JP2010171512A - 無線受信機における誤差補正回路及び誤差補正方法 - Google Patents

無線受信機における誤差補正回路及び誤差補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 誤差の補正を、搬送波に非同期の状態で行う。
【解決手段】 振幅補正回路5は、同相成分信号ria及び直交成分信号rqaに、乗算器23,24を介して、補正情報をそれぞれフィードバックして、振幅が補正された同相成分信号rib及び直交成分信号rqbを出力する。直交度誤差補正回路6は、同相成分信号rib及び直交成分信号rqbに、加算器39,41、乗算器42,43を介して、補正情報をフィードバックして、直交度が補正された同相成分信号ric及び直交成分信号rqcを出力する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や、多値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等の直交変調されたディジタル変調信号を検波し復調する無線受信機における誤差補正回路及び誤差補正方法に関する。
ディジタル無線通信においては、例えば、QPSK方式や、多値QAM方式等の直交変調方式を利用したディジタル変調信号が広く用いられている。無線受信機においては、受信信号を、同相成分信号及び直交成分信号の2系統の信号成分に分離し、それぞれ、ベースバンド信号として出力される。
ところが、上記信号には、送信装置及び受信装置の精度や、電磁波の伝搬路特性等に起因する振幅アンバランスや直交度誤差等の誤差が含まれている。そして、これらの誤差は、ディジタル符号列の復号誤りの原因となる。このため、例えば、復調信号の基準値からのずれを検出して、誤差を補正する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−247126号公報
しかし、上記従来技術では、誤差の補正は、搬送波に同期した状態で行われるので、回路構成が複雑化し、設計等に要する手間がかかるとともに、例えば、誤差の補正のためのフィードバック回路等が必要となり、コストが嵩むという問題がある。
この発明は、前記の課題を解決し、誤差の補正を、搬送波に非同期の状態で行うことができる無線受信機における誤差補正回路及び誤差補正方法を提供することを目的としている。
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、直交変調波を検波して同相検波信号及び直交検波信号を出力する直交検波器を備えた無線受信機において用いられる誤差補正回路であって、前記同相検波信号と前記直交検波信号との間の直交度誤差を補正する直交度誤差補正手段を有し、前記直交度誤差補正手段は、前記同相検波信号及び前記直交検波信号に対応するシンボル点の座標の関数の値を演算する関数値演算手段と、前記シンボル点の象限を判定する象限判定手段と、所定期間に得られた奇数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値に関する所定の統計量と、前記所定期間に得られた偶数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値に関する所定の統計量との差分を演算する差分演算手段とを有し、前記差分の大きさが最小化されるように前記同相検波信号及び前記直交検波信号を補正することを特徴としている。
請求項2の発明は、直交変調波を検波して同相検波信号及び直交検波信号を出力する直交検波器を備えた無線受信機において用いられる誤差補正回路であって、前記同相検波信号と前記直交検波信号との間の振幅誤差を補正する振幅補正手段を有し、前記振幅補正手段は、前記同相検波信号及び前記直交検波信号に対応するシンボル点の座標の関数の値を演算する関数値演算手段と、前記シンボル点の象限を判定する象限判定手段と、奇数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値と所定の参照値との第1の差分を演算する第1の差分演算手段と、偶数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値と所定の参照値との第2の差分を演算する第2の差分演算手段とを有し、前記第1の差分及び前記2の差分の大きさが最小化されるように前記同相検波信号及び前記直交検波信号を補正することを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の無線受信機における誤差補正回路であって、前記シンボル点を所定の角度回転させる回転演算処理手段を有し、前記関数値演算手段は、回転演算処理された前記シンボル点に対応する前記関数の値を演算することを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1、2又は3に記載の無線受信機における誤差補正回路であって、前記関数値演算手段は、前記シンボル点の座標の関数の値として、前記同相検波信号と前記直交検波信号との二乗和を演算することを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1に記載の無線受信機における誤差補正回路であって、前記所定の統計量は、移動平均を含むことを特徴としている。
