JP2010178221A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部材の表面に付着した異物を効率良く除去することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】本発明に係わる撮像装置(1)は、撮像素子(4)と、前記撮像素子の前面に設けられた光学部材(5)と、前記光学部材を振動させる振動素子(6)と、選択された振動モードに応じて前記振動素子を振動させる振動素子駆動手段(9)と、表示手段(12)と、前記表示手段に前記光学部材と相対的に等しい大きさの位置指定画面を表示させる表示制御手段(10)と、操作入力手段(11)と、前記表示手段に表示された位置指定画面に対してユーザが前記操作入力手段を介して指定した目標位置を取得する目標位置取得手段(10)と、前記目標位置取得手段により取得された目標位置に応じて前記振動素子を振動させる振動モードを選択する振動制御手段(10)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像素子に写り込むゴミを振動により除去する機能を備えた撮像装置に関するものである。
従来、レンズ交換式のデジタル一眼レフカメラでは、レンズを交換した際に侵入する塵埃やカメラ内の駆動部品から発生する磨耗粉(以下、異物という)が、撮像素子の前面に配置された光学部材の表面に付着し、撮像素子で撮影した画像に写り込んでしまうという問題が生じていた。
そこで、撮像素子に写り込む異物を撮像素子の前方に配置した光学部材を振動させることにより除去するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−293097号公報
光学部材を圧電素子により振動させる従来技術では、共振周波数の異なる振動モードを複数組み合わせて光学部材を振動させる方式が主流となっている。しかしながら、従来は異物の付着している位置にかかわらず、共振周波数の異なる振動モードによる振動を一定時間、一定回数繰り返すようにしていたため、異物を効率良く除去することが難しいものとなっていた。
本発明の課題は、光学部材の表面に付着した異物を効率良く除去することができる撮像装置を提供することにある。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、被写体像を光電変換面で光電変換する撮像素子(4)と、前記撮像素子の前面に設けられ、前記光電変換面に被写体像を結像させる光学部材(5)と、前記光学部材を振動させる振動素子(6)と、表示手段(12)と、前記表示手段に前記光学部材と相対的に等しい大きさの位置指定画面を表示させる表示制御手段(10)と、ユーザによる操作入力を受け付ける操作入力手段(11)と、前記表示手段に表示された位置指定画面に対してユーザが前記操作入力手段を介して指定した目標位置を取得する目標位置取得手段(10)と、前記目標位置取得手段により取得された目標位置と振動形状の山部とが一致する振動モードを選択する振動制御手段(10)と、前記振動制御手段により選択された振動モードに応じて前記振動素子を振動させる振動素子駆動手段(9)と、を備えることを特徴とする撮像装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置であって、前記表示制御手段(10)は、前記光学部材(5)の表面に付着した異物を示す画像を前記表示手段(12)の位置指定画面として表示させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の撮像装置であって、前記表示制御手段(10)は、前記撮像素子(4)により撮像された白画面の画像データに基づく画像を前記表示手段(12)の位置指定画面として表示させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の撮像装置であって、前記光学部材(5)に付着している異物の位置を特定する異物特定手段(10)を備え、前記表示制御手段(10)は、前記異物特定手段により特定された異物の存在する小領域を前記表示手段(12)の位置指定画面に表示させることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の撮像装置であって、前記表示制御手段(10)は、特定された前記異物に応じて前記小領域を異なる色で表示させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置であって、前記振動制御手段(10)は、選択された振動モードの駆動条件として、当該振動モードの共振周波数による駆動時間、駆動回数及び駆動電圧のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置であって、前記振動制御手段(10)は、前記目標位置取得手段(10)により取得された目標位置と振動形状の山部とが一致する振動モードの振動条件を変更し、前記目標位置と振動形状の山部とが一致しない振動モードの振動条件を変更しないことを特徴とする。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
