JP2010178704A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
【課題】非作業時に無駄な燃料を消費しないコンバインを提供する。
【解決手段】コンバインは、エンジンを搭載した走行機体と、刈取部と、脱穀装置と、クラッチセンサと、エンジンコントローラと、ブレーキペダル駆動モータと、を備える。エンジンはアイドリング回転状態と定格回転状態とで切替可能である。クラッチセンサは、作業クラッチの状態を検知する。ブレーキペダル駆動モータは、強制的に駐車ブレーキを掛けることが可能である。そして、エンジンコントローラは、作業クラッチの切断を検知した状態で(S103)、エンジンのアイドリング回転状態が一定時間以上継続した場合は(S104)、駐車ブレーキを作動させた上で(S105)、エンジンを自動的に停止させる(S106)。
【選択図】図6
【解決手段】コンバインは、エンジンを搭載した走行機体と、刈取部と、脱穀装置と、クラッチセンサと、エンジンコントローラと、ブレーキペダル駆動モータと、を備える。エンジンはアイドリング回転状態と定格回転状態とで切替可能である。クラッチセンサは、作業クラッチの状態を検知する。ブレーキペダル駆動モータは、強制的に駐車ブレーキを掛けることが可能である。そして、エンジンコントローラは、作業クラッチの切断を検知した状態で(S103)、エンジンのアイドリング回転状態が一定時間以上継続した場合は(S104)、駐車ブレーキを作動させた上で(S105)、エンジンを自動的に停止させる(S106)。
【選択図】図6
Description
本発明は、コンバインに関する。詳細には、前記コンバインのエンジンを制御する構成に関する。
従来から、刈取装置と脱穀装置を備えたコンバインが知られている。この種のコンバインは、エンジンと、作業部(刈取装置及び脱穀装置等)と、の間の駆動伝達経路を接続及び切断することが可能な作業クラッチを備える。
上記のようなコンバインでは、上記作業部を駆動するときは、通常はエンジンを所定の定格回転数で運転する。また、一般的にこのようなコンバインは、エンジンの回転数が上記定格回転数で一定の状態を保ったまま、停止状態から高速走行状態まで車体の走行制御を行えるように、走行部とエンジンとの間に無段変速装置を備える。
このようであるから、作業部とエンジンとの間の作業クラッチを切断し、車体の走行を停止しても(即ち、無段変速装置をニュートラル状態にしても)、エンジンが定格回転数で維持されてしまい、コンバインで全く作業を行っていないにもかかわらず燃料を無駄に消費してしまうという問題があった。
この点、特許文献1は、変速装置がニュートラルで作業クラッチが切断されてから一定時間が経過するとエンジンを停止させる構成のコンバインを開示する。特許文献1は、この構成により、燃料の無駄な消費を低減することができるとする。
一方、特許文献2は、エンジンの始動操作を簡略化できるコンバインを開示している。
しかし、特許文献1の構成では、オペレータに作業終了の意思がなく、たまたま一時的に走行を停止してクラッチを切っていた場合であっても、所定時間が経過すると勝手にエンジンが停止してしまう。このため、必ずしもオペレータの意図に沿ったエンジン停止処理とはならず、作業がスムーズに行われない可能性があった。
また、上記特許文献1の構成では、アクセルが定格回転状態のままでエンジンが停止してしまうので、再びエンジンを始動する際にはアクセル操作を行わなければならず、操作が煩雑となっていた。この点に関しては、特許文献2が、エンジン始動時に自動的にアイドリングに切り替えることで、始動時の操作を簡略化した構成を開示している。しかし特許文献2の構成は燃費削減を目的としたものではないため、燃料の無駄な消費を抑制するという課題を解決することができない。
本願発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、非作業時に無駄な燃料を消費しないコンバインを提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成のコンバインが提供される。即ち、このコンバインは、エンジンを搭載した走行機体と、刈取部と、脱穀装置と、作業クラッチと、クラッチ検出部と、を備える。前記作業クラッチは、前記刈取部又は前記脱穀装置に対する前記エンジンからの入力を切断及び接続することが可能である。前記クラッチ検出部は、前記作業クラッチの状態を検出する。前記エンジンはアイドリング回転状態と定格回転状態とで切替可能である。そして、前記エンジンのアイドリング回転状態が一定時間以上継続し、かつ前記クラッチ検出部が前記作業クラッチの切断を検知した場合に、前記エンジンを自動的に停止させる。
即ち、コンバインは通常、アイドリング回転状態で作業を行うことはないので、上記の構成により、オペレータがエンジン停止操作を忘れて運転座席を離れた場合の無駄な燃料消費を防止することができる。また、定格回転時にはエンジンが自動的に停止することがないので、オペレータの意図しないタイミングでエンジンが停止してしまうことを防止することができる。
前記のコンバインにおいては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、このコンバインは、駐車ブレーキを強制的に作動させることが可能な強制ブレーキ作動部を備える。そして、前記エンジンを自動的に停止させる際には、前記強制ブレーキ作動部によって駐車ブレーキを作動させる。
これにより、例えばコンバインが斜面に位置している場合であっても、エンジンが自動的に停止した際にコンバインが勝手に動き出してしまうことを防止することができる。
