JP3955547B2 - 信号測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定信号としてデジタル放送信号を測定する信号測定装置に関し、特に、ラジオ放送やテレビ放送に用いられ、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial 総合デジタル地上波放送)システムで採用されるBST−OFDM(Band Segmented Transmission-Orthogonal Frequency Division Multiplexing 帯域セグメント化伝送−直交周波数分割多重)変調方式で変調されたデジタル放送信号のパワーや変調誤差比(MER)を測定する信号測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、テレビジョン放送における地上波放送、衛星放送、ケーブル放送の各放送信号をデジタル化して、1つのチャネルに画像、音声のみならず、多数の付加情報を組み込んで送信して、TVの視聴者に付加情報を選択させる計画が実験、及び一部実用化されている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては下記のものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−124931号公報
【特許文献2】
特許第3184832号
【0004】
このようなISDB−Tシステムで採用されるデジタル放送信号の信号品質を評価することは、視聴者に対して常時良好な画像を提供するために重要なことである。
【0005】
放送信号の信号品質を定量的に表わす手法として、CN(デジタル)が一般的に採用されている。アナログ放送信号の各チャネルの周波数分布は、図6(a)に示すように、画像信号のスペクトルAと音声信号のスペクトルBとが互いに離間している。この場合、このチャネルの周波数帯域内における雑音レベル(N)は簡単に測定できる。また、画像信号のスペクトルAの信号レベル(C)も簡単に測定できる。よって、このアナログ放送信号のCNが簡単に求まる。
【0006】
しかしながら、日本国におけるISDB−Tシステムで採用されているBST−OFDM変調方式で変調されたデジタル放送信号においては、図6(b)に示すように、このチャネルの周波数帯域内に映像、音声、付加情報等の多数のスペクトルが平均的に分散するので、周波数帯域内一杯の台形スペクトルCとなる。その結果、この周波数帯域内の雑音は台形スペクトルC内に埋没するので、この雑音レベル(N)を直接測定できない。
【0007】
一般に、デジタル信号における搬送波(キャリア)と雑音(ノイズ)との比で示されるCNと、誤り率(BER)との関係は、図7に示すように、誤り率−CN特性で示される。したがって、誤り率(BER)が測定できれば、このデジタル信号のCNは一義的に求まる筈である。
【0008】
しかし、誤り率−CN特性における誤り率が小さい領域においては、正確なCNが求まらないので、誤り率測定器の測定値が例えば2×10-4(誤り率−CN特性から対応するCNはCN1)に一致するまで既知レベルの雑音を増加し、その時点に印加されている雑音に対応するCN2を得る。したがって、求めるデジタル放送信号のCNは(CN1−CN2)となる。
【0009】
ところで、上述したISDB−Tシステムでは、OFDMセグメントと称する帯域幅約430KHzの狭帯域信号を複数組み合わせて狭帯域から広帯域までの放送電波が構成できる。そして、ISDB−Tシステムを採用したデジタルTV放送に用いられるデジタル放送信号では、図8に概略的に示すように、13セグメントが1チャネルとして1放送事業者に割り当てられる。また、デジタルTV放送のデジタル放送信号は、1チャネルが最大3階層(図8の例では、1セグメントからなるA階層、6セグメントからなるB階層、6セグメントからなるC階層)を有している。なお、A階層は1以上で構成され、A階層のみで構成される場合も有る。そして、3つ階層(A階層、B階層、C階層)のセグメントの合計が13セグメントを越えない範囲でセグメント数が例えば放送事業者によって任意に設定できるようになっている。
【0010】
従って、図8に示すような周波数特性を有するデジタル放送信号の変調誤差比を測定する場合には、前記特許文献1に開示される変調誤差比測定装置にデジタル放送信号を被測定信号として入力し、規格で定められている最大3階層(A,B,C)毎に被測定信号の変調誤差比を測定していた。
【0011】
このように、デジタルTV放送では、1チャネルのデジタル放送信号が複数のセグメントからなる階層として構成されるので、階層毎の変調誤差比を測定すればよく、特にセグメント単位で変調誤差比を測定する必要がなかった。
【0012】
