JP3605638B2 - デジタル変調信号の等化方法とそれを用いた復調器 - Google Patents

デジタル変調信号の等化方法とそれを用いた復調器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、放送、無線通信の分野で、特に地上デジタル放送の受信システムやOFDM方式による陸上移動通信において、受信信号の品質改善に用いることのできる、デジタル変調信号の等化方法とそれを用いた復調器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタル変調信号のひとつであるOFDM(OrthogonalFrequency Division Multiplexing)信号を移動受信する場合、多重伝搬の影響によって受信信号の品質が大きく劣化することがある。この時、受信信号の劣化要因である伝搬路の伝達特性に対する逆特性を与えて信号を改善する技術を等化という。
【0003】
等化技術は、無線通信の最も重要な技術であり、多くの研究がなされ、様々な技術が開発されている。例えば、OFDM方式に用いる等化技術は、単一キャリアの伝送と同様に、あらかじめ伝送する信号に既知情報としてスキャッタード・パイロットシンボル(SP:Scattered pilot symbol)を付加しておき、受信側で既知情報を分析して伝達特性を求め、その逆特性で等化を行っている。
【0004】
このようなOFDM方式は、日本の地上波デジタル放送に用いられるが、全帯域が13セグメントに分割され、これらは自由に信号を配置することができる。これを利用すると、受信環境を考慮して伝送品質の異なる複数の情報をいくつかのセグメントに振り分けて同時に伝送する、という階層構造をもったデジタル変調信号による階層伝送を行うことができる。
【0005】
この階層伝送においては、例えば、固定受信には、QPSK(QuadraturePhase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMを使用し、移動受信にはDQPSK(DifferentialQuadrature Phase Shift Keying)を使用することが想定されており、固定受信には、上記の様に、適応等化のための既知情報としてSPが付加されている。
【0006】
また、等化技術を適用する場合には、受信側でSPを利用して伝搬特性の逆特性を信号に与える。この時、階層の異なるセグメントについては、各階層毎に別々の等化回路を構成して独立に等化される。この際、受信信号の劣化に伴って、信号空間ダイヤグラムにおいて、より多値の変調方式となる階層ほど、それぞれの信号点間の距離が短いことから、伝搬路の影響が大きくなり、一般にこのような多値の階層から順次受信不能に陥ることとなる。
【0007】
次に、具体的に、従来の等化の方法を説明する。上で説明した様に、OFDM方式に用いる等化技術は、あらかじめ伝送する信号にSPを付加しておき、受信側でそのSPを分析して伝達特性を求め、その逆特性で等化を行うものである。
【0008】
日本の地上波デジタル放送に用いられるOFDM方式のSPは、図9に示すようなキャリアと時間の配置をもっており、データフレームの先頭を基準として、l(エル)番目のシンボルのp番目のSPとして表すとSPのキャリア位置kpは次式で表せる。
【0009】
【数1】
Figure 0003605638
【0010】
ここで、送信シンボルをX(l, k)、伝搬路特性をH(l,k)、雑音をN(l, k)とすると、受信信号Y(l, k)は、次式となる。
【0011】
【数2】
Figure 0003605638
【0012】
受信信号は、遅延時間がガートインターバルを越えないものとし、受信機では理想的に信号の同期が確立しているものとし、kp番目のキャリアに配置されたSPのみに着目して伝搬路特性を表すと、真の伝搬路特性H(l,kp)に雑音による誤差を加えた伝搬路特性H(l, kp)が次の様に求まる。
【0013】
【数3】
Figure 0003605638
【0014】
通常のシンボル等化では、図10に示す様に、疎らに配置されたSPに対してシンボルフィルタGs(l)とキャリアフィルタGc(k)で構成する二次元フィルタG(l,k)で内挿して任意のデータシンボルXに作用する雑音による誤差を加えた伝搬路特性H(l,k)を推定する。
【0015】
【数4】
Figure 0003605638
【0016】
そして、受信信号Yを伝達特性H(l, k)で除算してXの推定値X(l,k)を得る。
【0017】
【数5】
Figure 0003605638
【0018】
以上がSPを用いたシンボル等化の基本手順である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
デジタル変調信号のひとつであるOFDM信号を移動受信する場合、多重伝搬の影響によって受信信号の品質が大きく劣化することがある。しかし、日本の地上波デジタル放送に用いられるOFDM方式では、固定受信を想定したSPの配置であることから、移動受信で、16QAM、64QAMの階層の信号を安定に復調するためには、移動による受信状態の急な変化に追従できるように、伝送信号への更に密度の高いSPの付加が必要である。この方法で、現実に充分な品質を確保しようとすると、このような付加情報の比率が高すぎて、情報の伝送効率が悪くなり、移動受信においては、SPを高い密度で用いて通信品質を改善するという手法の適用が困難であった。
