JP2010176977A - 燃料電池システムおよび燃料供給方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料補給に際して、効率的に燃料補給することができ、液体燃料の総量を簡易に管理できる燃料電池システムおよびそのシステムにおける燃料供給方法を提供すること。
【解決手段】燃料成分を消費する反応により発電し、その反応において水を生成する燃料電池3と、燃料電池3に接続されて閉流路を形成し、未消費の燃料成分および生成水を含有する循環燃料を燃料電池3に循環させる循環管21と、循環管21に介在される燃料タンク22とを備える燃料電池システム2において、循環燃料の燃料成分濃度よりも高い燃料成分濃度の補給燃料を任意量X供給する際に、補給後の循環燃料中の燃料成分が全消費された時点において、生成水の増加に基づく循環燃料の増加により循環燃料の量が燃料タンクの満杯量Vmaxとなるように制御するために、燃料タンク22から排出する循環燃料の排出量Cを算出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体燃料を使用する燃料電池システムおよびその燃料電池システムにおける燃料供給方法に関する。
従来、液体燃料が供給される燃料電池として、例えば、直接メタノール形燃料電池、直接ジメチルエーテル形燃料電池、ヒドラジン形燃料電池などの液体燃料形燃料電池が知られている。
液体燃料形燃料電池は、水素ガスを生成するための改質器を必要としないので、システムとしての構造の簡略化が期待されている。
液体燃料形燃料電池を備えるシステムとして、例えば、液体燃料を貯蔵するためのタンクと、液体燃料が供給される燃料電池と、タンクに貯蔵された液体燃料を吸入して燃料電池に供給可能なポンプと、タンクから燃料電池に液体燃料を供給するための第1流路と、燃料電池から排出された使用後の廃液をタンク内に戻すための第2流路とを備える燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような燃料電池システムでは、ポンプの駆動により燃料電池のアノードに液体燃料が供給され、また、燃料電池のカソードに空気が供給される。そして、燃料電池がアニオン成分を移動可能な電解質層を有するアニオン交換型であり、液体燃料がメタノールである場合、燃料電池では、下記式(1)および(2)で示される電気化学反応が生じ、起電力が発生する。
(1)CHOH+6OH→CO+5HO+6e (アノードでの反応)
(2)O+HO+4e→4OH (カソードでの反応)
また、液体燃料がヒドラジンである場合、電気化学反応は、下記式(3)および(4)で示される。
(3) N+4OH→N+4HO+4e (アノードでの反応)
(4) O+2HO+4e→4OH (カソードでの反応)
特開2005−203269号公報
液体燃料を使用する燃料電池システムでは、上記式のように、液体燃料中の燃料成分(メタノール、ヒドラジンなど)を消費する反応が生じることによって、発電するとともにアノードに水が生成する。そのため、発電の経過に伴って水が増加し続けるので、循環する液体燃料の燃料成分濃度が低下し、その総量が増加する。したがって、このような燃料電池システムでは、液体燃料の燃料成分濃度および総量の管理を適切に行なう必要がある。
また、発電の経過に伴って液体燃料の総量が増加し続けるので、燃料補給の際には、循環使用していた燃料成分濃度の低い液体燃料を排出して、未使用の燃料成分濃度の高い液体燃料を補給する必要がある。しかし、循環使用していた液体燃料をすべて排出して、未使用の液体燃料を補給していたのでは、循環使用していた液体燃料の燃料成分が無駄になる。
本発明の目的は、燃料補給に際して、循環使用していた液体燃料の燃料成分を有効に利用することにより、効率的に燃料補給することができ、かつ、液体燃料の総量を簡易に管理することができる燃料電池システムおよびそのシステムにおける燃料供給方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムは、燃料成分を消費する反応により発電し、その反応において水を生成する燃料電池と、前記燃料電池に接続されて前記燃料電池とともに閉流路を形成し、未消費の燃料成分および生成水を含有する循環燃料を前記燃料電池に循環させるための循環路とを備える燃料電池システムであって、前記循環路に介在され、前記循環燃料を貯留するための燃料タンクと、前記燃料タンクに設けられ、前記燃料タンクにおける前記循環燃料の満杯を検知する満杯検知手段と、前記循環燃料の濃度を検知するための濃度検知手段と、前記循環燃料の燃料成分濃度よりも高い燃料成分濃度の補給燃料を任意量供給する際に、前記補給燃料供給後の前記循環燃料に含有される燃料成分が全消費された時点において、前記生成水の増加に基づく前記循環燃料の増加により前記循環燃料の満杯が前記満杯検知手段によって検知されるように制御するために、前記燃料タンクから排出する前記循環燃料の排出量を算出するための排出量算出手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明の燃料電池システムでは、前記排出量算出手段は、前記循環燃料を仮定量排出し、その仮定量排出後に前記燃料タンクに残存する仮定残存燃料に前記補給燃料を供給することにより、燃料成分濃度が高められた仮定循環燃料を仮定するステップと、前記仮定循環燃料に含有される燃料成分が全消費された時点において、前記生成水の増加に基づいて増加すると仮定される前記仮定循環燃料の総量を算出するステップと、算出された前記仮定循環燃料の総量と、前記満杯検知手段が満杯を検知するときの前記循環燃料の総量とが等しくなるときの前記仮定残存燃料の総量を算出するステップと、算出された前記仮定残存燃料の総量と、排出前の前記循環燃料の総量との差を求めることにより、前記循環燃料の排出量を算出するステップとを実行することが好適である。
また、本発明の燃料供給方法は、燃料成分を消費する反応により発電し、その反応において水を生成する燃料電池と、前記燃料電池に接続されて前記燃料電池とともに閉流路を形成し、未消費の燃料成分および生成水を含有する循環燃料を前記燃料電池に循環させるための循環路と、前記循環路に介在され、前記循環燃料を貯留するための燃料タンクとを備える燃料電池システムにおける燃料供給方法であって、前記循環燃料の燃料成分濃度よりも高い燃料成分濃度の補給燃料を任意量供給する際に、前記補給燃料供給後の前記循環燃料に含有される燃料成分が全消費された時点において、前記生成水の増加に基づく前記循環燃料の増加により前記循環燃料の量が前記燃料タンクの満杯量となるように制御するために、前記燃料タンクから排出する前記循環燃料の排出量を算出する工程を備えることを特徴としている。
また、本発明の燃料供給方法では、前記循環燃料の排出量を算出する工程において、前記循環燃料を仮定量排出し、その仮定量排出後に前記燃料タンクに残存する仮定残存燃料に前記補給燃料を供給することにより、燃料成分濃度が高められた仮定循環燃料を仮定し、前記仮定循環燃料に含有される燃料成分が全消費された時点において、前記生成水の増加に基づいて増加すると仮定される前記仮定循環燃料の総量を算出し、算出された前記仮定循環燃料の総量と、前記燃料タンクの満杯量とが等しくなるときの前記仮定残存燃料の総量を算出し、算出された前記仮定残存燃料の総量と、排出前の前記循環燃料の総量との差を求めることにより、前記循環燃料の排出量を算出することが好適である。
