JP2010169662A - 生体内成分測定方法および生体内成分測定装置 - Google Patents

生体内成分測定方法および生体内成分測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010169662A
JP2010169662A JP2009269052A JP2009269052A JP2010169662A JP 2010169662 A JP2010169662 A JP 2010169662A JP 2009269052 A JP2009269052 A JP 2009269052A JP 2009269052 A JP2009269052 A JP 2009269052A JP 2010169662 A JP2010169662 A JP 2010169662A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
glucose
measurement
ion
tissue fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009269052A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5470010B2 (ja
Inventor
Masanori Okada
正規 岡田
Yoshihiro Asakura
義裕 朝倉
Toshiyuki Sato
利幸 佐藤
Kei Hagino
圭 萩野
Junko Kojima
順子 小島
Yasuo Yoshikawa
泰生 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sysmex Corp filed Critical Sysmex Corp
Priority to JP2009269052A priority Critical patent/JP5470010B2/ja
Priority to CN200910253746.2A priority patent/CN101762629B/zh
Priority to EP09015799.1A priority patent/EP2198774B1/en
Priority to US12/645,080 priority patent/US20100160758A1/en
Publication of JP2010169662A publication Critical patent/JP2010169662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5470010B2 publication Critical patent/JP5470010B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/145Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue
    • A61B5/14532Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue for measuring glucose, e.g. by tissue impedance measurement
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/145Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue
    • A61B5/14507Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue specially adapted for measuring characteristics of body fluids other than blood
    • A61B5/1451Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue specially adapted for measuring characteristics of body fluids other than blood for interstitial fluid
    • A61B5/14514Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue specially adapted for measuring characteristics of body fluids other than blood for interstitial fluid using means for aiding extraction of interstitial fluid, e.g. microneedles or suction
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/145Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue
    • A61B5/1486Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue using enzyme electrodes, e.g. with immobilised oxidase
    • A61B5/14865Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue using enzyme electrodes, e.g. with immobilised oxidase invasive, e.g. introduced into the body by a catheter or needle or using implanted sensors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/72Signal processing specially adapted for physiological signals or for diagnostic purposes
    • A61B5/7235Details of waveform analysis
    • A61B5/7242Details of waveform analysis using integration
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B2562/00Details of sensors; Constructional details of sensor housings or probes; Accessories for sensors
    • A61B2562/02Details of sensors specially adapted for in-vivo measurements
    • A61B2562/0295Strip shaped analyte sensors for apparatus classified in A61B5/145 or A61B5/157

Abstract

【課題】抽出された組織液の成分測定の精度を向上させることができる生体内成分測定方法を提供する。
【解決手段】生体から組織液を抽出媒体中へ抽出し、抽出された組織液中の測定対象成分および無機イオンを蓄積する工程と、蓄積された前記無機イオンの量に関するイオン情報を取得する工程と、蓄積された前記測定対象成分の量に関する成分情報を取得する工程とを含む生体内成分測定方法。前記イオン情報および成分情報に基づいて、前記測定対象成分の量に関する解析値を取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体内成分測定方法および生体内成分測定装置に関する。
従来、被験者から皮膚を介して組織液を抽出した後、グルコースオキシターゼなどの酵素を触媒として利用することによって、組織液と共に抽出されたグルコースを反応させて分析を行う生体成分分析装置が知られている。例えば、特許文献1には、水からなるグルコース採集媒体を含むリザーバーを備えた採集デバイスを、所定時間(5〜10分間)患者の皮膚の角質層に対して配置し、所定時間後にグルコース採集媒体をリザーバーから取り出してグルコース濃度を分析する装置が開示されている。
しかし、抽出される組織液の量は、被験者の皮膚の状態により変動するため、正確なグルコース量を測定するためには、被験者の皮膚の状態を考慮する必要が有るが、特許文献1に記載の装置では、グルコース量の測定に被験者の皮膚の状態が一切考慮されていない。このような問題を解決するために、被験者の抽出部位におけるグルコース透過率(P)の推定を行い、演算式(BG=J/P。ここで、BGは血糖値、Jは抽出グルコース量である)によって血糖値を算出することが提案されている(特許文献2参照)。
この特許文献2におけるグルコース透過率(P)の推定原理はつぎの通りである。すなわち、組織液における電解質濃度は、血糖値の異なる複数の被験者間でもほぼ同様であることが分かっている。そのため、経皮的に抽出された組織液に含まれる電解質量を測定することによって、皮膚を組織液が透過してきた度合い(つまり、グルコース透過率(P))を推定することができる。そこで、抽出された組織液を保持する抽出媒体として電解質を含んでいない純水を用い、組織液が抽出された抽出媒体に電力を供給してその電気伝導度(K)を測定することにより、抽出された組織液に含まれる電解質量を推定することができる。換言すれば、組織液が抽出された抽出媒体の電解質の電気伝導度(K)からグルコース透過率(P)を推定することができる。