本発明によれば、光学部材の表面に付着した異物を効率良く除去することができる撮像装置を提供することができる。
実施形態に係わるカメラの構成を示すブロック図である。 振動ユニットの構成を示す斜視図である。 光学部材が共振したときの振動形状を示す説明図。 カメラを背面側から見たときの斜視図である。 (a)〜(d)は撮像された白画面と光学部材に付着した異物の位置との関係を示す説明図である。 (a)、(b)は液晶モニタに表示される白画面を示す説明図である。 実施形態における異物除去処理の手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明に係わる撮像装置の実施形態について説明する。ここでは、本発明をデジタルカメラに適用した場合の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係わるカメラ1の構成を示すブロック図である。以下、各部について説明する。
撮影レンズ2は、入射した被写体光を屈折させて撮像部3側に出射する光学系であり、図示しない絞りユニットにより被写体光の光量が調節される。
撮像部3は、撮影レンズ2から出射された被写体光を撮像する回路であり、被写体光を露光して電気的な画像信号に変換し、画像処理部7へ出力する。この撮像部3は、撮像素子4と、光学部材5と、振動ユニット6とを備えている。
撮像素子4は、被写体像を光電変換面で光電変換する部分であり、平面状に規則的に配置された光電変換素子等により構成されている。光学部材5は、撮像素子4の前面に設けられ、撮像素子4の光電変換面上に被写体像を結像させるものであり、被写体光の分光特性やフィルタリング特性を備えている。この光学部材5は、積層された複数枚の水晶板やフィルタなどで構成されている。
振動ユニット6は、電圧の印加により振動して光学部材5を振動させる振動発生手段である。図2は、振動ユニット6の構成を示す斜視図である。本実施形態の振動ユニット6は、光学部材5の前面側の左右両端部に、この光学部材5を振動させる振動素子として一対の圧電素子61、62が設置されている。各圧電素子は板状に形成されており、光学部材5における有効撮影領域外の左右両端部にそれぞれ接着により貼り付けられている。
また、圧電素子61、62の端部には、フレキシブルプリント基板63、64が接続されている。これらフレキシブルプリント基板63、64は圧電素子駆動回路9(図1)と電気的に接続されており、この圧電素子駆動回路9から振動モードに応じた共振周波数の交流電圧が印加される。
圧電素子61、62に特定の周波数(光学部材5の共振周波数)の交流電圧が印加されると、圧電素子61、62の振動とともに光学部材5が共振して光学部材5の振動が発生する。この振動により光学部材5の表面に付着した異物が除去される。
次に、振動ユニット6における振動モードと振動形状について説明する。図3は、光学部材5が共振したときの振動形状を示す説明図である。図3では、各振動モードにおいて、光学部材5を異なる共振周波数で共振させたときの振動形状を模式的に示している。各振動形状では、振幅運動の一方の形状を実線で示し、他方の形状を二点鎖線で示している。すなわち、圧電素子61、62に印加する交流電圧のサイクルに従って、対称な2つの振幅形状が周期的に発生することになる。
圧電素子61、62に印加する共振周波数が高くなるにつれて振動形状の振幅周期も短くなり、振動形状の腹部の数も多くなる。また、共振周波数が低くなるにつれて振動形状の振幅周期も長くなり、振動形状の腹部の数も少なくなる。ここでは、腹部の数が少ない順に振動モードA、振動モードB、振動モードCが設定されている。なお、本実施形態では、説明を簡単にするため3つの振動モードを例とするが、振動モードの数はさらに多くてもよい。また、振動形状の「腹部」とは、振動形状の山(頂点付近)の区間をいい、「節部」とは、隣り合う腹部と腹部との間の区間をいう。