これに対し、デジタル音声に用いられるデジタル放送信号は、図9(a),(b)に示すように、1又は3セグメントからなる単位送信波が1チャネルとして1放送事業者に割り当てられる。しかも、図9(c)に概略的に示すように、1又は3セグメントからなる単位送信波を連結して送信することが可能となっている。図9(c)の例では、1セグメント/チャネルの単位送信波が5チャネルと、3セグメント/チャネルの単位送信波が1チャネルの合計6チャネル分の単位送信波が連結され、6放送事業者分の単位送信波が送信されている場合を示している。さらに、図9(c)の例では、セグメントの総数が8であるが、セグメントの総数も13以下で任意数である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように、デジタル音声では、1チャネル当たりの帯域幅がデジタルTV放送に比べて狭いため、複数の単位送信波を連結して複数チャネルのデジタル放送信号を一度に送信できる利点を有している。しかし、ある放送事業者によっては、放送しない時間帯もあり、全体チャネル内にセグメントが存在しない部分があり得る。または、連結されるセグメントの数が減る。このため、周波数帯域内のセグメントの有無を含め、単位送信波毎、すなわち放送事業者毎に変調誤差比を測定する必要がある。しかし、従来の変調誤差比測定装置では、放送事業者(1又は3セグメントの単位送信波)毎の変調誤差比の測定について考慮していなかった。
【0014】
ところで、図8及び図9に示すデジタルTV放送やデジタル音声放送に用いられるデジタル放送信号の品質を評価する上で、変調誤差比(MER)以外に信号のパワー(電力)測定も重要な要素となる。実際、デジタル放送信号を被測定信号とした場合、ラジオ用のデジタル放送信号では、図9(a),(b)に示すように、1セグメント又は3セグメントが単位送信波として1事業者に割り当てられる。また、テレビ用のデジタル放送信号では、階層によって異なる番組を割り当てることができる。このため、ラジオ用のデジタル放送信号ではセグメント毎のパワーの測定が要求され、テレビ用のデジタル放送信号では階層毎のパワーの測定が要求されることになる。
【0015】
そこで、上述したデジタル放送信号のパワー測定を行う場合、従来より周知のスペクトラムアナライザやパワーメータを用いることが考えられる。
【0016】
スペクトラムアナライザを用いた測定では、特許文献2に開示されるゾーンマーカ機能を用い、図10に破線で示す範囲で予めゾーンマーカにより被測定信号の測定周波数範囲を設定する。そして、RBWフィルタのRBWにより周波数分解能を決定して被測定信号のパワーを測定する。なお、RBWフィルタは、所定の周波数特性を有するアナログのバンドパスフィルタで構成されており、不要な周波数成分を除き、必要な中間周波数信号のみを選択する。このRBWフィルタの周波数特性の通過中心周波数におけるピークレベルから3dB低下した時点におけるバンド幅(RBW)がスペクトラムアナライザの周波数分解能を表す。
【0017】
しかし、スペクトラムアナライザによる測定では、被測定信号を正確に測定するためにRBWフィルタの帯域幅を狭くする必要があった。その反面、RBWフィルタの帯域幅を狭くすると、測定に時間がかかるという問題を生じる。
【0018】
また、デジタル放送信号を被測定信号としてスペクトラムアナライザにより波形を観測すると、図11に示すように、本来信号が無い部分(図11のセグメント3の部分に相当)にあたかも信号が存在するように裾引き現象を起こして観測されるといったスカート特性を示す。従って、複数のサブキャリアを含むデジタル放送信号を被測定信号としてパワーを測定する場合、特にRBWフィルタの帯域幅が広いと、隣接するサブキャリアの影響を受けて上述したスカート特性を示し、被測定信号のパワーを正確に測定するのが困難であった。
【0019】
さらに、RBWフィルタの帯域幅を狭くしたとしても、デジタル放送信号の途切れた位置で周波数に広がりが生じてしまい、信号が無い帯域外でも上述したスカート特性を示して完全に信号のレベルが0にはならず、正確なパワー測定を行うことができないという問題があった。
【0020】
これに対し、パワーメータによる測定では、通常、帯域制限がかからないため、図12に示すように、バンドパスフィルタにより被測定信号の測定周波数を切り出すことになる。しかし、このパワーメータによる測定では、被測定信号がデジタル音声放送のデジタル放送信号の場合、各セグメント毎に適合するバンドパスフィルタを用意しなければならないという問題があった。しかも、バンドパスフィルタでは、被測定信号から目的とする周波数部分の信号のみを忠実に切り出すのが困難であった。従って、パワーメータによる測定では、使用するバンドパスフィルタの性能によって測定精度が左右されるという問題があった。
【0021】
そこで、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであって、被測定信号のパワーや変調誤差比を短時間で高精度に測定することができる信号測定装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
請求項1記載の信号測定装置は、連続した所定数のサブキャリアを含む複数のサブキャリア群からなる被測定信号aを中間周波数信号bに変換し、この中間周波数信号を直交復調したデジタルのベースバンド信号として出力する信号変換手段3と、
該信号変換手段から出力されたベースバンド信号からOFDM変調のシンボルタイミングを抽出するシンボルタイミング抽出手段6と、
該シンボルタイミング抽出手段で抽出されたシンボルタイミングを用いて前記ベースバンド信号に対して、高速フーリエ変換処理することにより、前記被測定信号の全てのサブキャリアを抽出するOFDM復調手段7と、
該OFDM復調手段で抽出された各サブキャリアであって、伝送イコライザ11を通過する前の該サブキャリアをサブキャリア群毎に区分けする区分け手段8と、