本発明の燃料電池システムおよび燃料供給方法によれば、補給燃料の供給に際して、補給燃料供給後の循環燃料に含有される燃料成分が全消費された時点において、循環燃料の量が燃料タンクの満杯量となるように、循環燃料の排出量が算出される。そのため、この算出結果に基づいて、循環燃料を不要量だけ排出することができる。したがって、補給燃料供給前の循環燃料に含有される燃料成分を有効に利用することができる。その結果、効率的に燃料補給することができる。
また、補給燃料供給後の循環燃料に含有される燃料成分が消費され、循環燃料の総量が増加し続けても、その総量の上限を燃料タンクの満杯量に制限することができる。その結果、循環燃料の総量を簡易に管理することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを搭載した電動車両の概略構成図である。 燃料電池システムによる発電および燃料供給方法の手順を示すフローチャートである。 燃料電池システムによる発電の経過に伴う燃料タンク内の水加ヒドラジンの総量変化(実線)および水加ヒドラジンのヒドラジン濃度の変化(破線)を示すグラフである。 図2に示すフローの所定時点での水加ヒドラジンの燃料情報を示す図である。
1.燃料電池システムの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを搭載した電動車両の概略構成図である。
電動車両1は、液体燃料を循環使用する燃料電池システム2を搭載している。
燃料電池システム2は、液体燃料の燃料成分を消費する反応により発電し、その反応において水を生成する燃料電池3と、燃料電池3で消費されなかった燃料成分(未消費の燃料成分)および燃料電池3で生成する水(生成水)を含有する液体燃料を燃料電池3に循環させるための燃料循環部4と、発電反応に使用するための空気を給排するための空気給排部5と、各種電気的制御を実行する排出量算出手段としてのコントロールユニット6と、電動車両1を駆動させるための動力部7とを備えている。
(1)燃料電池
燃料電池3は、電動車両1の中央下側に配置されている。
燃料電池3で使用可能な液体燃料としては、例えば、メタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジンなどの燃料成分を含有する液体燃料が挙げられる。ただし、本実施形態における液体燃料は、燃料成分の原液および燃料成分が任意の濃度に薄まった水溶液の両方を含んでいる。
燃料電池3の出力電圧VFCは、例えば、0.2〜1.5Vであり、出力電流IFCは、例えば、10〜400Aである。なお、これら出力は、後述する単位セル1つあたりの出力である。
燃料電池3は、電解質層8と、電解質層8の一方側に配置されたアノード9と、電解質層8の他方側に配置されたカソード10とを有する燃料電池セル(単位セル)が、絶縁材料からなるセパレータ(図示せず)を介して複数積層されたスタック構造に形成されている。つまり、電解質層8を介してアノード9およびカソード10が対向配置されてなる単位セルが複数積層されている。なお、図1では、複数の単位セルのうち1つだけを燃料電池3として表し、その他の単位セルについては省略している。
電解質層8は、例えば、アニオン交換膜、プロトン交換膜を用いて形成されている。
アニオン交換膜としては、アニオン成分(例えば、水酸化物イオン(OH)など)が移動可能な媒体であれば、特に限定されず、例えば、4級アンモニウム基、ピリジニウム基などのアニオン交換基を有する固体高分子膜(アニオン交換樹脂)が挙げられる。
プロトン交換膜としては、プロトン(H)が移動可能な媒体であれば、特に限定されず、例えば、パーフルオロスルホン酸膜が挙げられる。
アノード9は、アノード電極11と、アノード電極11に液体燃料を供給するための燃料供給部材12とを有している。
アノード電極11は、電解質層8の一方面に形成されている。アノード電極11の電極材料としては、例えば、触媒が担持された多孔質担体(触媒担持多孔質担体)などが挙げられる。
多孔質担体としては、例えば、カーボンなどの撥水性担体が挙げられる。
触媒としては、例えば、白金族元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)、鉄族元素(Fe、Co、Ni)などの周期表第8〜10(VIII)族元素や、例えば、Cu、Ag、Auなどの周期表第11(IB)族元素などが挙げられる。
アノード電極11は、例えば、上記電極材料の電極インクを調製し、公知の方法(例えば、スプレー法、ダイコーター法など)により電極インクを電解質層8の一方面に塗布し、所定の温度で乾燥させることにより、薄膜状の電極膜として電解質層8の一方面に接合される。
燃料供給部材12は、ガス不透過性の導電性部材からなる。燃料供給部材12には、その表面から凹む葛折状の溝が形成されている。そして、燃料供給部材12は、溝の形成された表面がアノード電極11に対向接触されている。これにより、アノード電極11の一方面と燃料供給部材12の他方面(溝の形成された表面)との間には、アノード電極11全体に液体燃料を接触させるための燃料供給路13が形成される。
燃料供給路13には、液体燃料をアノード9内に流入させるための燃料供給口14が一端側(下側)に形成され、液体燃料をアノード9から排出するための燃料排出口15が他端側(上側)に形成されている。
カソード10は、カソード電極16と、カソード電極16に空気を供給するための空気供給部材17とを有している。
カソード電極16は、電解質層8の他方面に形成されている。
カソード電極16の電極材料としては、例えば、アノード電極11の電極材料として例示した、触媒担持多孔質担体などが挙げられる。
カソード電極16は、例えば、アノード電極11と同様の方法により、薄膜状の電極膜として電解質層8の他方面に接合される。これにより、電解質層8、アノード電極11およびカソード電極16は、電解質層8の一方面に薄膜状のアノード電極11が接合され、電解質層8の他方面に薄膜状のカソード電極16が接合されてなる膜・電極接合体を形成している。
空気供給部材17は、ガス不透過性の導電性部材からなる。空気供給部材17には、その表面から凹む葛折状の溝が形成されている。そして、空気供給部材17は、溝の形成された表面がカソード電極16に対向接触されている。これにより、カソード電極16の他方面と空気供給部材17の一方面(溝の形成された表面)との間には、カソード電極16全体に空気を接触させるための空気供給路18が形成される。
空気供給路18には、空気をカソード10内に流入させるための空気供給口19が一端側(下側)に形成され、空気をカソード10から排出するための空気排出口20が他端側(上側)に形成されている。
(2)燃料循環部
燃料循環部4は、燃料電池3に接続されて燃料供給路13とともに閉流路を形成し、アノード9から排出される液体燃料をアノード9に循環させるための循環管21と、循環管21の途中に設けられ、循環管21を流れる液体燃料を貯留するための燃料タンク22とを備えている。
循環管21は、その一端側(下側)が燃料供給口14に接続され、他端側(上側)が燃料排出口15に接続されている。
燃料タンク22は、燃料電池3よりも後方、電動車両1の後側に配置されている。燃料タンク22は、中空容器からなり、その底壁前部および前壁下部に循環管21が接続されることにより、循環管21に介装されている。これにより、燃料電池3−燃料循環部4間に液体燃料を循環させるための閉流路(クローズドライン)が形成され、燃料排出口15から排出される液体燃料を、循環管21および燃料タンク22を介して燃料供給口14に戻すことができる。
循環管21において、燃料タンク22の下流側であってアノード9における燃料供給口14の上流側(つまり、下流側の循環管21)の途中には、閉流路に循環流を発生させるための燃料循環ポンプ23が介在されている。