上述のように、生体から抽出された組織液に含まれる、グルコースなどの生体成分の量を精度よく解析するための、更なる方法の開発が望まれていた。
特表平9−503924号公報 特開2007−260315号公報
すなわち、本発明は、従来に比べ高精度に、生体から抽出された組織液に含まれる生体成分の量の解析が可能な、生体内成分測定方法及び生体内成分測定装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、グルコースなどの組織液中の測定対象成分の測定精度、特にAUCの測定精度を更に向上させるべく鋭意研究を重ねた結果、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよび塩化物イオン等の無機イオンの量が、測定対象成分の抽出量との相関性が特に高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、測定対象成分の抽出量と相関性が高いナトリウムイオン、カリウムイオンまたは塩化物イオン等の無機イオンに着目し、抽出された無機イオンの量に基づいて測定対象成分の透過率を取得することで、より高精度に生体内成分、特に被験者の血糖AUCに相当する値を測定することができる。
本発明の第1の観点に係る生体内成分測定方法(以下、単に「測定方法」ともいう)は、生体から組織液を抽出媒体中へ抽出し、抽出された組織液中の測定対象成分および無機イオンを蓄積する工程と、
蓄積された無機イオンの量に関するイオン情報を取得する工程と、
蓄積された前記測定対象成分の量に関する成分情報を取得する工程と
を含んでおり、前記イオン情報および成分情報に基づいて、前記測定対象成分の量に関する解析値を取得することを特徴としている。
本発明の第1の観点に係る測定方法では、組織液中のグルコースなどの測定対象成分の抽出され易さを示す透過率を、グルコース透過率と相関性が高い無機イオンの量に関する参照値を用いて求め、この求めた透過率と測定対象成分の量に関する成分情報とから当該測定対象成分の抽出量を推定しているので、より高精度に測定対象成分の量に関する値、例えば血糖AUCを取得することができる。
また、本発明の第2の観点に係る生体内成分測定装置(以下、単に「測定装置」ともいう)は、生体から組織液を抽出媒体中へ抽出し当該抽出された組織液中の測定対象成分および無機イオンを前記抽出媒体とともに蓄積可能な収集部材をセットするためのセット部と、
このセット部にセットされた前記収集部材によって蓄積された前記測定対象成分の量に関する成分情報および無機イオンの量に関するイオン情報を取得するための検出部と、
前記イオン情報および成分情報に基づいて、前記測定対象成分の量に関する解析値を取得する解析部と
を備えたことを特徴としている。
本発明の生体内成分測定方法および生体内成分測定装置および収集部材によれば、抽出された組織液の成分測定の精度を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る血糖AUC測定方法に用いられる測定装置、センサチップおよび収集部材の概略斜視図である。 図1に示される測定装置の平面説明図である。 図1に示される測定装置の側面説明図である。 図1に示されるセンサチップの平面説明図である。 図1に示されるセンサチップの側面説明図である。 図1に示される収集部材の断面説明図である。 本発明の測定方法に用いられる穿刺具の一例の斜視説明図である。 図7に示される穿刺具に装着される微細針チップの斜視図である。 穿刺具によって微細孔が形成された皮膚の断面説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る血糖AUC測定方法の測定手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る血糖AUC測定方法の測定手順の説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る血糖AUC測定方法の測定手順の説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る血糖AUC測定方法の測定手順の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る血糖AUC測定方法で用いられるリザーバー部材の断面説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る血糖AUC測定方法の測定手順の説明図である。 血糖AUCと抽出グルコース量との関係を示す図である。 グルコース透過率とナトリウムイオンのイオン抽出速度との関係を示す図である。 グルコース透過率と溶媒導電率との関係を示す図である。 ナトリウムイオンのイオン抽出速度をパラメータとして用いた場合の採血血糖AUCと推定血糖AUCとの関係を示す図である。 溶媒導電率をパラメータとして用いた場合の採血血糖AUCと推定血糖AUCとの関係を示す図である。 ナトリウムイオンのイオン抽出速度をパラメータとして用いた場合の血糖AUCの測定誤差の分布を示す図である。 溶媒導電率をパラメータとして用いた場合の血糖AUCの測定誤差の分布を示す図である。 ナトリウムイオンが溶媒導電率に寄与する割合とrとの関係を示す図である。 AUCBG1hと抽出グルコース量の相関を示すグラフである。 AUCBG2hと抽出グルコース量の相関を示すグラフである。 グルコース透過率とナトリウムイオンのイオン抽出速度の相関(1時間)を示すグラフである。 グルコース透過率とナトリウムイオンのイオン抽出速度の相関(2時間)を示すグラフである。 採血AUCBG1hと推定AUCBG1hの相関を示すグラフである。 採血AUCBG2hと推定AUCBG2hの相関を示すグラフである。 ゲルから分析物を回収する方法の一例を説明する図である。 ゲルから分析物を回収する方法の一例を説明する図である。 ゲルから分析物を回収する方法の他の例を説明する図である。 ゲルから分析物を回収する方法の他の例を説明する図である。 ゲルから分析物を回収する方法の他の例を説明する図である。 グルコース透過率と塩化物イオンのイオン抽出速度との間係を示す図である。 グルコース透過率とカリウムイオンのイオン抽出速度との間係を示す図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の測定方法および測定装置の実施の形態を詳細に説明する。
以下の実施の形態では、本発明を、血糖AUCを測定する場合に適用した例を説明する。血糖AUCとは、血糖値の時間経過を表したグラフで描かれる曲線と横軸とによって囲まれた部分の面積(単位:mg・h/dl)である。血糖AUCは、糖尿病治療において、インスリンや経口剤の効果判定を行う上で用いられる指標である。例えば、糖負荷後(食後)所定期間内に血中を循環したグルコース(血糖)の総量を反映した値を血糖AUCによって測定することにより、糖負荷後に被験者の生体内を循環したグルコースの総量を推定することができる。
このように血糖AUCを測定することの意義としては、血糖AUCを測定することにより、糖代謝の個人差の影響を抑制できる点が挙げられる。すなわち、糖負荷によって血糖値に反応が現れるまでの時間には個人差があるため、糖負荷後のある時点における血糖値を測定しただけでは、その血糖値が立ち上がり時のものであるのか、ピーク時のものであるのかを把握することができない。また、仮にピーク時における血糖値を測定できたとしても、その高血糖状態がどの程度持続したのかを把握することも不可能である。この点、血糖AUCを測定すれば、所定期間内に血中を循環した血糖の総量を反映した値を得ることができるので、糖負荷によって血糖値に反応が現れるまでの時間によって測定値が影響を受けることはなく、また、高血糖状態がどの程度持続したのかを測定値に基づいて推定することができる。このように、血糖AUCを測定することにより、糖代謝の個人差に影響されることなく、糖負荷による耐糖能の推定に役立つ値を得ることができる。
血糖AUCの測定には、通常、所定の時間毎(例えば、30分毎)に採血を行い、採取した血液の血糖値をそれぞれ取得することにより行われている。そして、血糖値の時間経過を表したグラフを取得するとともに、グラフで描かれる曲線と横軸とによって囲まれた部分の面積を求めることにより、血糖AUCが求められる。以下の実施の形態に係る血糖AUC測定方法を用いて得られる値は、このような採血による血糖AUCに代えて糖尿病の判定に用いることが可能なものである。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態に係る血糖AUC測定方法に用いられる測定装置、センサチップおよび収集部材について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る血糖AUC測定方法に用いられる測定装置、センサチップおよび収集部材の概略斜視図であり、図2および図3はそれぞれ図1に示される測定装置の平面説明図および側面説明図であり、図4および図5はそれぞれ図1に示されるセンサチップの平面説明図および側面説明図であり、図6は図1に示される収集部材の断面説明図である。また、図7は本発明の測定方法に用いられる穿刺具の一例の斜視説明図であり、図8は当該穿刺具に装着される微細針チップの斜視図である。
<測定装置>
図1〜3に示されるように、測定装置100は、表示部1と、記録部2と、解析部3と、電源4と、センサチップ200および収集部材300を設置するためのセット部である設置部5と、この設置部5に設置されたセンサチップ200に接続される電気回路6と、ユーザ(被験者)が測定装置100を操作するための操作ボタン7と、タイマー部8とを備えている。
