JP2010176983A - コンセント - Google Patents

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哲 上野
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真樹 近藤
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Abstract

【課題】同一形状のプラグ接続部で複数種類の電源に対応できる小型のコンセントを提供する。
【解決手段】コンセントAは、負荷機器からのプラグが着脱自在に接続されるプラグ接続部20が前面に設けられた器体1を備える。プラグ接続部20は、プラグの先端部が挿入されるプラグ挿入用の凹所21と、当該凹所21の底壁22aに開口する複数の栓刃挿入用孔23a,23bと、当該栓刃挿入用孔23a,23bを通して器体1の内部に挿入された栓刃に電気的に接続される刃受部材と、凹所21の側壁22bにおいて給電電圧の種類に応じた位置に設けられ、対応するプラグに設けられた嵌合溝に凹凸嵌合する突条24,25,26とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、直流用又は交流用のコンセントに関するものである。
従来、交流電源を駆動電源とする交流機器に、交流電源を供給するためのコンセントが提供されている(例えば特許文献1参照)。またラジオや電話機などの電気機器には直流電源を駆動電源とするものがあり、このような直流機器に直流電源を供給するための直流コンセントも公知であった(例えば特許文献2参照)。
上記の特許文献2に開示された直流コンセントは、壁内に組み込まれたスイッチボックスに収納されるコンセント本体を具備し、このコンセント本体に交流電源を直流電源に変換するコンバータが内蔵されている。そして、スイッチボックスに相対するコンセント本体の面には、壁内に配線された交流電源の電源線が接続される交流接続端子が設けられ、室内に相対するコンセント本体の面には、直流機器からの接続線に設けたプラグが着脱自在に接続されるプラグ接続部が設けられている。而して、直流コンセントの交流接続端子に交流電源の電源線が接続されると、内蔵するコンバータにより交流電源が直流電源に変換されてプラグ接続口に供給され、プラグ接続部に対してプラグが接続された直流機器に直流電源を供給することができる。
またIEC規格(CEI/IEC 906−3)では、8種類(交流及び直流の6V,12V,24V,48V)の安全特別低電圧(SELV:Safety Extra-Low Voltage)電源に対してプラグ及びソケットの形状、寸法および極配置が規定されており、本願の出願人は、上記IEC規格に準拠したプラグ接続部が設けられたコンセントを提案している(特願2008−184112号参照)。このコンセントでは、コンセント本体の前面に、円柱状のプラグの先端部が挿入される丸穴状のプラグ挿入用穴が設けられるとともに、このプラグ挿入用穴の内周面との間に隙間を設けた状態で、プラグ挿入用穴の底面から前方に向かって円柱状の突出部を突出させており、当該突出部の前面にはプラグ側端子が差込接続される端子挿入用孔を開口させ、端子挿入用孔を通してコンセント本体内に挿入されるプラグ側端子が電気的に接続される刃受部材を突出部内に配置してある。また突出部の周面には電圧の種類に応じた位置に凹溝が形成されており、プラグ側の突起と凹溝とが嵌合することによって、異種のプラグがコンセントに誤接続されるのを防止している。
特開平11−135183号公報(段落[0014]、及び、第1図) 特開平7−15835号公報(段落[0021]−[0023]、及び、第1図)
上述した特許文献1,2のコンセントは、供給電源の電源電圧や電流容量の違いによって種類が複数存在するが、特許文献1に示すコンセントでは、プラグの栓刃が挿入される栓刃挿入用孔の配置や形状を、電源の種類に応じて変更することで、異種のプラグが接続されるのを防止していた。また特許文献2に示す直流コンセント及びプラグでは、電源電圧や電流容量の違いに応じてプラグの接触子の外径寸法が異なっており、接触子の外径に合わせた径の接触子挿入孔が開口していた。そのため、特許文献1,2のコンセントでは、栓刃挿入用孔の配置や形状、或いは、接触子挿入孔の径が異なるコンセントが供給電源の種類だけ存在し、そのためコンセントの器体を樹脂成形する際に用いられる金型の種類が増えて、コスト高を招くという問題があった。
一方、IEC規格に準拠したプラグ接続部を備えるコンセントでは、供給電源の種類を示す凹溝以外のプラグ接続部の形状は、供給電源の種類に関係無く同じ形状であるが、刃受部材を収納する突出部は、コンセントの前面に設けたプラグ挿入用穴の底面から前方に突出しているので、コンセントの前面の大きさに比べて刃受部材の収納スペースが小さく、しかも電源の種類を示す凹溝が突出部の周面に形成されているから、凹溝の分だけ突出部の内側の収納スペースがさらに小さくなるという問題があった。また、刃受部材の収納スペースを大きくするために、突出部を大きくしようとすると、突出部の周りにはプラグが差し込まれる隙間が設けられているので、コンセント本体の全体を大きくしなければならず、コンセント本体の小型化の妨げになるという問題があった。
また突出部の内側に収納される刃受部材を小さくした場合、正極および負極の刃受部材の間隔を十分大きくとることができないため、絶縁性や耐電圧の問題から大きな電圧を供給しにくくなり、供給電圧に制約があるという問題もあった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、同一形状のプラグ接続部で複数種類の電源に対応できる小型のコンセントを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、負荷機器からのプラグが着脱自在に接続される1乃至複数のプラグ接続部がコンセント本体の前面に設けられ、プラグ接続部は、プラグの先端部が挿入されるプラグ挿入用の凹所と、当該凹所の底面に開口する複数の栓刃挿入用孔と、当該栓刃挿入用孔を通してコンセント本体内部に挿入された栓刃に電気的に接続される刃受部材と、凹所の側壁において給電電圧の種類に応じた位置に設けられた突起又は凹溝からなり、対応するプラグに設けられた被嵌合部と凹凸嵌合する嵌合部とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、嵌合部は、給電電圧が交流か或いは直流かを示す第1の嵌合部と、給電電圧の電圧レベルを示す第2の嵌合部と、給電電圧が安全特別低電圧か又は非安全特別低電圧かを示す第3の嵌合部のうちの複数を組み合わせて設けられたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の何れかの発明において、凹所内に、プラグ側に設けられた被係合部と係合して、プラグの抜けを防止する抜止手段が設けられたