JP2010182177A - 非接触型通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小規模な回路構成でヌル点問題を解消する。
【解決手段】送信制御部12とアンテナ部との間にインダクタンス素子L1を設け、受信制御部13には、インダクタンス素子L1の両端の受信信号を検波するために2つの検波部18,19を設ける。そして、減算制御部20は、これら2系統の検波部18,19の出力信号S1’、S2’を入力して、この2つの入力信号の差電圧を求める形で2つの信号を合成する回路であり、例えば差動増幅回路である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非接触型ICカード等の非接触型情報媒体との近距離無線通信を行う機能を備えた非接触型通信装置に関する。
非接触型情報媒体(非接触型ICカード等)と非接触型通信装置(非接触ICカード・リーダライタ等)とが近距離無線通信を行う場合には、リーダライタからの電磁誘導で、ICカードが動作する。非接触型情報媒体には、上記非接触型ICカード以外に、例えばICカード機能付携帯端末(携帯電話等)、ICタグ等も含まれる(カード型の形態に限らない;但し、本説明では非接触型ICカードを例にする)。尚、非接触型ICカード、非接触ICカード・リーダライタを、それぞれ省略してICカード、リーダライタ(またはリーダライタ装置)と記す場合もある。
ICカード側では、リーダライタが出力する所定の周波数の搬送波に同調させる処理を行って、その搬送波を変調して(負荷変調して)、リーダ/ライタ側にデータを送る。
図5に、従来のリーダライタ装置の構成図を示す。
図示の例のリーダライタ装置50は、制御部51、送信制御部52、受信制御部53、及びコンデンサC1,C2とループアンテナ54より成るアンテナ部から成る。
制御部51は、不図示の上位装置(ホスト)との通信機能を有し、ホスト上で動作するアプリケーションプログラムの指示に基づいて、送信制御部52、受信制御部53を介して、ICカードとの通信処理(データ送受信処理)を実行する。
送信制御部52は、変調部55、キャリア発振器56、増幅部57を備える。変調部55は、制御部51からの送信データを、キャリア発振器56からの搬送波(その周波数は例えば13.56MHz)に基づいて変調する。この変調信号を次段の増幅部57で増幅して所定の送信出力とする処理を行い、アンテナ部に供給する。
また、上記アンテナ部は、送受信兼用であり、送信制御部52と共に受信制御部53が接続されている。
受信制御部53は、検波部58、増幅部59、復調部60を備える。ICカードからの送信データ(応答データ)を受信する際には、上記キャリア発振器56からの搬送波を、変調せずに、アンテナ部に供給する。不図示のICカード側では、この搬送波信号を負荷変調することで上記応答データを返信する。
検波部58は、上記送信する搬送波と、ICカードからの負荷変調信号とが合成された受信信号を入力して、この受信信号の包絡線をダイオード検波回路などで抽出する。増幅部59は上記検波部58の出力(受信信号の包絡線)を増幅処理し、これを次段の復調部60でA/D変換(2値化、もしくは多値化)する。復調部60の出力(受信データ)は、制御部51へ入力され、制御部51で復号化、データチェック処理を行なって、受信データフレームが正常の場合は、ホスト側に受信データを送出する。
ここで、非接触型ICカードとそのリーダライタ装置との通信において、非接触型ICカードが通信可能とされている領域内にある場合(図6に示す通信距離0〜d2のエリア)でも、ICカードとリーダライタとの距離を変えた場合に、あるポイントで通信ができない状態が発生することがある(図6に示す通信距離d1の位置;この様な位置をヌル点と呼ぶものとする)。
ICカードとリーダライタは、それぞれがアンテナを備え、搬送周波数に合わせて同調を取っており、伝送特性が最適になるように調整されている。しかし、アンテナ同士の距離が近づいたり、アンテナと金属体が結合してしまうと、送信回路のインピーダンスが変化し、ICカード送信の負荷変調信号が、リーダライタの受信制御部側で振幅変化として現れない状態(いわゆる“ヌル”)となり、通信が行なえなくなる問題があった。
図7〜図9に、ICカード送信の負荷変調信号をリーダライタのアンテナ回路で受信した時の電流(もしくは電圧)の動作波形を示す。
