JP2005323077A - 直交周波数分割多重受信装置 - Google Patents

直交周波数分割多重受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高精度かつ低い計算負荷でFFT窓位置のオフセット量を推定し、FFT窓位置を補正できるOFDM受信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 OFDM方式で変調されたパイロットキャリア信号を含むOFDM信号を受信するOFDM受信装置であって、FFT演算処理を行う基準となる切り出し位置を決定し、切り出し位置のオフセット量を推定する為の判定係数を算出して保持する初期較正手段2と、判定係数を用いて切り出し位置からのオフセット量を推定し、そのオフセット量に応じて位相を補正する位相補正手段16〜20と、オフセット量に応じて切り出し位置を補正し、補正された切り出し位置から高速フーリエ変換演算処理を行うように制御する切り出し位置補正手段12〜15とを有することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、直交周波数分割多重(Orthogonal
Frequency Division Multiplexing:OFDM)受信装置に係り、特に高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)窓位置のオフセット量を推定し、FFT窓位置を補正するOFDM受信装置に関する。
一般的なOFDM伝送方式は有効シンボル毎にガードインターバルと呼ばれる期間(以下、ガードインターバル期間という)を設けることにより、多重伝搬路等の影響で生じるシンボル間干渉による劣化を防いでいる。このガードインターバル期間は有効シンボルの最後の部分を複写したものである。この為、ガードインターバル期間の最後部と有効シンボルの最前部とは連続した信号となる。
通常のOFDM伝送方式では、ガードインターバル期間と有効シンボルの最後の部分との相関(以下、ガードインターバル相関)が非常に大きくなることを利用して、シンボル同期やサンプリング周波数同期を確立している(例えば、非特許文献1参照)。通常のデジタル変調を用いた無線通信が、搬送波の周波数や位相を同期した後でシンボル同期を行うのに対し、OFDM伝送方式はFFTを用いて復調するという性質からシンボル同期が先に行われる為、シンボル同期に関する手法が非常に重要となる。
しかし、CN比(carrier-to-noise
ration)の低い条件において上記の巡回的なガードインターバル相関の出力波形は変化が緩く、最大相関を示す位置(シンボル同期位置)が大きくばらついてしまう。伝搬路の影響を軽減し、ガードインターバル相関の鋭いピークを得る為には、一般にガードインターバル相関を多くの有効シンボル(数十有効シンボル程度)に渡って平均化する処理が必要である。
また、マルチパス等が存在する多重伝搬路環境下においても正確なガードインターバル相関のピークを得る為には、平均化する有効シンボルの数を更に増やすことも考えられるが計算負荷が増大する。その上、多重伝搬路環境下では必ずしもガードインターバル相関のピークから推定される位置が、正確な有効シンボル開始位置になるとは限らない。その為、有効シンボル開始位置の推定に誤差が生じ、最終的に数サンプル程度のずれが生じてしまう場合があった。
有効シンボル開始位置の推定に誤差が生じた場合、ガードインターバル期間内であれば前方へのずれは補正可能である。しかし、後方へのずれはシンボル間干渉となり、OFDM伝送特性が著しく劣化してしまう。また、前方へのずれであっても、ガードインターバル期間の有効長が短くなる為、マルチパス等の多重伝搬路に対する耐性が低下する等、OFDM受信装置における復調のビット誤り率(bit error rate)特性に多大な影響を与えてしまう。
従来のOFDM伝送方式では、正確なシンボル同期を確立する為のシンボル同期のオフセット量を推定する方法として、受信した信号からパイロットキャリア信号(以下、パイロット信号という)を抽出し、隣接するパイロット信号間の位相差を求め、その位相差を全パイロット信号分平均してFFT窓位置を推定する方法や、隣接するパイロット信号間の位相差を求め、その位相差の実数および虚数を各々累積し、累積された実数および虚数からFFT窓位置を推定する方法(例えば、特許文献1参照)があった。