表示部1は、解析部3による測定結果および記録部2に記録されたデータなどを表示する機能を有する。記録部2は、過去のデータを保存するために設けられている。解析部3は、電気回路6の出力値に基づいて、グルコース濃度、およびナトリウムイオン、カリウムイオンまたは塩化物イオン等の無機イオン濃度を算出する機能を有する。設置部5は、凹形状を有しており、センサチップ200および収集部材300を設置することが可能に構成されている。電気回路6は、グルコース濃度測定用回路6aと、イオン濃度測定用回路6bとを含んでいる。グルコース濃度測定用回路6aは、設置部5内に露出した端子6cおよび6dを含んでおり、イオン濃度測定用回路6bは、設置部5内に露出した端子6eおよび6fを含んでいる。また、電気回路6は、グルコース濃度測定用回路6aと、イオン濃度測定用回路6bとを切り替えるためのスイッチ6gを含んでいる。ユーザは、操作ボタン7を操作することによりスイッチ6gを操作して、グルコース濃度測定用回路6aと、イオン濃度測定用回路6bとを切り替えることが可能である。操作ボタン7は、スイッチ6gの切換、表示部1の表示の切換およびタイマー部8の設定などの操作をするために設けられている。タイマー部8は、グルコースの抽出を開始してから所定の時間で抽出を終了するために、ユーザに抽出の終了時間を通知する機能(時間通知手段としての機能)を有しており、そのためのアラーム装置(図示せず)を内蔵している。
<センサチップ>
センサチップ200は、図4〜5に示されるように、合成樹脂製の基板201と、この基板201の上面に設けられた一対のグルコース濃度測定用電極202と、基板201の上面に設けられた一対のイオン濃度測定用電極203とを備えている。グルコース濃度測定用電極202は、白金電極にGOD酵素膜(GOD:グルコースオキシダーゼ)が形成された作用電極202aと白金電極からなる対電極202bとからなり、一方、イオン濃度測定用電極203は、無機イオンの選択膜を備えた銀/塩化銀からなるイオン選択性電極203aと、対電極である銀/塩化銀電極203bとからなる。センサチップ200が測定装置100の設置部5に設置された状態で、グルコース濃度測定用電極202の作用電極202aおよび対電極202bは、それぞれ、グルコース濃度測定用回路6aの端子6cおよび6dと接触するように構成されている。同様に、センサチップ200が測定装置100の設置部5に設置された状態で、イオン濃度測定用電極203のイオン選択性電極203aおよび銀/塩化銀電極203bは、それぞれ、イオン濃度測定用回路6bの端子6eおよび6fと接触するように構成されている。
<収集部材>
収集部材300は、図6に示されるように、被験者の皮膚から抽出した組織液を保持可能な保水性(実質的にNa+を含まない性質)を有するゲル301が支持部材302によって支持された構造を有する。本実施の形態におけるゲル301は、ポリビニルアルコールからなる。このゲル301は、抽出媒体としての純水を含有している。
支持部材302は、凹部を有する支持部本体302aと、この支持部本体302aの外周側に形成された鍔部302bとを有し、支持部本体302aの凹部内にゲル301が保持されている。鍔部302bの表面には粘着層303が設けられており、測定前の状態では、凹部内に保持されたゲル301を封止する剥離紙304が粘着層303に貼付されている。測定を行う際には、剥離紙304が粘着層303から剥離されてゲル301および粘着層303が露出され、当該ゲル301が被験者の皮膚に接触した状態で、収集部材300を粘着層303によって当該被験者の皮膚に貼り付けて固定することができる。
<穿刺具>
図7〜9に示されるように、穿刺具400は、減菌処理された微細針チップ500を装着して、当該微細針チップ500の微細針501を生体の表皮(被験者の皮膚600)に当接させることによって、被験者の皮膚600に組織液の抽出孔(微細孔601)を形成する装置である。微細針チップ500の微細針501は、穿刺具400により微細孔601を形成した場合に、当該微細孔601が皮膚600の表皮内にとどまり真皮までは到達しないような大きさを有する。図7に示されるように、穿刺具400は、筐体401と、この筐体401の表面に設けられたリリースボタン402と、筐体401の内部に設けられたアレイチャック403およびバネ部材404とを備えている。筐体401の下部401aには開口(図示せず)が形成されている。バネ部材404はアレイチャック403を穿刺方向に付勢する機能を有する。アレイチャック403は下端に微細針チップ500を装着することができる。微細針チップ500の下面には、複数の微細針501が形成されている。また、穿刺具400は、アレイチャック403をバネ部材404の付勢力に逆らって上方(反穿刺方向)に押し上げた状態で固定する固定機構(図示せず)を有しており、使用者(被験者)がリリースボタン402を押下することにより、当該固定機構によるアレイチャック403の固定が解除され、バネ部材404の付勢力によって当該アレイチャック403が穿刺方向に移動するように構成されている。
[血糖AUC測定方法]
次に、前述した測定装置、センサチップおよび収集部材を用いた血糖AUC測定方法について説明する。
図10は、本発明の一実施の形態に係る血糖AUC測定方法の測定手順を示すフローチャートであり、図11〜13は、この測定方法の測定手順の説明図である。
まず、図10を参照しつつ、本発明の一実施の形態に係る血糖AUC測定方法の測定手順の概略について説明する。なお、図10に示した工程のうち、ステップS1〜S5の工程は、測定を実施する者によって行われる工程であり、ステップS6の工程は、本実施の形態に係る測定装置100によって行われる工程である。
最初に、被験者の測定部位の洗浄と、穿刺具400を用いた測定部位における微細孔の形成が行われる(ステップS1)。ついで、測定装置100に設けられたタイマー部8を用いて組織液の抽出時間が設定される(ステップS2)。ついで、収集部材300が測定部位に取り付けられ、組織液の抽出および組織液中のグルコースおよび無機イオンなどの蓄積が開始される(ステップS3)。ついで、ステップS2において設定された抽出時間の終了が、タイマー部8のアラーム装置によって通知されたか否かが判定され(ステップS4)、通知された場合には収集部材300が取り外されて組織液の抽出が終了する(ステップS5)。ついで、測定装置100の設置部5に抽出が終了した収集部材300が設置され、組織液の測定および血糖AUC解析が行われ(ステップS6)、測定が終了する。
以下、各工程について詳細に説明する。
(ステップS1:前処理工程)
まず、被験者は、皮膚600をアルコールなどを用いて洗浄し、測定結果の攪乱要因と
なる物質(汗、塵など)を除去する。そして、洗浄を行った後に、微細針チップ500を
装着した穿刺具400(図7参照)により皮膚600に微細孔601を形成する。具体的
には、皮膚600の微細孔601を形成する部位に穿刺具400の下部401aの開口(
図示せず)を配置した状態で、リリースボタン402を押下する。これにより、固定機構
(図示せず)によるアレイチャック403の固定が解除されるとともに、アレイチャック
403がバネ部材404の付勢力により皮膚600側に移動する。そして、アレイチャッ
ク403の下端に装着された微細針チップ500(図8参照)の微細針501が所定の速
度で被験者の皮膚600に当接する。これにより、図9に示されるように、被験者の皮膚600の表皮部分に微細孔601が形成される。
(ステップS2:タイマー設定工程)
次に、被験者は、操作ボタン7を操作することにより測定装置100のタイマー部8の時間を設定する。設定時間としては、例えば180分とすることができる。
(ステップS3〜S5:抽出―蓄積工程)
次に、図11に示されるように、被験者は、収集部材300の剥離紙304(図6参照)を取り除き、この収集部材300を微細孔601を形成した部位に貼り付ける(ステップS3)。これにより、微細孔601を形成した部位とゲル301とが接触するとともに、微細孔601を介してグルコースおよび電解質(NaCl)を含む組織液がゲル301に移動し始めて、抽出が開始される。また、被験者は、抽出の開始と同時に測定装置100のタイマー部8をオンにする。この後、所定の時間(アラームの設定時間)が経過するまで収集部材300を皮膚600に貼り付けた状態で放置する(ステップS4)。そして、所定の時間が経過してアラームが鳴った時点で被験者は収集部材300を皮膚600から取り外す(ステップS5)。ここでは、タイマー部8のアラームは180分に設定されているので、180分間の時間をかけて、継続して皮膚からの組織液の抽出が行われる。これにより、抽出―蓄積工程が終了する。
(ステップS6:測定工程)
次に、図12および図13に示されるように、被験者は、測定装置100の設置部5にセンサチップ200を設置するとともに、センサチップ200の上に抽出終了後の収集部材300を設置する。これにより、測定装置100のグルコース濃度測定用回路6a、センサチップ200のグルコース濃度測定用電極202および収集部材300のゲル301によって第1回路が構成されるとともに、測定装置100のイオン濃度測定用回路6b、センサチップ200のイオン濃度測定用電極203および収集部材300のゲル301によって第2回路が構成される。
抽出したグルコース濃度を測定する場合には、被験者は、操作ボタン7によりスイッチ6gをグルコース濃度測定用回路6aに切り替えるとともに、測定開始を指示する。これにより、定電圧制御回路を通して所定の値の一定電圧が第1回路に印加され、電流計により検出された電流値IGlcが解析部3に入力される。ここで、電流値(IGlc)とゲル301のグルコース濃度(CGlc)との間には以下の式(1)が成り立つ。
Glc = A ・ IGlc + B(AおよびBは定数)・・・(1)
解析部3は、式(1)に基づいて、電流値IGlcからグルコース濃度CGlcを算出する。
さらに、解析部3は、得られたグルコース濃度CGlcと、抽出溶媒の量、すなわちゲルの体積Vとを用いて、以下の式(2)に基づいて、抽出グルコース量(MGlc)を算出する。
Glc = CGlc ・ V・・・(2)
