JP2010174755A - 発電プラント - Google Patents

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Abstract

【課題】出力向上の際にプラントの熱効率を向上できる発電プラントを提供する。
【解決手段】沸騰水型原子力発電プラントは、原子炉からの蒸気を高圧タービン及び低圧タービンに供給する。復水器での蒸気の凝縮で生成された水(給水)が、低圧及び高圧給水加熱器で加熱されて原子炉に供給される。低圧タービンから排気された蒸気は、蒸気圧縮装置(ヒートポンプ)27によって圧縮され、ある低圧給水加熱器に供給されて給水を加熱する。低圧タービンからの抽気蒸気も上記のある低圧給水加熱器に供給される。蒸気圧縮装置27の必要動力をQ1、蒸気圧縮装置27から供給される熱エネルギーをQ3、蒸気圧縮装置27の成績係数をCOP(=Q3/Q1)、沸騰水型原子力発電プラントの熱効率をηとするとき、COP−1/η>0が満足されるように、蒸気圧縮装置27を主蒸気系のある位置及び給水加熱器に接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電プラントに係り、特に、原子力発電プラント及び火力発電プラントに適用するのに好適な発電プラントに関する。
プラントの熱効率を高めるために、圧縮機を用いた蒸気ヒートポンプを適用した火力発電プラントが提案されている。この火力発電プラントの例が、実開平1−123001号公報に記載されている。提案された火力発電プラントは、ボイラで発生した蒸気を高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンに順次供給し、これらのタービンの回転軸に連結された発電機を回転させて発電を行っている。低圧タービンから排出された蒸気は、復水器で凝縮されて水になる。この水は、給水として、給水配管を通してボイラに供給される。給水は、給水配管を通る間に、4段の給水加熱器によって加熱されて温度が高められている。復水器から抽気された蒸気が圧縮機によって圧縮されて温度が上昇し、この圧縮された蒸気が、圧縮機の、軸方向における複数箇所から抽気されて各給水加熱器に供給される。給水は、各給水加熱器に供給されたその蒸気によって加熱される。蒸気は各給水加熱器で凝縮水となり、この凝縮水が給水に供給される。また、蒸気圧縮機は、蒸気を断熱圧縮するために内部エンタルピーが上昇して過熱状態となるので、これを防ぎ所要電力をセーブするために復水を上記圧縮機内にミスト状に噴霧している。
また、特開平5−65808号公報は、熱併給蒸気タービンプラントを記載している。この熱併給蒸気タービンプラントは、ボイラで発生した蒸気をタービンに供給して発電機を回転させて電力を発生し、そのタービンから排気された蒸気を高圧プロセス蒸気供給先及び低圧プロセス蒸気供給先にそれぞれ供給する。高圧プロセス蒸気供給先に供給される蒸気は、タービンから排気された蒸気を圧縮機で圧縮している。
実開平1−123001号公報 特開平5−65808号公報
蒸気圧縮機によって低温の蒸気を高温の蒸気にするためには、蒸気圧縮機での仕事が必ず必要になる。実開平1−123001号公報に記載された火力発電プラントのように、蒸気圧縮機により低温の蒸気を圧縮して高温の蒸気にし、この高温の蒸気で給水を加熱するとき、蒸気圧縮機に必要とされる仕事が、蒸気圧縮機を導入したことにより得られた出力増加量よりも大きければ、正味の出力向上及びプラントの効率向上にはならない。
特に、発電プラントにおいて、出力の向上を行う場合、発電プラントの熱効率が低下するので、出力向上を行う際に、発電プラントの熱効率が低下することを抑制することが望まれる。このために、給水温度を上昇させることが考えられる。
発明者らは、蒸気発生装置を用いた発電プラントにおいて、発電プラントの主蒸気系から取り出した蒸気を、蒸気圧縮機を用いて圧縮し、圧縮されて温度が上昇した蒸気を用いて蒸気発生装置に供給する給水を加熱する場合に、プラントの熱効率を向上できる蒸気圧縮機の使い方を検討した。特に、発電プラントでは、100%の定格出力をさらに向上させる出力向上が検討されている。
本発明の目的は、出力向上の際にプラントの熱効率を向上させることができる発電プラントを提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、蒸気発生装置に接続されて蒸気を導く主蒸気配管、及び前記主蒸気配管により前記蒸気が順次供給される第1タービン及び第1タービンよりも圧力が低い第2タービンを有する主蒸気系と、前記第2タービンから排気された前記蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で前記蒸気の凝縮によって生成された給水を前記蒸気発生装置に導く給水配管と、前記給水配管に設けられた複数の給水加熱器と、前記蒸気を圧縮する蒸気圧縮装置と、蒸気圧縮装置が設置されていなく、前記主蒸気系の第1の位置から抽気された前記蒸気を1つの前記給水加熱器に導く第1配管と、前記蒸気圧縮装置が設けられ、前記第1の位置より下流に位置する前記主蒸気系の第2の位置と前記第1配管が接続される前記1つの給水加熱器を接続する第2配管とを備え、
前記蒸気圧縮装置による前記蒸気の圧縮に要する動力をQ1,前記蒸気圧縮装置によって圧縮された前記蒸気によって前記1つの給水加熱器に供給される熱量をQ3、Q3/Q1で定義される前記蒸気圧縮装置の成績係数をCOP,及び前記蒸気圧縮装置に前記動力Q1を供給する前記発電プラントの熱効率をηとしたとき、COP−1/η>0を満足させる前記第2の位置と前記1つの給水加熱器に、前記蒸気圧縮装置を設けた前記第2の配管を接続したことにある。
COP−1/η>0を満足させる前記第2の位置と前記1つの給水加熱器に、蒸気圧縮装置を設けた第2の配管を接続しているので、発電プラントの熱効率を向上させることができる。したがって、発電プラントの出力向上の際に、プラントの熱効率を向上させることができる。
本発明によれば、出力向上の際にプラントの熱効率を向上させることができる。
沸騰水型原子力発電プラントに適用した本発明の好適な一実施例である実施例1の発電プラントの構成図である。 従来の沸騰水型原子力発電プラントにおける給水の温度変化を示す説明図である。 図1に示す沸騰水型原子力発電プラントにおける給水の温度変化を示す説明図である。 発電プラントの熱力学的サイクルの説明図であり、(A)は従来の発電プラントの概略構成図、(B)は(A)に示す従来の発電プラントのT−S線図、(C)は本発明の一つの概要を示す改良案の発電プラントの概略構成図、及び(D)は(C)に示す改良案の発電プラントのT−S線図である。 沸騰水型原子力発電プラントに適用した本発明の他の実施例である実施例2の発電プラントの構成図である。 沸騰水型原子力発電プラントに適用した本発明の他の実施例である実施例3の発電プラントの構成図である。 沸騰水型原子力発電プラントに適用した本発明の他の実施例である実施例4の発電プラントの構成図である。 沸騰水型原子力発電プラントに適用した本発明の他の実施例である実施例5の発電プラントの構成図である。 沸騰水型原子力発電プラントに適用した本発明の他の実施例である実施例6の発電プラントの構成図である。 沸騰水型原子力発電プラントに適用した本発明の他の実施例である実施例7の発電プラントの構成図である。 加圧水型原子力発電プラントに適用した本発明の他の実施例である実施例8の発電プラントの構成図である。 沸騰水型原子力発電プラントに適用した本発明の他の実施例である実施例9の発電プラントの構成図である。
発明者らは、実開平1−123001号公報に記載された火力発電プラントを詳細に検討した。この結果、発明者らは、この火力発電プラントにおいて、前述したように、圧縮機が大型化して圧縮機で消費される電力量が多くなる、という課題を見出した。この電力としては圧縮機を備えた火力発電プラントで発生した電力を使用するので、圧縮機での大量の電力消費は、火力発電プラントの効率を結果として抑制している。
発明者らは、この課題の解決案を見出すべく、種々の検討を行った。この検討の結果、発電プラント、たとえば、火力発電プラントにおいて、タービン等の蒸気系から抽気した蒸気を、給水を加熱する給水加熱器に供給しながら、この給水加熱器にその蒸気の抽気点よりも下流の位置から供給した蒸気を圧縮機で圧縮してその給水加熱器に供給する(以下、この案を改良案という)ことによって、上記の課題を解決できることを発明者らが見出した。この改良案は本発明の一つの概念を示している。改良案では、タービン等の蒸気系から抽気した蒸気を、圧縮機を通さないで、給水を加熱する給水加熱器に供給しながら、この給水加熱器に圧縮機で圧縮された蒸気を供給するので、圧縮機による圧縮によって上昇する蒸気の温度上昇幅を、実開平1−123001号公報に記載された火力発電プラントで必要とする、圧縮機による圧縮によって上昇する蒸気の温度上昇幅よりも小さくすることができる。改良案の発電プラントで使用される圧縮機の駆動に消費される所内電力は、実開平1−123001号公報の発電プラントで使用される圧縮機の駆動に消費される所内電力よりも少なくなる。このため、改良案の発電プラントにおけるプラントの熱効率が向上する。
さらに、発明者らの検討によって、発電プラントの熱効率は、COP−1/η>0を満足するときに向上することが分かった。ここで、COP(Coefficient of Performance)は蒸気を圧縮する圧縮機を有する蒸気ヒートポンプの成績係数及びηは蒸気ヒートポンプを駆動する電動機に電力を供給する発電システムの熱効率である。蒸気ヒートポンプの成績係数COPは、蒸気ヒートポンプの必要動力Q1及び蒸気ヒートポンプから給水の加熱に供給される熱量Q3を用いてQ3/Q1と定義される。
従来の発電プラント及び改良案の発電プラントの熱力学的サイクルについて、図4を用いて説明する。
図4(A)は、圧縮機が適用されない従来の発電プラントの概略構成を示している。ボイラ(蒸気発生装置)で発生した蒸気は主蒸気配管を通ってタービンに供給される。タービンから排出された蒸気は復水器で凝縮されて水になる。この水は、給水として、給水配管を通ってボイラに供給される。給水は、タービンから抽気されて給水配管に供給された抽気蒸気によって加熱される。
図4(B)は、図4(A)に示す従来の発電プラントに対するT−S線図を示している。ここで、Tは温度、Sはエントロピである。エントロピSは通常用いられる比エントロピに流量Gを乗じたものである。ボイラ(蒸気発生装置)からの入熱量をQ1とし、復水器からの放熱量をQ2とする。入熱量Q1はABCDIJKLMAの面積で表され、放熱量Q2はAIJKLMAの面積で表される。タービンでなされる仕事Lは、L=Q1−Q2となり、ABCDIAの面積に対応する。発電プラントの熱効率ηはη=L/Q1によって算出される。