光学部材5の表面に付着した異物を除去する場合、通常は振動モードA、振動モードB、振動モードCの順に異なる共振周波数による振動を発生させている。これによれば、光学部材5の有効撮影領域(横幅方向)では、振動モードA〜Cのいずれかの振動形状の山部による振幅が発生することになるため、光学部材5の有効撮影領域を含むほぼ全体を満遍なく振動させることができる。
また、各振動モードでは、振動ユニット6の駆動電圧、駆動時間(振動時間)、及びその回数が基準の駆動回数として設定されている。例えば、振動モードAでは、所定の駆動電圧により5秒間×3回が基準の駆動回数として設定されているとすると、異物除去処理が実行されるごとに、振動モードAでは、5秒間×3回の駆動が行われる。振動モードB、振動モードCについても、それぞれ所定の駆動電圧、駆動時間及び駆動回数が設定されている。
本実施形態のカメラ1では、上述した複数の振動モードを組み合わせて異物除去処理を行う通常の駆動方式に加えて、ユーザにより指定された異物の位置に応じて選択した振動モードにより異物除去処理を行う本実施形態の駆動方式を実行している。ここで、振動モードの振動条件としては、先に説明した振動ユニット6の駆動時間、駆動回数、駆動電圧などである。本実施形態では、駆動回数が通常よりも多くなるように変更する例について説明する。ただし、変更する振動条件は、駆動時間、駆動回数、駆動電圧のうちの少なくとも一つであればよく、また複数の振動条件を組み合わせてもよい。
画像処理部7は、撮像部3から出力された画像信号に対し、ノイズ除去、A/D変換、色補正処理、サイズ変更、符号化などの、アナログ及びデジタルの画像処理を行い、最終的な画像データを作成する。この画像データはDRAM15に一時的に記憶される。
表示パネル8は、カメラ1の上面に配置された白黒の液晶ディスプレイパネルであり、撮影モード、絞り値、シャッタスピードなどの撮影情報などが表示される。
圧電素子駆動回路9は、上述した振動ユニット6に対して、各振動モードに応じた周波数の電圧を印加する。すなわち、圧電素子駆動回路9は、振動形状の異なる複数の各振動モードに応じて圧電素子を振動させる振動素子駆動手段として機能する。
制御部10は、カメラ1全体の動作を制御する回路であり、マイクロプロセッサにより構成されている。制御部10では、焦点調節のためのレンズ駆動量を演算し、撮影レンズ2の一部を光軸方向に移動させる不図示のレンズ内モータ又はボディ内モータを駆動して、焦点調節を行う。また、被写体光の輝度や、撮影レンズ2の種類、開放F値、焦点距離などのレンズ情報のほか、ユーザにより設定された撮影モード、図示しない感度設定部から入力された感度情報などに基づいて適正な露出値を演算する。そして、その露出値に応じた絞り値とシャッタスピード値を選択し、不図示の絞りユニットやシャッタユニットを駆動して露出制御を行う。
また、制御部10は、ユーザ操作により本実施形態の駆動方式による異物除去処理が選択されたときに、後述する液晶モニタ12に光学部材5と相対的に等しい大きさの位置指定画面を表示させる表示制御手段としての処理を実行する。本実施形態では、位置指定画面として、撮像素子4により撮像された白画面の画像データに基づく画像を液晶モニタ12に表示させている。
また、制御部10は、光学部材5に付着している異物の位置を特定する異物位置手段としての処理を実行する。本実施形態では、前記白画面の画像データに基づいて光学部材5に付着している異物の位置を特定するようにしている。ただし、異物の位置を特定する手法は本実施形態の例に限らず、どのような手法によるものであってもよい。
また、制御部10は、液晶モニタ12に表示された位置指定画面に対してユーザが指定した目標位置を取得する目標位置取得手段としての処理を実行する。ここで、目標位置とは、液晶モニタ12の位置指定画面に対してユーザが除去したい異物を指定したときの位置を示している。本実施形態では、後述するように、白画面を複数の小領域に分割して表示し、その複数の小領域の中からユーザにより指定された小領域の座標を位置情報として取得するようにしている。ここで、小領域内には異物の形状がそのまま表示される。ただし、目標位置の取得は本実施形態の例に限らず、どのような手法によるものであってもよい。
なお、制御部10の表示制御手段としての処理においては、異物の存在する小領域を位置指定画面に表示させるようにしてもよい。ここでは、異物の形状が小領域内に表示されることはなく、異物の存在する範囲が小領域として表示される。また、制御部10の表示制御手段としての処理においては、異物の大きさなどに応じて小領域を異なる色で表示させるようにしてもよい。上記のような小領域は、例えば白画面又は無地画面上に表示される。
