JP2000298131A - 前糖尿病状態の検出方法 - Google Patents

前糖尿病状態の検出方法

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JP2000298131A
JP2000298131A JP11106979A JP10697999A JP2000298131A JP 2000298131 A JP2000298131 A JP 2000298131A JP 11106979 A JP11106979 A JP 11106979A JP 10697999 A JP10697999 A JP 10697999A JP 2000298131 A JP2000298131 A JP 2000298131A
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Ryuzo Kawamori
隆造 河盛
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 非侵髪的に前糖尿病状態を簡便に検出する方
法を提供する。 【解決手段】 糖を投与後の一定時間経過後に被験者か
ら採取された尿中のD−キロイノシトールの量または増
加率を定量し、あらかじめ定量された健常人の尿中のD
−キロイノシトールの量または増加率に基づいて設定し
た基準値との比較により前糖尿病状態を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インスリン抵抗
性、高インスリン血症、耐糖能不全等の前糖尿病状態の
検出方法に関するものである。また本発明は、これら前
糖尿病状態を経て発症する疾患、例えば糖尿病、動脈硬
化、高血圧、多嚢胞性卵巣症候群などの疾患の予知法、
診断法、さらに、それら疾患を治療するための薬剤であ
る前糖尿病状態改善剤などの薬物評価法を提供する。
【0002】
【従来の技術】インスリンは、膵臓のβ細胞から分泌さ
れるホルモンであり、骨格筋、肝臓、脂肪組織に作用し
て、血糖を下げる作用を有する。インスリン抵抗性と
は、インスリンが作用するこれらの組織において、イン
スリンが有効に作用しにくくなった状態を意味する。し
たがって、インスリン抵抗性は、糖尿病の原因の一つと
なり得る。ただし、インスリン抵抗性が存在しても、そ
れを補う十分量のインスリン分泌能が膵臓にあれば、分
泌量が増えることによって、血中のインスリン濃度が高
くなり、インスリン抵抗性に打ち勝って血糖を正常に保
つことができることになるので、糖尿病には至らない。
これを高インスリン血症と呼ぶ。つまり、インスリン抵
抗性が存在することが、直ちに糖尿病ということにはな
らないが、糖尿病を発症する危険がある前糖尿病状態と
いえる。また、インスリン抵抗性によって起こる高イン
スリン血症も前糖尿病状態といえる。さらに、前糖尿病
状態の一つの形態として、耐糖能不全という状態があ
る。耐糖能不全とは、食事などによって血中に糖が流入
した際に、血中の糖を骨格筋、肝臓、脂肪組織などの末
梢組織に十分取り込むことができずに、血糖値が上昇す
る状態を言う。
【0003】糖尿病治療の最終的な目標は、糖尿病合併
症の発症予防ならびに進展抑制であるが、この目標を達
成するためには、できるだけ初期の段階から治療するこ
とが重要であるということが、臨床試験によって実証さ
れている[Diabetes Research and Clinical Practice,
28, 103 (1995)など]。さらに、糖尿病を発症する以
前、つまり、前糖尿病状態から治療を行なうことも、さ
らに進んだ予防的治療法として効果があると考えられ、
このことを科学的に実証するための臨床試験が進められ
ている[Diabetes Care, 21, 1720 (1998)など]。した
がって、前糖尿病状態を診断することは、糖尿病の予
