JP2010173977A - ハタケシメジ抽出物を含有する白血球数減少抑制用医薬組成物 - Google Patents

ハタケシメジ抽出物を含有する白血球数減少抑制用医薬組成物 Download PDF

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一孝 山田
Yasushi Kojima
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Abstract

【課題】抗癌剤投与による骨髄抑制副作用を軽減するための薬剤を提供する。
【解決手段】ハタケシメジ抽出物を含有することを特徴とする、担癌哺乳動物において抗癌剤投与による白血球数の減少、とりわけ好中球数の減少、を抑制するための医薬組成物。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハタケシメジ抽出物を含有する、白血球数減少を抑制するための医薬組成物に関する。
近年、ヒトやペット動物の高齢化に伴い、腫瘍性疾患が増加し、腫瘍の切除とともに化学療法や放射線療法が併用される機会が多くなっている。化学療法で使用される抗癌剤は、腫瘍細胞に作用して腫瘍塊を退縮させるだけでなく正常細胞又は非腫瘍細胞に対しても毒性作用を及ぼすため、その毒性による副作用が指摘されている。副作用としては、たとえば骨髄抑制、嘔吐、脱毛、しびれ、腎臓、肝臓などの臓器に対する障害などが挙げられる。とりわけ、骨髄抑制が代表的かつ深刻な副作用の1つであり、これは、抗癌剤が骨髄での造血幹細胞や血球前駆細胞の分化や成熟化を抑制することによって引き起こされる。骨髄抑制のために、種々の感染症を併発するリスクが高まるため、癌治療への抗癌剤の使用に際しては、抗癌剤の毒性管理が課題の1つに挙げられ、抗癌剤の投与時期、投与期間、投与量などを含めた治療計画が専門医によって綿密に立てられる。白血球数の減少に対する対症療法として、医療現場では例えば高価なG-CSFが利用されているが、患者への経済的負担が大きいのも事実である。
このような状況と相俟って、腫瘍性疾患の補完的かつ代替的医療に免疫賦活食品の使用が注目されている。そのような食品には、たとえばアガリクス、シイタケ、ハタケシメジヒラタケ、カワラタケ、メシマコブなどの担子菌類やその抽出物、プロポリスなどが挙げられる。
特許文献1には、レンチナス・エドデス(シイタケ)の抽出物を含有する、骨髄抑制、脱毛、消化管毒性又は腎毒性からなる抗癌剤の副作用を軽減する軽減剤が記載されている。特に、骨髄毒性については、シクロフォスファミド及び5−フルオロウラシルからなる抗癌剤と上記軽減剤との併用投与による白血球数及び赤血球数の減少の抑制が示されている。また、シスプラチンとの併用の場合には、抗癌剤によって誘発される消化管障害及び腎毒性が軽減されることが示されている。
特許文献2には、ハタケシメジの抽出物を含有する放射線障害予防剤及び治療剤が記載されている。担癌マウスに対する放射線照射とハタケシメジ抽出物の投与によって、腫瘍サイズが減少し、かつ、白血球数の恒常化が認められている。
特許文献3には、癌治療用化学療法剤と、ブナシメジ、シイタケ、マイタケ、ハタケシメジ又はエノキタケの抽出物とを含有する抗癌剤組成物が記載されている。実施例では、エノキタケ及びブナシメジの抽出物と、抗癌剤5−フルオロウラシル、カルボプラチン、カンプトテシン、アドリアマイシン、ブレオマイシン、シスプラチン及び/又はロイコボリンとの併用投与が試験され、その作用効果として癌治療効果の増強、副作用の抑制などが挙げられている。
特許文献4には、担子菌類の菌糸体エキスを含有する制癌剤の副作用軽減剤が記載されている。好ましい担子菌類として椎茸菌、山伏茸菌及びエノキ茸菌が挙げられ、また、好ましい制癌剤としてシスプラチンが例示されている。さらに、改善される副作用として腎障害の軽減が実施例で示されている。
特許文献5には、マツタケ又はその抽出物を含む抗癌剤副作用の軽減剤が記載されている。腫瘍体積の減少、白血球数減少の抑制、体重減少の抑制などの作用効果が実施例に示されている。
特許第4102466号公報 特開2003-12540号公報 特開2003-231644号公報 特開2002-104989号公報 特開2007-269702号公報