関、多賀、石川著「OFDMにおけるガード期間を利用した新しい周波数同期方式の検討」テレビジョン学会技術報告、ITE Technical Report Vol.19、No.38、p.13−18 特開2003−8544号公報
従来のOFDM伝送方式では、隣接するパイロット信号間の位相差を求め、その位相差の実数および虚数を各々累積し、累積された実数および虚数からFFT窓位置を推定する方法が主流であったが、SN比(signal-to-noise ration)が小さい場合やマルチパス等の遅延波が存在する場合等に、歪の影響により正確なオフセット量を推定し難いという問題があった。
OFDM送信装置およびOFDM受信装置の位相の周波数特性が一定でない場合は、隣接するパイロット信号間でFFT窓位置のオフセット量に相当する位相差以外に、OFDM送信装置およびOFDM受信装置の位相の周波数特性の影響が加わるため、FFT窓位置のオフセット量に相当する正確な位相回転を検知できないという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、高精度かつ低い計算負荷でFFT窓位置のオフセット量を推定し、FFT窓位置を補正できるOFDM受信装置を提供することを目的とする。
そこで、上記課題を解決する為、本発明は、直交周波数分割多重方式で変調されたパイロットキャリア信号を含む直交周波数分割多重信号を受信する直交周波数分割多重受信装置であって、高速フーリエ変換演算処理を行う基準となる切り出し位置を決定し、前記切り出し位置のオフセット量を推定する為の判定係数を算出して保持する初期較正手段と、前記判定係数を用いて前記切り出し位置からのオフセット量を推定し、そのオフセット量に応じて位相を補正する位相補正手段と、前記オフセット量に応じて前記切り出し位置を補正し、補正された前記切り出し位置から高速フーリエ変換演算処理を行うように制御する切り出し位置補正手段とを有することを特徴とする。
本発明は、切り出し位置のオフセット量を推定する為の判定係数を算出して保持し、判定係数を用いて正確な切り出し位置からのオフセット量を短時間かつ高精度に推定し、有効シンボルの位相および切り出し位置をオフセット量に応じて補正している。
本発明によれば、高精度かつ低い計算負荷でFFT窓位置のオフセット量を推定し、FFT窓位置を補正できるOFDM受信装置を提供できる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。まず、本発明によるOFDM受信装置が受信するOFDM信号について説明する。図1は、OFDM信号の周波数スペクトルを表した波形図である。図1のOFDM信号は、P本のパイロット信号を含むT本のキャリア信号から成る。パイロットキャリア番号0〜P−1のパイロット信号は、Q本のキャリア信号毎に挿入されている。パイロットキャリア番号0〜P−1のパイロット信号は、値W〜WP−1が割り当てられる。
図2は、本発明によるOFDM受信装置の一実施例のブロック図である。図2のOFDM受信装置は、FFT窓位置のオフセット量を推定し、そのオフセット量に相当する補正をFFT窓位置に対して行う。図2のOFDM受信装置は、通常伝送時の受信処理ブロック1および初期較正ブロック2に大別される。
通常伝送時の受信処理ブロック1は、アナログ/デジタル変換部(ADC)10、直交復調部11、ガード相関演算部12、窓位置制御部13、窓位置補正部14、FFT部15、パイロット抽出部16、FFT窓位置ずれ判定部17、直線内挿部18、除算部19及び位相補正部20を含むように構成される。
また、初期較正ブロック2は、ADC21、直交復調部22、バッファ23、FFT部24、ガード相関演算部25、窓位置制御部26、窓位置シフト部27、パイロット抽出部28、除算部29、参照パイロット生成部30、判定係数保持部31を含むように構成される。
次に、初期較正ブロック2を参照しつつ、受信開始時の初期較正によってFFT窓位置判定用の判定係数を求める手法について説明する。OFDM受信装置において受信が開始されると、無線周波数から中間周波数またはベースバンドへ変換されたOFDM信号はADC21に供給される。ADC21は、供給されたOFDM信号をデジタル信号に変換して直交復調部22に送信する。
直交復調部22は、ADC21から送信されたデジタル信号を受信し、そのデジタル信号をIQ複素信号に分離してバッファ23に格納する。ガード相関演算部25はガードインターバル相関を用いてシンボル同期、サンプリング周波数同期を確立する。