防、さらには、糖尿病合併症の予防を行なう上で、極め
て重要である。
【0004】インスリン抵抗性、高インスリン血症、耐
糖能不全などの前糖尿病状態は、糖尿病だけではなく、
動脈硬化、高血圧、肥満、多嚢胞性卵巣症候群(Polycy
sticOvary Syndrome, PCOS)などの疾患と深く関わって
おり、特に、動脈硬化や多嚢胞性卵巣症候群の危険因子
とされている。したがって、これら前糖尿病状態の存在
を検出することは、これらの疾患の発症予防・早期治療
に役立つと考えられる。
【0005】臨床的に現在行われている糖尿病および前
糖尿病状態の診断方法は、国によって基準が少しずつ異
なるが、空腹時の血糖値測定と75g経口糖負荷試験に
おける糖負荷後1時間および/または2時間の血糖値測
定によって行われる。耐糖能不全は、この方法によって
診断されている。高インスリン血症の診断方法は、空腹
時の血漿中インスリン濃度測定と75g経口糖負荷試験
における糖負荷後2時間までの血漿中インスリン濃度測
定によって行われる。これら診断のための血糖値測定お
よび血漿中インスリン濃度の測定は、いずれの場合も血
液を複数回採取する必要があるため、侵襲的な方法であ
り、被験者に苦痛を与える。また、インスリン抵抗性を
臨床的に簡便に測定する方法は、現在確立されておら
ず、高インスリン血症と同様に、空腹時の血漿中インス
リン濃度測定と75g経口糖負荷試験における糖負荷後
2時間までの血漿中インスリン濃度測定によるか、ある
いは、代替法として主にインスリン抵抗性改善剤の投与
の基準として用いられている、肥満の程度をあらわすBM
I(Body Mass Index 、日本の場合)、および、治療のた
めに投与しているインスリン量(米国の場合)により、
判断されている。インスリン抵抗性を早期に検出すると
いう観点から考えると、これらの方法は、正確さ、感
度、侵襲的であることなどの点で、満足できる方法では
ない。したがって、これらの欠点を解消する簡便な診断
方法が望まれている。
【0006】侵襲性の少ない糖尿病の診断方法として、
尿中のD−キロイノシトールを測定する試みは、いくつ
かなされている。糖尿病患者の尿中のD−キロイノシト
ールの1日の排泄量が健常人の尿中の1日の排泄量より
も低いとする報告[New England Journal of Medicine,
323, 373 (1990)など]と、逆に糖尿病患者の尿中で高
いとする報告[Proceedings National Academy of Scie
nce, U.S.A., 90, 9988 (1993)]があり、一定していな
い。また、前糖尿病状態の一つの形態と考えられる耐糖
能不全(IGT, Impaired Glucose Tolerance)の被験者
の尿中のD−キロイノシトールの1日の排泄量は健常人
よりも有意に低いという報告がある[Diabetes Care, 1
7, 1465 (1994)]。尿中のキロイノシトールの測定によ
る潜在的なインスリン作用抵抗性の診断方法(特表平4-
505218号)、D−キロイノシトールの測定による糖尿病
患者の検出方法(WO94/08044、日本特許2834321号)な
どがある。また体液中のミオイノシトール/キロイノシ
トール比によりインスリン耐性を検出する方法(特表平
10-507826号)も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、非侵襲的
な方法により、前糖尿病状態を簡便に測定する方法を見
出す目的で鋭意研究を行なった結果、糖負荷後一定時間
の間の尿を採取し、尿中のD−キロイノシトールを定量
しあらかじめ設定した基準値と比較することにより、該
目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、被験者