本発明者らは、ハタケシメジがβ−グルカンが8種類以上、バランス良く含まれることに注目し、ハタケシメジ抽出物が、抗癌剤の副作用の1つである骨髄抑制に対する軽減作用を有するか否かについて鋭意研究を行った。
上記特許文献2には、ハタケシメジ抽出物が癌の放射線療法において、腫瘍サイズの減少効果及び白血球数減少の抑制効果があることが記載されているが、抗癌剤による骨髄抑制の軽減作用については明確な知見が提供されていない。また、上記特許文献3には、ハタケシメジ抽出物と抗癌剤との併用による抗癌剤の副作用の軽減について記載されているものの、実際に、そのような効果があることは実施例で実証されていない。
上記課題について検討した結果、本発明者らは、意外にも、ハタケシメジ抽出物が抗癌剤による白血球数、特に好中球数、の減少を有意に抑制することを見出した。
したがって、本発明は、以下の特徴を含む。
本発明は、ハタケシメジ抽出物を含有することを特徴とする、担癌哺乳動物において抗癌剤投与による白血球数の減少を抑制するための医薬組成物を提供する。
本発明の実施形態において、本発明の組成物は、白血球数の減少、とりわけ好中球数の減少を抑制することができる。
本発明の別の実施形態において、ハタケシメジ抽出物が効果的である抗癌剤が、骨髄抑制副作用をもたらす抗癌剤である。そのような抗癌剤の例は、白金製剤、たとえばカルボプラチンである。
本発明の別の実施形態において、対象となる哺乳動物がヒト又はペット動物である。
本発明によりハタケシメジ抽出物を抗癌剤と併用することによって、抗癌剤による化学療法によって引き起こされる骨髄抑制、すなわち白血球数、とりわけ好中球数、の減少を有意に抑制しながら抗癌効果を有効に発揮することが可能になる。
カルボプラチン投与(矢印)によるハタケシメジ抽出群及びプラセボ群の総白血球数の変化(平均値±標準偏差)を示す。 カルボプラチン投与(矢印)によるハタケシメジ抽出群及びプラセボ群の好中球数の変化(平均値±標準偏差)を示す。
1. ハタケシメジ及びその抽出物
1.1 ハタケシメジ
ハタケシメジ(Lyophyllum decastes(Fr.)Sing.)は、ハラタケ目キシメジ科シメジ属のキノコで、香りマツタケ、味シメジと呼ばれ珍重されるホンシメジに最も近縁のキノコであり、ホンシメジと同様に歯ごたえが良く美味である。天然品は、庭先や畑などの比較的身近な場所に株状に発生する(今関六也、本郷次雄:原色日本菌類図鑑(1)、保育社、1987年)。また、免疫賦活作用による抗腫瘍効果も高いことが報告されている(卯川ら、J. Biosci. Bioeng., Vol.90, 98-104, 2000)。
本発明で使用しうるハタケシメジは、天然産品又は人工栽培品のいずれでもよい。原料の安定供給の面から、人工栽培品のハタケシメジが好ましい。
本出願人は、ハタケシメジの高収穫かつ効率的な人工栽培に成功し(特公平5-15404号公報;特許第1969534号公報)、この方法を用いてハタケシメジの「亀山1号」(品種登録番号第6740号)を種菌とする人工栽培品を安価に供給可能にしている。それゆえ、本発明で使用可能なハタケシメジは、好ましくは「亀山1号」を種菌とする人工栽培品である。
1.2 ハタケシメジ抽出物
本発明では、ハタケシメジの抽出物が有効成分として使用され、その抽出物は、子実体又はその部分(例えば傘、柄など)、好ましくは子実体、から抽出して得ることができる。ハタケシメジの子実体は、天然産品又は人工栽培品のいずれのものでもよく、好ましくは「亀山1号」などの人工栽培品の子実体である。
抽出は、ハタケシメジの子実体又はその部分を水で抽出することによって行われ、これによってハタケシメジ抽出物を得ることができる。ハタケシメジが人工栽培品である場合には、好ましくは、菌糸が栽培容器内に蔓延した時期に、微細粒子からなる鉱物質で栽培容器の開口部を被覆して栽培したハタケシメジから抽出される。
