JP2001223666A - Ofdm波の遅延プロファイル測定装置 - Google Patents

Ofdm波の遅延プロファイル測定装置

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JP2001223666A
JP2001223666A JP2000032371A JP2000032371A JP2001223666A JP 2001223666 A JP2001223666 A JP 2001223666A JP 2000032371 A JP2000032371 A JP 2000032371A JP 2000032371 A JP2000032371 A JP 2000032371A JP 2001223666 A JP2001223666 A JP 2001223666A
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Japan
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wave
ofdm
delay profile
delay
spectrum analyzer
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JP2000032371A
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English (en)
Inventor
Hidehiko Ito
英彦 伊東
Atsuro Sugano
敦朗 菅野
Fumihiko Saito
文彦 斎藤
Yoshiaki Yamagishi
慶昭 山岸
Hajime Kenmochi
甫 劔持
Shuichi Fukuo
秀一 福尾
Hideyo Sakaki
英世 榊
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入手が容易な機材を用いて簡単にOFDM波
の遅延プロファイルの測定ができる遅延プロファイル測
定装置を提供する。 【解決手段】 OFDM波を受信するアンテナ1と、前
記アンテナの受信信号を受けて振幅周波数特性を分析す
る分析手段3と、前記分析手段が分析したデータに基づ
きマルチパス遅延波の遅延時間とDU比を求める演算手
段5とを備えたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、OFDM波のマ
ルチパス遅延波の遅延時間と、OFDM波の希望波と遅
延波の強度の比を示すDU比(以下、これら遅延時間と
DU比を「遅延プロファイル」という)を測定する遅延
プロファイル測定装置に関する。
【0002】[発明の概要]本発明は、地上デジタル放
送で使用されるOFDM波のマルチパス妨害に関する調
査手法に関し、OFDM復調器を使用せずに遅延プロフ
ァイルの測定ができる手法に関する。本発明では、測定
機材として、OFDM波の振幅周波数特性を観測するス
ペクトルアナライザ(以下「スペアナ」という)と、ス
ペアナが観測した数値データを伝送するGPIBケーブ
ルと、GPIBケーブルから取り込んだ数値データから
遅延プロファイルを計算し表示等を行う測定プログラム
を備えたパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と
いう)とを使用する。
【0003】スペアナは、既に測定機器として一般に使
用されており、入手が容易である。GPIBは、IEE
E488として規格化されており、スペアナなどの測定
機器とのインタフェースとして一般的である。
【0004】以上のように本発明では、測定機材として
既に一般に広く使用されているものしか必要なく、測定
プログラムのみを新規に入手するだけで、遅延プロファ
イルの測定ができる。また、スペアナの制御は、測定プ
ログラム上で行えるので、測定プログラムによる遅延プ
ロファイルの自動測定が可能である。
【0005】
【従来の技術】平成10年9月、地上デジタルテレビ放
送の暫定方式が電気通信技術審議会において策定され
た。この暫定方式による地上デジタルテレビ放送波は、
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexi
ng)という電波形式を採用する。
【0006】今回策定された地上デジタルテレビ放送
は、ハイビジョン放送が可能になるほか、多チャンネル
放送や、データ放送と組み合わせたマルチメディア放送
