JP5272802B2 - 非接触型通信装置 - Google Patents

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本発明は、非接触型ICカード等の非接触型情報媒体と無線通信を行ってデータの送受信を行う非接触型通信装置に関する。
現在、メモリ及び近接通信機能等をICとして搭載したICカードを利用した各種サービスが実用化されてきている。この種のICカード(非接触ICカード)は、カード形状以外にもタグ形状(ICタグ)や腕時計型等も知られており、また携帯電話などにICカード機能が搭載されている場合もある。
非接触ICカードを実際に利用する場合には、カード内のメモリの書き込みや読み出しを行うために専用のリーダライタを使用して、非接触ICカードをリーダライタにかざすことにより、非接触ICカードのアンテナとリーダライタのアンテナとの間で電磁誘導により通信を行う。
ここで、図9に、非接触ICカードとそのリーダライタの一般的な構成例を示す。
図9に示す例では、リーダライタ100は、送信部110、受信部120、制御部101、アンテナ102を備えている。また、非接触ICカード200は、アンテナ201、電源部202、受信部203、送信部204を備えている。
リーダライタ100において、まず、制御部101は、非接触ICカード200との通信制御を行うCPU等であり、非接触ICカード200に対するコマンド/データ等のデータ送信処理や、非接触ICカード200からの受信データをメモリへ格納する処理等の様々な処理を実行する。このデータ送信やデータ受信は、送信部110や受信部120を介して行われる。
送信部110は、変調回路111、キャリア発振器112、増幅回路113を有する。受信部120は、検波回路121、増幅回路122、二値化回路123を有する。
送信部110において、キャリア発振器112は所定の周波数(例えば13.56MHz等)の搬送波(キャリア)を生成し、変調回路111にてこの搬送波を制御部101から送られる送信データにより振幅変調する。制御部101が送信データを出力しない時には(例えばICカードからのデータ受信時には)、搬送波が(変調されることなく)変調回路111から出力される。
増幅回路113が、変調回路111が出力する信号(上記キャリア又は振幅変調波)を規定の送信電力まで増幅し、これをアンテナ102に供給することで、アンテナ102(一般的に用いられるループアンテナ等)から磁界エネルギーとして放出される。
非接触ICカード200がこのアンテナ102の近傍に存在する場合には、非接触ICカード200は電磁誘導によりリーダライタ100からの信号(キャリア又は変調波)をアンテナ201により受信し、この受信波を電源部202にて整流することにより、それ自身の内部回路(受信部203、送信部204等)が動作するために必要な直流電圧を取り出すことで、動作を開始することができる。
また、上記受信波は、受信部203にも入力され、受信波が上記振幅変調波である場合には受信部203は上記リーダライタ100からの送信データを受け取ることになる。また、非接触ICカード200は、受信した送信データに対する応答データを送出する場合には、上記リーダライタ100が上記キャリアを送信しこれをアンテナ201により受信している状態で、送信部204が応答データに応じた負荷変調を行うことで、応答データをリーダライタ100に伝える。
リーダライタ100は、非接触ICカード200が負荷変調により返信する応答信号(振幅変調波)をアンテナ102で受信する。アンテナ102で受信した振幅変調波(受信信号)は、ダイオードブリッジ等で構成される検波回路121に入力される。検波回路121は振幅変調波を検波・復調して(受信信号の包絡線の検出)非接触ICカード200が送出した応答信号を生成し、この信号が増幅回路122、二値化回路123によって増幅、二値化されて受信データ(ディジタル信号)として制御部101に入力される。
このようにして、リーダライタ100と非接触ICカード200との間で通信を行い、任意のデータの送受信を行う。
図10、図11は、上記リーダライタ100におけるデータ受信に係わる構成を示す図である。すなわち、送信部110の増幅回路113の等価回路と復調回路の具体的構成例(その1、その2)を示す図である。尚、受信信号処理に関しては、増幅回路113等もインピーダンス等の点で影響を与えることから、増幅回路113と復調回路とで復調装置と呼ぶものとする。この場合、図10、図11は、復調装置の構成例を示す図であるとも言える。あるいは、増幅回路113とアンテナ102と復調回路とで復調装置と呼ぶものとしてもよい。
