JP2010171895A - 周波数分割多重伝送信号受信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のキャリアを用いた周波数分割多重伝送信号を受信する周波数分割多重伝送信号受信装置において、周波数領域に変換された後の受信信号の伝達関数を推定する推定部3−1と、推定部3−1で推定した伝達関数に応じて受信信号を復調する復調部3と、推定部3−1で推定された伝達関数に基づき、複数の異なる変動検出方法を用いた変動検出部5,5bと、複数の変動検出部5,5bの結果を組み合わせた結果により、信頼性を判定する信頼性判定部4と、信頼性判定部4の結果が適用された復調部3からの復調信号に対して誤り訂正を行なう誤り訂正部7とを備えたものである。
【選択図】図1
Description
或いは、シンボル間で差動符号化を行い、遅延検波にてキャリア再生せずに、受信信号を復調する。
ガウス雑音に最適化されてビタビ復号を用いるが、時間変動の激しいフェージング伝送路やマルチパスといわれる反射波の存在により雑音の分布がガウス分布と異なることで性能が十分に発揮できない場合に対応する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明による周波数分割多重伝送信号受信装置の実施の形態として、OFDM受信装置について説明する。
本実施形態によるOFDM受信装置は、地上伝送における、マルチパス、フェージングといった伝送状況において、周波数的変動を調べることによって、それを検出し誤り訂正に応用し性能を向上させるための技術である。
図1において、図示しない空中線で受信されたOFDM信号またはケーブルを通じて伝送されるOFDM信号が図示しないチューナーにより選局され、さらに図示しないA/D変換回路によりデジタル信号に変換される。受信され、A/D変換されたデジタル信号は、直交検波部1で準同期直交検波されてベースバンド信号に変換され、FFT(Fast Fourier Transfer:フーリエ変換)部2に供給される。FFT部2は、入力された時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する。FFT部2で周波数領域に変換されたFFT出力はOFDM信号の各キャリアの位相と振幅を示すものとなっている。FFT部2からのFFT出力は復調部3に供給される。
復調部3では、伝送特性としての伝達関数の推定がなされ、同期検波、あるいは遅延検波が行われる。つまり、復調部3は、FFT部2で得られたFFT出力の各キャリア毎の伝達関数を推定し、この推定した伝達関数に応じた復調方法、例えば同期検波や遅延検波でFFT出力の復調を行って復調信号を生成する。
ここで、送信信号及び受信信号はそれぞれ周波数fと時間tの関数で表され、送信信号をX(f,t)、受信信号をR(f,t)とすると、XとRとの間には以下のような関係が成立する。
式(1)において、H(f,t)が伝送路における伝達関数と呼ばれる。また、Nは加法性の妨害、一例として熱雑音である。
パイロット信号の送信信号は既知であり、これをX´(f,t)、パイロット信号の受信信号をR´(f,t)とし、熱雑音Nについては無視すると、伝達関数H(f,t)は次の式で与えられる。
つまり、伝達関数を推定するということは、式(2)に基づいて伝達関数H(f,t)を求めることに相当している。
復調を行なう場合、受信信号に対してサイン波成分をそれぞれ掛け算し、また受信信号に対してコサイン波成分を掛け算し、これら掛け算の結果からそれぞれの絶対値を求めるようにしており、コサイン波成分を掛け算して得られた絶対値信号がI信号、サイン波成分を掛け算して得られた絶対値信号がQ信号と呼ばれる。また、これらのI信号及びQ信号をIQ直交軸(IQ軸)上にプロット(デマッピング)したものがコンタレーションと呼ばれている。
誤り訂正部7では重み付けされた信号を誤り訂正を行い、出力する。
図2乃至図4はOFDM信号がマルチパス妨害を受けた場合の周波数スペクトルを示している。マルチパス妨害を受けたOFDM信号では一定の周波数間隔でディップ(ゲインの落ち込み)が生じている。
変動検出部5、5bでは、伝達関数の変動を求めるために、復調部3で推定された伝達関数あるいは、それに類似した信号を受け取り、その信号の平均値との差分の絶対値の合計を求める。この際、絶対値和に限らず、自乗和などでもかまわない。図2における矢印で示された差分を周波数軸上で積分し、1OFDM シンボル内の変動量を算出する。
fvar = 1/N Σ |H(f,t) − Have| … (3)
0〜N-1
ここで、キャリア数 (=サンプル数)Nで正規化した値を変動値 fvar と呼ぶことにする。
式(3)で表されるfvarの変動検出部5は、例えば、伝達関数H(f,t)から1シンボル期間内での平均値Have を算出する平均値算出部と、伝達関数H(f,t)からこの平均値Have を減算する減算器と、この減算器の出力の差分絶対値を算出する絶対値算出部と、N個の差分絶対値を加算平均する平均化処理部とを備えたものとなる。