ハタケシメジからの抽出は、これらを生のまま、あるいは乾燥して粉砕後、水(熱水を含む)を用いて行われ、必要に応じて有機溶媒と水とが組み合わされて用いられてもよい。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、n-ブタノール、酢酸エチル等を用いることができる。加熱する場合は、減圧下、常圧下、加圧下のいずれでもよいが、抽出効率は加圧下で高温処理する方がよい。加熱温度は60〜260℃の範囲で実施可能である。抽出処理後のハタケシメジ抽出物は濃縮及び乾燥工程を経て0.5重量%〜100重量%の抽出エキスとして得られる。抽出エキスの濃縮方法は加熱濃縮法、減圧濃縮法、エタノール沈殿による濃縮方法のいずれでもよい。また、濃縮された抽出エキスの乾燥は、風乾法、加熱乾燥法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法のいずれか、あるいは、これらの任意の組み合わせでもよい。
上記の手法で抽出されたハタケシメジ抽出物は、次のような性質を有する。
(イ)色と形態:灰褐色又は黄褐色の粉末(ロ)化学成分(重量基準):糖質含量30%〜90%、蛋白質含量5%〜40%、水溶性食物繊維含量0.5〜18%、その他、水分、脂質、水溶性ビタミン類、Na、Kなどの無機質(ハ)溶解性:水溶性。
このようなハタケシメジ抽出物には、β−グルカン類(例えばβ−1,3グルカン、β−1,6グルカンなど)、イソロイシルチロシン、トレハロース、GABA(ギャバ)などの生理活性物質が含まれることが確認されている。
本発明で使用されるハタケシメジ抽出物は、極めて毒性が低く、経口投与での急性毒性をICR系雄性および雌性マウスについて調べたところ、3000mg/kg(p.o.)でも死亡例はなかった。
2. 担癌哺乳動物
本発明の医薬組成物が投与されうる担癌哺乳動物には、例えばヒト、ペット動物、家畜動物、競技用動物などが含まれる。
ペット動物の例は、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、フェレットなどである。
家畜動物の例は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマなどである。
競技用動物の例は、ウマなどである。
本発明で、好ましい哺乳動物は、ヒト、及びペット動物(例えばイヌ及びネコ、好ましくはイヌ)である。
これらの哺乳動物は、癌(「腫瘍」とも称する)を有しており、癌のタイプとしては、特に制限されず、例えば、急性白血病、骨髄性白血病などの血液癌、種々の臓器若しくは組織に発症する、肺癌、肝癌、腎癌、膵癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、脳腫瘍、食道癌、膀胱癌、前立腺癌、骨癌、骨肉腫、多発性骨髄腫、乳癌、卵巣癌、子宮癌、子宮頚癌、皮膚癌、悪性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、神経腫瘍、頭頚部癌、胆嚢・胆管癌、睾丸腫瘍などの癌又は腫瘍が挙げられる。
担癌哺乳動物の癌のレベルは、早期癌から進行癌、或いはレベルIの癌からレベルIVの癌までのいずれのステージでもよい。また、手術によって腫瘍が切除された後に抗癌剤治療が行われる/行われた哺乳動物も、本発明の対象動物である。
3. 抗癌剤
抗癌剤治療を受けている担癌哺乳動物では、例えば骨髄抑制、嘔吐、脱毛、しびれ、腎臓、肝臓などの臓器に対する障害などの副作用を伴うことが多い。とりわけ骨髄抑制や臓器障害は重篤な副作用であり、担癌哺乳動物においてそのような副作用を軽減することがQOL(生活の質)を高めるうえで重要である。
本発明の医薬組成物は、特に骨髄抑制を軽減する有意な作用を有しているため、抗癌剤として、骨髄抑制を副作用としてもたらす抗癌剤が担癌哺乳動物に投与される際に、有効である。多くの抗癌剤が骨髄抑制を含む副作用を有するといわれている。
骨髄抑制は、骨髄が障害されるために血球成分が減少する状態をいう。骨髄の障害は、造血機能の障害に導くため、白血球、血小板及び赤血球の減少を引き起こす。白血球が減少すると、感染症を併発しやすくなるし、また、血小板が減少すると、出血しやくなる。赤血球が減少すると、患者は貧血状態となる。