さらに、制御部10は、目標位置取得手段の処理において取得した目標位置と振動形状の山部とが一致する振動モードを選択し、その振動モードの振動条件を変更する振動制御手段としての処理を実行する。ここで、選択される振動モードは1つであってもよいし、2以上あってもよい。また、駆動条件の変更は、本実施形態においては振動ユニット6の駆動回数が通常よりも多くなるようにしている。ただし、異物が振動形状の山部と一致する振動モードの振動条件のみを変更し、異物が振動形状の山部と一致しない振動モードの振動条件を変更しないようにしている。
操作部材11は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作入力手段であり、ダイアル、ボタン、レバー、スイッチなどで構成されている。ここで、カメラ1の外観とともに操作部材11の具体例について説明する。図4は、本実施形態のカメラ1を背面側から見たときの斜視図である。本実施形態のカメラ1は、カメラボディ20と、撮影レンズ2及び不図示の絞りユニットが収納されたレンズ鏡筒30とを備えており、カメラボディ20にレンズ鏡筒30が着脱自在に装着されるレンズ交換式のデジタルカメラとして構成されている。カメラボディ20の上面には、撮影モードなどを選択可能なモードダイアル21、ポップアップ式の閃光装置(ストロボ)22、表示パネル8、レリーズボタン23が配置されている。また、カメラ1を背面から見たときに、右側にはユーザが撮影時にカメラ1を保持する際に使用するグリップ24が設けられている。
一方、カメラ1の背面であって、グリップ24の近傍には、メインダイアル25が配置されている。また、カメラ1の前面側であって、グリップ24の近傍には、サブダイアル26が配置されている。これらのダイアルは、主に露出モードの設定や、絞り値、シャッタスピード、露出補正値などを入力するためのダイアルであるが、図示しない他のボタンとの組み合わせで各種機能の設定が可能となる。
さらに、カメラ1の背面には液晶モニタ12が配置されている。この液晶モニタ12は、カラーの液晶ディスプレイパネルにより構成され、本実施形態における表示手段として機能する。この液晶モニタ12には、表示パネル8と同じ撮影モード、絞り値、シャッタスピードなどの撮影情報が表示されるほか、メニュー画面、モード設定画面や、撮像された画像(再生画像)やライブビュー画像を含む動画、異物除去処理における白画面などが表示される。ユーザは液晶モニタ12に表示されたメニュー画面から、通常又は本実施形態の異物除去処理を選択することができる。
また、液晶モニタ12の上部には、ユーザが接眼状態で被写体像を観察するファインダ29が配置されている。また、右側にはセレクタダイアル27が配置されている。セレクタダイアル27は、上下左右の4方向と中央に図示しない電気接点を持つダイアル形のスイッチである。ユーザが上下左右に刻印されている矢印マーク28aを指で押すと、その矢印マーク28aの方向が選択方向として入力される。また、中央に配置されたOKボタン28bが押下されると、その時点での選択内容で決定したことが入力される。このセレクタダイアル27は、主に液晶モニタ12や表示パネル8などに表示された撮影条件などの変更操作や、メニュー項目、撮影済み画像の変更操作などに用いられる。本実施形態では、後述するように、セレクタダイアル27の操作により異物除去処理モードにおいて、ユーザが液晶モニタ12に表示された白画面上で異物の位置を指定することができる。
再び図1に戻って説明する。EEPROM13は、カメラ1の電源がオフしても記憶した情報を保持する不揮発性メモリであり、ユーザ設定やカスタム設定などの入力情報のほか、白画面の画像データなどが記憶される。また、EEPROM13には、各振動モードにおける駆動時間、駆動回数、及び駆動電圧が記憶される。後述の実施形態においては、駆動回数として、基準の駆動回数NAO、NBO、NC0のほか、実際の駆動回数NA、NB、NCなどが記憶される。ROM14は、カメラ1の動作や制御に必要なプログラムのほか、このプログラムの実行に必要な初期値や設定値などが記憶される。RAM15は、カメラ1の電源がオフしたときに記憶した情報が消去される揮発性メモリであり、上述した画像データのほか、画像処理部7や制御部10などが処理を行う際に必要なデータが一時的に記憶される。
メモリカードI/F(インターフェース)部16は、DRAM15に記憶されている画像データをメモリカード17に記録し、またメモリカード17に記録されている画像データを読み出す機能を備えた書き込み/読み出し装置である。このメモリカードI/F部16の図示しないメモリカードスロットには、メモリカード17が着脱自在に装着される。
次に、白画面の画像データに基づく異物の位置の特定、ユーザによる異物の位置の指定、及びユーザにより指定された異物の位置と振動形状の山部とが一致する振動モードの選択についての具体例について説明する。