図7〜図9の図上上段には、リーダライタ装置50がICカードからのデータ受信の際に出力する上記搬送波の波形を示す。これは変調部55からの出力波形であるとも言える。当然、この搬送波波形は、図7〜図9の全てで同じものとなる。
また、図7〜図9の図上中段にはICカードによる負荷変調信号の波形を示す。この変調信号例は、図示の通り振幅がOFF→ON→OFFと変化している例を示している。
変調信号自体は、図示の通り図7〜図9の全てで同じものであるが、リーダライタの受信波は距離によって異なる。図7は負荷変調ON時に振幅が小さくなる場合(図6において通信距離がd1より大きく、d2以下のとき)、図8は負荷変調ON時に振幅が大きくなる場合(図6において通信距離が0以上で、d1より小さいとき)を表している。また、図9は、ICカードの位置が上記ヌル点である場合を示している。
また、図7〜図9の図上下段には、リーダライタの受信波を示す。また、更に、検波部58の出力信号(合成信号の包絡線検波信号というものとする)も示してある。図示の通り、この包絡線検波信号は、ほぼ、VaとVbの2値の波形となる。尚、ここでは、上記負荷変調がOFFのときの検波信号の電圧値をVa、ONのときの電圧値をVbとする。
上述した位置関係(非接触ICカードとリーダライタとの距離)によって、各図7〜図9のリーダライタの受信信号/包絡線信号波形は、図示の通り異なるものとなる。すなわち、図7では包絡線は負荷変調信号とほぼ逆の波形である(負荷変調信号がONのときには、包絡線波形は変調信号と逆極性の小となっている)。また、図8では負荷変調信号と同じ波形となっている(負荷変調信号がONのときに変調信号と同極性の大、OFFのときに小)。つまり、上記負荷変調信号において上記の通り振幅がOFF→ON→OFFと変化しているのに対して、包絡線波形は図7では大→小→大であるのに対して図8では小→大→小となっている。但し、これは逆になるだけなので、正常に受信可能である。
一方、図9の場合、すなわち上記ヌル点の位置の場合、図示の通りVaとVbとに差が無い為、正常に受信することは出来ない。
このように、VaとVbとに電圧差があれば、「Va−Vb」が正であっても負であっても、正常に受信可能であるが、電圧差が無いと正常に受信できないものとなる。
ここで、図10に、上記受信信号の差電圧「Va−Vb」と通信距離との関係を示す。すなわち、図10に示すグラフは、横軸がリーダライタ−ICカード間の距離、縦軸が受信信号の差電圧ΔV=「Va−Vb」である。
まず、リーダライタ−ICカード間の通信距離が、図10に示す0〜d1(但し、d1は含まない)の位置では、例えば図7のような包絡線となり、図10に示すように「Va−Vb」は正の値となる。よってリーダライタの受信制御部53で検波・増幅などの処理を行なって復調を行い、正常に受信が可能である。
また、リーダライタ−ICカード間の通信距離が、図10に示すd1〜d2(但し、d1は含まない)の位置では、例えば図8のような包絡線となり(図示の通り、「Va−Vb」は負の値となるが)、この場合も正常に受信が可能である。
これに対して、リーダライタ−ICカード間の通信距離が、図10に示すd1の位置では、図9に示すように、搬送波とICカードからの負荷変調信号を合成した受信信号が、変調ON/OFF時の振幅差異(差電圧)がほとんど無い状態となり、上述のヌル状態となる。
従来のリーダライタ装置は、例えば、送信制御部52のインピーダンスを切替えたり、アンテナ部の共振周波数をずらしたりすることで、ヌル点の発生位置を移動させて対策をしていた。
しかし、従来の方式では、受信不能と判断した時点で、インピーダンス切替えなどの制御を行なう為、通信処理シーケンスの途中でヌル点が発生した場合は、通信処理シーケンスを初めから再実行する必要があり、通信処理性能が低下する問題があった。
上記問題を改善するために、インピーダンスの異なる複数点の信号を復調するための受信回路を複数備えて、復調データを合成する方式が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この提案方式では、受信回路部を複数備える必要があり、回路規模が増大する問題がある。
また、複数のループアンテナを設けて、それら複数のアンテナに復調回路を設けて、受信データを合成する方式が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この提案方式では、アンテナを複数有し、個々に共振周波数の調整を要するために、調整に時間を要する問題がある。