請求項6の発明は、直交変調波を検波して同相検波信号及び直交検波信号を出力する直交検波器を備えた無線受信機において用いられる誤差補正方法であって、前記同相検波信号と前記直交検波信号との間の直交度誤差を補正する直交度誤差補正ステップを含み、前記直交度誤差補正ステップは、前記同相検波信号及び前記直交検波信号に対応するシンボル点の座標の関数の値を演算する関数値演算ステップと、前記シンボル点の象限を判定する象限判定ステップと、所定期間に得られた奇数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値に関する所定の統計量と、前記所定期間に得られた偶数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値に関する所定の統計量との差分を演算する差分演算ステップとを含み、前記差分の大きさが最小化されるように前記同相検波信号及び前記直交検波信号を補正することを特徴としている。
請求項7の発明は、直交変調波を検波して同相検波信号及び直交検波信号を出力する直交検波器を備えた無線受信機において用いられる誤差補正方法であって、前記同相検波信号と前記直交検波信号との間の振幅誤差を補正する振幅補正ステップを含み、前記振幅補正ステップは、前記同相検波信号及び前記直交検波信号に対応するシンボル点の座標の関数の値を演算する関数値演算ステップと、前記シンボル点の象限を判定する象限判定ステップと、奇数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値と所定の参照値との第1の差分を演算する第1の差分演算ステップと、偶数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値と所定の参照値との第2の差分を演算する第2の差分演算ステップとを有し、前記第1の差分及び前記2の差分の大きさが最小化されるように前記同相検波信号及び前記直交検波信号を補正することを特徴としている。
請求項1及び請求項6の発明によれば、同相検波信号及び直交検波信号に対応するシンボル点の座標の関数の値を演算し、シンボル点の象限を判定し、所定期間に得られた奇数象限のシンボル点に対応する関数の値に関する所定の統計量と、所定期間に得られた偶数象限のシンボル点に対応する関数の値に関する所定の統計量との差分を演算し、差分の大きさが最小化されるように同相検波信号及び直交検波信号を補正するので、搬送波非同期の状態で直交度誤差を含む誤差の補正を行うことができる。したがって、比較的簡易な構成で、誤差を低減することができるので、設計等を容易化することができるとともに、コストを低減することができる。
請求項2及び請求項7の発明によれば、同相検波信号及び直交検波信号に対応するシンボル点の座標の関数の値を演算し、シンボル点の象限を判定し、奇数象限のシンボル点に対応する関数の値と所定の参照値との第1の差分を演算し、偶数象限のシンボル点に対応する関数の値と所定の参照値との第2の差分を演算し、第1の差分及び第2の差分の大きさが最小化されるように同相検波信号及び直交検波信号を補正するので、搬送波非同期の状態で振幅誤差を含む誤差の補正を行うことができる。したがって、比較的簡易な構成で、誤差を低減することができるので、設計等を容易化することができるとともに、コストを低減することができる。
この発明の一実施の形態に係る無線受信機の構成を示すブロック図である。 同無線受信機の直交検波部の構成を示すブロック図である。 同無線受信機の振幅補正回路の構成を示すブロック図である。 同無線受信機の直交度誤差補正回路の構成を示すブロック図である。 同無線受信機の誤差補正部の動作を説明するための説明図である。 同無線受信機の誤差補正部の動作を説明するための説明図である。 同無線受信機の誤差補正部の動作を説明するための説明図である。 同無線受信機の誤差補正部の動作を説明するための説明図である。
次に、この発明の実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係る無線受信機の構成を示すブロック図、図2は、同無線受信機の直交検波部の構成を示すブロック図、図3は、同無線受信機の振幅補正回路の構成を示すブロック図、図4は、同無線受信機の直交度誤差補正回路の構成を示すブロック図である。図1に示すように、無線受信機1は、例えば、16QAMの直交変調された変調信号r0を準同期検波して、同相成分信号ria及び直交成分信号rqaを抽出する直交検波部2と、直交検波部2の後段に縦続接続され、ディジタル復調部を構成する誤差補正部4とを備えている。
