JP2010177404A - 発光装置用の冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】一般的なガラスエポキシ等のプリント回路基板に実装される高輝度LEDからの熱を効率良く放散させることができる冷却構造を提供すること。
【解決手段】高輝度LED15の放熱部15ceでプリント回路基板14の貫通穴14cを覆うように発光手段15をプリント回路基板14の上面14aに配置し、発光手段15が発する熱を放散するための放熱板11をプリント回路基板14からみて放熱板11の側に配置する。プリント回路基板14より厚さが厚い熱伝導性のスペーサー10を貫通穴14c内に配置するとともにスペーサー10の上面10aを発光手段15の放熱部15ceと放熱板11の上面11aに当接させ、発光手段15を放熱板11の方向へ押圧する押圧板13で発光手段15とスペーサー10を挟持固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント回路基板に実装した発光手段を冷却する発光装置用の冷却構造に関する。
従来、マイコンなどの発熱量の多い電子部品は一般的に、部品表面にヒートシンク等の放熱体を接触させて空気中に熱を放出させるが、LEDをプリント回路基板に実装した場合、部品表面に放熱体を取り付けることは発光の妨げとなるため、放熱体をプリント回路基板に取り付け、LEDの発光時に発生した熱をプリント回路基板を介して、放熱体(シャーシやヒートシンク等)に熱伝導させて放熱体から空気中に放熱させている。
そのため、発熱量の多い高輝度LEDの場合には、プリント回路基板に高い熱伝導性がなければLEDからの熱を十分に放熱させることができない。従って、高輝度LEDの実装には、アルミニウムやセラミックなどの熱伝導性の高い材質で作られたプリント回路基板を使用するのが一般的である。
また、LEDからの熱を放熱させる別の方法として、図16に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
その構成は、プリント回路基板1aに貫通穴1bを設け、金属製の支持部材2に支持突起2aを形成し、この支持突起2aの(図16において)上面に未封入LED発光素子3を配置し、ワイヤボンドで未封入LED発光素子3をプリント回路基板1aに取り付ける。 この方法によれば、LEDから発した熱を支持部材2から放熱させることができ、未封入LED発光素子3を支持部材2と共にLEDをプリント回路基板1aから取り除くことができる。
特許3783572号
しかしながら、高熱伝導性のプリント回路基板を用いる前者の場合、このプリント回路基板へ高輝度LEDをはんだ付けで実装する際に、プリント回路基板の熱伝導性の高さが災いして、はんだ付けのために加えた熱がプリント回路基板に拡散し、はんだ箇所を十分に加熱することが難しい。これを防止する為には、プリント回路基板全体を高温に保つ必要があり、高輝度LEDを初めとする実装部品に高い熱負荷を掛けてしまうこととなる。
さらに、このような高熱伝導性のプリント回路基板は、通常のガラスエポキシなどで製造したプリント回路基板よりも高価であるだけでなく,製造に金型が必要となり、製造や変更に要する費用も高額となる。
そのため、一般的なガラスエポキシ等のプリント回路基板が望ましいが、ガラスエポキシ等を材料とした通常のプリント回路基板は熱伝導性が低く放熱効率が良くないため、LEDからの熱をこのようなプリント回路基板を介して放熱させる従来の冷却方法では、LEDからの熱を外へ逃がすことができず、高輝度LEDとその周囲の温度が上昇してその周囲にある電子部品や高輝度LEDの寿命が著しく低下してしまう問題があった。
また、後者の特許文献1のものによれば、プリント回路基板1aにLED発光素子3を取り付けず、着脱可能な金属製の支持部材2にLED発光素子3を直接取り付けるので、プリント回路基板1aを介さずに放熱させることができ、上記問題が解決されるが、この技術は、樹脂封入されていない未封入のLED発光素子3をプリント回路基板1aにワイヤボンドで取り付けるとともに支持部材2の支持突起2aに直接取り付けてLED発光素子3を冷却するものであるため、パッケージに封入された封入済みの高輝度LEDの冷却には適用することは出来ない。