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの発明において、コンセント本体は、日本工業規格に準拠した大きさであって、大角形連用配線器具の取付枠に3個まで並べて取着可能なモジュール寸法の複数個分の大きさに形成されるとともに、前面を取付枠の開口から前方に露出させた状態で取付枠に取り付けるための取付手段を備えたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至3の何れかの発明において、コンセント本体は、日本工業規格に準拠した大きさであって、大角形連用配線器具の取付枠に3個まで並べて取着可能なモジュール寸法の3個分の大きさに形成され、且つ、コンセント本体は、造営面に開口する埋込用孔にコンセント本体の後部を収納した状態で埋込用孔の周縁部に後面が当接する固定片と、当該固定片に設けられ固定片を造営面に固定するために用いる固定手段とを備えたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4又は5の何れかの発明において、プラグ接続部の凹所は、前面視の形状が四角形状に形成されたことを特徴とする。ここにおいて、四角形状とは四角形の4つの角部に丸みをもたせたような形状も含むものとする。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかの発明において、外部電源からの電線が接続される電源入力端子と、電源入力端子を介して入力された外部電源を、対応するプラグ接続部に適合した電源に変換して当該プラグ接続部の刃受部材に供給するコンバータとを備えたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7の発明において、コンバータは、電源入力端子に入力された直流電源をプラグ接続部に適合した電圧値に変換して当該プラグ接続部に供給するDC−DCコンバータからなり、電源入力端子とDC−DCコンバータとの間に入力電源の極性をDC−DCコンバータの入力側の極性に適合させる極性修正回路が設けられたことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかの発明において、プラグ接続部が、凹所の底面に開口して、プラグが備える接地極の栓刃が挿入される接地極用の栓刃挿入用孔と、当該栓刃挿入用孔を通してコンセント本体内部に挿入された接地極用の栓刃に電気的に接続される接地極用の刃受部材とを備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、栓刃挿入用孔の配置は、給電電圧の種類に関係無く同じ配置となっており、プラグ接続部に設けられた凹所の側壁において、給電電圧の種類に応じた位置に嵌合部が形成されているので、給電電圧の異なる複数種類のコンセントで、嵌合部の位置を除いてはコンセント本体の形状を同一の形状に形成できるから、コンセント本体を樹脂成形するために使用する金型の設計を共通化でき、コンセントの製造コストを低減することができる。しかも、プラグ接続部では、凹所の底面に栓刃挿入用孔が開口し、コンセント本体の内部には栓刃挿入用孔に臨んで刃受部材が収納されているので、IEC規格に準拠したプラグ接続部を備えるコンセントのように円柱状の突出部の内部に刃受部材が配置される場合に比べて、刃受部材の収納スペースをコンセント本体の内部に広くとることができ、その結果、刃受部材の大きさを大きくできるから、絶縁性や耐電圧性能を向上させることができ、より高電圧の給電電圧を供給することができる。また更に、給電電圧を識別するための嵌合部は凹所の側壁に形成されているので、嵌合部を設けることによって、刃受部材の収納スペースが小さくなることはなく、刃受部材を小型化することで絶縁性能や耐電圧性能が低下するのを防止することができる。
請求項2の発明によれば、凹所の側壁には、第1〜第3の嵌合部のうちの複数が組み合わせて設けられているので、コンセントに対して給電電圧の異なるプラグが誤接続されるのを防止することができる。
請求項3の発明によれば、抜止手段がプラグ側の被係合部と係合することで、使用者の意図に反してプラグが抜けてしまうのを防止することができる。
請求項4の発明によれば、コンセント本体はモジュール寸法の複数個分の大きさに形成されているので、大角形連用配線器具の取付枠を用いて埋込配設することができる。またコンセント本体がモジュール寸法の1個分又は2個分の大きさに形成されている場合は、モジュール寸法の1個分の大きさに形成された他の配線器具、或いは、モジュール寸法の2個分の大きさに形成された他の配線器具と共に取付枠に取り付けることができ、使い勝手を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、コンセント本体はモジュール寸法の3個分の大きさに形成されており、コンセント本体の後部を埋込用孔に収納し、固定片の後面を埋込用孔の周縁部に当接させた状態で、固定手段を用いて固定片が造営面に固定されるので、取付枠を用いることなくコンセント本体を造営面に埋込配設することができる。
請求項6の発明によれば、モジュール寸法の1乃至複数個分に形成されたコンセント本体の前面は矩形状に形成されているので、プラグ接続部の凹所を四角形状に形成することで、凹所をできるだけ大きく形成することができ、その結果、コンセント本体の内部に刃受部材の収納スペースを広くとることができる。
請求項7の発明によれば、コンバータが、電源入力端子に供給された外部電源をプラグ接続部に適合した電圧値に変換して刃受部材に供給しているので、負荷機器に対応した電源をプラグ接続部から供給することができる。
請求項8の発明によれば、電源入力端子に接続される直流電源の極性が入れ替わっても、DC/DCコンバータには適正な極性の直流電源が入力されるから、直流電源からの電線の極性を気にせず、電源入力端子に接続することができる。
請求項9の発明によれば、接地極付きの差込プラグを接続することで、コンセントに差込プラグが接続された負荷機器を接地することができる。
実施形態1のコンセントを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は下面図、(d)は背面図である。 同上の分解斜視図である。 (a)は同上を取付枠に取り付けた状態の斜視図、(b)は同上を取付枠に取り付ける前の状態の斜視図である。 同上にプラグを接続する前の状態を示す断面図である。 (a)〜(d)は同上の施工状態を説明する正面図である。 同上に接続されるプラグを示し、(a)は正面図、(b)は外観斜視図である。 実施形態2のコンセントの正面図である。 同上に接続されるプラグを示し、(a)は正面図、(b)は外観斜視図である。 (a)〜(d)は同上の他の極配置を説明する正面図である。 実施形態3のコンセントを示し、(a)は正面図、(b)は要部断面図である。 同上に接続されるプラグを示し、(a)は正面図、(b)は断面図である。 同上にプラグを接続した状態の断面図である。 実施形態4の2個モジュール寸法に形成されたコンセントを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は下面図、(d)は背面図である。 (a)〜(c)は同上の施工状態を説明する正面図である。 同上の3個モジュール寸法に形成されたコンセントを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は下面図、(d)は背面図である。 同上の施工状態を説明する正面図である。 実施形態5のコンセントを示し、(a)は正面図、(b)は一部省略せる背面図である。 (a)(b)は実施形態6のコンセントを示す回路ブロック図である。 同上の他の回路例を示し、(a)は回路ブロック図、(b)(c)は電流経路の説明図である。 (a)(b)は実施形態7のコンセントの回路ブロック図である。