白血球は、好酸球、好中球及び好塩基球からなる。白血球の減少によって、病原体による外因性感染や、感染巣の悪化や常在菌による病原性の発現などの内因性感染が引き起こされやすくなる。白血球の中で好中球は、総白血球数の約65%を占め、貪食殺菌作用を有する。好酸球は、弱いながら貪食殺菌作用もあるが、特に寄生虫幼虫の殺菌や抗原抗体複合体の処理に関与する。好塩基球は、弱いながら運動能や貪食能があり、また細胞表面にIgEレセプターをもつためアレルゲンの付着によるアレルギー反応の症状に関与しうる。ヒトの場合の正常範囲の白血球数は2,000〜8,000/μLであり、骨髄抑制により白血球数が下限値未満となる。
骨髄抑制を引き起こす抗癌剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物アルカロイド、白金製剤、分子標的薬などの抗癌剤である(http://www.kenko-msnet.jp/koganzaichiryo.html)。
アルキル化剤には、例えばイホスファミド、塩酸ニムスチン、塩酸プロカルバジン、シクロホスファミド、ダカルバジン、チオテパ、ブスルファン、メルファラン、ラニムスチンなどが含まれる。
代謝拮抗剤には、例えばエノシタビン、塩酸ゲムシタビン、カルモフール、シタラビンオクホスファート、スタラシド、テガフール、サンフラール、ステロジン、フトフラール、ルナシン、テガフール−ウラシル、ユーエフティー、ドキシフルリジン、フルツロン、ヒドロキシカルバミド、カルゾナール、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、メルカプトプリン、リン酸フルダラビンなどが含まれる。
抗癌性抗生物質には、例えばアクチノマイシンD、コスメゲン、塩酸アクラルビシン、塩酸イダルビシン、イダマイシン、塩酸エピルビシン、ファルモルビシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸ピラルビシン、テラルビシン、塩酸ブレオマイシン、塩酸ミトキサントロン、マトマイシンC、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシンなどが含まれる。
植物アルカロイドには、例えばエトポシド、塩酸イリノテカン、塩酸ノギテカン、酒石酸ビノレルビン、タキソテール、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、硫酸ビンブラスチンなどが含まれる。
白金製剤には、例えばカルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチンなどが含まれる。
分子標的薬には、例えばトラストズマブ、リツキシマブなどが含まれる。
一実施形態によれば、本発明の医薬組成物は、担癌哺乳動物において白血球数の減少、とりわけ好中球数の減少、を引き起こす抗癌剤のその副作用を抑制又は軽減しうることを可能にする。後述の実施例では、抗癌剤として、例えば白金製剤であるカルボプラチンが使用され、その副作用としての白血球数の減少を、ハタケシメジ抽出物が抑制することを実証しており(図1)、白血球のなかで特に好中球数の減少が有意に改善されている(図2)。このことは、本発明のハタケシメジ抽出物は、抗癌剤によって引き起こされる好中球数の減少を抑制するという作用効果を有しているということができる。
4. 医薬組成物
本発明の医薬組成物で有効成分として含有されるハタケシメジ抽出物は、医薬製剤の形態で提供される。医薬製剤として、限定されないが、例えば散剤、顆粒、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、リポソーム剤、液剤、懸濁剤、ゼリー剤、シロップ剤などの剤型(dosage form)で提供される。また、医薬製剤は、2層以上の多層からなる構造をもつ剤型となすことも可能であり、これによって製剤に徐放性を付与することができる。
本発明の医薬組成物は、上記有効成分の他に、賦形剤又は担体、添加剤などを適宜含むことができる。添加剤には、例えば結合剤、滑沢剤、崩壊剤、安定化剤、保存剤、緩衝剤、甘味剤、香味剤、乳化剤などを適宜含有させることができる。
賦形剤又は担体には、例えばショ糖、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、パラフィン、ワックス、高級脂肪酸、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、アラビアガム、グアーガム、寒天、キサンタン、エタノール、グリセリン、生理食塩水、緩衝液、リンゲル液などが含まれる。
