JP2010181906A - 光デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバ等の光出入射手段への迷光の侵入を防ぎ、反射減衰特性に優れた光デバイスを実現する。
【解決手段】少なくとも一部に壁面31を有する自由空間と、自由空間に向けて光ビームを出射する1以上の光出射手段と、当該自由空間を経て到達した光ビームが入射する1以上の光入射手段とを有する光デバイスの壁面31のいずれかの個所に、その個所を照射する不要光52が自由空間内に向けて反射されることを防ぐ終端導波路70などの反射防止手段を設ける。
【選択図】図1
Description
図1に反射防止手段60として、不要光52が照射する個所の壁面31を取り除いた開口部71に終端導波路70を形成する構成例を示す。この構成においては、開口部71から入射した不要光52は終端導波路70の内壁面で入射光の一部が透過又は吸収され残余が反射する反射を繰り返すことにより除去される。
テーパ空洞部72は、開口部分71(例えば幅115μm)を一端とし、直線状の中心軸74を中心に他端に向けて狭幅化するテーパ状の空洞であり、他端は開口部分71より小幅(例えば60μm)ではあるが一端と同様、開口している。中心軸74は、不要光52の入射光軸に対し若干の傾き(例えば10°)を持たせることが望ましい。これは、傾きが全く無い状態では反射防止性能が劣化する場合があるためである。従って、例えば垂直彫りのエッチングで作製することが可能である。終端空洞部73は、テーパ空洞部72の他端に接続され、内壁面がテーパ空洞部72の中心軸74に垂直な接平面を有しない形状となっており、例えば図1のような円弧(例えばφ1=200μm、φ2=100μm)を組み合わせた形状等を選びうる。このように内壁面の形状を、中心軸74と垂直な接平面を有しない形状とすることで、終端導波路70に入射した不要光52は内壁面で反射しても自由空間40にはほとんど戻らない一方、終端空洞部73の内壁面での反射を繰り返すうちに減衰し、やがて消失する。このような、空洞を利用して不要光を処理する方法は、例えば垂直入射で反射率70%以下となる内壁面により構成することで良好な効果が得られる。シリコン材料により実現する場合、波長1.5μmの信号光が垂直入射した場合の反射率は約30%である。ちなみに、本発明でいう空洞は、必ずしも全面が囲まれている必要は無く、上面が開放されていても構わないため、垂直彫りのエッチングによる作製には好適である。
図2は終端導波路70の第1の変形例であり、テーパ空洞部72とらせん状テーパ終端部75とから構成される。テーパ空洞部72は、開口部71を一端とし、不要光52のビームの中心軸と一致する直線状の中心軸74を中心に他端に向けて狭幅化するテーパ状の空洞で、形状及び存在意義は図1と同じである。らせん状テーパ空洞部75は、テーパ空洞部72の他端に一端が接続され、他端に向けてらせん状に狭幅化するテーパ状の空洞である(例えば、外周φ3=300μm〜φ4=150μmまでの1.25周で幅が0に至る)。このように、らせん状かつテーパ状の空洞を末端部に設けることで、空洞内での反射回数を増やすことができ、終端導波路70に入射した不要光52を効果的に減衰・消失させることができる。
図3は終端導波路70の第2の変形例であり、テーパ空洞部72と終端部76とから構成される。テーパ空洞部72は、開口部分71を一端とし、不要光52のビームの中心軸と一致する直線状の中心軸74を中心に他端に向けて狭幅化するテーパ状の空洞で、形状及び存在意義は図1と同じである。終端部76は、テーパ空洞部72の他端に接続される光吸収部材で、例えば炭素を分散させた黒色の樹脂材料などを用いることができる。このように、光吸収部材を末端部に設けることによっても終端導波路70に入射した不要光52を減衰・消失させることができる。