従来のリーダライタ100の送信部110の増幅回路113は、等価回路で表現すると、図10や図11に示す通り、相互にほぼ180°位相の異なる交流電圧を出力する2つの電圧源V1、V2と、それぞれの電圧源の内部インピーダンスZで表現される平衡回路を構成しており(2つの電圧源の内部インピーダンスは同一(=Z))、かつ、2Z≒Za(Zaはアンテナ入力インピーダンス)となるように、すなわちアンテナインピーダンスと整合するように設計される。
また、復調回路は、図10に示す構成例(その1)では、アンテナ102の両端の信号をトランス130に入力して、このトランス130の出力側に上記受信部120を接続した構成となっている。つまり、アンテナ端子間電圧(線間電圧)を、トランス130等を用いて電圧変換してから、上記受信部120によって復調する構成としている。尚、この例は、アンテナ102の両端の電圧の差分(線間電圧)を、受信部120に入力させる例であり、トランス130を用いるのは一例に過ぎない。尚、この構成例では、ヌル点問題は解消されない(後に図5で説明する通り、差分信号でもヌル点は発生する)。
また、図11に示す構成例(その2)では、復調回路は、上記受信部120を2つ設けた構成とし、電圧源V1の系統上でアンテナ102との間に、検出用インピーダンスZcを挿入して、この検出用インピーダンスZcの両端の各受信信号(対アース電圧)を、それぞれ各受信部120に入力して復調させる構成となっている。すなわち、不平衡電圧を各受信部120に入力させて復調する構成となっている。検出用インピーダンスZcは、例えばコイル、コンデンサ等のリアクタンス素子であり、インピーダンスの異なる2点の受信信号(ICカードからの応答信号)を、各受信部120に入力して検波・復調させることができる。
このように、この構成例では、受信部120を2つ設け、インピーダンスの異なる2点の各受信信号(不平衡電圧)を2つの受信部120に入力させる構成とすることで、ヌル点問題を解消することが可能となる。すなわち、2つの受信信号は、ヌル点の発生位置が異なることになり、ある位置において一方にヌル点が発生しても、他方はヌル点が発生しないことになる。よって、一方の受信部120で正常に検波・復調できない場合でも、他方の受信部120では正常に検波・復調できるので、正常な方を選択する等してヌル点問題を解消できる。
尚、ここで、図12に、上記図10等で等価回路で示した増幅回路113の具体的回路例を示しておく。この例では、プッシュプル増幅回路を示す。勿論、これは一例であり、上記等価回路に対応する回路であれば何でもよい。
図12に示す一例では、増幅回路113には、2つの搬送波信号源V1’、V2’からの出力が入力される。図示の増幅回路113は、直流電圧源E、2つのトランジスタTr1、Tr2、2つの抵抗R1,R2、トランス130を有する。また、トランス130におけるアンテナ102側のコイルの両端に、それぞれ抵抗R3、抵抗R4を設けて、抵抗R3、抵抗R4を介して接地させてもよい。
上記2つの搬送波信号源V1’、V2’は、上記変調回路111からの出力であるが、受信時には変調されないので実質的にはキャリア発振器112からの出力(搬送波)と考えてよい。また、これら2つの搬送波信号源V1’、V2’の出力が入力された(更に直流電圧源Eからの電圧が印加された)2つのトランジスタTr1、Tr2等が、上記2つの電圧源V1,V2に相当する。また、上記抵抗R1,R2が上記図10等における内部インピーダンスZに相当する(よって、この場合はR1=R2)。また、図10等には示していないが、上記抵抗R3、抵抗R4を設ける場合には、これらが後述する図1等における対地インピーダンスに相当することになる。
トランジスタTr1、Tr2は、例えばエミッタ接地NPNトランジスタであり、それぞれ図示の通りエミッタ側は抵抗R1,R2を介して接地されている。また、それぞれ、コレクタには直流電圧源Eからの直流電圧が印加され、またコレクタにはトランス130が接続されており、またベースには搬送波信号源V1’、V2’からの交流信号が入力され、この交流信号が増幅されてトランス130へ出力される。搬送波信号源V1’の交流信号と搬送波信号源V2’の交流信号とは相互に位相が180°異なるものとなっている。
上記各トランジスタTr1、Tr2からのコレクタ出力は、トランス130により電圧変換されて、アンテナ102へ供給されることになる。
ところで、従来のリーダライタにおいては、非接触ICカードの駆動電力が不足する距離(最大通信距離)より短い距離であっても通信が不能となるポイント(ヌルポイント)が発生する場合があった。これについて、図13を参照して説明する。
