JP2010172561A - 内釜及びこの内釜を備えた電気炊飯器 - Google Patents

内釜及びこの内釜を備えた電気炊飯器 Download PDF

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Abstract

【課題】焦げ目を付け易くして、焦げ目範囲を所定の領域に指定できる内釜を提供すること。
【解決手段】開口を設け有底の金属製の内釜であって、この内釜の内壁面3Aの底部B、この底部から上方へ立ち上がった領域B1、底部から釜最大炊飯域MAXまでのいずれかの領域に、表面粗さがRa 0.16〜0.4nm、Ry 0.99〜2.5nm、Rz 0.98〜2.5nm(JIS B0601:1994)の範囲である粗面4を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内釜及びこの内釜を備えた電気炊飯器に係り、詳しくは焦げ目を付け易くした内釜及びこの内釜を備えた電気炊飯器に関するものである。
近年の電気炊飯器は、マイクロコンピュータが搭載されて、このマイクロコンピュータよって、白米・玄米などの米種に応じた炊飯ができる米種炊飯メニュー、硬め・柔らかめなどを調節してお好みの炊飯ができる炊飯メニュー、或いは炊き上げたご飯に焦げ目を付けるおこげ炊飯メニューなどで炊飯できるようになっている。おこげ炊飯メニューを備えた電気炊飯器(以下、炊飯器という)は、例えば下記特許文献1で提案されている。
この下記特許文献1に開示された炊飯器は、おこげ炊飯メニューが選択されたときに、内釜の温度を通常炊飯時よりも高くなるように加熱手段を制御して、炊飯米に焦げ目を確実にかつ均一に付けることができるようにしたものである。
この内釜は、熱伝導が優れた炭素95%〜100%の焼結体を基材とした炭素焼結体で形成されて、その内壁面はフッ素樹脂コーティングが施されている。この内釜は、炭素焼結体からなる特殊な内釜となっているが、一般の内釜は、通常、ステンレス或いはアルミニウム製のものが使用されている。このような内釜もその内壁面にはフッ素樹脂コーティングが施されている。
特開2008−220518号公報(段落〔0020〕、〔0033〕、〔0038〕、図13) 特開2001−238791号公報(段落〔0008〕、〔0020〕、図2)
上記特許文献1の炭素焼結体からなる特殊な内釜及び一般の内釜も内壁面にフッ素樹脂コーティングが施されているが、このフッ素樹脂コーティングは、通常、ご飯のこびりつき及び焦げつきを防ぐため、さらに洗浄を容易にするためになされている。そのために、焦げ目を付けることが難しくなっており、勿論、焦げ目を付ける領域を、特定範囲に限定して焦げ目を付けることもできない。
なお、このようなフッ素樹脂コーティングをした内釜は、釜の内壁面が平滑なために飯粒の表面に形成される糊状の薄膜が付着しやすく、密着してしまうとこびりつき、極めて取れ難くなる課題があるので、この課題を解決した内釜が上記特許文献2に開示されている。この特許文献2の内釜は、内側底部と内側周面を含む内側表面に凹凸を多数配列して、通常炊飯において、飯粒の内釜表面への付着を抑制するようにしたものである。この内釜によれば、飯粒が内釜の内側表面に接触する際、米粒は各凸部と接触することになり、接触面積が少なくなるため、飯粒の内釜表面への付着が抑制されるため、内釜内底部でのこびりつきが防止できる。
近年は、ユーザからの炊飯メニューのニーズが多様化して来ており、ユーザによっては、焦げ目を全面に均一ではなく釜内の特定範囲に限定して付けることを望んでおり、上記の内釜ではこのような要求に対応できない。
また、これまでのフッ素樹脂コーティングを施した内釜では、そもそも焦げ目を付けるのが難しく、しかも焦げ目を付けたとしても、特定領域に限定してお好みの焦げ目を付けられるわけではないため、やはり上記ユーザのニーズに応えられていない。なお、炊飯器の開発初期の内釜は、フッ素樹脂コーティングが施されていなかったものであるが、この内釜にあっても釜内で特定領域に限定して、お好みの焦げ目を付けることができないものとなっていた。