燃料循環ポンプ23としては、例えば、ロータリーポンプ、ギヤポンプなどの回転式ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプなどの往復式ポンプなど、公知の送液ポンプが用いられる。燃料循環ポンプ23は、コントロールユニット6に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
循環管21において、燃料タンク22の上流側であってアノード9における燃料排出口15の下流側(つまり、上流側の循環管21)の途中には、液体燃料の燃料成分濃度を測定するための濃度検知手段としての濃度計24が設けられている。
濃度計24としては、公知の濃度計を適用することができ、例えば、液体燃料が水加ヒドラジン(ヒドラジンの水溶液)の場合、赤外分光法によりヒドラジンの赤外吸光度を測定するIRセンサ(赤外線センサ)などを適用することができる。また、濃度計24は、コントロールユニット6に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
循環管21において、濃度計24と燃料タンク22との間(つまり、上流側の循環管21における濃度計24の下流側)には、閉流路内を流れる液体燃料の密度を測定するための密度計47が設けられている。
密度計47としては、例えば、振動式密度計など、公知の密度計を適用することができる。また、密度計47は、コントロールユニット6に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
循環管21において、濃度計24とアノード9との間(つまり、上流側の循環管21における濃度計24の上流側)には、閉流路内の圧力(アノード圧力)を測定するための圧力計25が設けられている。圧力計25は、コントロールユニット6に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
燃料タンク22の後壁上部には、燃料タンク22に液体燃料を補給するための燃料供給口26が設けられている。燃料供給口26には、燃料供給管27が接続されている。
燃料供給管27は、燃料供給口26から後方に延び、その先端が電動車両1のボディ側部に設けられた燃料供給窓28において開放し、開閉可能な蓋により常時は閉蓋されている。
燃料タンク22の前壁上部には、燃料タンク22における液体燃料の満杯を検知するための満杯検知手段としてのフロートスイッチ29が設けられている。
フロートスイッチ29は、燃料タンク22の前面に固定された端子部30と、端子部30から燃料タンク22内部に直線状に延びるステム31と、ステム31の先端に設けられたフロート32とを備えている。
端子部30は、コントロールユニット6に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
フロート32は、燃料タンク22の内底面を基準とする高さにおいて、燃料供給口26よりも低い位置に設けられている。そのため、燃料タンク22に貯留された液体燃料が増加しても、液体燃料が燃料供給口26へ逆流する前にフロート32が浮上してフロートスイッチ29がON−OFF切替され、その切替信号が端子部30を介してコントロールユニット6に入力される。これにより、コントロールユニット6において、燃料タンク22の満杯が検出される。したがって、燃料タンク22における液体燃料の満杯量Vmaxとは、液体燃料との接触によりフロート32が浮上して、フロートスイッチ29がON−OFF切替される量のことである。
燃料タンク22の底壁後部には、燃料タンク22内の液体燃料を排出するための燃料排出口35が設けられている。燃料排出口35には、燃料排出管36が接続されている。
燃料排出管36は、燃料排出口35から後方に延び、その先端が電動車両1のボディ側部において燃料供給窓28よりも下方に設けられた燃料排出窓37において開放し、開閉可能な蓋により常時は閉蓋されている。
また、燃料タンク22の上壁には、燃料タンク22内のガス(気体)を排出するためのガス排出管33が接続されている。ガス排出管33の途中には、ガス排出弁34が設けられている。
ガス排出弁34は、ガス排出管33を開閉し、燃料タンク22内の圧力を調節するための弁であって、例えば、電磁弁など、公知の開閉弁が用いられる。ガス排出弁34は、コントロールユニット6に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
(3)空気給排部
空気給排部5は、空気をカソード10に供給するための空気供給管38と、カソード10から排出される空気を外部に排出するための空気排出管39とを備えている。
空気供給管38は、その一端側(上流側)が大気中に開放され、他端側(下流側)が空気供給口19に接続されている。空気供給管38の途中には、空気供給ポンプ40が介在されている。
空気供給ポンプ40としては、例えば、エアコンプレッサなど、公知の送気ポンプが用いられる。空気供給ポンプ40は、コントロールユニット6に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
空気供給管38において空気供給ポンプ40の下流側には、空気供給弁41が設けられている。
空気供給弁41は、空気供給管38を開閉するための弁であって、例えば、電磁弁など、公知の開閉弁が用いられる。また、空気供給弁41は、コントロールユニット6に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
空気排出管39は、その一端側(上流側)が空気排出口20に接続され、他端側(下流側)がドレンとされる。
(4)コントロールユニット
コントロールユニット6は、電動車両1における電気的な制御を実行するユニット(例えば、ECU:Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータで構成されている。コントロールユニット6は、電気的な接続によりユニット外との信号通信が可能とされている。例えば、燃料タンク22に補給する液体燃料の種類、燃料成分濃度、燃料密度、体積(補給量)などの燃料情報を入力部54(後述)から入力することにより、燃料情報をコントロールユニット6に記憶させることができる。
(5)動力部
動力部7は、燃料電池3から出力される電気エネルギを、電動車両1の駆動力として機械エネルギに変換するためのモータ42と、DC/DCコンバータ43と、インバータ46とを備えている。
モータ42は、燃料電池3よりも前方、電動車両1の前側に配置されている。モータ42としては、例えば、三相誘導電動機、三相同期電動機など、公知の三相電動機が挙げられる。
DC/DCコンバータ43は、これに接続される複数の機器に対して入力電力を振り分けるスイッチング機能を有するとともに、入力電圧を降圧する降圧機能を有している。DC/DCコンバータ43の正極側入力端子には、カソード10に接続された正極配線44が接続されている。一方、DC/DCコンバータ43の負極側入力端子には、アノード9に接続された負極配線45が接続されている。また、DC/DCコンバータ43は、コントロールユニット6に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
インバータ46は、モータ42とDC/DCコンバータ43との間において直列に接続されている。インバータ46としては、直流電力を交流電力に変換可能な機器であれば、特に限定されず、例えば、公知のインバータ回路が組み込まれた電力変換装置が挙げられる。燃料電池3から出力される電力は、DC/DCコンバータ43によりインバータ46に振り分けられ、インバータ46により直流電力から三相交流電力に変換されることにより、三相交流電力としてモータ42に供給される。