図13(a)は距離と通信成功率の関係、図13(b)は距離と復調電圧の関係を示す図である。
図13(a)には、通信距離(リーダライタのアンテナ−非接触ICカード間の距離)と通信成功率の関係を示す。
図示の例では、図示のQ点が最大通信距離の地点であり、これよりも距離が短い場合には基本的に通信可能なはずであり、図示の通り距離ゼロ点からQ点までの間は殆どの地点で通信成功率がほぼ100%となっている。しかしながら、図示のP点とその近辺においては、Q点よりも通信距離が短いにも係わらず、通信成功率が著しく低下する。つまり、P点では非接触ICカードの駆動電力が十分にあるにも係わらず、通信成功率が著しく低下する。このP点が上記ヌルポイントに相当する。
この問題は、図13(b)に示す通り、P点において復調電圧Vdがゼロとなってしまうことにより発生する。復調電圧Vdは図9に示したように増幅回路122の出力電圧である。つまり、復調電圧Vdは、非接触ICカードからの応答信号の振幅変化を検出して増幅した信号の電圧(振幅大の部分と振幅小の部分との電位差)である。この復調電圧Vdがゼロの状態、すなわち応答信号に振幅変化が無い状態では、応答信号のデータの‘1’と‘0’の区別が付かず、正常にデータ受信が出来ないものとなる。
この問題(ヌル点問題)に対して、非接触ICカードからの返信信号の振幅成分と位相成分を検出し、それらを選択して復調する方法(特許文献1参照)があるが、振幅復調に比べ位相復調は回路が複雑のため、復調回路全体の回路規模が大きくなるという問題がある。
特開2005−318385号公報
本発明の課題は、比較的簡単な構成でヌル点問題を解消することができる非接触型通信装置等を提供することにある。
本発明の第1の非接触型通信装置は、ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源を有する増幅回路を有する送信部と、該増幅回路の前記各電圧源からの2系統の出力が両端にそれぞれ入力されるアンテナと、該アンテナによる受信信号を入力して復調する受信部とを有する非接触型通信装置であって、前記増幅回路は、前記電圧源それぞれに対応する内部インピーダンスの値が相互に異なり、前記受信部を2つ設け、該各受信部はそれぞれ前記アンテナの両端の何れか一方に接続され、それぞれが前記アンテナによる受信信号を入力して復調する。
また、本発明の第2の非接触型通信装置は、ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源を有する増幅回路を有する送信部と、該増幅回路の前記各電圧源からの2系統の出力が両端にそれぞれ入力されるアンテナと、該アンテナによる受信信号を入力して復調する受信部とを有する非接触型通信装置であって、前記増幅回路は、前記電圧源それぞれに対応する内部インピーダンスの値は略同一で、それぞれに対応する対地インピーダンスが相互に異なり、前記受信部を2つ設け、該各受信部はそれぞれ前記アンテナの両端の何れか一方に接続され、それぞれが前記アンテナによる受信信号を入力して復調する。
上記第1、第2の非接触型通信装置において、例えば、前記2つの受信部の何れか一方には、前記アンテナの両端の受信信号の差分が入力されるようにしてもよい。
また、本発明の第3の非接触型通信装置は、ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源を有する増幅回路を有する送信部と、該増幅回路の前記各電圧源からの2系統の出力が両端にそれぞれ入力されるアンテナと、該アンテナによる受信信号を入力して復調する受信部とを有する非接触型通信装置であって、前記増幅回路は、前記電圧源それぞれに対応する内部インピーダンスの値は略同一であり、前記アンテナにおいて、該アンテナを構成するループの所定の箇所を接地することで対地インピーダンスが異なる2つのループを形成し、前記受信部を2つ設け、該各受信部はそれぞれ前記アンテナの両端の何れか一方に接続され、それぞれが前記アンテナによる受信信号を入力して復調する。
上記第1、第2、第3の非接触型通信装置は、何れも、受信部を2つ設けると共に、この2つの受信部に入力される、アンテナによる受信信号が、不平衡電圧となるように構成している。これによって、2つの受信部それぞれに関してヌル点発生しても、ヌル点発生位置は異なることから、ヌル点問題を解消できる。
本発明の非接触型通信装置等によれば、比較的簡単な構成でヌル点問題を解消することができる。