そこで、本発明者は、内釜の内壁面を所定範囲の表面粗さを持つ粗面とすれば、焦げ目がつき易くなり、この粗面を設ける領域を特定の範囲に限定すれば、その特定領域にのみ焦げ目を付けた炊飯が可能になること、また、この粗面の表面粗さの範囲によっては、焦げ目の色、香りも選択できることを見い出して、本発明を完成させるに至ったものである。
本発明は、従来技術の課題解決及びユーザのニーズに応えることができるようにしたもので、本発明の目的は、焦げ目を付け易くした内釜を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の焦げ目の範囲を所定の領域に限定できる内釜を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、上記目的を達成できる内釜を備えた炊飯器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願の請求項1に記載の内釜に係る発明は、開口を有し有底の金属製の内釜において、前記内釜は、該内壁面に表面粗さ Ra 0.16〜0.4nm、Ry 0.99〜2.5nm、Rz 0.98〜2.5nm(JIS B0601:1994)の粗面が設けられていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の内釜において、前記内壁面には、表面粗さRa 0.16〜0.28nm、Ry 0.99〜1.75nm、Rz 0.98〜1.74nm(JIS B0601:1994)の粗面が設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の内釜において、前記内釜の底部内壁面、該底部内壁面から上方へ立ち上がった箇所までの内壁面、前記底部内壁面から釜最大炊飯域までのいずれかの箇所に、前記表面粗さの粗面が設けられていることを特徴とする
請求項4の発明は、請求項1〜3に記載の内釜において、前記粗面は、前記内釜を加熱する加熱手段に対応する箇所の内壁面に設けられていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の内釜において、前記内釜は、クラッド材からなり、前記粗面は前記熱伝導性の低い金属材の表面に形成されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、電器炊飯器の内釜として、請求項1〜5のいずれかに記載の内釜を備えたことを特徴とする。
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、内釜の内壁面に表面粗さがRa 0.16〜0.4nm、Ry 0.99〜2.5nm、Rz 0.98〜2.5nm(JIS B0601:1994)の範囲の粗面が設けられているので、内釜の内壁面の表面積が拡大されて、おこげ炊飯メニューが選択されてこの内釜が過加熱される際、被炊飯物がより速やかに過加熱状態に達するので、炊き上がったご飯に焦げ目がつき易くなる。また、この内釜による焦げ目(おこげ)は、おこげ独特の色艶のよい狐色を呈し、おこげの香りがよくなり、しかも内釜からのおこげの剥がしが容易になる。
請求項2の発明によれば、粗面の表面粗さをRa 0.16〜0.28nm、Ry 0.99〜1.75nm、Rz 0.98〜1.74nmの範囲にすることにより、焦げ目がさらにつき易く、香りが最もよくなり、しかも狐色も濃くなり、内釜からのおこげの剥がしがより容易になる。
請求項3の発明によれば、粗面を設けた領域に面する炊飯米に焦げ目がつき易いため、この粗面領域を、底部の内壁面、底部内壁面から上方へ立ち上がった箇所までの内壁面、前記底部内壁面から釜最大炊飯域までの内壁面といった特定の範囲に限定することにより、炊飯米に対し特定の範囲にのみ焦げ目を付けることが容易になる。
請求項4の発明によれば、これらの粗面領域に対向する炊飯器本体には、通常、加熱手段が設けられているので、効率良く焦げ目を付けることができるものになる。
請求項5の発明によれば、加熱手段に電磁誘導コイルを設けた炊飯器に使用して、焦げ目を付けることが可能になる。
請求項6の発明によれば、上記の内釜を使用することにより、上記の焦げ目をつけた炊飯ができる。