該区分け手段により区分けされた前記サブキャリア群毎のパワーレベルを演算するレベル演算手段9とを備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項2記載の信号測定装置は、連続した所定数のサブキャリアを含む複数のサブキャリア群からなる被測定信号aを中間周波数信号bに変換し、この中間周波数信号を直交復調したデジタルのベースバンド信号として出力する信号変換手段3と、
該信号変換手段から出力されたベースバンド信号からOFDM変調のシンボルタイミングを抽出するシンボルタイミング抽出手段6と、
該シンボルタイミング抽出手段で抽出されたシンボルタイミングを用いて前記ベースバンド信号に対して、高速フーリエ変換処理することにより、前記被測定信号の全てのサブキャリアを抽出するOFDM復調手段7と、
該OFDM復調手段で抽出された各サブキャリアをサブキャリア群毎に区分けする区分け手段8,12と、
前記区分け手段により区分けされた前記サブキャリア群毎のパワーレベルを演算するレベル演算手段9と、
前記区分け手段により区分けされた前記サブキャリア群毎のサブキャリアを該当サブキャリア群の位相変調方式に対応する復調方式で復調して測定コンスタレーションを得る復調手段13と、
該復調手段で復調された測定コンスタレーションから理論的コンスタレーションを推定する推定手段14と、
前記復調された測定コンスタレーションと前記推定された理論的コンスタレーションとの誤差分を算出する誤差算出手段15と、
該誤差算出手段で算出された各サブキャリア群の各誤差分と該当サブキャリア群の理論的コンスタレーションとの電力比を算出し、各サブキャリア群毎に該電力比を変調誤差比として算出する変調誤差比算出手段16とを備えたことを特徴とする。
【0024】
請求項3記載の信号測定装置は、請求項2記載の信号測定装置において、前記区分け手段12は、前記OFDM復調手段7で抽出され特性変化が補償されたサブキャリアを入力し、該サブキャリアをサブキャリア群に区分けし、前記復調手段13に出力することを特徴とする。
【0025】
請求項4記載の信号測定装置は、請求項1、2、又は3記載の信号測定装置において、前記サブキャリア群がセグメントで構成されるデジタル音声放送用のデジタル放送信号であることを特徴とする。
【0026】
請求項5記載の信号測定装置は、請求項1、2、又は3記載の信号測定装置において、前記サブキャリア群が階層で構成されるデジタルTV放送用のデジタル放送信号であることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る信号測定装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明に係る信号測定装置の概略構成を示すブロック図、図2は本発明に係る信号測定装置によって測定される被測定信号の波形の一例を示す図、図3は本発明に係る信号測定装置においてコンスタレーションの誤差分の求め方を示す図である。
【0029】
図1に示すように、本実施の形態による信号測定装置1は、入出力操作部2、信号変換部3、周波数誤差測定部4、周波数誤差補正部5、シンボルタイミング抽出部6、OFDM復調部7、区分け部8、レベル演算部9、伝送路特性算出部10、伝送路イコライザ11、区分け部12、復調部13、推定部14、誤差算出部15、MER(変調誤差比)算出部16を備えて構成される。
【0030】
本例の信号測定装置1では、デジタル放送信号が被測定信号aとして信号変換部3に入力される。この被測定信号aは、デジタル音声放送又はデジタルTV放送に用いられるデジタル放送信号である。ここでは、デジタル音声放送に用いられるBST−OFDM変調されたデジタル音声信号の例について説明する。デジタル音声信号は、変調方式が異なる複数のセグメントが予め決められた周波数帯域(最大5.6MHz)内に配置されている。デジタル音声放送では、図9(a)に示すような帯域幅430kHzの信号からなる1セグメント、又は図9(b)に示すような帯域幅1.29MHzの信号からなる3セグメントが1事業者に割り当てられる。この1又は3セグメントからなる単位送信波は、予めセグメント毎に割り当てられた連続する所定数のサブキャリアを含むサブキャリア群からなり、任意に組み合わせて連結可能とされている。また、セグメントの総数は、13以下で任意数であり、配列も周波数帯域内に連続しているものに限らず途中にセグメントが無い状態も含む。
【0031】
さらに説明すると、デジタル音声信号からなる被測定信号aは、図9(c)に示すような周波数特性を有している。図9(c)の例では、連続して8つのセグメントが周波数帯域内に連結して配置されている。すなわち、図9(c)の例では、1セグメント/チャネルからなる5つの単位送信波と、3セグメント/チャネルからなる1つの単位送信波とが周波数帯域内で連結送信され、被測定信号aとして本例の信号測定装置1に入力される。
【0032】
従って、図9(c)に示す被測定信号aの場合には、6放送事業者分の単位送信波が周波数帯域内で連結送信されて信号測定装置1に入力される。この被測定信号aは、サブキャリア群からなる複数のセグメントを有している。各セグメントには、図2に示すように、予めセグメント毎に割り当てられた連続する所定数のサブキャリアが含まれている。また、各セグメントには、該当セグメントのサブキャリアの変調方式及び使用周波数帯域の情報を有する特別サブキャリアも含まれている。
【0033】
この被測定信号aの周波数帯域内における特別サブキャリアの変調方式及び使用周波数帯域は固定であるが、その他の各セグメントの設置数(最大13)、各使用周波数帯域、採用変調方式は、各単位送信波のセグメントで伝送しようとする情報に応じて任意に設定変更可能である。