実施例1のリーダライタの復調回路に係わる構成例を示す図である。 (a)、(b)は、図1の構成に対応する通信特性例等を示す図である。 実施例2のリーダライタの復調回路に係わる構成例を示す図である。 実施例3のリーダライタの復調回路に係わる構成例を示す図である。 (a)、(b)は、図4の構成に対応する通信特性例等を示す図である。 実施例4のリーダライタの復調回路に係わる構成例を示す図である。 実施例5のリーダライタの復調回路に係わる構成例を示す図である。 実施例5におけるアンテナの構成例である。 非接触ICカードとそのリーダライタの一般的な構成例を示す図である。 リーダライタの復調回路に係わる従来の構成例(その1)を示す図である。 リーダライタの復調回路に係わる従来の構成例(その2)を示す図である。 増幅回路の具体的回路例である。 (a)は距離と通信成功率の関係、(b)は距離と復調電圧の関係を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
尚、リーダライタの基本構成自体は、図9に示すものと略同様であり、特に図示しないが、制御部、送信部、受信部、及びアンテナを有するものであり、送信部はキャリア発生器、変調回路、及び増幅回路(以下に説明する増幅回路4〜8等)を有するものである。
尚、リーダライタの通信相手は、非接触ICカードのようなカード型の形態に限らず、例えばICカード機能内蔵の携帯電話やタグ型(ICタグ)あるいは腕時計型の形態等であってもよく、これらを総称して非接触型情報媒体と呼ぶものとする。また、これより、リーダライタも、非接触ICカード・リーダライタに限らないものであり、総称して非接触型通信装置と呼ぶものとする。
図1は、上記リーダライタにおける送信部の増幅回路の等価回路、及び復調回路の構成を示す図である。図10、図11で説明したことから図1に関しても同様にして、図1は復調装置に係わる構成を示す図であるとも言える。これは、後に説明する図3〜図7に関しても同様である。尚、図1は実施例1の復調装置の構成を示す図である。
図1に示す例では、送信部の増幅回路4は、等価回路としては、ほぼ180°位相の異なる電圧源V1、V2と、それぞれの電圧源の内部インピーダンスはZ1、Z2で表されており、且つZ1≠Z2、となるように設計されている。また、それぞれの対地インピーダンスは同じ値(Z1a)となるように設計(例えば、レイアウトパターンを対称とするなど)されている。このように、従来では対称に構成していた回路を、本例では非対象構成とする。つまり、従来との違いは、従来では2つの電圧源の内部インピーダンスは同一(=Z)であったのに対して、図1の例では上記の通り異なるようになっている(Z1≠Z2)点である。ただし、Z1+Z2≒Za(Za;アンテナ入力インピーダンス)となるように、すなわちアンテナインピーダンスと整合するように設計される。
尚、増幅回路4の具体的回路構成例は、例えば上記図12に示した例があるが、この例に限るものではなく、図1に示す等価回路に相当する回路構成であれば何でもよい。
また、復調回路としては、図示の2つの受信部1,2を設けた構成とし、アンテナ3の両端の何れか一方に受信部1が、他方に受信部2が接続されており、アンテナ3による受信信号(ICカードからの応答信号)が受信部1,2に入力されて復調されることになる。ここで、上記増幅回路4の構成により、受信部1、2にはインピーダンスの異なる2点の受信信号(不平衡電圧)が入力されることになり、これによって上記図11の従来技術と略同様に(そして図2で説明するように)、ヌル点問題を解消できることになる。
各受信部1,2は、同じ構成であってよく同一符号を付してあり、それぞれ検波回路11、増幅回路12、二値化回路13を有する構成である。各受信部1,2の構成自体は、上記従来の受信部120と略同様であってよく、ここでは特に説明しないが、検波回路11は上記検波回路121に相当し、増幅回路12は上記増幅回路122に相当し、二値化回路13は上記二値化回路123に相当する。
尚、上記増幅回路4の具体的回路構成が例えば上記図12に示す構成であった場合には、図12における抵抗R1と抵抗R2の抵抗値を相互に異なる値とすることで、上記電圧源の内部インピーダンスを相互に異なるもの(Z1≠Z2)とすることができる。また、図12における抵抗R3、抵抗R4を設けると共にこれらの抵抗値を同一とすることで、上記対地インピーダンスを同じ値(Z1a)とすることができる。