2.燃料電池システムによる発電および燃料供給方法
以下では、図1とともに、図2〜図4を参照して、液体燃料が水加ヒドラジンである場合の燃料電池システム2による発電および燃料電池システム2における燃料供給方法について、その手順を説明する。
図2は、燃料電池システムによる発電および燃料供給方法の手順を示すフローチャートである。図3は、燃料電池システムによる発電の経過に伴う燃料タンク内の水加ヒドラジンの総量変化(実線)および水加ヒドラジンのヒドラジン濃度の変化(破線)を示すグラフである。図4は、図2に示すフローの所定時点での水加ヒドラジンの燃料情報を示す図である。
(ステップS1:燃料電池システムと燃料供給装置との接続)
燃料電池システム2を用いて発電するには、まず、燃料電池システム2と燃料供給装置51とを接続し、空の燃料タンク22に水加ヒドラジンを供給する(初期供給)。
燃料供給装置51は、液体燃料を供給するための供給用ホース52と、燃料タンク22内の液体燃料を排出するための排出用ホース53とを備えており、燃料タンク22が空の場合の供給時には、供給用ホース52と、燃料供給窓28内に開放した燃料供給管27との接続のみを行なう。
また、燃料供給装置51は、コントロールユニット6に電気的に接続可能な入力部54を備えている。初期供給時、供給用ホース52と燃料供給管27との接続とともに、入力部54とコントロールユニット6とを電気的に接続する。
(ステップS2:初期供給水加ヒドラジンの燃料情報の入力・算出)
燃料電池システム2と燃料供給装置51との接続後、入力部54を操作して、空の燃料タンク22に供給する初期供給水加ヒドラジンの燃料情報を入力する。
燃料情報としては、例えば、
(2−1)初期供給水加ヒドラジンのヒドラジン濃度a(wt%)
(2−2)初期供給水加ヒドラジンの密度ρ(g/mL)
(2−3)初期供給水加ヒドラジンの供給量V(mL)
がコントロールユニット6に入力される。そして、これらの情報に基づき、他の燃料情報として、例えば、
(2−4)初期供給水加ヒドラジンのヒドラジン重量WH2(g)
(2−5)初期供給水加ヒドラジンの水分重量WWA2(g)
(2−6)初期供給水加ヒドラジンのヒドラジン物質量NH2(mol)
が算出される。具体的には、
(2−4)WH2は、例えば、(初期供給水加ヒドラジンのヒドラジン濃度(2−1)/100)×(初期供給水加ヒドラジンの密度(2−2))×(初期供給水加ヒドラジンの供給量(2−3))で表わされる式を用いて算出される。(2−1)〜(2−3)の値を用いることにより、WH2=(a/100)・ρ・Vと算出される。
一例として、a=30(wt%)、ρ=1.0(g/mL)およびV=20000mLを代入して計算すると、WH2=(30/100)・1.0・20000=6000(g)となる。
(2−5)WWA2は、例えば、(初期供給水加ヒドラジンの水分濃度(2−1)/100)×(初期供給水加ヒドラジンの密度(2−2))×(初期供給水加ヒドラジンの供給量(2−3))で表わされる式を用いて算出される。(2−1)〜(2−3)の値を用いることにより、WWA2=(100−a)/100・ρ・Vと算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、WWA2={(100−30)/100}・1.0・20000(g)=14000(g)となる。
(2−6)NH2は、例えば、(初期供給水加ヒドラジンのヒドラジン重量(2−4))/(ヒドラジンの分子量)で表わされる式を用いて算出される。(2−4)の値およびヒドラジンの分子量Mを用いることにより、NH2=(a/100)・ρ・V/Mと算出される。
一例として、M=32および上記した具体的な数値を代入して計算すると、NH2=(30/100)・1.0・20000/32=187.5(mol)となる。
ただし、初期供給水加ヒドラジンの供給量V(mL)は、例えば、水加ヒドラジンV(mL)に含有されるヒドラジンが後述する発電反応により全消費された時点(ヒドラジン濃度が0になる時点)において、発電反応により生成する水の増加に基づいて増加する水加ヒドラジンの総量と、燃料タンク22の満杯量Vmaxとが等しくなる場合の量である。
すなわち、水加ヒドラジンV(mL)に含有されるヒドラジンの消費に伴い、図3に示すように、水加ヒドラジンの量が実直線AX+V(Aは、発電条件により変動する比例定数)に基づいて増加する。一方、ヒドラジンの消費に伴い、水加ヒドラジンのヒドラジン濃度が破直線BX+a(Bは、発電条件により変動する比例定数)に基づいて減少する。そして、ヒドラジンが全消費された時点において、燃料タンク22内の水加ヒドラジンの総量が満杯量Vmaxと等しくなる。
(ステップS3:水加ヒドラジンの供給)
燃料情報の入力・算出後、燃料供給装置51を操作して水加ヒドラジンを供給する。これにより、燃料タンク22に初期供給水加ヒドラジンが貯留される。水加ヒドラジンの供給中、その供給量は、燃料供給装置51の外面に設けられた表示部55に表示される。
(ステップS4:燃料電池による発電)
そして、燃料電池3の発電を開始する。具体的には、燃料循環ポンプ23および空気供給ポンプ40を駆動する。これにより、水加ヒドラジンが循環管21を介してアノード9に供給されるとともに、空気が空気供給管38を介してカソード10に供給される。
アノード9では、水加ヒドラジンが、アノード電極11に接触しながら燃料供給路13を通過する。一方、カソード10では、空気が、カソード電極16に接触しながら空気供給路18を通過する。
そして、各電極(アノード電極11およびカソード電極16)において、下記式(4−1)〜(4−3)で示される電気化学反応が生じ、起電力が発生する。
(4−1) N+4OH→N+4HO+4e (アノード電極11での反応)
(4−2) O+2HO+4e→4OH (カソード電極16での反応)
(4−3) N+O→N+2HO (燃料電池3全体での反応)
すなわち、水加ヒドラジンが供給されたアノード電極11では、水加ヒドラジンの燃料成分であるヒドラジン(N)とカソード電極16での反応で生成した水酸化物イオン(OH)とが反応して、窒素(N)および水(HO)が生成するとともに、電子(e)が発生する(上記式(4−1)参照)。
アノード電極11で発生した電子(e)は、図示しない外部回路を経由してカソード電極16に到達する。つまり、この外部回路を通過する電子(e)が、電流となる。
一方、カソード電極16では、電子(e)と、外部からの供給もしくは燃料電池3での反応で生成した水(HO)と、空気供給路18を流れる空気中の酸素(O)とが反応して、水酸化物イオン(OH)が生成する(上記式(4−2)参照)。
そして、生成した水酸化物イオン(OH)が、電解質層8を通過してアノード電極11に到達し、上記と同様の反応(上記式(4−1)参照)が生じる。
このようなアノード電極11およびカソード電極16での電気化学的反応が連続的に生じることによって、燃料電池3全体として上記式(4−3)で表わされる反応が生じて、燃料電池システム2による発電が行なわれる。
動力部7では、発生した起電力が、正極配線44および負極配線45を介してDC/DCコンバータ43に送電され、DC/DCコンバータ43のスイッチング動作により、モータ42に送電される。モータ42では、インバータ46により三相交流電力に変換された電気エネルギが電動車両1の車輪を駆動させる機械エネルギに変換される。