誤差補正部4は、振幅が補正された同相成分信号rib及び直交成分信号rqbを出力する振幅補正回路5と、直交度が補正された同相成分信号ric及び直交成分信号rqcを出力する直交度誤差補正回路6とを有している。
直交検波部2は、図2に示すように、局部発信器8と、ハイブリッド9と、乗算器11,12と、ローパスフィルタ(LPF)13,14と、アナログ/ディジタル変換器(以下、A/Dという。)15,16と、ロールオフフィルタ(以下、ROFという。)17,18と、DCオフセット補正回路(以下、ADCという。)19,21とを有している。
局部発信器8は、基準周波数の信号を生成する。ハイブリッド9は、局部発信器8から出力された信号を互いに直交する2系統の信号に分岐させて出力させる。ROF17(18)は、A/D15(16)からの出力をフィルタリングして、ADC19(21)へ供給する。ADC19(21)は、例えば、ROF17(18)から出力された信号の直流成分と参照信号の直流成分との差分を検出し、補正信号を生成して、ROF17(18)から出力された信号に与え、DCオフセットを低減する。
振幅補正回路5は、図3に示すように、乗算器23,24と、回転演算回路25と、電力演算回路26と、象限判定回路27と、選択回路28と、加算器29,31と、乗算器32,33と、加算器34,35と、遅延回路36,37とを有し、同相成分信号ria及び直交成分信号rqaに、乗算器23,24を介して、補正情報をそれぞれフィードバックして、振幅が補正された同相成分信号rib及び直交成分信号rqbを出力する。
乗算器23(24)は、同相成分信号ria(直交成分信号rqa)に、加算器34(35)から出力された信号を乗算して、同相成分信号rib(直交成分信号rqb)として出力する。回転演算回路25は、シンボル点を45°(π/4rad)回転させる演算処理を行う。電力演算回路26は、同相成分の二乗と直交成分の二乗との和(電力)を演算する。象限判定回路27は、同相成分と直交成分とで表されるシンボル点の位置(座標)の象限を判定する。すなわち、同相成分及び直交成分がともに正ならば、第1象限、同相成分が負、直交成分が正ならば、第2象限、同相成分及び直交成分がともに負ならば、第3象限、同相成分が正、直交成分が負ならば、第4象限と判定する。
選択回路28は、第1象限及び第3象限のときに、出力端子「0」側を選択して接続し、第2象限及び第4象限のときに、出力端子「1」側を選択して接続する。加算器29(31)は、演算した電力から予め設定された参照信号(目標値としての平均電力)REFを減算し、誤差信号を乗算器32(33)へ出力する。乗算器32(33)は、誤差信号に所定の比較的微小なステップサイズβを乗算して、加算器34(35)へ出力する。加算器34(35)と遅延回路36(37)とは、積分器を構成している。加算器34(35)は、乗算器32(33)からの出力に遅延回路36(37)からの出力を加算して、乗算器23(24)へ出力する。
直交度誤差補正回路6は、図4に示すように、加算器39,41と、乗算器42,43と、電力演算回路44と、象限判定回路45と、選択回路46と、平均化フィルタ47,48と、加算器49と、乗算器51と、加算器52と、遅延回路53とを有し、同相成分信号rib及び直交成分信号rqbに、加算器39,41、乗算器42,43を介して、補正情報をフィードバックして、直交度が補正された同相成分信号ric及び直交成分信号rqcを出力する。
加算器39(41)は、同相成分信号rib(直交成分信号rqb)に、乗算器43(42)からの出力を加算して、同相成分信号ric(直交成分信号rqc)として出力する。乗算器42(43)は、同相成分信号rib(直交成分信号rqb)に加算器52からの出力を乗算して加算器41(39)へ出力する。電力演算回路44は、電力演算回路26と同様に、同相成分の二乗と直交成分の二乗との和(電力)を演算する。象限判定回路45は、象限判定回路27と同様に、同相成分と直交成分とで表されるシンボル点の位置の象限を判定する。選択回路46は、選択回路28と同様に、第1象限及び第3象限のときに、出力端子「0」側を選択して接続し、第2象限及び第4象限のときに、出力端子「1」側を選択して接続する。
平均化フィルタ47(48)は、選択回路46の出力端子「0」(出力端子「1」)から出力された所定期間の電力値に基づいて、移動平均を求める。加算器49は、平均化フィルタ48の出力から平均化フィルタ47の出力を減算し、誤差信号を乗算器51に与える。乗算器51は、加算器49から出力された誤差信号に、所定の比較的微小なステップサイズγを乗算して、加算器52に出力する。加算器52と遅延回路53とは、積分器を構成している。加算器52は、乗算器51からの出力に遅延回路53からの出力を加算して、乗算器42,43に出力する。