【0034】
図1に示す信号測定装置1において、入出力操作部(ヒューマン・インターフェース)2は、操作部21と表示部22とで構成されている。操作部21内には、信号周波数設定部23と送信構造設定部24とが含まれる。信号周波数設定部23は、デジタル音声放送で送信される各チャネルの搬送周波数を記憶している。この信号周波数設定部23は、入力したデジタル放送信号のうち、表示画面の設定項目(チャネル設定の項目)に対し、操作者が指定したチャネルが設定されると、このチャネルの信号を中間周波数信号に変換するための局部発振(ローカル)信号を発振して、後述する信号変換部3の周波数変換部3aへ送出する。
【0035】
送信構造設定部24は、入力される被測定信号aの送信構造に関する情報を設定している。具体的には、入力される被測定信号aの周波数帯域内における各単位送信波毎のセグメントの有無・構成情報及び変調方式を設定している。この設定は、例えば操作部21上のキーやキーボード等を用いて表示画面上から行われる。セグメントの有無・構成情報は、入力される被測定信号aの左側から順番に付されたセグメント番号の設定項目(セグメントの有無・構成の項目)に対し、各セグメント番号に該当するセグメントの有無を設定している。また、セグメントが有る場合には、そのセグメントが存在する単位送信波が1又は3セグメントの何れで構成されるかを設定している。
【0036】
また、セグメントの変調方式は、表示画面の設定項目(変調方式の項目)に対し、単位送信波が1又は3セグメントの何れで構成されるかを考慮した上で、各セグメント番号毎に設定される。なお、セグメントの有無・構成情報として、セグメント無しの設定がなされた場合には、信号が出力していない旨の情報(例えば「停止」の情報)が該当するセグメント番号の変調方式として設定される。
【0037】
送信構造設定部24は、その設定方法として、最初に連結するセグメント数を設定する。次に、連結送信波を構成する1セグメントの単位送信波と3セグメントの単位送信波のそれぞれの数、配置(どの順番で並べるか)を設定する。その後、それぞれの単位送信波毎に変調方式を設定する。
【0038】
送信構造設定部24は、上記各種設定がなされると、試験対象の図9(c)に示す中間周波数信号に周波数変換された状態のデジタル放送信号における各セグメントの使用周波数帯域を区分け部8,12へ送出するとともに、各セグメントの変調方式を復調部11へ送出する。また、送信構造設定部24は、設定されたセグメントの有無・構成情報及び変調方式の情報を周波数誤差測定部4、OFDM復調部7、伝送路特性算出部10、伝送路イコライザ11の各部へ送出する。
【0039】
表示部22は、例えば液晶表示器と表示制御回路で構成され、各種設定画面の他、信号測定装置1で測定された搬送波(キャリア)周波数の周波数誤差、単位送信波毎の各セグメントのパワー(電力)レベルや変調誤差比(MER)、単位送信波毎の各セグメントの測定コンスタレーションを表示する。
【0040】
信号変換部3は、周波数変換部3a、A/D変換部3b、直交復調部3cを備えて構成される。周波数変換部3aは、信号周波数設定部23から印加されている局部発振(ローカル)信号を用い、入力された被測定信号a(デジタル放送信号)の周波数を中間周波数に変換して中間周波数信号(IF信号)bとしてA/D変換器3bへ送出する。A/D変換器3bは、入力された中間周波数信号bをデジタルの中間周波数信号に変換して直交復調部3cへ送出する。
【0041】
直交復調部3cは、入力されたデジタルの中間周波数を同相成分Iと直交成分Qとからなるベースバンド信号I、Qに直交復調して、周波数誤差測定部4(4a)及び周波数誤差補正部5へ送出する。
【0042】
周波数誤差測定部4は、第1の周波数誤差測定部4aと第2の周波数誤差測定部4bを有する。第1の周波数誤差測定部4aは、送信構造設定部24からの設定情報(セグメントの有無・構成情報や変調方式の情報)に基づき、ベースバンド信号I、Qに含まれる不要な周波数成分、すなわち周波数誤差Δf1を検出して、この周波数誤差Δf1を周波数誤差補正部5及び表示部22へ送出する。
【0043】
なお、周波数誤差測定部4は、送信構造設定部24からセグメント無しの情報及び変調方式が停止を示す情報が入力されている場合、すなわち、被測定信号aの周波数帯域内においてセグメントが存在しない部分がある場合には、そのセグメントの存在しない部分の周波数誤差測定の処理を実行しない。
【0044】
周波数誤差補正部5は、第1の周波数誤差測定部4aからの周波数誤差Δf1及び後述する第2の周波数誤差測定部4bからの周波数誤差Δf2を用いて、直交復調部3cから入力されたベースバンド信号I、Qに含まれる周波数誤差を粗く補正する。そして、周波数誤差補正部5は、周波数補正後のベースバンド信号I’、Q’をシンボルタイミング抽出部6及びOFDM復調部7へ送出する。
【0045】
シンボルタイミング抽出部6は、入力された周波数補正後のベースバンド信号I’、Q’からガードインターバル関数を用いて、OFDMシンボルタイミングを抽出してOFDM復調部7へ印加する。
【0046】
OFDM復調部7は、送信構造設定部24からの設定情報(セグメントの有無・構成情報や変調方式の情報)に基づき、シンボルタイミング抽出部6からのOFDMシンボルタイミングを用いて、入力された周波数補正後のベースバンド信号I’、Q’に対して高速フーリエ変換処理(FFT)を実施する。これにより、デジタル放送信号の指定されたチャネルに含まれる全てのサブキャリアを抽出して、区分け部8、伝送路イコライザ11、第2の周波数誤差測定部4b及び伝送路特性算出部10へ送出する。