【0020】
この発明は上記に鑑み提案されたもので、地上デジタル放送の移動受信において、受信信号の品質改善に用いることができるデジタル変調信号の等化方法とそれを用いた復調器を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の発明は、全帯域が複数のセグメントに分割され伝送品質の異なる複数の情報を該複数のセグメントのいくつかに振り分けて同時に伝送することによって階層構造をもたせたデジタル変調信号を予め決められた階層に分離する手続きと、その少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する手続きと、その抽出した特性を用いて等化制御情報を生成し、これを用いて上記の階層に分離したそれぞれの信号の等化を行う手続きとを備えることを特徴としている。
【0022】
また、本発明の第2の発明は、スキャッタードパイロット信号を利用するものであり、全帯域が複数のセグメントに分割され伝送品質の異なる複数の情報を該複数のセグメントのいくつかに振り分けて同時に伝送することによって階層構造をもたせたデジタル変調信号を予め決められた階層に分離する手続きと、その少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する手続きと、またそれ以外の階層の信号のスキャッタードパイロット信号の情報を抽出する手続きと、その抽出した特性と抽出した情報とを用いてあらたに等化制御情報を生成する手続きと、これを用いて上記の予め決められた階層に分離した信号の等化を行う手続きとを備えることを特徴としている。
【0023】
また、本発明の第3の発明は、ドップラーシフトによるキャリア間の干渉による影響を抑制するものであり、上記した第1の発明または第2の発明の構成に加えて、少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する方法は、シンボルを推定する手続きと、複素遅延プロファイルを見出す手続きと、ドップラーシフトを解析する手続きとを備えることを特徴としている。
【0024】
また、本発明の第4の発明は、シンボル判定を等化後に行う事により、誤りを抑制するものであり、上記した第1の発明または第2の発明の構成に加えて、上記の予め決められた階層における信号に対応するシンボル判定を行う手続きを備え、この手続きは、上記の等化制御情報を用いて等化の後に行う手続きであることを特徴としている。
【0025】
また、本発明の第5の発明は、誤差情報を取り入れて誤りを抑制するものであり、上記した第4の発明の構成に加えて、判定されたシンボルについてキャリア間干渉の補償を行う手続きを備え、この手続きは、判定したシンボルと抽出した伝送路特性とから推定した信号を生成する手続きと、この推定した信号とそれぞれの階層における等化前の信号との比較から誤差情報を抽出する手続きと、この誤差情報を用いてシンボル誤りの判定を行う手続きとを含むことを特徴としている。
【0026】
また、本発明の第6の発明は、全帯域が複数のセグメントに分割され伝送品質の異なる複数の情報を該複数のセグメントのいくつかに振り分けて同時に伝送することによって階層構造をもたせたOFDM信号を予め決められた階層に分離する手段と、その少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する手段と、その抽出した特性を用いて等化制御情報を生成し、これを用いて上記の階層に分離したそれぞれの信号の等化を行う手段とを備えることを特徴としている。
【0027】
また、本発明の第7の発明は、全帯域が複数のセグメントに分割され伝送品質の異なる複数の情報を該複数のセグメントのいくつかに振り分けて同時に伝送することによって階層構造をもたせたOFDM信号を予め決められた階層に分離する手段と、その少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する手段と、またそれ以外の階層の信号のスキャッタードパイロット信号の情報を抽出する手段と、その抽出した特性と抽出した情報とを用いてあらたに等化制御情報を生成する手段と、これを用いて上記の予め決められた階層に分離した信号の等化を行う手段とを備えることを特徴としている。
【0028】
また、本発明の第8の発明は、上記した第6の発明または第7の発明の構成に加えて、少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する方法は、シンボルを推定する手段と、複素遅延プロファイルを見出す手段と、ドップラーシフトを解析する手段とを備えることを特徴としている。
【0029】
また、本発明の第9の発明は、上記した第6の発明または第7の発明の構成に加えて、上記の予め決められた階層における信号に対応するシンボル判定を行う手段を備え、この手段は、上記の等化制御情報を用いて等化の後に行う手段を含むことを特徴としている。
【0030】