また、パッケージに封入された封入済みの高輝度LEDをプリント回路基板に実装する量産ラインが一般的であるため、この量産ラインに未封入の高輝度LEDをプリント回路基板に実装するラインを付加することとすると、ダイボンディング、樹脂封入など、通常の基板実装では使用しない設備の追加が必要となり、製造コストが増加してしまう。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、熱伝導率が低い、例えば、一般的なガラスエポキシ等のプリント回路基板に実装される高輝度LEDから発する熱を効率良く放熱させることができる冷却構造および冷却方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、プリント回路基板と、前記プリント回路基板の一方の面に実装される発光手段とを備え、前記発光手段は、底部に放熱部が形成された本体部と、この本体部の上部に設けられた発光部とを有した発光装置であって、前記発光手段の放熱部の熱を放熱する放熱板を前記プリント回路基板の他方の面の側に配置する発光装置用の冷却構造において、
前記プリント回路基板に貫通穴を形成し、
前記発光手段の放熱部で前記プリント回路基板の貫通穴を覆うように前記発光手段を前記プリント回路基板に実装し、
前記プリント回路基板より厚さが厚い熱伝導性のスペーサーを、前記プリント回路基板の貫通穴内に配置し、
前記発光手段の本体部と前記スペーサーを挟持する挟持手段を設け、
前記発光手段の本体部および前記スペーサーを前記放熱板と前記挟持手段とで挟持してそのスペーサーを前記発光手段の放熱部および前記放熱板の面に当接させたことを特徴とする。
この発明によれば、熱伝導率が低い、例えば、一般的なガラスエポキシ等のプリント回路基板に実装される高輝度LEDから発する熱を効率良く放熱させることができる。
発光装置と実施例1の冷却構造を示す分解斜視図である。 発光装置と実施例1の冷却構造を示す斜視図である。 図2のA‐A線に沿う発光装置と冷却構造の断面を示す図である。 図2のB‐B線に沿う発光装置と冷却構造の断面を示す図である。 実施例1の冷却構造の放熱板に接するスペーサーの下面にシリコーンを塗布した他の例の冷却構造を示す図である。 実施例1のスペーサーに絶縁性で熱伝導性のシートを設けた例の冷却構造を示す図である。 実施例1の図2のB−B線に対応する発光装置と実施例2の冷却構造の断面を示す図である。 発光装置と実施例2の他の例の冷却構造の上面を示す図である。 図8のM−M線に沿う断面を示す図である。 発光装置と実施例2の他の例を示す図である。 発光装置と実施例3の冷却構造を示す分解斜視図である。 発光装置と実施例3の冷却構造を示す斜視図である。 図12のC−C線に沿う断面を示す。 実施例3の冷却構造のシートとして弾性を有したシートを適用し、冷却構造のプリント回路基板を直接ネジ固定した際に生じる物理的な力を示す図である。 発光装置と実施例4の冷却構造の断面を示す図である。 発光装置と実施例4の他の例の冷却構造の断面を示す図である。 発光装置と従来の冷却構造の断面を示す図である。
以下、本発明に係る冷却構造を実現する最良の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
まず、本発明に係る実施例1の発光装置用の冷却構造について説明する。
本発明に係る発光装置は、図1および図2に示すように、プリント回路基板14と、プリント回路基板14の上面14aに取り付けられる高輝度LED(発光手段)15等とを有している。発光装置には、冷却構造100が設けられている。
高輝度LED15は、LED素子を封入した略直方体状に形成された樹脂製の本体部15cと、本体部15cの上面15caに設けられたレンズ部(発光部)15fとを有している。
高輝度LED15の本体部15cの両側面15cc,15cdには端子15a,15bがそれぞれ設けられている。端子15a,15bはLED素子(図示せず)のアノード,カソードに接続されている。