ガード相関演算部25では非特許文献1と同様、ガードインターバル期間と有効シンボルの最後の部分との相関(以下、ガードインターバル相関)が非常に大きくなることを利用して、シンボル同期やサンプリング周波数同期を確立している。ガード相関演算部25は、有効シンボル開始位置(以下、基準FFT窓位置という)を決定する。
FFT部24はガード相関演算部25,窓位置制御部26及び窓位置シフト部27によって求められた基準FFT窓位置に従って1有効シンボル分のFFT演算処理を行い、時間領域から周波数領域の信号へ変換する。パイロット抽出部28は、図1のように所定間隔で挿入されているパイロット信号を抽出して除算部29に送信する。パイロット信号は主に伝搬路特性を推定する為に挿入されている。参照パイロット生成部30は、値が既知の信号(以下、参照パイロット信号という)を生成して除算部29に送信する。
除算部29は、パイロット信号を参照パイロット信号で除算する。パイロット信号を参照パイロット信号で除算した値は、OFDM送信装置,OFDM受信装置,アンテナ,伝搬路などで生じるトータルの位相誤差を含んだFFT窓位置判定用の判定係数となる。除算部29は算出したFFT窓位置判定用の判定係数を判定係数保持部31に送信する。
判定係数保持部31は、除算部29から受信したFFT窓位置判定用の判定係数をパイロット信号分だけ保持する。また、ガード相関演算部25,窓位置制御部26及び窓位置シフト部27は、バッファ23に格納している同一の有効シンボルについて、FFT窓位置を基準FFT窓位置から1サンプル単位で±Nサンプル(数サンプル〜数十サンプル程度)までずらし、それぞれFFT演算処理をFFT部24に行わせる。FFT演算処理を行って算出された2N組のFFT窓位置判定用の判定係数は判定係数保持部31に保持される。
ここで、FFT窓位置判定用の判定係数を算出する手順を詳細に説明する。図3は、FFT窓位置判定用の判定係数を算出する手順を表したフローチャートである。ステップS1では、無線周波数から中間周波数またはベースバンドへ変換されたOFDM信号がADC21に供給される。ADCは、供給されたOFDM信号をデジタル信号に変換して直交復調部22に送信する。直交復調部22は、ADC21から送信されたデジタル信号を受信し、そのデジタル信号をIQ複素信号に分離してバッファ23に格納する。
ステップS2に進み、ガード相関演算部25はガードインターバル相関により基準FFT窓位置を決定する。ステップS3に進み、窓位置制御部26及び窓位置シフト部27は図4に表されるように、基準FFT窓位置で1有効シンボルを切り出すと共に、FFT窓位置を1サンプルずつスライドさせたFFT窓位置で2N組の1有効シンボルを切り出して求める。図4は、基準FFT窓位置と、基準FFT窓位置から1サンプル単位で±NサンプルずらしたFFT窓位置との関係を表したイメージ図である。
ステップS4に進み、FFT部24はステップS3で求められた2N+1組の1有効シンボルのそれぞれについてFFT演算処理を行い、時間領域から周波数領域の信号へ変換する。ステップS5に進み、パイロット抽出部28はステップS3で求められた2N+1組の1有効シンボルのそれぞれについて、P本のパイロット信号を抽出して除算部29に送信する。
ステップS6に進み、除算部29は以下のようにパイロット信号を参照パイロット信号で除算してFFT窓位置判定用の判定係数とする。M(−N≦M≦N)サンプルずらして切り出した1シンボルから抽出したパイロットキャリア番号k(0≦k≦P−1)のパイロット信号をXini,M(k)、参照パイロット信号をR(k)とすると、Mサンプルずらして切り出した1シンボルから求められるFFT窓位置判定用の判定係数H(k)は、以下の式(1)で表される。
(k)=Xini,M(k)/R(k)・・・(1)
除算部29は算出したFFT窓位置判定用の判定係数H(k)を判定係数保持部31に送信する。判定係数保持部31は、除算部29から受信したP個のFFT窓位置判定用の判定係数H(k)を2N+1組だけ保持する。
次に、通常伝送時の受信処理ブロック1を参照しつつ、通常伝送時にFFT窓位置判定用の判定係数を用いて基準FFT窓位置からのオフセット量を推定し、そのオフセット量に相当する位相回転を補正する手法について説明する。