一方、発電中、未消費のヒドラジンおよび生成水を含有する水加ヒドラジンは、燃料電池3−燃料循環部4間の閉流路を循環燃料(循環水加ヒドラジン)として循環する。閉流路において上流側の循環管21から燃料タンク22を介して下流側の循環管21に至る区間では、相対的に大きい燃料タンク22から相対的に小さい循環管21へ水加ヒドラジンが流れる際に水加ヒドラジンの流量が制限されるので、循環水加ヒドラジンが燃料タンク22に一時的に貯留される。
また、上記式(4−1)で示したように、燃料電池3の発電の経過に伴って水加ヒドラジン中のヒドラジンが消費されるので、ヒドラジン濃度が低下し続けて、それに伴って発電効率が次第に低下する(図3参照)。そのため、例えば、発電開始から時間T経過した時点において、燃料タンク22に未使用のヒドラジン濃度の高い水加ヒドラジンを補給することにより、破直線BX+aに基づいて減少するヒドラジン濃度を増加させれば、発電効率を改善することができる(図3の太破線参照)。
ただし、上記のような発電では、アノード電極11に水が生成するので、燃料電池3の発電の経過に伴って水が増加し続け、燃料タンク22における水加ヒドラジンの貯留量が増加する(図3参照)。したがって、単に、未使用の水加ヒドラジンを注ぎ足したのでは、ヒドラジンを全消費した時点で残存する水量が燃料タンク22の容量を超えることとなる。そのため、水加ヒドラジン補給の際には、燃料タンク22に貯留されているヒドラジン濃度の低い水加ヒドラジンを適当量排出して、水加ヒドラジンの総量を減少させる必要がある(図3の太実線参照)。
そして、この燃料電池システム2では、循環する水加ヒドラジンのヒドラジン濃度および総量の管理を適切に行なう必要がある。具体的には、(ヒドラジンの全消費時点における燃料タンク22内の水加ヒドラジンの総量V)=(燃料タンク22の満杯量Vmax)で表わされる等式(4−4)が、水加ヒドラジンの補給後においても満たされるように、補給に際して排出する水加ヒドラジンの排出量を適切に算出する。
(ステップS5:燃料電池システムと燃料供給装置との接続)
水加ヒドラジンを補給するには、まず、図1に示すように、供給用ホース52と燃料供給管27とを接続し、排出用ホース53と燃料排出管36とを接続する。また、入力部54とコントロールユニット6とを電気的に接続する。これにより、燃料電池システム2と燃料供給装置51とを接続する。
(ステップS6:補給水加ヒドラジンの燃料情報の入力)
燃料電池システム2と燃料供給装置51との接続後、入力部54を操作して、燃料タンク22に補給する水加ヒドラジン(補給水加ヒドラジン)の燃料情報を入力する。
燃料情報としては、例えば、
(6−1)補給水加ヒドラジンのヒドラジン濃度a(wt%)
(6−2)補給水加ヒドラジンの密度ρ(g/mL)
(6−3)補給水加ヒドラジンの補給量X(mL)
がコントロールユニット6に入力される。そして、これらの情報に基づき、他の燃料情報として、例えば、
(6−4)補給水加ヒドラジン中のヒドラジン重量WH6(g)
(6−5)補給水加ヒドラジン中の水分重量WWA6(g)
(6−6)補給水加ヒドラジンのヒドラジン物質量NH6(mol)
が算出される。具体的には、
(6−4)WH6は、例えば、(補給水加ヒドラジンのヒドラジン濃度(6−1)/100)×(補給水加ヒドラジンの密度(6−2))×(補給水加ヒドラジンの補給量(6−3))で表わされる式を用いて算出される。(6−1)〜(6−3)の値を用いることにより、WH6=(a/100)・ρ・Xと算出される。
一例として、X=10000(mL)および上記した具体的な数値を代入して計算すると、WH2=(30/100)・1.0・10000=3000(g)となる。
(6−5)WWA6は、例えば、(補給水加ヒドラジンの水分濃度(6−1)/100)×(補給水加ヒドラジンの密度(6−2))×(補給水加ヒドラジンの補給量(6−3))で表わされる式を用いて算出される。(6−1)〜(6−3)の値を用いることにより、WWA6=(100−a)/100・ρ・Xと算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、WWA2={(100−30)/100}・1.0・10000=7000(g)となる。
(6−6)NH6は、例えば、(補給水加ヒドラジンのヒドラジン重量(6−4))/(ヒドラジンの分子量)で表わされる式を用いて算出される。(6−4)の値およびヒドラジンの分子量Mを用いることにより、NH6=(a/100)・ρ・X/Mと算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、NH2=(30/100)・1.0・10000/32=93.75(mol)となる。
(ステップS7:循環水加ヒドラジンの濃度および密度の計測)
そして、T時間発電後において閉流路を循環する水加ヒドラジン(循環水加ヒドラジン)の、(7−1)ヒドラジン濃度a(wt%)および(7−2)密度ρ(g/mL)が、濃度計24および密度計47によりそれぞれ計測されてコントロールユニット6に入力される。
(ステップS8:循環水加ヒドラジンの燃料情報の算出)
コントロールユニット6では、計測されたヒドラジン濃度および密度に基づいて、例えば、
(8−1)循環水加ヒドラジン中のヒドラジン重量WH8(g)
(8−2)循環水加ヒドラジン中の水分重量WWA8(g)
(8−3)循環水加ヒドラジンのヒドラジン物質量NH8(mol)
(8−4)循環水加ヒドラジンの総量V(mL)
が算出される。具体的には、
(8−1)WH8は、例えば、(循環水加ヒドラジンのヒドラジン濃度(7−1)/100)×(循環水加ヒドラジンの密度(7−2))×(循環水加ヒドラジンの総量(8−4))で表わされる式を用いて算出される。(7−1)、(7−2)および(8−4)の値を用いることにより、WH8=(a/100)・ρ・Vと算出される。
(8−2)WWA8は、例えば、(循環水加ヒドラジンの水分濃度(7−1)/100)×(循環水加ヒドラジンの密度(7−2))×(循環水加ヒドラジンの総量(8−4))で表わされる式を用いて算出される。(7−1)、(7−2)および(8−4)の値を用いることにより、WWA8=(100−a)/100・ρ・Vと算出される。
(8−3)NH8は、例えば、(循環水加ヒドラジンのヒドラジン重量(8−1))/(ヒドラジンの分子量)で表わされる式を用いて算出される。(8−1)の値およびヒドラジンの分子量Mを用いることにより、NH8=WH8/M=a/100・ρ・V/Mと算出される。
(8−4)Vは、例えば、{(循環水加ヒドラジンのヒドラジン重量(8−1))+(初期供給水加ヒドラジンの水分重量(2−5))+(発電により生じた水分重量)}/(循環水加ヒドラジンの密度(7−2))で表わされる式を用いて算出される。(8−1)、(2−5)、(7−2)の値および発電により生じた水分重量をWWA8´を用いることにより、V=(WH8+WWA2+WWA8´)/ρと算出される。
ここで、WWA8´は、例えば、(発電により消費されたヒドラジン物質量NH8´)×(水の分子量MWA)×(式(4−3)の量論係数n)で表わされる式を用いて算出される。
H8´は、例えば、(初期供給水加ヒドラジンのヒドラジン物質量(2−6))―(発電後の循環水加ヒドラジンのヒドラジン物質量(8−3))で表わされる式を用いて算出される。(2−6)および(8−3)の値を用いることにより、NH8´=(a/100)・ρ・V/M−(a/100)・ρ・V/Mと算出される。
ヒドラジン1molの反応により水2molが発生することからn=2であること(式(4−3)参照)およびMWA=18であることが考慮されて、WWA8´が整理されることにより、WWA8´={(a/100)・ρ・V/M−(a/100)・ρ・V/M}・18・2と算出される。