の実現も容易である。さらに、電車内や自動車などでも
安定して受信可能なモードも用意されており、移動体マ
ルチメディアの実現など、これまでのテレビ放送の枠を
越えて、幅広い情報メディアとして発展する可能性を持
っている。
【0007】ところで、新築建造物(特に高層建造物)
の建設では、建築主が建造物障害であるマルチパス妨害
の事前予測を行っている。この事前予測は、建築前の受
信状況と建築後の受信状況とを比較することにより、建
造物障害(マルチパス妨害)の検討を行うものである。
従来のテレビ放送波についての事前予測では、マルチパ
ス遅延波の遅延時間、DU比、各遅延波の位相の測定が
できるPDUR計が用意されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、OFDM波に
おいても同様に建造物妨害の発生する可能性があるが、
OFDM波は、QPSK、16QAM、64QAMなど
の同期変調方式のものであり、従来のPDUR計は使用
できないので、OFDM波用の測定装置を開発する必要
がある。
【0009】そこで、OFDM波には、振幅と位相が既
知であるスキャッタードパイロット信号(以下「SP信
号」という)が挿入される点に着目し、OFDM復調器
の復調信号から抽出したSP信号を使用し、遅延プロフ
ァイルを測定することが考えられる。
【0010】つまり、遅延プロファイルの測定には、O
FDM復調器と、このOFDM復調器の復調信号からS
P信号を取り込むインタフェースユニットとが必要であ
る。この場合、SP信号を取り込むインタフェースユニ
ットは、復調器に組み込む形式が望ましい。
【0011】しかし、現在、OFDM復調器は開発段階
であり、非常に高価である。SP信号を取り込むインタ
フェースユニットは、測定の用途しかないので、将来一
般に市販されるであろう復調器には実装されない可能性
が高い。したがって、測定に必要な機材の入手が困難で
ある。
【0012】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、入手が容易な機材を用いて簡単にOFDM波の遅延
プロファイルの測定ができる遅延プロファイル測定装置
を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係るOFDM波の遅延プロ
ファイル測定装置は、OFDM波を受信するアンテナか
らの受信信号を入力してその振幅周波数特性を分析する
分析手段と、この分析手段により分析された振幅周波数
特性データに基づきマルチパス遅延波の遅延時間とDU
比を求める演算手段とを備えたことを特徴としている。
【0014】かかる構成によれば、OFDM波の挿入さ
れるSP信号を利用することなく、遅延プロファイルで
あるマルチパス遅延波の遅延時間とDU比の測定を行う
ことができる。
【0015】請求項2に記載の発明に係るOFDM波の
遅延プロファイル測定装置は、請求項1に記載のOFD
M波の遅延プロファイル測定装置において、前記分析手
段は、測定する遅延時間の範囲に応じて前記OFDM波
の帯域を分割し、各分割した帯域において分析を行う、
ことを特徴としている。
【0016】かかる構成によれば、分析手段の帯域内で
長い遅延時間の遅延波の測定ができる。
【0017】請求項3に記載の発明に係るOFDM波の
遅延プロファイル測定装置は、請求項1または請求項2
に記載のOFDM波の遅延プロファイル測定装置におい
て、前記分析手段はスペクトルアナライザ、前記演算手
段はパーソナルコンピュータであり、前記スペクトルア
ナライザと前記パーソナルコンピュータはGPIBイン
タフェースを介して接続され、前記スペクトルアナライ
ザは、前記パーソナルコンピュータの制御下に分析動作
を行うことを特徴としている。
【0018】かかる構成によれば、入手容易な機材によ
り、遅延プロファイルの測定ができる。しかも、プログ
ラム制御により自動的に遅延プロファイルの測定ができ
る。
【0019】請求項4に記載の発明に係るOFDM波の
遅延プロファイル測定装置は、請求項3に記載のOFD
M波の遅延プロファイル測定装置において、前記パーソ
ナルコンピュータは、前記スペクトルアナライザの分析
データをリファレンスレベルと関連付けて取り込むこと
を特徴としている。
【0020】かかる構成によれば、スペクトルアナライ
ザのリファレンスレベルの変化に対応して遅延プロファ
イルの測定ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る遅延プロフ