図4(C)は、圧縮機が適用された改良案の発電プラントの概略構成を示している。改良案の発電プラントは、従来の発電プラントの構成に圧縮機を付加した構成を有する。この改良案の発電プラントでは、タービンから排気された蒸気を圧縮機で圧縮し、圧縮された蒸気を、抽気蒸気が供給された給水加熱器に供給する。ボイラに供給される給水は、抽気蒸気及び圧縮された蒸気によって加熱される。
図4(D)は、図4(C)に示す改良案の発電プラントに対するT−S線図を示している。改良案においても、ボイラからタービンへの入熱量をQ1iとし、復水器からの放熱量をQ2iとする。改良案では給水加熱器によりΔQ3のエネルギーが与えられるので、従来の発電プラント(図4(A))及び改良案の発電プラント(図4(C))において蒸気発生量を同じであれば、Q1i=Q1−ΔQ3であり、Q2i=Q2−ΔQ2である。ここで、ΔQ1を、圧縮機を有する蒸気ヒートポンプの軸動力としたとき、蒸気ヒートポンプの動力と蒸気ヒートポンプから給水の加熱のために供給されるエネルギーの間には、成績係数COPを介して以下の関係式が成り立つ。
ΔQ3=COP×ΔQ1 ……(1)
ΔQ2=(COP−1)×ΔQ1 ……(2)
改良案のタービンでなされる仕事LiはLi=Q1i−Q2iとなり、改良案の発電プラントの熱効率ηiはηi=Li/Q1iによって算出される。
改良案の発電プラントにおける正味の仕事Liは、従来の発電プラント(図4(A))におけるタービンの仕事Lから圧縮機に必要な動力ΔQ1を差し引いた(3)式の関係で表すことができる。
Li=L−ΔQ1 ……(3)
Q1i=Q1−COP×ΔQ1であるから、改良案の発電プラントの熱効率ηiは(4)式で表される。
ηi=(L−ΔQ1)/(Q1−COP×ΔQ1) ……(4)
L=ηQ1となるので、(4)式は(5)式のように整理することができる。
ηi/η ≒ 1+(ΔQ1/Q1)*(COP−1/η) ……(5)
(5)式において、右辺の第2項が正の値を取るならば、左辺は1よりも大きな値となる。したがって、改良案の発電プラントの熱効率は、図4(A)に示す従来の発電プラントに熱効率よりも高くなる。
具体的には、例えばプラント熱効率ηが0.334であるとき、COP>3を満足するように、蒸気ヒートポンプの圧縮機を、発電プラントの主蒸気系の蒸気取り出し位置及び給水系の給水加熱器に接続すれば、図4(A)に示す従来の発電プラントに比べて発電プラントの熱効率が向上する。後述の表1から表6は、COP>3を満足した、蒸気ヒートポンプの蒸気圧縮機が接続される蒸気の取り出し位置及び蒸気圧縮機で圧縮された蒸気が供給される給水加熱器を示している。これらの表の「判定」の欄において○印が付された蒸気圧縮機の接続状態で、発電プラントの熱効率が向上する。
改良案の発電プラントによるプラントの熱効率の向上度合いを、電気出力1100MWeのBWR−5型の沸騰水型原子力発電プラントを例にし、(5)式に基づいて算出した。この沸騰水型原子力発電プラントの熱出力Q1を3300MWt、蒸気ヒートポンプの圧縮機の軸動力ΔQ1を33.5MWtとする。沸騰水型原子力発電プラントの主蒸気系から取り出した、蒸気温度Tが100℃の蒸気を、蒸気ヒートポンプの圧縮機によって160℃まで圧縮するとき、この蒸気ヒートポンプの成績係数COPが6程度となる。従来の電気出力1100MWeのBWR−5型の沸騰水型原子力発電プラントの熱効率ηの公称値が0.334であるので、成績係数COPが6におけるプラント熱効率の向上割合は、ηi/η=1.0305となる。これは、前述の条件の蒸気ヒートポンプを利用することによって、相対値として約3%、絶対値で約1%の熱効率が向上する。
以上に述べた改良案を基にして成された本発明の実施例を、以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の発電プラントを、図1を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、電気出力1100MWeのBWR−5型の沸騰水型原子力発電プラント1である。
沸騰水型原子力発電プラント1は、蒸気発生装置である原子炉2、高圧タービン(第1タービン)3、低圧タービン(第2タービン)5A,5B,5C、主蒸気配管6、復水器11、複数の給水加熱器、給水配管15及び蒸気圧縮装置27を備えている。これらの給水加熱器は、第1高圧給水加熱器16A、第2高圧給水加熱器16B、第3低圧給水加熱器(第1低圧給水加熱器)17A、第4低圧給水加熱器(第2低圧給水加熱器)17B、第5低圧給水加熱器(第3低圧給水加熱器)17C及び第6低圧給水加熱器(第4低圧給水加熱器)17Dを含んでいる。低圧給水加熱器は、低圧タービンからの抽気蒸気が供給される給水加熱器である。高圧給水加熱器は、高圧タービン3(または高圧タービン3の出口側の主蒸気配管6)からの抽気蒸気が供給される給水加熱器である。高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B,5Cは、主蒸気配管6によって原子炉2に接続される。湿分分離器(湿分分離装置)4は、高圧タービン3と低圧タービン5A,5B及び5Cを接続している主蒸気配管6に設置される。高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B,5Cは、1つの回転軸10によって互いに連結され、さらに、発電機9にも連結される。本実施例は、1台の高圧タービン及び3台の低圧タービンを設けているが、発電プラントの種類によりこれらの台数を変えてもよい。
本実施例は、主蒸気系及び給水系を有する。主蒸気系は、高圧タービン3、湿分分離器4、低圧タービン5A,5B,5C、主蒸気配管6及び復水器11を有する。給水系は、給水配管15、第1高圧給水加熱器16A、第2高圧給水加熱器16B、第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C、第6低圧給水加熱器17D及び給水ポンプ19を有する。
復水器11は内部に複数の伝熱管12を配置している。これらの伝熱管12は、海水配管13に接続される。海水循環ポンプ(図示せず)が海水配管13に設置される。海水配管13の両端は海に達している。
給水配管15が復水器11と原子炉2を接続する。第1高圧給水加熱器16A、第2高圧給水加熱器16B、第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17Dは、原子炉2から復水器11に向ってこの順番で給水配管15に設置されている。復水ポンプ18が復水器11と第6低圧給水加熱器17Dの間で給水配管15に設けられる。給水ポンプ19が第1高圧給水加熱器16Aと第2高圧給水加熱器16Bの間で給水配管15に設けられる。
高圧タービン3に抽気点50で接続された抽気管20が第1高圧給水加熱器16Aに接続される。高圧タービン3に抽気点51で接続された抽気管21が第2高圧給水加熱器16Bに接続される。抽気管21は高圧タービン3の動翼の最終段よりも下流で高圧タービン3に接続されており、抽気点51は抽気点50よりも後段になっている。低圧タービン5Bに抽気点52で接続された抽気管22が第3低圧給水加熱器17Aに接続される。湿分分離器4に接続されたドレン配管26が第3低圧給水加熱器17Aに接続される。抽気点53で低圧タービン5Bに接続された抽気管23が第4低圧給水加熱器17Bに接続される。低圧タービン5Bに抽気点54で接続された抽気管24が第5低圧給水加熱器17Cに接続される。低圧タービン5Bに接続された抽気管25が第6低圧給水加熱器17Dに接続される。抽気点52,53,54及び55は、低圧タービンの軸方向において、低圧タービン5Bの蒸気流入口から低圧タービン5Bの蒸気排出口に向ってその順番に設けられている。これらの抽気点は、低圧タービン5Bに設けられた複数の静翼の異なる段数の位置で、低圧タービン5Bのタービンケーシング(図示せず)に設けられる。第1高圧給水加熱器16A、第2高圧給水加熱器16B、第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17Dを接続するドレン水回収配管34は、復水ポンプ18の上流で給水配管15に接続される。
図1では、低圧タービン5Bが大きく低圧タービン5A,5Cが小さくなっているが、これらの低圧タービンの大きさは同じである。図示されていないが、低圧タービン5A及び5Cに対しても復水器11がそれぞれ設けられており、各復水器11にそれぞれ給水配管15が接続されている。低圧タービン5A,5B及び5Cに対応してそれぞれ設けられた合計3基の復水器11に接続された3本の給水配管15は、第2高圧給水加熱器16Bの上流に位置する合流点で合流する。3本の給水配管15は、合流点で合流した後、1本の給水配管15になり、第2高圧給水加熱器16Bに接続される。合流点よりも下流では、給水配管15は1本であり、第2高圧給水加熱器16B及び第1高圧給水加熱器16Aを経て原子炉2に達している。その合流点の上流で、他の2本の給水配管15にも、図1に示す低圧給水加熱器である第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17D、及び復水ポンプ18が、この順序で下流から上流に向ってそれぞれ設置されている。このため、低圧タービン5A及び5Cのそれぞれに対応して、第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17D、及び復水ポンプ18を設置した給水配管5が、第2高圧給水加熱器16Bよりも上流で設けられている。低圧タービン5A及び5Cには、低圧タービン5Bと同様に、抽気点52,53,54及び55が設けられる。低圧タービン5Aの抽気点52,53,54及び55には、低圧タービン5Bと同様に、抽気管22,23,24及び25が接続される。低圧タービン5Aに接続された抽気管22,23,24及び25は、低圧タービン5Bの場合と同様に、低圧タービン5Aに対応して設けられた第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17Dに接続される。低圧タービン5Cの抽気点52,53,54及び55にも、低圧タービン5Bと同様に、抽気管22,23,24及び25が接続される。低圧タービン5Cに接続された抽気管22,23,24及び25は、低圧タービン5Bの場合と同様に、低圧タービン5Cに対応して設けられた第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17Dに接続される。