特開2007−12076号公報 特開2006−14281号公報
本発明の課題は、ICカード等の非接触型情報媒体との間で非接触で無線通信を行う非接触型通信装置において、小規模な回路構成でインピーダンス切替え等の制御を行う必要なく、ヌル点による影響を除去して正常に受信処理が可能となる非接触型通信装置を提供することにある。
本発明の非接触型通信装置は、送受信兼用のアンテナ部と送信制御部と受信制御部とを有し、非接触型情報媒体からのデータ受信の際には、送信制御部から所定の搬送波を出力してアンテナ部から送信させると共に、前記受信制御部が、前記搬送波に対する前記非接触型情報媒体による負荷変調信号を前記アンテナ部で受信した受信信号を入力して、検波・復調する非接触型通信装置であって、前記受信制御部は、前記送信制御部−アンテナ部間における任意のインピーダンスの異なる複数点の受信信号をそれぞれ入力して検波する複数の検波手段と、該複数の検波部からの検波出力信号を入力して、該複数の検波出力信号を減算処理して合成する減算制御手段とを有する。
インピーダンスの異なる複数点(ここでは例えば2点)の受信信号を検波することで、両者のヌル発生位置が異なるので、一方でヌル発生している状況(位置)でも他方はヌル発生していないので、2点の受信信号の検波信号を、その電圧差をとる(減算処理する)形で合成することで、複数のアンテナ/受信回路部を設けたりインピーダンス切替え制御を行う必要なく、小規模な回路構成で実質的にヌル状態による影響が除去された合成信号を生成でき、これを用いて正常に受信処理を行うことが可能となる。
例えば、前記送信制御部−アンテナ部間にインダクタンス素子を設け、前記各検波手段は、前記インダクタンス素子の両端の受信信号をそれぞれ入力して検波する。
本発明の非接触型通信装置によれば、小規模な回路構成でインピーダンス切替え等の制御を行う必要なく、ヌル点による影響を除去して正常に受信処理が可能となる。
本例のリーダライタ装置の構成図である。 図1の構成における各受信信号の差電圧−通信距離の特性図である。 図1に示す減算制御部の構成例である。 (a)、(b)は、減算制御部の入出力信号波形の一例である。 従来のリーダライタ装置の構成図である。 通信成功率―通信距離の特性図である。 リーダライタ搬送波,受信波を示す波形図である。 リーダライタ搬送波,受信波を示す波形図である。 リーダライタ搬送波,受信波を示す波形図(ヌル点:ICカード応答が振幅に現れない場合)である。 図4の構成における受信信号の差電圧−通信距離の特性図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本例のリーダライタ装置10の構成図である。
リーダライタ装置10は、例えば上記従来のリーダライタ装置50と同様、非接触型ICカードとの非接触の通信を行うものである。
尚、ここで、リーダライタ装置10の通信相手は、非接触型ICカードのようなカード型の形態に限らず、例えばICカード機能内蔵の携帯電話やタグ型(ICタグ)あるいは腕時計型の形態等であってもよく、これらを総称して非接触型情報媒体と呼ぶものとする。また、これより、リーダライタ装置10も、非接触ICカードとのリーダライタ装置に限らないものであり、総称して非接触型通信装置と呼ぶものとする。但し、本例の説明では非接触型ICカード、非接触ICカード・リーダライタを例にする。尚、本説明では非接触型ICカードを省略してICカードという場合もある。
図示のリーダライタ装置10と上記従来のリーダライタ装置50との違いは、リーダライタ装置10においては、送信制御部12とアンテナ部との間にインダクタンス素子L1が設けられている点、及び受信制御部13において複数の検波部18,19と減算制御部20が設けられている点である。よって、リーダライタ装置10の各構成要素は、これらの相違点以外は、従来のリーダライタ装置50の各構成要素と略同様であってよい。但し、当該従来と同様であってよい構成要素に関しても、以下、簡単に説明しておく。
まず、図示の例のリーダライタ装置10は、概略的には、制御部11、送信制御部12、受信制御部13、及びコンデンサC1,C2とループアンテナ14から成る上記アンテナ部から成る。