また、抽出した無機イオン濃度を測定する場合には、被験者は、操作ボタン7によりスイッチ6gをイオン濃度測定用回路6bに切り替えるとともに、測定開始を指示する。これにより、定電圧制御回路を通して所定の値の一定電圧が第2回路に印加され、電流計により検出された電流値Iiが解析部3に入力される。ここで、電流値Iiとゲル301の無機イオン濃度を示すイオン濃度Ciとの間には以下の式(3)が成り立つ。
i = C ・ Ii + D(CおよびDは定数)・・・(3)
解析部3は、式(3)に基づいて、電流値Iiからイオン濃度Ciを算出する。
また、解析部3は、無機イオン濃度Ciと、ゲル301の体積Vと、抽出時間tとから、抽出部位における無機イオンの抽出速度Jiを以下の式(4)により算出する。
i = Ci ・ V ・ 1/t・・・(4)
そして、解析部3は、算出したイオン抽出速度Jiから、グルコースの抽出され易さを示す推定グルコース透過率(PGlc(calc))を以下の式(5)に基づいて算出する。
Glc(calc) = E ・ Ji + F(EおよびFは定数)・・・(5)
式(5)は、次のようにして得られる。
すなわち、グルコースの抽出され易さを示すグルコース透過率は、本来、採血によって得られる血糖AUCと抽出したグルコースの量との比率(これらの比率を、真のグルコース透過率P・Glcと仮称する)によって与えられる。後述するように、真のグルコース透過率P・Glcは、イオン抽出速度Jiと一定の相関関係を示すため、イオン抽出速度Jiと真のグルコース透過率P・Glcとに基づいて近似式を求めることにより、式(5)を得ることができる。
式(5)によれば、採血を経ることなく取得可能なイオン抽出速度Jiに基づいて、グルコースの抽出され易さを示す推定グルコース透過率PGlc(calc)を得ることができる。
解析部3は、式(2)によって得られる抽出グルコース量MGlcと、式(5)によって得られる推定グルコース透過率PGlc(calc)とから、以下の式(6)に基づいて推定血糖AUC(predicted AUCBG)を算出する。
predicted AUCBG =MGlc /PGlc(calc)・・・(6)
この推定血糖AUC(predicted AUCBG)は、複数回の採血を行って算出した採血血糖AUCと高い相関を有する値である。なお、推定血糖AUCと採血血糖AUCとの相関性は、後に詳細に説明する。この推定血糖AUCの値は、表示部1に表示されるとともに、記録部2に記録される。このようにして測定工程が終了する。
また、第1の実施の形態においては、predicted AUCBGを測定するために、解析部3においてグルコース濃度CGlc、抽出グルコース量MGlc、イオン濃度Ci、イオン抽出速度Jiおよび推定グルコース透過率PGlc(calc)を算出する構成を例示したが、このような構成でなくてもよい。例えば、predicted AUCBGを算出するための式(6)は、式(1)〜(5)より、次の式(6)´に置き換えることができる。
predicted AUCBG
{(A・IGlc+B)・t}/[E・(C・Ii+D)・F]・・・(6)´
(A〜Fは定数である)
したがって、式(6)´を用いれば、解析部3は、電流値IGlcおよび電流値Iiに基づいて直接的にpredicted AUCBGを算出することができる。
第1の実施の形態では、前述したように、被験者の皮膚から180分間という長時間をかけてグルコースを含む組織液を抽出するため、組織液の抽出から180分間の期間内における生体内のグルコースの変化量の総量を反映する十分な量のグルコースを含んだ組織液が抽出される。したがって、抽出された組織液中の蓄積グルコース量から、推定血糖AUCを取得することにより、従来の測定方法によっては得ることができなかった、所定期間内における生体内のグルコースの変化量の総量を反映した値を測定することができる。また、第1の実施の形態に係る測定方法では採血を行なわないので、侵襲度合いを小さくすることができる。これにより、被験者の負担を軽減しながら、前記期間内に生体内を循環したグルコースの総量を反映した値を測定することができる。また、グルコースを含む組織液を60分間以上抽出することによって、グルコースが長時間かけて収集されるので、グルコースを生体から収集するための力(電気など)を印加することなく、測定に充分な量のグルコースを抽出することができる。これにより、グルコースの収集を亢進するための力(電気など)を印加する装置を被験者が装着する必要がないので、より簡易的に測定を行うことができる。
また、第1の実施の形態では、微細孔601が形成された皮膚600を介してグルコースを含む組織液の抽出を行うことによって、皮膚600のうち微細孔601が形成された部位を介して組織液が抽出されやすくなるので、グルコースを生体から収集するための力(電気など)を印加することなく、測定に充分な量のグルコースを容易に収集することができる。
ここで、第1の実施の形態においては、組織液を抽出する時間を180分間としたが、これに限られるものではなく、組織液を抽出する時間は60分間以上の時間の範囲内で任意に設定することができる。糖負荷後60分間の血糖曲線下面積を測定し、高血糖状態を把握することは、被験者の糖負荷に対するインスリン分泌応答速度などを知ることができ、病態把握に有用である。また、抽出時間を120分間以上とすることによって、抽出時間を60分以上120分未満とした場合と比較してより長期的な血糖変動状態を把握することができ、抽出時間を180分間以上とすることによって、抽出時間を60分以上180分未満とした場合と比較してさらに長期的な血糖変動状態を把握することができる。
また、第1の実施の形態では、採血血糖AUCに相当する推定血糖AUCを得ることによって、採血を行うことなく採血血糖AUCに相当する値を得ることができるので、被験者の負担を軽減しながら、糖尿病患者の病態把握を行うことができる。
また、第1の実施の形態では、抽出した組織液中のグルコース量の値と、抽出した組織液中の無機イオンの量とに基づいて推定血糖AUCを得ることによって、後述するように、組織液中の各種イオン種に基づく電気伝導度を採用する場合に比べて、採血血糖AUCに対してより相関性が高い推定血糖AUCを得ることができる。すなわち、血糖AUCの測定精度を向上させることができる。
また、第1の実施の形態では、タイマー部8によって抽出の終了を通知することによって、被験者はタイマー部8による通知によって抽出の終了を知ることができるので、抽出時間が予定された時間とずれるのを抑制することができる。
[第2の実施の形態]
図14および図15は、本発明の第2の実施の形態に係る血糖AUC測定方法の測定手順を説明するための図である。この第2の実施の形態では、抽出媒体として純水を含有するゲルを用いた第1の実施の形態と異なり、純水そのものを用いてグルコースおよび無機イオンを含む組織液を抽出する例を説明する。第2の実施の形態における測定手順は、第1の実施の形態の測定手順とほぼ同じであるので、第1の実施の形態において示した測定フローをもとに説明することとする。
第2の実施の形態に係る血糖AUC測定方法で用いられる、組織液が保持可能なリザーバー部材70は、図14に示されるように、上下に開口を有する短筒状の支持部材700からなっており、この支持部材700の一方の端面には粘着層701が形成されている。使用前においては、粘着層701には剥離紙703が貼付されている。
(ステップS1:前処理工程)
第2の実施の形態では、前記第1の実施の形態と同様に、まず、被験者は、皮膚600をアルコールなどを用いて洗浄し、測定結果の攪乱要因となる物質(汗、塵など)を除去する。そして、洗浄を行った後に、微細針チップ500を装着した穿刺具400により皮膚600に微細孔601を形成する。
(ステップS2:タイマー設定工程)
次に、被験者は、タイマー部8により抽出時間を設定する。
(ステップS3〜S5:抽出−蓄積工程)
次に、図15に示されるように、被験者は、剥離紙703を剥がして支持部材700を微細孔601を形成した部位に粘着層701により貼り付ける。そして、上側の開口を介して支持部材700内にピペット(図示せず)により所定の量の純水704を注入した後、当該純水704の蒸発を防ぐために支持部材700の上側の開口をシール部材702によりシールする。これにより、微細孔601を形成した部位と純水704とが接触するとともに、微細孔601を介してグルコースおよび無機イオンを含む組織液が純水704中に移動し始めて、抽出が開始される(ステップS3)。また、被験者は、抽出の開始と同時にタイマー部8のアラーム装置をオンにする。この後、所定の時間(アラームの設定時間)が経過するまで支持部材700を皮膚600に貼り付けた状態で放置する(ステップS4)。そして、所定の時間が経過してアラームが鳴った時点で被験者はシール部材702を取り外すとともに、ピペットにより支持部材700内の液体(組織液が抽出された純水704)を回収する(ステップS5)。これにより、抽出−蓄積工程が終了する。
(ステップS6:測定工程)
次に、回収した抽出媒体に対して無機イオン濃度、グルコース濃度の順に濃度測定を行う。無機イオン濃度の測定は、例えばダイオネクス社製のイオンクロマトグラフを用いて行う。得られたイオン濃度Ciと、ピペットにより回収した抽出媒体の体積Vと、抽出時間tとから、抽出部位における無機イオンの抽出速度Jiを以下の式(7)により算出する。
i = Ci ・ V ・ 1/t・・・(7)
このイオン抽出速度Jiから、前記式(5)を用いて推定グルコース透過率(PGlc(calc))を得ることができる。
次に、回収した抽出媒体を高速液体クロマトグラフィーにかけてグルコース濃度CGlcを測定する。このグルコース濃度CGlcと、使用された純水の体積Vとから、前記式(2)に基づいて抽出グルコース量MGlcを算出する。そして、得られた抽出グルコース量MGlcと推定グルコース透過率PGlc(calc)とから、前記式(6)に基づいて推定血糖AUC(predictedAUCBG)を算出する。これにより、測定工程が終了する。
<計算例>
