JP5272802B2 - 非接触型通信装置 - Google Patents
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Description
図9に示す例では、リーダライタ100は、送信部110、受信部120、制御部101、アンテナ102を備えている。また、非接触ICカード200は、アンテナ201、電源部202、受信部203、送信部204を備えている。
送信部110において、キャリア発振器112は所定の周波数(例えば13.56MHz等)の搬送波(キャリア)を生成し、変調回路111にてこの搬送波を制御部101から送られる送信データにより振幅変調する。制御部101が送信データを出力しない時には(例えばICカードからのデータ受信時には)、搬送波が(変調されることなく)変調回路111から出力される。
図10、図11は、上記リーダライタ100におけるデータ受信に係わる構成を示す図である。すなわち、送信部110の増幅回路113の等価回路と復調回路の具体的構成例(その1、その2)を示す図である。尚、受信信号処理に関しては、増幅回路113等もインピーダンス等の点で影響を与えることから、増幅回路113と復調回路とで復調装置と呼ぶものとする。この場合、図10、図11は、復調装置の構成例を示す図であるとも言える。あるいは、増幅回路113とアンテナ102と復調回路とで復調装置と呼ぶものとしてもよい。
ところで、従来のリーダライタにおいては、非接触ICカードの駆動電力が不足する距離(最大通信距離)より短い距離であっても通信が不能となるポイント(ヌルポイント)が発生する場合があった。これについて、図13を参照して説明する。
図13(a)には、通信距離(リーダライタのアンテナ−非接触ICカード間の距離)と通信成功率の関係を示す。
また、本発明の第3の非接触型通信装置は、ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源を有する増幅回路を有する送信部と、該増幅回路の前記各電圧源からの2系統の出力が両端にそれぞれ入力されるアンテナと、該アンテナによる受信信号を入力して復調する受信部とを有する非接触型通信装置であって、前記増幅回路は、前記電圧源それぞれに対応する内部インピーダンスの値は略同一であり、前記アンテナにおいて、該アンテナを構成するループの所定の箇所を接地することで対地インピーダンスが異なる2つのループを形成し、前記受信部を2つ設け、該各受信部はそれぞれ前記アンテナの両端の何れか一方に接続され、それぞれが前記アンテナによる受信信号を入力して復調する。
尚、リーダライタの基本構成自体は、図9に示すものと略同様であり、特に図示しないが、制御部、送信部、受信部、及びアンテナを有するものであり、送信部はキャリア発生器、変調回路、及び増幅回路(以下に説明する増幅回路4〜8等)を有するものである。
また、復調回路としては、図示の2つの受信部1,2を設けた構成とし、アンテナ3の両端の何れか一方に受信部1が、他方に受信部2が接続されており、アンテナ3による受信信号(ICカードからの応答信号)が受信部1,2に入力されて復調されることになる。ここで、上記増幅回路4の構成により、受信部1、2にはインピーダンスの異なる2点の受信信号(不平衡電圧)が入力されることになり、これによって上記図11の従来技術と略同様に(そして図2で説明するように)、ヌル点問題を解消できることになる。
図2(a)には通信距離と通信成功率の関係、図2(b)には通信距離と復調電圧との関係を示す。復調電圧Vdは図1に示す通り、各受信部1,2の増幅回路12の出力電圧である。上述してある通り、ヌルポイントではこの復調電圧Vdがほぼ0になっている。
以下、他の実施例について説明する。尚、以下に説明する他の実施例においても、上記図2に示すものと同等の通信特性が得られる(つまり、図1の構成と略同様の効果が得られる)。
尚、図3〜図7においては、受信部1、受信部2の内部構成は(図1に示す通りであるので)特に示さない。
図3は、実施例2における上記リーダライタにおける送信部の増幅回路の等価回路と、復調回路に係わる構成を示す図である。つまり、図3は実施例2の復調装置の構成例である。
図4に示す構成が、図1の構成と異なる点は、2つの受信部の一方(ここでは受信部1)に対してトランス20を設けている点である。これは上記従来の図10に示す例でトランス130を設けているのと同じことであり、特に詳細には説明しないが、アンテナ3の両端の電圧の差分(線間電圧)を、受信部1に入力させるものである。このように2つの受信部への入力を、一方を線間電圧(差分)、他方を対アース電圧とする構成としても、送信部の増幅回路が実施例1と同じであることから、実施例1と同様の効果が得られる。これについて図5を参照して説明する。