図4は終端導波路70の第3の変形例であり、テーパ空洞部72と放出部77とから構成される。図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のA−A断面図である。テーパ空洞部72は、開口部分71を一端とし、不要光52のビームの中心軸と一致する直線状の中心軸74を中心に他端に向けて狭幅化するテーパ状の空洞で、形状及び存在意義は図1と同じである。放出部77は、テーパ空洞部72の他端に接続され、不要光52が反射することで光デバイス2の外部に直接放出されるように不要光52との間で所定の角度をなす放出反射面78を備える。例えば基板がシリコン単結晶の(100)面を板面とするいわゆる(100)基板であり、不要光52がその板面32に平行に終端導波路70に入射する場合には、シリコン単結晶基板の(111)面で放出反射面78を構成して不要光52と放出反射面78とがなす角度θを結晶面に従う54.7°にすることで不要光52は上方に放出される。このように、放出反射面を末端部に設けることによって不要光52をデバイス2の外部に直接放出することができるが、特に放出の角度をこのように板面32に対し非直角にすると、放出後の外部に更に何らかの板面32に平行な光反射面が存在しても、そこで反射した光が光路を逆に辿って戻る可能性をなくすることができる。
図5に反射防止手段60として、不要光52が照射する個所の壁面31に光吸収部材61を適用する構成例を示す。光吸収部材61としては、例えば第1実施形態の変形例3と同様、炭素を分散させた黒色の樹脂材料などを用いることができる。このように、光吸収部材61を壁面31に設けることによっても不要光52を減衰・消失させることができる。
図6に、反射防止手段60を、不要光52が照射する個所の壁面31を傾斜させることにより構成する例を示す。図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)のA−A断面図である。壁面31を傾斜させて形成した傾斜側壁面62は、不要光52が傾斜側壁面62で反射することで、自由空間40の外部に直接放出されるように不要光52との間で所定の角度をなす。例えば不要光52が、基板の板面32に平行に傾斜側壁面62に入射する場合には、不要光52と傾斜側壁面62とがなす角度θを例えば第1実施形態と同様にシリコンの(111)面を用いて54.7°にすることで不要光52は非直角な上方に放出される。このように、不要光52が照射する個所に傾斜側壁面62を設けることによって不要光52を自由空間40の外部に直接放出することができる。
第1〜第3実施形態では、反射防止手段60のさまざまな実現例を説明したが、第4実施形態以降は、この反射防止手段60を既存の光デバイスに応用する実施形態を説明する。第4実施形態以降の実施形態は、自由空間内40を伝搬する光ビーム50の光路に光反射面80が常時または駆動により挿入され、反射防止手段60は、挿入された光反射面80による反射光が直接照射される個所に設けられるという点において共通する。光反射面は例えば、光路中に設置される何らかの部品の透明媒体の界面や透過光成分を利用するための光フィルタの表面等のように、固定され常時光路内に存在するものであっても、アクチュエータ等で駆動されて光路の内外に挿抜される遮蔽板や光学部品の界面であってもよく、あるいは駆動されて変位するが、その位置がすべて光路内にあることによって結局は常時光路内に挿入されているような光反射面でもよい。
第5実施形態の発明は、本出願の出願者による未公開の特願2006−155895号に開示された発明に反射防止手段60を応用するものである。特願2006−155895号に開示された発明に基づく光デバイス400を図9を参照しながら簡単に説明する。光デバイス400は、自由空間40、光出射手段10、光入射手段である第1光入射手段21と第2光入射手段22、反射体35、及び反射体35に固設される阻止部82から構成される。また、反射体35は、ミラー面を有し、光出射手段10からの光ビームの光路上の所定の切り替え位置に挿抜駆動される。更に、阻止部82は、反射体35の所定の切り替え位置から抜出された時に後端となる部分に固設され、光出射手段10からの光ビーム50を透過せず、かつ光出射手段10からの光ビーム50のうちその阻止部82に照射された分を反射し、かつその反射光が第1光入射手段21に到達することを阻止する。
第6実施形態の発明は、図11に例示するような光出射手段10と光入射手段20との間の自由空間40に光フィルタ83が挿入された既存の光デバイス500に対して、図12に示すように反射防止手段60を適用して光デバイス5を構成したものである。
