陰極端子12が交互に配列している。次に、外部陽極端子8と外部陰極端子12の実装用の端子として使用する部分以外をモールド樹脂からなる外装樹脂13で封止することで、導電性高分子を電解質とする積層固体電解コンデンサを構成する。なお、図2(d)の横断面図においては外装樹脂部分は省略し、導電性接着剤9と外部陰極端子12を便宜上記載した。
本発明の実施例1の積層固体電解コンデンサを以下の方法にて作製し、その電気的特性を測定した。実施例1の積層固体電解コンデンサの作製について図1を参照して説明する。まず箔状のアルミニウム基体1を多孔質化し、さらにその表面に陽極酸化皮膜を形成した。ここで箔状のアルミニウム基体はアルミ電解コンデンサ用として市販されている材質のものであり、表面に陽極酸化皮膜を形成する上での公称化成電圧が4V、単位面積(cm2)あたりの静電容量が295μF、厚さが105μmである。ここでアルミニウム基体1における陽極酸化皮膜を有する多孔質層2の厚みは片面で35μmである。この箔状のアルミニウム基体1を長さ7.5mm、幅4.3mmの長方形状に切り出し、長辺側の対向する二端面の第一端面10から内側に0.75mmの位置に、エポキシ樹脂をスクリーン印刷で形成し、絶縁体3を形成した。ここで、絶縁体の幅が0.5mm、厚さが20μmになるようにエポキシ樹脂やスクリーンマスクを選択した。この絶縁体3を挟んで広い領域となる第二端面11側に陰極部を形成することとし、絶縁体3を挟んで第一端面10側に陽極部を形成することとした。次に、アルミニウム基体の陰極部の陽極酸化皮膜の表面に、モノマーとしてピロール、酸化剤としてペルオキソ二硫酸アンモニウム、ドーパントとしてパラトルエンスルホン酸を反応させ、導電性高分子からなる固体電解質層4を形成し、さらにその表面にスクリーン印刷によってグラファイト層5を厚み15μmになるように形成した。次に、グラファイト層上に、重量比80%以上の銀含有量を有した導電性ペーストで金属層6を厚さ30μmに形成し、150℃にて放置して前記導電性ペースト中の有機溶剤を揮発させ同時に硬化させることで、陰極部の電極を形成した。さらにアルミニウム基体上の陽極酸化皮膜のうち、陽極部の多孔質部を除去してアルミニウム基体を露出させ、両面にメッキ処理を施し、厚みが30μmである銅箔からなる金属リードフレーム7をアルミニウム基体の片面のみに超音波溶接で接合し、陽極部の電極を形成し固体電解コンデンサ素子とした。
その後、同様に作製したもう1つの固体電解コンデンサ素子を用意し、固体電解コンデンサ素子の陰極部の金属層6の一部に導電性接着剤9を厚み40μmになるように塗布し、金属層6同士を導電性接着剤9で接着し、2枚積層することによって電気的に接続された積層固体電解コンデンサ素子を得た。ここで、長方形状の固体電解コンデンサ素子の2つの長辺のうち、陽極部のみで構成される辺を第一端面と呼称し、陰極部のみで構成される辺を第二端面と呼称した場合、積層固体コンデンサ素子は第一端面と第二端面の向きが交互に180度で反転する形で厚み方向に積層した。また、実装面から見て厚み方向で隣接する固体電解コンデンサ素子同士の第一端面10と第二端面11が重なる位置に固定し、積層固体電解コンデンサを形成した。
次に積層固体電解コンデンサ素子の1層目の固体電解コンデンサ素子の第一端面の方向から、両面にメッキ処理を施し、厚みが30μmである銅箔からなる外部陽極端子8と陽極部の金属リードフレーム7を導電性接着剤9で電気的に接続し、積層固体電解コンデンサ素子の1層目の固体電解コンデンサ素子の第二端面11の方向から、両面にメッキ処理を施し、厚みが30μmである銅箔からなる外部陰極端子12を陰極部の金属層上に導電性接着剤9で電気的に接続した。次に、2層目の固体電解コンデンサ素子についても1層目の固体電解コンデンサ素子と同様に外部陽極端子8と陽極部、外部陰極端子12と陰極部の接続を行った。ここで、1層目の外部陽極端子8と2層目の外部陰極端子12、または、1層目の外部陰極端子12と2層目の外部陽極端子8が接触してショートしないように各端面の中心から左右に分けて外部陽極端子および外部陰極端子を配置し、陽極部および陰極部と接続した。次に、全ての外部陽極端子8と外部陰極端子12をそれぞれ実装面側にU字状に折り込み、実装用の端子として形成し、外部陽極端子と外部陰極端子の実装用の端子として使用する部分以外をエポキシ樹脂からなる外装樹脂でモールド成形して封止することで、導電性高分子を電解質とする積層固体電解コンデンサを完成させた。この方法による積層固体電解コンデンサの作製数は30個である。
