JP2010174266A - 電解コンデンサ用陰極箔の製造方法および電解コンデンサ用陰極箔 - Google Patents

電解コンデンサ用陰極箔の製造方法および電解コンデンサ用陰極箔 Download PDF

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Abstract

【課題】皮膜耐圧が向上した電解コンデンサ用陰極箔を、容易に製造する。
【解決手段】アルミニウム箔をエッチングしてエッチング箔を得るエッチング工程と、該エッチング箔を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、洗浄後の前記エッチング箔に対して安定化処理と熱処理とを行う後処理工程とを有し、前記安定化処理をアルミノンを含む水溶液への浸漬により行うことを特徴とする電解コンデンサ用陰極箔の製造方法であり、また、前記エッチング箔に形成された安定化皮膜が、アルミノンを含有することを特徴とする電解コンデンサ用陰極箔である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解コンデンサ用陰極箔の製造方法および電解コンデンサ用陰極箔に関するものであり、特に、陰極箔の静電容量を低下させずに皮膜耐圧を向上させる方法、および当該方法を用いた電解コンデンサ用陰極箔に関するものである。
電解コンデンサ用アルミニウム箔は、表面積を拡大して高い静電容量を得るために、一般に塩素イオンを含む溶液中でエッチング処理を行っている。その後、陽極箔は誘電体となるバリヤー型酸化皮膜を表面に形成させるため、化成処理が行われる。
一方、陰極箔はエッチング後に誘電体を形成する必要がないため、残留塩素イオンの除去のみ、またはその後安定化処理を行って、電解コンデンサに使用される。
昨今、製品特性改善、特にインピーダンス特性の面から、含水量の大きい電解液が使用されてきており、それに伴い電極箔に対しては、水和反応が起きにくく、電解液中で劣化しにくい電極箔が必然的に求められる。しかしながら、陰極箔は、陽極箔のようにバリヤー型酸化皮膜で覆われていないので電解液中で水和反応が起こりやすく、水和に対する安定性が強く求められている。
水和に対する安定性向上のために、リン酸若しくはリン酸塩の水溶液に浸漬後、乾燥若しくは加熱処理を行う方法、またはリン酸塩水溶液中で数V程度の化成を行う方法があり、さらには、エッチング箔にチタンを蒸着させる方法も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、前者の方法では、水和に対する安定性向上を十分に図ることができず、また、後者の方法では、静電容量が低下する、製造装置が複雑化する等の問題があった。
永田伊佐也、「電解液陰極アルミニウム電解コンデンサ」、日本蓄電器工業株式会社、平成9年2月24日、第2版第1刷、P338〜344
本発明は、静電容量を低下させず、水和に対する安定性が十分で、皮膜耐圧を向上させた陰極箔を製造しようとするものである。
すなわち、本発明による電解コンデンサ用陰極箔の製造方法は、アルミニウム箔をエッチングしてエッチング箔を得るエッチング工程と、該エッチング箔を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、洗浄後の前記エッチング箔に対して安定化処理と熱処理とを行う後処理工程とを有する電解コンデンサ用陰極箔の製造方法において、前記安定化処理が下記の化学式[化1]で表されるアルミノンを含む水溶液への浸漬であることを特徴とする電解コンデンサ用陰極箔の製造方法である。
Figure 2010174266
また、前記アルミノンの濃度が0.1〜1.0g/Lであることを特徴とする電解コンデンサ用陰極箔の製造方法である。
さらに、前記アルミノンを含む水溶液への浸漬濃度が40〜80℃であることを特徴とする電解コンデンサ用陰極箔の製造方法である。
そして、アルミニウム箔をエッチングして得られたエッチング箔に安定化皮膜を形成した電解コンデンサ用陰極箔であって、前記安定化皮膜が、上記の化学式[化1]で示されるアルミノンを含有することを特徴とする電解コンデンサ用陰極箔である。
本発明によれば、エッチング箔を脱塩素イオン処理した後、アルミノンを含む水溶液に浸漬させ、熱処理を行うことで、アルミノンが陰極箔表面のアルミニウムと反応し、有機質の皮膜(安定化皮膜)を形成し、水和に対する陰極箔の劣化を抑制することができ、静電容量を低下させずに皮膜耐圧を向上させることができると考えられる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
[実施例1〜5]アルミノン濃度の比較
アルミニウム純度99.9%、厚さ50μmのアルミニウム箔を、7wt%塩酸/0.1wt%硫酸からなる溶液(液温28℃)を用いて、周波数14Hz、電気量20クーロン/cm2で交流エッチング処理を行った。
エッチング処理後、45℃、0.5wt%のリン酸水溶液に浸漬して残留塩素イオンを除去し水洗した後、アルミノン水溶液(温度60℃)を各々、濃度0.05、0.1、0.3、1.0、2.0g/Lの5条件で、1分間浸漬を行った後、400℃の熱処理を施し、安定化皮膜を形成した。なお、アルミノン水溶液のpHは6.0に調整した。
これらのエッチング箔試料の静電容量および皮膜耐圧の測定を行い、また、エチレングリコール40wt%、水50wt%、アジピン酸アンモニウム10wt%を配合した電解液中にて、105℃、8時間の浸漬を行い、浸漬後の静電容量を測定し、表1の結果を得た。