また、高輝度LED15の本体部15cの底面(底部)15cbには、この底面15cbと面一となるように高輝度LED15の放熱部15ceが形成されている。
このプリント回路基板14には、貫通穴14cと、この貫通穴14cを囲うように複数のネジ穴14f,・・・が形成されている。この貫通穴14cは、高輝度LED15の放熱部15ceと平面視で略同一形状に且つこの放熱部15ceよりも小さく形成されている。
高輝度LED15の各端子15a,15bは、プリント回路基板14の上面14aに設けられた端子接続部14ea,14ebにそれぞれはんだ付けされており、プリント回路基板14の貫通穴14cが本体部15cの放熱部15ceで覆われている。
冷却構造100は、高輝度LED15が発する熱を放熱させるための放熱板11と、プリント回路基板14より厚さが厚く、熱伝導性に優れた直方体状のスペーサー10と、押圧板13と、高輝度LED15を放熱板11に固定するための複数のネジ(締結部材)N,・・・等とを有している。そして、ネジNと押圧板13とで挟持手段を構成する。
放熱板11は、一般的にプリント回路基板14の放熱に用いられるヒートシンクなどと同質の金属の材料(例えば、アルミニウムなど)からなる。
この放熱板11には、プリント回路基板14のネジ穴14fや押圧板13のネジ穴13aに対応する複数のネジ穴11c,・・・が形成されている。複数のネジ穴11cにはネジNのネジ部Naが螺合される。
スペーサー10は、放熱板11と同質の素材からなり、平面視でプリント回路基板14の貫通穴14cと略同一の形状に且つ貫通穴14cより小さく形成されている。
スペーサー10の材質については、上記のものに限られず、成形性があり所定以上の熱伝導率を有しているものであればよい。
また、金属製の押圧板13には、高輝度LED15のレンズ部15fと平面視で略同一形状の貫通穴13bと、複数のネジ穴13a,・・・とが形成され、押圧板13の一方の上面13cは、鏡面仕上げとなっている。
次に、本実施例の冷却構造100の組み付けを説明する。
先ず、プリント回路基板14に高輝度LED15を実装しておく。次に、図1に示すように、スペーサー10を放熱板11の上面11aの所定位置に配置する。
そして、図4に示すようにプリント回路基板14の貫通穴14cにスペーサー10を入れて、プリント回路基板14を放熱板11の上に配置する。
この際、プリント回路基板14のネジ穴14fを放熱板11のネジ穴11cに一致させる。
この状態では、スペーサー10の厚さがプリント回路基板14の厚さより厚いことにより、プリント回路基板14の下面14bと放熱板11の上面11aとは所定の間隔離間した状態となり、スペーサー10の上面10aが高輝度LED15の放熱部15ceに当接する。
そして、押圧板13の貫通穴13bに高輝度LED15のレンズ部15fを通してこの押圧板13を高輝度LED15の本体部15cの上面15caに当接させる。これにより、押圧板13の上面13cから高輝度LED15のレンズ部15fが突出する。
この際、押圧板13のネジ穴13aがプリント回路基板14のネジ穴14fおよび放熱板11のネジ穴11cと平面視で一致させる。
次に、図3に示すように、押圧板13のネジ穴13a、プリント回路基板14のネジ穴14fおよび放熱板11のネジ穴11cにネジNをそれぞれ通し、このネジNのネジ部Naを放熱板11のネジ穴11cに螺合させて各ネジNを締めていく。
この締め付けにより、高輝度LEDの本体部15cおよびスペーサー10が放熱板11と押圧板13に挟持されるとともに、スペーサー10の上面10aが高輝度LEDの放熱部15ceに、スペーサー10の下面10bが放熱板11の上面11aに密着し、冷却構造100の組み付けが完了する。
この組み付けでは、プリント回路基板14のネジ穴14fにネジNを通しているだけなので、高輝度LED15の端子15a,15bのみによってプリント回路基板14が保持される。
次に、本実施例の冷却構造100の作用を図3および図4を参照しながら説明する。