前記のコンバインにおいては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、このコンバインは、エンジンキースイッチと、駐車ブレーキ操作具と、操作検出部と、オペレータ検知部と、を備える。前記エンジンキースイッチは、前記エンジンを起動するためのものである。前記駐車ブレーキ操作具は、駐車ブレーキを操作するためのものである。前記操作検出部は、前記駐車ブレーキ操作具の操作を検出する。前記オペレータ検知部は、運転席にオペレータが存在するか否かを検知する。そして、前記エンジンの停止時において、前記エンジンキースイッチが入り状態で、かつ前記オペレータ検知部がオペレータを検知し、かつ前記クラッチ検出部が前記作業クラッチの切断を検出した状態で、前記操作検出部が前記駐車ブレーキ操作具の操作を検出した場合には、前記エンジンを自動的に始動させる。
これにより、自動的にエンジンの停止が行われた後、オペレータが駐車ブレーキ操作具を操作するという簡単な操作を行うことでエンジンを再始動することができる。また、上記の構成によれば、エンジンはアイドリング回転状態から自動停止しているので、アクセル操作やエンジンスイッチ操作を行う必要がなく、駐車ブレーキ操作具の操作のみでエンジンを再始動させることができる。また、クラッチが接続されている場合には、駐車ブレーキ操作具を操作してもエンジンを再始動しないので、クラッチ接続状態でエンジンを始動してしまうことによる過負荷を防止することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係るコンバインの右側面図である。なお、以下の説明では、単に「左側」「右側」等というときは、コンバインが前進する方向に向かって左側及び右側を意味するものとする。
図1に示すように、本実施形態のコンバイン10は、稲、麦等の株元を刈り取るための刈取部12を機体(走行機体)の前部に備え、進行部としてのクローラ部11を機体下部に備えて構成されている。コンバイン10の左側の上部には、刈り取った穀稈を脱穀するための脱穀装置14が備えられる。また、この脱穀装置14と並設するように、グレンタンク15がコンバイン10の上部右側に備えられている。
グレンタンク15の前方には、オペレータが搭乗するためのキャビン17が配置されている。このキャビン17の内部には、運転操作部52及び運転座席53等が設けられており、この運転操作部52を操作することによって刈取りや走行等、コンバイン10の各種の操作を行うように構成されている。また、キャビン17内には、エアコンやカーステレオ等、オペレータが快適に作業を行うことができるように各種装備が備えられている。
クローラ部11はコンバイン10の左右両側に配置されており、このクローラ部11が駆動することでコンバイン10を走行させるように構成されている。
刈取部12は、前処理部25と、刈刃部13と、掻込装置47と、搬送部41と、を備えている。
前処理部25はコンバイン10の機体の前方下部に配置され、分草板45と、引起し装置46とによって構成されている。引起し装置46は図略のタインを備えており、倒伏した作物を拾い上げたり、穂先を一定の幅に収束させたりする引起し作業を行う。分草板45は、刈り取るべき幅を規定するためのものであり、また、倒伏した状態の稲等を当該分草板45がすくい上げることによって、引起し装置46による前記引起し作業を容易にする。
刈刃部13は刈刃と受刃とを備えており、両者が左右に駆動されることによって作物の株元を切り取る。また、掻込装置47は刈刃部13の上方に配置されており、この掻込装置47は、刈刃部13によって切断された穀稈を掻き込み、搬送部41に受け渡す。この搬送部41は、搬送チェーン及び縦搬送チェーン等を備えており、後述の脱穀装置14のフィードチェーン16に作物の株元を受け渡すように構成されている。
また、刈取部12は、図略の油圧シリンダにより、図1中に二点鎖線で示すように上下に昇降させることができる。これにより、刈刃部13の高さを圃場の傾斜等に応じた適切な高さとすることが可能となり、状況に応じて適切に刈取りを行うことができる。また、刈取りを行わずにコンバイン10の移動を行う場合には、刈取部12を上昇させた状態で走行することで、分草板45などが圃場に接触しないようにすることができる。
脱穀装置14はフィードチェーン16を備え、このフィードチェーン16によって穀稈を挟持しながら搬送して脱穀するように構成されている。脱穀装置14は穀稈脱穀用の扱胴30を備え、この扱胴30は脱穀装置14内の前部上方に設置されている。この扱胴30は略円筒状に形成されるとともに、その外周には複数の扱歯が植設されている。前記扱胴30の中心軸は、前記フィードチェーン16の搬送方向に略沿わせるように配置されている。また、扱胴30の下方位置には粗選別を行うための図略のクリンプ網が備えられる。このクリンプ網は、扱胴30の下部を覆うように円弧面状に構成されている。
この構成で、穀稈はフィードチェーン16に挟持された状態で脱穀装置14に搬送され、扱胴30の回転による衝撃作用、前記扱歯によるしごき作用、そしてクリンプ網によるもみほぐし作用等によって脱粒される。
また、脱穀装置14は、扱胴30の終端部近傍に配置される送塵口処理胴31を備えている。この送塵口処理胴31は円筒状に形成され、その中心軸が扱胴30の中心軸と平行になるように配置されている。送塵口処理胴31の外周には螺旋状の扱歯が備えられ、当該送塵口処理胴31の下方には送塵口処理用のクリンプ網(図略)が備えられる。この構成で、扱胴30の終端から送り出された籾、藁屑等は、送塵口処理胴31によって処理されるとともに、送塵口処理用クリンプで粗選別される。
脱穀装置14は、前記クリンプ網の下方に図略の選別装置を備えている。この選別装置は唐箕ファンを備えており、この唐箕ファンによる送風で、クリンプ網から落下してくる藁屑等の中から穀粒を選別するものである。ここで選別された精粒は、前記グレンタンク15に貯留される。一方、穀粒から選別された藁屑は、前記唐箕ファンによる送風によって、選別装置から機外に排出される。なお、グレンタンク15内に貯留された穀粒は、排出オーガ51を介して機外に排出することができる。
