JP3231590U - 炊飯器の鍋及び当該鍋を用いた炊飯器 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽くかつ取扱いが容易であり、さらに温度制御を精密に行うことが可能でかつ均一加熱も可能とした炊飯器用の鍋及び炊飯器を提供する。【解決手段】炊飯器の鍋は、マグネシウムを主成分とした有底筒状の基材3bと、当該基材3b内面に設けられ、当該基材3bからの溶出防止用の被膜3cとから構成され、基材3b外面に耐熱層3dを配置した。【選択図】図2
Description
本考案は、炊飯器の鍋と当該鍋を用いた炊飯器に関するものである。
特許文献1には、アルミニウムとマグネシウムの合金を基材とした鍋を使用することにより、アルミ基材と熱伝導が同等でありかつ軽くて取り扱いが良く、材質が固く傷が付き難いため取り扱いが簡単となる炊飯器が開示されている。また特許文献2には、有底形状の金属からなる加熱調理鍋において、この金属をマグネシウム合金とすることにより、軽量で熱伝導性が優れ、なおかつ加熱調理した食品が健康によい加熱調理鍋が開示されている。
上記した特許文献1では、アルミニウムとマグネシウムの合金を使用してはいるものの主成分はアルミニウムであり、熱伝導性は確保されるもののマグネシウムの特性である固さや軽さについては十分に生かされていないという課題がある。また実際に美味しいご飯を炊くためには鍋の温度変化に対する追従性を良くし、かつ鍋全体を均一に加熱する必要があるが、アルミニウムはマグネシウムより比熱が高く熱伝搬率が低いため温度追従性と均一加熱性の点において劣るという問題がある。一方特許文献2では、加熱調理鍋の材質をマグネシウムとしているものの、調理時にマグネシウムが溶出するので調理回数が増えるにつれて鍋が侵食され劣化してしまう。また食品衛生上も鍋の材質が調理物内に溶出することは避ける必要がある。
本考案は上記の課題を解決するためになされたものであり、
マグネシウムを主成分とした有底筒状の基材と、
当該基材内面に設けられ、当該基材からの溶出防止用の被膜とからなる
炊飯器の鍋である。
マグネシウムを主成分とした有底筒状の基材と、
当該基材内面に設けられ、当該基材からの溶出防止用の被膜とからなる
炊飯器の鍋である。
また、鍋の外面に耐熱塗装を設けたことにより、ガス火に直接鍋をかけて加熱することができる点で好ましい。
また、鍋の外面に誘導加熱で発熱する材料を主成分とする発熱層をさらに配置したことにより、電磁誘導加熱により鍋を直接加熱することができるようになる点で好ましい。
本考案に係る炊飯器は、
該本体の内部に着脱自在に設けられた鍋と、
該鍋の底部に対向する位置に設けられた炊飯ヒータと、
当該炊飯ヒータに接続した電源装置と、
前記本体及び前記鍋の上面開口部を塞ぐ蓋体と、
炊飯時に操作する操作パネルと、
当該操作パネルに接続し、所定の炊飯プログラムに従って前記電源装置から前記炊飯ヒータの通電を制御することにより前記鍋の加熱を制御する制御手段とを有し、
前記鍋として前記炊飯器の鍋を用いたことを特徴とする。
該本体の内部に着脱自在に設けられた鍋と、
該鍋の底部に対向する位置に設けられた炊飯ヒータと、
当該炊飯ヒータに接続した電源装置と、
前記本体及び前記鍋の上面開口部を塞ぐ蓋体と、
炊飯時に操作する操作パネルと、
当該操作パネルに接続し、所定の炊飯プログラムに従って前記電源装置から前記炊飯ヒータの通電を制御することにより前記鍋の加熱を制御する制御手段とを有し、
前記鍋として前記炊飯器の鍋を用いたことを特徴とする。
本考案によれば、軽量で傷がつきにくく鍋材質の調理物中への溶出を防ぐことができ、かつ温度変化に対する追従性がよく均一加熱も可能な鍋及び炊飯器を提供できる。
以下、本考案の一実施例について上記した図1から図2に従って説明する。
図1は、本考案の実施形態に係る炊飯器1を示す。この炊飯器1は、有底胴状の本体2と、該本体2内に配設され、米飯を収容する容器である鍋3と、ヒンジ軸4周りに回動自在に本体2に軸支された蓋体5とからなる公知の炊飯器である。
本体2の内底には、鍋3の底部を加熱する加熱手段である電磁誘導加熱方式の炊飯ヒータ7が設けられている。また、本体2の内側側面には鍋3の外周面を加熱する保温手段である保温ヒータ8が配設されている。一方、蓋体5の内面には鍋3の上端開口部を密閉する内蓋6が取り付けられ、この内蓋6には保温手段である保温ヒータ9が配設されている。
鍋3は、上部開口有底筒状で、上部開口の全周にはフランジ部3aを備えている。フランジ部3aは、本体2の開口縁部に載置され、鍋3を本体2に位置決めし保持するようになっている。
炊飯ヒータ7は本実施形態においては、 拠り電線を十数回巻いた加熱コイルで、例えば内径φ80m m で外径φ160m mの略平面環状となっている。
本体2の正面には、ユーザが動作条件を入力したり、炊飯器1の動作状態を表示するための操作パネル12が配設されている。
操作パネル12は制御手段10に接続されている。制御手段10は、予め記憶された各炊飯メニューのプログラムに従って炊飯処理を実行した後、続いて保温処理に移行するものである。制御基板10に接続された電源装置11は、炊飯ヒータ7と保温ヒータ8、9とに電力を供給する。
ここで、図2を用いて鍋3について詳細に説明する。