【0047】
なお、OFDM復調部7は、送信構造設定部24からセグメント無しの情報及び変調方式が停止を示す情報が入力されている場合、すなわち、被測定信号aの周波数帯域内においてセグメントが存在しない部分がある場合には、そのセグメントの存在しない部分の上記高速フーリエ変換処理(FFT)を実施しないこともできる。
【0048】
第2の周波数誤差測定部4bは、送信構造設定部24からの設定情報(セグメントの有無・構成情報や変調方式の情報)に基づき、入力されたサブキャリアのSP(スカッタード・パイロット)、CP(コンティニュアル・パイロット)を用いて周波数補正後のベースバンド信号I’、Q’の周波数におけるさらに詳細な周波数誤差Δf2を測定する。そして、第2の周波数誤差測定部4bは、測定した周波数誤差Δf2を前述した周波数誤差補正部5へ送出する。従って、周波数誤差補正部5は、先に周波数補正したベースバンド信号I’、Q’を再度周波数補正することになるので、ベースバンド信号I’、Q’の周波数精度がさらに向上する。また、第2の周波数誤差測定部4bは、測定した詳細な周波数誤差Δf2を表示部22へ送信する。
【0049】
なお、第2の周波数誤差測定部4bは、第1の周波数誤差測定部4aと同様に、送信構造設定部24からセグメント無しの情報及び変調方式が停止を示す情報が入力されている場合、すなわち、被測定信号aの周波数帯域内においてセグメントが存在しない部分がある場合には、そのセグメントの存在しない部分の周波数誤差測定の処理を実行しない。
【0050】
区分け部8は、送信構造設定部24から設定された各単位送信波毎の各セグメント及び特別サブキャリアの使用周波数領域に基づいて、入力された被測定信号aに含まれる各サブキャリアを、各単位送信波毎のセグメント及び特別サブキャリアの各サブキャリアに区分けして、レベル演算部9へ送出する。
【0051】
レベル演算部9は、区分け部8で区分けされた各サブキャリア1本毎にレベルを演算し、さらに演算した各サブキャリアのレベルを各セグメント毎に積算して各セグメント毎のパワーレベル(電力の総和)を演算し、この演算により得られる各セグメント毎のパワーレベルを入力操作部の表示部22へ送出する。さらに説明すると、セグメントXのパワーレベル(電力の総和)Pは、セグメントXに所属している左からn番目のサブキャリアのパワーレベルをPx(n)とし、セグメントXのサブキャリア数をNとすると、下記式(1)によって得ることができる。
【0052】
【数1】
【0053】
伝送路特性算出部10は、送信構造設定部24からの設定情報(セグメントの有無・構成情報や変調方式の情報)に基づき、入力されたサブキャリアのSP(スカッタード・パイロット)より、伝送路の周波数特性を推定し、この伝送路の周波数特性が各サブキャリア毎の該当伝送路を伝送される場合の位相、振幅に与える影響度(変化度)を算出して伝送路イコライザ11へ送出する。
【0054】
なお、伝送路特性算出部10は、送信構造設定部24からセグメント無しの情報及び変調方式が停止を示す情報が入力されている場合、すなわち、被測定信号aの周波数帯域内においてセグメントが存在しない部分がある場合には、そのセグメントの存在しない部分の処理を実行しない。
【0055】
伝送路イコライザ11は、送信構造設定部24からの設定情報(セグメントの有無・構成情報や変調方式の情報)に基づき、OFDM復調部7で復調された各サブキャリアに対して伝送路特性算出部10から入力された各サブキャリア毎の影響度(変化度)より、各サブキャリアが伝送路を通過することに起因する特性変化を補償する。伝送路イコライザ11で特性変化が補償された各サブキャリアは、次の区分け部12へ入力される。
【0056】
なお、伝送路イコライザ11は、送信構造設定部24からセグメント無しの情報及び変調方式が停止を示す情報が入力されている場合、すなわち、被測定信号aの周波数帯域内においてセグメントが存在しない部分がある場合には、そのセグメントの存在しない部分の上記算出処理を実行しない。
【0057】
区分け部12は、送信構造設定部24から設定された各単位送信波毎の各セグメント及び特別サブキャリアの使用周波数領域に基づいて、OFDM復調部7で抽出され特性変化が補償された被測定信号aに含まれる各サブキャリアを入力し、各単位送信波毎のセグメント及び特別サブキャリアの各サブキャリアに区分けして、復調部13へ送出する。
【0058】
復調部13は、送信構造設定部24から設定された各単位送信波毎の各セグメント及び特別サブキャリアの変調周波数に基づいて、各単位送信波毎の各セグメント及び特別サブキャリアの各サブキャリアを、それぞれ対応する復調方式で復調して、図3に示すように、I、Q座標上における位置Pmを示す測定コンスタレーション[Im、Qm]を求めて推定部14及び誤差算出部15へ送出する。
【0059】
推定部14は、各単位送信波毎の各セグメント及び特別サブキャリア毎に、測定コンスタレーション[Im、Qm]から、該当サブキャリアに対応する変調方式のI、Q座標上における理論的位置Ps(Is、Qs)を示す理論的コンスタレーション[Is、Qs]を推定して、誤差算出部15及びMER(変調誤差比)算出部16へ送出する。
【0060】
誤差算出部15は、測定コンスタレーション[Im、Qm]と理論的コンスタレーション[Is、Qs]との誤差分ΔI=Im−Is、ΔQ=Qm−Qsを算出して、MER(変調誤差比)算出部16へ送出する。