以下に、本発明に係る直流コンセントの実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図6に基づいて説明する。本実施形態のコンセントAは造営面(壁など)に埋込配設され、造営面の裏側に先行配線された電力線が接続されるとともに、前面のプラグ差込部にプラグが接続された負荷機器に対して直流又は交流の安全特別低電圧(SELV:Safety Extra-Low Voltage)電源を供給するものであり、コンセントAと差込プラグBとで配線用差込接続器を構成する。なおIECでは60Vよりも高い電圧を危険電圧、60V以下の電圧を特別低電圧と規定しており、本実施形態のコンセントAは8種類の安全特別低電圧(直流および交流の48V,24V,12V,6V)に対応している。
本実施形態のコンセントAの正面図を図1(a)に、左側面図を図1(b)に、下面図を図1(c)に、背面図を図1(d)に、分解斜視図を図2にそれぞれ示す。尚、以下の説明では特に断りが無いかぎり、図1(a)の向きにおいて上下左右の方向を規定し、また図1(a)における正面を前面という。したがって、図1(b)における左側は後側となる。
コンセントAは合成樹脂製の器体1(コンセント本体)を備え、この器体1は、前面が開口した略箱状の合成樹脂製のボディ2と、後面が開口した略箱状の合成樹脂製のカバー3とを、金属製の組立枠4,4にて結合して組み立てられる。
カバー3の前面には突台5が一体に突設され、突台5の前面には直流電源用のプラグが着脱自在に接続されるプラグ接続部20が設けられている。また突台5の左右両側の肩部6には、略コ字状に形成された組立枠4の中央片がそれぞれ載置される。組立枠4の両脚片は、カバー3およびボディ2の側面にそれぞれ形成された係止凹部7,8に挿入され、両脚片の先端部に設けた略V形の引掛爪4c,4cを拡開させて係止凹部8の両側段部に係止させることによって、ボディ2とカバー3とが組立枠4,4により結合される。なお組立枠4の中央片の外側縁には、合成樹脂製の取付枠80(図3参照)に設けられた取付孔に係合可能な一対の係止爪4aが突設されるとともに、中央片の内側縁から前方に突出する突出片に、金属製の取付枠に取り付ける際に取付枠の係止爪が係止される係止孔4bが設けられている。ここにおいて、係止爪4aと係止孔4bとで、前面を取付枠の開口ら前方に露出させた状態で取付枠に取り付けるための取付手段が構成されている。
一方、ボディ2には長手方向(左右方向)の略中央を隔壁9で仕切ることによって、左右両側に端子収納室10,10が設けられている。各端子収納室10には、プラグ接続部20に適合した直流電源からの電線が接続される端子部11(電源入力端子)がそれぞれ収納されている。またボディ2の底面には、図1(d)及び図4に示すように、各端子収納室10と外部とを連通する各一対の電線挿入孔2aと、解除釦操作孔2bとがそれぞれ形成されている。尚、コンセントAに直流電源が供給される場合、端子部11に接続される電線には極性があるので、誤接続防止のため図1(d)に示すようにボディ2の底面において電線挿入孔2aの近傍に給電電圧や接続電線の極性を示す文字や記号(例えば「DC48V」の文字や「+」、「−」といった記号)を印刷などの方法で表示してもよく、誤接続の可能性を低減することができる。
各端子部11は、電線挿入孔2aから内部に挿入された電線に接続される側面視略コ字形の端子板12と、2個の電線挿入孔2aから器体1内に挿入された電線の芯線をそれぞれ端子板12に圧接接続する2個の鎖錠ばね13と、端子板12と電線との接続を外すために2個の鎖錠ばね13を圧接解除方向に撓ませる解除釦14とを具備した速結端子構造を有している。また本実施形態においては、端子板12の一側片の先端から側方に延出する延出片12cに、後述する差込プラグBの栓刃53a,53b(図8参照)を受ける刃受部材15がかしめ固定されて、端子板ブロック16を構成している(図3及び図4参照)。なお刃受部材15は弾性を有する帯板を逆Ω字形に曲成して形成されており、底片の両側から突出する一対の刃受ばね片15aは互いに対向配置され、両者の間隔が上方ほど幅狭となるように傾斜し、且つ、上端間は栓刃53a,53bが挿入しやすいよう上方ほど間隔が広がるように傾斜している。
そして、端子板12のコ字状部分に鎖錠ばね13が配置されると、端子板12の一方の側片12aに鎖錠ばね13に設けた鎖錠片13a及び接触片13bが対向する。鎖錠片13a及び接触片13bは、弾性を有する導電材料の帯板の両端部を曲成して中央片13cの両端部に形成されている。鎖錠片13aは中央片13cとの連結部位から先端縁に向かって端子板12の側片12aに近づく向きに傾斜し、接触片13bは略S字形に曲成されている。また、中央片13cは略平板状に形成されていて端子板12の他方の側片12bに当接する。各端子板12は、図4に示すように各端子収納室10内に一対の鎖錠ばね13と解除釦14とが納装された後、端子板12のコ字状部分に鎖錠ばね13及び解除釦14を収めるようにして端子収納室10に収納されている。
この端子部11に電線を接続するに当たっては、電線の被覆が剥かれた芯線をボディ2の底面に開口する電線挿入孔2aに挿入すると、この芯線が鎖錠ばね13の鎖錠片13a及び接触片13bと端子板12の側片12aとの間に挿入され、鎖錠片13aの先端が電線に食い込んで抜け止めがなされるとともに、鎖錠片13a及び接触片13bによって電線が端子板12の側片12aに圧接されることにより、電線と端子板12との導通(接続)が図られる。すなわち端子部11として速結端子構造のものを用いることで、特別な工具を必要とせずに電線の接続作業が行え、電線接続作業の作業性を向上させることができる。また電線を取り外す際には、解除釦操作孔2bを通して挿入されたドライバなどの治具により解除釦14を押動すると、解除釦14に押されて鎖錠ばね13の鎖錠片13aが側片12aから離れる向きに撓められ、鎖錠片13aの先端が電線から引き離されるので、電線を容易に引き抜くことができ、電線の取り外し作業を容易に行うことができる。