また、本発明の第10の発明は、上記した第9の発明または第7の発明の構成に加えて、判定されたシンボルについてキャリア間干渉の補償を行う手段を備え、この手段は、判定したシンボルと抽出した伝送路特性とから推定した信号を生成する手段と、この推定した信号とそれぞれの階層における等化前の信号との比較から誤差情報を抽出する手段と、この誤差情報を用いてシンボル誤りの判定を行う手段とを含むことを特徴としている。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。先ず本発明を適用した移動通信における信号処理手順を概説する。図3は、本発明の適用される通信状況を示す模式図であり、基地局1から送信されたOFDM信号を、移動局2で受信する様子を示している。また、図1(a)は、移動局2における復調器の階層分離までの詳細を示す図であり、図1(b)は、階層構造のOFDM信号の帯域を示す。次に、その信号処理手順を示す。
【0032】
図3の基地局1では、通常のOFDM信号の送信と同様に、情報を階層化して送信する。この信号を図3の移動局2のアンテナで受信する場合、一般に、移動局のアンテナは、低い位置に設置されるので、基地局1の見通しがきかず、マルチパスフェージングが発生する。また、電波の反射体と移動局2との相対速度の変化により、ドップラーシフトが発生し、しかもこれは移動状況に応じて変化する。
(1)移動局2では、通常のOFDM信号の受信と同様に信号を受信して、信号同期を確立した後、図1(a)のFFT(高速フーリエ変換)部3において、時間軸のシンボルを切り出してフーリエ変換によって周波数次元の信号を復調する。
(2)次に、図1(a)の階層分離部4において、各セグメントの情報を階層毎に振り分ける。
【0033】
この様に階層ごとに振り分けられた信号は、図2に示す等化部に送られられる。ここでは、次の処理が行われる。
(3)移動受信用のDQPSK(あるいはQPSK)変調された信号の情報を利用して伝搬路特性を抽出する。これを当該階層情報の補正に利用して信号を復号する。この働きの概要について、図4を参照して説明する。図4は、等化部の働きの処理の流れを示す模式図である。伝搬路の特性を解析するにあたっては、
a)まず、受信信号から伝搬路特性の解析値を求める。
b)次に、推定精度改善のための補正処理を行い、
c)主要なパスだけを選択した伝搬路特性の推定値を求める。
【0034】
(4)次に、移動受信用の階層情報から抽出した伝搬路特性の情報を、SP抽出部8、伝搬路特性推定部9において、さらに分析する。
これは、図4において、
d)伝搬路特性の解析値から、ドップラー周波数等によるずれを考慮して推定したSPシンボルと、受信したSPシンボルとの比較を行って、上記b)の補正を適切なものとする処理である。
【0035】
(5)積和演算部10における多値変調の階層信号の等化に利用する。
これは、上記のc)において、伝搬路特性の推定値が得られているので、FFTを受けた信号に、積和演算回路を用いて等化処理を施すものである。
【0036】
(6)等化された信号は、シンボル判定部11で階層ごとにシンボル判定を受ける。
(7)次に、ドップラーシフトなどによるキャリア間の干渉で誤った判定結果となっている場合があるので、キャリア間干渉補償部12で、階層ごとにこの補償を行い、それぞれの階層の出力とする。このための処理の流れを図5に示す。図5において、判定されたシンボルと、シンボル誤りに対する補正情報と、伝送路特性とを用いてそれぞれの階層ごとの信号を再合成し、これを受信されたシンボルと比較して、キャリア干渉等による誤差情報を得る。この誤差情報は、上記のシンボル誤り補正に利用される。
【0037】
上記の手順(3)において、その伝搬路特性を抽出することは、概略、次の様に行う。まず、DQPSK(あるいはQPSK)変調された受信信号を解析して位相変動を抽出し、その逆特性を信号に与えることによってドップラーシフトに起因する位相変動を抑圧する。また、個々の受信シンボルに着目すれば、静的マルチパス特性にキャリア間干渉の劣化が加わったモデルと仮定できるので、本発明では、DQPSK−OFDMやQPSK−OFDMの受信シンボルについて、隣接のキャリア間の位相差を観測して、キャリア間の位相ずれを補償した後、シンボル判定を行う。次に、絶対位相を信号の情報を利用して特定する。これで、推定された送信シンボルが得られる。以下に、伝搬路特性を抽出することの詳細について説明する。
【0038】
一般に、信号空間ダイヤグラムの座標は、直交座標軸であるが、信号に歪が無く雑音成分が無い限り、どの信号点をとっても信号と原点とを結ぶ線分と座標軸とのなす角度は一定である。ところが、実際には、多重伝搬路の影響を受けるため、受信信号の振幅と位相が変移する事が起こる。さらに移動しながら受信すると、ドップラーシフトが起こり、信号点は信号空間ダイヤグラムの原点の周りに移動するため、振幅と位相の変化が時々刻々変化することが知られている。
【0039】
また、位相回転量を求めて補償するために、信号空間ダイヤグラムの全ての象限に分布する差動復調データを、第1象限に集積する座標変換を行う。この変換の具体的方法は幾つかの方法が考えられるが、ここでの変換条件は次のようにするものとする。つまり、基本的に全てのデータについて、I軸、Q軸の絶対値を求めて表示する。ただし、座標データのいずれか一方が負の場合(同じ事であるが、それらの積が負の場合)のみ、I軸とQ軸のデータを入れ換える。この結果、各データが原点を中心に回転して第1象限に重なるようになる。
【0040】
