JP2010174265A - フープ材のめっき装置、及びそれを用いたフープ材の連続めっき方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】出入口用スリットを有する処理槽1にフープ材5を搬入し、連続的に内セル2を通過させてめっき液に浸漬するようにした、フープ材のめっき装置において、前記内セル2の出入口用スリット3の近傍に、フープ材5の一面側と他面側とで一対になるロッドを複数セット配置して液漏出防止機構を構成し、前記ロッドは、ホルダー内に収納し、かつホルダーとフープ材5との位置調整可能な状態で、ホルダーの端部を内セル2に連接された支持板8に固定したことを特徴とするフープ材のめっき装置、及びフープ材の連続めっき方法。
【選択図】図1
Description
ところが、このような装置の場合、液漏出を防止するシールが液圧によって左右されるので漏出の勢いが変動してしまうだけでなく、フープ材の流れ方向の処理槽出口側にいたっては、液圧がローラーの回転を妨げる働きとなり回転不良を起こすため、フープ材に摩擦による外傷が生じる危険性が高い。また、水圧によりフープ材を押さえ込むため、フープ材を搬送する為には水圧以上の力でフープ材を引っ張らなければならず、フープ材が薄いフィルム状の場合には、ワークの変形(伸び)が顕著に発生する。
これにより、めっき装置の各処理槽における内セルの入口および出口のスリットにおいて、走行するフープ材と回転するテンションローラとの接触がテンションを伴って密着するため、処理液の液漏れを従来よりも確実に防止することができ、めっき装置の各処理槽において、安定して優れたシール性能が発揮されるようになった。しかしながら、フープ材とテンションローラとの接触がテンションを伴って密着するため、フープ材に傷が発生する場合もあった。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記ロッドの長さは、液漏出防止出入口内セル近傍が最も長く、内セルから遠ざかるに従って短くしたことを特徴とするフープ材のめっき装置が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記ホルダーは、支持板に設けた位置調整用ネジによって、支持板とフープ材間をスライドすることを特徴とする請求項1に記載のフープ材のめっき装置が提供される。
(1)フープ材とロッドとの隙間には漏出液が絶えず介在している為、ロッドはフープ材に接触する事なく傷の発生を防止する事が実現できる。
(2)出入口スリットにフープ材を中心に1組の対となるロッドを適切な隙間を保持し複数セット配置するので、次工程への液の飛び移りがなくなる。
本発明のフープ材のめっき装置は、出入口用スリットを有する処理槽にフープ材を搬入し、連続的に内セルを通過させてめっき液に浸漬するようにした、フープ材のめっき装置において、前記内セルの出入口用スリットの近傍に、フープ材の一面側と他面側とで一対になるロッドを複数セット配置して液漏出防止機構を構成し、前記ロッドは、ホルダー内に収納し、かつホルダーとフープ材との位置調整可能な状態で、ホルダーの端部を内セルに連接された支持板に固定したことを特徴とする。
ホルダー7に精度良く挿入されたロッド6は、出入口用スリット部の近傍に複数セット配置されるために、フープ材5に対し従来よりも平行な状態を維持しながら、ホルダー7で確実に固定される事となる。
これにより、フープ材の厚さや走行条件などが変わっても、本発明の装置によって安定的にめっき処理することが可能となる。
本発明に係る連続めっき方法は、前記処理槽に出入口用スリットを有するめっき装置を用いたフープ材の連続めっき方法であって、予め、ロッドとフープ材との間隔が、内セルの出入口用スリットのスリット幅に略一致するように、ホルダー位置を調整し、その後、処理槽の出入口用スリットを有する内セルにフープ材を連続的に通過してめっき液に浸漬することを特徴とする。
めっき装置を稼動すると、図2(左図)のように、液吐出口20から内セルに充満しためっき液が出入り口スリット3から漏出するが、内セルに近接したロッド6aが隔壁となって漏出が一部抑えられるため、次のロッド6bではめっき液の水位が低下し、さらに次のロッド6cによって十分にめっき液の水位が低下して、液戻り口21から排出される。
本発明では、このように内セル2から遠いほど水位が低下する為、その高さに合わせロッド6及びホルダー7の長さを短くする事で、フープ材5とロッド6との隙間には漏出した液が絶えず介在する事になり、フープ材への傷の発生を抑制できる。液戻り口21から排出されためっき液は、その後、ゴミなどを除去し、あるいは成分を調整して再び液吐出口20から内セルに供給される。