に一定量の糖を投与した後、一定時間の間に被験者から
採取した尿に含有されるD−キロイノシトールの濃度を
定量し、あらかじめ、健常人および前糖尿病状態の人か
ら同様の方法によって採取した尿について定量したD−
キロイノシトールの濃度から作成した基準値と比較する
ことにより、前糖尿病状態を検出する方法が提供され
る。さらに、本発明によれば、インスリン抵抗性、高イ
ンスリン血症、耐糖能不全などの前糖尿病状態から発症
または進展する疾患、例えば、糖尿病、動脈硬化、高血
圧、多嚢胞性卵巣症候群などの疾患の予知法、診断法、
さらに、それら疾患を治療するための薬剤である前糖尿
病状態改善剤などの薬物評価法が提供される。
【0009】本発明により診断あるいは予知できる疾患
は、インスリン抵抗性、高インスリン血症、耐糖能不全
などの前糖尿病状態を経て発症する疾患であれば、いか
なる疾患をも包含する。最も好適な例として、糖尿病の
予知(前糖尿病状態の診断)があげられるが、糖尿病・
動脈硬化・高血圧・多嚢胞性卵巣症候群などの診断にも
応用される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における前糖尿病状態の検
出は、被験者への糖負荷後一定時間後に尿中に排泄され
るD−キロイノシトールの量または増加率をあらかじめ
設定した基準値と比較して行われる。増加率は糖負荷後
一定時間でのD−キロイノシトール量と糖負荷前のD−
キロイノシトール量との比として算出される。
【0011】D−キロイノシトールの濃度は、実測値ま
たは、飲水などによる尿の希釈効果を補正するための適
当な標準となる指標に対する相対値が使用される。指標
としては、たとえば、糖負荷前の尿中のD−キロイノシ
トール濃度やそれぞれの尿サンプル中のクレアチニン濃
度などが利用できる。本発明を実施する上での、糖の投
与量および投与方法は、あらかじめ健常人の基準値と前
糖尿病状態の人の値を定量して、十分な差が認められれ
ば、いかなる量、いかなる方法であってもよいが、通常
の糖負荷試験に用いられている75gグルコースの水溶
液を経口投与する方法が好ましい。
【0012】尿を採取する時期は、糖を負荷した直後か
ら5時間後までのいずれの時期であってもよく、蓄尿の
期間は30分〜2時間の間で適宜選択される。糖負荷後
1時間から3時間までの任意の1時間の尿を採取するこ
とが好ましい。採取した尿中のD−キロイノシトールの
定量方法としては、異性体を正しく区別して定量できる
方法であれば、いかなる方法も用いうる。例えば、公知
のガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリーを
用いる方法[New England Journal of Medicine, 323, 3
73 (1990)]、特異的抗体を用いる免疫学的方法(特開平
8-21835号、特開平8-278304号)、カラムクロマトグラ
フィーを用いる方法、ペーパークロマトグラフィーを用
いる方法、D−キロイノシトール特異的酵素を用いる酸
化還元分析方法などが用いられる。
【0013】ガスクロマトグラフィー/マススペクトロ
メトリーを用いる方法(GC/MS)においては、正確
な定量をするために採取サンプルに種々の処理が施され
る。内部標準物質の添加は、以降の除蛋白、抽出、誘導
体化などの前処理操作によるサンプルのロスを補正する
ために行われる。無水エタノール添加と遠心分離操作は
除蛋白のために行われる。ウレアーゼ処理と除蛋白は、
GC/MSが微量分析であるので尿中に多量に含まれる
尿素と多量に含まれる可能性のある蛋白質を予め除くた
めに行われる。また蛋白質は、D−キロイノシトールの
水酸基をトリメチルシリル化する際に定量的な反応を妨
害する可能性があるので除く必要がある。D−キロイノ
シトールのトリメチルシリル化やアセチル化は、GC/
MS分析において揮発性物質が要求されるために必要で