結合剤には、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどが含まれる。
滑沢剤には、例えばポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウム、タルク、合成ケイ酸アルミニウム、ポリビニルピロリドン、ラクトース、デンプン、ショ糖、アラビアガム、トラガカントガム、グアーガム、ペクチン、微結晶性セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸カルシウム、カルナウバろう、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ステアリルフマル酸ナトリウムなどが含まれる。
崩壊剤には、例えばメチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート80など)、クロスカルメロースナトリウム、デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶性セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウムなどが含まれる。
安定化剤には、例えばアミノ酸類、糖類などが含まれる。
緩衝剤には、例えば酒石酸、クエン酸等の有機酸などが含まれる。
甘味剤には、例えばアスパルテーム、ステビアなどの人工又は天然甘味料が含まれる。
香味剤には、例えばミント、ラズベリー、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、カラメル、バニラ、チェリー、グレープなどのフレーバーが含まれる。
乳化剤には、例えばポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル、ポロキサマーなどが含まれる。
上記製剤は、医薬産業において慣用される手法によって製造することができる。具体的な手法は、製薬上利用可能な賦形剤、担体及び添加剤とともに、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19版, A.R. Gennaro編, MACK PUBLISHING CO., 1995などに記載されている。本発明の効果を得るためには、好ましくは、製剤1投与単位あたりのハタケシメジ抽出物の含有量は、約10〜99重量%、好ましくは約30〜90重量%であるが、この範囲に限定されない。
本発明の医薬組成物を徐放製剤の形態に処方するときには、多層を形成するフィルムに疎水性ポリマーを含有させることができる。このようなポリマーの例は、メタクリレートコポリマー、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS(オイドラギットRSPO)、エチルセルロース、酢酸セルロース等の水不溶性セルロース、完全ケン化ポリビニルアルコール(ケン化度:約90%以上)などである。必要に応じて、親水性ポリマーを含有させることによって徐放性の程度を調節することができる。
さらにまた、本発明の医薬組成物を腸溶性製剤の形態に処方するときには、錠剤又は丸剤などの固体製剤に腸溶性ポリマーを含有させることができる。腸溶性ポリマーの例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)などである。
本発明の医薬組成物を動物に投与する方法としては、限定されないが、例えば経口投与、非経口投与、吸入、経直腸投与、局所投与などが含まれる。非経口投与には、皮下注射、静脈内投与、筋肉内投与、鼻孔内投与または注入などが含まれる。用量は、一般に1回当り約0.1〜200mg/kg体重の範囲内であり、通常1日に1回又は複数回、例えば1〜5回投与される。ただし、正確な用量は、患者の年令、性別、体重、症状、投与経路などによって変化可能であり、担当医が適宜決定しうるものである。