次に、図3乃至図8を参照して、上記構成の誤差補正部4の動作について説明する。図5乃至図8は、この発明の一実施の形態に係る無線受信機の誤差補正部の動作を説明するための説明図である。振幅補正回路5では、図3に示すように、乗算器23(24)は、同相成分信号ria(直交成分信号rqa)に、加算器34(35)から出力された信号を乗算して、同相成分信号rib(直交成分信号rqb)として出力する。ここで、乗算器23(24)で乗算される同相成分(直交成分)の利得としての量の初期値は、例えば、「1」とする。
回転演算回路25は、シンボル点を45°(π/4rad)回転させる演算処理を行う。電力演算回路26は、同相成分の二乗と直交成分の二乗との和(電力)を演算する。象限判定回路27は、同相成分と直交成分とで表されるシンボル点の位置の象限を判定する。すなわち、同相成分及び直交成分がともに正ならば、第1象限、同相成分が負、直交成分が正ならば、第2象限、同相成分及び直交成分がともに負ならば、第3象限、同相成分が正、直交成分が負ならば、第4象限と判定する。
選択回路28は、第1象限及び第3象限のときに、出力端子「0」側を選択して接続し、第2象限及び第4象限のときに、出力端子「1」側を選択して接続する。加算器29(31)は、演算した電力から予め設定された参照信号(目標値としての平均電力)REFを減算し、誤差信号を乗算器32(33)へ出力する。乗算器32(33)は、誤差信号に所定の比較的微小なステップサイズβを乗算して、加算器34(35)へ出力する。加算器34(35)は、乗算器32(33)からの出力に遅延回路36(37)からの出力を加算して、乗算器23(24)へ出力する。
こうして、補正信号が生成されて、同相成分信号ria(直交成分信号rqa)に乗算される処理が繰り返されて、振幅誤差が最小化される。ここで、例として、直交度誤差が無視できて、振幅誤差がある場合について説明する。この場合、例えば、図5(a)に示すように、所定の振幅(原点Oからの距離)のシンボル点の軌跡は、I軸方向に長軸を持つ楕円となる。
これを、図5(b)に示すように、原点Oの周りに、45°(π/4rad)回転させると、I軸から45°(π/4rad)傾いたA軸方向に長軸を持つ楕円となる。この後、誤差を最小化するように、同相成分及び直交成分を補正することで、図5(c)に示すように、真円に近くなる。
直交度誤差補正回路6では、図4に示すように、加算器39(41)は、同相成分信号rib(直交成分信号rqb)に、乗算器43(42)からの出力を加算して、同相成分信号ric(直交成分信号rqc)として出力する。乗算器42(43)は、同相成分信号rib(直交成分信号rqb)に加算器52からの出力を乗算して加算器41(39)へ出力する。ここで、乗算器42(43)に与えられ、同相成分信号rib(直交成分信号rqb)に乗算される量の初期値は、「0」または、0に近い比較的微小な数とする。電力演算回路44は、同相成分の二乗と直交成分の二乗との和(電力)を演算する。象限判定回路45は、同相成分と直交成分とで表されるシンボル点の位置の象限を判定する。
選択回路46は、シンボル点の位置が、第1象限及び第3象限のときに、出力端子「0」側を選択して接続し、第2象限及び第4象限のときに、出力端子「1」側を選択して接続する。平均化フィルタ47(48)は、選択回路46の出力端子「0」(出力端子「1」)から出力された所定期間の電力値に基づいて、移動平均を求める。加算器49は、平均化フィルタ48の出力から平均化フィルタ47の出力を減算し、誤差信号を乗算器51に与える。乗算器51は、加算器49から出力された誤差信号に、所定の比較的微小なステップサイズγを乗算して、加算器52に出力する。加算器52は、乗算器51からの出力に遅延回路53からの出力を加算して、乗算器42,43に出力する。
こうして、補正信号が生成されて、同相成分信号rib(直交成分信号rqb)に乗算されて、さらに、乗算結果が、他方の直交成分信号rqb(同相成分信号rpb)に加算される処理が繰り返されて、誤差が最小化される。図6には、この誤差補正方法によるシミュレーション結果を示す信号空間ダイヤグラムが示されている。
図6において、円環状に分布して配置された「◆」は、同相成分の利得1.1に対して、直交成分の利得0.9、直交度誤差無しの場合に、振幅補正回路5及び直交度誤差補正回路6を共に動作させなかった場合のシミュレーション結果である。これに対し、集中配置した「■」は、同相成分の利得0.6に対して、直交成分の利得1.5、直交度誤差5°の場合に、振幅補正回路5及び直交度誤差補正回路6を共に動作させた場合のシミュレーション結果である。図6に示すように、振幅補正回路5及び直交度誤差補正回路6を共に動作させると、各シンボル点の位置の誤差が小さくなっていることがわかる。
また、図7及び図8には、搬送波に同期していない場合のシミュレーション結果が示されてる。図7には、「◆」は、振幅補正回路5及び直交度誤差補正回路6を共に動作させない場合のシミュレーション結果が、図8には、「■」は、振幅補正回路5及び直交度誤差補正回路6を共に動作させた場合のシミュレーション結果が示されている。図7において、シンボル点の軌跡が、その軸が傾いた楕円となっていたのが、図8においては、真円に近づいていることがわかる。