また、尚、後述する図3の構成では、上記図1の場合と逆になる。すなわち、図12における抵抗R1と抵抗R2の抵抗値を同一とすることで、上記電圧源の内部インピーダンスを同一(Z)とすることができる。また、図12における抵抗R3、抵抗R4の抵抗値を相互に異なる値とすることで、上記対地インピーダンスを相互に異なるもの(Z1a≠Z1b)とすることができる。
図1のような構成にした場合の通信特性例を図2に示す。
図2(a)には通信距離と通信成功率の関係、図2(b)には通信距離と復調電圧との関係を示す。復調電圧Vdは図1に示す通り、各受信部1,2の増幅回路12の出力電圧である。上述してある通り、ヌルポイントではこの復調電圧Vdがほぼ0になっている。
図2(b)に示すように、受信部1の復調電圧VdはP点においてゼロとなっているが、受信部2の復調電圧VdはP点においてゼロとはならない。また、受信部2の復調電圧Vdがゼロになる位置では、受信部1の復調電圧Vdはゼロになっていない。尚、この例では、受信部2の復調電圧Vdに関してはヌル点発生していない。受信部2の復調電圧Vdがゼロになる位置は、受信部2による最大通信距離を意味している。図示の通り、受信部1の方が最大通信距離は長い。つまり、この例では、受信部2の出力のみを用いる場合、通信距離の低下を招くことになる。
図1の構成では、例えば上記図2(b)のような通信特性が得られるので、不図示の制御部(上記制御部101に相当)は、2つの受信部1,2の出力を例えばスイッチなどで選択することで、正常な受信データ(正常な復調電圧Vdに基づく2値化データ)を取得することができ、ヌル点問題を解消できる。また、上記の例では比較的遠距離では受信部1の出力を選択すれば、通信距離の低下を招くことはない。このように、図1の構成によれば、簡単な構成で通信距離の低下を招くことなくヌルポイント発生のないリーダライタを実現することができる。
図1に示す構成(実施例1)は、一例であり、この例に限るものではない。
以下、他の実施例について説明する。尚、以下に説明する他の実施例においても、上記図2に示すものと同等の通信特性が得られる(つまり、図1の構成と略同様の効果が得られる)。
ここで、上記実施例1も以下に説明する他の各実施例も、2つの受信部を備え、この各受信部にアンテナ受信の不平衡電圧を入力させることでヌル点問題を解消する点は、図11に示す従来例と略同様である。しかし、図11の例では、検出用インピーダンスZcを新たに設ける必要があった。これに対して、本例では、例えば上記図1や以下に説明する図3の構成では、増幅回路4に係わるインピーダンス(電圧源の内部インピーダンス、または対地インピーダンス)を調整するだけで済むので、簡単な構成でヌル点問題を解消できる。
図3には実施例2、図4には実施例3、図6には実施例4、図7には実施例5の構成例を示す。
尚、図3〜図7においては、受信部1、受信部2の内部構成は(図1に示す通りであるので)特に示さない。
まず、図3を参照して実施例2について説明する。
図3は、実施例2における上記リーダライタにおける送信部の増幅回路の等価回路と、復調回路に係わる構成を示す図である。つまり、図3は実施例2の復調装置の構成例である。
図3に示す実施例2においては、送信部の増幅回路5は、等価回路で表現すると、ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源V1、V2と、それぞれの電圧源の内部インピーダンスZで表現される平衡回路を構成しており、かつ、2Z≒Za(Zaはアンテナ入力インピーダンス)となるように、すなわちアンテナインピーダンスと整合するように設計される。つまり、図1に示す実施例1とは異なり(そして従来の図11等と同様に)、2つの内部インピーダンスが同じ(Z)となるように設計されている。
その一方で、それぞれの電圧源V1、V2の対地インピーダンスは異なるように設定する。すなわち、図示のように、電圧源V1については対地インピーダンスZ1a、電圧源V2については対地インピーダンスZ1bとし、Z1a≠Z1bとなるように設計する。これにより、図1と実施例1と同様の効果が得られる。
すなわち、本実施例2の構成においても、アンテナ3両端の各受信信号(不平衡電圧)を各受信部1,2で入力して復調するので、例えば図2(b)に示すような通信特性が得られるようになる。よって、実施例1で説明した通り、2つの受信部1,2の出力を、例えばスイッチなどで選択することで、ヌル点問題を解消できる。また、通信距離の低下を招くことはない。
図4は、実施例3における上記リーダライタにおける送信部の増幅回路の等価回路と、復調回路に係わる構成を示す図である。つまり、図4は実施例3の復調装置の構成例である。