次に、複数の補償後の信号から振幅の変化量の統計処理(平均値の算出)を行い、位相角も理想的に補償した結果、予測される平均信号電力、に対して平均雑音電力が大きくて信号空間ダイヤグラムで原点の周りの回転について±45度の閾値を超えるようになると、情報が誤って識別される確率が高くなる。このような領域に有る信号については、複素遅延プロファイルを求める際には、次の様に除外する。つまり、この状態をシンボル推定が不能な状態と定義して、送信シンボルの信号空間ダイヤグラム上での座標(I、Q)の推定値を(0、0)で置換えて、複素遅延プロファイルの相関に影響しないように抑圧する。
【0041】
このように変換されたデータには、まだ雑音や歪が重畳しており、シンボル推定にはこれらの雑音や歪は誤差要因となる。そこで、雑音の影響を抑圧して正確な位相回転量を抽出するために、複数サンプルの平均値を求める。平均値の取り方には種々の方法がある事が知られているが、以下では、相加平均を想定するものとする。他の平均の取り方を行っても、以下の説明と本質的に異なるところは無い。
【0042】
この場合、絶対位相は特定できないが、位相回転の変化量が精度良く求まる。この位相回転の逆回転を受信信号に施せば、受信信号の信号空間ダイヤグラム上の位置は、各象限の境界から遠ざかるので、情報が誤って識別されることが減少し、通信品質の改善が可能である。また、上記の様に位相回転補償を行った信号についてさらに補償誤差を検出し、このための補償回路に帰還することにより、位相回転以外の補償誤差の累積を防ぐことができる。
【0043】
このようなOFDM信号の補償を行うため、図6にブロック図を示す様に、受信されたOFDM信号は、高速フーリエ変換(FFT)部でフーリエ変換されて、信号空間ダイヤグラム上の座標に関連付けられた信号となる。この信号は分岐され、一方は位相シフト部へ、他の一方は、差動復調部に送られる。それ以降は、次の手順に従う。
【0044】
1)差動復調:時間を前後して受信されたシンボルの相対位相差を求める。
2)座標変換:次に、座標変換により、信号を第1象限に集積する。
3)位相変動推定:次に、集積された信号は統計処理され、位相変動値が推定される。
4)位相シフト:上記で推定された位相変動値で、FFTからの信号空間ダイヤグラム上の信号(I,Q信号)の位相をシフトして補償する。
5)位相をシフトされた信号は、出力される。
6)また、位相をシフトされた信号は、再び差動復調され、さらに座標変換を受ける。
7)つぎに、上記で得られた信号から位相補償の誤差が検出され、この情報は位相変動推定部にフィードバックされる。
【0045】
この様に位相変動の補償された信号は、図7に示す様に、次の様に処理される。
8)隣接キャリア間差動復調:処理手順は、まず、受信シンボルの隣接キャリア間の相対位相差を求める。
9)座標変換:次に、座標変換により、信号を第1象限に集積する。
10)位相変動プロファイル:次に、隣接するシンボルの相対位相角の情報を連結して、位相の連続的な変化を示すプロファイルを求める。
11)シンボル判定:受信シンボルに位相変動プロファイルの逆特性を与えた後に、シンボル判定を行う。
12)位相ギャップ・絶対位相補正:判定されたシンボルについて、位相ギャップの推定とその補正を行い、また絶対位相についての補正を行う。
【0046】
また、受信シンボルの差動復調データと、前項11で判定したシンボルを差動復調したデータとを比較することからも位相ギャップを検出できるので補正することができる。
【0047】
絶対位相は、制御信号を復号して位相を確定する方法と基準位相のキャリアデータを利用して位相を確定する方法があり、何れか信号のコンディションの良い方を選択するものとする。
【0048】
以上により、送信シンボルの推定が完了する。
【0049】
複素遅延プロファイルは、送信側での時間領域のインパルスに対する受信側での応答特性として定義されており、送信データと受信データの相関から得ることができる。通常は、送信データと受信データとは、それぞれ送信側と受信側からそれぞれ直接得られるが、ここに説明する方法では、送信データを受信データから推定して得るものである。ここで、送信データの推定には、図に示す様に、上記したOFDM信号の補償法を行って、受信信号から送信シンボルを推定する。図に示す方法は、送信シンボルについて新たに補償用のデータを付加する必要が無いため、通常のデジタル放送のDQPSK−OFDM信号などを移動受信することで、移動区間内の連続的な複素遅延プロファイルの推定が可能となる。
【0050】
次に、このように推定した送信シンボルを用いて、マルチパス妨害などに見られる伝達時間の違いによる時間相関を求めるための時間制御をおこなう。その結果と受信信号との相関をとって、複素遅延プロファイルを得ることができることを次に説明する。
【0051】
まず、送信データあるいは受信データとして、いずれも周波数軸上で離散的に取ったデータを用意する。このとき、これらのデータに対応する受信シンボルの周波数成分と、送信シンボルの共役シンボルの周波数成分と、の積から、複素振幅位相変動の周波数特性が求まることを次に示す。
【0052】
一般に、信号の伝送路特性は、伝達関数Hで表すことが出来る。この伝達関数Hは、離散した周波数に対応したシンボル番号をΩ、信号空間ダイヤグラム上の座標(I、Q)を複素数とみなして構成した送信信号をx(jΩ)、受信信号をy(jΩ)とし、送信信号のノルムが1に規格化されたものとするとき、周波数次元で表すと次の様に定義される。
【0053】
【数6】
Figure 0003605638
これから、伝達関数Hは次の様になる。