図1は本発明の実施形態に係る内釜を示し、図1Aは内釜の縦断面図、図1Bは図1AのIB部分の拡大断面図、図1Cは図1AのIC部分の拡大断面図である。 図2は図1の内釜を収容した炊飯器の縦断面図である。 図3Aは図2のIIIA部分の拡大断面図、図3Bは図2のIIIB部分の拡大断面図である。 図4は図2の炊飯器の炊飯工程における釜内の温度及び圧力の変化を示した温度及び圧力曲線図である。 図5は図4のこがし工程のフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための内釜及びこの内釜を備えた炊飯器を例示するものであって、本発明をこれらのものに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
図1を参照して、圧力式炊飯器に使用する内釜を説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係る内釜を示し、図1Aは内釜の縦断面図、図1Bは図1AのIB部分の拡大断面図、図1Cは図1AのIC部分の拡大断面図である。
圧力式炊飯器(以下、単に「炊飯器」という)は、炊飯時に内釜の内部を大気圧以上に昇圧して炊飯する炊飯器であって、金属製の内釜を用いて炊飯するようになっている。
この内釜1は、図1Aに示すように、略円形で所定面積を有する底部1aと、この底部の周縁から所定長さ立設した側壁1bとを有し、側壁の上方に開口1dを有した金属製の有底の筒状体からなり、側壁1b頂部の開口外周縁には、外方へ延設されたフランジ部1cが形成されて、全体形状が後述する炊飯器本体に収容される大きさになっている。
この内釜1は、中間に熱伝導度の良好な金属材、例えばアルミニウムからなる板材と、その表裏面に磁性板、例えばステンレスからなる板材とを積層したクラッド材を用いて、上方が所定大きさで開口し比較的深底の容器形状に加工したもので構成されている。すなわち、この内釜1の積層構造は、図1B、図1Cに示すように、外側のステンレスからなる外壁層3B、中間のアルミニウムからなる中間層2及び内側のステンレスからなる内壁層3Aとで形成されている。外壁層3Bのステンレス材は、内釜1を加熱する加熱手段に電磁誘導コイルを使用するためにこの材料が選ばれている。
この内釜1は、炊飯時に炊き上がったご飯に焦げ目を付けるために、内壁層3Aの表面を平坦面でなく凸凹した粗面4に加工する。この粗面4の表面粗さは、Raを0.16〜0.4nm、Ryを0.99〜2.5nm、Rzを0.98〜2.5nm(JIS B0601:1994)の範囲に選定したものとする。
内釜1の内壁面をこの表面粗さの範囲の粗面にすることにより、内壁面の表面積が拡大されて、おこげ炊飯メニューでこの内釜1が過加熱されたときの炊飯米への熱伝導効率高くなり、炊き上がったご飯に焦げ目がつき易くなる。この焦げ目は、おこげ独特の色艶のよい狐色を呈し、おこげの香りがよくなり、しかも釜からおこげを剥がし易いものとなる。この表面粗さについては、Raを0.16〜0.28nm、Ryを0.99〜1.75nm、Rzを0.98〜1.74nmの範囲に選定すると焦げ目がさらにつき易く、香りが最もよくなり、しかも狐色も濃いものとなることが実験で確認できた。
この粗面4を設ける領域は、内壁面の任意の領域でよい。例えば、内釜1の底部B、この底部Bから上方へ所定高さ立ち上がった箇所までの領域B1(図1B参照)、さらに延びたMID(図1A参照)までの領域、さらにまた延びた釜最大炊飯域MAXまで(図1C参照)のいずれの領域でもよい。これらの領域は、通常、対向する場所に加熱手段が配設されるので、これらの領域に効率よく簡単に焦げ目を付けることができる。この粗面加工は、例えばサンドブラスト法で加工する。このサンドブラスト法は、表面に人造研削材などの所定粒度の研磨材を吹き付けることによって、粗面にする方法である。この方法は既に公知であるので、詳細な説明は省略する。
以下、図2、図3を参照して、この内釜を使用する炊飯器を説明する。なお、図2は図1の内釜を収容した炊飯器の縦断面図である。図3Aは図2のIIIA部分の拡大断面図、図3Bは図2のIIIB部分の拡大断面図である。