一方、脱穀処理が終わった排藁は、フィードチェーン16で搬送された後、脱穀装置14の下流側に配置される図略の排藁搬送装置に引き継がれる。排藁搬送装置により搬送された排藁は、当該排藁搬送装置の下流側端部に配置された図略の排藁カッタ装置に投入される。この排藁カッタ装置は、複数の回転刃を備えている。そして、排藁カッタ装置に投入された排藁は、回転する回転刃によって適宜の長さに切断された後、機外へ排出される。
運転座席53の下方には、クローラ部11、刈取部12及び脱穀装置14等を駆動するための図略のエンジンが設けられている。当該エンジンとクローラ部11との間には図略の無段変速装置が設けられ、エンジンの回転数を一定に保ったままクローラ部11の速度を無段階に変速させることができるように構成されている。これにより、刈取部12及び脱穀装置14は刈取脱穀に最適な回転数で駆動させつつ、クローラ部11を操作してコンバイン10を圃場内で自在に移動させることができる。また、エンジンと、刈取部12及び脱穀装置14と、の間には、それぞれクラッチが設けられている。これにより、刈取部12及び脱穀装置14をそれぞれ個別に駆動又は停止させることができる。
次に図2を参照してコンバイン10の駆動伝達構成の要部について説明する。図2は、コンバイン10の動力伝達構成を示すスケルトン図である。
図2に示すように、本実施形態のコンバイン10が備えるエンジン18の動力は、当該エンジン18の出力軸60から、クローラ部11を駆動させる無段変速装置61と、脱穀装置14の各部と、排出オーガ51と、刈取部12と、にそれぞれ分岐して伝達される。
無段変速装置61は、静圧油圧式無段変速(HST)式の変速装置として構成されている。この無段変速装置61は図略の油圧ポンプと油圧モータの対を備えた公知の構造であるので、詳細な説明は省略する。
エンジン18の駆動力の一部は、断接制御のための刈取クラッチ72を介して、刈取部12に伝達される。なお刈取部12の各構成への駆動力伝達機構については説明を省略する。
エンジン18の駆動力の一部は、動力の断接制御のための脱穀クラッチ71を介して、脱穀装置14の各構成に伝達される。具体的には、前記駆動力は、前記唐箕ファン38及び一番コンベア23に伝達された後、更に二番コンベア24、揺動選別装置32、排藁カッタ装置48、及びフィードチェーン16へ伝達される。
前記一番コンベア23は、選別装置で選別された精粒を外部に送り出すためのものである。この一番コンベア23の端部にはベベルギアを介して揚穀コンベア21が連結されており、一番コンベア23に伝達された駆動力によって揚穀コンベア21が駆動されるようになっている。揚穀コンベア21は、穀粒をグレンタンク15へ運ぶためのものである。以上の構成で、選別された精粒が、選別装置から一番コンベア23及び揚穀コンベア21を介して、グレンタンク15内に運ばれるように構成されている。
前記二番コンベア24の端部には還元コンベア22がベベルギアを介して連結されている。また、還元コンベア22の端部には二番処理装置44がベベルギアを介して接続されている。これにより、二番コンベア24に伝達された駆動力は、更に還元コンベア22及び二番処理装置44へ伝達される。前記二番コンベア24及び還元コンベア22は精粒から分離された二番物(枝梗付き穀粒や穂切れ粒等)を二番処理装置44に搬送するためのものである。二番物は二番処理装置44で枝梗等が除去された後、選別装置に戻されて再び選別される。
また、エンジン18の駆動力の一部は、扱胴駆動軸49を経由して扱胴30及び送塵口処理胴31に伝達される。扱胴30に伝達された駆動力は、更に、扱胴30で処理された排藁を搬送するための排藁搬送装置76に、伝達部90を介して伝達される。また、排藁カッタ装置48においては、エンジン18からの駆動力は回転軸54,55に伝達され、この回転軸54,55に取り付けられた回転刃によって排藁が切断される。
グレンタンク15は、前記排出オーガ51へ穀粒を搬送するための底コンベア67及び縦コンベア68を備えている。また、排出オーガ51には排出コンベア69が内蔵されている。エンジン18の駆動力の一部はこれらのコンベアにも伝達され、それぞれのコンベアを駆動することで、排出オーガ51を介してグレンタンク15内から外部に穀粒を排出することができる。また、エンジン18と底コンベア67との間には、断接制御のためのオーガクラッチ73が設けられている。
次に、図3を参照して、コンバイン10を操作するための構成について説明する。図3はキャビン17内の様子を示す平面図である。前述のように、キャビン17内には運転操作部52及び運転座席53が配置されている。また、運転座席53に座ったオペレータから視認し易い位置に、表示パネル29が配置されている。表示パネル29には、エンジン回転数、燃料残量等が表示される。
運転操作部52は、操舵操作具26と、キースイッチ27と、ブレーキペダル28と、アクセルレバー33と、変速レバー34と、作業クラッチレバー35と、を備えている。以下、これら運転操作部52の機能について、図3と併せて図4を参照して説明する。図4は、本実施形態のコンバイン10の制御ブロック図である。なお、図4において、実線の矢印は電気的な接続を、点線の矢印は機械的な接続を、それぞれ示している。
図4のブロック図に示すように、コンバイン10は、エンジンコントローラ(制御部)20を備えている。このエンジンコントローラ20は、例えばマイクロコントローラとして構成され、ROMに記憶されたプログラムを演算装置が実行することにより、エンジン18の回転数を一定に保つための電子ガバナとして機能するように構成されている。具体的には、エンジンコントローラ20は、エンジン18の回転数を検出する回転センサ57からの信号を監視し、エンジン18の回転数が略一定になるように、当該エンジン18の燃料噴射ソレノイド56を制御している。
図3に示すように、ブレーキペダル28は、オペレータの足元に配置される。ブレーキペダル28はクローラ部11のブレーキに接続されており、オペレータが足で踏み込むとブレーキが掛かるように構成されている。また、ブレーキペダル28には図略のスプリングが接続されている。このスプリングは、ブレーキペダル28が踏み込まれるのに抗する方向のバネ力を、当該ブレーキペダル28に加えている。以上の構成で、ブレーキペダル28から足を離すと、当該ブレーキペダル28が元の位置まで復帰して、ブレーキが解除されるようになっている。