前述した初期較正時の動作と同様、OFDM受信装置において受信が開始されると、無線周波数から中間周波数またはベースバンドへ変換されたOFDM信号はADC10に供給される。ADC10は、供給されたOFDM信号をデジタル信号に変換して直交復調部11に送信する。
直交復調部11は、ADC10から送信されたデジタル信号を受信し、そのデジタル信号をIQ複素信号に分離してガード相関演算部12及びFFT部15に送信する。ガード相関演算部12は、ガードインターバル相関を用いてシンボル同期、サンプリング周波数同期を確立する。また、ガード相関演算部12は基準FFT窓位置を仮決定する。
実際の多重伝搬路環境下における雑音,マルチパス,OFDM送信装置およびOFDM受信装置の位相の周波数特性の影響等により、ガードインターバル相関のピークから推定される基準FFT窓位置が毎回、正確な有効シンボル開始位置を示すとは限らない。実際には、計算負荷は増大するが、ある程度の精度を保つ為に、数十の有効シンボルにわたってガードインターバル相関のピークを平均化する処理が行われる。
本発明のOFDM受信装置では、ガードインターバル相関のピークを平均化する処理の計算負荷を抑え、基準FFT窓位置を高精度に求めるため、以下の演算を行う。FFT部15は、ガード相関演算部12,窓位置制御部13及び窓位置補正部14によって求められた仮の基準FFT窓位置に従って1有効シンボル分のFFT演算処理を行い、時間領域から周波数領域の信号へ変換し、パイロット抽出部16及び位相補正部20に送信する。
パイロット抽出部16は、図1のように所定間隔で挿入されているP本のパイロット信号を抽出して除算部19に送信する。除算部19は、受信したP本のパイロット信号を判定係数保持部31に保持されている2N+1組のFFT窓位置判定用の判定係数で順次除算する。除算部19は、除算して得られた2N+1組のP個の複素信号をFFT窓位置ずれ判定部17に送信する。
FFT窓位置ずれ判定部17は、P個の複素信号の位相分散が最も小さい組が基準FFT窓位置で切り出した場合に相当すると判定し、基準FFT窓位置からのオフセット量を求める。このオフセット量に相当する位相回転は、OFDM信号の全キャリア信号で生じている。そこで、直線内挿部18はパイロット信号以外のキャリア信号に関しても、位相回転を推定する。位相補正部20は、位相回転の影響を相殺する為、全キャリア信号の切り出し位置のずれによる位相回転の補正を行う。位相補正部20は、位相回転の補正を行った1有効シンボルの信号を等化部に送信する。等化部は、受信した信号を各変調方式に対応して復調する。
ここで、基準FFT窓位置のオフセット量を推定し、そのオフセット量に相当する位相回転を補正する手順を詳細に説明する。図5は、基準FFT窓位置のオフセット量を推定し、オフセット量に相当する位相回転を補正する手順を表したフローチャートである。
ステップS11では、無線周波数から中間周波数またはベースバンドへ変換されたOFDM信号がADC10に供給される。ADCは、供給されたOFDM信号をデジタル信号に変換して直交復調部11に送信する。直交復調部11は、ADC10から送信されたデジタル信号を受信し、そのデジタル信号をIQ複素信号に分離してガード相関演算部12及びFFT部15に送信する。
ステップS12に進み、ガード相関演算部12はガードインターバル相関を用いてシンボル同期、サンプリング周波数同期を確立する。まず、ガード相関演算部12はステップS13に進み、ガードインターバル相関により基準FFT窓位置を仮決定する。
ステップS15に進み、FFT部15は、仮決定された基準FFT窓位置に従って1有効シンボルを切り出してFFT演算処理を行い、時間領域から周波数領域の信号へ変換してパイロット抽出部16及び位相補正部20に送信する。
ステップS17に進み、パイロット抽出部16は図1のように所定間隔で挿入されているP本のパイロット信号X(k)を抽出して除算部19に送信する。ここで、パイロット信号X(k)はi番目の有効シンボルから抽出されたパイロット番号kのパイロット信号を表す。
ステップS18に進み、除算部19は受信したP本のパイロット信号を判定係数保持部31に保持されている2N+1組のFFT窓位置判定用の判定係数で順次除算する。除算して得られた2N+1組のP個の複素信号Y(k)は、以下の式(2)で表される。
(k)=X(k)/H(k)・・・(2)
除算部19は、除算して得られた2N+1組のP個の複素信号をFFT窓位置ずれ判定部17に送信する。ステップS19に進み、FFT窓位置ずれ判定部17は、P個の複素信号Y(k)の位相分散σを、各組(−N≦M≦N)について各々求める。