制御部11は、データ送信処理、及びデータ受信処理を行う集積回路(CPU/MPU等)であり、送信制御部12、受信制御部13を介して、非接触型ICカードとの通信処理を行う。すなわち、任意の送信データの送信処理を送信制御部12を介して行い、受信制御部13を介して受信する任意の受信データの受信処理を行う。また、制御部11は、例えば、不図示の上位装置(ホスト)との通信機能も有しており、ホスト上で動作するアプリケーションプログラムの指示に基づいて、ICカードとの通信処理を制御する。
送信制御部12は、上記送信制御部52と同じであってよく、変調部15、キャリア発振器16、増幅部17を備える。変調部15は、ICカードへのデータ送信時には、制御部11からの送信データを、キャリア発振器16からの搬送波(その周波数は例えば13.56MHz)に基づいて変調する。この変調信号を次段の増幅部17で増幅して所定の送信出力とする処理を行い、アンテナ部に供給する。また、ICカードからのデータ受信時には、上記データ変調は行わずに、上記搬送波をアンテナ部に供給する。
上記の通り、アンテナ部は、図示のコンデンサC1,C2,及びループアンテナ14より成る。アンテナ部は、送受信兼用であり、送信制御部12と受信制御部13が接続されている。ループアンテナ14は、配線もしくは基板の銅箔パターンで渦巻き状に複数回巻いた形態とする。アンテナ部は、搬送波周波数に同調させる調整を行なっており、ループアンテナ14の自己インダクタンスL、およびコンデンサC1の容量(ここでは容量C1とする)により、その同調周波数(共振周波数)foは、以下の(1)式で定義される。
アンテナ部は、送信制御部12からの出力を、ICカード側に無線送信する。
このような構成のリーダライタ装置10と近接した不図示のICカードは、リーダライタ装置10から無線送信される13.56MHzの搬送波を検出して、リーダライタ装置10と無線通信を行う。すなわち、上記リーダライタ装置10からの上記変調信号を受信する。あるいは上記リーダライタ装置10からの搬送波を負荷変調して、ICカードからリーダライタ装置10へデータ送信する。
リーダライタ装置10の受信制御部13は、複数の検波部18,19、減算制御部20、増幅部21、及び復調部22を備える。増幅部21及び復調部22は、上記従来の増幅部59及び復調部60と同じであってよい。
また、複数の検波部18,19も、それぞれ、その機能自体は、上記従来の複数の検波部58と同じであってよい。すなわち、各検波部18,19は、リーダライタ装置10が送信する搬送波と、ICカードからの負荷変調信号とが合成された受信信号の包絡線を、ダイオード検波回路などで抽出する。
但し、上記の通り本構成では検波部は複数ある。本例では検波部18,19の2つ存在する。すなわち、本構成では検波部は、送信制御部12とアンテナ部との間に接続されたインダクタンス素子L1の両端の受信信号を検波するために2系統を備えている。つまり、インピーダンスの異なる複数点(ここでは2点)の信号をそれぞれ検波部18,19で検波する構成である。
ここでは、検波部18はインダクタンス素子L1の一端(送信制御部12側)に接続しており、図示の受信信号S1を入力し、図示の検波信号S1’を出力する。この検波信号S1’は上記受信信号S1の包絡線を抽出した信号(包絡線信号というものとする)である。同様に、検波部19はインダクタンス素子L1の他端(アンテナ部側)に接続しており、図示の受信信号S2を入力し、図示の検波信号S2’を出力する。この検波信号S2’も上記受信信号S2の包絡線信号である。
各検波部18,19の出力(受信信号の包絡線信号)は、減算制御部20に入力される。減算制御部20は、例えば図3に示す構成であり、後に図3を参照して説明する。減算制御部20の出力は、増幅部21に入力され、上記の通り従来の増幅部59及び復調部60と同様に、増幅部21及び復調部22によって増幅、復調が行われた結果として得られる受信データが制御部11に入力されることになる。
上記のようにインダクタンス素子L1を設けてその両端の受信信号を検波する構成とすることで、インピーダンスの異なる2点の受信信号(その検波信号)を得ることができ、ヌル点発生位置をずらすことが可能となり、かつ両端の受信信号の電圧レベルが一致しないようにすることが可能となる。そして、減算制御部20によってこれら2つの検波信号を減算処理する形で合成することで、ヌル点問題の発生を防止できる。詳しくは以下に説明する。
以下、本構成の特徴である上記複数の検波部18,19と減算制御部20について、図2、図3、図4を参照して詳しく説明する。