図5に、ブレーキペダル28の模式図を示す。前記ブレーキペダル28は、所定の位置まで踏み込むと、ロック機構が作動してブレーキ作動状態で保持されるように構成されている。即ち、ブレーキが作動した状態を維持できるので、コンバイン10の停止時(駐車時)にクローラ部11が勝手に動かないようにする駐車ブレーキを掛けることができる。このように、ブレーキペダル28は、駐車ブレーキ操作具としても機能する。なお、このブレーキペダル28は、ブレーキ作動状態で保持されている状態(駐車ブレーキ状態)から、更に解除位置(図5中の二点鎖線で示す位置)まで踏み込むと、前記ロック機構が解除されるように構成されている。
図5に示すように、ブレーキペダル28の回動軸28cには、ブレーキペダル駆動モータ(強制ブレーキ作動部)28bの駆動軸が接続されている。このブレーキペダル駆動モータ28bには、エンジンコントローラ20からの信号が入力されており、これによりエンジンコントローラ20は前記ブレーキペダル駆動モータ28bを駆動してブレーキペダル28を回動させ、クローラ部11に強制的にブレーキを掛けることができる。
また、図5に示すように、ブレーキペダル28の近傍には駐車ブレーキセンサ(操作検出部)28aが配置されている。この駐車ブレーキセンサ28aは、ブレーキペダル28が前記解除位置まで踏み込まれたことを検出できるように構成される。駐車ブレーキセンサ28aの信号はエンジンコントローラ20に入力されており、これによりエンジンコントローラ20は、駐車ブレーキの解除操作が行われたことを検知することができる。
操舵操作具26はコンバイン10を直進又は左右へ旋回させるために操作されるものであり、運転座席53に座ったオペレータの正面に配置されている。なおコンバイン10を左右に旋回させるための構成は公知であるので説明を省略する。
操舵操作具26の下方には、キースイッチ(エンジンキースイッチ)27が設けられている。キースイッチ27には始動キーを挿入することができ、この始動キーを回すことでキースイッチ27を回転させ、エンジン「切」状態とエンジン「入」状態を切り替えることができる。また、キースイッチ27を「入」位置から更に回転させて「始動」位置とすることで、エンジン18を始動できるように構成されている。なお、始動キーを「始動」位置とした状態で操作力を解除すると、図略の戻しバネにより、「入」位置までキースイッチ27の回転位置が戻るようになっている。キースイッチ27の回転位置はスイッチセンサ27aによって検出され、エンジンコントローラ20に入力される。エンジンコントローラ20は、キースイッチ27が「始動」位置にあることを検出するとエンジン18を始動し、「切」位置にあることを検出するとエンジン18を停止させる。
アクセルレバー33は回動可能に構成されており、レバーの回動位置に応じてエンジン18の回転数をアイドリング回転数から定格回転数まで変更できるように構成されている。このアクセルレバー33には、回動位置検出用のアクセルセンサ33aが接続されており、このアクセルセンサ33aからの信号がエンジンコントローラ20に入力される。エンジンコントローラ20は、アクセルセンサ33aからの信号に基づいてエンジン18の回転数を制御する。なお、アクセルレバー33はその操作位置を保持可能に構成されており、オペレータがアクセルレバー33から手を離してもエンジン回転数が維持されるようになっている。本実施形態ではエンジンコントローラ20が自動回転数制御を行うので、オペレータが負荷に応じて細かくアクセルレバー33を調整する必要はなく、作業中は基本的に定格回転位置で固定しておく。
変速レバー34は、HST式の無段変速装置61が備える油圧ポンプ等の斜板を調整することにより、コンバイン10の走行速度を無段階に調整するためのものである。コンバイン10においては、エンジン18は基本的に定格回転数で運転されるので、無段変速装置61の減速比を変更することで走行速度を変速するのである。変速レバー34は前後に回動可能に構成されており、ほぼ直立の位置がニュートラルである。また、前に倒すと機体が前進し、後ろに倒すと後進するようになっており、倒す角度が大きくなるほど走行速度も速くなるように構成されている。
また、変速レバー34には、刈取部上昇スイッチ34aと、刈取部下降スイッチ34bと、が設けられている。これにより、刈取部12の上昇及び下降を簡単に操作することができる。
また、運転座席53のすぐ横には、前後に回動可能な作業クラッチレバー35が配置されている。本実施形態では、1本の作業クラッチレバー35で脱穀クラッチ71と刈取クラッチ72を操作できるように構成されている。具体的には、オペレータから見て手前側に作業クラッチレバー35を傾斜させた状態が停止位置であり、停止位置から途中まで作業クラッチレバー35を起こした状態が脱穀位置であり、更に作業クラッチレバー35を奥側まで傾斜させた状態が刈取位置である。そして、前記停止位置では脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72がOFFとなり、前記脱穀位置では脱穀クラッチ71のみがONとなり、前記刈取位置では脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72がONとなるように構成されている。
作業クラッチレバー35には、当該作業クラッチレバー35の傾斜角が停止位置、脱穀位置、及び刈取位置の何れであるかを検出するためのクラッチセンサ35aが備えられている。このクラッチセンサ35aの検出信号は、エンジンコントローラ20に入力される。また、作業クラッチレバー35の回動軸には、クラッチレバー駆動モータ(クラッチ切離し部)35bの駆動軸が接続されており、エンジンコントローラ20からの制御信号が当該クラッチレバー駆動モータ35bに入力されるようになっている。これにより、エンジンコントローラ20がクラッチレバー駆動モータ35bを駆動して、脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72を強制的に切り離すことができるように構成されている。