ステップS20に進み、FFT窓位置ずれ判定部17は位相分散σが最も小さい組のFFT窓位置を基準FFT窓位置と判定し、基準FFT窓位置からのオフセット量を求める。図6は、基準FFT窓位置からのオフセット量のみが存在する場合の各パイロット信号X(k)の周波数−位相特性図である。
図6のように、基準FFT窓位置からのオフセット量のみが存在する場合の各パイロット信号X(k)の位相回転は、マルチパス等の影響が無ければ、ほぼ直線に変化していることが確認できる。したがって、隣接するパイロット信号間の位相差を平均してFFT窓位置のオフセット量を推定する従来の手法が適用できる。
図7は、多重伝搬路にマルチパスが存在する場合の複素信号Y(k)の周波数−位相特性図およびコンスタレーションである。なお、複素信号Y(k)は各パイロット信号X(k)をFFT窓位置判定用の判定係数H(k)で除算したものである。周波数−位相特性図は、BPSK変調された2値のパイロット信号のうちの一方のみを表す。
例えば仮決定した基準FFT窓位置が3サンプルずれていると過程すると、仮決定した基準FFT窓位置(M=0)に対応するFFT窓位置判定用の判定係数で各パイロット信号を除算して得られる複素信号は、図7(a)に示すように、位相回転が±πを越えてばらつく。
一方、仮決定した基準FFT窓位置(M=0)から3サンプルずれたFFT窓位置(M=3)に対応するFFT窓位置判定用の判定係数で各パイロット信号を除算して得られる複素信号は、図7(c)に示すように、多重伝搬路の位相特性が残るが、位相分散が極小値を得る。
つまり、位相分散が極小値を得るFFT窓位置判定用の判定係数を生成したFFT窓位置(M=3)だけ、仮決定した基準FFT窓位置が正しい基準FFT窓位置からずれていたことになる。推定した基準FFT窓位置からのオフセット量は、次の有効シンボルの基準FFT窓位置を仮決定する為、窓位置補正部14に送信される。
ステップS21に進み、直線内挿部18はパイロット信号以外のキャリア信号に関しても、基準FFT窓位置からのオフセット量による位相回転を直線内挿して、OFDM信号の全キャリア信号にわたり計算し、補正係数を求める。ステップS22に進み、位相補正部20は各キャリア信号毎に補正係数で除算し、全キャリア信号の切り出し位置のずれによる位相回転を相殺し、次段の等化部へ送信する。
なお、ステップS12では、多重伝搬路の伝搬特性が変化せず、基準FFT窓位置が大きく変動しないとみなせる期間中、ステップS14に進む。窓位置補正部14は、FFT窓位置ずれ判定部17から受信したオフセット量だけFFT窓位置を逆にずらした位置を基準FFT窓位置に仮決定する。
ステップS14では、ガードインターバル相関で基準FFT窓位置を仮決定する処理を省略できる為、計算負荷を軽減できる。また、基準FFT窓位置が大きく変動しないとみなせる期間が過ぎると、ガード相関演算部12はステップS13に進み、再びガードインターバル相関により基準FFT窓位置を仮決定し、前述したような処理を行う。
本発明のOFDM受信装置は、OFDM信号の受信開始時の初期較正において、アナログ/デジタル変換された時間領域の信号を1サンプルずつずらして切り出した複数の1有効シンボル期間の信号から、各々パイロット信号を抽出し、既知の参照パイロット信号で除算した値をFFT窓位置判定用の判定係数として保持する。
そして、本発明のOFDM受信装置は通常伝送時に抽出したパイロット信号を、それらのFFT窓位置判定用の判定係数で順次除算した後、位相分散が最も小さい組のFFT窓位置を基準FFT窓位置と推定する為、SN比が小さい場合,マルチパス等の遅延波が存在する場合,OFDM送信装置およびOFDM受信装置の位相の周波数特性が一定でない場合などでも、基準FFT窓位置からのオフセット量を高精度に推定できる。
図8は、本発明によるOFDM受信装置の他の実施例のブロック図である。なお、図8のOFDM受信装置は、一部を除いて図2のOFDM受信装置と同様である為、同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
図8のOFDM受信装置は、図1のOFDM受信装置の構成に隣接パイロット位相差検出部40を追加した構成である。除算部19は、受信したP本のパイロット信号のうち隣接するパイロット信号を、判定係数保持部31に保持されている基準FFT窓位置判定用の判定係数で除算し、隣接するパイロット信号間の位相差の平均を求める。