以下の説明において、第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17D、抽気管22,23,24及び25及び抽気点52,53,54及び55は、特に断りが無ければ、低圧タービン5Bに対応して設けられたそれらを意味している。
蒸気圧縮装置(蒸気ヒートポンプ)27は、蒸気圧縮機28、駆動装置(例えば、モータ)29及び制御弁30を有する。駆動装置29は蒸気圧縮機28の回転軸に連結されている。低圧タービン5Bから排気された蒸気を導く蒸気供給管31が蒸気圧縮機28の蒸気流入口に接続される。蒸気供給管32が蒸気圧縮機28の蒸気排出口と第6低圧給水加熱器17Dを接続している。蒸気供給管31及び32が第2配管であり、本実施例では抽気管20〜25が第1配管である。制御弁30が蒸気供給管32に設けられる。抽気蒸気が流れる抽気管20〜25には、蒸気圧縮装置27が設置されていない。蒸気圧縮機28として、単段遠心式水蒸気圧縮機を用いる。蒸気圧縮機28として他のタイプの圧縮機を用いてもよい。蒸気圧縮機28及び駆動装置29は、タービン建屋内の空き空間に設置される。
原子炉2内の炉心7には、再循環ポンプ(図示せず)及びジェットポンプ(図示せず)によって冷却水が供給される。冷却水は炉心7内に装荷された複数の燃料集合体(図示せず)に含まれた核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、冷却水の一部が蒸気になる。原子炉2で発生した蒸気は、主蒸気配管6を通って、高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B及び5Cにそれぞれ供給される。高圧タービン3から排出された蒸気は、途中で、湿分分離器4により湿分が除去された後に、低圧タービン5A,5B及び5Cにそれぞれ導かれる。低圧タービン5A,5B及び5C内の圧力は、高圧タービン内の圧力よりも低くなっている。高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B及び5Cは、蒸気によって駆動され、発電機9を回転させる。これにより、電力が発生する。低圧タービン5A,5B及び5Cから排気された蒸気は、それぞれに対応して別々に設けられた各復水器11で凝縮されて水になる。海水が、海水循環ポンプの駆動によって海水配管13の供給部を通して復水器11内の各伝熱管12内に供給される。各伝熱管12から排出された海水は、海水配管13の戻り部を通って海に放出される。低圧タービン5A,5B及び5Cから排気された蒸気は、各伝熱管12内を流れる海水によって冷却されて凝縮される。蒸気の凝縮により、各伝熱管12内を流れる海水の温度が上昇する。
各復水ポンプ18、及び給水ポンプ19がそれぞれ駆動されている。各復水器11で生成された凝縮水は、給水として、これらのポンプによって昇圧され、給水配管15を通って原子炉2に供給される。給水配管15内を流れる給水は、各低圧タービンに対応してそれぞれ設けられた第6低圧給水加熱器17D、第5低圧給水加熱器17C、第4低圧給水加熱器17B及び第3低圧給水加熱器17Aによって順次加熱され、低圧タービン5A,5B及び5Cに対して共通に用いられる第2高圧給水加熱器16B及び第1高圧給水加熱器16Aによってさらに順次加熱されて温度を上昇させ、設定温度(例えば、215℃)になった状態で原子炉2に供給される。
給水は、第6低圧給水加熱器17Dにおいて、低圧タービン5Bの抽気点55から抽気されて抽気管25を通して供給される抽気蒸気によって加熱される。給水は、第5低圧給水加熱器17Cにおいて、低圧タービン5Bの抽気点54から抽気されて抽気管24を通して供給される抽気蒸気によってさらに加熱される。給水は、第4低圧給水加熱器17Bにおいて、低圧タービン5Bの抽気点53から抽気されて抽気管23を通して供給される抽気蒸気によってさらに加熱される。給水は、第3低圧給水加熱器17Aにおいて、低圧タービン5Bの抽気点52から抽気されて抽気管22を通して供給される抽気蒸気、及び湿分分離器4から排出されてドレン配管26を通して供給される飽和ドレン水によってさらに加熱される。給水は、第2高圧給水加熱器16Bにおいて、高圧タービン3の抽気点51から抽気されて抽気管21を通して供給される抽気蒸気によってさらに加熱される。給水は、第1高圧給水加熱器16Aにおいて、高圧タービン3の抽気点50から抽気されて抽気管20を通して供給される抽気蒸気によってさらに加熱される。低圧タービン5A及び5Cのそれぞれに対応して設けられた第6低圧給水加熱器17D、第5低圧給水加熱器17C、第4低圧給水加熱器17B及び第3低圧給水加熱器17Aにおいても、上記した各抽気蒸気を用いてそれぞれの給水配管15内を流れる給水を加熱する。
Figure 2010174755
蒸気圧縮装置27の機能について説明する。所内電力、すなわち、発電機9で発生した電力により駆動装置29を駆動して蒸気圧縮機28の動翼が設けられたローターを回転させる。低圧タービン5Bから排気された蒸気(温度:35℃、圧力:0.0056MPa)が、蒸気供給管31を通って蒸気圧縮機28に供給される。この蒸気は、蒸気圧縮機28の駆動により圧縮されて圧力が高められた後、蒸気供給管32に排出される。蒸気は、蒸気圧縮機28によって断熱圧縮されるために、温度も上昇する。圧縮された蒸気の温度は、抽気管25で低圧タービン5Bの抽気点55から抽気された蒸気の温度付近まで上昇する(表1参照)。蒸気圧縮機28から排気される蒸気の圧力は0.04MPa(表1参照)である。温度及び圧力が上昇した蒸気は、制御弁30の開度調節により圧力が第6低圧給水加熱器17Dの胴体内の圧力になるように調節されて、蒸気供給管32を通して第6低圧給水加熱器17Dの胴体側に供給される。抽気管25を通して供給される抽気蒸気も、第6低圧給水加熱器17Dの胴体側に供給される。第6低圧給水加熱器17Dでは、給水は、抽気管25を通して供給される抽気蒸気及び蒸気供給管32を通して供給される圧縮された蒸気によって加熱される。蒸気供給管32を通して第6低圧給水加熱器17Dの胴体側に供給される圧縮蒸気の圧力は、抽気管25への圧縮蒸気の逆流を避けるために、制御弁30によって、抽気管25によって第6低圧給水加熱器17Dの胴体内に供給される抽気蒸気の圧力よりも高くならないように調節される。
蒸気圧縮装置(蒸気ヒートポンプ)27は、低圧タービン5A及び5Cに対してもそれぞれ設けられている。低圧タービン5Aに対して設けられた蒸気圧縮装置27は、低圧タービン5Aから排出された蒸気を圧縮して低圧タービン5Aに対して設けられた第6低圧給水加熱器17Dに供給する。低圧タービン5Cに対して設けられた蒸気圧縮装置27は、低圧タービン5Aから排出された蒸気を圧縮して低圧タービン5Cに対して設けられた第6低圧給水加熱器17Dに供給する。
本実施例における出力向上運転について説明する。従来、運転サイクルにおいて原子炉2が定格出力(100%)で運転されていたのに対し、本実施例では、原子炉出力を、例えば、120%まで増大させて原子炉の運転が運転サイクルにおいて行われる。この原子炉出力を120%まで増大させて原子炉2の運転を行うことが、出力向上運転である。このような沸騰水型原子力プラントにおける出力向上は、例えば、再循環ポンプの容量増大及び低圧タービン5A,5B及び5Cの長翼化によって達成できる。再循環ポンプの容量増大によって、炉心流量を従来の定格である100%から120%まで増大させることができる。このため、本実施例では、炉心流量制御によって、原子炉出力を定格の100%から120%までさらに向上させることができる。この出力向上運転時において、蒸気圧縮機28で圧縮された蒸気が、第6低圧給水加熱器17Dに供給される。
本実施例は、低圧タービン5A,5B及び5Cの各抽気点55から抽気されたそれぞれの抽気蒸気(蒸気圧縮機28を通らない抽気蒸気)、及び各蒸気圧縮装置27の蒸気圧縮機28により昇圧されて昇温された各蒸気を、低圧タービン5A,5B及び5Cのそれぞれに対応して設けられた各第6低圧給水加熱器17Dで給水を加熱する熱源にしている。
蒸気圧縮装置27を備えていない従来の電気出力1100MWeのBWR−5型の沸騰水型原子力発電プラントにおける熱エネルギーの利用について説明する。この従来の沸騰水型原子力発電プラントは、本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1から蒸気圧縮装置27を取り除いた構成を有する。従来の沸騰水型原子力発電プラントは、設定された炉心の熱出力で最高の熱効率が得られるように、主蒸気管6、高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B及び5Cを含む主蒸気系での蒸気の流れを最適化している。具体的には、復水器11で蒸気を凝縮して水にすると、原子炉2の圧力(約7MPa)では、熱サイクルの原理に基づいて原子炉2で発生するエネルギーの約2/3が、復水器11から海35(図示せず)に排出される温排水等により外部の環境に排出される。この排出されるエネルギーを有効に利用するために、原子炉2で発生した蒸気のうちの一部を、高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B及び5C等から抽気することにより、各給水加熱器での給水の加熱に用いている。原子炉2で発生した蒸気の熱が回収されて原子炉2に供給される給水の温度が上昇するため、原子炉2の熱効率が向上する。湿分分離器4を備えている沸騰水型原子力発電プラント1においては、発生した蒸気のうち最終的に低圧タービン出口から復水器11に排気される蒸気の量は約56%である。残りの約44%の蒸気は、各給水加熱器において給水の加熱に用いられる。従来の沸騰水型原子力発電プラントも6基の給水加熱器を設置しているので、給水加熱器の1基当たりの抽気蒸気量は平均して原子炉2から排出される蒸気の約7%程度である。また、湿分分離器4の替わりに湿分分離再熱器または湿分分離過熱器を設置した改良型沸騰水型原子炉(以下、ABWRと称す)を用いた従来の沸騰水型原子力発電プラントでは、原子炉で発生した蒸気のうち最終的に低圧タービン出口から復水器に送られる蒸気の量は約54%である。これらの従来の沸騰水型原子力発電プラントの熱効率を向上させるためには、湿分分離器を湿分分離過熱器に変更すれば、蒸気の再熱効果により性能が向上することは一般的に知られている。しかしながら、特に、BWR−5型の従来の沸騰水型原子力発電プラントでは、湿分分離器の容器が小さいため、この容器内に過熱器となる伝熱管を多数本追設することは極めて難しい。