内釜1は、炊飯器5に収容されて使用される。すなわち、炊飯器5は、図2に示すように、上方に内釜1が収容される開口及び内部にこの内釜1内の被炊飯物を加熱する加熱手段Hを有する炊飯器本体(以下、本体という)6と、この本体6の一側に枢支されて開口を覆い閉塞する蓋体13と、この蓋体13に装着された圧力弁16と、この圧力弁16を開放する圧力弁開放機構17と、各種の炊飯メニューを表示して選択する表示操作部12と、選択された炊飯メニューに基づいて加熱手段H及び圧力弁開放機構17を制御して内釜1内の被炊飯物を所定温度に加熱して所定の炊飯工程を実行する制御装置11とを有している。
炊飯工程は、所定の時間をかけて所定量の水分を被炊飯物に吸水させる吸水工程、この吸水された被炊飯物を沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程、この被炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰維持工程、炊き上がったご飯に焦げ目を付けるこがし工程、このこがし工程後にご飯を蒸らす蒸らし工程などとなっている。
本体6は、有底の箱型外部ケース7と、この外部ケース7に収容される内部ケース8とからなり、外部ケース7と内部ケース8との間に隙間が形成されて、この隙間に制御装置11を構成する制御回路基板等(図示省略)が配設されている。
内部ケース8には加熱手段Hが設けられており、この加熱手段Hは、内部ケース8の底部に配置される底部ヒータ9と、側部に配置される側面ヒータ10となっている。また、内部ケース8の底部にはサーミスタ等からなる釜底温度センサCが設けられており、この釜底温度センサCにより釜底温度が検出される。底部ヒータ9は環状に巻装した電磁誘導コイル(以下、IHコイルという)で構成されている。
本体6には、その正面に表示操作部12が設けられている。この表示操作部12には、各種の炊飯選択メニュー及び時刻等が表示される表示パネルと、この表示パネルの左右及び下方に複数個のスイッチ操作釦及び操作キーが配設されている。これらの操作釦などは、炊飯器5を作動させる炊飯/スタート釦、メニュー選択画面を表示させるメニュー選択釦及び表示パネルに表示されたメニュー等を選択・決定する十字シフトキー等の釦及びキーとなっている。これらの選択釦及びシフトキーを操作することによって、ふつう、かため、やわらかめなどの米の硬さや、おこげなどの各種炊飯メニューを表示パネルに表示させて、選択・決定できるようになっている。
蓋体13は、図2に示すように、内釜1の開口を閉蓋する内蓋14と、本体6の開口を含む全体を閉蓋する外蓋18などで構成されている。この蓋体13は、一側がヒンジ機構13aにより本体6に枢支され、他側がロック機構20により本体6の係止部にロックされるようになっている。外蓋18には上蓋ヒータ19が設けられている。
内蓋14には、負圧弁(図示省略)及び圧力弁16が設けてられている。圧力弁16は、圧力弁開放機構17によって開放される。圧力弁16は、所定径の弁孔16bが形成された弁座16aと、この弁孔16bを塞ぐように弁座16a上に載置される金属製ボール16cと、弁座16a上に金属製ボール16cの移動を規制し、保持するカバーとで構成されている。また、圧力弁開放機構17は、電磁コイルが巻回されたシリンダと、このシリンダ内を電磁コイル(ソレノイド)の励磁により作動して金属製ボール16cを移動させるプランジャと、このプランジャの先端に装着された作動棹と、シリンダの一端部と作動棹との間に設けられたバネとで構成されている。
圧力弁開放機構17は、制御装置11により制御される。すなわち、制御装置11からの指令に基づき、電磁コイルが励磁されるとプランジャがシリンダ内に引き込まれ、この引き込みにより、金属製ボール16cがその自重により弁孔16b上に戻り、弁孔16bが金属製ボール16cで閉塞される。また、この閉塞状態において、電磁コイルへの励磁がストップされると、プランジャをばね力によりシリンダから飛出させて金属製ボール16cに衝突させ、この金属製ボール16cを所定方向に押し出す。この押し出しにより、金属製ボール16cは、弁孔16b上から移動し弁孔16bが強制的に開放される。
内蓋14には、内釜1内の圧力が異常圧力に上昇したときに、内釜1内の圧力を外部に逃がす安全弁15が設けられている。