図5(a)〜(d)は、撮像された白画面と光学部材5上に付着した異物の位置との関係を示す説明図である。本実施形態の異物除去処理モードでは、光学部材5に付着している異物を検出するために、白画面の画像データを取得する必要がある。このような白画面の画像データは、撮影レンズ2の先端から10cmほど離れた位置に、明るく均一な白色被写体を固定し、これを画面いっぱいに撮影することにより取得される。本実施形態の異物除去処理モードを実施する場合、ユーザは上記のような手法により、あらかじめ白画面の画像データを取得することになる。
図5(a)は、撮像された白画面の一例を示している(破線は分割された小領域を示す)。光学部材5に異物が付着している場合は、例えば、図示のように有効撮影領域100の中に異物101が写り込むことになる。制御部10は、白画面の画像データをパターン認識等の手法により解析し、異物が存在すると推定される場合は、白画面の画像データを液晶モニタ12に表示させる。なお、異物が存在する小領域を表示する場合は、異物が有効撮影領域100のどの小領域に存在するかを特定し、その小領域の位置情報をDRAM15に記憶しておく。
図6(a)、(b)は、液晶モニタ12に表示される白画面を示す説明図であり、それぞれ異物の位置を指定する方式を示している。図6(a)に示すモニタ画面120には、図5(a)の小領域に対応する格子状の線が表示されており、その中に異物101が表示されている。また、モニタ画面120には、ユーザが異物101の位置を指定するためのカーソル121が表示されている。ユーザは、モニタ画面120に表示された白画面を見ながら、除去したい異物101の位置を指定する。具体的には、カメラ1背面のセレクタダイアル27(図4)の上下左右に描かれている所定の矢印マーク28aを押すことにより、カーソル121を所望の方向に動かして、異物101の位置にカーソル121の矢印先端を合わせる。そして、セレクタダイアル27の中央にあるOKボタン28bを押すことにより、異物101の位置を指定することができる。ここで指定された位置を含む小領域の位置情報は、制御部10によりDRAM15に記憶される。
また、図6(b)に示すモニタ画面120についても、図5(a)の小領域に対応する格子状の線が表示されており、その中に異物101が表示されている。この実施形態では、カーソルの代わりに一つの小領域122がグレー表示されている。ユーザは、モニタ画面120に表示された白画面を見ながら、除去したい異物101の存在する小領域を指定する。具体的には、カメラ1背面のセレクタダイアル27(図4)の上下左右に描かれている所定の矢印マーク28aを押すことにより、グレー表示された小領域122を所望の方向に動かして、異物101の存在する小領域に合わせる。そして、セレクタダイアル27の中央にあるOKボタン28bを押すことにより、異物101の存在する小領域を指定することができる。このとき指定された小領域の位置情報は、制御部10によりDRAM15に記憶される。
なお、図6(a)、(b)のように、白画面上に異物101の形状そのものを表示せずに、異物101が存在する小領域を表示するようにしてもよい。その場合に、異物101が存在する小領域を他の小領域と異なる色に表示するようにしてもよい。更に、その場合には、異物101の大きさや種類に応じて小領域の色や濃淡を変えて表示するようにしてもよい。例えば、異物の大きさを「大」、「中」、「小」の3段階に分類した場合は、「大」を赤、「中」を黄色、「小」を緑というように表示する。或いは、「大」を黒、「中」を中間グレー、「小」を薄いグレーというように、白黒の濃淡(階調)により表示するというものである。なお、異物101の大きさや種類は、上述したパターン認識等の手法により特定することができる。
更には、上記のような小領域を表示した画面を、異物101そのものを表示している白画面と切り替え可能に表示するようにしてもよい。また、格子状の線は必ずしも表示する必要はなく、カーソル121やグレーの小領域122のみを表示するようにしてもよい。
上記のようにユーザが液晶モニタ12に表示された白画面を見ながら異物の位置を指定すると、制御部10は、指定された異物101の位置情報に基づいて、この異物101の位置と振動形状の山部とが一致する振動モードを選択する。図5(b)〜(d)は、図3に示した振動モードA〜Cの山部を斜線、節部を白色で示している。すなわち、図5(b)は振動モードAの山部、図5(c)は振動モードBの山部、図5(d)は振動モードCの山部をそれぞれ示している。ユーザにより指定された、図5(a)に示す異物101の位置に対して、この異物101が振動形状の山部に存在する振動モードは、振動モードBと振動モードCとになる。このため、制御部10は、振動モードBと振動モードCを、振動条件を変更とする振動モードとしてDRAM15に記憶する。