第2の実施の形態に係る測定方法により血糖値を算出した例について説明する。抽出時間を3時間とし、時間通知手段としてアラーム機能付きタイマーを使用した。実験に用いた検体Aの実測値は以下のとおりであった。
検体Aの実測値
抽出グルコース濃度: 3820ng/ml
抽出媒体(純水)量: 100μl
抽出ナトリウムイオン濃度: 2.43mM
曲線下面積(採血測定法): 281mg・h/dl
前記式(2)より、抽出グルコース濃度MGlcは、
Glc=(抽出グルコース濃度)×(抽出媒体量)
=3820×100/1000
=382ng
また、イオン抽出速度Jiは、前記式(4)より、
i=(抽出ナトリウムイオン濃度)×(抽出媒体量)/(抽出時間)
=2.43×103×100×10-6/3
=8.1×10-2(μmol/h)
ついで、推定グルコース透過率PGlc(calc)は、前記式(5)より、
Glc(calc)=α×(イオン抽出速度)+β
=21.467×8.1×10-2-0.4198
=1.32(10-6・dl/h)
ここで、α=21.467、β=-0.4198という値は、図17を用いて後述するように実験により得た値である。
ついで、前記式(6)を用いて、推定血糖AUC(predicted AUCBG)を算出する。
predicted AUCBG=MGlc/PGlc(calc)
=382/1.32
=289.4(mg・h/dl)
以上のようにして算出された推定血糖AUC(predicted AUCBG)は、別途採血により曲線下面積(採血による測定法)から得られた検査値281mg・h/dlと一致しており、この289.4(mg・h/dl)を検体Aの血糖AUCとして出力した。この値は、測定装置100の表示部1に表示される。
次に、第2の実施の形態に係る測定方法を用いて実際に測定した推定血糖AUC(predictedAUCBG)と採血による採血血糖AUC(AUCBG)との相関関係を、実験例を用いつつ説明する。図16〜20は、本発明の第2の実施の形態に係る推定血糖AUC(predictedAUCBG)と採血による採血血糖AUC(AUCBG)との相関関係を説明するための図である。なお、以下の説明において相関係数R2とは、縦軸のパラメータと横軸のパラメータとの相関の強さを表す−1から1までの値であり、1に近い値であるほど相関が高いことを示す。各プロットの全てにおいて傾きが正の同一直線上にある場合に、相関係数は1となる。
<実験例1および比較実験例1>
抽出媒体として純水を用いて血糖AUCの推定精度を検証した。グルコース透過率を推定するためのパラメータとしてナトリウムイオン濃度をイオンクロマトグラフで測定し、その値から得られるイオン抽出速度を用いる場合(実験例1)と、同じくパラメータとして溶媒導電率を用いる場合(比較実験例1)について比較した。実験条件は以下のとおりである。
〔実験条件〕
抽出溶媒: 純水90μL
抽出形態: 液体チャンバー(収集部材)
抽出面積: 5mm×10mm
抽出時間: 3時間
検体(被験者)数: 7人
部位数: 66部位
グルコース濃度測定方法: GOD蛍光吸光度法
パラメータ測定方法: イオンクロマトグラフ(実験例1)
導電率計(比較実験例1)
微細針アレイ形状: 微細針長さ=300μm、微細針数=305本
穿刺速度: 6m/s
血糖測定方法: 前腕SMBG値を15分間隔で測定
血糖AUC測定方法: 前腕SMBG値より台形近似法で算出
前記条件により得られた血糖AUC(AUCBG)と、抽出されたグルコース量(MGlc)との相関を図16に示す。なお、図16において、プロット記号の違いは検体の違いを示している。
図16より分かるように、血糖AUC(AUCBG)と抽出グルコース量(MGlc)の相関性は低い。このように両者の相関性が低い理由は、検体や測定部位によってグルコース透過率(抽出グルコース量を血糖AUCで除した値。MGlc/AUCBG)が異なるためである。
次に、血糖AUC(AUCBG)を測定するのに必要なグルコース透過率(PGlc)を推定するために、当該グルコース透過率(PGlc)と、抽出部位におけるイオン抽出速度(Ji)との相関性について検討した。
図17は、実験例1に係るグルコース透過率(PGlc)とイオン抽出速度(Ji)との相関性を示す図であり、図18は、比較実験例1に係るグルコース透過率(PGlc)と溶媒導電率(k)との相関を示す図である。図17〜18より、グルコース透過率(PGlc)とイオン抽出速度(Ji)との相関係数R2は0.8863であり、グルコース透過率(PGlc)と溶媒導電率(k)(相関係数R2=0.7847)に比べて、高い相関性があることが分かる。
そして、この相関性を利用し、以下の式(8)または式(9)を用いて推定グルコース透過率(PGlc(calc))を得ることができる。
実験例1:PGlc(calc)=α×Ji+β(α=21.467、β=−0.4198)・・・(8)
比較実験例1:α×k+β(α=0.0139、β=−0.8049)・・・(9)
ここで、αとβは前記実験結果から算出される計算値である。
血糖AUC(AUCBG)、グルコース透過率(PGlc)、および抽出グルコース量(MGlc)は、次の式(10)のように表わされる。
Glc=PGlc×AUCBG・・・(10)
したがって、各被験者の推定血糖AUC(predictedAUCBG)は、以下の式(11)を用いて算出することができる。
predictedAUCBG=MGlc/PGlc(calc)・・・(11)
この式(11)を用いて算出した推定血糖AUC(predictedAUCBG)と、採血により求めた血糖AUC(AUCBG)との相関性を図19(実験例1)および図20(比較実験例1)に示す。図19〜20に示されるように、パラメータとして導電率を用いた比較実験例1では、血糖AUC(AUCBG)と推定血糖AUC(predictedAUCBG)が相関係数R2=0.4587程度の相関性を有しているのに対して、パラメータとしてイオン抽出速度を用いた実験例1では、それよりも大きい0.5294程度の相関性を有していることが分かる。
ここで、推定血糖AUC(predictedAUCBG)の精度を評価するために、測定値と真の値との比rを次のようにして求めた。
r=predictedAUCBG/AUCBG
このrが1を中心にしてどの程度の分散をもつのかを評価することによって、前記測定系の精度を評価した。図19(実験例1)および図20(比較実験例1)におけるrの分布をそれぞれ図21および図22に示す。
ここで、図21と図22の測定誤差の分布の差をF検定によって評価したところ、P<0.005で有意差が認められた。すなわち、グルコース透過率の推定パラメータとして、溶媒導電率から推定されたイオン抽出速度よりも、ナトリウムイオン濃度を直接測定して得られるイオン抽出速度の方が高精度に推定することができ、有用であることが分かった。
無機イオンであるナトリウムイオン濃度を単独で測定する方が、無機イオン以外のイオンを含むすべての電解質濃度を用いて測定するよりも、血糖AUC測定精度が高いことが推察される。
また、図23は、図22で示したr(測定値と真の値との比)と、各測定点での溶媒伝導率中に占めるナトリウムイオンの寄与率との関係を示している。図23より、導電率に対するナトリウムイオンの寄与率が高い検体は、r=1付近に分布し、寄与率が低い検体に比べて血糖AUCの測定精度が高いことが分かる。このことからも、無機イオンであるナトリウムイオンがグルコース透過率と良い相関関係にあることが推察される。
<実験例2>
この実験例2では、抽出時間が60分または120分である場合において、糖負荷後の血糖時間曲線下面積を推定可能であることを、以下の実験より説明する。なお、図24〜30において、プロット記号の違いは検体の違いを示している。
実験方法は以下のとおりである。
〔実験条件〕
抽出溶媒: 純水90μL
抽出形態: 液体チャンバー(収集部材)
抽出面積: 5mm×10mm
抽出時間: 60分および120分
検体数: 6人
部位数: 22部位
グルコース測定方法: GOD蛍光吸光法
ナトリウムイオン測定方法:HPLC測定
微細針アレイ形状: 微細針長さ=300μm、微細針数=305本
穿刺速度: 6m/s
血糖測定方法: 前腕SMBG値を15分間隔で測定
血糖AUC測定方法: 前腕SMBG値より台形近似法で算出
まず、AUCBG1h(糖負荷後1時間の血糖時間曲線下面積)およびAUCBG2hの推定値算出方法を示す。AUCBG1hおよびAUCBG2hと抽出グルコース量(MGlc)の関係を図24、図25に示す。
抽出グルコース(MGlc)とAUCBGxh(糖負荷後x時間の血糖曲線下面積)の間には次の関係式が成り立つ。
Glc = PGlc × AUCBGxh・・・(12)
Glcはグルコース透過率である。このグルコース透過率と、抽出溶媒のナトリウムイオン濃度から求められたイオン抽出速度Jiには図26および図27に示すような相関性がみられた。
この相関性を用いて、1時間抽出時および2時間抽出時の推定グルコース透過率PGlc(calc)は、次の式(13)、(14)より求められる。
1時間抽出時: PGlc(calc) = α×Ji + β (α=23.384、β=0.1034)・・・(13)
2時間抽出時: PGlc(calc) = α×Ji + β (α=27.223、β=−0.4129)・・・(14)
式(13)および式(14)よりえられたPGlc(calc)を用いて、AUCBG1hおよびAUCBG2hは、式(12)を変形した次の式(15)より推定することができる。
predictedAUCBG = MGlc / PGlc(calc)・・・(15)
式(15)より得られたpredictedAUCBG1hおよびpredictedAUCBG2hと血糖値より得られるAUCBG1h、AUCBG2hの相関性を図28、図29に示す。
この結果より、相関係数R2=0.6508および0.8463と高い値が得られていることから、本手法を用いてAUCBG1h、AUCBG2hを測定できることが示された。