内蓋14と外蓋18とは、その間に所定広さの隙間空間を設けて結合されている。外蓋18には、旨み成分のおねばの一部を一時貯留する貯留タンク21が着脱自在に装着されている。この構成により、炊飯工程において、内釜1内が沸騰状態になり、圧力弁16が強制的に開放されると釜内から外部へ向かって蒸気とともに被炊飯物の一部のおねばが吹きこぼれる。被炊飯物が吹きこぼれると、圧力弁16の弁孔16b及び隙間空間を通って、貯留タンク21に入り込む。この吹きこぼれが貯留タンク21に入り込むと、吹きこぼれに含まれている蒸気は蒸気口21cから外部へ放出され、おねばは貯留タンク21内の空間21bに貯留される。また、このおねばは、隙間空間内にも貯留される。貯留タンク21及び隙間空間に貯留されたおねばは、内釜1内の内圧が低下し負圧になると、タンク弁21a及び負圧弁が開きこれらの弁孔から内釜1内へ戻される。
次に、図1〜図5を参照して、図1の内釜を収容した炊飯器でのおこげ炊飯を説明する。なお、図4は炊飯工程における釜内の温度及び圧力の変化を示した温度及び圧力曲線図である。図5は図4のこがし工程のフローチャートである。
まず、所定量の水と米などの被炊飯物を入れた内釜1を内部ケース8内に収容し蓋体13を閉める。この状態にして、表示操作部12にあるスタート釦を押すと、表示パネルに初期画面が表示されるので、この画面から十字シフトキーを操作して、おこげメニューを選択し、スタート釦を押すことにより、制御装置11は、各炊飯工程である吸水工程I、立上加熱工程II、沸騰維持工程III、こがし工程IVa、蒸らし工程Vを実行する。
吸水工程Iでは、IHコイル9への通電が所定時間間隔でオン・オフされて、内釜1内の温度を所定温度A1にして所定時間掛けて所定量の水を被炊飯物に吸水させる。なお、この吸水工程Iでは、圧力弁16が開放されている。所定時間経過後に、立上加熱工程IIへ移行する。この立上加熱工程IIでは、IHコイル9への通電率がアップされてフルパワーで内釜1を加熱するとともに、圧力弁開放機構17が作動されて圧力弁16が閉塞し、吸水後の被炊飯物が沸騰温度A2まで昇温加熱される。この立上加熱工程IIでは、内釜1内の圧力が大気圧から例えば1.2気圧まで昇圧される。この加熱・昇圧により内釜1内が沸騰し、次の沸騰維持工程IIIへ移行する。沸騰維持工程IIIでは、IHコイル9への通電及び圧力弁16の開放が所定時間間隔で行われて沸騰状態が維持される。この沸騰維持工程IIIにおける圧力弁16の開放は、沸騰維持工程IIIの初期段階に1回乃至数回行われる。この圧力弁16の開放により、釜内の圧力は、1.2気圧から略大気圧近傍まで一気に低下される。この圧力変化により、内釜1内で突沸現象が発生し、この突沸現象により、内釜1内の米粒が攪拌される。特に、沸騰維持工程IIIの初期段階に圧力弁16の開放が行われると、この段階では釜内の水が多いので米粒は効率よく攪拌される。この沸騰維持工程IIIは、所定時間掛けて実行され、この沸騰維持工程IIIの後半になると、内釜1内の水分が少なくなり内釜1内の温度が上昇する。この沸騰維持工程IIIが終了すると、こがし工程IVaへ移行する。
こがし工程IVaは、図4、図5に示すように、まず、釜底温度センサCが内釜1内の温度K1を検出する(ステップS1)。この温度K1が所定の設定温度A3(例えば120℃)を検出すると(S2)、制御装置11はIHコイル9へフルパワーで給電して短時間で内釜1内を所定の設定値A4(例えば180℃)まで上昇させる(S3)。また、このフルパワー給電と同時に圧力弁開放機構17が作動して圧力弁16を開放させる(S4)。この圧力弁16の強制的な開放により、内釜1内の水分が弁孔16bから蒸気口21cを通過して外へ放出される。このフルパワー給電は、IHコイル9への通電率を100%にして、内釜1内に最大の熱量を供給することである。
その後、釜底温度センサCが内釜1内の温度K2を検出し(S5)、温度K2が所定の設定温度A4に達したことを検出すると(S6)、圧力弁16は閉塞され(S7)、IHコイル9への給電を停止し加熱を停止する(S8)。