高輝度LED15を点灯させると、高輝度LED15から熱が発生し、この熱は、その放熱部15ceからスペーサー10を介して放熱板11へと伝わり、この放熱板11から放熱されていくが、スペーサー10の上面10aと下面10bとが高輝度LED15の放熱部15ceと放熱板11の上面11aに密着していることにより、高輝度LED15で発生した熱が効率良く放熱板11へ伝わり、このため高輝度LED15の放熱効率が高まる。
また、高輝度LED15の熱をスペーサー10を介して放熱板11から放熱させるようにしたので、熱伝導性の高いプリント回路基板を用いる必要がなくなり、発熱量が多い高輝度LEDであっても熱伝導性の低い一般的なガラスエポキシ等のプリント回路基板に実装することができる。
なお、本実施例では、底面に放熱部15ceが設けられた高輝度LEDを例に挙げているが、樹脂パッケージに特に放熱部を持たず、端子15a,15bからのみ発熱する高輝度LEDにおいても、本実施例の冷却構造により樹脂パッケージの底面を冷却して放熱効果を高める事ができる。
また、プリント回路基板14は、高輝度LED15の端子15a,15bに保持され、プリント回路基板14のネジ穴14fにはネジNが通されているだけなので、ネジNの締め付けの際に、高輝度LED15の端子15a,15bのはんだ付け部分を剥がすような物理的な力がプリント回路基板14に働くことがない。
因みに、押圧板13を設けずに、放熱板11から離間した状態でプリント回路基板14を放熱板11に直接ネジ止めすると、ネジの頭でプリント基板14が押さえ込まれて歪んでしまうが、本実施例1では、このような歪みが発生することがなく、プリント回路基板の歪みによって高輝度LED15や他の電子部品の端子のはんだ付け部分が剥がれたり、端子自体が損傷してしまう問題が生じない。
すなわち、高輝度LED15の端子15a,15bに物理的なストレスを掛けずにスペーサー10、プリント回路基板14および高輝度LED15を放熱板11に固定することができる。
加えて、プリント回路基板14の下面14bが放熱板11に接していないので、下面14bにもプリント配線を施すことができ、電子部品をプリント回路基板に高密度で実装することができるようになるため、発光装置をより小型化できる。
さらに、押圧板13の上面13cから高輝度LED15のレンズ部15fが突出し、この押圧板13の上面13cが鏡面仕上げとなっているので、レンズ部15fから発光した光がこの押圧板13により遮られることがなく(図2参照)、しかも、その光を押圧板13の上面13cで反射させることができ、この結果高輝度LED15のみかけ上の輝度を上げることができる。
このように、押圧板13の上面13cで高輝度LED15の光を反射させているので白色レジストを塗布したプリント回路基板14で反射させる通常の方法より高い反射率が得られる。
また、押圧板13の上面13cで光を反射させていることにより、プリント回路基板14の表面色が問われない事ととなり、プリント回路基板14に一般的なレジストやシルク印刷を施すことができる。
実施例1では、押圧板13と放熱板11でスペーサー10および高輝度LED15の本体部15cを挟持したが、スペーサー10および高輝度LED15の本体部15cを放熱板11とで挟持することができるものであれば押圧板13以外のものを用いてもよい。
図5は実施例1の他の例を示したものであり、この例は、シリコーンSiをスペーサー10の下面10bに塗布し放熱板11の上面11aにスペーサー10を載置して冷却構造を組み付けるものである。このシリコーンSiにより、放熱板11の上面11aおよびスペーサー10の下面10bの傷Scrを埋めて、放熱板11の上面11aに接する面積を増加させることで、スペーサー10からの熱の伝導効率を高めることができる。
また、図6は実施例1の別の他の例を示したものであり、放熱板11にスペーサー10Aを一体に形成したものである。一体に形成することによりスペーサー10Aと放熱板11と間の接触熱抵抗を無くし熱伝導効率を高めることができる。