運転座席53の座面の裏には、感圧式のシートセンサ(オペレータ検知部)53aが配置されている。このシートセンサ53aにより、オペレータが運転座席53に座っているか否かを検出することができる。シートセンサ53aからの検出信号は、エンジンコントローラ20に入力される。
以上のように構成されたコンバイン10において、オペレータがエンジン18を始動する際には、アクセルレバー33をアイドリング位置にして、作業クラッチレバー35を停止位置にした状態でキースイッチ27を始動位置まで回す。そして、作業又は走行を開始する際には、オペレータは、アクセルレバー33を定格回転位置まで回動させた後、作業クラッチレバー35又は変速レバー34の操作を行う。
そして、作業及び走行を停止する際には、オペレータは、作業クラッチレバー35を停止位置とし、変速レバー34をニュートラル位置とした後、アクセルレバー33をアイドリング位置まで回動させる。そして、その後にエンジン18を停止させる際には、オペレータは、ブレーキペダル28を踏み込んで駐車ブレーキを作動させるとともに、キースイッチ27を「切」位置まで回してエンジン18を停止させる。
ところで、上記のようにエンジン18をアイドリング回転状態にした後、オペレータが運転座席53から離れて一時的に休憩するということがよくある。このような場合、オペレータがキースイッチ27を切り忘れたり、すぐに戻るつもりで運転座席53を離れた後に何らかの理由で長時間戻らなかったりするということが頻繁に発生していた。従って、このような場合はオペレータの意図によらずアイドリング回転状態が長時間継続してしまう結果、燃料が無駄に消費されていた。
そこで、本実施形態のコンバイン10は、エンジン18のアイドリング回転状態が一定時間以上続くと、エンジン18を自動的に停止させる構成としている。即ち、一般的にコンバインはアイドリング回転状態で作業を行わないため、アイドリング回転状態が一定時間以上続くと燃料の無駄を防止するためにエンジン18を停止させるのである。
以下、アイドリング継続時のエンジン停止制御について、図6を参照して具体的に説明する。図6は、本実施形態のエンジンコントローラ20が実行するエンジン18の自動停止制御のフローチャートである。
まずフローが開始すると、エンジンコントローラ20はタイマの値をゼロにリセットする(S101)。このタイマはエンジンコントローラ20が備えるカウントアップタイマであり、アイドリング回転状態の継続時間を測定するためにフローの最初でゼロにリセットされるものである。
次に、エンジンコントローラ20は、エンジン18がアイドリング回転状態であるか否かを判定する(S102)。アイドリング回転状態でない場合は、S101に戻ってタイマをリセットする。
アイドリング回転状態であった場合はS103に進み、作業クラッチ(脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72)がOFFか否かを判断する。具体的には、作業クラッチレバー35の傾斜角が停止位置にあることを、クラッチセンサ35aが検知しているか否かを判断する。作業クラッチレバー35が脱穀位置又は刈取位置にある場合は、S101に戻ってタイマをリセットする。一方、作業クラッチレバー35が停止位置にあるときは、作業クラッチはOFFであると判断してS104に進む。
なお、S103の判断において、クラッチがOFFとなっていることを判断することに代え、あるいはこれに加えて、オペレータが運転座席53に着席しているか否かを判断しても良い。具体的には、エンジンコントローラ20はシートセンサ53aの検出値を検査し、シートセンサ53aがオペレータを検出した場合(オペレータが運転座席に着席している場合)には、S101に戻ってタイマをリセットする。
即ち、エンジン18がアイドリング回転状態であっても、例えばキャビン17内でオペレータがエアコンを付けて休んでいる可能性がある。このような場合にエンジン18を勝手に停止してしまうと、エアコン等も停止してしまうため、オペレータにとって不本意な制御となってしまう。そこで本実施形態では、アイドリング回転状態であっても、オペレータが運転座席53に着席している場合にはタイマを進めないことにより、エンジン18が自動的に停止しないように制御している。そして、シートセンサ53aがオペレータを検知しない場合は、オペレータがキャビン17内にいないと判断してS104に進む。
S104においては、アイドリング回転状態が一定時間以上継続したか否かを判断する。具体的には、S104の判断において、エンジンコントローラ20は、前記タイマの値が予め設定された所定値以上となったか否かを判断する。タイマの値が所定値未満の場合は、アイドリング回転状態が一定時間継続していないと判断され、S102に戻ってS102〜S104のループを繰り返す。そして、時間が経過することにより前記タイマの値がカウントアップされて前記所定値以上になった場合は、S104の判断でアイドリング回転状態が一定時間継続した(より正確には、アイドリング回転状態で且つオペレータ不在の状態が一定時間継続した)と判断され、前記ループを抜けてS105に進む。
S105に進むと、エンジンコントローラ20は、ブレーキペダル駆動モータ28bを駆動させてブレーキペダル28を駐車ブレーキ作動位置まで移動させてロックし、クローラ部11に駐車ブレーキを掛ける。即ち、例えばコンバイン10が斜面に位置している場合に、エンジン18を停止させるとクローラ部11が勝手に動いてしまう可能性がある。そこで本実施形態では、安全性を考慮して、エンジン18の自動停止に先立って、自動で駐車ブレーキを作動させる構成としたものである。