<実験例3>
グルコース透過率を推定するためのパラメータとして塩化物イオン濃度を用い、実験例1と同様の手法で、グルコース透過率(PGlc)と、抽出部位におけるイオン抽出速度(Ji)との相関性について検討した。なお、塩化物イオン濃度の測定は、HPLCを用いて行った。実験条件は以下のとおりである。
〔実験条件〕
抽出溶媒: 純水90μL
抽出形態: 液体チャンバー(収集部材)
抽出面積: 5mm×10mm
抽出時間: 10分毎にサンプリングし、2時間
検体(被験者)数: 1人
部位数: 3部位
グルコース濃度測定方法: GOD蛍光吸光度法
パラメータ測定方法: HPLC測定
微細針アレイ形状: 微細針長さ=300μm、微細針数=305本
穿刺速度: 6m/s
図35は、実験例3に係るグルコース透過率(PGlc)とイオン抽出速度(Ji)との相関性を示す図である。図35より、グルコース透過率(PGlc)とイオン抽出速度(Ji)との相関係数R2は0.95であり、高い相関性があることが分かる。このことから、無機イオンである塩化物イオンもパラメータとして用いることができることが示された。
<実験例4>
グルコース透過率を推定するためのパラメータとしてカリウムイオン濃度を用い、実験例1と同様の手法で、グルコース透過率(PGlc)と、抽出部位におけるイオン抽出速度(Ji)との相関性について検討した。なお、カリウムイオン濃度の測定は、HPLCを用いて行った。実験条件は以下のとおりである。
〔実験条件〕
抽出溶媒: 4mol/lの尿素水溶液(100μL)
抽出形態: 液体チャンバー(収集部材)
抽出面積: 5mm×10mm
抽出時間: 15分毎にサンプリングし、2時間
検体(被験者)数: 1人
部位数: 3部位
グルコース濃度測定方法: GOD蛍光吸光度法
パラメータ測定方法: HPLC測定
微細針アレイ形状: 微細針長さ=300μm、微細針数=305本
穿刺速度: 6m/s
図36は、実験例3に係るグルコース透過率(PGlc)とイオン抽出速度(Ji)との相関性を示す図である。図36より、グルコース透過率(PGlc)とイオン抽出速度(Ji)との相関係数R2は0.85であり、高い相関性があることが分かる。このことから、無機イオンであるカリウムイオンもパラメータとして用いることができることが示された。
[他の実施の形態]
第1の実施の形態に係る測定方法では、体内から抽出された組織液が蓄積されたゲル301を測定装置100の設置部5にセットして、当該ゲル301中のグルコース濃度および無機イオン濃度を測定しているが、ゲル301中の分析物を専用容器内で純水中に回収し、この回収溶液中の分析物濃度を測定することもできる。
例えば、皮膚からの分析物の抽出を終了したゲル301を備えたゲルリザーバー20(基板21の片面にゲル301が配設されたもの)を、図30に示されるように、回収用チューブ30内で純水からなる回収液31に浸漬し、ゲル301内に蓄積された分析物を回収する。分析物の回収が終了した後、図31に示されるように、シリンジ32によって回収用チューブ30内の回収液31を、測定装置40の導入部70を介し、測定部41に移動させる。測定部41には、前述した測定装置100と同様のグルコース濃度測定用電極42およびイオン濃度測定用電極43が配設されており、電気制御部44および解析部45によって、式(1)〜(6)を用いた前述した方法により、グルコース濃度、および無機イオン濃度が測定され、血糖AUCの解析が行われる。得られた結果は、表示部46にて出力される。
また、ゲル301中の分析部を他の方法で回収することもできる。図32に示されるように、皮膚からの分析物の抽出を終了したゲル301を備えたゲルリザーバー20を専用の回収カートリッジ50にセットする。この回収カートリッジ50は、箱形状のカートリッジ本体51からなっており、カートリッジ本体51の対向する壁面の一方に回収液の流入口52が形成されており、他方には回収液の流出口53が形成されている。ゲルリザーバー20は、カートリッジ本体51の一面に形成された開口54からゲル301が当該カートリッジ本体51内部に突出するように、回収カートリッジ50にセットされる。
ついで、図33に示されるように、回収カートリッジ50を測定装置60の所定箇所にセットする。この測定装置60は、タンク部61およびポンプ部62を備えており、タンク部61、ポンプ部62、カートリッジ本体51および測定部63に至る回収液の導入部70として流路が形成されている。また、測定部63には、前述した測定装置100と同様のグルコース濃度測定用電極64およびイオン濃度測定用電極65が配設されている。回収カートリッジ50にセットした後、ポンプ部62を駆動させてタンク部61に収容されている、ゲル内分析物回収用の回収液69をカートリッジ本体51内に移送する(図33参照)。なお、図示は省略しているが、カートリッジ本体51の流出口53の下流側にはバルブが配設されており、回収液69をカートリッジ本体51内に移送するに先立って、当該バルブが閉止される。
カートリッジ本体51内に回収液69を充填させた状態で一定時間放置し、ゲル301内の分析物を回収液69中に回収する。その後、前記バルブを開けて、図34に示されるように、ポンプ部62を駆動させて回収液69を、カートリッジ本体51内から、導入部70である流路を介して、測定部63に移送する。ついで、電気制御部66および解析部67によって、式(1)〜(6)を用いた前述した方法により、グルコース濃度、および無機イオン濃度が測定され、血糖AUCの解析が行われる。得られた結果は、表示部68にて出力される。
なお、今回開示された実施の形態および実験例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前述した実施の形態および実験例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、第1および第2の各実施の形態では、電気を印加せずに受動拡散により皮膚から組織液を抽出した例を示したが、本発明はこれに限らず、イオントフォレシス法を用いて電気の力により組織液を抽出してもよい。この場合でも、60分以上の長時間をかけて抽出を行う場合、短時間で抽出を行うために強い電圧を印加する必要がない。これにより、電気を印加する装置を小型化することができる。
また、第1および第2の各実施の形態では、穿刺具400により微細孔601を形成した後に組織液の抽出を行った例を示したが、本発明はこれに限らず、微細孔を形成しないで抽出を行ってもよい。あるいは、微細孔の形成に代えて、皮膚の角質を除去するいわゆるピーリングなどによって組織液の抽出を促進してもよい。微細孔を形成しない場合には、イオントフォレシスなどにより組織液の抽出を促進してもよい。
また、第1の実施の形態では、ゲル301としてポリビニルアルコールからなるゲルを使用した例を示したが、本発明はこれに限らず、セルロースまたはポリアクリル酸からなるゲルを使用してもよい。
また、第1および第2の各実施の形態では、糖尿病患者の病態把握に用いられる指標の一つである採血血糖AUCに相当する値として推定血糖AUCを算出した例を示したが、本発明はこれに限らず、本発明の測定方法を用いて得られる値を他の病気の病態把握に用いてもよい。
また、第1および第2の各実施の形態では、組織液中のグルコース量を測定した例を示したが、本発明はこれに限らず、組織液中に含まれるグルコース以外の物質の量を測定し、何らかの指標として用いてもよい。本発明により測定される物質としては、たとえば、生化学成分や被験者に投与された薬剤などが挙げられる。生化学成分としては、生化学成分の一種であるたんぱく質の、アルブミン、グロブリンおよび酵素などが挙げられる。また、たんぱく質以外の生化学成分として、クレアチニン、クレアチン、尿酸、アミノ酸、フルクトース、ガラクトース、ペントース、グリコーゲン、乳酸、ピルビン酸およびケトン体などが挙げられる。また、薬剤としては、ジギタリス製剤、テオフィリン、不整脈用剤、抗てんかん剤、アミノ酸糖体抗生物質、グリコペプチド系抗生物質、抗血栓剤および免疫抑制剤などが挙げられる。
また、第1の実施の形態では、算出した推定血糖AUCの値をそのまま表示部1に表示した例を示したが、本発明はこれに限らず、算出した推定血糖AUCの値を抽出時間で除した値を表示部1に表示してもよい。これにより、単位時間当たりの推定血糖AUCを得ることができるので、抽出時間が異なる場合にも、それらの値を容易に比較することができる。
また、無機イオンとして、ナトリウムイオン、カリウムイオン及び塩化物イオンの実験例1〜4を示したが、本発明における無機イオンはこれに限られない。ここで、本発明における無機イオンとしては、組織液中に含まれる無機イオンであれば特に制限されず、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン及びリン酸イオンなどが挙げられ、ナトリウムイオン、カリウムイオン及び塩化物イオンが好ましい。
1 表示部
2 記録部
3 解析部
4 電源
5 設置部
6 電気回路
6a グルコース濃度測定用回路
6b イオン濃度測定用回路
7 操作ボタン
8 タイマー部
100 測定装置(生体内成分測定装置)
200 センサチップ
201 基板
202 グルコース濃度測定用電極
203 イオン濃度測定用電極
300 収集部材
301 ゲル
302 支持部材
303 粘着層
304 剥離紙
400 穿刺具
500 微細針チップ
501 微細針
600 皮膚
601 微細孔

Claims (20)

  1. 生体から組織液を抽出媒体中へ抽出し、抽出された組織液中の測定対象成分および無機イオンを蓄積する工程と、
    蓄積された前記無機イオンの量に関するイオン情報を取得する工程と、
    蓄積された前記測定対象成分の量に関する成分情報を取得する工程と
    を含んでおり、前記イオン情報および成分情報に基づいて、前記測定対象成分の量に関する解析値を取得することを特徴とする生体内成分測定方法。