ここで、コンセントAの器体1は、日本工業規格(JIS C 8303参照)に準拠した大きさであって、大角形連用配線器具の取付枠80(JIS C 8375参照)に3個まで並べて取着可能なモジュール寸法の1個分の大きさ(この大きさを1個モジュール寸法という。)に形成されている。図3(b)はコンセントAを取付枠80に取り付ける前の状態を示しており、この取付枠80は、長手方向に対向する取付片81にボックスねじ用の長孔82と、はさみ金具が取着される取着孔(図示せず)と、プレートねじ用のねじ孔83とが少なくとも設けてある。また、取付枠80の長手方向に沿う側片85,86のうち、一方の側片85には2個で1組となった係止孔(図示せず)が3組ずつ並設され、他方の側片86には横長の板片87が垂設されている。この板片87には開口部89が長手方向に3個並設され、各開口部89の下縁には突出片88が上方へ突設してある。
而して、このコンセントAを造営面に埋込配設する際には、先ずコンセントAの一方の組立枠4に設けた係止爪4aを側片85の係止孔に挿入したのち、他方の組立枠4の係止爪4aを突出片88の両側の肩部88aに載せるようにして開口部89に挿入すれば、図3(a)に示すように突台5の前面を開口84から露出させた状態で器体1を取付枠80に取り付けることができる。次に造営面に開口する埋込用孔を通して電線を室内側に引き出した後、この電線の被覆が剥かれた芯線を電線挿入孔2aに挿入して、直流電源からの電線をコンセントAに接続する。そして、器体1の後部を埋込用孔に埋設するようにして取付枠80を造営面に固定することによって、コンセントAの器体1が取付枠80を介して造営面に固定される。
ここにおいて、コンセントAの器体1は1個モジュール寸法に形成されているので、図5(a)に示すようにコンセントAを大角形連用配線器具の取付枠80に3個まで並設することができ、取付枠80を用いて造営面に埋込配設することができる。尚、図5(a)中の90は取付枠80の前面側に取着される化粧プレートであり、化粧プレート90の開口窓91からコンセントAの突台5の前面が露出するようになっている。
また、コンセントAの器体1は1個モジュール寸法に形成されているので、1個モジュール寸法或いは2個モジュール寸法に形成された他の配線器具と共に取付枠80に取り付けることができる。図5(b)〜(d)は本実施形態のコンセントAを他の配線器具と共に並設した状態を示しており、図5(b)の例では2個のコンセントAがLAN用のモジュラコンセントCと共に取付枠80に並設されている。また図5(c)の例では2個のコンセントAが、JIS規格に準拠した交流100V用のコンセントDと共に取付枠80に並設され、図5(d)の例ではコンセントAがそれぞれ1個モジュール寸法に形成されたTV用のコンセントE及びLAN用のモジュラコンセントCと共に取付枠80に並設されている。このようにコンセントAの器体1はモジュール寸法の1個分の大きさに形成されているので、モジュール寸法の1個分の大きさに形成された他の配線器具、或いは、モジュール寸法の2個分の大きさに形成された他の配線器具と共に取付枠80に取り付けることができ、使い勝手が向上するという利点がある。
次に本実施形態が備えるプラグ接続部20について説明する。プラグ接続部20は、図1及び図2に示すように、突台5の前面中央を四角形状に凹ませることによって形成されたプラグ挿入用の凹所21を備え、この凹所21の底壁22aには、差込プラグBの栓刃53a,53bが挿入される一対の栓刃挿入用孔23a,23bが開口している。栓刃挿入用孔23a,23bは長孔状であって、凹所21の底壁22aにおいて上側部の左右両側に略平行して設けられており、器体1の内部には栓刃挿入用孔23a,23bにそれぞれ臨んで刃受部材15,15が収納されている(図4参照)。
ここで、コンセントAは8種類(交流及び直流の6V,12V,24V,48V)のSELV(Safety Extra-Low Voltage)電源に対応しているが、給電電圧の種類に関係無く、凹所21の形状、大きさや、栓刃挿入用孔23a,23bの形状、大きさ、配置は同一に形成されているので、給電電圧の異なる差込プラグBがプラグ接続部20に接続されないように、凹所21の側壁22bにおいて給電電圧の種類に応じた位置には、給電電圧の種類を識別するための突条24,25,26がプラグ挿入方向(図1(a)における前後方向)に沿って突設されている。なお、3個の突条24,25,26の内、第1の突条たる突条24は、給電電圧が交流か或いは直流かを示すためのもので、右側の側壁22bにおいて上下2箇所の形成位置a,bの何れかに設けられ、例えば直流の場合は上側の形成位置aに、交流の場合は下側の形成位置bに突条24が設けられる。また第2の突条たる突条25は、給電電圧の電圧レベルを示すもので、下側の側壁22bにおいて4箇所の形成位置c,d,e,fの何れかに設けられ、例えば左端から順番に6V,12V,24V,48Vの形成位置となっている。また第3の突条たる突条26は、給電電圧が安全特別低電圧(SELV)か又は非安全特別低電圧(非SELV)かを示すためのもので、安全特別低電圧電源の場合は上側の側壁22bの所定位置gに突条26が設けられ、非安全特別低電圧電源の場合は突条26が設けられないようになっている。ここにおいて、図1に示すコンセントAは、DC6VのSELV電源を供給するためのものであり、右側の側壁22bにおいて上側の形成位置aに突条24が設けられ、下側の側壁22bにおいて左端の形成位置cに突条25が設けられ、上側の側壁22bにおける所定位置gに突条26が設けられている。なお、本実施形態では3種類の突条24,25,26が全て設けられているが、3種類のうちの複数を組み合わせて設けるようにしてもよく、コンセントAに対して給電電圧の異なる差込プラグBが誤接続されるのを防止することができる。また各突条24,25,26の形成位置は上記の形態に限定されるものではなく、給電電圧の識別が可能な位置であればどのような位置に設けてもよい。また本実施形態では、給電電圧の種類に応じた位置に、差込プラグBに設けた嵌合溝54,55,56(被嵌合部)に嵌合する突条(突起)24,25,26からなる嵌合部が設けられているが、差込プラグB側に突起が形成されるとともに、差込プラグB側の突起に凹凸嵌合する凹溝を嵌合部としてコンセントA側に設けてもよい。
次に、コンセントAに着脱自在に接続される差込プラグBについて図6(a)(b)を参照して説明する。差込プラグBは負荷機器からの電線60の端末に接続されている。差込プラグBは略角柱状のプラグ本体50を備え、プラグ本体50の先端側には平面視の形状が略四角形状であって、プラグ接続部20の凹所21内に挿入される突台51が一体に突設されている。そして、突台51には、栓刃挿入用孔23a,23bにそれぞれ対応する位置に栓刃53a,53bが突設されている。また突台51の側壁52において、給電電圧の種類に応じた位置には、上述の突条24が嵌合する交流/直流識別用の嵌合溝54と、突条25が嵌合する電圧レベル識別用の嵌合溝55と、突条26が嵌合するSELV/非SELV識別用の嵌合溝56とが、それぞれ、プラグ挿入方向に沿って形成されている。