ァイル測定装置の実施形態の構成ブロック図である。図
1において、この遅延プロファイル測定装置は、OFD
M波を受信する受信アンテナ1と、受信アンテナ1の受
信信号を同軸ケーブル2を介して受け取り、スペクトル
(振幅周波数特性)を分析し、内蔵するGPIBインタ
フェースボードにより分析結果データをGPIBケーブ
ル4へ送出するスペクトルアナライザ(スペアナ)3
と、内蔵するGPIBインタフェースボードによりGP
IBケーブル4からスペアナ3の分析データを取り込
み、装備する測定プログラムにより取り込んだスペアナ
3の分析データに基づき遅延プロファイルを計算し、計
算結果をスペアナ3の表示画面に表示出力するパソコン
5とを備えている。
【0022】図2は、スペアナ3の操作部及び表示画面
の概要を示す図である。図2において、スペアナ3の操
作部7には、設定パネル71と、測定開始ボタン72
と、保存ボタン73と、読み込みボタン74と、終了ボ
タン75とが設けられている。
【0023】設定パネル71では、GPIBアドレスの
設定、リファレンスレベル(REF.LEVEL)の設
定、測定するチャンネルの設定、オフセット周波数の設
定、周波数帯域幅の設定、測定モードの設定など各種の
設定を行うことができるようになっている。測定モード
切り替えは、モード切替ボタン76により行われる。
【0024】また、スペアナ3の表示画面8には、DU
比(dB)―遅延時間(μsec)の関係を表示する目
盛りが付された測定結果グラフ部81と、DU比30d
B以上のものに関して遅延時間とDU比のリストを一覧
表示する測定結果部82とが設けられている。
【0025】次に、図1〜図7を参照して本実施の形態
の遅延プロファイル測定装置の動作を説明する。なお、
図3は遅延時間の測定の説明図、図4は遅延波のDU比
測定の説明図、図5は遅延プロファイル測定操作手順の
フローチャートである。図6はスペアナのリファレンス
レベル設定の説明図、図7はスペアナの表示画面に表示
された測定結果の一例を示す説明図である。
【0026】本実施の形態では、測定者が図5に示す操
作手順で測定パネル71から各種の設定を行うのみで、
自動的に所望の遅延プロファイルの測定結果が表示画面
8に表示されるようになっている。
【0027】パソコン5は、遅延時間の測定を、スペク
トルのリップル周波数の逆数を求めることにより行う。
また、パソコン5は、遅延波の強度の測定を、希望波
(D)と遅延波(U)の比(DU比)を求めることによ
り行う。
【0028】まず、前提事項を説明する。OFDM波の
帯域は5.57MHzであるため、スペクトルのリップ
ル周波数の逆数で決定される遅延時間の測定精度は、1
/5.57=0.18μsecが限界となる。したがっ
て、パソコン5では、スペアナ3からデータを取り込む
帯域としても5.57MHz内のすべてのデータが必要
となる。
【0029】しかし、スペアナ3の表示画面に一度に
5.57MHzを表示すると、リップル周波数の高い成
分がフィルタによってカットされパソコン5には取り込
まれないので、遅延時間の長い遅延波レベルの測定がで
きなくなってしまう。
【0030】また、スペアナ3から取り込むデータは、
スペアナの表示画面上における座標データでしかないた
め、対数―真数の変換とともに、リファレンスレベルの
変化への対応が必要となる。
【0031】以上の理由により、本実施の形態では、測
定者がスペアナ3の表示画面でOFDMスペクトルを観
測しながら最適なリファレンスレベルを設定し、設定さ
れたリファレンスレベルのデータをパソコン5が取り込
み、単なる座標データにリファレンスレベルを関係付け
ることとしている。これにより、パソコン5では、リフ
ァレンスレベルの設定がなされる度に自動的にその変化
に対応できることになる。
【0032】また、パソコン5がスペアナ3からデータ
を取り込む際の手法として5.57MHzを分割して取
り込むこととしている。本実施の形態で使用するスペア
ナ3は、表示画面上に700個のデータ数しか持たない
形式であるので、5.57MHz内のサンプリング周波
数を上げて細かいリップルを拡大できるようにしたので
ある。
【0033】5.57MHz帯域を分割することによ
り、フィルタでカットされていた高周波成分がスペアナ
3の表示画面上に表示されるようになるので、パソコン
5はそれらのデータを利用して遅延時間の長い遅延波の
測定も可能となる。
【0034】なお、分割数を多くすれば、それだけ高周
波成分の振幅が見えてくるが、分割数もスペアナ3の性