さらにまた、投与時期は、抗癌剤の投与前又は投与と同時に投与を開始し、抗癌剤の投与期間中及びその後継続して投与することができ、この間、白血球数及び好中球数をモニターしながら投与の終了を決めることができる。
5. 抗癌剤副作用の軽減
本発明の医薬組成物は、担癌哺乳動物における抗癌剤投与による白血球数の減少、とりわけ好中球数の減少を抑制するという医薬的な効果を付与する。この効果は、後述の実施例1、図1及び図2から明らかである。
ヒトだけでなくペット動物の場合にも死亡原因のトップが、癌又は腫瘍であり、抗癌剤による化学療法は不可欠である。しかし、上で述べたように、抗癌剤の多くは骨髄抑制を併発するため、それが特に白血球減少を引き起こす場合には感染症の原因となる。本発明の医薬組成物は、抗癌剤、例えばカルボプラチンなどの白金製剤など、と併用することによって、白血球数の減少、とりわけ好中球数の減少を有意に抑制することができるため、また、ハタケシメジ抽出物には抗癌作用があることも知られている(水嶋丈雄,「ハタケシメジ」ガン臨床治験リポート,現代書林(2001);加藤士郎ら,Biotherapy 19(5):417-421 (2005))ため、本発明により、抗癌剤による化学療法によって骨髄抑制を軽減しながら(したがって、二次感染を予防しながら)抗癌効果を有効に発揮することが可能になる。それゆえ、本発明の医薬組成物は、癌治療のために医薬産業上有用であると考えられる。
(実施例)
以下に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の範囲はこの具体例によって限定されないものとする。
<参考例1>
ハタケシメジの人工栽培
バーク堆肥(中日本農産(株)社製):米ぬか:カニ殻を絶乾重量比 100:20:4の割合で混合した後、含水率を62%にした培養基を850mL容のポリプロピレン製栽培ビンに620g充填した。ビン内の培養基全体に空気を補給し、菌糸の生育を良好にするためにビン開口部から底部まで直径2cmの大きさの穴をあけ、高圧殺菌釜(120℃、1時間)で殺菌した。培養基の温度を25℃以下に冷却した後クリーンルーム内でハタケシメジ「亀山1号」を植菌した。
室温23℃、湿度80%(RH)に調整した室内で50日培養し、培養基に菌糸を充分に蔓延させた。菌掻きを行い、水分を補給した後、前記のバーク堆肥で開口部を1〜2cmの厚さになるように被覆した。さらに、被覆した培養ビンを室温21℃、湿度80%(RH)の室内で7日培養した。次に、菌糸が侵入していない表層部の被覆部を除去し、室温17℃、湿度95%(RH)、照度150ルックスの条件に調整した室内で栽培を継続し、種菌接種後75日の培養で1ビン当り120gの子実体を収穫した。
<参考例2>
ハタケシメジの水抽出物の製造
上記のように収穫した人工栽培のハタケシメジの子実体500gを抽出釜に入れ5Lのイオン交換水を加え、1時間、110℃で加熱抽出し、固液分離後、濃縮した。濃縮後抽出液を凍結乾燥することにより抽出エキス20gを得た。
1. 材料及び方法
臨床上健康なビーグル10頭を用いた。年齢は平均6.5歳齢であり、体重は平均12.2kgであった。抗癌剤はカルボプラチン(マルコ、マルコ製薬製)を用い、ハタケシメジ抽出物(ハタケシメジ王子1号、王子木材緑化製)を投与した。ハタケシメジ王子1号は、ハタケシメジ「亀山1号」の子実体から熱水抽出され噴霧乾燥した粉末をカプセル中に160mg含有している。また、ハタケシメジ抽出物の対照としては、プラセボ(ハタケシメジ王子1号と同じ賦形剤を含むカプセル、王子木材緑化製)を使用した。群分けは、ハタケシメジ抽出群及びプラセボ群に各5頭ずつになるように実施した。なお、実験期間中は全頭同じ環境下で飼育を行った。
ハタケシメジ抽出物(1 cap/5kg/day)及びプラセボは連日経口投与とし、経口投与開始日をDay1とした。Day7に全頭に対してカルボプラチン(300 mg/m2)の静脈内投与を実施した。また、Day0,1,7,14,18,21,28及び35に採血を実施した。なお、採血は、毎回同時刻に犬座姿勢で頚静脈から行った。採取した血液を用いて全血球計算、白血球分類、ALP、ALT、AST、BUN及ぶCreを測定した。また、実験期間中は一般状態の観察を連日行った。
得られた各血液検査項目についての統計処理は、スチューデントのt検定(p<0.05)を用い、ハタケシメジ抽出物群及びプラセボ群間の有意差を検定した。