作製した30個の積層固体電解コンデンサについて電気特性を測定した。測定項目は、静電容量、ESR、ESL、漏れ電流の4項目である。静電容量およびESRはいずれも交流インピーダンスブリッジ法により測定している。このうち静電容量の測定条件は、印加した基準信号の周波数が120Hz、電圧が1Vrmsで、DCバイアスを0Vとした。一方、ESRは印加した基準信号の周波数が100kHz、電圧が1Vrms、DCバイアスは0Vとしている。またESLは固体電解コンデンサを所定の評価基板にはんだ付けにより接合して、ネットワークアナライザを用いて100MHzにおけるS21特性(伝達特性)を測定し、その結果をもとに等価回路から算出した。また、漏れ電流については固体電解コンデンサの定格電圧である2.5Vの信号を印加し、1分後の値を測定した。作製した30個の固体電解コンデンサの各特性の平均値を表1に示す。
本発明の実施例2の積層固体電解コンデンサを以下の方法にて作製し、その電気的特性を測定した。実施例2の積層固体電解コンデンサの作製について図2を参照して説明する。まず、実施例1と同様に2枚の固体電解コンデンサ素子を積層し、積層固体電解コンデンサ素子を作製する。次に、積層固体電解コンデンサ素子の1層目の固体電解コンデンサ素子の長辺となる第一端面10を均等に4分割した際に、4分割した領域の左から1つ目および3つ目の領域の金属リードフレーム7上に両面にメッキ処理を施し、厚みが30μmである銅箔からなる2つの外部陽極端子8を導電性接着剤9で電気的に接続した。次に、積層固体電解コンデンサ素子の1層目の固体電解コンデンサ素子の長辺となる第二端面11を均等に4分割した際に、4分割した領域の左から1つ目および3つ目の領域に両面にメッキ処理を施し、厚みが30μmである銅箔からなる2つの外部陽極端子8を導電性接着剤9で電気的に接続した。2層目の固体電解コンデンサ素子についても1層目の固体電解コンデンサ素子と同様に外部陽極端子8と陽極部、外部陰極端子12と陰極部の接続を行ったが、ここで、1層目の外部陽極端子と2層目の外部陰極端子、および、1層目の外部陰極端子と2層目の外部陽極端子が重なると、ショートしてしまうため、前記4分割した領域のうち、外部の端子と接続していない2つの領域を選択し、それぞれ外部陽極端子および外部陰極端子を接続した。次に、全ての外部陽極端子8と外部陰極端子12をそれぞれ実装面側にU字状に折り込み、実装用の端子として形成し、外部陽極端子と外部陰極端子の実装用の端子として積層する部分以外を外装樹脂13で封止することで、導電性高分子を電解質とする積層固体電解コンデンサを完成させた。この方法による積層固体電解コンデンサの作製数は30個である。
(比較例)
比較例として、固体電解コンデンサ素子の陽極部と陰極部をそれぞれ同じ向きで厚み方向に積層した積層固体電解コンデンサを以下の方法にて作製し、その電気的特性を測定した。尚、図3の従来の積層固体電解コンデンサを説明する図を参照して説明する。
比較例として、固体電解コンデンサ素子の陽極部と陰極部をそれぞれ同じ向きで厚み方向に積層した積層固体電解コンデンサを以下の方法にて作製し、その電気的特性を測定した。尚、図3の従来の積層固体電解コンデンサを説明する図を参照して説明する。
まず、実施例1と同様の形状の固体電解コンデンサ素子を作製した。次に、同様に作製したもう1つのコンデンサ素子を用意し、コンデンサ素子の陰極部の金属層6上の一部に導電性接着剤9を厚み40μmになるように塗布し、金属層6同士を導電性接着剤9で接着し、2枚積層することによって電気的に接続された積層固体電解コンデンサ素子を得た。ここで、長方形状の固体電解コンデンサ素子の2つの長辺のうち、陽極部のみで構成される辺を第一端面10と呼称し、陰極部のみで構成される辺を第二端面11と呼称した場合、積層固体コンデンサ素子は第一端面と第二端面の向きが1層目と2層目の固体電解コンデンサ素子で同じになるよう厚み方向に積層した。次に、実施例1と同様に外部陽極端子8、外部陰極端子12を各層の固体電解コンデンサ素子の金属リードフレーム7、金属層6に順次接続し、外部陽極端子8と外部陰極端子12をそれぞれ実装面側にU字状に折り込み、実装用の端子として形成し、外部陽極端子と外部陰極端子の実装用の端子として積層する部分以外を外装樹脂13でモールド封止することで、導電性高分子を電解質とする積層固体電解コンデンサを完成させた。この方法による積層固体電解コンデンサの作製数は30個である。