図5(a)には通信距離と通信成功率の関係、図5(b)には通信距離と復調電圧との関係を示す。復調電圧Vdは、図4の構成における受信部2の増幅回路12の出力電圧(受信2)と、受信部1の増幅回路12の出力電圧(差分)とを示している。図4の構成の場合、受信部1には、アンテナ3の両端の電圧の差分(線間電圧)が入力するので「差分」として示している。
図4の構成の場合、図5(b)に示す「受信2」と「差分」を参照すれば明らかなように、両方ともヌル点発生箇所は存在するが、両方ともヌル点となる位置は存在しないので、上記図2で説明した通り、2つの受信部1,2の出力を、例えばスイッチなどで選択することで、通信距離の低下を招くことなくヌルポイントのないリーダライタを得ることができる(図5(a)に示す通り、通信成功率は常にほぼ100%であり、最大通信距離が短くなることもない)。
図6に示す構成が、図3の構成と異なる点は、上記実施例3と同じく、2つの受信部の一方(ここでは受信部1)に対してトランス20を設けている点である。これは上記従来の図10に示す例でトランス130を設けているのと同じことであり、特に説明しない。実施例4では、増幅回路が実施例2と同じであることから、実施例2と同様に実施例1と同様の効果が得られる。
図8に示す一例では、アンテナ30は簡単の為に2ターンのループアンテナ(ループLaとループLb)であるものとし、例えばプリント板上にパターン形成された当該2ターンのループアンテナにおいて、図示のようにループLaとループLbとの間の地点をアース点とする。これは、例えば、ループLaの面積がループLbに比べて大きくなるように設定する。このようにすると、図示のようにループLaの面積がループLbに比べて大きくなることから、ループLaに比べループLbのインダクタンスが大きくなるため、アンテナ30の対地インピーダンスを異なる値とすることができる。勿論、逆にしてもよい(ループLbの面積がループLaに比べて大きくなるようにしてもよい)。
以上説明したように、上記実施例1〜5の何れの場合でも、少ない回路構成で(比較的簡単な構成で)ヌル点による通信不能状態が発生しないリーダライタを提供することができる。
2 受信部
3 アンテナ
4 増幅回路
11 検波回路
12 増幅回路
13 二値化回路
Z、Z1、Z2 電圧源の内部インピーダンス
Z1a、Z1b 対地インピーダンス
Claims (4)
- ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源を有する増幅回路を有する送信部と、該増幅回路の前記電圧源からの2系統の出力が両端にそれぞれ入力されるアンテナと、該アンテナによる受信信号を入力して復調する受信部とを有する非接触型通信装置であって、
前記増幅回路は、前記電圧源それぞれに対応する内部インピーダンスの値が相互に異なり、前記内部インピーダンスの直列合成インピーダンスがアンテナ入力インピーダンスと略整合し、
前記受信部を2つ設け、前記受信部はそれぞれ前記アンテナの両端の何れか一方に接続され、前記受信部それぞれが前記アンテナによる受信信号を入力して復調することを特徴とする非接触型通信装置。 - ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源を有する増幅回路を有する送信部と、該増幅回路の前記電圧源からの2系統の出力が両端にそれぞれ入力されるアンテナと、該アンテナによる受信信号を入力して復調する受信部とを有する非接触型通信装置であって、
前記増幅回路は、前記電圧源それぞれに対応する内部インピーダンスの値は略同一で、それぞれに対応する対地インピーダンスが相互に異なり、前記内部インピーダンスの直列合成インピーダンスがアンテナ入力インピーダンスと略整合し、
前記受信部を2つ設け、前記受信部はそれぞれ前記アンテナの両端の何れか一方に接続され、前記受信部それぞれが前記アンテナによる受信信号を入力して復調することを特徴とする非接触型通信装置。 - 前記2つの受信部の何れか一方には、前記アンテナの両端の受信信号の差分が入力されることを特徴とする請求項1又は2記載の非接触型通信装置。
- ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源を有する増幅回路を有する送信部と、該増幅回路の前記電圧源からの2系統の出力が両端にそれぞれ入力されるアンテナと、該アンテナによる受信信号を入力して復調する受信部とを有する非接触型通信装置であって、
前記増幅回路は、前記電圧源それぞれに対応する内部インピーダンスの値は略同一であり、前記内部インピーダンスの直列合成インピーダンスがアンテナ入力インピーダンスと略整合し、
前記アンテナにおいて、該アンテナを構成するループの所定の箇所を接地することで対地インピーダンスが異なる2つのループを形成し、
前記受信部を2つ設け、前記受信部はそれぞれ前記アンテナの両端の何れか一方に接続され、前記受信部それぞれが前記アンテナによる受信信号を入力して復調することを特徴とする非接触型通信装置。
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