求めた位相差の平均および位相回転の方向からは、おおよそのオフセット量とその方向が分かる。図8のOFDM受信装置は、その有効シンボルの位置から前後数サンプルに相当するFFT窓位置判定用の判定係数のみを用いて、図2のOFDM受信装置と同様、基準FFT窓位置からの正確なオフセット量を判定できるので、計算負荷を軽減することができる。
図9は、基準FFT窓位置のオフセット量を推定し、オフセット量に相当する位相回転を補正する手順を表した他の例のフローチャートである。なお、図9のフローチャートは一部を除いて図5のフローチャートと同様である為、適宜説明を省略する。
ステップS111〜S117の処理は、図5のステップS11〜S17の処理と同様である。ステップS118に進み、除算部19は受信したP本のパイロット信号のうち隣接するパイロット信号を選択し、判定係数保持部31に保持されている基準FFT窓位置判定用の判定係数H(k′)で除算し、複素信号Y(k′)を得る。
ステップS119に進み、隣接パイロット位相差検出部40は隣接するパイロット信号間の位相差の平均を算出する。ステップS120に進み、隣接パイロット位相差検出部40は算出した位相差の平均と位相回転の方向から、おおよそのオフセット量とその方向が分かるので、基準FFT窓位置O′を推定する。
ステップS121に進み、隣接パイロット位相差検出部40は、ステップS120で推定した基準FFT窓位置O′を中心とした前後±L(L<N)サンプル分のFFT窓位置判定用の判定係数HO′−L(k)〜HO′+L(k)を選択する。
ステップS122に進み、除算部19は抽出した全パイロット信号を、ステップS121で選択したFFT窓位置判定用の判定係数HO′−L(k)〜HO′+L(k)で順次除算する。なお、ステップS123〜S126の処理は、図5のステップS19〜S22の処理と同様である。
本発明のOFDM受信装置は、除算に利用するFFT窓位置判定用の判定係数の数を減らし、計算負荷を軽減することができると共に、基準FFT窓位置からのオフセット量を高精度に推定できる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上記した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上記した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、初期較正の為のサンプルずらしをNサンプルとしたが、前後のサンプル数の絶対値が等しくない場合であっても同様な効果を得られる。また、パイロット信号をP本としたが、その一部だけを使用する場合であっても同様な効果を得られる。
本発明は、「テレビジョン放送番組素材伝送用可搬形OFDM方式デジタル無線伝送システム」(ARIB STD−B33)で規定されているCP(Continual Pilot)や「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」(ARIB STD−B31)で規定されているSP(Scattered)を用いて行うOFDM信号の基準FFT窓位置のオフセット量の補正手法である。
OFDM信号の周波数スペクトルを表した波形図である。 本発明によるOFDM受信装置の一実施例のブロック図である。 FFT窓位置判定用の判定係数を算出する手順を表したフローチャートである。 基準FFT窓位置と、基準FFT窓位置から1サンプル単位で±NサンプルずらしたFFT窓位置との関係を表したイメージ図である。 基準FFT窓位置のオフセット量を推定し、オフセット量に相当する位相回転を補正する手順を表したフローチャートである。 基準FFT窓位置からのオフセット量のみが存在する場合の各パイロット信号の周波数−位相特性図である。 多重伝搬路にマルチパスが存在する場合の複素信号の周波数−位相特性図およびコンスタレーションである。 本発明によるOFDM受信装置の他の実施例のブロック図である。 基準FFT窓位置のオフセット量を推定し、オフセット量に相当する位相回転を補正する手順を表した他の例のフローチャートである。
符号の説明
1 通常伝送時の受信処理ブロック
2 初期較正ブロック
10,21 アナログ/デジタル変換部(ADC)
11,22 直交復調部
12,25 ガード相関演算部
13,26 窓位置制御部