本発明のめっき装置として、図1〜3のようにロッド6にφ10mmのパイレックス(登録商標)(コーニング社の商品名)ガラスを使用し、かつ内セル2出入口の近傍から順にガラスロッドの長さを短くし(セル近傍より450mm、300mm、150mm)、またガラスロッド6を収容するホルダー7を製作した。ガラスロッド6は、フープ材5を中心とし1組の対となるユニットとして、出入口に合計6組配置した。
フープ材5とガラスロッド6との隙間は、四角堰の計算により決定し、使用するポンプ能力に基づき堰からの流出量を100L/minとした。なお、B:全幅(286mm)、H:スリット高さ(410mm)、D:スリット下限高さ(35mm)であり、また、堰の流量係数に関しては予め実験的に1.08である事を確認している。
前記式(1)を用い、スリット幅b(堰の幅)を求めた結果、2mmとなった。
そこで、フープ材5を中心に1組の対となるガラスロッド6が、フープ材5に対し平行に2mmとなる位置に調整用ボルト9にて調整し、次に固定用ネジ10を用いガラスロッドを固定し試験を実施した。幅300mm、厚さ1mmのフープ材において4000mめっき処理を行ったところ、フープ材に傷が発生する事はなかった。
処理槽間への液の持ち出しにおいても、次工程への液の飛び移りがなくなり、例えばめっき処理を行った後の水洗工程における廃水のPH値は、水として処理できる基準内に収まっていた。このことは、処理槽間での処理液の持ち出しが無かったことを意味している。この結果、堰止めの能力を維持したままで傷の減少を見込めることが実証できた。
実施例1において、フープ材を幅300mm、厚さ0.5mmのものに変更した以外は同様に行った。実施例1よりもロッドからのめっき液の漏出が増え過ぎたので、フープ材を中心に1組の対となるガラスロッドをフープ材に対し平行に1.8mmの位置に調整用ボルトにて調整し直して、次に固定用ネジを用いガラスロッドを固定し、再び試験を実施した。ロッドからの漏出は減少し、フープ材に傷が発生する事はなかった。
処理槽間への液の持ち出しにおいても、次工程への液の飛び移りがなくなり、めっき処理を行った後の水洗工程における廃水のPH値は水として処理できる基準内に収まっていた。
フープ材を中心に1対となる樹脂製ロッドを1組設けた従来の装置を用いて、実施例1と同じフープ材(幅300mm)を4000mめっき処理した。
その結果、ローラーとフープ材の速度差によって生じる長傷と言われる線状の長い傷が所々見られた。
2.内セル
3.内セルスリット
4.処理槽スリット
5.フープ材
6.ロッド
7.ホルダー
8.支持板
9.調整用ネジ
10.固定用ネジ
B.内セル幅
b.スリット幅(堰の幅)
H.スリット高さ
D.スリット下限高さ
Claims (6)
- 出入口用スリットを有する処理槽にフープ材を搬入し、連続的に内セルを通過させてめっき液に浸漬するようにした、フープ材のめっき装置において、
前記内セルの出入口用スリットの近傍に、フープ材の一面側と他面側とで一対になるロッドを複数セット配置して液漏出防止機構を構成し、前記ロッドは、ホルダー内に収納し、かつホルダーとフープ材との位置調整可能な状態で、ホルダーの端部を内セルに連接された支持板に固定したことを特徴とするフープ材のめっき装置。 - 前記ロッドは、材質が耐蝕性ガラスであることを特徴とする請求項1に記載のフープ材のめっき装置。
- 前記ロッドの長さは、液漏出防止出入口内セル近傍が最も長く、内セルから遠ざかるに従って短くしたことを特徴とする請求項1に記載のフープ材のめっき装置。
- 前記ホルダーは、支持板に設けた位置調整用ネジによって、支持板とフープ材間をスライドすることを特徴とする請求項1に記載のフープ材のめっき装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の処理槽に出入口用スリットを有するめっき装置を用いたフープ材の連続めっき方法であって、
予め、ロッドとフープ材との間隔が、内セルの出入口用スリットのスリット幅に略一致するように、ホルダー位置を調整し、その後、処理槽の出入口用スリットを有する内セルにフープ材を連続的に通過してめっき液に浸漬することを特徴とするフープ材の連続めっき方法。 - さらに、出入口用スリット及びめっきされたフープ材を観察し、ロッドとフープ材間からのめっき液の漏出量が多いか、フープ材に傷が発生した場合は、ロッドとフープ材との間隔を、0〜5mmの範囲で調整することを特徴とする請求項5に記載のフープ材の連続めっき方法。
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