図2は、通信距離を変化させた時のインダクタンス素子の両端における受信信号の差電圧をプロットした図である。すなわち、上記各受信信号S1、S2それぞれの差電圧ΔV=Va−Vbを、リーダライタ装置10−ICカード間の距離を変えながら、プロットした図である。尚、Va、Vbについては、既に従来の図7〜図10で説明した通りであり、ここでは説明しない。
例えば図示のV1が、検波部18に入力される受信信号S1に係わる差電圧ΔV(=Va−Vb)である。図示のV2が検波部19に入力される受信信号S2に係わる差電圧ΔV(=Va−Vb)である。つまり、インダクタンス素子L1の送信制御部12側における受信信号S1の差電圧をV1、アンテナ側における受信信号S2の差電圧をV2として示す。
図示の例は一例であり、V1とV2はそれぞれヌル点が発生し得るが(図ではV2のヌル点がないが、遠距離で発生していると考えてよい)、相互にインピーダンスが異なることから、ヌル点の発生位置が異なっている。よって、図示の例では、S1は通信距離d1においてヌル点が発生するが(V1=0)、同通信距離d1においてS2は十分な差電圧V2を持った受信信号となる。尚、図には示されないが、S2のヌル点発生位置ではS1はヌル点発生していないはずである。このようにインピーダンス素子L1を介した2点の受信信号を検波することで、ヌル発生位置が異なる2種類の受信信号(その検波信号(包絡線信号))を得ることが可能となる。
減算制御部20は、上記2系統の検波部出力信号S1’、S2’を入力して、この2つの包絡線信号の電圧差を求める(減算処理を行う)形で、2つの検波部出力信号S1’、S2’を受信信号を合成する。
図3に減算制御部20の回路構成例を示す。
図示の例の減算制御部20は、オペアンプM1と抵抗素子R1〜R4で構成される。図示の通り、これは差動増幅回路(減算回路ともいう)であり、“2つの入力信号の電圧差をとって増幅する回路”である。よって、特に詳細には説明しないが、図示の通り、オペアンプM1の−端子(反転入力端子)には、検波部出力信号S1’が抵抗R1を介して入力されると共に、抵抗R2を介してオペアンプM1の出力Voutが帰還している(負帰還が掛けられている)。また、オペアンプM1の+端子には、検波部出力信号S2’が抵抗R3を介して入力され、また抵抗R4を介して接地されている。尚、図示の例は一例であり、この例に限らない(例えばS1’とS2’とが逆でもよい)。
上記構成の減算制御部20において、R1〜R4の各抵抗値の関係を
R2/R1=R4/R3
とすると(典型的な例では、R1=R3、R2=R4とする)、出力Voutは以下の(2)式で定義される。
Vout =(R2/R1)×(S2’−S1’) ・・・(2)式
((2)式におけるS2’、S1’は、それぞれ信号S2’、S1’の電圧値)
尚、図3に示す回路は一例であり、この例に限らない(上記減算処理を行う回路であればよく、増幅することは必ずしも必要ない)。
減算制御部20に入力する2つの検波信号S1’、S2’と、減算制御部20の出力信号Voutとの関係は、例えば一例としては、図4(a)や図4(b)に示すようになる。つまり、出力Voutは、2つの検波信号S1’とS2’との減算処理によりこれらの検波信号が合成された信号となる。
例えば、図4(a)は、上記図2の例の通信距離d1における波形例である。この場合、上記の通り、受信信号S1は例えば上記図9の下段に示す状態であり、よってその検波信号S1’は例えば図4(a)の図上上段に示すように、変化が殆ど無い信号となる(V1≒0)。一方、受信信号S2に関しては、通信距離d1ではヌル発生していないので、その検波信号S2’は例えば図4(a)の図上中段に示す信号波形となる。よって、Voutは、例えば図4(a)の図上下段に示す信号波形となる。すなわち、2つの検波信号S1’、S2’が減算処理されて合成された信号となり、ここでは図示の通り検波信号S2’と略同様の波形となる。すなわち、十分な差電圧を持った信号となる。従って、この出力信号Voutを増幅・2値化した受信データを得た制御部11は、何等問題なく正常に所定の受信処理を行うことができる。
尚、一応述べるならば、増幅部21は上記Vout信号を入力してこれを増幅処理し、これを次段の復調部22でA/D変換(2値化、もしくは多値化)する。復調部22の出力は、制御部11へ入力され、制御部11で復号化、データチェック処理を行なって、受信データフレームが正常の場合は、上位装置側に受信データとして送出する。