【0054】
【数7】
Figure 0003605638
このように、受信信号に対して、規格化された送信信号の共役を掛けることで周波数特性が求まることがわかる。また、周波数応答は、伝達関数Hの逆フーリエ変換であるから、次の様になる。
【0055】
【数8】
Figure 0003605638
これは、時間領域のインパルス応答であり、したがって複素遅延プロファイルが得られる。
【0056】
以上、要約すると、複素遅延プロファイルを解析するため、入力されたOFDM信号は、高速フーリエ変換部でフーリエ変換されて、信号空間ダイヤグラム上の座標に関連付けられた信号となる。この信号は分岐され、一方は位相シフト部へ、他の一方は、位相変動補償部に送られる。位相変動が補償されたデータから送信シンボルが推定される。このデータは、複素遅延プロファイル部に送られて、複素共役値に変換された後、高速フーリエ変換部からの信号との積に相当する位相シフトが行われる。この後、フーリエ変換により、複素遅延プロファイルが得られる。
【0057】
また、上記の信号処理手順(5)における伝搬路特性を抽出する他の方法を、以下に数式を用いて説明する。説明を容易にするため、以下では、次の様に分けて説明する。
[1]SPを利用して伝搬路プロファイルを直接推定する方法、
[2]同期シンボルを利用して伝搬路特性を推定する方法、
[3]受信データから推定した伝達関数から求める方法。
【0058】
[1]SPを利用して伝搬路プロファイルを直接推定する方法。
まず、SPを利用して伝搬路プロファイルを直接推定する方法について説明する。ここで、fをキャリア間隔とし、fを搬送波周波数とし、r(l)を複素減衰量とするとき、推定する伝搬路特性H(l,k)は、次の様に表わすことができる。
【数9】
Figure 0003605638
雑音を考慮しなければ、受信シンボルは次式となる。
【数10】
Figure 0003605638
次に、受信信号Y(l, k)と推定値とを比較し、差分の電力を求める。
【数11】
Figure 0003605638
推定値を制御して差分電力を最小にする主たる伝搬パラメータを求める。
【数12】
Figure 0003605638
第一の伝搬パス成分を差し引いた受信シンボルを求める。
【数13】
Figure 0003605638
先と同様に、第二の伝搬パスのパラメータを探索する。
【数14】
Figure 0003605638
以上を繰り返してパス成分を抽出し、残留成分が十分減少したところで探索を終了する。
【数15】
Figure 0003605638
この探索を繰り返すことにより、順次r(l)を求めることができ、数6を用いて伝搬路特性H(l,k)を推定することができる。
【0059】
[2]同期シンボルを利用して伝搬路特性を推定する方法。
次に、同期シンボルを利用して伝搬路特性を推定する方法を説明する。l(エル)番目のシンボルのm番目のキャリアが送信信号強度d(l,m)で送信され、多重伝搬路を経て受信された信号を復調して、直交変換を処理した後の各シンボルの情報について、信号強度y(l,m)を示すと次式となる。
【0060】
【数16】
Figure 0003605638
ここで、第一項が希望シンボル成分、第二項がキャリア間干渉成分、第三項が雑音成分である。ただし、伝達関数h(l,m)は、次式のとおりである。
【0061】
【数17】
Figure 0003605638
ここで、Pは伝搬経路数であり、w(n)、φ(n)は、次のものを指す。
【0062】
【数18】
Figure 0003605638
ここで、αは、次の式を意味する。
【0063】
【数19】
Figure 0003605638
また、βは、初期位相である。
【0064】
つぎに、多重伝搬路における伝達特性hの導出を説明する。まず、s、fd、θをそれぞれ送信信号、最大ドップラー周波数、受信局への到来角とするとき、多重伝搬路を経て受信された信号を次式v(t)とする。
【0065】
【数20】
Figure 0003605638
さらに上式を以下のように変換する。
【0066】
【数21】
Figure 0003605638
多重伝搬路は、上式で表されるように信号と遅延プロフィルの畳み込みで表現できる。また、時刻tにおける瞬時の複素遅延プロファイルq(τ;t)は次式となる。
【0067】
【数22】
Figure 0003605638
【0068】
ここで、任意の遅延時間において、遅延プロファイルの時間変動を周波数特性として求めることによって、次式のとおりドップラーシフトが求まる。
【0069】
【数23】
Figure 0003605638
このように求めたプロファイルから主たる伝搬経路をP個抽出した場合の伝達関数は次式となる。
【0070】
【数24】
Figure 0003605638
【0071】
以上のように、伝搬路特性が求まれば、主たる伝搬経路をP個抽出した場合について、次式のようにシンボル等化が可能となる。ただし、伝達関数の推定値には雑音の影響などによる誤差も含まれている。
【0072】
【数25】
Figure 0003605638
【0073】
【数26】
Figure 0003605638
【0074】
以上の処理手続きの前提条件は、パイロットシンボル(フレーム同期シンボル等)を利用して十分な精度で伝搬路特性が推定できることである。このように、伝搬路特性から移動受信の変動を推定するためには、推定に利用できる既知情報を伝送する必要がある。このために、例えば、送信シンボルに一定間隔で伝搬路特性を測定するチャープやPN(PseudoramdamNoise:擬似ランダム雑音)符号の信号を挿入する。