【0061】
MER(変調誤差比)算出部16は、各単位送信波毎の各セグメント及び特別サブキャリア毎に、誤差分ΔI、ΔQと、理論的コンスタレーションの各値Is、Qsとの比で示される変調誤差比(MER)を下記式(2)で算出する。
【0062】
【数2】
【0063】
式(2)において、分子は搬送波(キャリア)の電力であり、分母は雑音の電力となる。
【0064】
MER(変調誤差比)算出部16は、各単位送信波毎のセグメント及び特別サブキャリアの変調誤差比(MER)を算出するとともに、全てのセグメント及び特別サブキャリアの平均の変調誤差比(MER)を算出する。なお、単位送信波が3セグメントで構成される場合には、階層(図9(c)におけるA階層、B階層)毎の変調誤差比が算出される。MER(変調誤差比)算出部16は、算出した各単位送信波毎のサブキャリア及び特別サブキャリアの変調誤差比(MER)、及び平均の変調誤差比(MER)、各単位送信波毎のセグメントの測定コンスタレーション[Im、Qm]を入力操作部の表示部22へ送出する。
【0065】
入力操作部の表示部22の表示制御回路は、各周波数誤差測定部4(4a,4b)から入力された各周波数誤差Δf1、Δf2、各単位送信波毎のセグメント及び特別サブキャリアのパワー(電力)レベルや変調誤差比(MER)、及び平均の変調誤差比(MER)、各単位送信波毎のセグメントの測定コンスタレーション[Im、Qm]を編集して、表示画面に所定のフォーマットで表示する。
【0066】
例えば測定コンスタレーション[Im、Qm]を除く全体の測定結果を表示する場合には、測定された搬送周波数、基準周波数、各周波数誤差Δf1、Δf2から求めた周波数誤差、1セグメント又は3セグメントからなる単位送信波毎(放送事業者毎に相当)のパワーレベルや変調誤差比(MER)等が表示画面上に表示される。例えば図9(c)の被測定信号aの測定を行った場合、表示画面には、1セグメントが割り当てられた放送事業者の測定結果がセグメント番号1〜5の該当セグメント番号の測定表示欄に表示され、3セグメントが割り当てられた放送事業者の測定結果がセグメント番号6〜8の該当セグメント番号の測定表示欄に表示される。
【0067】
また、全体の測定結果から1つの単位送信波(1放送事業者に相当)の測定結果を抽出して表示する場合には、選択された1つの単位送信波における測定コンスタレーション[Im、Qm]が表示される。
【0068】
このように構成された信号測定装置1において、変調誤差比(MER)の測定対象となるデジタル放送信号(被測定信号a)は、図9(c)に示すように、所定の周波数帯域(最大5.6MHz)内に周波数分割され、音声や付加情報等を含む変調方式(DQPSK、QPSK、64QAM)が異なる複数のセグメントと特別サブキャリアを配置し、これらのセグメントをBST−OFDM変調した信号である。
【0069】
従って、これらのセグメントと特別サブキャリアとをBST−OFDM変調したデジタル放送信号は、OFDM復調部7でOFDM復調して得られる各サブキャリアを元の各セグメントと特別サブキャリアに区分可能となる。その結果、区分け部8及び区分け部12において各単位送信波毎のセグメントと特別サブキャリアのサブキャリアが指定される。
【0070】
そこで、区分け部8で区分けされた各サブキャリア1本毎にレベルを演算し、さらに演算した各サブキャリアのレベルを各セグメント毎に積算して各セグメント毎のパワーレベル(電力の総和)を演算する。
【0071】
また、復調部13で各単位送信波毎のセグメントのサブキャリアを各単位送信波毎のセグメントに指定された変調方式(復調方式)で復調すれば、各単位送信波毎のセグメントの測定コンタレーション[Im、Qm]が得られる。そして、MER(変調誤差比)算出部16において、各単位送信波毎(放送事業者毎に相当)の変調誤差比(MER)が得られる。
【0072】
ところで、上述した実施の形態では、被測定信号としてデジタル音声放送に用いられるデジタル放送信号のパワーと変調誤差比(MER)を測定する構成について説明したが、被測定信号としてデジタルTV放送に用いられるデジタル放送信号のパワーと変調誤差比(MER)を測定することもできる。この場合、送信構造設定部24は、被測定信号aの周波数帯域内における各階層毎の階層の有無・構成情報及び変調方式を設定している。そして、図1の構成において、デジタル音声放送のデジタル放送信号のセグメントを階層に置き換えて同様の処理を行うことによりパワー及び変調誤差比(MER)を測定することができる。
【0073】
また、上述した実施の形態では、被測定信号をラジオ用のデジタル放送信号とし、このラジオ用のデジタル放送信号のパワー及び変調誤差比(MER)を測定する場合について説明したが、被測定信号のパワーのみを測定する構成とすることもできる。この場合には、図1において、一点鎖線で囲まれた部分(MERを測定算出する部分)を省いた構成とする。
【0074】
このように、本例の信号測定装置1によれば、BST−OFDM変調されたデジタル放送信号を構成する単位送信波の各セグメント毎に特別サブキャリアを含めてパワー及び変調誤差比(MER)を短時間で高精度に測定することができる。従って、複数の単位送信波が連結送信されるデジタル放送信号を測定対象とした場合、被測定信号が放送事業者毎(1又は3セグメントの単位送信波毎)に任意の変調方式であっても、1又は3セグメントからなる単位送信波の各セグメント毎のレベル及び変調誤差比を短時間で高精度に測定することができる。これにより、問題が発生している単位送信波のセグメントを特定することができる。その結果、地上デジタル音声放送標準規格に従って行われるデジタル音声放送の連結送信されている放送波の品質を放送事業者毎に評価することができる。