2. 結果
実験期間中すべての個体において、一般状態の変化は認めなかった。
血液検査項目のうちハタケシメジ抽出物群及びプラセボ群間に有意差が認められたのは、総白血球数、好中球数の2項目のみであった。総白血球数はカルボプラチン投与後に両群ともに減少し、Day18においてハタケシメジ抽出群がプラセボ群に対して有意に高値を示した(図1)。また、好中球数もカルボプラチン投与後に両群ともに減少し、Day18及びDay21においてハタケシメジ抽出物群がプラセボ群に対して有意に高値を示した(図2)。リンパ球数、単球数、好酸球数、好塩基球数、赤血球数、Hb、Ht、MCV、MCH、MCHC、血小板数、ALP、AST、ALT、BUN及びCreは実験期間中両群間で有意差は認められなかった。
3. 考察
今回、ハタケシメジ抽出物群とプラセボ群間の総白血球数に有意差を認めたことから、カルボプラチンによる白血球数減少に対して、ハタケシメジ抽出物が抑制的な働きを示すことが示唆された。また、白血球分類において好中球数のみに有意差を認めたことから、両群間での総白血球数の違いは、好中球数の違いに起因するものであると考えられる。
本発明者らがこれまで、ハタケシメジ抽出物にはリンパ球数が正常範囲を逸脱した場合にその値を正常範囲に戻す作用があると報告してきた(山田一孝ら,動物臨床医学,16:129-132(2007);山田一孝ら,日本獣医師会雑誌,60:585-587(2007);山田一孝ら,Biotherapy, 21:335-338(2007))が、今回、リンパ球数に有意差が確認されなかったのは、カルボプラチンがリンパ球数に影響を与えなかったためである可能性が高い。
また、カルボプラチンの骨髄抑制は好中球に対して強く作用すると報告されており(Chun, R.ら, Cancer Chemotherapy. In: Withrow, S.J.及びMacEwen, E.G.編, Small Animal Clinical Oncology, 3rd ed. 92-118, WB Saunders, Philadelphia (2001))、特に好中球にハタケシメジ抽出物の影響が現れたことは、実験期間中にプラセボ群で正常範囲を逸脱したのが好中球であったことに関連していると考えられた。つまり、ハタケシメジ抽出物は正常範囲を逸脱した白血球に対して、その数を調節する作用を有する可能性があるということである。
このように、今回、抗癌剤による白血球数減少、とりわけ好中球数減少に対して、ハタケシメジ抽出物が抑制的に働く(したがって、二次感染を予防できる)という医薬的効果を初めて見出した。
本発明によって、担癌哺乳動物において抗癌剤投与によって引き起こされる骨髄抑制という副作用を、ハタケシメジ抽出物を併用することによって軽減又は抑制することが可能になった。これは、本発明の医薬組成物が癌療法において有用であることを示している。

Claims (6)

  1. ハタケシメジ抽出物を含有することを特徴とする、担癌哺乳動物において抗癌剤投与による白血球数の減少を抑制するための医薬組成物。
  2. 好中球数の減少を抑制する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 抗癌剤が、骨髄抑制副作用をもたらすものである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 骨髄抑制副作用をもたらす抗癌剤が、白金製剤である、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 白金製剤がカルボプラチンである、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 哺乳動物がヒト又はペット動物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104338031A (zh) * 2014-10-14 2015-02-11 磐安县道地磐药中药研究所 生白方中药饮片组合制剂、制备方法及组合包装

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