[実施例6〜10]アルミノン水溶液の浸漬温度の比較
上記実施例と同仕様のアルミニウム箔を、同様の条件でエッチング処理を行い、表面を粗面化したアルミニウム箔を、残留塩素イオンを除去し水洗した後、アルミノン水溶液(濃度0.5g/L)に各々、30℃、40℃、60℃、80℃、90℃の5条件で、1分間浸漬を行った後、400℃の熱処理を施し、安定化皮膜を形成した。
これらのエッチング箔試料の静電容量および皮膜耐圧の測定を行い、また、上記実施例と同様の条件で電解液中に浸漬し、浸漬後の静電容量を測定し、表1の結果を得た。
(比較例1)アルミノン水溶液浸漬無し、熱処理有り
上記実施例と同仕様のアルミニウム箔を、実施例と同様の条件でエッチング処理し、アルミノン水溶液中への浸漬は行わず、熱処理のみの安定化皮膜を形成し、エッチング箔試料を作製した。
上記エッチング箔試料の静電容量および皮膜耐圧の測定を行い、また、上記実施例と同様の条件で電解液中に浸漬し、浸漬後の静電容量を測定し、表1の結果を得た。
(比較例2)アルミノン水溶液浸漬無し、熱処理無し
上記実施例と同仕様のアルミニウム箔を、実施例と同様の条件でエッチング処理し、アルミノン水溶液中への浸漬、および熱処理を行わずに、エッチング箔試料を作製した。
上記エッチング箔試料の静電容量および皮膜耐圧の測定を行い、また、上記実施例と同様の条件で電解液中に浸漬し、浸漬後の静電容量を測定し、表1の結果を得た。
(比較例3)アルミノン水溶液浸漬有り、熱処理無し
実施例と同仕様のアルミニウム箔を、実施例と同様の条件でエッチング処理し、アルミノン濃度0.5g/L水溶液中への浸漬のみ行い、熱処理を行わずに、エッチング箔試料を作製した。
上記エッチング箔試料の静電容量および皮膜耐圧の測定を行い、表1の結果を得た。また、上記実施例と同様の条件で電解液中に浸漬し、浸漬後の静電容量を測定し、表2の結果を得た。
(従来例1)
上記実施例と同仕様のアルミニウム箔を、実施例と同様の条件でエッチング処理したエッチング箔試料を作製し、アルミノンの代わりにリン酸6.0g/Lを含有し、pH3.5に調整した水溶液中(90℃)に浸漬し、400℃の熱処理を行って、安定化皮膜を形成し、エッチング箔試料を作製した。
上記エッチング箔試料の静電容量および皮膜耐圧の測定を行い、また、上記実施例と同様の条件で電解液中に浸漬し、浸漬後の静電容量を測定し、表1の結果を得た。
(従来例2)
上記実施例と同仕様のアルミニウム箔を、リン酸6.0g/Lを含有し、pH7.0に調整した水溶液中(90℃)に浸漬した以外は、従来例1と同様にして、エッチング箔試料を作製した。
上記エッチング箔試料の静電容量および皮膜耐圧の測定を行い、また、上記実施例と同様の条件で電解液中に浸漬し、浸漬後の静電容量を測定し、表1の結果を得た。
Figure 2010174266
[電解液浸漬前後の静電容量変化、皮膜耐圧比較]
表1から分かるように、アルミノン水溶液にエッチング箔を浸漬した実施例1〜10では、従来例1、2と比較して、静電容量の低下が少なく、皮膜耐圧が向上しているが、その中でも、実施例2〜4のアルミノン濃度0.1〜1.0g/L(60℃)、実施例7〜9のアルミノン水溶液の浸漬温度40〜80℃、熱処理有りとした場合、静電容量の低下がより少なくなっており、皮膜耐圧もより向上していることが分かる。
また、アルミノン水溶液への浸漬を行わなかった比較例1(熱処理有り)、比較例2(熱処理無し)では、上記の静電容量の低下、および皮膜耐圧向上がみられず、アルミノン水溶液への浸漬が必須であることが分かる。そして、アルミノン水溶液への浸漬を行ったが、熱処理を行わなかった比較例3では、上記の静電容量低下の抑制、および皮膜耐圧の向上に係る効果が小さいため、熱処理が必須であることが分かる。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、エッチング箔のアルミノン水溶液への浸漬による安定化処理を、公知の前処理工程、エッチング工程、洗浄工程と適宜組み合わせて行ってもよい。

Claims (4)

  1. アルミニウム箔をエッチングしてエッチング箔を得るエッチング工程と、該エッチング箔を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、洗浄後の前記エッチング箔に対して安定化処理と熱処理とを行う後処理工程とを有する電解コンデンサ用陰極箔の製造方法において、
    前記安定化処理を下記の化学式[化1]で示されるアルミノンを含む水溶液への浸漬により行うことを特徴とする電解コンデンサ用陰極箔の製造方法。
    Figure 2010174266
  2. 前記アルミノンの濃度が0.1〜1.0g/Lであることを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ用陰極箔の製造方法。
  3. 前記アルミノンを含む水溶液への浸漬温度が40〜80℃であることを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ用陰極箔の製造方法。
  4. アルミニウム箔をエッチングして得られたエッチング箔に安定化皮膜を形成した電解コンデンサ用陰極箔であって、
    前記安定化皮膜が、上記の化学式[化1]で示されるアルミノンを含有することを特徴とする電解コンデンサ用陰極箔。

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