【0075】
また、被測定信号がデジタルTV放送用のデジタル放送信号であれば、階層毎にパワーや変調誤差比(MER)を短時間で高精度に測定できるので、提供する番組毎に信号品質の評価を行うことができる。
【0076】
同時に、この信号測定装置1においては、搬送波(キャリア)の周波数の周波数誤差も測定して表示している。これにより、BST−OFDM変調されたデジタル放送信号の信号品質をより高い精度で測定できる。
【0077】
また、周波数誤差測定部4、OFDM復調部7、伝送路特性算出部10、伝送路イコライザ11の各部は、送信構造設定部24からの情報(各セグメントの有無・構成情報と変調方式の情報)に基づき、被測定信号aの周波数帯域内にセグメントが存在しない部分(送信波が出力されていない部分)を考慮して処理を実行している。これにより、被測定信号aの周波数帯域内の任意の位置にセグメントが存在しない場合であっても、そのセグメントに関する処理を一切行うことなく、周波数誤差を正確に測定して補正が行え、不要な測定を省いて被測定信号の単位送信波毎の変調誤差比を正確に測定することができる。
【0078】
ところで、上述した実施の形態では、BST−OFDM変調されたデジタル放送信号のパワー及び変調誤差比(MER)を測定して表示部22に表示するようにしている。しかし、さらに、変調誤差比(MER)をCNに換算して、変調誤差比(MER)とCNとを同時に表示することも可能である。この場合、図4に示す変調誤差比(MER)−CN特性を用いて換算する。
【0079】
この図4に示す特性は、同一のデジタル放送信号に対して雑音成分(N)を順次変化させて行った場合における、実施形態装置で測定された変調誤差比(MER)と、周知のCN測定装置で測定されたCNとの対比を示す実験結果である。40dB以下においては、変調誤差比(MER)はCNに対してほぼ1対1で対応していることが理解できる。さらに、40dBを超える変調誤差比(MER)も正確にCNに変換できる。このように、図4の特性を用いて変調誤差比(MER)を簡単にCNに換算できる。
【0080】
さらに、変調誤差比(MER)をCNに換算できると、送信機や中継機等の各種放送機器自体が有する雑音成分である残留CNを測定することができる。そして、残留CNが測定できれば、デジタル放送信号が送信機、中継機、TTL等を通過することに起因する信号品質の劣化を事前に算出して把握することができる。
【0081】
なお、変調誤差比(MER)等の信号品質の劣化を直接測定するためには、劣化測定対象の放送機器に印加するデジタル放送信号は十分に良好な変調誤差比(MER)を有する必要があるので、高品質なデジタル放送信号を発生できる信号発生装置を用いる必要がある。
【0082】
ところで、図1に示す信号測定装置では、入力された被測定信号aに含まれる各サブキャリアを、各単位送信波毎のセグメント及び特別サブキャリアの各サブキャリアに区分けする2つの区分け部8,12を設け、被測定信号のパワー及び変調誤差比を同時に測定できる構成としているが、図5に示すように、区分け部8を1つのみで構成しても良い。なお、図5では区分け部8の周辺構成のみを示しており、他の構成について図1と同一で省略している。
【0083】
図5の構成では、伝送路イコライザ11の出力が区分け部8に入力され、OFDM復調部7の出力を区分け部8又は伝送路イコライザ11の何れかに入力するための第1切替手段25と、区分け部8の出力をレベル演算部9又は復調部13の何れかに入力するための第2切替手段26を設ける。そして、これら第1切替手段25及び第2切替手段26の接点25a,26aを操作部21からの指令により切り替える。この構成では、被測定信号のレベルを測定する場合、操作部21からの指令により、OFDM復調部7と区分け部8が接続されるように第1切替手段25の接点25aを切り替え、かつ区分け部8とレベル演算部9が接続されるように第2切替手段26の接点26aを切り替える。これに対し、被測定信号の変調誤差比(MER)を測定する場合には、操作部21からの指令により、OFDM復調部7と伝送路イコライザ11が接続されるように第1切替手段25の接点25aを切り替え、かつ区分け部8と復調部13が接続されるように第2切替手段26の接点26aを切り替える。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る請求項1の信号測定装置によれば、被測定信号のパワーを短時間で高精度に測定することができる。
【0085】
また、本発明に係る請求項2の信号測定装置によれば、被測定信号のパワーだけでなく変調誤差比も短時間で高精度測定でき、被測定信号の信号品質をより高い精度で測定できる。
【0086】
そして、被測定信号がデジタル音声放送用のデジタル放送信号であれば、1又は3セグメントからなる単位送信波のセグメント毎にパワーや変調誤差比(MER)を短時間で高精度に測定でき、各放送事業者毎に信号品質の評価を行うことができる。また、被測定信号がデジタルTV放送用のデジタル放送信号であれば、階層毎にパワーや変調誤差比(MER)を短時間で高精度に測定でき、提供する番組毎に信号品質の評価を行うことができる。
【0087】