能限界に依存する。また、分割数を多くすれば、解析に
使用する数値データも増加するため、測定に時間がかか
ってしまうという問題もある。
【0035】本実施の形態では、建造物障害による反射
波の測定を行うことを前提としているため、実用上必要
と思われる40μsec程度までを測定可能な遅延時間
として設計した。
【0036】実際の測定では、スペアナ3にて遅延時間
の範囲毎にモードを設定し、それに合わせてパソコン5
が5.57MHz帯域を分割してデータを取り込むよう
にしている。モード毎の分割数や測定精度は、実証実験
を重ねて検討を要するが、現段階では、例えば、次の3
つのモードが考えられる。
【0037】モード1では、遅延時間が0.2μsec
〜3μsec程度のものを対象とする。このモード1で
は、分割数が少なくデータ総数も少ないので、スペアナ
3からデータを取り込む時間やFFTに要する時間が短
くなる。モード2では、遅延時間が0.2μsec〜1
0μsec程度のものを対象とする。モード3では、遅
延時間が0.2μsec〜40μsec程度のものを対
象とする。
【0038】さらに、スペアナ3に表示する帯域幅が変
わることで、リップルを観測するのに適したフィルタの
設定が必要となるが、これはパソコン5が実行する測定
プログラムにより自動的に設定するとしている。なお、
帯域幅と最適フィルタとの関係は、一般に次の式(1)
で示される(参考文献「スペクトラムアナライザ活用の
手引き」(社)日本CATV技術協会発行)。
【0039】
【数1】τ=(B/D)・T ・・・・・(1) 但し、式(1)において、Bはフィルタの帯域幅(H
z)、Dはスペアナ3の表示画面の帯域幅(Hz)、T
は水平方向の走査時間(sec)、τはスペクトルの帯域
幅(μsec)である。
【0040】加えて、本実施の形態では、リップル周波
数を求めるために、FFT(Fast Fouier Transform)
を使用している。FFT処理をするにあたって、データ
数は2のn乗個である必要がある。正確には、スペアナ
3が表示画面上に表示するデータ数は、上述したように
700個であるため、分割数をmとすると、取り込むデ
ータ数は、700×m個以下で、かつ2のn乗個である
必要がある。
【0041】これは、分割数を増やせばデータ量が増
え、解像度が上がるが、2のべき乗個を越えるデータ
は、無駄になるので、その無駄をなくそうとする措置で
ある。例えば、OFDMの帯域5.57MHzを4分割
(=m)してデータを取り込むとすると、5.57/4
=1.3295MHz毎に4回のデータを取り込むこと
になる。1回の取り込みで得られるデータ数は、700
個であるので、この場合のデータ数は、700×4=2
800個となる。
【0042】一方、2800個に近い2のべき乗個は、
2048(2の11乗)である。FFTに使用されるデ
ータ数は、2のべき乗個である必要があるので、この場
合には、2048個のデータを使用するのが最も適して
いる。すなわち、2800−2048=752個のデー
タは、FFTに使用されない無駄なデータとなってしま
う。無駄なデータが700個以上あるということは、デ
ータ取り込み作業が1回無駄になっていることを示す。
したがって、今の例では、3分割して取り込むほうが効
率的である。
【0043】上記モードと分割数との関係は、例えば、
次のようになっている。モード1では、分割数は1、つ
まり、分割しない。モード2では、分割数は3である。
モード3では、分割数は6である。
【0044】本実施の形態では、以上のようにいくつか
の測定モードを設け、測定者がスペアナ3の測定パネル
71でモードを選ぶと、パソコン5がそのモードに対す
る分割数を自動的に決定し、それに合わせたデータの取
り込みと数値解析による遅延プロファイルの測定を行う
ようになっている。
【0045】次いで、パソコン5が装備する本実施の形
態の測定プログラムの内容を図3、図4を用いて説明す
る。 [遅延時間の測定]図3(1)は、単一のマルチパスが
加わった場合のOFDM波のスペクトル例(振幅周波数
特性例)である。OFDM波に単一のマルチパスが加わ
った場合には、図3(1)に示すように、受信DU比が
小さい(マルチパスが大きい)ほどリップルのレベル偏
差のp−p値(尖頭値)は大きくなり、遅延時間が長く
なるほどリップル周波数Δf(MHz)は小さくなる。
リップル周波数Δf(MHz)と遅延波の遅れ時間τ
(μsec)の関係は、次の式(2)で示される。
【0046】
【数2】τ=1/Δf ・・・(2) したがって、この場合には、リップル周波数は、スペア