ある。トリメチルシリル化はN,O−ビストリメチルシ
リルトリフルオロアセトアミドとトリメチルクロロシラ
ンなどを用いて行われる。
【0014】本発明方法は、尿以外の体液例えば血液中
のD−キロイノシトール測定結果の比較によっても行い
得るが、血液採取は侵襲的方法となるため尿による検出
方法が好ましい。
【0015】前糖尿病状態の判断となる基準値は、予め
本発明の範囲内で設定した条件下において、複数の被験
者(通常、正常者と前糖尿病状態者、それぞれ10名程
度)について定量した値を比較することによって設定す
ることができる。具体的には、例えば耐糖能不全の場
合、75g糖負荷試験における糖負荷1時間後から2時
間後の1時間の間の蓄尿について尿中のD−キロイノシ
トールを実施例1記載の方法で測定した場合、同じ尿サ
ンプル中のクレアチニン排泄量1mgに対しD−キロイ
ノシトール量3.0μgを基準値とすることができる。
この基準値を超えた場合の被験者を前糖尿病状態として
診断することができる。以下に前糖尿病状態判定の実例
をあげる。
【0016】糖尿病ではない86人の被験者に75g糖
負荷試験を行い、糖負荷後1時間から2時間の1時間の
間の蓄尿を行った。その蓄尿について、尿中のD−キロ
イノシトールを実施例に記載の方法で定量し、実施例に
記載した方法で尿中クレアチニン排泄量に対する尿中D
−キロイノシトールの量を計算した。その結果、WHO
の診断基準により耐糖能不全と診断された被験者14人
のうち、11人が基準値を超える尿中クレアチニン排泄
量に対する尿中D−キロイノシトール値を示した。ま
た、WHOの診断基準により正常と診断された被験者7
2人の内、58人が基準値以下であった。WHOの診断
基準により正常と診断された被験者72人の内、14人
が基準値を超えていたが、その内の12人は、日本糖尿
病学会の診断基準で境界型に分類された。その12人
は、WHOの診断基準により正常と診断されたとはい
え、前糖尿病状態にあると考えられ、本発明の基準によ
って、より明確に診断できたといえる。
【0017】本発明によれば、前糖尿病状態と診断され
た動物に試験化合物を投与することにより、前糖尿病状
態を改善する薬物例えばインスリン抵抗性改善薬を評価
しスクリーニングすることができる。以下に、実施例に
よりさらに具体的に本発明を説明する。
【0018】
【実施例】実施例1 尿サンプルの採取とD−キロイ
ノシトールの分析例 糖尿病ではない被験者35名に通常の75gグルコース
経口糖負荷試験を施行する直前および糖負荷後0〜1時
間、1〜2時間、2〜3時間の4回に分けて蓄尿した。
尿サンプル100μlに対して1mgのウレアーゼ(シ
グマ社、そら豆由来タイプII、31000単位/g)を
加え、37℃で30分間保温した。保温が終了した尿サ
ンプルに、n−ヘプタデカン酸(50nmol)を内部
標準物質として含む無水エタノール0.9mlを添加
し、十分混和した。エッペンドルフ遠心分離機で10分
間遠心分離を行ない蛋白を除去した後、得られた上清を
スクリューバイアル瓶に移し、30℃で減圧乾固した。
100μlのN,O−ビス−トリメチルシリルトリフル
オロアセトアミド(和光純薬社製)と10μlのトリメ
チルクロロシラン(和光純薬社製)を加えて80℃で3
0分間反応させ、D−キロイノシトールをトリメチルシ
リル誘導体とした。該トリメチルシリル誘導体はQP5
000(島津製作所製)を用いるガスクロマトグラフィ
ー/マススペクトロメトリーにて分析した。ガスクロマ
トグラフィー用キャピラリーカラムに流速1.47ml
/分のヘリウムガスをキャリアーガスとして流して分析
した。トリメチルシリル化したサンプル2μlを38:
1の比のスプリットモードで注入し、60℃から350
℃まで毎分17℃で昇温分析した。マススペクトルは電
子衝撃法により、m/z50からm/z650まで0.