また、被測定信号がデジタル音声放送用のデジタル放送信号の場合、連結送信される複数の単位送信波が放送事業者毎(1又は3セグメントの単位送信波毎)に任意の変調方式であっても、単位送信波毎のレベルや変調誤差比を測定することができる。これにより、問題が発生している単位送信波のセグメントを特定でき、地上デジタル音声放送標準規格に従って行われるデジタル音声放送の連結送信されている放送波の品質を放送事業者毎に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る信号測定装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る信号測定装置によって測定される被測定信号の波形の一例を示す図である。
【図3】本発明に係る信号測定装置においてコンスタレーションの誤差分の求め方を示す図である。
【図4】変調誤差比(MER)とCNとの関係を示す図である。
【図5】本発明に係る信号測定装置の他の構成を示す図であり、区分け部の周辺構成のみを示した図である。
【図6】(a)一般的なアナログ放送信号の周波数特性図である。
(b)デジタル放送信号の周波数特性図である。
【図7】誤り率−CN特性を示す図である。
【図8】デジタルTV放送に用いられるデジタル放送信号の周波数特性の概略図である。
【図9】(a)〜(c)デジタル音声放送に用いられるデジタル放送信号の周波数特性の概略図である。
【図10】スペクトラムアナライザを用いて信号のパワーを測定する場合の説明図である。
【図11】スペクトラムアナライザの表示画面で観測されるデジタル放送信号の波形の一例を示す図である。
【図12】パワーメータの概略構成図である。
【符号の説明】
1…信号測定装置、2…入出力操作部、3…信号変換部、3a…周波数変換部、3b…A/D変換部、3c…直交復調部、4(4a,4b)…周波数誤差測定部、5…周波数誤差補正部、6…シンボルタイミング抽出部、7…OFDM復調部、8…区分け部、9…レベル演算部、10…伝送路特性算出部、11…伝送路イコライザ、12…区分け部、13…復調部、14…推定部、15…誤差算出部、16…MER(変調誤差比)算出部、21…操作部、22…表示部、23…信号周波数設定部、24…送信構造設定部、a…被測定信号、b…中間周波数信号。
Claims (5)
- 連続した所定数のサブキャリアを含む複数のサブキャリア群からなる被測定信号(a)を中間周波数信号(b)に変換し、この中間周波数信号を直交復調したデジタルのベースバンド信号として出力する信号変換手段(3)と、
該信号変換手段から出力されたベースバンド信号からOFDM変調のシンボルタイミングを抽出するシンボルタイミング抽出手段(6)と、
該シンボルタイミング抽出手段で抽出されたシンボルタイミングを用いて前記ベースバンド信号に対して、高速フーリエ変換処理することにより、前記被測定信号の全てのサブキャリアを抽出するOFDM復調手段(7)と、
該OFDM復調手段で抽出された各サブキャリアであって、伝送イコライザを通過する前の該サブキャリアをサブキャリア群毎に区分けする区分け手段(8)と、
該区分け手段により区分けされた前記サブキャリア群毎のパワーレベルを演算するレベル演算手段(9)とを備えたことを特徴とする信号測定装置。 - 連続した所定数のサブキャリアを含む複数のサブキャリア群からなる被測定信号(a)を中間周波数信号(b)に変換し、この中間周波数信号を直交復調したデジタルのベースバンド信号として出力する信号変換手段(3)と、
該信号変換手段から出力されたベースバンド信号からOFDM変調のシンボルタイミングを抽出するシンボルタイミング抽出手段(6)と、
該シンボルタイミング抽出手段で抽出されたシンボルタイミングを用いて前記ベースバンド信号に対して、高速フーリエ変換処理することにより、前記被測定信号の全てのサブキャリアを抽出するOFDM復調手段(7)と、
該OFDM復調手段で抽出された各サブキャリアをサブキャリア群毎に区分けする区分け手段(8,12)と、
前記区分け手段により区分けされた前記サブキャリア群毎のパワーレベルを演算するレベル演算手段(9)と、
前記区分け手段により区分けされた前記サブキャリア群毎のサブキャリアを該当サブキャリア群の位相変調方式に対応する復調方式で復調して測定コンスタレーションを得る復調手段(13)と、
該復調手段で復調された測定コンスタレーションから理論的コンスタレーションを推定する推定手段(14)と、
前記復調された測定コンスタレーションと前記推定された理論的コンスタレーションとの誤差分を算出する誤差算出手段(15)と、
該誤差算出手段で算出された各サブキャリア群の各誤差分と該当サブキャリア群の理論的コンスタレーションとの電力比を算出し、各サブキャリア群毎に該電力比を変調誤差比として算出する変調誤差比算出手段(16)とを備えたことを特徴とする信号測定装置。 - 前記区分け手段(12)は、前記OFDM復調手段(7)で抽出され特性変化が補償されたサブキャリアを入力し、該サブキャリアをサブキャリア群に区分けし、前記復調手段(13)に出力することを特徴とする請求項2記載の信号測定装置。
- 前記サブキャリア群がセグメントで構成されるデジタル音声放送用のデジタル放送信号である請求項1、2、又は3記載の信号測定装置。
- 前記サブキャリア群が階層で構成されるデジタルTV放送用のデジタル放送信号である請求項1、2、又は3記載の信号測定装置。
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