ナの表示画面で目視確認が可能である。
【0047】一方、図3(2)は、複数のマルチパスが
加わった場合のOFDM波のスペクトル例(振幅周波数
特性例)である。OFDM波に複数のマルチパスが加わ
った場合には、スペクトルは、各遅延波の遅延時間に対
応したリップル周波数を波形合成した、例えば図3
(2)に示すような特性となる。
【0048】したがって、この場合には、スペクトルか
らリップル周波数を読み取り、遅延時間を求めることは
困難である。しかし、遅延波が加わった周波数帯域幅F
(MHz)のスペクトルを等間隔にM個サンプリングし
て得たデータ(対数値)を真数値に変換し、次の式
(3)に示す高速逆フーリエ変換(IFFT)を行う。
【0049】
【数3】 但し、式(3)において、W=exp(j2π/M)、
Mはデータ総数(2のべき乗)、X(k)はスペアナか
ら読み込むデータ(周波数領域の表現)、x(n・Δ
t)は遅延時間解析結果(時間領域の表現)、Δt=1
/Fである。
【0050】処理結果として実数成分と虚数成分が得ら
れるので、両成分の2乗和のルートをとり、スカラー量
で表すと、時間軸n・Δt(n=0,1,2,3,・・
・M−1)上の遅延時間τ(μsec)に該当する所に
遅延波成分が現れる。
【0051】以上のことから、遅延時間は、マルチパス
が単一であるか複数であるかを区別することなく、式
(3)をパソコン5が実行することにより、求めること
ができる。
【0052】[DU比の測定]
【外1】 は式(4)となる。
【0053】
【数4】 但し、式(4)において、Dは希望波の高周波振幅、U
は遅延波の高周波振幅、τは遅延時間、θは希望
波と遅延波の高周波位相差である。
【0054】希望波の位相を基準(t=0)とすると、
式(4)は、式(5)となる。図4には、遅延波が1波
(N=1)の場合の合成波
【外2】 で表している。
【0055】
【数5】
【0056】スペアナ3に
【外3】 であり、式(6)で表すことができる。
【0057】
【数6】
【0058】さらに、N波(2波以上)の遅延波が加わ
った場合のスペアナ3に表示される合成波
【外4】 は、式(7)で表すことができる。
【0059】
【数7】 式(7)の両辺を二乗すると、式(8)となる。スペア
ナ3から取り込んだ各データを二乗する。
【0060】
【数8】
【0061】式(8)の両辺をDで除算し、右辺第1
項、第2項を左辺へ移動し、式(9)を得る。M個のデ
ータをD
2で正規化し、データの平均値(直流成分)を除く
【0062】
【数9】
【0063】ここで、式(9)の右辺をS(f)とおい
た式(10)を作る。
【0064】
【数10】
【0065】周波数帯域幅F(MHz)を等間隔にサン
プリングして得たM個のデータ(スペアナ3から読み込
まれるデータ)を真数値に変換した後、式(8)、式
(9)の前処理を施し、次の式(11)に示すIFFT
を実行する。
【0066】
【数11】 但し、式(11)において、W=exp(j2π/
M)、S(m)はS(f)の離散周波数値、Mはデータ
総数(2のべき乗)、L(n・Δt)は遅延波成分、n
=0,1,2,3,・・・,M−1、Δt=1/Fであ
る。
【0067】IFFT処理結果として実数成分と虚数成
分が得られるので、両成分の2乗和のルートをとり、ス
カラー量で表すと、時間軸n・Δt(n=0,1,2,
3,・・・,M−1)上の遅延波の遅延時間τ(μs
ec)に相当する所に遅延波成分L(n・Δt)が得ら
れる。
【0068】遅延波成分については、時間=τに2/
(D/U)が、また時間=τ−τに2/(D/U
)(D/U)が得られる。なお、式(10)の右辺
第1項、第2項にある位相θとθ−θは、IFF
Tの処理結果をスカラー量で扱うため無視できる。
【0069】ここで、IFFTによって得られた遅延成
分をL=2/(D/U)、L −k=2/(D/U
)(D/U)とすると、D/U=20log(2
/L )、D/Ui−k=20log(2/Li−k
が得られる。なお、D/U −kは、計算上出現する成
分であり、遅延波が2波以上存在したときに現れる。
【0070】次に、図5、図6を用いて測定者の操作手
順を説明する。図5において、測定者は、測定パネル7
上で、GPIBアドレスの設定(ステップS1)、OF
DM信号が存在する測定チャンネルの設定(ステップS
2)、オフセット周波数の設定(ステップS3)、デフ
ォルト値である周波数帯域幅の設定(ステップS4)、
測定したい遅延時間の範囲を示す測定モードの選択(ス