光出射手段10と光入射手段20との間の自由空間40に光フィルタ83を挿入する代わりに、図13に例示するような遮光駆動体84が挿入された既存の光デバイス600に対しても、図14に示すように反射防止手段60を適用して光デバイス6を構成することにより、光フィルタ83の場合と同様に迷光の発生を防ぐことができる。ここで、遮光駆動体とは、例えば二値的に挿抜駆動するオン・オフ型の光スイッチや、多値的(連続的を含む)に挿抜駆動する可変光減衰器などを意味する。なお、反射防止手段60を適用する壁面の個所は、不要光52が照射される個所であれば基本的にいずれの個所でも効果を得ることができるが、遮光駆動体84(光反射面80e)で反射された後最初に(直接)照射される個所に適用するのが最も有効である。また、図14の光デバイス6では、反射防止手段60として図5に示す光吸収部材61を適用した構成を例示しているが、第1〜第3実施形態で示したいずれの構成を適用しても構わない。
本発明の光デバイスの作製方法は、特許文献1、2等の物品と同様に、SOI基板のDeep−RIEで行うことを好適形態とする。
Claims (7)
- 少なくとも一部に壁面を有する自由空間と、
前記自由空間に向けて光ビームを出射する1以上の光出射手段と、
前記自由空間を経て到達した前記光ビームが入射する1以上の光入射手段と、
が基板上に設けられ、
前記壁面のいずれかの個所に、その個所を照射する前記光出射手段からの光(以下、「不要光」という)が前記自由空間内に向けて反射されることを防ぐ反射防止手段を備え、
前記光ビームは前記自由空間内を基板板面に平行に伝搬し、
前記壁面の少なくとも一部は基板板面に垂直な側壁面であり、
前記反射防止手段は、前記不要光が照射する個所の壁面を取り除いた開口部分に形成される終端導波路であり、
前記開口部分から入射した前記不要光は、前記終端導波路の内壁面で透過又は吸収を伴う反射を繰り返すことにより除去され、
前記光ビームの光路には、高反射材料が蒸着された可動ミラーが所定の駆動により挿入される
光デバイスであって、
前記終端導波路は、
前記開口部分を一端として、開口した他端に向けて狭幅化し、前記不要光を終端空洞部へ導くテーパ空洞部と、
前記テーパ空洞部の他端に一端が接続され、他端に向けてらせん状に狭幅化し、内壁面に前記高反射材料が蒸着されていない、らせん状テーパ終端部と、
から構成されることを特徴とする光デバイス。 - 少なくとも一部に壁面を有する自由空間と、
前記自由空間に向けて光ビームを出射する1以上の光出射手段と、
前記自由空間を経て到達した前記光ビームが入射する1以上の光入射手段と、
が基板上に設けられ、
前記壁面のいずれかの個所に、その個所を照射する前記光出射手段からの光(以下、「不要光」という)が前記自由空間内に向けて反射されることを防ぐ反射防止手段を備え、
前記光ビームは前記自由空間内を基板板面に平行に伝搬し、
前記壁面の少なくとも一部は基板板面に垂直な側壁面であり、
前記反射防止手段は、前記不要光が照射する個所の壁面を取り除いた開口部分に形成される終端導波路であり、
前記開口部分から入射した前記不要光は、前記終端導波路の内壁面で透過又は吸収を伴う反射を繰り返すことにより除去され、
前記光ビームの光路には、高反射材料が蒸着された可動ミラーが所定の駆動により挿入される
光デバイスであって、
前記終端導波路は、
前記開口部分を一端として、開口した他端に向けて狭幅化し、前記不要光を終端空洞部へ導くテーパ空洞部と、
前記テーパ空洞部の他端に接続され、前記高反射材料が蒸着されていない光吸収部材を備える終端部と、
から構成されることを特徴とする光デバイス。 - 少なくとも一部に壁面を有する自由空間と、
前記自由空間に向けて光ビームを出射する1以上の光出射手段と、
前記自由空間を経て到達した前記光ビームが入射する1以上の光入射手段と、
が基板上に設けられ、
前記壁面のいずれかの個所に、その個所を照射する前記光出射手段からの光(以下、「不要光」という)が前記自由空間内に向けて反射されることを防ぐ反射防止手段を備え、
前記光ビームは前記自由空間内を基板板面に平行に伝搬し、
前記壁面の少なくとも一部は基板板面に垂直な側壁面であり、
前記反射防止手段は、前記不要光が照射する個所の壁面を取り除いた開口部分に形成される終端導波路であり、
前記開口部分から入射した前記不要光は、前記終端導波路の内壁面で透過又は吸収を伴う反射を繰り返すことにより除去され、
前記光ビームの光路には、高反射材料が蒸着された可動ミラーが所定の駆動により挿入される
光デバイスであって、
前記終端導波路は、
前記開口部分を一端として、開口した他端に向けて狭幅化し、前記不要光を終端空洞部へ導くテーパ空洞部と、