そして、次にS106に進むと、エンジンコントローラ20はエンジン18を停止させてフローを終了する。
なお、S103の判断においては、作業クラッチOFFの判断、及びオペレータが着席しているか否かの判断に代え、あるいはこれに加えて、更に刈取部12が下降位置にあるか否かの判断を行っても良い。即ち、刈取りを行わずに圃場を走行する際には刈取部12を上昇させるものであるから、刈取部12が上昇位置にある場合には、オペレータはコンバイン10を走行させるつもりであると判断できる。従って、刈取部が上昇位置にある場合には、エンジン18の自動停止を行わないようにすることが好ましい。S103で刈取部12の位置に基づく判断を行う場合は、刈取部12が上昇位置にある場合はS101に戻り、刈取部12が下降位置にある場合はS104に進むようにすれば良い。
以上で説明したように、本実施形態のコンバイン10ではアイドリング継続時にエンジン18を自動停止するように構成しているが、エンジン18が自動停止したコンバイン10においてオペレータが作業を再開しようとした時に、仮にエンジン再始動の操作が煩雑であると、前記エンジン18の自動停止制御がかえって煩わしいものとなってしまう。そこで本実施形態では、ブレーキペダル28を踏み込むという簡単な操作でエンジン18の再始動が行えるように構成している。
以下、エンジン18の再始動制御について、図7を参照して具体的に説明する。図7は、本実施形態のエンジンコントローラ20が実行するエンジン再始動制御のフローチャートである。
まず、フローが開始すると、エンジンコントローラ20は、エンジン18が停止しているか否かと、キースイッチ27が「入」状態にあるか否かの判断を行う(S201)。即ち、図6に示したエンジン自動停止制御を行った場合は、キースイッチ27が「入」の状態でエンジン18が停止しているはずであるから、エンジン18が停止状態で且つキースイッチ27が「入」状態の場合のみ、次のS202に進む。
なお、S201の判断において、エンジン18が既に動いている場合には、エンジン再始動制御を行う必要はないので、そのままフローを終了する。また、(オペレータが自ら操作する等により)キースイッチ27が「切」状態になっている場合は、オペレータが手動でキースイッチ27を「始動」状態まで回すことによりエンジン18を始動することになるので、そのままフローを終了する。また、キースイッチ27が「始動」状態にある場合は、まさにオペレータが手動でエンジン18を始動させようとしているところであるから、そのままフローを終了する。
次に、エンジンコントローラ20は、ブレーキペダル28が踏み込まれたか否かを判断する(S202)。即ち、前述のエンジン自動停止制御により、ブレーキペダル28は駐車ブレーキ作動位置でロックされた状態である。そして、エンジンコントローラ20は、ブレーキペダル28が操作されたか否か(より具体的には、ブレーキペダル28が解除位置まで踏み込まれたことを、駐車ブレーキセンサ28aが検知したか否か)を判断する。
ブレーキペダル28が踏み込まれていない場合には、S201に戻る。一方、ブレーキペダル28が踏み込まれていた場合には、次のステップに進み、エンジンコントローラ20がエンジン18を始動させる。これにより、駐車ブレーキを解除するためにブレーキペダル28を踏み込むという直感的で簡単な操作により、エンジン18を始動させることができる。特に、前記エンジン自動停止制御でエンジン18を停止させた場合は、もともとアイドリング回転状態からエンジン18が停止しているので、エンジン18を始動させる際にわざわざアクセルレバー33をアイドリング位置に戻す必要もなく、ブレーキペダル28の操作のみでエンジン18を始動させることができる。
また、上記のように駐車ブレーキ解除の操作でエンジン18を始動するのであるが、ブレーキペダル28を踏み込んだ時点(前記駐車ブレーキ解除の操作の時点)では、まだブレーキが効いている状態である。従って、ブレーキが効いた状態でエンジン18を自動始動できるから、安全性にも優れる。
なお本実施形態では、より安全にエンジン18を始動させるため、S202の判断でブレーキペダル28の踏込みを検出した後、エンジン18を始動させる前に、以下のS203及びS204の判断を行っている。
S203では、エンジンコントローラ20は、シートセンサ53aの信号を検査することにより、オペレータが運転座席53に着席しているか否かの判断を行う。即ち、本実施形態のコンバイン10は、キャビン17から降りた状態でもブレーキ操作を行えるようにするため、車体側面にブレーキ操作用のブレーキレバー(図略)を備えている。従って、運転座席53に着席していない状態で駐車ブレーキの解除操作を行うことができる。
オペレータが、運転座席53から降りた状態で前記ブレーキレバーを操作して駐車ブレーキを解除すると、ブレーキペダル28も連動して動くので、駐車ブレーキセンサ28aによってブレーキペダル28の踏込み操作が検出される。しかし、オペレータがコンバイン10の車外にいる状態(運転座席53に着席していない状態)でエンジン18を自動始動させるのは不都合があるので、S202でブレーキペダル28の踏込み操作が検出されても、S203でオペレータの着席を検出しない場合には、エンジン18を始動させることなくフローを終了する。一方、オペレータが着席している場合には、S204に進む。
S204では、エンジンコントローラ20は、脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72がOFFとなっているか否かを判断する。具体的には、エンジンコントローラ20は、クラッチセンサ35aからの信号を検査して、作業クラッチレバー35が停止位置にあるか否かを判断する。そして、脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72がOFFの場合(作業クラッチレバー35が停止位置にある場合)にのみ、S206に進んでエンジン18を始動する。これにより、クラッチがONの状態でエンジン18が自動始動してしまうことによる過負荷を防止することができる。