而して、この差込プラグBをコンセントAのプラグ接続部20に接続する際には、差込プラグBを正規の向きに向けた状態で、差込プラグBの先端側の突台51を凹所21内に挿入すると、凹所21の側壁22bに設けた突条24,25,26が、突台51の側壁52に設けた嵌合溝54,55,56内に挿入されるとともに、栓刃53a,53bが栓刃挿入用孔23a,23bを通して器体1内部に挿入されて、対応する刃受部材15,15に差込接続される。このとき、コンセントAの刃受部材15,15に差込プラグBの栓刃53a,53bが電気的に接続され、コンセントAに差込プラグBが接続された負荷機器に対して直流電源が供給されるのである。なお、給電電圧の種類が異なる差込プラグBをコンセントAに接続しようとしても、突台51の側壁52に設けられた嵌合溝54,55,56の位置と、凹所21の側壁22bに設けられた突条24,25,26の位置とが一致しないため、差込プラグBの誤接続を防止でき、負荷機器に対して定格以外の電圧が供給されることがない。
以上説明したように本実施形態のコンセントAは、給電電圧の種類に関係無く、栓刃挿入用孔23a,23bの配置が同じ配置となっており、凹所21の側壁22bに設けた突条24,25,26の配置が給電電圧に応じて異なっている。すなわち給電電圧の異なる複数種類のコンセントAで、突条24,25,26の位置を除いては器体1の形状は同一の形状に形成されているので器体1を樹脂成形するために使用する金型の設計を共通化できるからコンセントの製造コストを低減することができる。
またコンセントAでは、前面に設けた凹所21の底面(底壁22a)に栓刃挿入用孔23a,23bが開口し、器体1の内部には各栓刃挿入用孔23a,23bに臨んで刃受部材15,15が収納されているので、IEC規格に準拠したプラグ接続部を備えるコンセントに比べて、刃受部材15,15の収納スペースを器体1の内部に広くとることができ、その結果、刃受部材15,15の大きさを大きくできるから、絶縁性や耐電圧性能を向上させることができ、より高電圧の給電電圧を供給することができる。また更に、給電電圧を識別するための突条24,25,26は、凹所21の側壁22bに形成されているので、突条24,25,26を設けることによって、刃受部材15,15の収納スペースが小さくなることはなく、刃受部材15,15を小型化することで絶縁性能や耐電圧性能が低下するのを防止することができる。
またコンセントAの器体1は、モジュール寸法の1個分の大きさに形成されており、器体1(すなわち突台5)の前面は矩形状に形成されているので、プラグ接続部20の凹所21を四角形状に形成することで、凹所21をできるだけ大きく形成することができ、その結果、器体1の内部に刃受部材15の収納スペースを十分広くとることができる。
なお本実施形態のコンセントAは直流のSELV電源を給電するものであるが、交流のSELV電源を給電するものでもよいし、直流或いは交流の非SELV電源を給電するものでもよく、給電電圧の種類に応じて突条24,25,26の位置を変更すればよい。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図7及び図8に基づいて説明する。実施形態1のコンセントAは接地極付きの差込プラグBに対応していないのに対して、本実施形態のコンセントAは接地極付きの差込プラグが接続可能となっており、それ以外の構成は実施形態1と同一であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図7はコンセントAの正面図であり、凹所21の底壁22aには、下側寄りの左右方向略中央に、接地極付きの栓刃が挿入される栓刃挿入用孔23cが開口している。栓刃挿入用孔23cは長孔状であって、電圧極用の栓刃挿入用孔23a,23bに対して略直交する向きに延出している。そして、器体1の内部には、栓刃挿入用孔23cに臨んで、接地極用の栓刃が差込接続される刃受部材(図示せず)が収納されている。なお接地極用の刃受部材は、上述した刃受部材15と同一の形状を有しているので、図示及び説明は省略する。
次に、本実施形態のコンセントAに接続される接地極付きの差込プラグBについて図8(a)(b)を参照して説明する。この差込プラグBの突台51には、栓刃挿入用孔23a,23bにそれぞれ対応する位置に電圧極用の栓刃53a,53bが突設されるとともに、栓刃挿入用孔23cに対応する位置に接地極用の栓刃53cが突設されている。尚、接地極用の栓刃53cを備えた点を除いては実施形態1で説明した差込プラグBと同一の形状を有しているので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
而して、この差込プラグBをコンセントAのプラグ接続部20に接続する際には、差込プラグBを正規の向きに向けた状態で、差込プラグBの先端側の突台51を凹所21内に挿入すると、凹所21の側壁22bに設けた突条24,25,26が、突台51の側壁52に設けた嵌合溝54,55,56内に挿入されるとともに、栓刃53a,53b,53cが栓刃挿入用孔23a,23b,23cを通して器体1内部に挿入されて、対応する刃受部材15に差込接続される。このとき、コンセントAに差込プラグBが接続された負荷機器に対して直流電源が供給されるとともに、当該負荷機器が接地されるのである。
なお本実施形態のコンセントAは直流のSELV電源を給電するものであるが、交流のSELV電源を給電するものでもよいし、直流或いは交流の非SELV電源を給電するものでもよく、給電電圧の種類に応じて突条24,25,26の位置を変更すればよい。
ところで、実施形態1,2では凹所21内で上側寄りの左右両側部に電圧極用の栓刃挿入用孔23a,23bが上下方向に沿って開口し、接地極付きの場合は下側寄りの左右方向略中央に接地極用の栓刃挿入用孔23cが左右方向に沿って開口しているが、栓刃挿入用孔23a〜23cの配置は上記の形態に限定されるものではなく、絶縁性能等を考慮して適宜決定すればよい。また栓刃挿入用孔23a〜23cの位置を避けるようにして上述の突条24,25,26を設ければよい。
例えば図9(a)に示すように、接地極用の栓刃挿入用孔23cを他の栓刃挿入用孔23a,23bと平行するように配置してもよいし、図9(b)に示すように、凹所21内において、下側寄りの左右両側部に電圧極用の栓刃挿入用孔23a,23bが左右方向に沿って開口するとともに、上側寄りの左右方向略中央に接地極用の栓刃挿入用孔23cが左右方向に沿って開口するようにしてもよい。また図9(c)に示すように、凹所21内において、左側寄りの上下両側部に電圧極用の栓刃挿入用孔23a,23bが左右方向に沿って開口するとともに、右側寄りの上下方向略中央に接地極用の栓刃挿入用孔23cが左右方向に沿って開口するようにしてもよい。また更に図9(d)に示すように、凹所21内において、上側寄りの左端に接地極用の栓刃挿入用孔23cが上下方向に沿って開口するとともに、下側寄りの位置であって栓刃挿入用孔23cに対して右側に電圧極用の栓刃挿入用孔23a,23bが上下方向に沿って開口するようにしてもよい。