算出されたWWA8´が(8−4)に代入されて整理されることにより、
(8−4)V=(WH8+WWA2+WWA8´)/ρ=[(a/100)・ρ・V+{(100−a)/100}・ρ・V+{(a/100)・ρ・V/M−(a/100)・ρ・V/M}・18・2]/ρと算出される。
を含む項が左辺に移項されて整理されることにより、
={(M−M・(a/100)+18・2・(a/100))・ρ・V}/(M−M・(a/100)+18・2・(a/100))・ρと算出される。
一例として、a=15(wt%)、ρ=1.0(g/mL)および上記した具体的な数値を代入して計算すると、V={(32−32・(30/100)+18・2・(30/100))・1.0・20000}/{(32−32・(15/100)+18・2・(15/100))・1.0=20368(mL)となる。
これにより、(8−1)WH8=(15/100)・1.0・20368=3055(g)となる。また、(8−2)WWA8=(100−15)/100・1.0・20368=17313(g)となる。さらに、(8−3)NH8=15/100・1.0・20368/32=95.48(mol)となる。
(ステップS9:仮定残存水加ヒドラジンの燃料情報の仮定)
循環水加ヒドラジンの燃料情報の算出後、補給時に際して排出すべき水加ヒドラジンの排出量が、例えば、
(9−1)仮定排出量C(mL)
と仮定される。そして、例えば、水加ヒドラジンをC(mL)排出した後に燃料タンク22に残存すると予測される仮定残存燃料としての水加ヒドラジン(仮定残存水加ヒドラジン)の燃料情報(9−2)〜(9−7)が仮定される。なお、(9−2)および(9−3)については、仮定残存水加ヒドラジンが循環水加ヒドラジンをC(mL)排出しただけであることより、(7−1)および(7−2)と同じ値とされる。また、(9−4)については、V−C(mL)と算出される。
(9−2)仮定残存水加ヒドラジンのヒドラジン濃度a(wt%)
(9−3)仮定残存水加ヒドラジンの密度ρ(g/mL)
(9−4)仮定残存水加ヒドラジンの総量V−C(mL)
(9−5)仮定残存水加ヒドラジン中のヒドラジン重量WH9(g)
(9−6)仮定残存水加ヒドラジン中の水分重量WWA9(g)
(9−7)仮定残存水加ヒドラジンのヒドラジン物質量NH9(mol)
具体的には、
(9−5)WH9は、例えば、(仮定残存水加ヒドラジンのヒドラジン濃度(9−1)/100)×(仮定残存水加ヒドラジンの密度(9−2))×(仮定残存水加ヒドラジンの総量(9−3))で表わされる式を用いて算出される。(9−1)〜(9−3)の値を用いることにより、WH9=(a/100)・ρ・(V−C)と算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、WH9=(15/100)・1.0・(20368−C)(g)となる。
(9−6)WWA9は、例えば、(仮定残存水加ヒドラジンの水分濃度(9−1)/100)×(仮定残存水加ヒドラジンの密度(9−2))×(仮定残存水加ヒドラジンの総量(9−3))で表わされる式を用いて算出される。(9−1)〜(9−3)の値を用いることにより、WWA9=(100−a)/100・ρ・(V−C)と算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、WWA9=(100−15)/100・1.0・(20368−C)(g)となる。
(9−7)NH9は、例えば、(仮定残存水加ヒドラジンのヒドラジン重量(9−5))/(ヒドラジンの分子量)で表わされる式を用いて算出される。(9−5)の値およびヒドラジンの分子量Mを用いることにより、NH9=WH9/M=(a/100)・ρ・(V−C)/Mと算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、NH9=(15/100)・1.0・(20368−C)/32(mol)となる。
(ステップS10:仮定循環水加ヒドラジンの燃料情報の算出)
仮定残存水加ヒドラジンの燃料情報の仮定後、仮定残存水加ヒドラジンに補給水加ヒドラジンがX(mL)補給されたと仮定され、燃料タンク22内にヒドラジン濃度の高められた仮定循環水加ヒドラジン(仮定循環燃料)が調製されたと仮定される。そして、仮定循環水加ヒドラジンの燃料情報として、例えば、(10−1)〜(10−5)が算出される。なお、(10−5)については、仮定残存水加ヒドラジンに補給水加ヒドラジンをX(mL)加えただけであることにより、V−C+X(mL)と算出される。
(10−1)仮定循環水加ヒドラジンのヒドラジン重量WH10(g)
(10−2)仮定循環水加ヒドラジンの水分重量WWA10(g)
(10−3)仮定循環水加ヒドラジンのヒドラジン物質量NH10(mol)
(10−4)仮定循環水加ヒドラジンのヒドラジン濃度a10(wt%)
(10−5)仮定循環水加ヒドラジンの総量V−C+X(mL)
具体的には、
(10−1)WH10は、例えば、(仮定残存水加ヒドラジンのヒドラジン重量(9−5))+(補給水加ヒドラジンのヒドラジン重量(6−4))で表わされる式を用いて算出される。(9−5)および(6−4)の値を用いることにより、WH10=(a/100)・ρ・(V−C)+(a/100)・ρ・Xと算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、WH10=(15/100)・1.0・(20368−C)+(30/100)・1.0・10000(g)となる。
(10−2)WWA10は、例えば、(仮定残存水加ヒドラジンの水分重量(9−6))+(補給水加ヒドラジンの水分重量(6−5))で表わされる式を用いて算出される。(9−6)および(6−5)の値を用いることにより、WWA10=(100−a)/100・ρ・(V−C)+(100−a)/100・ρ・Xと算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、WWA10=(100−15)/100・1.0・(20368−C)+(100−30)/100・1.0・10000(g)となる。
(10−3)NH10は、例えば、(仮定残存水加ヒドラジンのヒドラジン物質量(9−7))+(補給水加ヒドラジンのヒドラジン物質量(6−6))で表わされる式を用いて算出される。(9−7)および(6−6)を用いることにより、NH10={(a/100)・ρ・(V−C)/M}+{(a/100)・ρ・X/M}と算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、NH10={(15/100)・1.0・(20368−C)/32}+{(30/100)・1.0・10000/32}(mol)となる。
(10−4)a10は、例えば、(仮定循環水加ヒドラジンのヒドラジン重量(10−1))/{(仮定循環水加ヒドラジンのヒドラジン重量(10−1))+(仮定循環水加ヒドラジンの水分重量(10−2))}で表わされる式を用いて算出される。(10−1)および(10−2)の値を用いることにより、
10={(a/100)・ρ・(V−C)+(a/100)・ρ・X}/{(a/100)・ρ・(V−C)+(a/100)・ρ・X+(100−a)/100・ρ・(V−C)+(100−a)/100・ρ・X}
={(a/100)・ρ・(V−C)+(a/100)・ρ・X}/{(V−C)・ρ+ρ・X}と算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、a10={(15/100)・1.0・(20368−C)+(30/100)・1.0・10000}/{(20368−C)・1.0+1.0・10000}(wt%)となる。