前記テーパ空洞部の他端に接続され、前記不要光が反射により光デバイスの外部へ直接放出されるように形成された、前記高反射材料が蒸着されていない放出反射面を備える放出部と、
から構成されることを特徴とする光デバイス。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の光デバイスであって、
前記テーパ空洞部の中心軸は、前記不要光の入射光軸に対して傾きを持つことを特徴とする光デバイス。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の光デバイスは、
光ビームを反射するミラー面を有する前記可動ミラーである第1反射体と、
光ビームを反射するミラー面を有する第2反射体と、
を更に備え、
前記光入射手段と前記光出射手段である第1光出射手段とを光学的に結合する光ビームの光路は、前記第1反射体のミラー面による第1の反射を含んで構成され、前記光入射手段ともう一つの前記光出射手段である第2光出射手段とを光学的に結合する光ビームの光路は、前記第2反射体のミラー面による第2の反射を含んで構成され、
前記第1反射体を駆動し、前記光入射手段に対する前記第1反射体の相対配置を第1の配置とする第1配置状態あるいは第2の配置とする第2配置状態をとることにより、前記第1配置状態では前記光入射手段と前記第1光出射手段とが光学的に結合され、前記第2配置状態では前記光入射手段と前記第2光出射手段とが光学的に結合される
光スイッチであって、
前記第1配置状態において、少なくとも、前記第1反射体のミラー面上の前記第1の反射の部位と前記第2光出射手段との直接の光結合を遮断し、かつ、前記第2配置状態において、少なくとも、前記第1反射体のミラー面上の前記第2の反射の部位と前記第1光出射手段との直接の光結合を遮断する遮光体が、前記第1反射体に固設され、
前記遮光体が前記第1配置状態において前記第2光出射手段から出射される光の照射を受けて反射する反射光と、前記遮光体が前記第2配置状態において前記第1光出射手段から出射される光の照射を受けて反射する反射光と、が前記不要光を構成し、当該不要光が直接照射される個所に前記終端導波路が設けられた
光スイッチである
ことを特徴とする光デバイス。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の光デバイスは、
光ビームを反射するミラー面を有し、前記光出射手段からの光ビームの光路上の所定の挿入位置と所定の抜出位置との間で挿抜駆動される前記可動ミラーである反射体を更に備え、
前記光入射手段は、
前記光出射手段から入力され前記挿入位置に挿入された前記反射体のミラー面で反射された前記光ビームが結合する第1光入射手段と、
前記反射体が前記抜出位置にあるとき、前記光出射手段から入力された前記光ビームが結合する第2光入射手段と、
から構成される
光スイッチであって、
前記反射体の、前記挿入位置からの抜出時に後端となる部分に、前記光出射手段からの光ビームを透過せず、かつ前記光出射手段からの光ビームの前記第1光入射手段への結合も阻止する阻止部が設けられ、
前記光ビームは、挿入損失確保に必要な領域と、その領域の周囲にクロストーク確保に必要な領域とを持ち、
前記挿入位置は、前記反射体の前記ミラー面と前記阻止部とが、前記クロストーク確保に必要な領域を覆う位置であり、
前記抜出位置は、前記阻止部が前記クロストーク確保に必要な領域に留まる位置であり、
前記阻止部が前記光出射手段からの前記光ビームの照射を受けて反射する反射光が前記不要光を構成し、当該不要光が直接照射される個所に前記終端導波路が設けられた
光スイッチである
ことを特徴とする光デバイス。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の光デバイスは、
前記光出射手段からの光ビームの光路に、前記可動ミラーである遮光駆動体が二値的あるいは多値的な変位駆動により挿入されるオン・オフ型の光スイッチ又は可変光減衰器であって、
前記遮光駆動体が前記光出射手段からの前記光ビームの照射を受けて反射する反射光が前記不要光を構成し、当該不要光が直接照射される個所に前記終端導波路が設けられた
オン・オフ型の光スイッチ又は可変光減衰器である
ことを特徴とする光デバイス。
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