  2. 前記イオン情報が無機イオンの濃度である請求項1に記載の生体内成分測定方法。
  3. 前記組織液を抽出する時間が60分間以上である請求項1または2に記載の生体内成分測定方法。
  4. 前記生体からの組織液の抽出を促進する工程として当該生体の皮膚に微細孔を形成する工程を更に含んでおり、
    前記組織液の抽出は、前記微細孔が形成された皮膚を介して行われる請求項1〜3のいずれかに記載の生体内成分測定方法。
  5. 前記組織液を抽出する時間が180分間以上である請求項1〜4のいずれかに記載の生体内成分測定方法。
  6. 前記測定対象成分がグルコースである請求項1〜5のいずれかに記載の生体内成分測定方法。
  7. 前記測定対象成分の量に関する解析値が、前記測定対象成分の血中濃度―時間曲線下面積に相当する値である請求項1〜6のいずれかに記載の生体内成分測定方法。
  8. 前記組織液を抽出媒体中へ抽出する工程が、当該組織液の抽出開始から60分以上の所定時間が経過したことを通知するための時間通知手段によって、抽出の終了を通知する工程を含む請求項1〜7のいずれかに記載の生体内成分測定方法。
  9. 無機イオンが、ナトリウムイオン、カリウムイオン又は塩化物イオンである、請求項1〜8のいずれかに記載の生体内成分測定方法。
  10. 生体から抽出された組織液に含まれる、測定対象成分、および無機イオン蓄積可能な収集部材をセットするためのセット部と、
    このセット部にセットされた前記収集部材によって蓄積された、前記測定対象成分の量に関する成分情報、および無機イオンの量に関するイオン情報を取得するための検出部と、
    前記イオン情報および成分情報に基づいて、前記測定対象成分の量に関する解析値を取得する解析部と
    を備えたことを特徴とする生体内成分測定装置。
  11. 前記イオン情報が無機イオンの濃度である請求項10に記載の生体内成分測定装置。
  12. 収集部材が、60分間以上抽出された組織液中の測定対象成分、および無機イオンを蓄積可能に構成されている請求項10または11に記載の生体内成分測定装置。
  13. 収集部材が、180分間以上抽出された組織液中の測定対象成分、および無機イオンを蓄積可能に構成されている請求項10〜12のいずれかに記載の生体内成分測定装置。
  14. 前記測定対象成分がグルコースである請求項10〜13のいずれかに記載の生体内成分測定装置。
  15. 前記組織液の抽出開始から60分以上の所定時間が経過したことを通知するための時間通知手段を更に備えている請求項10〜14のいずれかに記載の生体内成分測定装置。
  16. 検出部が、前記測定対象成分の量に関する成分情報を取得するための第1検出部と、無機イオンの量に関するイオン情報を取得するための第2検出部を含む、請求項10〜15のいずれかに記載の生体内成分測定装置。
  17. 検出部が、白金電極にグルコースオキシダーゼ酵素膜が形成された作用電極および白金電極からなる対電極を有するグルコース濃度測定用電極を含む、請求項14に記載の生体内成分測定装置。
  18. 検出部が、無機イオンの選択膜を備えた銀または塩化銀からなるイオン選択性電極、および銀または塩化銀からなる対電極を有するイオン濃度測定用電極を含む、請求項11に記載の生体内成分測定装置。
  19. 無機イオンが、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたは塩化物イオンである、請求項10〜18のいずれかに記載の生体内成分測定装置。
  20. 生体から抽出した組織液に含まれる、測定対象成分、および無機イオンを含む試料を導入するための導入部と、
    導入部に導入された試料に含まれる、前記測定対象成分の量に関する成分情報、および無機イオンの量に関するイオン情報を取得するための検出部と、
    検出部で検出された前記イオン情報および成分情報に基づいて、前記測定対象成分の量に関する解析値を取得する解析部と
    を備えたことを特徴とする生体内成分測定装置。
JP2009269052A 2008-12-22 2009-11-26 生体内成分測定方法および生体内成分測定装置 Active JP5470010B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009269052A JP5470010B2 (ja) 2008-12-22 2009-11-26 生体内成分測定方法および生体内成分測定装置
CN200910253746.2A CN101762629B (zh) 2008-12-22 2009-12-17 生物体内成分测定方法以及生物体内成分测定装置
EP09015799.1A EP2198774B1 (en) 2008-12-22 2009-12-21 In vivo component measurement method and in vivo component measurement apparatus
US12/645,080 US20100160758A1 (en) 2008-12-22 2009-12-22 In vivo component measurement method and in vivo component measurement apparatus

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008325824 2008-12-22
JP2008325824 2008-12-22
JP2009269052A JP5470010B2 (ja) 2008-12-22 2009-11-26 生体内成分測定方法および生体内成分測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010169662A true JP2010169662A (ja) 2010-08-05
JP5470010B2 JP5470010B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=42105924

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009269052A Active JP5470010B2 (ja) 2008-12-22 2009-11-26 生体内成分測定方法および生体内成分測定装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20100160758A1 (ja)
EP (1) EP2198774B1 (ja)
JP (1) JP5470010B2 (ja)
CN (1) CN101762629B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012217667A (ja) * 2011-04-11 2012-11-12 Sysmex Corp 生体成分測定方法
JP2012251857A (ja) * 2011-06-02 2012-12-20 Nagaoka Univ Of Technology ストレスの評価方法
JP2014025919A (ja) * 2012-06-22 2014-02-06 Sysmex Corp 生体内成分測定方法および生体内成分測定装置

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1964512A3 (en) * 2007-02-28 2008-10-29 Sysmex Corporation Method of measuring skin conductance, method of analyzing component concentration, skin conductive measuring apparatus, and component concentration analyzer
JP2010271259A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Sysmex Corp 生体成分分析方法、生体成分分析装置、生体成分分析用カートリッジおよび生体成分分析用キット
EP2651298A1 (en) * 2010-12-17 2013-10-23 Sanofi-Aventis Deutschland GmbH Bodily fluid analysis device
JP5815362B2 (ja) 2011-10-17 2015-11-17 シスメックス株式会社 耐糖能分析装置、耐糖能分析システム及びコンピュータプログラム
JP2017049106A (ja) * 2015-09-01 2017-03-09 シスメックス株式会社 血液中の測定対象成分の濃度状態を解析する方法及び装置
CN112083102A (zh) * 2020-09-15 2020-12-15 安徽皖维高新材料股份有限公司 一种测定pva中硫酸根离子含量的方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04502561A (ja) * 1988-01-29 1992-05-14 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティー オブ カリフォルニア イオン滲透非侵襲的サンプリングまたは送出装置
JP2000298131A (ja) * 1999-04-14 2000-10-24 Ryuzo Kawamori 前糖尿病状態の検出方法
JP2005525834A (ja) * 2001-07-27 2005-09-02 デックスコム・インコーポレーテッド 埋設可能なデバイスと一緒に使用するためのセンサヘッド
JP2007260315A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Sysmex Corp 分析装置および分析方法