この変動検出では、伝達関数の隣り合うキャリア間の差分について絶対値をとり、そのシンボル期間の平均値を算出する。
dfvar = 1/N Σ |H(f,t) − H(f+1,t)| … (4)
0〜N-1
式(4)で表されるdfvarの変動検出部5bは、例えば、隣り合う2つのキャリアの伝達関数H(f,t),H(f+1,t)を保持する保持部と、この2つの伝達関数H(f,t),H(f+1,t)の差分を得る減算器と、この減算器の出力の差分絶対値を算出する絶対値算出部と、N個の差分絶対値を加算平均する平均化処理部とを備えたものとなる。
図3(a)と図3(b)の各場合について、式(3)で平均値からの差分に基づいてfvarを計算すると、図3(a)及び(b)ともfvarはほとんど同じ値になるが、式(4)で隣り合うキャリア間の差分に基づいてdfvar を計算すると、図3(a)ではdfvarは小さい値となるが、図3(b) ではdfvarは大きな値となる。
以上述べた変動検出は、変動値として図2及び図3で示したfvar及びdfvarの算出を説明するものであったが、以下に他の変動検出方法について図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5は伝達関数が周波数軸上で変動する様子を示している。
図4に示すように最大値と最小値を求め、最大値と最小値間のピーク差を検出することによって、fvarと同様な変動検出を行える。これによってマルチパスの D/U 比を算出することが可能である。図4の方法では、図2のように各キャリアの平均値からの差分を求めることなく、図2のfvarと同様な変動検出を行える効果がある。
図5に示すように増大、減少の回数を計測することによって、マルチパスの遅延を判定することができる。これによって、dfvarと同様な変動検出を行える。マルチパス妨害による伝達関数のアップ,ダウンの回数を計測し、回数nが多ければ変動周期1/nτが小さくなることから、マルチパス(反射波)の遅延時間が大であることを意味し、回数nが少なければマルチパスの遅延時間が小であることを意味している。図5の方法では、図3のように隣り合うキャリア間の差分を求めることなく、図3のdfvarと同様な変動検出を行える効果がある。
マルチパスの強弱を表すfvarとマルチパスの遅延時間の長短を表すdfvarとの2つのパラメータをx,y軸上に2次元的に配置して、マルチパス受信環境において、マルチパス特性の領域における現在の特定の領域を見つけ、現在の受信性能を改善することが可能となる。
例えば図6で示された領域は D/U が低く、かつ遅延が長いマルチパスがあることを示している。
またこの例では簡単のため2次元の例を用いたがもっと複雑な領域判定を行ったり、3次元以上のn次元空間における判定にも適応可能である。
これらの複数の変動検出手段のいくつかを組み合わせて判定することにより、例えば
このように複数の変動検出を用いることで一次元の判定だけではなく、2次元空間で判定できるため、従来になかったような判定が可能となる。この例でいえば、長遅延の強い マルチパスといった判定が可能になる。
2…FFT部
3…復調部
3-1…推定部
4…信頼性判定部
5,5b…変動検出部
6…デマッピング部
7…誤り訂正部
Claims (5)
- 複数のキャリアを用いた周波数分割多重伝送信号を受信する周波数分割多重伝送信号受信装置において、
周波数領域に変換された後の受信信号の伝達関数を推定する推定部と、
前記推定部で推定した伝達関数に応じて上記受信信号を復調する復調部と、
前記推定部で推定された伝達関数に基づき、複数の異なる変動検出方法を用いた複数の変動検出部と、
前記複数の変動検出部の結果を組み合わせた結果により、信頼性を判定する信頼性判定部と、
前記信頼性判定部の結果が適用された前記復調部からの復調信号に対して誤り訂正を行なう誤り訂正部と
を具備した周波数分割多重伝送信号受信装置。 - 前記変動検出部は、前記推定部で推定された伝達関数の周波数軸上における平均値との差分量を検出することを特徴とする請求項1記載の周波数分割多重伝送信号受信装置。
- 前記変動検出部は、前記推定部で推定された伝達関数の周波数軸上における隣接する値の差分量を検出することを特徴とする請求項1記載の周波数分割多重伝送信号受信装置。
- 前記変動検出部は、前記推定部で推定された伝達関数の周波数軸上における最大値と最小値との差分量を検出することを特徴とする請求項1記載の周波数分割多重伝送信号受信装置。
- 前記変動検出部は、前記推定部で推定された伝達関数の周波数軸上における増大、減少の変化数を検出することを特徴とする請求項1記載の周波数分割多重伝送信号受信装置。
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