鍋3はマグネシウムを主成分とした合金材を基材3b として用いている。例えば日本金属株式会社製のAZ91が好適である。この合金はマグネシウムを主成分とし、アルミニウムを9%、亜鉛を1%含む合金である。この基材3bは板厚2.5mmで構成され、ダイキャスト鋳造法等の方法により鍋3の形状に成形する。また、基材3bの内面には基材3bからマグネシウム等が調理物に溶出するのを防止し、かつお手入れ性を向上するためのフッ素コート3cが所定の厚さに施されているとともに、基材3bの外面全体にはAl2O3、SiO2等のセラミックスを用いた耐熱層3dが設けられ、基材3bにおける底部、さらに詳しくは炊飯ヒータ7に対向する箇所に鉄等の電磁誘導にて発熱する材料を溶射した発熱層3eが設けられている。なお耐熱塗装3dの膜厚は50μm、発熱層3eの膜厚は50μmとしているが、これに限定されない。
鍋3の基材3bは、マグネシウムを主成分とした合金材を使用している。マグネシウムは表1に示すように比重がアルミニウムより小さく、比熱容量が大きい。そのため、従来のアルミ基材に比べて軽くて取り扱いが良く、材質が固く傷が付き難い特徴がある。またマグネシウムはアルミニウムに比べ比熱容量が大きいが、比重で換算した比熱(表1におけるCp×比重の値)はマグネシウムの方がアルミニウムより低い。そのため温度変化がしやすく、制御手段10による温度制御が容易になる。またマグネシウムはアルミニウムに比べて、熱伝導率は悪いが、熱伝搬性がよいため、鍋3全体を均一に加熱することが可能になる。
以上の構成において、次にその動作を図1 で説明する。
炊飯に際して、使用者は鍋3に米と適量の水を入れ、本体2内に収納して蓋体5を閉
じる。
次に、操作パネル12の表示を確認し、操作パネル12を操作して炊飯を開始する。
じる。
次に、操作パネル12の表示を確認し、操作パネル12を操作して炊飯を開始する。
前記の操作が制御手段10に入力されると、炊飯が開始される。制御手段10に接続された電源装置11から炊飯ヒータ7に通電され、制御手段10に記憶されたプログラムに従って炊飯工程が進行する。炊飯工程中には図示しない温度センサーにて常時鍋3の温度をモニタリングし、所定の温度になるよう制御手段10にて制御を行うが、鍋3の比熱が低いため加熱をストップするとすぐに温度が低下するとともに、加熱を再開するとすぐに温度上昇するというように非常に追従性がよい。したがって制御手段10による制御を精度良く行うことができ、おこげも容易に作ることが可能となる。また鍋3を均一に加熱することができるため、炊飯むらが起こりにくく美味な米飯を炊くことができる。炊飯が完了すると自動的に保温工程に移行し、電源装置11から保温ヒータ8,9に通電され米飯を所定の温度に維持する。このときも炊飯時と同様、保温温度の制御を精密に行うことができる。
上記した本実施例によれば、鍋3は軽くかつ取扱いが容易であり、また、材質が硬いので取扱い時のキズが付き難く、さらに温度制御を精密に行うことが可能でかつ均一加熱も可能とし、お米の硬さ、粒の大きさが均一な炊き上がりが得られる。
なお、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば発熱層3eの代わりに誘導加熱可能な材料をインサートしてもよいし、耐熱塗装の材料や膜厚も適宜変更可能である。また基材3bの外面に直接発熱層3eだけを設けてもよい。
1 炊飯器
2 本体
3 鍋
3 a フランジ部
3b 基材
3c フッ素コート
3d 耐熱塗装
3e 発熱層
5 蓋体
6 内蓋
7 炊飯ヒータ
10 制御手段
11 電源装置
12 操作パネル
2 本体
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3b 基材
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10 制御手段
11 電源装置
12 操作パネル
Claims (4)
- マグネシウムを主成分とした有底筒状の基材と、
当該基材内面に設けられ、当該基材からの溶出防止用の被膜とからなる
炊飯器の鍋。 - 前記基材外面に耐熱層を配置したことを特徴とする請求項1に記載の炊飯器の鍋。
- 前記基材外面の底部に誘導加熱により発熱する材料を主成分とする発熱層を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の炊飯器の鍋。
- 本体と、
該本体の内部に着脱自在に設けられた鍋と、
該鍋の底部に対向する位置に設けられた炊飯ヒータと、
当該炊飯ヒータに接続した電源装置と、
前記本体及び前記鍋の上面開口部を塞ぐ蓋体と、
炊飯時に操作する操作パネルと、
当該操作パネルに接続し、所定の炊飯プログラムに従って前記電源装置から前記炊飯ヒータの通電を制御することにより前記鍋の加熱を制御する制御手段とを有し、
前記鍋として前記請求項1から3のいずれかに記載の鍋を用いたことを特徴とする炊飯
器。
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JP2021000337U JP3231590U (ja) | 2021-02-02 | 2021-02-02 | 炊飯器の鍋及び当該鍋を用いた炊飯器 |
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