こうして、この実施の形態の構成によれば、シンボル点に対応する奇数象限の電力(の移動平均)と、偶数象限の電力(の移動平均)との差分を最小化するように同相成分及び直交成分を補正することによって、搬送波非同期の状態で誤差の補正を行うことができる。したがって、比較的簡易な構成で、振幅アンバランスや直交度誤差等の誤差を低減することができるので、設計等を容易化することができるとともに、例えば、これらの誤差の補正のためのフィードバック回路が不要となり、コストを低減することができる。また、直交度誤差補正回路6において、参照信号を必要としないので、一段とコストを低減することができる。
以上、この発明の実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。上述した実施の形態では、例えば、振幅補正回路5で、回転演算回路25を設けた場合について述べたが、直交度誤差補正回路6においても、電力演算回路44及び象限判定回路45の前段に回転演算回路を設けても良い。また、振幅補正回路5の回転演算回路25を廃しても良い。また、回転演算回路25で、シンボル点を45°(π/4rad)回転させる演算処理を行う場合について述べたが、正確に45°(π/4rad)でなく近似値でも良いし、45°(π/4rad)に限らなくても良い。なお、一般に、(2n+1)π/4(nは、整数)rad回転させるようにしても良い。
また、シンボル点の軌跡としての楕円の長軸又は短軸のI軸又はQ軸に対する傾きを求めてから、この傾きが、例えば45°(π/4rad)となるようにシンボル点を所定の角度回転させるようにしても良い。また、振幅補正回路5と、直交度誤差補正回路6とのうち、一方のみを必要に応じて動作させるようにしても良いし、振幅補正回路5と、直交度誤差補正回路6との接続関係を逆にしても良い。
また、振幅補正回路5及び直交度誤差補正回路6の全ての構成要素は、ハードウェアで構成しても良いし、CPU等からなる中央処理装置が、対応する制御プログラムを実行することでその機能を達成するようにしても良い。例えば、DSP(Digital Signal Processor)を用いて、プログラムにより演算処理を実行するようにしても良い。また、振幅補正回路5及び直交度誤差補正回路6の機能のうち、一部又は全部の機能を専用のハードウェアを用いて行い、他の一部を対応するプログラムを実行して処理するようにしても良い。また、各機能は、それぞれ別々のCPU等が実行しても良いし、例えば、単一のCPU等が実行しても良い。
また、振幅補正回路5で、シンボル点の位置が1,3象限の電力を参照値と比較して、同相成分を補正し、2,4象限の電力を参照値と比較して、直交成分を補正する場合について述べたが、逆としても良い。また、振幅補正回路5で、象限判定回路27や選択回路28等を廃し、電力演算回路26で電力を求めるのに代えて、同相成分の二乗、直交成分の二乗を演算し、別々に補正するようにしても良い。
また、直交度誤差補正回路6で、加算器49が、平均化フィルタ48の出力から平均化フィルタ47の出力を減算する場合について述べたが、平均化フィルタ47(48)で、所定期間得られた電力値に基づいて移動平均を求めるのに代えて、例えば、加重移動平均を求めても良い。また、平均値としても、相加平均のほか、相乗平均や、調和平均を用いても良い。また、統計量として、電力値の総和を用いても良いし、代表値として、平均値以外の多頻値や中央値等を用いて良いし、他の統計処理結果を用いても良い。
また、電力値に代えて、一般に、シンボル点の座標の関数の値として、例えば、電力に関する多項式の値を求めて、奇数象限における所定の統計量と、偶数象限の所定の統計量とを比較して、シンボル点の軌跡としての楕円を、真円に近づけるように補正して、振幅誤差や、直交度誤差を低減するようにしても良い。また、ステップサイズβ,γは、定数に限らず、変化させるようにしても良い。
16QAM方式以外の多値QAM方式のほか、QPSK方式等の変調方式にも適用できる。
1 無線受信機
2 直交検波部(直交検波器)
4 誤差補正部(誤差補正回路)
5 振幅補正回路(振幅補正手段)
6 直交度誤差補正回路(直交度誤差補正手段)
23,24 乗算器
25 回転演算回路(回転演算処理手段)
26 電力演算回路(関数値演算手段)
27 象限判定回路(象限判定手段)
29 加算器(第1又は第2の差分演算手段)
31 加算器(第2又は第1の差分演算手段)
39,41 加算器
42,43 乗算器
44 電力演算回路(関数値演算手段)
45 象限判定回路(象限判定手段)
47,48 平均化フィルタ
49 加算器(差分演算手段)

Claims (7)

  1. 直交変調波を検波して同相検波信号及び直交検波信号を出力する直交検波器を備えた無線受信機において用いられる誤差補正回路であって、