次に、本実施形態における異物除去処理の手順を図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。この実施形態では、異物の位置と振動形状の山部とが一致する振動モードの駆動回数を変更するようにしている。なお図7において、NA0、NB0、NC0は基準の駆動回数であり、所定の回数が初期値として設定されている。また、NA、NB、NCは実際の駆動回数である。駆動回数NA、NB、NCに変更がなければ、NA=NA0、NB=NB0、NC=NC0となる。この異物除去処理のルーチンは、ROM14に記憶された異物除去処理プログラムを起動することにより実行される。
まず、制御部10は、EEPROM13に記憶している駆動回数NA、NB、NCを初期値にリセットする(ステップS101)。続いて、白画面の画像データがEEPROM13に記憶されているかどうかを判定する(ステップS102)。このステップS102の判定がNOであれば、ステップS113へ進み、YESであれば、白画面の画像データを解析して、異物が存在するかどうかを判定する(ステップS103)。このステップS103の判定がNOであれば、ステップS112へ進み、YESであれば、白画面の画像データを液晶モニタ12に表示させる(ステップS104)。そして、ユーザにより異物の位置が指定されると、その小領域の位置情報を取得する(ステップS105)。
次に、制御部10は、ユーザにより指定された異物の位置と振動形状の山部とが一致する振動モードを選択する(ステップS106)。先に説明した図5の例では、振動モードBと振動モードCが選択されているため、ここでは振動モードB及びCでは駆動回数が変更されることになる。
次に、制御部10は、選択されたのが振動モードAかどうかを判定する(ステップS107)。このステップS107の判定がNOであれば、ステップS109へ進み、YESであれば、駆動回数NA=NA0+1とする(ステップS108)。続いて、選択されたのが振動モードBかどうかを判定する(ステップS109)。このステップS109の判定がNOであれば、ステップS111へ進み、YESであれば、駆動回数NB=NB0+1とする(ステップS110)。続いて、選択されたのが振動モードCかどうかを判定する(ステップS111)。このステップS111の判定がNOであれば、ステップS113へ進み、YESであれば、駆動回数NC=NC0+1とする(ステップS112)。
なお、上記ステップS107、ステップS109、ステップS111の判定がいずれもNOであれば、駆動回数NA、NB、NCは、基準の駆動回数NA0、NB0、NC0のままとなる。すなわち、異物が存在している場合であっても、その異物の位置と振動形状の山部とが一致する振動モードがない場合は、基準の駆動回数NA0、NB0、NC0により各振動モードが実行されることになる。また、ステップS103の判定がNOの場合も、基準の駆動回数NA0、NB0、NC0により各振動モードが実行される。
本実施形態の例では、振動モードBと振動モードCが選択されているため、振動モードAの駆動回数は初期値NA0となるが、振動モードBと振動モードCの駆動回数はそれぞれ初期値よりも1回多い回数が設定されることになる。すなわち、制御部10は、EEPROM13に記憶している駆動回数NA、NB、NCのうち、NB、NCの駆動回数を変更することになる。
次に、制御部10は、EEPROM13に記憶している白画面の画像データを削除する(ステップS113)。そして、圧電素子駆動回路9を制御して、EEPROM13に記憶している駆動回数NA、NB、NCに基づいて、各振動モードを実行する(ステップS114)。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ユーザにより指定された異物の位置と振動形状の山部とが一致する振動モードを選択し、この選択した振動モードに応じて光学部材5を振動させるようにしたので、光学部材5において異物の付着している部分は振動形状の山部により確実に振動することになる。したがって、光学部材5の表面に付着した異物を効率良く除去することができる。
(2)光学部材5の表面に付着した異物を示す画像を位置指定画面として表示するようにしたので、ユーザは異物の位置を視覚的に確認することができる。