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図10〜図12に基づいて説明する。実施形態1では刃受部材15の弾性力で差込プラグBの栓刃53a,53bを保持しているだけであるが、本実施形態では、差込プラグBの抜けを防止する抜止手段を備えている。尚、抜止手段以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図11(a)は差込プラグBの正面図、図11(b)は差込プラグBの要部断面図であり、差込プラグBのプラグ本体50の左右両側部には、周囲に切欠溝を形成することによって左右方向において撓み自在となる弾性係止片57,57が設けられ、弾性係止片57,57の先端部には左右方向における外側方向に向かって係止爪57a,57aが突設されている。
一方、図10(a)はコンセントAの正面図、図10(b)はコンセントAの要部断面図であり、プラグ接続部20の凹所21内において、左右両側の側壁22bには、弾性係止片57,57の係止爪57a,57aにそれぞれ対応する位置に嵌合溝27,27が形成されている。ここにおいて、プラグ接続部20に設けられた嵌合溝27から、差込プラグBの係止爪57a(被係合部)と凹凸係止することによって差込プラグBの抜けを防止する抜止手段が構成される。
而して、差込プラグBをコンセントAのプラグ接続部20に接続する際には、差込プラグBを正規の向きに向けた状態で、差込プラグBの先端側の突台51を凹所21内に挿入すると、弾性係止片57,57の先端に設けた係止爪57a,57aが凹所21の左右両側壁22bに押されて内側に撓められるとともに、凹所21の側壁22bに設けた突条24,25,26が、突台51の側壁52に設けた嵌合溝54,55,56内に挿入され、且つ、栓刃53a,53bが栓刃挿入用孔23a,23bを通して器体1内部に挿入されて、対応する刃受部材15,15に差込接続され、負荷機器に直流電源が供給される。そして、図12に示すように突台51の先端面が凹所21の底壁22aに当接する位置まで差込プラグBが凹所21内に挿入されると、弾性係止片57の係止爪57aが、凹所21の側壁22bに設けた嵌合溝27に係止して、差込プラグBの抜けが防止される。
一方、差込プラグBを取り外す際には、プラグ本体50の左右両側面を把持して、弾性係止片57,57を互いに近付く向きに撓ませると、係止爪57aが嵌合溝27の外側に出て、係止爪57aと嵌合溝27との係合状態が解除されるから、この状態で差込プラグBを引き抜くことによって、差込プラグBをコンセントAから容易に取り外すことができる。
上述のように本実施形態では、差込プラグBをコンセントAに接続した際に、差込プラグBの弾性係止片57に設けた係止爪57aが、プラグ接続部20に設けた嵌合溝27に係合することによって、使用者の意図に反してプラグが抜けてしまうのを防止することができる。尚、実施形態2や後述する各実施形態のコンセントAに、本実施形態で説明した抜止手段を設けてもよいことは言うまでもなく、本実施形態と同様、使用者の意図に反して差込プラグBが抜けてしまうのを防止することができる。
また本実施形態のコンセントAは直流のSELV電源を給電するものであるが、交流のSELV電源を給電するものでもよいし、直流或いは交流の非SELV電源を給電するものでもよく、給電電圧の種類に応じて突条24,25,26の位置を変更すればよい。
(実施形態4)
本発明の実施形態4を図13〜図16に基づいて説明する。上述の各実施形態では器体1の大きさが1個モジュール寸法に形成されているが、本実施形態では器体1の大きさがモジュール寸法の複数個分の大きさ(2個モジュール寸法又は3個モジュール寸法)に形成されており、大角形連用配線器具の取付枠80を用いて埋込配設することができる。尚、器体1の大きさが異なる点を除いては、上述した実施形態1〜3のコンセントAと同一であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図13(a)〜(d)は2個モジュール寸法のコンセントAを示し、2個モジュール寸法に形成された器体1の前面にはプラグ接続部20が上下に2つ設けられている。このコンセントAの器体1は2個モジュール寸法に形成されているので、図14(a)〜(c)に示すように1個モジュール寸法に形成された他の配線器具、例えばLAN用のモジュラコンセントC、JIS規格に準拠した交流100V用のコンセントD、TV用のコンセントEなどとともに取付枠80に並設することができ、使い勝手が向上するという利点がある。
また図15(a)〜(d)は3個モジュール寸法のコンセントAを示し、3個モジュール寸法に形成された器体1の前面にはプラグ接続部20が上下に3つ並べて設けられている。このコンセントAの器体1は3個モジュール寸法に形成されているので、1連の取付枠80を用いて造営面に埋込配設することができる。また、2連或いは3連の取付枠に他の配線器具と共に並設することができるから、使い勝手が向上するという利点もある。例えば図16に示す例では、2連の取付枠(図示せず)に上述のコンセントAが、それぞれ1個モジュール寸法に形成されたLAN用コンセントCおよびTVコンセントEと共に連設されており、コンセントA及びLAN用コンセントC並びにTVコンセントEのボス部が2連用のプレート92の開口窓93,93からそれぞれ前方に露出している。
また本実施形態では、コンセントAの器体1がモジュール寸法の複数個(2個又は3個)分の大きさに形成されており、器体1(すなわち突台5)の前面は矩形状に形成されているので、プラグ接続部20の凹所21を四角形状に形成することで、凹所21をできるだけ大きく形成することができ、その結果、器体1の内部に刃受部材15の収納スペースを十分広くとることができる。
なお本実施形態のコンセントAは直流のSELV電源を給電するものであるが、交流のSELV電源を給電するものでもよいし、また直流或いは交流の非SELV電源を給電するものでもよく、給電電圧の種類に応じて突条24,25,26の位置を変更すればよい。
(実施形態5)
本発明の実施形態5を図17に基づいて説明する。上述した各実施形態のコンセントAでは、コンセントAの器体1が大角形連用配線器具の取付枠80に取付可能な形状に形成されているのに対して、本実施形態ではコンセントAの器体1を取付枠80と一体化してある。尚、プラグ接続部20の構成は、実施形態1〜3で説明したプラグ接続部20と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
コンセントAの器体1は、前面が開口した略箱状の合成樹脂製のボディ2と、後面が開口した略箱状の合成樹脂製のカバー3とが、互いに設けた凹凸嵌合部(図示せず)を嵌合させることによって結合されている。
カバー3の前面には突台5が一体に突設され、突台5の前面にはプラグ接続部20が上下に3つ並べて設けられている。