図7は実施例2を示したものであり、この実施例2の発光装置200は、図示はしていないが、その高輝度LED150のアノードとカソードに電気的に接続された端子150a,150bの何れか一方が放熱部150ceと接続されている。そして、この高輝度LED150の放熱部150ceとスペーサー10の上面10aとの間に絶縁性のシートS1を設けて絶縁したものである。
このシートS1は、組み付け時の加圧によりほとんど厚さが変わらない樹脂製のシートであり、上記絶縁の維持ができる範囲で可能な限り薄く設定され、例えば、シリコン製のシートが用いられる。
このシートS1の絶縁により、高輝度LED150を点灯した際に放熱部150ceからスペーサー10へ電流が流れない。このため、単一の高輝度LED150を実装している場合では、その端子150a,150bの一方を流れる電流が地絡することがなく、また複数の高輝度LED150を実装している場合には、高輝度LED150間で短絡することがない。
図8および図9は、実施例2の他の例を示すものである。この他の例は、図8および9に示すように、プリント回路基板140と放熱板11との間に且つネジN,N間に、絶縁性を有し且つ例えばシリコン製のシートS2を設けたものである。
シートS2の短手方向の巾は、ネジN,N間の離間距離より狭く、好適には放熱板11に対向するスペーサー10の下面10bの巾とほぼ同一に設定されている。
このシートS2により、実施例2と同様の効果に加え、シートS1のようにシートS2を個々の高輝度LED150ごとに切断加工して配置する手間を省略することができ、またシートS2に固定用ネジ穴を設ける必要もなく、多数の高輝度LED150を実装する場合にその工程が短縮される。
実施例2やその他の例では、高輝度LED150の端子150a,150b間の短絡等を防止するために絶縁性を有し且つ高い熱伝導性を有するシートS1やS2を用いているが、上述したようにその肉厚は薄く設定されている。この理由は、シートS1,S2がスペーサー10や放熱板11に比べて熱伝導性が低く、シートS1,S2の肉厚を厚く設定すると放熱効率が下がってしまうということによる。
しかし、放熱効率が低下しても高輝度LED150の温度やその周囲の電子部品の温度が各電子部品の規格の許容値範囲内に収まるのであれば、図10に示すように、シートS1より厚いシートS3をスペーサー10の代わりに用いても良い。
この場合、例えば、シートS1,S2より熱伝導性が高く且つ絶縁性を有する別の素材を用いてスペーサー10の代わりとしてもよい。なお、シートS3の厚さがシートS1,S2の厚さより厚くなることから、シートS1,S2より体積抵抗率が低い素材を用いることができ、製造コストを低く抑えることができる。
図11〜13に示す実施例3は、プリント回路基板14の振動を抑制するシートS4を設けた例である。なお、実施例1と同一の部材には同一符号を付してその説明を省略する。
図11〜13に示す冷却構造300は、スペーサー10と、放熱板11と、押圧板13と、絶縁性を有し且つ弾性を有し加圧により変形するシートS4,S4と、複数のネジN(締結手段)とを有している。
このシートS4の弾性率は、冷却構造300を組み付ける際に、ネジNの締結により、その厚みを減じながらもプリント回路基板14を構造的に支持しうる適度な弾性率(所定の硬さ)に設定されている。
実施例3の冷却構造300によれば、シートS4がプリント回路基板14の下面14bと放熱板11の上面11aとの間に挟まれているので、プリント回路基板14の上下方向(図13において)の振動が抑制される。
また、シートS4に絶縁性を有するものを用いることで、プリント回路基板14の下面14bにもプリント配線を施すことができる。このシートS4の厚さは、プリント回路基板14と放熱板11との絶縁の維持ができる範囲の厚さに設定されている。このシートS4には、例えば、シリコン製のシートが用いられる。シートS4による短絡などの問題もない。
図14は、実施例3の他の例を示したものである。この例のものは、絶縁性のシートS5を放熱板11とプリント回路基板14との間に介在させて、押圧板13(図13参照)を省略したものである。