【0075】
[3]伝達関数から求める方法
一般に、伝搬路特性は、伝達関数から求めることが出来ることが知られている。ここでは、DQPSK−OFDM(あるいはQPSK−OFDM)信号に着目し、受信シンボルから伝達関数を求める方法を説明する。
【0076】
例えば、差動符号化された信号であれば、時間を前後して受信された信号を差動復調して情報を得ているので、相対位相が情報であり絶対位相が不明でも支障はない。一方、伝搬路特性を見てみると、帯域内の周波数特性は不均一であるが、隣接キャリアの振幅・位相に関する相対関係は、比較的相関が高いので同一シンボル内の隣接キャリア間での差動化も可能である。
【0077】
この点から、DQPSK−OFDM(あるいはQPSK−OFDM)信号のシンボルを隣接キャリア間で差動復号して仮想の差動シンボルを推定する。つぎに、推定した仮想の差動シンボルを差動変調して送信シンボルの推定値を得る。推定された送信シンボルが正しければ、受信シンボルとの差をとって伝達関数を求めることができる。
【0078】
受信信号は次式で表わされる。
【数27】
Figure 0003605638
ここで、隣接キャリア間の差動復調を行うと次式となる。
【0079】
【数28】
Figure 0003605638
差の位相角は次式である。
【0080】
【数29】
Figure 0003605638
仮想のQPSKの信号として、次の様にシンボルc(l,m)の判定を行う。
【0081】
【数30】
Figure 0003605638
受信シンボルのベクトルと、判定後のシンボルのベクトルと、の差分を求め、再度差動変調を行うことにより、次式のとおり伝達関数g(l,m)が求まる。
【0082】
【数31】
Figure 0003605638
NをFFTにおけるデータ点数として伝達関数をフーリエ変換すると、次の複素遅延プロファイルが求まる。
【0083】
【数32】
Figure 0003605638
複素遅延プロファイルを蓄積して同一遅延時間のデータをフーリエ変換すると、ドップラー周波数と遅延時間のプロファイルが求まる。
【0084】
【数33】
Figure 0003605638
【0085】
上記の(3)で説明した様に、伝搬路特性の抽出に引き続いて、この階層情報の補正に適用して信号を復号し、階層情報から抽出した伝搬路特性の情報をさらに分析し、また、多値変調の階層信号の等化に利用する。また、上記の(4)で説明した様に、等化の後、階層情報から抽出した伝搬路特性の情報をさらに分析して、多値変調の階層信号の等化に利用する。
【0086】
この例として、次に、受信シンボルの一部分から伝搬路特性を解析してSPの推定を行う方法について説明する。
【0087】
以下に説明する様に、受信信号に含まれるSPシンボルと比較から伝搬路特性を補正して伝搬路特性の推定精度を向上させることが可能である。また、この結果を利用してシンボル等化を行うことにより、従来困難であった移動受信環境下でのシンボル等化の性能が改善される。そしてさらに、移動受信に伴って生ずるキャリア間干渉の低減を目的に、復調されたシンボルと伝搬路特性から受信シンボルを再合成し、FFTから出力された実シンボルと比較し、キャリア間干渉の影響を抑圧するようにシンボルの値を制御することができる。
【0088】
このためには、まず、伝搬路特性の推定を行う。この場合の、受信信号は次式である。
【数34】
Figure 0003605638
ここで、隣接キャリア間の差動復調を行うと次式となる。
【0089】
【数35】
Figure 0003605638
差の位相角は次式である。
【0090】
【数36】
Figure 0003605638
次に、QPSKの信号として数37に従ってシンボルc(l,m)の判定を行う。
【0091】
【数37】
Figure 0003605638
受信シンボルのベクトルと判定後のシンボルのベクトルとの差分を求め、再度差動変調を行う。そうすると次式のとおり、複素伝達関数が求まる。
【0092】
【数38】
Figure 0003605638
周波数次元の複素伝達関数値を複素フーリエ解析することにより、複素遅延プロファイルを得る。
【0093】
【数39】
Figure 0003605638
複数の受信シンボルの複素遅延プロファイルを蓄積して、同一の遅延時間のデータを経過時間順に並べてフーリエ解析を行うとドップラー周波数が求まる。これを各遅延時間について求めると、最終的なドップラー周波数と遅延時間の伝搬路特性のプロファイルが求まる。
【0094】
【数40】
Figure 0003605638
数40からレベルの高いパスを順次抽出して数41に示すプロファイルが求まる。
【0095】
【数41】
Figure 0003605638
【0096】
ここで、
【数42】
Figure 0003605638
【0097】
また、
【数43】
Figure 0003605638
【0098】
【数44】
Figure 0003605638
である。
【0099】