蒸気圧縮装置27を用いた本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1及び蒸気圧縮装置27を用いていない従来の沸騰水型原子力発電プラントにおける給水配管内を流れる給水温度の変化を、図2及び図3を用いて説明する。
蒸気圧縮装置27を用いていない従来の沸騰水型原子力発電プラントでは、図2に示すように、給水よりも温度の高い抽気蒸気が供給される6基の給水加熱器によって給水配管を流れる給水が順次加熱されている。抽気蒸気温度は蒸気タービンの段落圧力に対応した飽和蒸気温度である。給水加熱器の胴内で抽気蒸気が凝縮するので、加熱側の抽気蒸気は、蒸気の圧力に対応した飽和温度で温度が一定となる領域が存在する。加熱側流体と被加熱側流体で囲まれる面積は熱交換時の熱損失に対応するので、効率のよい熱交換を行うためには、熱交換時の損失を少なくするようにすれば良い。
本実施例のように、蒸気圧縮装置27で圧縮されて温度が上昇した蒸気を利用して加熱する場合は、蒸気圧縮装置27からの吐出蒸気は蒸気圧縮機の運転状態を調整することで任意の温度の蒸気を供給可能である。第6低圧給水加熱器17Dの胴内に仕切板を設け、抽気蒸気による加熱と蒸気圧縮機吐出蒸気による加熱を分けて実施するものとする。蒸気圧縮機吐出蒸気の圧力を抽気蒸気圧力よりも低く調整した場合には、図3に示すように、蒸気圧縮機吐出蒸気で加熱する領域において、図2の従来例よりも加熱側流体温度と被加熱側給水温度の温度差を小さくすることができる。図3の例においても給水は図2の例と同一の温度まで加熱できる。このことは給水を必要な温度まで加熱し、かつ図3の矢印部に示される白抜きの領域で熱交換時の損失を低減したことに相当する。また、蒸気圧縮機吐出蒸気の圧力を抽気蒸気圧力よりも高く調整した場合には、第5低圧給水加熱器17Cで必要とされる給水加熱を、第5低圧給水加熱器への抽気蒸気よりも低い温度で先行して実施することになるので、第5低圧給水加熱器への抽気蒸気流量を低減でき熱交換時の損失を低減したことに相当する。これらにより、本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1の熱効率が向上する。
沸騰水型原子力発電プラント1において、定格の原子炉出力をさらに増大させる出力向上運転を行う場合、原子炉2から吐出される蒸気の流量が増加する。このため、出力向上運転において低圧タービン5A,5B及び5Cで発電機9を回すために使用された低温で低圧の蒸気は、できるだけ復水器11に排気せずに、給水の加熱に利用して熱回収することが望ましい。
本実施例は、前述したように、蒸気圧縮装置27を設置し、蒸気圧縮機28を用いて圧縮されて温度が上昇した蒸気を第6低圧給水加熱器17Dに供給し、給水の加熱に利用する。このため、原子炉2に供給される給水の温度が、従来の沸騰水型原子力発電プラントの給水温度よりも上昇する。給水温度の上昇により、原子炉2で核分裂によって発生する熱量を蒸気の生成に有効に利用することができ、原子炉2から排出する蒸気の流量を増大させることができる。このため、沸騰水型原子力発電プラント1の熱効率をさらに向上させることができる。
本実施例では、低圧タービンから排気された蒸気を圧縮して第6低圧給水加熱器17Dに供給するように蒸気圧縮装置27を設けているので、蒸気圧縮装置(蒸気ヒートポンプ)27の成績係数COPは、表1に示すように、5.9となり、COP>3を満足している。したがって、本実施例は、前述したように、沸騰水型原子力発電プラント1内の低エネルギーの蒸気、すなわち、抽気管25で低圧タービン5Cから抽気される蒸気よりもエネルギーが低い、低圧タービンから排気された蒸気を、蒸気圧縮装置27によって、よりエネルギーの高い圧縮蒸気に変換させ、この蒸気を給水の加熱に用いることができるので、沸騰水型原子力発電プラント1の熱効率をさらに向上させることができる。
特に、本実施例は、低圧タービン5Cからの抽気蒸気及び蒸気圧縮機28で圧縮した蒸気を用いて第6低圧給水加熱器17Dで給水を加熱しているので、蒸気圧縮機28で圧縮された蒸気の温度上昇割合を、実開平1−123001号公報に記載された圧縮機における蒸気の温度上昇割合よりも小さくすることができる。このため、蒸気を圧縮するために蒸気圧縮機28で消費される所内電力は、実開平1−123001号公報に記載された圧縮機におけるそれよりも少なくなる。この所内電力の消費量の低下も、沸騰水型原子力発電プラント1の熱効率の向上に貢献する。本実施例で用いられる蒸気圧縮機28は、実開平1−123001号公報に記載された圧縮機よりも小型であるので、所内電力の消費量が少ない。このため、沸騰水型原子力発電プラント1の熱効率がさらに向上する。
以上に述べた沸騰水型原子力発電プラント1の熱効率の向上は、沸騰水型原子力発電プラント1で出力向上運転を行った場合における沸騰水型原子力発電プラント1の熱効率をさらに向上させることになる。
本実施例は、蒸気圧縮機28で圧縮した蒸気により給水を加熱しているので、復水器11から海水排出管13を通して海に排出される温排水の温度を低下させることができる。
本実施例は、電気出力1350MWeのABWR型の沸騰水型原子力発電プラントに適用することができる。後述の実施例2から7及び9のそれぞれの実施例も、そのABWR型の沸騰水型原子力発電プラントに適用することができる。
沸騰水型原子力発電プラント1において、低圧タービンから排気された蒸気を圧縮機28で圧縮して得られた圧縮蒸気を第5低圧給水加熱器17Cに供給する場合も、蒸気圧縮装置(蒸気ヒートポンプ)27の成績係数COPが、表1に示すように、3.7となる。これは、COP>3を満足しており、沸騰水型原子力発電プラント1の熱効率を向上させる。したがって、沸騰水型原子力発電プラント1において、蒸気圧縮機28に接続された蒸気供給管32を、第6低圧給水加熱器17Dの替りに、抽気管24が接続されている第5低圧給水加熱器17Cに接続してもよい。ただし、蒸気供給管32の第4低圧給水加熱器17Bへの接続は、蒸気圧縮装置27の成績係数COPが、表1に示すように、2.8となる。このため、低圧タービンから排気された蒸気を蒸気圧縮機28で圧縮して第4低圧給水加熱器17Bに供給する場合には、蒸気圧縮機28の駆動に消費される所内電力が増大するので、沸騰水型原子力発電プラント1の熱効率は蒸気圧縮装置27を設置しない場合に比べて低下する。低圧タービンから排気された蒸気を蒸気圧縮装置27で圧縮して給水加熱器に供給する場合には、蒸気圧縮装置27で圧縮された蒸気は、第6低圧給水加熱器17Dまたは第5低圧給水加熱器17Cに供給するとよい。
本発明の他の実施例である実施例2の発電プラントを、図5を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、電気出力1100MWeのBWR−5型の沸騰水型原子力発電プラント1Aである。
本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1Aは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において蒸気圧縮装置(蒸気ヒートポンプ)27を低圧タービン5Bの抽気点55及び第3低圧給水加熱器17Cに接続した構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Aの他の構成は、沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。蒸気供給管31が蒸気圧縮機28の蒸気流入口と低圧タービン5Bの抽気点55を接続している。蒸気供給管32が蒸気圧縮機28の蒸気排出口と第5低圧給水加熱器17Cを接続している。抽気管25が接続される抽気点55と蒸気供給管31が接続される抽気点55は、低圧タービン5Bの同じ段数の静翼が設けられている位置で、低圧タービン5Bの周方向において互いにずれている。低圧タービン5A及び5Cに対応して設けられた蒸気圧縮装置27も、低圧タービン5A及び5Cと該当する第5低圧給水加熱器17Cに、同様に、接続されている。蒸気供給管31は抽気管25に接続してもよい。蒸気圧縮機28の駆動により、抽気管25を通して第6低圧給水加熱器17Dに供給される蒸気量が減少しないように、蒸気供給管31の流路断面積を抽気管25のそれよりも小さくする。配管の流路断面積を変える替りに、蒸気供給管31に流量調節弁を設けて、蒸気圧縮機28に供給する蒸気量を調節してもよい。同じ給水加熱器に蒸気を供給する抽気管及び蒸気供給管における蒸気流量を調節する方法は、後述の実施例3から実施例9の各実施例にも適用される。
Figure 2010174755
沸騰水型原子力発電プラント1Aの運転中に、低圧タービン5Bの抽気点55から抽気された蒸気が、蒸気圧縮機28で圧縮され、第5低圧給水加熱器17Cに供給される。低圧タービン5Bの抽気点54から抽気された抽気蒸気が、抽気管24を通って第5低圧給水加熱器17Cに供給される。低圧タービン5Bの抽気点55から抽気されて蒸気圧縮機28に供給される蒸気は、表2に示すように、温度が75℃で圧力が0.04MPaである。蒸気圧縮機28で圧縮されて第5低圧給水加熱器17Cに供給される蒸気の温度は105℃で、その蒸気の圧力は0.12MPaである(表2参照)。
本実施例では、低圧タービン5Bの抽気点55から抽気された蒸気を圧縮して第5低圧給水加熱器17Cに供給するように蒸気圧縮装置27を設けているので、蒸気圧縮装置27の成績係数COPは、表2に示すように、9.0となり、COP>3を満足している。したがって、本実施例は、抽気管24で低圧タービン5Bの抽気点54から抽気されて第5低圧給水加熱器17Cに供給される蒸気よりもエネルギーが低い、低圧タービン5Bの抽気点55から排気された蒸気を、蒸気圧縮装置27によって、エネルギーの高い圧縮蒸気に変換させ、この蒸気を給水の加熱に用いることができるので、沸騰水型原子力発電プラント1Aの熱効率をさらに向上させることができる。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、実施例1に比べて蒸気圧縮機28に供給される蒸気の圧力が高くなる(表1及び表2参照)。このため、本実施例では、蒸気圧縮機28に供給される蒸気の比容積が実施例1に比べて小さくなるので、実施例1に比べて相対的に小型の蒸気圧縮機で実施例1と同じ流量の蒸気を圧縮することができる。また、本実施例で用いられる蒸気圧縮機28が実施例1で用いられる蒸気圧縮機28と同じサイズであるとき、本実施例では、実施例1よりも多量の蒸気を圧縮することができる。本実施例は、実施例1よりも沸騰水型原子力発電プラントの熱効率を向上させることができる。