ここで、コンセントAの器体1は、3個モジュール寸法の大角形連用配線器具と同程度の大きさに形成されており、カバー3の上下両端部の後縁からは、造営面に設けた埋込用孔に器体1の後部を収納した状態で埋込用孔の周縁部に後面が当接する固定片30,30がそれぞれ上下方向に向かって延設されている。各固定片30には、図示しない埋込ボックスに取り付けるためのボックスねじ用の長孔31と、前面にプレート枠(図示せず)等を取り付けるためのプレートねじ用のねじ孔32と、壁を構成する石膏ボードなどに取り付けるための従来周知のはさみ金具(図示せず)が取着される取着孔33と、壁にカバー3を直接ねじ止めするための木ねじが挿通される挿通孔34とが設けられている。
このコンセントAを造営面に埋込配設するに当たっては、造営面に開口する埋込用孔を通して電線を室内側に引き出した後、この電線の被覆が剥かれた芯線を電線挿入孔2aに挿入して、直流電源からの電線をコンセントAに接続する。そして、器体1の後部を埋込用孔に挿入し、上下両側の固定片30,30の後面を埋込用孔の周縁部に当接させた状態で、ボックスねじ又は木ねじ或いは挟み金具などを用いて固定片30,30(すなわち器体1)を造営面に固定した後、固定片30,30のねじ孔32を用いて前面側にプレート(図示せず)を取着することで施工が完了する。ここにおいて、ボックスねじを挿通するための長孔31や、挟み金具を取着するための取着孔33や、木ねじを挿通するための挿通孔34などから固定片30を造営面に固定するための固定手段が構成される。尚、施工完了状態においては、固定片30の前面側に取着されるプレートの開口窓から、プラグ接続部20が設けられた突台5の前面が露出するようになっている。
上述のようにコンセントAの器体1(コンセント本体)はモジュール寸法の3個分の大きさに形成されており、器体1の後部を埋込用孔に収納し、固定片30の後面を埋込用孔の周縁部に当接させた状態で、適宜の固定手段を用いて固定片30を造営面に固定することができるので、上述の取付枠80を用いることなく器体1を造営面に埋込配設することができる。
尚、本実施形態ではプラグ接続部20に接地極用の栓刃挿入用孔23cが設けられていないが、実施形態2で説明したように、接地極用の栓刃挿入用孔23cを設けてもよいし、実施形態3で説明したように各プラグ接続部20に差込プラグBの抜けを防止する抜止手段を設けてもよい。
また本実施形態のコンセントAは直流のSELV電源を給電するものであるが、交流のSELV電源を給電するものでもよいし、直流或いは交流の非SELV電源を給電するものでもよく、給電電圧の種類に応じて突条24,25,26の位置を変更すればよい。
(実施形態6)
本発明の実施形態6を図18〜図19に基づいて説明する。本実施形態のコンセントAは、端子部11,11を介して入力された外部電源をプラグ接続部20に適合した電源に変換して当該プラグ接続部20の刃受部材15,15に供給するDC−DCコンバータ40を備えたものである。尚、DC−DCコンバータ40を備えた点を除いては上述した実施形態1〜3のコンセントAと同一であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図18(a)はコンセントAの内部回路を説明するブロック図であり、コンセントAはDC−DCコンバータ40を備えているので、外部電源からの給電電圧が負荷機器に適合していない場合でも、DC−DCコンバータ40が、外部電源の給電電圧を負荷機器に適合した電圧に変換することによって、所望の負荷機器を接続して使用することができる。
なおコンセントAの器体1は1個モジュール寸法に形成されているので、図18(b)に示すように、外部電源E1からの給電電圧を互いに異なる電圧レベルに変換するDC−DCコンバータ40a,40b,40cを備えた3個のコンセントA1,A2,A3を取付枠80に並設し、各コンセントA1,A2,A3の端子部11,11に外部電源E1からの電線41および送り配線42を接続することで、各コンセントA1,A2,A3に外部電源E1から例えばDC48Vの直流電源を供給させ、各コンセントA1,A2,A3のDC−DCコンバータ40a,40b,40cでそれぞれ異なる電圧レベル(例えばDC6V,DC12V,DC24V)の直流電源に変換して負荷機器に供給することもできる。
また、図19(a)に示すように、端子部11とDC−DCコンバータ40との間に、入力電源の極性をDC−DCコンバータ40の入力側の極性に適合させる極性修正回路43を設けることも好ましい。
極性修正回路43は、4個のダイオードD1〜D4をブリッジ接続した全波整流回路で構成されているので、端子部11a,11bに接続される電線の極性が入れ替わっても対応できる。すなわち、図19(b)に示すように端子部11aに直流電源E1の正極側が、端子部11b に直流電源E1の負極側が接続された場合でも、図19(c)に示すように端子部11aに直流電源E1の負極側が、端子部11b に直流電源E1の正極側が接続された場合でも、DC−DCコンバータ40の入力側に供給される電源の極性を同じ極性にできる。したがって、端子部11a,11bに接続される直流電源の極性が入れ替わった場合でも、DC−DCコンバータ40の入力側には適合した極性の直流電源が供給されるから、DC−DCコンバータ40の入力端に逆極性の直流電源が供給されることはなく、DC−DCコンバータ40の損傷を防止することができ、また直流電源からの電線の極性を気にせず、端子部11に接続することができる。
尚、本実施形態では端子部11に供給された直流電源の電圧値を変換してプラグ接続部20に供給するDC−DCコンバータ40を備えているが、端子部11に供給された交流電源を所定電圧値の直流電源に変換してプラグ接続部20に供給するAC−DCコンバータを備えてもよい。また交流電源を給電するコンセントの場合、端子部11に供給された交流電源の電圧値を変換してプラグ接続部20に供給するAC−ACコンバータを備えてもよい。
(実施形態7)
本発明の実施形態7を図20(a)(b)に基づいて説明する。
図20(a)は本実施形態のブロック図であり、端子部11,11を介して入力された外部電源を、2個のプラグ接続部20のうちの一方に適合した電源に変換して当該プラグ接続部20の刃受部材15,15に供給するDC−DCコンバータ40を備えている。尚、DC−DCコンバータ40を備えた点を除いては、実施形態4で説明した2個モジュール寸法のコンセントAと同一であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
コンセントAはプラグ接続部20を2個備えており、一方のプラグ接続部20には端子部11に入力された直流電源がそのまま供給され、他方のプラグ接続部20にはDC−DCコンバータ40によって電圧値が変換された直流電源が供給されるので、2個のプラグ接続部20から電圧値が異なる2種類の直流電源を供給できる。尚、本実施形態では一方のプラグ接続部20と端子部11との間にのみDC−DCコンバータ40が設けられているが、2個のプラグ接続部20と端子部11との間にそれぞれDC−DCコンバータ40を設け、外部電源をそれぞれ異なる電圧値に変換して各プラグ接続部20に供給してもよい。