14 窓位置補正部
15,24 FFT部
16,28 パイロット抽出部
17 FFT窓位置ずれ判定部
18 直線内挿部
19,29 除算部
20 位相補正部
23 バッファ
27 窓位置シフト部
30 参照パイロット生成部
31 判定係数保持部
40 隣接パイロット位相差検出部

Claims (6)

  1. 直交周波数分割多重方式で変調されたパイロットキャリア信号を含む直交周波数分割多重信号を受信する直交周波数分割多重受信装置であって、
    高速フーリエ変換演算処理を行う基準となる切り出し位置を決定し、前記切り出し位置のオフセット量を推定する為の判定係数を算出して保持する初期較正手段と、
    前記判定係数を用いて前記切り出し位置からのオフセット量を推定し、そのオフセット量に応じて位相を補正する位相補正手段と、
    前記オフセット量に応じて前記切り出し位置を補正し、補正された前記切り出し位置から高速フーリエ変換演算処理を行うように制御する切り出し位置補正手段と
    を有することを特徴とする直交周波数分割多重受信装置。
  2. 前記初期較正手段は、ガードインターバル相関に応じて前記基準となる切り出し位置を決定する手段と、
    前記決定した切り出し位置を所定サンプルずつシフトして高速フーリエ変換演算処理を行う手段と、
    前記高速フーリエ変換演算処理により出力された有効シンボルからパイロットキャリア信号を抽出する手段と、
    前記抽出したパイロットキャリア信号を参照パイロット信号で除算して前記切り出し位置のオフセット量を推定する為の判定係数を算出する手段と、
    前記判定係数を保持する手段と
    を有することを特徴とする請求項1記載の直交周波数分割多重受信装置。
  3. 前記切り出し位置補正手段は、ガードインターバル相関に応じて前記基準となる切り出し位置を仮決定する手段と、
    前記仮決定した切り出し位置から高速フーリエ変換演算処理を行う手段とを有し、
    前記位相補正手段は、前記高速フーリエ変換演算処理により出力された有効シンボルからパイロットキャリア信号を抽出する手段と、
    前記抽出したパイロットキャリア信号を前記判定係数で順次除算し、その除算により出力された信号のうち位相分散が最も小さい信号を選択し、その信号を除算した前記判定係数を得る切り出し位置を正確な切り出し位置と推定する手段と
    を有することを特徴とする請求項1又は2記載の直交周波数分割多重受信装置。
  4. 前記基準となる切り出し位置を仮決定する手段は、所定期間毎に前記ガードインターバル相関に応じて前記基準となる切り出し位置を仮決定し、
    前記高速フーリエ変換演算処理を行う手段は、前記所定期間が経過するまでの間、前記推定した正確な切り出し位置から高速フーリエ変換演算処理を行うことを特徴とする請求項3記載の直交周波数分割多重受信装置。
  5. 前記位相補正手段は、前記オフセット量に相当する位相回転を相殺させる為の位相回転をパイロットキャリア信号以外のキャリア信号に直線内挿し、位相を補正することを特徴とする請求項1乃至4何れか一項記載の直交周波数分割多重受信装置。
  6. 前記抽出したパイロットキャリア信号のうち隣接する所定数のパイロットキャリア信号を前記判定係数で順次除算し、その除算により出力された信号から前記隣接するパイロットキャリア信号間の位相差の平均を求め、その位相差と位相回転の方向に応じたオフセット量から前記切り出し位置を決め、その切り出し位置から前後の数サンプルに相当する前記判定係数を、前記切り出し位置からのオフセット量の推定に利用する前記判定係数とすることを特徴とする請求項1乃至4何れか一項記載の直交周波数分割多重受信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006157762A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Hitachi Kokusai Electric Inc 受信装置
JP2011507323A (ja) * 2007-12-10 2011-03-03 テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) Ofdm受信機におけるfftウインドウの位置決め方法および装置

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