S204でクラッチがONになっていること(作業クラッチレバー35が刈取位置又は脱穀位置にあること)を検出した場合、例えばエンジン18を始動することなくフローを終了させても良い。ただしこの場合は、オペレータは手動で作業クラッチレバー35を停止位置まで操作した後、手動でキースイッチ27を操作するという迂遠な操作をしてエンジン18を始動させなければならない。そこで、本実施形態のコンバイン10においては、S204でクラッチがONになっていることを検出すると、エンジンコントローラ20は、クラッチレバー駆動モータ35bを作動させて作業クラッチレバー35を強制的に停止位置まで移動させることにより、脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72をOFFにするように構成されている(S205)。そして、クラッチを強制的にOFFにした後で、エンジン18を始動させる(S206)。
以上で説明したように、本実施形態のコンバイン10は、エンジン18を搭載した走行機体と、刈取部12と、脱穀装置14と、エンジンコントローラ20と、脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72と、クラッチセンサ35aと、を備える。クラッチセンサ35aは、脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72の状態を検出する。エンジン18はアイドリング回転状態と定格回転状態とで切替可能である。そしてエンジンコントローラ20は、エンジン18のアイドリング回転状態が一定時間以上継続し、かつクラッチセンサ35aが脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72の切断を検出した場合に、前記エンジン18を自動的に停止させる。
即ち、コンバイン10は通常、アイドリング回転状態で作業を行うことはないので、上記の構成により、オペレータがエンジン停止操作を忘れて運転座席53を離れた場合の無駄な燃料消費を防止することができる。また、定格回転時にはエンジン18が自動的に停止することがないので、オペレータの意図しないタイミングでエンジン18が停止してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態のコンバイン10においては、エンジンコントローラ20は、エンジン18のアイドリング回転状態が一定時間以上継続した場合であっても、刈取部12が上昇位置にある場合は、エンジン18を自動的に停止しないようにすることもできる。
即ち、刈取部12が上昇位置にあるということは、オペレータがコンバイン10を移動させる意思があると考えられるので、上記のように構成することにより、オペレータの意図に反してエンジン18が自動停止してしまうことを防止できる。
また、本実施形態のコンバイン10は、駐車ブレーキを強制的に作動させることが可能なブレーキペダル駆動モータ28bを備える。そしてエンジンコントローラ20は、エンジン18を自動的に停止させるとともに、ブレーキペダル駆動モータ28bによって駐車ブレーキを作動させる。
これにより、例えばコンバイン10が斜面に位置している場合であっても、エンジン18が自動的に停止した際にコンバイン10が勝手に動き出してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態のコンバイン10は、キースイッチ27と、ブレーキペダル28と、駐車ブレーキセンサ28aと、シートセンサ53aと、を備える。ブレーキペダル28は、駐車ブレーキを操作するためのものである。駐車ブレーキセンサ28aは、ブレーキペダル28の操作を検出する。シートセンサ53aは、運転座席53にオペレータが存在するか否かを検知する。そして、エンジン18の停止時において、キースイッチ27が「入」状態で、かつシートセンサ53aがオペレータを検知し、かつクラッチセンサ35aが脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72の切断を検出した状態で、駐車ブレーキセンサ28aがブレーキペダル28の操作を検出した場合には、エンジンコントローラ20はエンジン18を自動的に始動させる。
これにより、自動的にエンジン18の停止が行われた後、オペレータはブレーキペダル28の簡単な操作によってエンジン18を再始動することができる。また、上記の構成によれば、エンジン18はアイドリング回転状態から自動停止しているので、アクセルレバー33やキースイッチ27の操作を行う必要がなく、ブレーキペダル28の操作のみでエンジン18を再始動させることができる。また、クラッチが接続されている場合には、ブレーキペダル28を操作してもエンジン18を再始動しないので、クラッチ接続状態でエンジン18を始動してしまうことによる過負荷を防止することができる。
また、本実施形態のコンバイン10は、作業クラッチレバー35を駆動することで脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72を強制的に切断するクラッチレバー駆動モータ35bを備える。そして、エンジン18の停止時において、キースイッチ27が「入」状態で、かつシートセンサ53aがオペレータを検知し、かつクラッチセンサ35aが脱穀クラッチ71又は刈取クラッチ72の接続を検出した状態で、駐車ブレーキセンサ28aがブレーキペダル28の操作を検出した場合には、クラッチレバー駆動モータ35bが脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72を切断するとともに、エンジンコントローラ20はエンジン18を自動的に始動させる。