テップS5)を行い、モード切替ボタン76を操作す
る。
【0071】なお、測定チャンネルの設定(ステップS
2)では、測定チャネルが例えばNHK総合チャンネル
であれば、1chと設定する。オフセット周波数の設定
(ステップS3)では、ステップS2で設定するチャン
ネルの中心周波数とOFDM信号の中心周波数とのずれ
周波数を設定する。
【0072】例えば、UHFの15chであれば、48
2.000MHz〜488.000MHzの帯域を持っ
ているので、その中心周波数は485.000MHzで
ある。それに5.57MHzの帯域を持ったOFDM信
号を乗せるときに、プラスオフセット150kHzをか
けたとすると、OFDM信号の中心周波数は485.1
50MHzとなる。マイナスオフセット150kHzを
かければ、484.850MHzとなる。当然、オフセ
ットをかけないときもあるので、そのときは、485.
000MHzが中心周波数となる。
【0073】周波数帯域幅の設定(ステップS4)で
は、デジタル放送の方式が変更されることががなけれ
ば、設定は不要である。
【0074】スペアナ3は、パソコン5が装備する測定
プログラムにより自動制御されており、モード切替ボタ
ン76の操作に応答して設定された測定チャンネルのス
ペクトルを表示する。モード切替ボタン76の操作毎に
スペアナ3が表示する帯域幅が変わるようになってい
る。このとき測定者は、リップルを観測するためにその
表示帯域幅に合ったフィルタに設定する。
【0075】次いで測定者は、図6に示すように、表示
画面のスペクトルを見ながらリファレンスレベル(RE
F.LEVEL)を測定に適したレベルに設定する(ス
テップS6)。図6において、(1)は、リファレンス
レベルが高すぎる場合を示し、(2)はリファレンスレ
ベルが低すぎる場合を示し、(3)はリファレンスレベ
ルが適切なレベルである場合を示している。このように
リファレンスレベル(REF.LEVEL)の設定(ス
テップS6)では、測定者がOFDM帯域の全体を見な
がら表示される波形位置を最適な位置に設定する作業が
行われる。
【0076】測定者が測定開始ボタン72を操作する
(ステップS7)と、それに応答してパソコン5がスペ
アナ3から振幅周波数特性データの取り込みを開始す
る。パソコン5は、データを取り込むと、遅延時間の演
算とDU比の演算を行い、遅延プロファイルを測定し、
演算結果をスペアナ3の表示画面8に表示する(ステッ
プS8)。表示例を図7に示している。その後、保存す
るか、の問い合わせが表示される(ステップS9)の
で、表示に従い保存ボタン73を操作すると、測定結果
がパソコン5に保存される(ステップS10)。
【0077】図7に示すように、測定結果グラフ部81
にDU比−遅延時間のグラフが表示される。図7では、
DU比−遅延時間のグラフとして、遅延時間が0sec
〜5secの範囲でDU比が約15dBである遅延波が
示されている。遅延時間が5sec〜10secの範囲
では、5secに近いときろにDU比が約20dBの遅
延波が示され、10secに近いところに約15dBの
遅延波が示されている。
【0078】但し、DU比が30dB以上のものに関し
ては、測定結果部82に遅延時間とDU比の一覧が表示
される。図7では、(D/U−遅延時間)として、(1
5.69−2.01)(20.86−6.04)(1
5.86−8.97)が示されている。DU比が30d
B以上とする理由は、次の通りである。希望波(OFD
M波)に比べて遅延波が小さければ、OFDM波に与え
る影響は少ない。DU比が30dB以上の遅延波は、無
数に存在し測定が困難である。また、現在受信状況調査
に使用されているPDUR計では、DU比35dB程度
としている。
【0079】このように本実施の形態の遅延プロファイ
ル測定装置では、測定機器として一般に使用されている
スペアナ3と、普及しているパソコン5と、規格化され
ているGPIBインタフェースと用いて簡易に遅延プロ
ファイルの測定が行える。
【0080】なお、上記の実施の形態では表示結果をス
ペアナ画面に表示したが、この表示はパソコンの表示画
面やプリンタに出力することも可能である。また、スペ
アナ自体に演算手段を内蔵し、パソコンとGPIBイン
タフェースを省く構成とすることも可能である。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
遅延プロファイル測定装置を入手容易な機材により構成
でき、測定プログラムのみを新規に入手するだけで遅延
プロファイルが測定できる。また、スペアナの制御もパ