図4に示す増幅回路6は図1の増幅回路4と同じ構成である。
図4に示す構成が、図1の構成と異なる点は、2つの受信部の一方(ここでは受信部1)に対してトランス20を設けている点である。これは上記従来の図10に示す例でトランス130を設けているのと同じことであり、特に詳細には説明しないが、アンテナ3の両端の電圧の差分(線間電圧)を、受信部1に入力させるものである。このように2つの受信部への入力を、一方を線間電圧(差分)、他方を対アース電圧とする構成としても、送信部の増幅回路が実施例1と同じであることから、実施例1と同様の効果が得られる。これについて図5を参照して説明する。
図4のような構成にした場合の通信特性例を図5に示す。
図5(a)には通信距離と通信成功率の関係、図5(b)には通信距離と復調電圧との関係を示す。復調電圧Vdは、図4の構成における受信部2の増幅回路12の出力電圧(受信2)と、受信部1の増幅回路12の出力電圧(差分)とを示している。図4の構成の場合、受信部1には、アンテナ3の両端の電圧の差分(線間電圧)が入力するので「差分」として示している。
また、図4の構成は、受信部1ではなく、受信部2に対してトランス20を設けた構成としてもよいことから(この場合、受信部1に関しては図1と同様に、アンテナ3の一端の対アース電圧が入力される)、この様な構成(変形例)の場合における受信部1の増幅回路12の出力電圧(受信1)も一緒に示してある。
尚、図5(b)を見れば、図示の「差分」が、図示の「受信1」と「受信2」との差であることが分かる。
図4の構成の場合、図5(b)に示す「受信2」と「差分」を参照すれば明らかなように、両方ともヌル点発生箇所は存在するが、両方ともヌル点となる位置は存在しないので、上記図2で説明した通り、2つの受信部1,2の出力を、例えばスイッチなどで選択することで、通信距離の低下を招くことなくヌルポイントのないリーダライタを得ることができる(図5(a)に示す通り、通信成功率は常にほぼ100%であり、最大通信距離が短くなることもない)。
また、上記変形例の場合も同様に、図5(b)に示す「受信1」と「差分」を参照すれば明らかなように、両方ともヌル点発生箇所は存在するが、両方ともヌル点となる位置は存在しないので、上記と同様、ヌル点問題解消等の効果が得られる。
尚、以下に説明する図6の構成の場合も、上記図5に示した通信特性と略同様の通信特性が得られる。図6の構成も、図4の構成と同様に、受信部1に対してはアンテナ3の両端の差動電圧(差分)、受信部2に対してはアンテナ3の一端の電圧(対地電圧)が入力されるものである。
図6は、実施例4における上記リーダライタにおける送信部の増幅回路の等価回路と、受信部とアンテナに係わる構成を示す図である。つまり、実施例4の復調装置の構成図である。
図6に示す増幅回路7は図3の増幅回路5と同じ構成である。
図6に示す構成が、図3の構成と異なる点は、上記実施例3と同じく、2つの受信部の一方(ここでは受信部1)に対してトランス20を設けている点である。これは上記従来の図10に示す例でトランス130を設けているのと同じことであり、特に説明しない。実施例4では、増幅回路が実施例2と同じであることから、実施例2と同様に実施例1と同様の効果が得られる。
図7は、実施例5における上記リーダライタにおける送信部の増幅回路の等価回路と、受信部とアンテナに係わる構成を示す図である。また、図8には、図7に示すアンテナ30の構成例を示す。
まず、図7に示す増幅回路8は、図10、図11に示す従来の増幅回路113と同じであってよい。また、受信部に関しては、図1、図3と同様、アンテナ30の両端のそれぞれに受信部1、受信部2を接続している。
図7の構成が上記他の実施例の構成と異なる点は、増幅回路自体は、ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源V1、V2それぞれの内部インピーダンスおよび対地インピーダンスはバランス(平衡)した構成であるが、アンテナ30はバランスしない構成とした点にある。すなわち、ループアンテナであるアンテナ30のループの所定の箇所を、送信部のアース点(各電圧源V1、V2のアース点)と同一電位となるように接地した構成とする。
このように、実施例1〜4では増幅回路によって2つの受信部への入力を不平衡電圧にしていたのに対して、実施例5ではアンテナ30によって2つの受信部への入力を不平衡電圧にしている点が異なるものであり、この点以外は実施例等と略同様であり、よって実施例1等と同様の効果が得られる。すなわち、その特性は例えば図2(b)に示すものと略同様となり、相互にヌル点の位置が異なる受信部1,2の出力を選択することで、ヌル点問題を解消できる。