(ステップS11:発電後の仮定循環水加ヒドラジンの燃料情報の算出)
仮定循環水加ヒドラジンの燃料情報算出後、仮定循環水加ヒドラジンが閉流路を循環して発電されたと仮定され、その発電によりヒドラジンが全消費されたと仮定される。そして、ヒドラジン全消費後の仮定循環水加ヒドラジンの燃料情報として、例えば、(11−1)〜(11−3)が算出される。
(11−1)発電後の仮定循環水加ヒドラジンのヒドラジン濃度a11(wt%)
(11−2)発電後の仮定循環水加ヒドラジンの密度ρ11(g/mL)
(11−3)発電後の仮定循環水加ヒドラジンのヒドラジン物質量NH11(mol)
(11−4)発電後の仮定循環水加ヒドラジンの総量V11(mL)
具体的には、
(11−1)a11は、仮定循環水加ヒドラジン中のヒドラジンが発電反応により全消費されているので、a11=0(wt%)と算出される。
(11−2)ρ11は、仮定循環水加ヒドラジン中のヒドラジンが全消費される発電反応により、燃料タンク22内の貯留物は全て水に変換されるので、ρ11=1(g/mL)と算出される。
(11−3)NH11は、仮定循環水加ヒドラジン中のヒドラジンが発電反応により全消費されているので、NH11=0(mol)と算出される。
(11−4)V11は、例えば、{(発電前の仮定循環水加ヒドラジンの水分重量(10−2))+(発電により生じた水分重量)}/(発電後の仮定循環水加ヒドラジンの密度(11−2))で表わされる式を用いて算出される。(10−2)、(11−2)の値および発電により生じた水分重量をWWA11´を用いることにより、V11=(WWA10+WWA11´)/1と算出される。
ここで、WWA11´は、例えば、(発電により消費されたヒドラジン物質量NH11´)×(水の分子量MWA)×(式(4−3)の量論係数n)で表わされる式を用いて算出される。
H11´は、例えば、(発電前の仮定循環水加ヒドラジンのヒドラジン物質量(10−3))―(発電後の仮定循環水加ヒドラジンのヒドラジン物質量(11−3))で表わされる式を用いて算出される。(10−3)および(11−3)の値を用いることにより、NH11´={(a/100)・ρ・(V−C)/M}+{(a/100)・ρ・X/M}−0と算出される。
ヒドラジン1molの反応により水2molが発生することからn=2であること(式(4−3)参照)およびMWA=18であることが考慮されて、WWA11´が整理されることにより、WWA11´=(a/100)・ρ・(V−C)/M}+{(a/100)・ρ・X/M}・18・2と算出される。
算出されたWWA11´が(11−4)に代入されて整理されることにより、
(11−4)V11=WWA10+WWA11´={(100−a)/100・ρ・(V−C)+(100−a)/100・ρ・X}+{(a/100)・ρ・(V−C)/M+(a/100)・ρ・X/M}・18・2と算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、V11={(100−15)/100・1.0・(20368−C)+(100−30)/100・1.0・10000}+{(15/100)・1.0・(20368−C)/32+(30/100)・1.0・10000/32}・18・2(mL)となる。
(ステップS12:仮定残存水加ヒドラジンの総量V−Cの算出)
発電後の仮定循環水加ヒドラジンの燃料情報の算出後、(ヒドラジンの全消費時点における燃料タンク22内の水加ヒドラジンの総量V)=(燃料タンク22の満杯量Vmax)で表わされる等式(4−4)の条件に基づき、(ヒドラジンが全消費された仮定循環水加ヒドラジンの総量V11)=(燃料タンク22の満杯量Vmax)で表わされる等式(12−1)が導かれる。
そして、等式(12−1)が整理されることにより、ステップS9で仮定された仮定残存水加ヒドラジンの総量V−Cが算出される。
ここで、(12−2)Vmaxは、例えば、(初期供給水加ヒドラジンの水分体積VWA2)+(発電により生じる生成水の体積VWA12´)で表わされる式を用いて算出される。
WA2は、例えば、(初期供給水加ヒドラジンの水分重量(2−5))/(水の密度)で表わされる式を用いて算出される。(2−5)の値および水の密度(=1g/mL)を用いることにより、VWA2=(100−a)/100・ρ・Vと算出される。
一方、VWA12´は、(発電により消費されたヒドラジン物質量NH12´)×(水の分子量MWA)×(式(4−3)の量論係数n)/(水の密度)で表わされる式を用いて算出される。
H12´は、(初期供給水加ヒドラジンのヒドラジン物質量(2−6))―(発電後の水加ヒドラジンのヒドラジン物質量)で表わされる式を用いて算出される。(2−6)の値および発電後の水加ヒドラジンのヒドラジン物質量NH12(=0)であることが考慮されることにより、NH12´=(a/100)・ρ・V/Mと算出される。
ヒドラジン1molの反応により水2molが発生することからn=2であること(式(4−3)参照)およびMWA=18であることが考慮されて、VWA12´が整理されることにより、VWA12´=(a/100)・ρ・V/M・18・2と算出される。
算出されたVWA2およびVWA12´が(12−1)に代入されて整理されることにより、
(12−2)Vmax=VWA2+VWA12´=(100−a)/100・ρ・V+(a/100)・ρ・V/M・18・2と算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して算出すると、Vmax=(100−30)/100・1.0・20000+(30/100)・1.0・20000/32・18・2=20750(mL)となる。
そして、算出されたVmaxおよびV11が等式(12−1)に代入されることにより、下記の等式(12−3)が導かれる。
{(100−a)/100・ρ・(V−C)+(100−a)/100・ρ・X}+{(a/100)・ρ・(V−C)/M+(a/100)・ρ・X/M}・18・2=(100−a)/100・ρ・V+(a/100)・ρ・V/M・18・2・・・(12−3)
この等式(12−3)が整理されることにより、
−C=[ρ{M−M・(a/100)+18・2・(a/100)}]/[ρ{M−M・(a/100)+18・2・(a/100)}(V−X)と導かれる。
そして、この等式(12−3)が参照されることにより、(9−4)V−Cが算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、V−C=[1.0{32−32・(30/100)+18・2・(30/100)}]/[1.0{32−32・(15/100)+18・2・(15/100)}(20000−10000)=10184(mL)となる。
(ステップS13:水加ヒドラジンの排出量Cを算出)
(9−4)V−Cの算出後、さらに等式(12−3)において、左辺のCが右辺に移項され、右辺の項が左辺に移項される。これにより、等式(13−1)が導かれる。
−[ρ{M−M・(a/100)+18・2・(a/100)}]/[ρ{M−M・(a/100)+18・2・(a/100)}(V−X)=C・・・(13−1)
そして、この等式(13−1)が参照されることにより、(9−1)仮定排出量C(mL)が算出される。
一例として、上記した具体的な数値を代入して計算すると、C=20368−[1.0{32−32・(30/100)+18・2・(30/100)}]/[1.0{32−32・(15/100)+18・2・(15/100)}(20000−10000)=10184(mL)となる。