このように、コンセントAはDC−DCコンバータ40を備えているので、外部電源からの給電電圧が負荷機器に適合していない場合でも、DC−DCコンバータ40が、外部電源の給電電圧を負荷機器に適合した電圧に変換することによって、所望の負荷機器を接続して使用することができる。
また図20(b)は他の形態の内部回路図であり、このコンセントAは、端子部11,11を介して入力された外部電源を、それぞれ電圧値の異なる直流電源に変換して、2個のプラグ接続部20の刃受部材15,15に供給するDC−DCコンバータ40を備えている。尚、DC−DCコンバータ40を備えた点を除いて、実施形態4で説明した3個モジュール寸法のコンセントAと同一であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
コンセントAはプラグ接続部20を3個備えており、そのうちの1つプラグ接続部20には端子部11に入力された直流電源がそのまま供給され、他の2つのプラグ接続部20にはDC−DCコンバータ40a,40bによって電圧値が変換された直流電源が供給されているので、3個のプラグ接続部20から電圧値が異なる3種類の直流電源を供給することができる。尚、本実施形態では2個のプラグ接続部20と端子部11との間にのみDC−DCコンバータ40a,40bが設けられているが、3個全てのプラグ接続部20と端子部11との間にそれぞれDC−DCコンバータ40を設け、外部電源をそれぞれ異なる電圧値に変換して各プラグ接続部20に供給してもよい。
このように、コンセントAはDC−DCコンバータ40を備えているので、外部電源からの給電電圧が負荷機器に適合していない場合でも、DC−DCコンバータ40が、外部電源の給電電圧を負荷機器に適合した電圧に変換することによって、所望の負荷機器を接続して使用することができる。
尚、本実施形態においても、実施形態6で説明したように、端子部11とDC−DCコンバータ40との間に極性修正回路43を設けてもよい。この場合、端子部11a,11bに接続される電線の極性が入れ替わっても、DC−DCコンバータ40の入力側には適合した極性の直流電源が供給されるから、DC−DCコンバータ40の入力端に逆極性の直流電源が供給されることはなく、DC−DCコンバータ40の損傷を防止することができ、また直流電源からの電線の極性を気にせず、端子部11に接続することができる。
また本実施形態では端子部11に供給された直流電源の電圧値を変換してプラグ接続部20に供給するDC−DCコンバータ40を備えているが、端子部11に供給された交流電源の所定の電圧値の直流電源に変換してプラグ接続部20に供給するAC−DCコンバータを備えてもよい。また交流電源を給電するコンセントの場合、端子部11に供給された交流電源の電圧値を変換してプラグ接続部20に供給するAC−ACコンバータを備えてもよい。
A コンセント
1 器体(コンセント本体)
15 刃受部材
20 プラグ接続部
21 凹所
22a 底壁
22b 側壁
23a,23b 栓刃挿入用孔
24,25,26 突条(突起、嵌合部)
B プラグ
54a,54b 栓刃
54,55,56 嵌合溝(被嵌合部)

Claims (9)

  1. 負荷機器からのプラグが着脱自在に接続される1乃至複数のプラグ接続部がコンセント本体の前面に設けられ、
    前記プラグ接続部は、前記プラグの先端部が挿入されるプラグ挿入用の凹所と、当該凹所の底面に開口する複数の栓刃挿入用孔と、当該栓刃挿入用孔を通してコンセント本体内部に挿入された栓刃に電気的に接続される刃受部材と、前記凹所の側壁において給電電圧の種類に応じた位置に設けられた突起又は凹溝からなり、対応するプラグに設けられた被嵌合部と凹凸嵌合する嵌合部とを備えたことを特徴とするコンセント。
  2. 前記嵌合部は、給電電圧が交流か或いは直流かを示す第1の嵌合部と、給電電圧の電圧レベルを示す第2の嵌合部と、給電電圧が安全特別低電圧か又は非安全特別低電圧かを示す第3の嵌合部のうちの複数を組み合わせて設けられたことを特徴とする請求項1記載のコンセント。
  3. 前記凹所内に、プラグ側に設けられた被係合部と係合して、プラグの抜けを防止する抜止手段が設けられたことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載のコンセント。
  4. 前記コンセント本体は、日本工業規格に準拠した大きさであって、大角形連用配線器具の取付枠に3個まで並べて取着可能なモジュール寸法の複数個分の大きさに形成されるとともに、前面を取付枠の開口から前方に露出させた状態で取付枠に取り付けるための取付手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のコンセント。
  5. 前記コンセント本体は、日本工業規格に準拠した大きさであって、大角形連用配線器具の取付枠に3個まで並べて取着可能なモジュール寸法の3個分の大きさに形成され、且つ、コンセント本体は、造営面に開口する埋込用孔にコンセント本体の後部を収納した状態で埋込用孔の周縁部に後面が当接する固定片と、当該固定片に設けられ固定片を造営面に固定するために用いる固定手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のコンセント。
  6. 前記プラグ接続部の凹所は、前面視の形状が四角形状に形成されたことを特徴とする請求項4又は5記載のコンセント。
  7. 外部電源からの電線が接続される電源入力端子と、電源入力端子を介して入力された外部電源を、対応するプラグ接続部に適合した電源に変換して当該プラグ接続部の刃受部材に供給するコンバータとを備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のコンセント。
  8. 前記コンバータは、前記電源入力端子に入力された直流電源をプラグ接続部に適合した電圧値に変換して当該プラグ接続部に供給するDC−DCコンバータからなり、電源入力端子とDC−DCコンバータとの間に入力電源の極性をDC−DCコンバータの入力側の極性に適合させる極性修正回路が設けられたことを特徴とする請求項7記載のコンセント。
  9. 前記プラグ接続部が、前記凹所の底面に開口して、プラグが備える接地極の栓刃が挿入される接地極用の栓刃挿入用孔と、当該栓刃挿入用孔を通してコンセント本体内部に挿入された接地極用の栓刃に電気的に接続される接地極用の刃受部材とを備えたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のコンセント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015100218A (ja) * 2013-11-19 2015-05-28 日本電信電話株式会社 変換器内蔵型コンセントバー

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