(3)白画面の画像データを位置指定画面として表示するようにしたので、異物は白画面を背景に黒く映し出されることになる。したがって、ユーザは画面上に表示された異物を容易に見つけることができる。また、異物の位置を特定し、その異物の存在する小領域を位置指定画面に表示させることにより、ユーザは画面上に表示された異物の位置を容易に見つけることができ、またその位置を速やかに指定することができる。
(4)特定された異物に応じて小領域を異なる色で表示させることにより、ユーザは異物の大きさを視覚的に簡単且つ速やかに判断することができる。これにより、例えば、急いで撮影する必要がある場合には、大きな異物のみを指定するようにすることで、シャッターチャンスを逃すことなしに、大きな異物が目立たない画像を撮影することができる。
(5)選択された振動モードの駆動条件を変更するようにしたので、例えば振動モードの共振周波数による駆動回数を多くするようにした場合は、光学部材5において異物の付着している位置を通常よりも多く振動させることができる。したがって、光学部材5の表面に付着した異物をより効率良く除去することができる。この場合、特定された異物に応じて小領域を異なる色で表示させた場合には、色に応じて選択された振動モードの駆動条件を変更するようにしてもよい。すなわち、小領域の色に応じて、駆動条件となる駆動回数や駆動電圧などの値が異なるように制御するというものである。
(6)白画面の画像データを解析して異物が存在しない場合は、基準の駆動回数NA0、NB0、NC0により各振動モードが実行されるので、異物として認識されない微細な塵埃等についても除去することができる。同様に、異物が存在している場合でも、その異物の位置と振動形状の山部とが一致する振動モードがない場合は、基準の駆動回数NA0、NB0、NC0により各振動モードが実行されるので、通常の駆動回数による異物除去の効果を期待することができる。
(7)基準の駆動回数NA0、NB0、NC0をゼロと設定した場合は、異物の位置と振動形状の山部とが一致する振動モードのみが実行されることになるので、異物除去処理に要する時間を短縮することができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明は以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、モニタ画面120に異物の位置や小領域を示した白画面を表示するようにしているが、ユーザがモニタ画面120を参照することなしに異物の位置を特定できる場合(例えば、プリント出力やパソコンの画面上で異物の位置が特定できた場合等)は、異物の表示されていない白画面又は無地の画面を表示するようにしてもよい。この場合も、ユーザは図6(a)、(b)に示した入力方式により異物の位置を指定することができる。
(2)本実施形態では、異物の位置を指定する操作入力手段として、上下左右に選択方向を入力するセレクタダイアル27を用いた例について示したが、押された方向が全方位で選択方向となるセレクタダイアルを用いてもよい。また、液晶モニタ12の表面にタッチパネル(接触型センサ)を配置し、液晶モニタ12に表示されている白画面に対してユーザが指やペン型部材を接触させることにより異物の位置を指定するようにしてもよい。
(3)異物除去処理が終了した後、異物の存在した小領域の位置情報をEEPROM13などに記憶しておき、連続して或いは次回の異物除去処理で同一領域が指定された場合は、駆動条件となる駆動回数や駆動電圧などの値が更に大きくなるように制御してもよい。これによれば、同じ領域で除去されない異物に対して、より集中的に振動を与えることができる。この場合、駆動回数や駆動電圧などの値に上限を設けておき、その上限値を越えても同じ領域に除去されない異物が存在する場合は、ユーザに対し光学部材5をブロアなどで掃除することや、サービスセンターでクリーニングすることを促すメッセージを液晶モニタ12に表示させるようにしてもよい。
(4)特定された異物が画面上のどの位置に存在するかによって駆動条件を変えるようにしてもよい。例えば、横位置の画面では下半分に床や地面などが写り、上半分に主要被写体が写ることが多いと考えられるため、異物が画面の上半分の領域に存在する場合は、駆動回数や駆動電圧などの値を下半分よりも大きくするというものである。このような制御を行うことにより、目立ちやすい位置に存在する異物をより効率良く除去することができる。また、姿勢センサを備えた機種において、カメラが横位置か縦位置かに応じて上記制御を切り替えるようにしてもよい。
(5)画面上の特定領域を拡大表示する機能を備えた機種では、異物の存在する領域を拡大表示するようにしてもよい。この場合は、異物の存在する領域を拡大表示した状態で、例えば図4に示すセレクタダイアル27のOKボタン28bを押すことにより、ユーザは異物の存在する小領域を指定することができる。これによれば、ユーザはその異物を除去するか否かを異物の大きさや形状などを見ながら判断することができる。