求めた伝搬路特性は、解析に使用した伝達関数が帯域の狭いセグメントのシンボル情報から推定している。このため、プロファイル抽出の打ち切りや雑音の影響による推定誤差を含んでいる。また、観測されたデータは全て離散値のため、周波数、遅延時間も離散的であり、実際の伝搬路の特性との誤差を含んでいる。そのため、16QAM、64QAMなどの多値変調のシンボル等化には、さらに推定精度を向上させることが望ましい。
【0100】
そこで、SPを利用した伝搬路特性の補正をさらに行って伝搬路特性の精度向上を図り、推定誤差の低減を行う。このためには、まず、ドップラー周波数と遅延時間のプロファイルに基づいてSPの受信シンボルを推定する。
【0101】
【数45】
Figure 0003605638
【0102】
次に、受信シンボルからSPを抽出する。
【数46】
Figure 0003605638
【0103】
推定したSPと受信シンボルから抽出したSPを比較して複数のシンボル区間Lに渡って、差分を最小にするようにドップラー周波数と遅延時間のプロファイルのパラメータを補正することにより合わせこみを行う。
【0104】
【数47】
Figure 0003605638
ここで、これらの式から数46の共通の送信信号強度d(i,kp)を除くと、次式となる。
【0105】
【数48】
Figure 0003605638
ただし、hは次式である。
【数49】
Figure 0003605638
【0106】
次に、上記の(5)で説明した様に、シンボル等化を行う。最終的に得られたドップラー周波数と遅延時間のプロファイルhを使用して、次式により受信シンボルを等化する。
【0107】
【数50】
Figure 0003605638
等化後のシンボルには、第一項の推定誤差係数、第二項のキャリア間干渉成分、第三項の雑音成分による誤差が重畳されている。
【0108】
次に、上記の(6)で説明した様に、等化された信号は、シンボル判定を受け、また、上記の(7)で説明した様に、キャリア間の干渉で誤った判定結果となっている場合があるので、キャリア間干渉の抑圧を行う。
【0109】
移動受信でのシンボル等化で問題となるのは、キャリア間干渉の増大に伴うBER(ビット誤り率)特性の劣化である。これは移動速度の増大に伴って、キャリア間干渉のエネルギーが増加することにより発生する。つまり、このキャリア間干渉が等価的に雑音の増大と同じ効果を持つために信号が劣化する。したがって、干渉成分の抑圧は、移動受信のシンボル等化には重要である。
【0110】
ここで、伝搬路特性の推定により、数41の伝搬経路をP個抽出した場合の伝達関数が十分高い精度で推定出来たものとする。次に、受信シンボルを等化して数50を求め、各変調方式にあわせて数37と同様にシンボル判定を行い、c(l,m)を求める。つまり、FFT直後の受信シンボルは、次式である。
【0111】
【数51】
Figure 0003605638
推定した伝搬路特性と判定したシンボルデータから受信シンボルを再合成する。
【0112】
【数52】
Figure 0003605638
二つの受信シンボルデータを比較して、差分が最小となるようにシンボルを制御してc(l,m)とする。
【0113】
【数53】
Figure 0003605638
このc(l,m)についてシンボル判定を行い、c(l,m)とする。以上により、キャリア間干渉の影響が抑圧された信号が出力される。
【0114】
以上、主にDQPSK−OFDM(あるいはQPSK−OFDM)信号について説明したが、これらの信号に限定されるべき理由は無い。上記の説明から明らかな様に、上記の方法は、広く階層構造をもったデジタル変調信号に適用することができる。また、本発明は、移動通信における階層構造をもったデジタル変調信号の受信の際に、通信品質の改善に用いることが可能であり、有用なものである。
【0115】
【発明の効果】
この発明は、階層構造をもったデジタル変調信号を予め決められた階層に分離し、その少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出し、その抽出した特性を用いて等化制御情報を生成し、これを用いて上記の階層に分離したそれぞれの信号の等化を行うようにしたので、それぞれの階層におけるシンボル誤り率が低下し、受信信号の品質改善を行うことができた。
【0116】
また、階層構造をもったデジタル変調信号を予め決められた階層に分離し、その少なくとも1つの階層の信号から伝送賂の特性を抽出し、またそれ以外の階層の信号のスキャッタードパイロット信号の情報を抽出し、その抽出した特性と抽出した情報とを用いてあらたに等化制御情報を生成し、これを用いて上記の予め決められた階層に分離した信号の等化を行うようにしたので、さらにシンボル誤り率が低下し、よりいっそうの受信信号の品質改善を行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】移動局における復調器の階層分離までを示すブロック図である。
【図2】移動局における等化部を示すブロック図である。
【図3】本発明の適用される通信状況を示す模式図である。
【図4】等化部の働きの処理の流れを示す模式図である。
【図5】キャリア間干渉補償部の処理の流れを示す図である。
【図6】送信シンボルを推定するOFDM信号の補償を行うための位相変動補償部を示すブロック図である。
【図7】送信シンボルを推定するOFDM信号の補償法を行うための送信シンボル推定部を示すブロック図である。
【図8】複素遅延プロファイルを解析するための構成のブロック図とその信号の流れを示す図である。