実施例5におけるアンテナ30の構成の一例を図8に示す。
図8に示す一例では、アンテナ30は簡単の為に2ターンのループアンテナ(ループLaとループLb)であるものとし、例えばプリント板上にパターン形成された当該2ターンのループアンテナにおいて、図示のようにループLaとループLbとの間の地点をアース点とする。これは、例えば、ループLaの面積がループLbに比べて大きくなるように設定する。このようにすると、図示のようにループLaの面積がループLbに比べて大きくなることから、ループLaに比べループLbのインダクタンスが大きくなるため、アンテナ30の対地インピーダンスを異なる値とすることができる。勿論、逆にしてもよい(ループLbの面積がループLaに比べて大きくなるようにしてもよい)。
このように、ループアンテナの所定の箇所を接地することで、この接地点を境にした2つのループを形成し且つこの2つのループのインダクタンスが異なるようにすることで、アンテナ30の対地インピーダンスを異なるようにし、これによって受信部1,2に不平衡電圧を入力させる。
このような構成にしても、上記の実施例1等と同様に、2つの受信部1,2、の復調結果は異なる特性を示すため(図2参照)、実施例1と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、上記実施例1〜5の何れの場合でも、少ない回路構成で(比較的簡単な構成で)ヌル点による通信不能状態が発生しないリーダライタを提供することができる。
1 受信部
2 受信部
3 アンテナ
4 増幅回路
11 検波回路
12 増幅回路
13 二値化回路
Z、Z1、Z2 電圧源の内部インピーダンス
Z1a、Z1b 対地インピーダンス

Claims (4)

  1. ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源を有する増幅回路を有する送信部と、該増幅回路の前記電圧源からの2系統の出力が両端にそれぞれ入力されるアンテナと、該アンテナによる受信信号を入力して復調する受信部とを有する非接触型通信装置であって、
    前記増幅回路は、前記電圧源それぞれに対応する内部インピーダンスの値が相互に異なり、前記内部インピーダンスの直列合成インピーダンスがアンテナ入力インピーダンスと略整合し、
    前記受信部を2つ設け、前記受信部はそれぞれ前記アンテナの両端の何れか一方に接続され、前記受信部それぞれが前記アンテナによる受信信号を入力して復調することを特徴とする非接触型通信装置。
  2. ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源を有する増幅回路を有する送信部と、該増幅回路の前記電圧源からの2系統の出力が両端にそれぞれ入力されるアンテナと、該アンテナによる受信信号を入力して復調する受信部とを有する非接触型通信装置であって、
    前記増幅回路は、前記電圧源それぞれに対応する内部インピーダンスの値は略同一で、それぞれに対応する対地インピーダンスが相互に異なり、前記内部インピーダンスの直列合成インピーダンスがアンテナ入力インピーダンスと略整合し、
    前記受信部を2つ設け、前記受信部はそれぞれ前記アンテナの両端の何れか一方に接続され、前記受信部それぞれが前記アンテナによる受信信号を入力して復調することを特徴とする非接触型通信装置。
  3. 前記2つの受信部の何れか一方には、前記アンテナの両端の受信信号の差分が入力されることを特徴とする請求項1又は2記載の非接触型通信装置。
  4. ほぼ180°位相の異なる2つの電圧源を有する増幅回路を有する送信部と、該増幅回路の前記電圧源からの2系統の出力が両端にそれぞれ入力されるアンテナと、該アンテナによる受信信号を入力して復調する受信部とを有する非接触型通信装置であって、
    前記増幅回路は、前記電圧源それぞれに対応する内部インピーダンスの値は略同一であり、前記内部インピーダンスの直列合成インピーダンスがアンテナ入力インピーダンスと略整合し、
    前記アンテナにおいて、該アンテナを構成するループの所定の箇所を接地することで対地インピーダンスが異なる2つのループを形成し、
    前記受信部を2つ設け、前記受信部はそれぞれ前記アンテナの両端の何れか一方に接続され、前記受信部それぞれが前記アンテナによる受信信号を入力して復調することを特徴とする非接触型通信装置。
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