(6)上記実施形態では、異物の位置と振動形状の山部とが一致する振動モードの駆動回数を基準の駆動回数よりも1回多くする例について示したが、この例に限定されず、さらに多くの回数に変更するようにしてもよい。また、振動モードに応じて増やす回数が異なるようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、白画面の画像データを解析して異物が存在しない場合に、基準の駆動回数により各振動モードを実行するようにしているが、異物が存在していなければ、白画面の画像データを削除した後、各振動モードを実行することなく処理を終了するようにしてもよい。
(8)上記実施形態では、ROM14に記憶された異物除去処理プログラムを起動することにより異物除去処理が実行される例について示したが、制御部10により実行される異物除去処理プログラムの一部又は全部に相当するプログラムが記録された記憶媒体を用意し、必要に応じてその記録媒体をカメラ1へ装着して内部に記録されているプログラムを読み込むようにしてもよい。
また、上記実施形態及び変形形態は適宜に組み合わせて用いることができるが、各実施形態の構成は図示と説明により明らかであるため、詳細な説明を省略する。さらに、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
5:光学部材、6:振動ユニット、9:圧電素子駆動回路、10:制御部、12:液晶モニタ、13:EEPROM、14:ROM、15:DRAM、27:セレクタダイアル、61,62:圧電素子

Claims (7)

  1. 被写体像を光電変換面で光電変換する撮像素子と、
    前記撮像素子の前面に設けられ、前記光電変換面に被写体像を結像させる光学部材と、
    前記光学部材を振動させる振動素子と、
    表示手段と、
    前記表示手段に前記光学部材と相対的に等しい大きさの位置指定画面を表示させる表示制御手段と、
    ユーザによる操作入力を受け付ける操作入力手段と、
    前記表示手段に表示された位置指定画面に対してユーザが前記操作入力手段を介して指定した目標位置を取得する目標位置取得手段と、
    前記目標位置取得手段により取得された目標位置と振動形状の山部とが一致する振動モードを選択する振動制御手段と、
    前記振動制御手段により選択された振動モードに応じて前記振動素子を振動させる振動素子駆動手段と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置であって、
    前記表示制御手段は、
    前記光学部材の表面に付着した異物を示す画像を前記表示手段の位置指定画面として表示させること、
    を特徴とする撮像装置。
  3. 請求項2に記載の撮像装置であって、
    前記表示制御手段は、
    前記撮像素子により撮像された白画面の画像データに基づく画像を前記表示手段の位置指定画面として表示させること、
    を特徴とする撮像装置。
  4. 請求項2又は3に記載の撮像装置であって、
    前記光学部材に付着している異物の位置を特定する異物特定手段を備え、
    前記表示制御手段は、
    前記異物特定手段により特定された異物の存在する小領域を前記表示手段の位置指定画面に表示させること、
    を特徴とする撮像装置。
  5. 請求項4に記載の撮像装置であって、
    前記表示制御手段は、
    特定された前記異物に応じて前記小領域を異なる色で表示させること、
    を特徴とする撮像装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
    前記振動制御手段は、
    選択された振動モードの駆動条件として、当該振動モードの共振周波数による駆動時間、駆動回数及び駆動電圧のうち少なくとも一つを変更すること、
    を特徴とする撮像装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
    前記振動制御手段は、
    前記目標位置取得手段により取得された目標位置と振動形状の山部とが一致する振動モードの振動条件を変更し、前記目標位置と振動形状の山部とが一致しない振動モードの振動条件を変更しないこと、
    を特徴とする撮像装置。
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