沸騰水型原子力発電プラント1Aにおいて、低圧タービン5Bの最も下流に位置する抽気点55から排気された蒸気を圧縮機28で圧縮して得られた圧縮蒸気を、第5低圧給水加熱器17C以外に、第4低圧給水加熱器17B及び第3低圧給水加熱器17Aのいずれか一方に供給する場合も、沸騰水型原子力発電プラント1Aの熱効率を向上させることができる。蒸気圧縮装置27の成績係数COPは、表2に示すように、第4低圧給水加熱器17Bにその圧縮蒸気を供給する場合で5.3になり、第3低圧給水加熱器17Aにその圧縮蒸気を供給する場合で4.2になる。これらのケースでも、COP>3を満足しており、沸騰水型原子力発電プラント1Aの熱効率を向上させる。したがって、沸騰水型原子力発電プラント1Aにおいて、蒸気圧縮機28に接続された蒸気供給管32を、第5低圧給水加熱器17Cの替りに、抽気管23が接続されている第4低圧給水加熱器17Bまたは抽気管22及びドレン水配管26が接続されている第3低圧給水加熱器17Aに接続してもよい。ただし、蒸気供給管32の第2高圧給水加熱器16Bへの接続は、蒸気圧縮装置27の成績係数COPが、表2に示すように、2.7となり、COP>3を満足していない。このため、低圧タービン5Cから抽気された蒸気を蒸気圧縮機28で圧縮して第2高圧給水加熱器16Bに供給する場合には、蒸気圧縮機28で消費される所内電力が増大するので、沸騰水型原子力発電プラント1Aの熱効率は蒸気圧縮装置27を設置しない場合に比べて低下する。低圧タービン5Bの抽気点55から抽気された蒸気を蒸気圧縮装置27で圧縮して給水加熱器に供給する場合には、蒸気圧縮装置27で圧縮された蒸気は、第5低圧給水加熱器17C、第4低圧給水加熱器17B及び第3低圧給水加熱器17Aのうちの1つに供給することが望ましい。
本発明の他の実施例である実施例3の発電プラントを、図6を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、電気出力1100MWeのBWR−5型の沸騰水型原子力発電プラント1Bである。
本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1Bは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において蒸気圧縮装置(蒸気ヒートポンプ)27を低圧タービン5Bの抽気点54及び第4低圧給水加熱器17Bに接続した構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Bの他の構成は、沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。蒸気供給管31が蒸気圧縮機28の蒸気流入口と低圧タービン5Bの抽気点54を接続している。蒸気供給管32が蒸気圧縮機28の蒸気排出口と第4低圧給水加熱器17Bを接続している。抽気管24が接続される抽気点54と蒸気供給管31が接続される抽気点54は、低圧タービン5Bの同じ段数の静翼が設けられている位置で、低圧タービン5Bの周方向において互いにずれている。低圧タービン5A及び5Cに対応して設けられた蒸気圧縮装置27も、低圧タービン5A及び5Cと該当する第4低圧給水加熱器17Bに、同様に、接続されている。蒸気供給管31は抽気管24に接続してもよい。
Figure 2010174755
沸騰水型原子力発電プラント1Bの運転中に、低圧タービン5Bの抽気点54から抽気された蒸気が、蒸気圧縮機28で圧縮され、第4低圧給水加熱器17Bに供給される。低圧タービン5Bの抽気点53から抽気された抽気蒸気が、抽気管23を通って第4低圧給水加熱器17Bに供給される。低圧タービン5Bの抽気点54から抽気されて蒸気圧縮機28に供給される蒸気は、表3に示すように、温度が105℃で圧力が0.12MPaである。蒸気圧縮機28で圧縮されて第4低圧給水加熱器17Bに供給される蒸気の温度は130℃で、その蒸気の圧力は0.27MPaである(表3参照)。
本実施例では、低圧タービン5Bの抽気点54から抽気された蒸気を圧縮して第4低圧給水加熱器17Bに供給するように蒸気圧縮装置27を設けているので、蒸気圧縮装置27の成績係数COPは、表3に示すように、11.3となり、COP>3を満足している。したがって、本実施例は、抽気管23で低圧タービン5Bの抽気点53から抽気されて第4低圧給水加熱器17Bに供給される蒸気よりもエネルギーが低い、低圧タービン5Bの抽気点54から排気された蒸気を、蒸気圧縮装置27によって、エネルギーの高い圧縮蒸気に変換させ、この蒸気を給水の加熱に用いることができるので、沸騰水型原子力発電プラント1Bの熱効率をさらに向上させることができる。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、実施例2よりも沸騰水型原子力発電プラントの熱効率を向上させることができる。
沸騰水型原子力発電プラント1Bにおいて、低圧タービン5Bの、二番目に蒸気流入口から遠く離れている抽気点54から排気された蒸気を圧縮機28で圧縮して得られた圧縮蒸気を、第4低圧給水加熱器17B以外に、第3低圧給水加熱器17A及び第2高圧給水加熱器16Bのいずれか一方に供給する場合も、沸騰水型原子力発電プラント1Bの熱効率を向上させることができる。蒸気圧縮装置27の成績係数COPは、表3に示すように、第3低圧給水加熱器17Aにその圧縮蒸気を供給する場合で7.0になり、第2高圧給水加熱器16Bにその圧縮蒸気を供給する場合で3.9になる。これらのケースでも、COP>3を満足しており、沸騰水型原子力発電プラント1Bの熱効率を向上させる。したがって、沸騰水型原子力発電プラント1Bにおいて、蒸気圧縮機28に接続された蒸気供給管32を、第4低圧給水加熱器17Bの替りに、抽気管22及びドレン水配管26が接続されている第3低圧給水加熱器17Aまたは抽気管21が接続されている第2高圧給水加熱器16Bに接続してもよい。
蒸気供給管32の第1高圧給水加熱器16Aへの接続は、蒸気圧縮装置27の成績係数COPが、表3に示すように、2.97となり、COP>3を満足していない。このため、低圧タービン5Bから抽気された蒸気を蒸気圧縮機28で圧縮して第1高圧給水加熱器16Aに供給する場合には、蒸気圧縮機28で消費される所内電力が増大するので、沸騰水型原子力発電プラント1Aの熱効率は蒸気圧縮装置27を設置しない場合に比べて低下する。低圧タービン5Bの抽気点54から抽気された蒸気を蒸気圧縮装置27で圧縮して給水加熱器に供給する場合には、蒸気圧縮装置27で圧縮された蒸気は、第4低圧給水加熱器17B、第3低圧給水加熱器17A及び第2高圧給水加熱器16Bのうちの1つに供給することが望ましい。
本発明の他の実施例である実施例4の発電プラントを、図7を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、電気出力1100MWeのBWR−5型の沸騰水型原子力発電プラント1Cである。
本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1Cは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において蒸気圧縮装置(蒸気ヒートポンプ)27を低圧タービン5Bの抽気点53及び第3低圧給水加熱器17Aに接続した構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Cの他の構成は、沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。蒸気供給管31が蒸気圧縮機28の蒸気流入口と低圧タービン5Bの、蒸気流入口から三番目に遠く離れている抽気点53を接続している。蒸気供給管32が蒸気圧縮機28の蒸気排出口と第3低圧給水加熱器17Aを接続している。抽気管23が接続される抽気点53と蒸気供給管31が接続される抽気点53は、低圧タービン5Bの同じ段数の静翼が設けられている位置で、低圧タービン5Bの周方向において互いにずれている。低圧タービン5A及び5Cに対応して設けられた蒸気圧縮装置27も、低圧タービン5A及び5Cと該当する第3低圧給水加熱器17Aに、同様に、接続されている。蒸気供給管31は抽気管23に接続してもよい。
Figure 2010174755
沸騰水型原子力発電プラント1Cの運転中に、低圧タービン5Bの抽気点53から抽気された蒸気が、蒸気圧縮機28で圧縮され、第3低圧給水加熱器17Aに供給される。低圧タービン5Bの抽気点52から抽気された抽気蒸気が、抽気管22を通って第3低圧給水加熱器17Aに供給される。低圧タービン5Bの抽気点53から抽気されて蒸気圧縮機28に供給される蒸気は、表4に示すように、温度が130℃で圧力が0.27MPaである。蒸気圧縮機28で圧縮されて第3低圧給水加熱器17Aに供給される蒸気の温度は150℃で、その蒸気の圧力は0.47MPaである(表4参照)。
本実施例では、低圧タービン5Bの抽気点53から抽気された蒸気を圧縮して第3低圧給水加熱器17Aに供給するように蒸気圧縮装置27を設けているので、蒸気圧縮装置27の成績係数COPは、表4に示すように、16.1となり、COP>3を満足している。したがって、本実施例は、抽気管22で低圧タービン5Bの抽気点52から抽気されて第3低圧給水加熱器17Aに供給される蒸気よりもエネルギーが低い、低圧タービン5Aから排気された蒸気を、蒸気圧縮装置27によって、エネルギーの高い圧縮蒸気に変換させ、この蒸気を給水の加熱に用いることができるので、沸騰水型原子力発電プラント1Cの熱効率をさらに向上させることができる。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、実施例3よりも沸騰水型原子力発電プラントの熱効率を向上させることができる。
沸騰水型原子力発電プラント1Cにおいて、低圧タービン5Bの抽気点53から排気された蒸気を圧縮機28で圧縮して得られた圧縮蒸気を、第3低圧給水加熱器17A以外に、第2高圧給水加熱器16B及び第1高圧給水加熱器16Aのいずれか一方に供給する場合も、沸騰水型原子力発電プラント1Cの熱効率を向上させることができる。蒸気圧縮装置27の成績係数COPは、表4に示すように、第2高圧給水加熱器16Bにその圧縮蒸気を供給する場合で4.9になり、第1高圧給水加熱器16Aにその圧縮蒸気を供給する場合で3.7になる。これらのケースも、COP>3を満足しており、沸騰水型原子力発電プラント1Cの熱効率を向上させる。したがって、沸騰水型原子力発電プラント1Cにおいて、蒸気圧縮機28に接続された蒸気供給管32を、第3低圧給水加熱器17Aの替りに、抽気管21が接続されている第2高圧給水加熱器16Bまたは抽気管20が接続されている第1高圧給水加熱器16Aに接続してもよい。