(ステップS14:水加ヒドラジンの排出)
(9−1)仮定排出量C(mL)の算出後、排出用ホース53を用いて、発電後の循環水加ヒドラジンがC(mL)排出される。
(ステップS15:水加ヒドラジンの補給)
循環水加ヒドラジンの排出後、補給水加ヒドラジンがX(mL)補給される。
水加ヒドラジン補給後、発電を続けると、図3に示すように、水加ヒドラジンのヒドラジン濃度が破直線BX+aと平行に減少し(図3の太破線参照)、その一方で水加ヒドラジンの総量が実直線AX+Vと平行に増加することとなる(図3の太実線参照)。
そして、水加ヒドラジンの総量の増加に伴って燃料タンク22内の水加ヒドラジンの液面が上昇してフロート32に達すると、フロート32が浮上してフロートスイッチ29のON−OFF切替が行なわれ、その電気信号が端子部30からコントロールユニット6に出力される。これにより、燃料タンク22内の水加ヒドラジンの総量が満杯量Vmaxに達したことが検出される。また、水加ヒドラジン中のヒドラジンが全消費されたことにより、燃料電池システム2による発電が終了する。
3.作用効果
上記した燃料電池システム2および燃料供給方法によれば、補給水加ヒドラジンの供給に際して、補給水加ヒドラジン供給後の循環水加ヒドラジンに含有されるヒドラジンが全消費された時点において、(ヒドラジンが全消費された仮定循環水加ヒドラジンの総量V11)=(燃料タンク22の満杯量Vmax)で表わされる等式(12−1)が満たされるように、水加ヒドラジンの排出量C(mL)が算出される(ステップS13)。
そのため、その算出結果に基づいて、水加ヒドラジンを不要量(C(mL))だけ排出することができる。したがって、補給水加ヒドラジン供給前の循環水加ヒドラジンに含有されるヒドラジンを有効に利用することができる。その結果、効率的に燃料補給することができる。
また、水加ヒドラジン補給後の循環水加ヒドラジンに含有されるヒドラジンが消費され、水加ヒドラジンの総量が増加し続けても、その総量の上限を燃料タンク22の満杯量Vmaxに制限することができる。また、フロート32が燃料供給口26よりも低い位置に設けられているため、燃料タンク22内の水加ヒドラジンの液面が燃料供給口26に達する前に、水加ヒドラジンの満杯を検知することができる。その結果、水加ヒドラジンの総量を簡易に管理することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜設計を変形することができる。
例えば、上記した実施形態では、液体燃料が水加ヒドラジンである場合を例示したが、液体燃料は、例えば、無水ヒドラジン、メタノール、ジメチルエーテルなどであってもよい。
液体燃料がメタノールである場合には、燃料電池3において下記式(4−1)´〜(4−3)´で示される電気化学反応が生じ、起電力が発生する。
(4−1)´CHOH+6OH→CO+5HO+6e(アノード電極11での反応)
(4−2)´O+2HO+4e→4OH (カソード電極16での反応)
(4−3)´CHOH+3/2O→CO+2HO (燃料電池3全体での反応)
また、水加ヒドラジンの排出量C(mL)を算出するマイクロコンピュータを燃料供給装置51に備えることにより、排出量C(mL)の算出を燃料供給装置51において実行することもできる。この場合、ステップS7で計測された循環水加ヒドラジンの、(7−1)ヒドラジン濃度a(wt%)および(7−2)密度ρ(g/mL)は、コントロールユニット6から燃料供給装置51に送信することができる。
また、各水加ヒドラジンの密度は、濃度計24により測定されるヒドラジン濃度に基づいて算出することもできる。
本発明の燃料電池システムの用途としては、上記実施形態に示した電動車両の他、鉄道、船舶、航空機などが挙げられる。
2 燃料電池システム
3 燃料電池
6 コントロールユニット
21 循環管
22 燃料タンク
24 濃度計
29 フロートスイッチ

Claims (4)

  1. 燃料成分を消費する反応により発電し、その反応において水を生成する燃料電池と、
    前記燃料電池に接続されて前記燃料電池とともに閉流路を形成し、未消費の燃料成分および生成水を含有する循環燃料を前記燃料電池に循環させるための循環路とを備える燃料電池システムであって、
    前記循環路に介在され、前記循環燃料を貯留するための燃料タンクと、
    前記燃料タンクに設けられ、前記燃料タンクにおける前記循環燃料の満杯を検知する満杯検知手段と、
    前記循環燃料の濃度を検知するための濃度検知手段と、
    前記循環燃料の燃料成分濃度よりも高い燃料成分濃度の補給燃料を任意量供給する際に、前記補給燃料供給後の前記循環燃料に含有される燃料成分が全消費された時点において、前記生成水の増加に基づく前記循環燃料の増加により前記循環燃料の満杯が前記満杯検知手段によって検知されるように制御するために、前記燃料タンクから排出する前記循環燃料の排出量を算出するための排出量算出手段とを備えることを特徴とする、燃料電池システム。
  2. 前記排出量算出手段は、
    前記循環燃料を仮定量排出し、その仮定量排出後に前記燃料タンクに残存する仮定残存燃料に前記補給燃料を供給することにより、燃料成分濃度が高められた仮定循環燃料を仮定するステップと、
    前記仮定循環燃料に含有される燃料成分が全消費された時点において、前記生成水の増加に基づいて増加すると仮定される前記仮定循環燃料の総量を算出するステップと、
    算出された前記仮定循環燃料の総量と、前記満杯検知手段が満杯を検知するときの前記循環燃料の総量とが等しくなるときの前記仮定残存燃料の総量を算出するステップと、
    算出された前記仮定残存燃料の総量と、排出前の前記循環燃料の総量との差を求めることにより、前記循環燃料の排出量を算出するステップとを実行することを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 燃料成分を消費する反応により発電し、その反応において水を生成する燃料電池と、
    前記燃料電池に接続されて前記燃料電池とともに閉流路を形成し、未消費の燃料成分および生成水を含有する循環燃料を前記燃料電池に循環させるための循環路と、前記循環路に介在され、前記循環燃料を貯留するための燃料タンクとを備える燃料電池システムにおける燃料供給方法であって、
    前記循環燃料の燃料成分濃度よりも高い燃料成分濃度の補給燃料を任意量供給する際に、前記補給燃料供給後の前記循環燃料に含有される燃料成分が全消費された時点において、前記生成水の増加に基づく前記循環燃料の増加により前記循環燃料の量が前記燃料タンクの満杯量となるように制御するために、前記燃料タンクから排出する前記循環燃料の排出量を算出する工程を備えることを特徴とする、燃料供給方法。
  4. 前記循環燃料の排出量を算出する工程において、
    前記循環燃料を仮定量排出し、その仮定量排出後に前記燃料タンクに残存する仮定残存燃料に前記補給燃料を供給することにより、燃料成分濃度が高められた仮定循環燃料を仮定し、
    前記仮定循環燃料に含有される燃料成分が全消費された時点において、前記生成水の増加に基づいて増加すると仮定される前記仮定循環燃料の総量を算出し、
    算出された前記仮定循環燃料の総量と、前記燃料タンクの満杯量とが等しくなるときの前記仮定残存燃料の総量を算出し、
    算出された前記仮定残存燃料の総量と、排出前の前記循環燃料の総量との差を求めることにより、前記循環燃料の排出量を算出することを特徴とする、請求項3に記載の燃料供給方法。
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