シートS5は、例えばシリコン製のシートであり、所定の硬さを有し、ネジNの締め付けによってプリント回路基板14のネジNの頭部周辺部が矢印P方向へ沈み込むことがないようになっている。このため、プリント回路基板14をシートS5を介して放熱板11にネジNにより固定することが可能となる。
因みに、プリント回路基板14のネジNの頭部周辺部が矢印P方向に沈み込んでしまうと、ネジNとネジNとの間のプリント回路基板14の部分に矢印Q方向の力が作用し、高輝度LED15の端子15a,15bのハンダ付け部分が剥がれてしまう場合がある。
この実施例では、シートS5が所定の硬さを有していることに拠り、このような問題を発生させること無く、ネジNによってプリント回路基板14を放熱板11に固定することができ、これにより押圧板13の省略を図ったものである。
また、シートS5をシートS4と同質の素材にすることに拠り、プリント回路基板14の裏面14bにもプリント配線を施すことができる。
図15に示す実施例4は、プリント回路基板14に高輝度LED15をはんだ付けによらなくとも実装できるようにした例である。
なお、実施例1と同一の部材には同一符号を付してその説明を省略する。
この実施例4では、高輝度LED15の端子15a,15b(図省略)はプリント回路基板14にはんだ付けされていない。
図15に示す冷却構造400は、放熱板11と、押圧板13と、プリント回路基板14より厚さが厚いスペーサー10と、シートS5より柔らかく弾性材料からなるシートS6と、複数のネジ(締結手段)N,・・・等を有している。
スペーサー10の厚さは、圧縮される前のシートS6と略同一の厚さである。
プリント回路基板14の裏面14bにプリント配線を施さないので、シートS6は必ずしも絶縁性を必要としない。
この冷却構造400によれば、実施例1の効果に加え以下のような作用・効果が得られる。
ネジNの締め付けによって、押圧板13が高輝度LED15の本体部15cを押圧していき、シートS6が所定の弾性を有していることに拠り押圧圧縮されていく。
そして、このシートS6が圧縮されていくことに拠り、高輝度LED15の端子15a,15bの先端部がプリント回路基板14の端子接続部14ea,14eb(図省略)に圧接される。この圧接により、高輝度LED15をプリント回路基板14にはんだ付けにより実装する必要がなくなる。ネジNは、スペーサー10がプリント回路基板14と高輝度LED15の本体部15cとで挟持されるまで締め付ける。
高輝度LED15の端子15a,15bがはんだ付けされていないため、高輝度LED15の長時間点灯および高輝度LED14の点灯中に端子15a,15bが高温となっても、はんだ内部の鉛相とすず相が粗大化してはんだクラックの原因となる問題やはんだ内部のすずがプリント回路基板の銅等への拡散が加速して端子15a,15bやプリント回路基板14とはんだとの間に界面剥離が生じはんだクラックとなる問題、高輝度LED15をプリント回路基板へはんだ付けする際のヒートショックによるはんだクラックの問題等が生じず、発光装置の製品信頼性が向上する。
図16は、実施例4の他の例の冷却構造500を示す。この冷却構造500は、両面にプリント配線を施したプリント回路基板141と、このプリント回路基板141と放熱板11との間にシートS8を設けるとともに高輝度LED150の放熱部150ceとスペーサー50の上面50aとの間にスペーサー50と平面視で略同一に形成された絶縁性シートS7を設け、高輝度LED150のはんだ付けを省略したものである。
シートS8は、シートS6と略同じ厚さおよびやわらかさであり、絶縁性を有している。
この冷却構造500によれば、実施例2および4と同様な効果を得ることができる。
実施例1乃至4では、発光装置に対し冷却構造を適用する例を示したが、高輝度LEDを実装した高熱伝導性のプリント回路基板にも適用することができる。要するに、高輝度LEDが実装されたプリント回路基板を有する機器であれば適用できる。
10 スペーサー
10a 上面
11 放熱板
13 押圧手段(押圧板)
14 プリント回路基板
14a 上面
14c 貫通穴
15 発光手段としての高輝度LED
15ce 放熱部

Claims (11)