表1において、従来技術で作製した比較例の積層固体電解コンデンサのESLは1100pHであったのに対し、本発明の実施例1および実施例2はそれぞれ5分の1以下となっており、ESLの低減に高い効果があることが分かる。
尚、複数の外部陽極端子と外部陰極端子を交互に配列した実施例2において、交互に配列することにより、外部陽極端子と外部陰極端子の配線ピッチが短くなり、容易に配線回路の引き回し長さが短い構造が実現できるため、実施例1と比較してもさらにESLが低減していることが分かる。
以上示したように、上記の手段により、本発明の積層固体電解コンデンサによれば、積層固体電解コンデンサの平面に多数接続する外部陽極端子および外部陰極端子から固体電解コンデンサ素子の陽極部および陰極部に至るまで互いに導通経路で逆方向の電流が流れ、この導通経路に起因して発生する磁界が相殺される。また、固体電解コンデンサ素子を流れる逆方向の電流は積層体の各層の固体電解コンデンサ素子の厚み分だけ離れており、平板状の固体電解コンデンサ素子を使用する本発明においては逆方向の電流経路のピッチは短く、磁界の相殺に高い効果がある。また、積層固体電解コンデンサ素子の各層の固体電解コンデンサ素子に対して、複数の外部陽極端子と外部陰極端子を交互に配列するだけで、容易に配線回路の引き回し長さが短い構造が実現できる。
1 アルミニウム基体
2 多孔質層
3 絶縁体
4 固体電解質層
5 グラファイト層
6 金属層
7 金属リードフレーム
8 外部陽極端子
9 導電性接着剤
10 第一端面
11 第二端面
12 外部陰極端子
13 外装樹脂
2 多孔質層
3 絶縁体
4 固体電解質層
5 グラファイト層
6 金属層
7 金属リードフレーム
8 外部陽極端子
9 導電性接着剤
10 第一端面
11 第二端面
12 外部陰極端子
13 外装樹脂
Claims (4)
- 矩形状の平面形状を有する平板状の対向する二端面の第一端面側に陽極部、第二端面側に前記陽極部と絶縁体で区分され、前記陽極部より大面積の陰極部が形成された固体電解コンデンサ素子を複数枚、第一端面と第二端面を交互に反転させて隣接する前記固体電解コンデンサ素子の陰極部同士を接続して積層され、それぞれの固体電解コンデンサ素子の陽極部から外部陽極端子が、陰極部から外部陰極端子が引き出されて実装面側に配置され、前記固体電解コンデンサ素子ならびに外部陽極端子および外部陰極端子の一部を外装樹脂で被覆したことを特徴とする積層固体電解コンデンサ。
- 実装面側から見て前記固体電解コンデンサ素子の第一端面と第二端面がそれぞれ隣接する固体電解コンデンサ素子の第二端面と第一端面と交互に重なる位置で積層されたことを特徴とする請求項1に記載の積層固体電解コンデンサ。
- 前記外部陽極端子と前記外部陰極端子の実装面側を除いて、前記固体電解コンデンサ素子ならびに外部陽極端子および外部陰極端子を外装樹脂で被覆したことを特徴とする請求項1に記載の積層固体電解コンデンサ。
- 前記固体電解コンデンサ素子の陽極部および陰極部にそれぞれ複数の外部陽極端子および外部陰極端子が接続され、前記外部陽極端子と前記外部陰極端子は実装面で交互に配列していることを特徴とする請求項1に記載の積層固体電解コンデンサ。
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JP2009022111A Withdrawn JP2010182706A (ja) | 2009-02-03 | 2009-02-03 | 積層固体電解コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010182706A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116092833A (zh) * | 2022-11-30 | 2023-05-09 | 荣成歌尔科技有限公司 | 电解电容器和电子设备 |
-
2009
- 2009-02-03 JP JP2009022111A patent/JP2010182706A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN116092833A (zh) * | 2022-11-30 | 2023-05-09 | 荣成歌尔科技有限公司 | 电解电容器和电子设备 |
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110805 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20120828 |