低圧タービン5Bの抽気点53から抽気された蒸気を蒸気圧縮装置27で圧縮して給水加熱器に供給する場合には、蒸気圧縮装置27で圧縮された蒸気は、第3低圧給水加熱器17A、第2高圧給水加熱器16B及び第1低圧給水加熱器16Aのうちの1つに供給することが望ましい。
本発明の他の実施例である実施例5の発電プラントを、図8を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、電気出力1100MWeのBWR−5型の沸騰水型原子力発電プラント1Dである。
本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1Dは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において蒸気圧縮装置(蒸気ヒートポンプ)27を低圧タービン5Bの抽気点52及び第2高圧給水加熱器16Bに接続した構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Dの他の構成は、沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。蒸気供給管31が蒸気圧縮機28の蒸気流入口と低圧タービン5Bの抽気点52を接続している。蒸気供給管32が蒸気圧縮機28の蒸気排出口と第2高圧給水加熱器16Bを接続している。抽気管22が接続される抽気点52と蒸気供給管31が接続される抽気点52は、低圧タービン5Bの同じ段数の静翼が設けられている位置で、低圧タービン5Bの周方向において互いにずれている。低圧タービン5A及び5Cに対応して設けられた蒸気圧縮装置27も、低圧タービン5A及び5Cと該当する第2高圧給水加熱器16Bに、同様に、接続されている。蒸気供給管31は抽気管22に接続してもよい。
Figure 2010174755
沸騰水型原子力発電プラント1Dの運転中に、低圧タービン5Bの抽気点52から抽気された蒸気が、蒸気圧縮機28で圧縮され、第2高圧給水加熱器16Bに供給される。高圧タービン3の抽気点51から抽気された抽気蒸気が、抽気管21を通って第2高圧給水加熱器16Bに供給される。低圧タービン5Bの最も上流に位置する抽気点52から抽気されて蒸気圧縮機28に供給される蒸気は、表5に示すように、温度が150℃で圧力が0.47MPaである。蒸気圧縮機28で圧縮されて第2高圧給水加熱器16Bに供給される蒸気の温度は195℃で、その蒸気の圧力は1.5MPaである(表5参照)。
本実施例では、低圧タービン5Bの抽気点52から抽気された蒸気を圧縮して第2高圧給水加熱器16Bに供給するように蒸気圧縮装置27を設けているので、蒸気圧縮装置27の成績係数COPは、表5に示すように、6.6となり、COP>3を満足している。したがって、本実施例は、抽気管21で高圧タービン3の抽気点51から抽気されて第2高圧給水加熱器16Bに供給される蒸気よりもエネルギーが低い、低圧タービン5Bの抽気点52から抽気された蒸気を、蒸気圧縮装置27によって、エネルギーの高い圧縮蒸気に変換させ、この蒸気を給水の加熱に用いることができるので、沸騰水型原子力発電プラント1Dの熱効率をさらに向上させることができる。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、実施例4よりも沸騰水型原子力発電プラントの熱効率を向上させることができる。
沸騰水型原子力発電プラント1Dにおいて、低圧タービン5Bの抽気点52から抽気された蒸気を圧縮機28で圧縮して得られた圧縮蒸気を、第2高圧給水加熱器16B以外に、第1高圧給水加熱器16Aに供給する場合も、沸騰水型原子力発電プラント1Dの熱効率を向上させることができる。蒸気圧縮装置27の成績係数COPは、表5に示すように、第1高圧給水加熱器16Aにその圧縮蒸気を供給する場合に4.6になる。このケースも、COP>3を満足しており、沸騰水型原子力発電プラント1Dの熱効率を向上させる。したがって、沸騰水型原子力発電プラント1Dにおいて、蒸気圧縮機28に接続された蒸気供給管32を、第2高圧給水加熱器16Bの替りに、抽気管20が接続されている第1高圧給水加熱器16Aに接続してもよい。
低圧タービン5Bの抽気点52から抽気された蒸気を蒸気圧縮装置27で圧縮して給水加熱器に供給する場合には、蒸気圧縮装置27で圧縮された蒸気は、第2高圧給水加熱器16B及び第1低圧給水加熱器16Aのうちの1つに供給することが望ましい。
本発明の他の実施例である実施例6の発電プラントを、図9を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、電気出力1100MWeのBWR−5型の沸騰水型原子力発電プラント1Eである。
本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1Eは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において蒸気圧縮装置(蒸気ヒートポンプ)27を高圧タービン3の抽気点51及び第1高圧給水加熱器16Aに接続した構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Eの他の構成は、沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。蒸気供給管31が蒸気圧縮機28の蒸気流入口と高圧タービン3の抽気点50を接続している。蒸気供給管32が蒸気圧縮機28の蒸気排出口と第1高圧給水加熱器16Aを接続している。蒸気供給管31を接続する抽気点51は、抽気管20の高圧タービン3への接続位置である抽気点50よりも下流の位置である。抽気管21が接続される抽気点51と蒸気供給管31が接続される抽気点51は、高圧タービン3の最も下流に配置された動翼よりも下流の位置で、高圧タービン3の周方向において互いにずれている。蒸気供給管31は抽気管21に接続してもよい。
Figure 2010174755
沸騰水型原子力発電プラント1Eの運転中に、高圧タービン3の抽気点51から抽気された蒸気が、蒸気圧縮機28で圧縮され、第1高圧給水加熱器16Aに供給される。高圧タービン3の抽気点50から抽気された抽気蒸気が、抽気管20を通って第1高圧給水加熱器16Aに供給される。高圧タービン3の抽気点51から抽気されて蒸気圧縮機28に供給される蒸気は、表6に示すように、温度が195℃で圧力が1.5MPaである。蒸気圧縮機28で圧縮されて第1高圧給水加熱器16Aに供給される蒸気の温度は220℃で、その蒸気の圧力は2.4MPaである(表6参照)。
本実施例では、高圧タービン3の抽気点51から抽気された蒸気を圧縮して第1高圧給水加熱器16Aに供給するように蒸気圧縮装置27を設けているので、蒸気圧縮装置27の成績係数COPは、表6に示すように、13.6となり、COP>3を満足している。したがって、本実施例は、抽気管20で高圧タービン3の抽気点50から抽気されて第1高圧給水加熱器16Aに供給される蒸気よりもエネルギーが低い、高圧タービン3の抽気点51から排気された蒸気を、蒸気圧縮装置27によって、エネルギーの高い圧縮蒸気に変換させ、この蒸気を給水の加熱に用いることができるので、沸騰水型原子力発電プラント1Eの熱効率をさらに向上させることができる。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、実施例5よりも沸騰水型原子力発電プラントの熱効率を向上させることができる。
本発明の他の実施例である実施例7の発電プラントを、図10を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、電気出力1100MWeのBWR−5型の沸騰水型原子力発電プラント1Fである。
本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1Fは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1に蒸気圧縮装置(蒸気ヒートポンプ)27Aを付加した構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Fの他の構成は、沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。沸騰水型原子力発電プラント1Fは、蒸気圧縮装置27及び27Aを有する。
蒸気圧縮装置27Aは、蒸気圧縮機28A、駆動装置(例えば、モータ)29A及び制御弁30Aを有する。駆動装置29Aは蒸気圧縮機28Aの回転軸に連結される。蒸気供給管31Aが、蒸気圧縮機28Aの蒸気流入口と低圧タービン5Bの抽気点55を接続している。蒸気供給管32が、蒸気圧縮機28Aの蒸気排出口と、抽気管24が接続される第5低圧給水加熱器17Cを接続している。抽気管25が接続される抽気点55と蒸気供給管31Aが接続される抽気点55は、低圧タービン5Bの同じ段数の静翼が設けられている位置で、低圧タービン5Bの周方向において互いにずれている。低圧タービン5A及び5Cに対応して設けられた蒸気圧縮装置27Aも、低圧タービン5A及び5Cと該当する第5低圧給水加熱器17Cに、同様に、接続されている。
沸騰水型原子力発電プラント1Fの運転中に、低圧タービン5Bの抽気点55から抽気された蒸気(温度:75℃、圧力:0.04MPa)が、蒸気圧縮機28Aで圧縮され、抽気管24によって抽気蒸気が供給されている第5低圧給水加熱器17Cに供給される。蒸気圧縮機28Aで圧縮されて第5低圧給水加熱器17Cに供給される圧縮蒸気の温度は105℃であり、その蒸気の圧力は0.12MPaである(表2参照)。抽気管25によって抽気蒸気が供給されている第6低圧給水加熱器17Dには、蒸気圧縮機28で圧縮された蒸気が供給される。
本実施例も、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、2基の蒸気圧縮装置27及び27Aを有している。このため、図3に示したように蒸気圧縮機吐出蒸気の圧力を抽気蒸気圧力よりも低く調整することで、従来例よりも加熱側流体温度と被加熱側給水温度の温度差を小さくすることができるので、2基の蒸気圧縮装置27及び27Aを使用することで、第6低圧給水加熱器17Dおよび第5低圧給水加熱器17Cの双方において熱交換時の損失を低減できる。これにより1基の蒸気圧縮装置27を使用した場合よりもさらに大きな熱効率向上効果を得ることができる。