  1. プリント回路基板と、前記プリント回路基板の一方の面に実装される発光手段とを備え、前記発光手段は、底部に放熱部が形成された本体部と、この本体部の上部に設けられた発光部とを有した発光装置であって、前記発光手段の放熱部の熱を放熱する放熱板を前記プリント回路基板の他方の面の側に配置する発光装置用の冷却構造において、
    前記プリント回路基板に貫通穴を形成し、
    前記発光手段の放熱部で前記プリント回路基板の貫通穴を覆うように前記発光手段を前記プリント回路基板に実装し、
    前記プリント回路基板より厚さが厚い熱伝導性のスペーサーを、前記プリント回路基板の貫通穴内に配置し、
    前記発光手段の本体部と前記スペーサーを挟持するための挟持手段を設け、
    前記発光手段の本体部および前記スペーサーを前記放熱板と前記挟持手段とで挟持してそのスペーサーを前記発光手段の放熱部および前記放熱板の面に当接させたことを特徴とする発光装置用の冷却構造。
  2. 前記挟持手段は、前記発光手段の本体部を押圧する押圧板と、この押圧板と前記放熱板とを締結する締結部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の発光装置用の冷却構造。
  3. 前記発光手段の発光部が突出する側の前記押圧板の面を鏡面仕上げとしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光装置用の冷却構造。
  4. 前記プリント回路基板と前記放熱板との間に、弾性のシートを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の発光装置用の冷却構造。
  5. 前記プリント回路基板は、前記発光手段の本体部の端子を接続するための端子接続部を有し、
    前記挟持により、前記端子の先端部を前記端子接続部に圧接して電気的に接続することを特徴とする請求項4に記載の発光装置用の冷却構造。
  6. プリント回路基板と、前記プリント回路基板の一方の面に実装される発光手段とを備え、前記発光手段は、底部に放熱部が形成された本体部と、この本体部の上部に設けられた発光部とを有した発光装置であって、前記発光手段の放熱部の熱を放熱する放熱板を前記プリント回路基板の他方の面の側に配置する発光装置用の冷却構造において、
    前記プリント回路基板に貫通穴を形成し、
    前記発光手段の放熱部で前記プリント回路基板の貫通穴を覆うように前記発光手段を前記プリント回路基板に実装し、
    前記プリント回路基板より厚さが厚い熱伝導性のスペーサーを前記プリント回路基板の貫通穴内に配置し、
    前記放熱板を前記プリント回路基板から所定距離離間させた状態で、前記プリント回路基板に締結手段により締結したことを特徴とする発光装置用の冷却構造。
  7. 前記プリント回路基板と前記放熱板との間に、弾性のシートを設けたことを特徴とする請求項6に記載の発光装置用の冷却構造。
  8. 前記プリント回路基板の両面にプリント配線を施し、前記シートが絶縁性を有していることを特徴とする請求項4、請求項5および請求項7の何れか1つに記載の発光装置用の冷却構造。
  9. 前記放熱板の面に接する前記スペーサーの面に熱伝導性の樹脂を塗布したことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の発光装置用の冷却構造。
  10. 前記スペーサーを前記放熱板に一体形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の発光装置用の冷却構造。
  11. 前記発光手段はLED素子を有し、このLED素子のアノードもしくはカソードに接続された端子の何れか一方と前記発光手段の放熱部が接続され、前記発光手段の放熱部に接する前記スペーサーの面を、絶縁性を有し且つ熱伝導性を有するシートで覆うことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載の発光装置用の冷却構造。
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