JP2008518662A (ja) * 2004-10-28 2008-06-05 ソントラ メディカル コーポレイション ヒドロゲルを使用した検体のサンプリングおよび分析のためのシステムおよび方法
JP2008206875A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Sysmex Corp 皮膚コンダクタンス測定装置、成分濃度分析装置、皮膚コンダクタンス測定方法および成分濃度分析方法
JP2008237271A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Sysmex Corp 皮膚透過率測定方法、成分濃度分析方法、皮膚透過率測定装置および成分濃度分析装置

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT391998B (de) * 1987-02-02 1990-12-27 Falko Dr Skrabal Vorrichtung zur bestimmung der konzentration zumindest einer medizinischen substanz in lebenden organismen
US7267665B2 (en) * 1999-06-03 2007-09-11 Medtronic Minimed, Inc. Closed loop system for controlling insulin infusion
US6558351B1 (en) * 1999-06-03 2003-05-06 Medtronic Minimed, Inc. Closed loop system for controlling insulin infusion
JP3063837B2 (ja) * 1997-09-26 2000-07-12 日本電気株式会社 尿マルチセンサ
US6602678B2 (en) * 1998-09-04 2003-08-05 Powderject Research Limited Non- or minimally invasive monitoring methods
US6885883B2 (en) * 2000-05-16 2005-04-26 Cygnus, Inc. Methods for improving performance and reliability of biosensors
EP1270041A1 (en) * 2001-06-22 2003-01-02 Universite De Geneve Device for non-invasively determining the relative levels of two substances present in a biological system
US7150975B2 (en) * 2002-08-19 2006-12-19 Animas Technologies, Llc Hydrogel composition for measuring glucose flux
US8233959B2 (en) * 2003-08-22 2012-07-31 Dexcom, Inc. Systems and methods for processing analyte sensor data
US20070027383A1 (en) * 2004-07-01 2007-02-01 Peyser Thomas A Patches, systems, and methods for non-invasive glucose measurement
JP5025159B2 (ja) * 2006-04-28 2012-09-12 シスメックス株式会社 生体成分測定装置
EP1964512A3 (en) * 2007-02-28 2008-10-29 Sysmex Corporation Method of measuring skin conductance, method of analyzing component concentration, skin conductive measuring apparatus, and component concentration analyzer
US20110009724A1 (en) * 2009-07-09 2011-01-13 Medtronic Minimed, Inc. Providing contextually relevant advertisements and e-commerce features in a personal medical device system
WO2011044386A1 (en) * 2009-10-07 2011-04-14 Abbott Diabetes Care Inc. Sensor inserter assembly having rotatable trigger

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04502561A (ja) * 1988-01-29 1992-05-14 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティー オブ カリフォルニア イオン滲透非侵襲的サンプリングまたは送出装置
JP2000298131A (ja) * 1999-04-14 2000-10-24 Ryuzo Kawamori 前糖尿病状態の検出方法
JP2005525834A (ja) * 2001-07-27 2005-09-02 デックスコム・インコーポレーテッド 埋設可能なデバイスと一緒に使用するためのセンサヘッド
JP2008518662A (ja) * 2004-10-28 2008-06-05 ソントラ メディカル コーポレイション ヒドロゲルを使用した検体のサンプリングおよび分析のためのシステムおよび方法
JP2007260315A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Sysmex Corp 分析装置および分析方法
JP2008206875A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Sysmex Corp 皮膚コンダクタンス測定装置、成分濃度分析装置、皮膚コンダクタンス測定方法および成分濃度分析方法
JP2008237271A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Sysmex Corp 皮膚透過率測定方法、成分濃度分析方法、皮膚透過率測定装置および成分濃度分析装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012217667A (ja) * 2011-04-11 2012-11-12 Sysmex Corp 生体成分測定方法
JP2012251857A (ja) * 2011-06-02 2012-12-20 Nagaoka Univ Of Technology ストレスの評価方法
JP2014025919A (ja) * 2012-06-22 2014-02-06 Sysmex Corp 生体内成分測定方法および生体内成分測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN101762629A (zh) 2010-06-30
EP2198774A1 (en) 2010-06-23
US20100160758A1 (en) 2010-06-24
CN101762629B (zh) 2014-02-05
JP5470010B2 (ja) 2014-04-16
EP2198774B1 (en) 2018-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5470010B2 (ja) 生体内成分測定方法および生体内成分測定装置
JP5350382B2 (ja) 生体内成分測定方法、生体内成分測定のためのデータ処理方法、および、生体内成分測定装置
US8046043B2 (en) Extraction device, analyzer, extraction method, and analysis method
JP4817692B2 (ja) 分析装置
JP3328290B2 (ja) イオン導入サンプリング装置および方法
AU2005220027B2 (en) Body fluid sampling device
JP2011027737A (ja) 血糖センサ
WO2001070330A2 (en) Non-invasive body fluid sampling and analysis
JP5367598B2 (ja) 血中濃度−時間曲線下面積を用いた血液中の測定対象成分の濃度変動の推定方法及び装置
WO2006077750A1 (ja) 分析装置および分析物抽出カートリッジ
JP6096608B2 (ja) 生体内成分濃度推定方法および生体内成分濃度推定装置
US20170059505A1 (en) Method and apparatus for analyzing concentration state of measurement target component in blood
KR100848529B1 (ko) 체액 샘플링 장치
JP2010220825A (ja) タイマー機能を有する穿刺装置
MXPA06010039A (en) Body fluid sampling device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5470010

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250