    前記同相検波信号と前記直交検波信号との間の直交度誤差を補正する直交度誤差補正手段を有し、前記直交度誤差補正手段は、前記同相検波信号及び前記直交検波信号に対応するシンボル点の座標の関数の値を演算する関数値演算手段と、前記シンボル点の象限を判定する象限判定手段と、所定期間に得られた奇数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値に関する所定の統計量と、前記所定期間に得られた偶数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値に関する所定の統計量との差分を演算する差分演算手段とを有し、前記差分の大きさが最小化されるように前記同相検波信号及び前記直交検波信号を補正する
    ことを特徴とする無線受信機における誤差補正回路。
  2. 直交変調波を検波して同相検波信号及び直交検波信号を出力する直交検波器を備えた無線受信機において用いられる誤差補正回路であって、
    前記同相検波信号と前記直交検波信号との間の振幅誤差を補正する振幅補正手段を有し、前記振幅補正手段は、前記同相検波信号及び前記直交検波信号に対応するシンボル点の座標の関数の値を演算する関数値演算手段と、前記シンボル点の象限を判定する象限判定手段と、奇数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値と所定の参照値との第1の差分を演算する第1の差分演算手段と、偶数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値と所定の参照値との第2の差分を演算する第2の差分演算手段とを有し、前記第1の差分及び前記2の差分の大きさが最小化されるように前記同相検波信号及び前記直交検波信号を補正する
    ことを特徴とする無線受信機における誤差補正回路。
  3. 前記シンボル点を所定の角度回転させる回転演算処理手段を有し、前記関数値演算手段は、回転演算処理された前記シンボル点に対応する前記関数の値を演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線受信機における誤差補正回路。
  4. 前記関数値演算手段は、前記シンボル点の座標の関数の値として、前記同相検波信号と前記直交検波信号との二乗和を演算することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の無線受信機における誤差補正回路。
  5. 前記所定の統計量は、移動平均を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線受信機における誤差補正回路。
  6. 直交変調波を検波して同相検波信号及び直交検波信号を出力する直交検波器を備えた無線受信機において用いられる誤差補正方法であって、
    前記同相検波信号と前記直交検波信号との間の直交度誤差を補正する直交度誤差補正ステップを含み、前記直交度誤差補正ステップは、前記同相検波信号及び前記直交検波信号に対応するシンボル点の座標の関数の値を演算する関数値演算ステップと、前記シンボル点の象限を判定する象限判定ステップと、所定期間に得られた奇数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値に関する所定の統計量と、前記所定期間に得られた偶数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値に関する所定の統計量との差分を演算する差分演算ステップとを含み、前記差分の大きさが最小化されるように前記同相検波信号及び前記直交検波信号を補正する
    ことを特徴とする無線受信機における誤差補正方法。
  7. 直交変調波を検波して同相検波信号及び直交検波信号を出力する直交検波器を備えた無線受信機において用いられる誤差補正方法であって、
    前記同相検波信号と前記直交検波信号との間の振幅誤差を補正する振幅補正ステップを含み、前記振幅補正ステップは、前記同相検波信号及び前記直交検波信号に対応するシンボル点の座標の関数の値を演算する関数値演算ステップと、前記シンボル点の象限を判定する象限判定ステップと、奇数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値と所定の参照値との第1の差分を演算する第1の差分演算ステップと、偶数象限の前記シンボル点に対応する前記関数の値と所定の参照値との第2の差分を演算する第2の差分演算ステップとを有し、前記第1の差分及び前記2の差分の大きさが最小化されるように前記同相検波信号及び前記直交検波信号を補正する
    ことを特徴とする無線受信機における誤差補正方法。
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