本発明の他の実施例である実施例8の発電プラントを、図11を用いて説明する。前述した各実施例は原子力発電プラントである沸騰水型原子力発電プラントを対象にしたものであるが、本実施例は、原子力発電プラントである加圧水型原子力発電プラントを対象としている。本実施例の加圧水型原子力発電プラント1Gにおける主蒸気系及び給水系のそれぞれの構成は、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1におけるそれらの構成と同じである。第2高圧給水加熱器16Bよりも上流では、実施例1と同様に、低圧タービン5A,5B及び5Cごとに、第6低圧給水加熱器17D、第5低圧給水加熱器17C、第4低圧給水加熱器17B及び第3低圧給水加熱器17A、及び復水ポンプ18を設けた給水配管15、及び復水器11が設けられている。加圧水型原子力発電プラント1Gは、沸騰水型原子力発電プラント1において蒸気発生装置である原子炉2を蒸気発生器(蒸気発生装置)40に替え、新たに、原子炉2A及び一次冷却系配管41を設置した構成を有する。
蒸気発生器40は、冷却水の循環ループを形成する一次冷却系配管41によって原子炉2Aに接続される。循環ポンプ(図示せず)が一次冷却系配管41に設けられる。主蒸気配管6及び給水配管15は、蒸気発生器40に接続される。一次冷却系配管41は蒸気発生器40内に設けられた複数の伝熱管(図示せず)に連絡され、主蒸気配管6及び給水配管15は蒸気発生器40の胴体内に連絡される。
原子炉2A内の炉心7で加熱された高温の冷却水が、循環ポンプを駆動することによって一次冷却系配管41を通って蒸気発生器40の伝熱管内に供給される。この高温の冷却水は、蒸気発生器40の胴体内に供給される給水を加熱する。給水は、給水配管15から供給され、高温の冷却水による加熱によって蒸気になる。給水の加熱によって温度が低下した冷却水は、一次冷却系配管41を通って原子炉2Aに戻される。
蒸気発生器40発生した蒸気は、沸騰水型原子力発電プラント1と同様に、主蒸気配管6を通って高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B及び5Cに供給される。低圧タービンから排気された蒸気は、復水器11で凝縮されて水になる。この水は、給水として、沸騰水型原子力発電プラント1と同様に、給水配管15を通り、各給水加熱器によって順次加熱されて温度を上昇させ、設定温度になった状態で蒸気発生器40に供給される。
本実施例でも、実施例1と同様に、低圧タービンから排気された蒸気が、蒸気圧縮機28で圧縮され、抽気管25によって抽気蒸気が導かれている第6低圧給水加熱器17Dに供給される。
本実施例も、実施例1で生じる各効果を得ることができる。
本実施例における蒸気発生装置27の接続状態の替りに、実施例2から6で述べた蒸気発生装置27のそれぞれの接続状態を、加圧水型原子力発電プラント1Gに適用してもよい。さらに、実施例7と同様に、蒸気圧縮装置27Aを加圧水型原子力発電プラント1Gに追加してもよい。
本発明の他の実施例である実施例9の発電プラントを、図12を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、電気出力1100MWeのBWR−5型の沸騰水型原子力発電プラント1Hである。
本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1Hは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1に流量調節弁43を付加した構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Fの他の構成は、沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。流量調節弁43は、蒸気圧縮機28が接続される第6低圧給水加熱器17Dに接続される抽気管25に設けられている。この抽気管25は低圧タービン5Bの抽気点55に接続される。具体的には、流量調節弁43は、低圧タービン5A,5B及び5Cにそれぞれ対応して設けられた各抽気管25に設けられる。
本実施例でも、実施例1と同様に、低圧タービンBから排気された蒸気を、蒸気圧縮機28で圧縮して第6低圧給水加熱器17Dに供給する。蒸気圧縮機28から第6低圧給水加熱器17Dに供給される圧縮蒸気の流量は、沸騰水型原子力発電プラント1Hの運転期間を通して設定流量に保持される。
蒸気圧縮機28で圧縮された蒸気が、抽気管25によって抽気蒸気が導かれている第6低圧給水加熱器17Dに供給されるので、第6低圧給水加熱器17Dに供給される加熱源としての蒸気の流量が、蒸気圧縮装置27を備えていない従来の沸騰水型原子力発電プラントにおいて第6低圧給水加熱器に供給される蒸気の流量よりも増大する。沸騰水型原子力発電プラント1Hにおいて、第6低圧給水加熱器17Dに供給される蒸気の流量が従来の沸騰水型原子力発電プラントにおけるその流量よりも増大した場合には、第6低圧給水加熱器17Dよりも下流に位置する各給水加熱器に供給されるそれぞれの抽気蒸気の流量を減少させる調節を行う必要がある。しかしながら、本実施例は、圧縮された蒸気が導かれる第6低圧給水加熱器17Dに接続された抽気配管25に流量調節弁43を備えているので、この流量調節弁43の開度を低減させて低圧タービン5Cから第6低圧給水加熱器17Dに供給する抽気蒸気の流量を減少させる。このため、第6低圧給水加熱器17Dよりも下流に位置する各給水加熱器に供給されるそれぞれの抽気蒸気流量の調節は実質的に不要になる。本実施例は、抽気蒸気流量の調節が容易になる。流量調節弁43の開度調節は、沸騰水型原子力発電プラント1Hが起動させる前に実施される。沸騰水型原子力発電プラント1Hが起動された後では、上記の抽気蒸気の流量を微調整する以外は実質的に流量調節弁43の開度は調節されない。
低圧タービン5Aの抽気点55に接続された抽気管25に設けられた流量調節弁43、及び低圧タービン5Cの抽気点55に接続された抽気管25に設けられた流量調節弁43も、同様に調節される。
蒸気圧縮装置27を備えている本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、抽気管25に流量調節弁43を設けているので、流量調節弁43を設けた抽気管25以外の抽気管で供給する抽気蒸気流量の調節が実質的に不要になる。また、流量調節弁43の開度減少によって、圧縮蒸気が供給される第6低圧給水加熱器17Dへの抽気蒸気流量を減少させるので、沸騰水型原子力発電プラント1Hの熱効率がさらに向上する。
流量調節弁43の調節により、発電プラントの熱効率が上昇する理由を以下に説明する。蒸気圧縮機28が蒸気供給管31により低圧タービン5Bの抽気点55に接続され、蒸気圧縮機28が蒸気供給管32により第5低圧給水加熱器17Cに接続されている場合を想定する。
第5低圧給水加熱器17Cには、105℃の抽気蒸気を抽気点54から抽気管24を通して供給される。第5低圧給水加熱器17Cに供給される給水が、この抽気蒸気により98℃に加熱されている。蒸気圧縮機28から第5低圧給水加熱器17Cに、120℃の圧縮蒸気を供給することを想定する。従来の沸騰水型原子力発電プラントでは、第5低圧給水加熱器において給水は98℃までしか加熱できなかった。しかしながら、沸騰水型原子力発電プラント1Hでは、蒸気圧縮機28から上記した120℃の圧縮蒸気を、第5低圧給水加熱器17Cに供給できるので、第5低圧給水加熱器17Cにおいて給水を例えば110℃まで加熱することができる。第4低圧給水加熱器17Bは、抽気管23により供給される130℃の抽気蒸気を利用して給水を98℃から126℃まで上昇させる機能を持っている。蒸気圧縮機28から前述のように圧縮蒸気を第5低圧給水加熱器17Cに供給することによって、第4低圧給水加熱器17Bの役割の一部を第5低圧給水加熱器17Cにおいて実施することができる。したがって、第4低圧給水加熱器17Bでは、給水の温度を110℃から126℃まで上昇させるだけでよい。すなわち、低圧タービン5Bの抽気点53から抽気するの抽気蒸気の量を減らすことができる。
従来例では、第4低圧給水加熱器では、給水を98℃から110℃に加熱し、さらに126℃まで昇温するのに130℃の抽気蒸気を利用している。これは、抽気蒸気の圧力及び温度が低圧タービンの段間に対応した圧力及び温度になるからである。このため、従来の発電プラントでは、中間の任意の圧力及び温度になる抽気蒸気を給水加熱器に供給することができない。エネルギー有効利用の観点から、給水を110℃まで加熱することだけを考えるならば、蒸気圧縮機28から第5低圧給水加熱器17Cに供給する圧縮蒸気の温度は、120℃で充分である。
このため、本実施例では、抽気管23によって供給される130℃の抽気蒸気の流量を減らすことができる。この減少した流量分の抽気蒸気は、低圧タービンにおいて動力として回収できるので、プラント効率が向上する。
なお、蒸気圧縮機28から第5低圧給水加熱器17Cに圧縮蒸気を供給した場合において、供給抽気管23によって第4低圧給水加熱器17Bに供給する抽気蒸気の流量を減らさずにそのまま供給したときについて説明する。第4低圧給水加熱器17Bにおける給水温度は、従来の第4低圧給水加熱器の使用条件から若干変化したとしても、その給水温度は加熱側の抽気蒸気温度を超えることはできない。このため、130℃の抽気蒸気で加熱された給水の温度は126℃よりも僅かに(1〜2℃)上昇する程度であり、抽気蒸気の熱エネルギーは有効に利用されない。段階的に給水の温度を上昇させていく給水加熱器群においては、全体の温度バランスを考慮して加熱用の蒸気を供給することが重要である。蒸気圧縮装置(ヒートポンプ)27の利用は、加熱用の蒸気の温度を調整できるので、発電プラントとしての効率を向上させることができる。
前述の実施例2から8の各実施例においても、蒸気圧縮機28で圧縮された蒸気が供給される給水加熱器に接続された抽気管に流量調節弁43を設けてもよい。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1H…沸騰水型原子力発電プラント、1G 加圧水型原子力発電プラント、2,2A…原子炉、3…高圧タービン、4…湿分分離器、5A,5B,5C…低圧タービン、6…主蒸気配管、11…復水器、15…給水配管、16A…第1高圧給水加熱器、16B…第2高圧給水加熱器、17A…第3低圧給水加熱器、17B…第4低圧給水加熱器、17C…第5低圧給水加熱器、17D…第6低圧給水加熱器、19…給水ポンプ、20,21,22,23,24,25…抽気管、26…ドレン配管、27,27A…蒸気圧縮装置、28,28A,28B…蒸気圧縮機、29,29A…駆動装置、40…蒸気発生器、43…流量調節弁、50,51,52,53,54,55…抽気点。