したがって、このこがし工程IVaでは、内釜1内の温度が設定温度A3になると、内釜1内がフルパワー(電力)で加熱されて短時間で設定温度A4まで上昇されるとともに、圧力弁16が開放される制御がなされる。この制御により、内釜1内が短時間taで設定値A3からその上の設定温度A4まで昇温されて炊き上がったご飯が一気に過加熱され、またこの過加熱の開始と同時に圧力弁16が開放されるので、内釜1内の余分な水分が圧力弁16の弁孔16bから蒸気口21cを通過して外へ放出されて、この過程で内釜1の内壁面と面するご飯に焦げ目がつく。この焦げ目は、粗面4にした領域の方が非粗面領域よりも先につけることができるため、粗面4にした領域と面するご飯にのみ焦げ目を付けることができる。すなわち、粗面4を設けた領域が内釜1の底部Bである場合はこの底部Bの領域、また、粗面4を設けた領域が底部Bから上方へ所定高さ立ち上がった箇所までの領域B1であればこの領域B1、同様にして、さらに延びたMIDまでの領域、さらにまた延びた釜最大炊飯域MAXまでの領域、と面するご飯にのみ焦げ目を付けることができる。しかも、この焦げ目は、おこげ独特の色艶のよい狐色を呈し、香りがよく、しかも内釜から剥がし易いものとなる。更に、表面粗さの範囲を、Raを0.16〜0.28nm、Ryを0.99〜1.75nm、Rzを0.98〜1.74nm(JIS B0601:1994)の範囲に選定すると、焦げ目がさらにつき易く、香りも最もよくなり、しかも狐色も濃いものとなる。また、このこがし工程IVaのこがし時間taは、従来技術のこがし時間より短縮されたものとなるので、おこげは水分が少なくパリッとして歯ごたえがあり、香ばしさを有するものとなる。粗面4を設けた底部B領域、B1領域、MID領域及びMAX領域に対向する箇所には、図3A、図3Bに示すように、IHコイル9及び側面ヒータ10が設けられているので、焦げ目を効率よく付けることができる。
こがし工程IVa終了後は、蒸らし工程Vへ移行し、この工程では、追い炊き工程V1を含む工程が実行されて炊飯を終了する。
以上、本発明の実施形態に係る内釜及びこの内釜を備えた炊飯器を説明したが、本発明はこれらのものに限定されるものでなく、炊飯器は圧力式のものでなく非圧力式のもの、IH式のものでなくヒーター式であってもよい。また、内釜も内壁層をステンレス材にすることなく、各炊飯器に適した他の材料、例えばアルミニウム材にしたものでもよい。
1 内釜
2 中間層
3A 内壁層
3B 外壁層
4 粗面
5 圧力式炊飯器(電気炊飯器)
6 炊飯器本体
7 外ケース
8 内ケース
9 底部ヒータ(IHコイル)
10 側面ヒータ
11 制御装置
12 表示操作部
13 蓋体
14 内蓋
16 圧力弁
17 圧力弁開放機構
18 外蓋
19 上蓋ヒータ
20 ロック機構
21 貯留タンク
C 釜底温度センサ

Claims (6)

  1. 開口を有し有底の金属製の内釜において、前記内釜は、該内壁面に表面粗さ Ra 0.16〜0.4nm、Ry 0.99〜2.5nm、Rz 0.98〜2.5nm(JIS B0601:1994)の粗面が設けられていることを特徴とする内釜。
  2. 前記内壁面には、表面粗さ Ra 0.16〜0.28nm、Ry 0.99〜1.75nm、Rz 0.98〜1.74nm(JIS B0601:1994)の粗面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内釜。
  3. 請求項3の発明は、前記内釜の底部内壁面、該底部内壁面から上方へ立ち上がった箇所までの内壁面、前記底部内壁面から釜最大炊飯域までのいずれかの箇所に、前記表面粗さの粗面が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内釜。
  4. 前記粗面は、前記内釜を加熱する加熱手段に対応する箇所の内壁面に設けられていることを特徴とする請求項1〜3に記載の内釜。
  5. 前記内釜は、クラッド材からなり、前記粗面は前記熱伝導性の低い金属材の表面に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内釜。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の内釜を備えたことを特徴とする電気炊飯器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020127686A (ja) * 2019-02-12 2020-08-27 日本製粉株式会社 炊飯補助具及び炊飯用容器

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