この様に、受信信号S1,S2の何れかにヌル点による影響(差電圧≒0)が発生する状況であっても、減算制御部20からの出力信号Voutは、実質的にヌル点による影響が除去されたものとなり、制御部11へ入力される受信データは何等問題のないものとなる。すなわち、実際にヌル点が発生しているか否かに係わらず受信データ処理を常に確実に行うことができる。
このように、本構成では、受信回路部を複数備える必要はなく、アンテナを複数有する必要もなく、あるいはヌル状態を検出した場合に他方の系統に切り替える制御等も行う必要なく、小規模な回路構成でヌル点による影響を除去して正常に受信が可能となる。
尚、図4(b)には、受信信号S1,S2のどちらもヌル点の影響を受けていない場合の例を示すが、この場合も当然図示の通り、減算制御部20からの出力信号Voutは何等問題の無いものとなり、正常に受信処理が可能となる。上記の通り減算制御部20は2つの入力信号の差を取って出力するので、基本的に、2つの検波信号S1’とS2’とが同じ波形とならない限り(差が無い状態とならない限り)、出力信号Voutは何等問題の無いものとなり、正常に受信が可能となる。そして、相互にインピーダンスが異なることから、2つの検波信号S1’とS2’とが同時に同じ波形となることは、基本的には考えられない。
検波部の出力は、ヌル点を境に負荷変調信号と位相が同じ場合と180°異なる場合があるが、2つの検波信号を減算処理して合成することで、上記の通り2つの検波信号が同位相・逆位相でも正常に受信することが可能となる。
以上説明したように、本例のリーダライタ装置10によれば、送信制御部12−アンテナ部間のインピーダンスの異なる複数点(ここでは2点)の受信信号を検波し、この複数の検波出力を合成する構成を、受信制御部13に設けたことにより、実質的にヌル点による影響を排除することができ、正常に受信が可能となる。すなわち、リーダライタとICカードとのヌル点問題を解消できる。
特に、インダクタンス素子L1を設けると共に、検波部を複数にして更に減算制御部(差動増幅回路等)を付加するという、小規模な回路構成で、ヌル点問題を実質的に解消できるようになる。これより、受信合成時の信号選択といった複雑な判定処理を不要とし、複数のアンテナも不要となることから共振周波数の調整も容易となる。
10 リーダライタ装置
11 制御部
12 送信制御部
13 受信制御部
14 ループアンテナ
15 変調部
16 キャリア発振器
17 増幅部
18,19 検波部
20 減算制御部
21 増幅部
22 復調部
C1,C2 コンデンサ
R1,R2,R3,R4 抵抗
M1 オペアンプ

Claims (4)

  1. 送受信兼用のアンテナ部と送信制御部と受信制御部とを有し、非接触型情報媒体からのデータ受信の際には、送信制御部から所定の搬送波を出力してアンテナ部から送信させると共に、前記受信制御部が、前記搬送波に対する前記非接触型情報媒体による負荷変調信号を前記アンテナ部で受信した受信信号を入力して、検波・復調する非接触型通信装置であって、
    前記受信制御部は、
    前記送信制御部−アンテナ部間における任意のインピーダンスの異なる複数点の受信信号をそれぞれ入力して検波する複数の検波手段と、
    該複数の検波部からの検波出力信号を入力して、該複数の検波出力信号を減算処理して合成する減算制御手段と、
    を有することを特徴とする非接触型通信装置。
  2. 前記送信制御部−アンテナ部間にインダクタンス素子を設け、
    前記各検波手段は、前記インダクタンス素子の両端の受信信号をそれぞれ入力して検波することを特徴とする請求項1記載の非接触型通信装置。
  3. 前記減算制御手段は、差動増幅回路であることを特徴とする請求項1または2記載の非接触型通信装置。
  4. 前記受信制御部は、更に、前記減算制御手段の合成出力を入力して増幅する1つの増幅手段と、該増幅手段の増幅出力を入力して2値化する1つの2値化手段とを有する請求項1記載の非接触型通信装置。
JP2009026300A 2009-02-06 2009-02-06 非接触型通信装置 Expired - Fee Related JP5272769B2 (ja)

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