これにより、クラッチ接続状態でエンジン18を始動してしまうことによる過負荷を防止しつつ、ブレーキペダル28を操作するという簡単な操作でエンジン18を再始動することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
図6及び図7に示したフローチャートは一例であって、これに限定されない。例えば、図6のフローチャートにおいて、クラッチがOFFとなっているか否かの判断を、アイドリング回転状態となっているか否かの判断に先立って行っても良い。
駐車ブレーキはブレーキペダル28によって掛ける構成としたが、駐車ブレーキを操作するための専用の操作具を備えても良い。
強制ブレーキ作動部はモータ(ブレーキペダル駆動モータ28b)としたが、これに代えて、例えばブレーキペダル28を流体圧シリンダによって駆動する構成としても良い。また、ブレーキペダルを駆動することで強制的に駐車ブレーキを掛ける構成に代えて、例えばコンバインの車外に設けられたブレーキレバーを駆動することで強制的に駐車ブレーキを掛ける構成としても良いし、駐車ブレーキを直接駆動することで強制的にブレーキを掛ける構成としても良い。
同様に、クラッチ切離し部はモータ(クラッチレバー駆動モータ35b)とする構成に代えて、例えば作業クラッチレバー35を流体圧シリンダによって駆動する構成としても良い。また例えば、脱穀クラッチ71及び刈取クラッチ72を電磁クラッチとした場合には、クラッチを切断するためにクラッチ操作具を機械的に駆動する必要がなく、電磁クラッチそのものをクラッチ切離し部として機能させることができる。
また、脱穀クラッチ71と刈取クラッチ72は、別々のレバーで操作するように構成しても良い。この場合、脱穀クラッチ71のレバーと刈取クラッチ72のレバーそれぞれにクラッチセンサとクラッチレバー駆動モータを設ければ、上記実施形態と同様の効果を発揮させることができる。
上記実施形態では、S204の判断において、脱穀クラッチ71と刈取クラッチ72の切断を確認してエンジンを始動しているが、これに加えて、オーガクラッチ73の切断を適宜のセンサで確認するようにしても良い。また、オーガクラッチがONになっている場合は、S205でオーガクラッチを適宜の手段により強制的にOFFにするようにしても良い。
オペレータ検知部は、シートセンサ53aに代えて、例えば非接触の赤外線センサ等でも良い。
本発明は、回転数自動切替機構と組み合わせて実施することもできる。ここで回転数自動切替機構とは、変速レバーのニュートラル及びクラッチのOFFを検知すると、エンジンを定格回転状態からアイドリング回転状態に自動的に切り替える制御を行うものである。この回転数自動切替機構と組み合わせることにより、自動的にアイドリング回転状態に切り替わり、更に一定時間経過でエンジンを停止するから、燃料消費の無駄をより一層低減することができる。
また、上記エンジンの自動停止制御の有効/無効を切り替えるためのスイッチを設けても良い。このように構成すれば、例えばメンテナンス時などにエンジン自動停止制御を無効化し、アイドリング回転状態が長時間継続してもエンジンが停止しないようにしてメンテナンス作業を継続することができる。
10 コンバイン
12 刈取部
14 脱穀装置
18 エンジン
20 エンジンコントローラ(制御部)
27 キースイッチ(エンジンスイッチ)
28 ブレーキペダル(駐車ブレーキ操作具)
28a 駐車ブレーキセンサ(操作検出部)
28b ブレーキペダル駆動モータ(強制ブレーキ作動部)
35 作業クラッチレバー
35a クラッチセンサ(クラッチ検出部)
35b クラッチレバー駆動モータ(クラッチ切離し部)
53 運転座席
53a シートセンサ(オペレータ検知部)
71 脱穀クラッチ(作業クラッチ)
72 刈取クラッチ(作業クラッチ)
12 刈取部
14 脱穀装置
18 エンジン
20 エンジンコントローラ(制御部)
27 キースイッチ(エンジンスイッチ)
28 ブレーキペダル(駐車ブレーキ操作具)
28a 駐車ブレーキセンサ(操作検出部)
28b ブレーキペダル駆動モータ(強制ブレーキ作動部)
35 作業クラッチレバー
35a クラッチセンサ(クラッチ検出部)
35b クラッチレバー駆動モータ(クラッチ切離し部)
53 運転座席
53a シートセンサ(オペレータ検知部)
71 脱穀クラッチ(作業クラッチ)
72 刈取クラッチ(作業クラッチ)
Claims (3)
- エンジンを搭載した走行機体と、
刈取部と、
脱穀装置と、
前記刈取部又は前記脱穀装置に対する前記エンジンからの入力を切断及び接続することが可能な作業クラッチと、
前記作業クラッチの状態を検出するクラッチ検出部と、
を備え、
前記エンジンはアイドリング回転状態と定格回転状態とで切替可能であり、
前記エンジンのアイドリング回転状態が一定時間以上継続し、かつ前記クラッチ検出部が前記作業クラッチの切断を検知した場合に、前記エンジンを自動的に停止させることを特徴とするコンバイン。 - 請求項1に記載のコンバインであって、
駐車ブレーキを強制的に作動させることが可能な強制ブレーキ作動部を備え、
前記エンジンを自動的に停止させる際には、前記強制ブレーキ作動部によって駐車ブレーキを作動させることを特徴とするコンバイン。 - 請求項2に記載のコンバインであって、
エンジンを起動するエンジンキースイッチと、
駐車ブレーキを操作するための駐車ブレーキ操作具と、
前記駐車ブレーキ操作具の操作を検出する操作検出部と、
運転座席にオペレータが存在するか否かを検知するオペレータ検知部と、
を備え、
前記エンジンの停止時において、前記エンジンキースイッチが入り状態で、かつ前記オペレータ検知部がオペレータを検知し、かつ前記クラッチ検出部が前記作業クラッチの切断を検出した状態で、前記操作検出部が前記駐車ブレーキ操作具の操作を検出した場合には、前記エンジンを自動的に始動させることを特徴とするコンバイン。
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-
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