【図9】日本の地上波デジタル放送に用いられるOFDM方式のスキャッタード・パイロットシンボルのキャリアと時間の配置を示す模式図である。
【図10】通常のシンボル等化を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 基地局
2 移動局
3 FFT部
4 階層分離部
5 シンボル推定部
6 複素遅延プロファイル部
7 ドップラーシフト解析部
8 SP抽出部
9 伝搬路特性推定部
10 積和演算部
11 シンボル判定部
12 キャリア間干渉補償部

Claims (10)

  1. 全帯域が複数のセグメントに分割され伝送品質の異なる複数の情報を該複数のセグメントのいくつかに振り分けて同時に伝送することによって階層構造を持たせたデジタル変調信号を階層毎に分離する手続きと、その少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する手続きと、その抽出した特性を用いて等化制御情報を生成し、これを用いて上記の階層に分離したそれぞれの信号の等化を行う手続きとを備えることを特徴とするデジタル変調信号の等化方法。
  2. 全帯域が複数のセグメントに分割され伝送品質の異なる複数の情報を該複数のセグメントのいくつかに振り分けて同時に伝送することによって階層構造を持たせたデジタル変調信号を階層毎に分離する手続きと、その少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する手続きと、またそれ以外の階層の信号のスキャッタードパイロット信号の情報を抽出する手続きと、その抽出した特性と抽出した情報とを用いてあらたに等化制御情報を生成する手続きと、これを用いて上記の予め決められた階層に分離した信号の等化を行う手続きとを備えることを特徴とするデジタル変調信号の等化方法。
  3. 請求項1あるいは2に記載のデジタル変調信号の等化方法において、少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する方法は、シンボルを推定する手続きと、複素遅延プロファイルを見出す手続きと、ドップラーシフトを解析する手続きとを備えることを特徴とするデジタル変調信号の等化方法。
  4. 請求項1あるいは2に記載のデジタル変調信号の等化方法において、上記の予め決められた階層における信号に対応するシンボル判定を行う手続きを備え、この手続きは、上記の等化制御情報を用いて等化の後に行う手続きであることを特徴とするデジタル変調信号の等化方法。
  5. 請求項4に記載のデジタル変調信号の等化方法において、判定されたシンボルについてキャリア間干渉の補償を行う手続きを備え、この手続きは、判定したシンボルと抽出した伝送路特性とから推定した信号を生成する手続きと、この推定した信号とそれぞれの階層における等化前の信号との比較から誤差情報を抽出する手続きと、この誤差情報を用いてシンボル誤りの判定を行う手続きとを含むことを特徴とする手続きであるデジタル変調信号の等化方法。
  6. 全帯域が複数のセグメントに分割され伝送品質の異なる複数の情報を該複数のセグメントのいくつかに振り分けて同時に伝送することによって階層構造を持たせたOFDM信号を階層毎に分離する手段と、その少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する手段と、その抽出した特性を用いて等化制御情報を生成し、これを用いて上記の階層に分離したそれぞれの信号の等化を行う手段とを備えることを特徴とするOFDM信号の復調器。
  7. 全帯域が複数のセグメントに分割され伝送品質の異なる複数の情報を該複数のセグメントのいくつかに振り分けて同時に伝送することによって階層構造を持たせたOFDM信号を階層毎に分離する手段と、その少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する手段と、またそれ以外の階層の信号のスキャッタードパイロット信号の情報を抽出する手段と、その抽出した特性と抽出した情報とを用いてあらたに等化制御情報を生成する手段と、これを用いて上記の予め決められた階層に分離した信号の等化を行う手段とを備えることを特徴とするOFDM信号の復調器。
  8. 請求項6あるいは7に記載のOFDM信号の復調器において、少なくとも1つの階層の信号から伝送路の特性を抽出する方法は、シンボルを推定する手段と、複素遅延プロファイルを見出す手段と、ドップラーシフトを解析する手段とを備えることを特徴とするOFDM信号の復調器。
  9. 請求項6あるいは7に記載のOFDM信号の復調器において、上記の予め決められた階層における信号に対応するシンボル判定を行う手段を備え、この手段は、上記の等化制御情報を用いて等化の後に行う手段を含むことを特徴とするOFDM信号の復調器。
  10. 請求項9に記載のOFDM信号の復調器において、判定されたシンボルについてキャリア間干渉の補償を行う手段を備え、この手段は、判定したシンボルと抽出した伝送路特性とから推定した信号を生成する手段と、この推定した信号とそれぞれの階層における等化前の信号との比較から誤差情報を抽出する手段と、この誤差情報を用いてシンボル誤りの判定を行う手段とを含むことを特徴とする手段であるOFDM信号の復調器。
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