Claims (9)

  1. 蒸気を発生する蒸気発生装置を備えた発電プラントにおいて、
    前記蒸気発生装置に接続されて前記蒸気を導く主蒸気配管、及び前記主蒸気配管により前記蒸気が順次供給される第1タービン及び前記第1タービンよりも圧力が低い第2タービンを有する主蒸気系と、前記第2タービンから排気された前記蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で前記蒸気の凝縮によって生成された給水を前記蒸気発生装置に導く給水配管と、前記給水配管に設けられた複数の給水加熱器と、前記蒸気を圧縮する蒸気圧縮装置と、蒸気圧縮装置が設置されていなく、前記主蒸気系の第1の位置から抽気された前記蒸気を1つの前記給水加熱器に導く第1配管と、前記蒸気圧縮装置が設けられ、前記第1の位置より下流に位置する前記主蒸気系の第2の位置と前記第1配管が接続される前記1つの給水加熱器を接続する第2配管とを備え、
    前記蒸気圧縮装置による前記蒸気の圧縮に要する動力をQ1,前記蒸気圧縮装置によって圧縮された前記蒸気によって前記1つの給水加熱器に供給される熱量をQ3、Q3/Q1で定義される前記蒸気圧縮装置の成績係数をCOP,及び前記蒸気圧縮装置に前記動力Q1を供給する前記発電プラントの熱効率をηとしたとき、COP−1/η>0を満足させる前記第2の位置と前記1つの給水加熱器に、前記蒸気圧縮装置を設けた前記第2の配管を接続したことを特徴とする発電プラント。
  2. 前記第1配管に流量調節弁を設けた請求項1に記載の発電プラント。
  3. 蒸気を発生する蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置に接続されて前記蒸気を導く主蒸気配管と、前記主蒸気配管により前記蒸気が供給される第1タービン及び前記第1タービンから排気された前記蒸気が供給される第2タービンを有する主蒸気系と、前記第2タービンから排気された前記蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で前記蒸気の凝縮によって生成された給水を前記蒸気発生装置に導き、下流から上流に向かって第1給水加熱器、第2給水加熱器、第3給水加熱器、第4給水加熱器、第5給水加熱器及び第6給水加熱器がこの順番に設けられた給水配管と、前記主蒸気系の、蒸気の流れ方向における異なる6つの抽気位置からそれぞれ別々に抽気された前記蒸気を、対応するそれぞれの前記給水加熱器に別々に供給する6本の抽気管と、前記第2タービンから排気された前記蒸気を圧縮する蒸気圧縮装置とを備え、
    この蒸気圧縮装置で圧縮された蒸気を導く蒸気供給管を、前記第5給水加熱器及び第6給水加熱器のいずれかに接続したことを特徴とする発電プラント。
  4. 蒸気を発生する蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置に接続されて前記蒸気を導く主蒸気配管と、前記主蒸気配管により前記蒸気が供給される第1タービン及び前記第1タービンから排気された前記蒸気が供給される第2タービンを有する主蒸気系と、前記第2タービンから排気された前記蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で前記蒸気の凝縮によって生成された給水を前記蒸気発生装置に導き、下流から上流に向かって第1給水加熱器、第2給水加熱器、第3給水加熱器、第4給水加熱器、第5給水加熱器及び第6給水加熱器がこの順番に設けられた給水配管と、前記第1タービンの、軸方向において異なる2つの抽気位置及び前記第2タービンの、軸方向において異なる4つの抽気位置のそれぞれから別々に抽気された前記蒸気を対応するそれぞれの前記給水加熱器に別々に供給する6本の抽気管と、前記第2タービンに設けられた4つの前記抽気位置のうち最も下流に位置する前記抽気位置、及びこの抽気位置で前記第2タービンの周方向において前記抽気位置からずれた位置のいずれかから抽気された前記蒸気を圧縮する蒸気圧縮装置とを備え、
    この蒸気圧縮装置で圧縮された蒸気を導く蒸気供給管を、前記第3給水加熱器、前記第4給水加熱器及び第5給水加熱器のいずれかに接続したことを特徴とする発電プラント。
  5. 蒸気を発生する蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置に接続されて前記蒸気を導く主蒸気配管と、前記主蒸気配管により前記蒸気が供給される第1タービン及び前記第1タービンから排気された前記蒸気が供給される第2タービンを有する主蒸気系と、前記第2タービンから排気された前記蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で前記蒸気の凝縮によって生成された給水を前記蒸気発生装置に導き、下流から上流に向かって第1給水加熱器、第2給水加熱器、第3給水加熱器、第4給水加熱器、第5給水加熱器及び第6給水加熱器がこの順番に設けられた給水配管と、前記第1タービンの、軸方向において異なる2つの抽気位置及び前記第2タービンの、軸方向において異なる4つの抽気位置のそれぞれから別々に抽気された前記蒸気を対応するそれぞれの前記給水加熱器に別々に供給する6本の抽気管と、前記第2タービンに設けられた4つの前記抽気位置のうち上流から三番目に位置する前記抽気位置、及びこの抽気位置で前記第2タービンの周方向において前記抽気位置からずれた位置のいずれかから抽気された前記蒸気を圧縮する蒸気圧縮装置とを備え、
    この蒸気圧縮装置で圧縮された蒸気を導く蒸気供給管を、前記第2給水加熱器、前記第3給水加熱器及び第4給水加熱器のいずれかに接続したことを特徴とする発電プラント。
  6. 蒸気を発生する蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置に接続されて前記蒸気を導く主蒸気配管と、前記主蒸気配管により前記蒸気が供給される第1タービン及び前記第1タービンから排気された前記蒸気が供給される第2タービンを有する主蒸気系と、前記第2タービンから排気された前記蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で前記蒸気の凝縮によって生成された給水を前記蒸気発生装置に導き、下流から上流に向かって第1給水加熱器、第2給水加熱器、第3給水加熱器、第4給水加熱器、第5給水加熱器及び第6給水加熱器がこの順番に設けられた給水配管と、前記第1タービンの、軸方向において異なる2つの抽気位置及び前記第2タービンの、軸方向において異なる4つの抽気位置のそれぞれから別々に抽気された前記蒸気を対応するそれぞれの前記給水加熱器に別々に供給する6本の抽気管と、前記第2タービンに設けられた4つの前記抽気位置のうち上流から二番目に位置する前記抽気位置、及びこの抽気位置で前記第2タービンの周方向において前記抽気位置からずれた位置のいずれかから抽気された前記蒸気を圧縮する蒸気圧縮装置とを備え、
    この蒸気圧縮装置で圧縮された蒸気を導く蒸気供給管を、前記第1給水加熱器、前記第2給水加熱器及び第3給水加熱器のいずれかに接続したことを特徴とする発電プラント。
  7. 蒸気を発生する蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置に接続されて前記蒸気を導く主蒸気配管と、前記主蒸気配管により前記蒸気が供給される第1タービン及び前記第1タービンから排気された前記蒸気が供給される第2タービンを有する主蒸気系と、前記第2タービンから排気された前記蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で前記蒸気の凝縮によって生成された給水を前記蒸気発生装置に導き、下流から上流に向かって第1給水加熱器、第2給水加熱器、第3給水加熱器、第4給水加熱器、第5給水加熱器及び第6給水加熱器がこの順番に設けられた給水配管と、前記第1タービンの、軸方向において異なる2つの抽気位置及び前記第2タービンの、軸方向において異なる4つの抽気位置のそれぞれから別々に抽気された前記蒸気を対応するそれぞれの前記給水加熱器に別々に供給する6本の抽気管と、前記第2タービンに設けられた4つの前記抽気位置のうち最も上流に位置する前記抽気位置、及びこの抽気位置で前記第2タービンの周方向において前記抽気位置からずれた位置のいずれかから抽気された前記蒸気を圧縮する蒸気圧縮装置とを備え、
    この蒸気圧縮装置で圧縮された蒸気を導く蒸気供給管を、前記第1給水加熱器び第2給水加熱器のいずれかに接続したことを特徴とする発電プラント。
  8. 蒸気を発生する蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置に接続されて前記蒸気を導く主蒸気配管と、前記主蒸気配管により前記蒸気が供給される第1タービン及び前記第1タービンから排気された前記蒸気が供給される第2タービンを有する主蒸気系と、前記第2タービンから排気された前記蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器で前記蒸気の凝縮によって生成された給水を前記蒸気発生装置に導き、下流から上流に向かって第1給水加熱器、第2給水加熱器、第3給水加熱器、第4給水加熱器、第5給水加熱器及び第6給水加熱器がこの順番に設けられた給水配管と、前記第1タービンの、軸方向において異なる2つの抽気位置及び前記第2タービンの、軸方向において異なる4つの抽気位置のそれぞれから別々に抽気された前記蒸気を対応するそれぞれの前記給水加熱器に別々に供給する6本の抽気管と、前記第1タービンに設けられた2つの前記抽気位置のうち最も下流に位置する前記抽気位置、及びこの抽気位置で前記第1タービンの周方向において前記抽気位置からずれた位置のいずれかから抽気された前記蒸気を圧縮する蒸気圧縮装置とを備え、
    この蒸気圧縮装置で圧縮された蒸気を導く蒸気供給管を、前記第1給水加熱器に接続したことを特徴とする発電プラント。
  9. 前記蒸気供給管が接続された前記給水加熱器に接続される前記抽気管に、流量調節弁を設けた請求項3ないし8のいずれか1項に記載の発電プラント。
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