ソコンからプログラム制御できるので、測定プログラム
による遅延プロファイルの自動測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遅延プロファイル測定装置の実施
形態を示す構成ブロック図である。
【図2】スペアナの操作部及び表示画面の概要を示す説
明図である。
【図3】遅延時間の測定の説明図であり、(1)は単一
のマルチパスが加わった場合のOFDM波のスペクト
ル、(2)は複数のマルチパスが加わった場合のOFD
M波のスペクトルである。
【図4】遅延波のDU比測定の説明図(遅延波が1波の
場合の合成ベクトル図)である。
【図5】遅延プロファイル測定操作手順のフローチャー
トである。
【図6】スペアナのリファレンスレベル設定の説明図で
あり、(1)は、リファレンスレベルが高すぎる場合を
示し、(2)はリファレンスレベルが低すぎる場合を示
し、(3)はリファレンスレベルが適切なレベルである
場合を示している。
【図7】スペアナの表示画面に表示された測定結果の一
例を示す図である。
【符号の説明】
1 受信アンテナ 2 同軸ケーブル 3 スペクトルアナライザ 4 GPIBケーブル 5 演算手段及び出力手段としてのパーソナルコンピュ
ータ(パソコン) 7 操作部 8 表示画面 71 設定パネル 72 測定開始ボタン 73 保存ボタン 74 読み込みボタン 75 終了ボタン 76 モード切替ボタン 81 測定結果グラフ部 82 測定結果部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 文彦 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会放送センター内 (72)発明者 山岸 慶昭 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会放送センター内 (72)発明者 劔持 甫 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会放送センター内 (72)発明者 福尾 秀一 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会放送センター内 (72)発明者 榊 英世 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会放送センター内 Fターム(参考) 5C061 BB03 CC03 CC09 5K022 DD31 GG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 OFDM波を受信するアンテナからの受
    信信号を入力してその振幅周波数特性を分析する分析手
    段と、 この分析手段により分析された振幅周波数特性データに
    基づきマルチパス遅延波の遅延時間とDU比を求める演
    算手段と、 を備えたことを特徴とするOFDM波の遅延プロファイ
    ル測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のOFDM波の遅延プロ
    ファイル測定装置において、 前記分析手段は、測定する遅延時間の範囲に応じて前記
    OFDM波の帯域を分割し、各分割した帯域において分
    析を行う、 ことを特徴とするOFDM波の遅延プロファイル測定装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のOFDM
    波の遅延プロファイル測定装置において、 前記分析手段はスペクトルアナライザ、前記演算手段は
    パーソナルコンピュータであり、 前記スペクトルアナライザと前記パーソナルコンピュー
    タは、GPIBインタフェースを介して接続され、 前記スペクトルアナライザは、前記パーソナルコンピュ
    ータの制御下に分析動作を行う、 ことを特徴とするOFDM波の遅延プロファイル測定装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のOFDM波の遅延プロ
    ファイル測定装置において、 前記パーソナルコンピュータは、前記スペクトルアナラ
    イザの分析データをリファレンスレベルと関連付けて取
    り込む、 ことを特徴とするOFDM波の遅延プロファイル測定装
    置。
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