4秒でスキャンする低分解能モードで行った。尿中のD
−キロイノシトール量の増加率を糖負荷後2〜3時間蓄
尿中のD−キロイノシトール量/糖負荷前尿中のD−キ
ロイノシトール量の比として計算した。
【0019】実施例2 インスリン抵抗性の測定例 尿中D−キロイノシトール量がインスリン抵抗性の有無
によって大きな差があることを示すために、上記の糖負
荷試験の際に血液を採取し、血中インスリン濃度を測定
した。即ち、糖負荷直前、糖負荷後30分、60分、9
0分、120分、180分に採血して、血中インスリン
濃度を測定し、これらの値を用いて血中インスリン曲線
下面積(AUCIRI0−180)を求めた。さらに、AUCI
RI0−180が100μU・hr/ml未満およびそれ以上
の2群に分けた。前者の群には18名、後者の群には1
7名が含まれた。
【0020】(結果)それぞれの群の尿中D−キロイノ
シトール量の増加率を比較した。結果を図1に示す。図
中、U120−180/U0は、糖投与後2〜3時間の間の1
時間分の尿中D−キロイノシトール量の増加率をあらわ
す。インスリン抵抗性が存在し、高インスリン血症を呈
している群(AUCIRI0−180≧100μU・hr/m
l)の尿中D−キロイノシトール量の増加率は、インス
リン抵抗性が存在しない、したがって、高インスリン血
症を呈していない群(AUCIRI0−180<100μU・
hr/ml)の尿中D−キロイノシトール量の増加率に
比較して、顕著に高いことが認められる。この差は、糖
負荷後0〜1時間、1〜2時間、2〜3時間に採取した
いずれの尿サンプルにおいても認められ、中でも、糖負
荷後2〜3時間の尿サンプルを用いた場合が最も顕著で
あった。
【0021】実施例3 耐糖能不全の測定例 前糖尿病状態の一つの形態である耐糖能不全の有無によ
って尿中D−キロイノシトール量に大きな差があること
を次に示す。
【0022】糖尿病ではない被験者129名に75gグ
ルコース経口糖負荷試験を施行し、上記の方法と同様に
して、尿中のD−キロイノシトール量を測定した。ま
た、同時に、糖負荷の直前、糖負荷後30分、60分、
120分の血糖値を測定した。これらの血糖値を用い
て、血糖曲線下面積(AUCBS)を算出し、AUCBS
(mg・hr/dl)が275未満、275以上340
未満、および340以上の3群に分けた。各群には、順
に63名、40名、26名が含まれた。
【0023】(結果)各群の尿中のD−キロイノシトー
ル量を比較した結果を図2に示した。図中、低AUCBS
群、中AUCBS群、高AUCBS群は、それぞれ、AUC
BS(mg・hr/dl)が275未満、275以上34
0未満、340以上をあらわし、CIは、尿中クレアチ
ニン1mg当たりの尿中D−キロイノシトール量(μ
g)を表す。
【0024】AUCBSが高いことは、糖負荷後の血糖推
移が高く維持されていることを示し、すなわち、耐糖能
不全があることを意味する。図2から明らかであるよう
に、AUCBSが高いほど、つまり耐糖能不全の程度が悪
いほど、尿中キロイノシトール量が著しく高い。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、非侵襲的に糖尿病前段
階を評価できる診断方法が提供される。また、この方法
は、基準値をあらかじめ設定することによって、インス
リン抵抗性、高インスリン血症、耐糖能不全に基づく疾
患の予知方法・診断方法にも応用できる。さらに、本方
法によって、前糖尿病状態改善剤などの治療薬の効果を
評価することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 糖負荷後採取尿中のD−キロイノシトール量
の増加率を血中インスリン曲線下面積の差により分けて
示した図である。図中、U120―180/U0は、糖
投与後2〜3時間の間の1時間分の尿中D−キロイノシ
トール量の増加率を表す。
【図2】 糖負荷後採取尿中のD−キロイノシトール量
を血糖曲線下面積(AUCBS)の差により分けて示し
た図である。図中、低AUCBS群、中AUCBS群、高A
UCBS群は、それぞれ、AUCBS(mg・hr/dl)
が275未満、275以上340未満、340以上を表
し、CIは、尿中クレアチニン1mg当たりの尿中D−
キロイノシトール量(μg)を表す。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖投与後一定時間経過後の被験者の尿中
    のD−キロイノシトールの量または増加率と、同様にし
    て定量された健常人の尿中のD−キロイノシトールの量
    または増加率との比較により前糖尿病状態を検出する方
    法。
  2. 【請求項2】 尿が、糖投与後0〜5時間の間で30分
    〜2時間置きに採取された尿である請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 尿が、糖投与後1〜3時間の間の任意の
    1時間分として採取された尿である請求項1記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前糖尿病状態がインスリン抵抗性である
    請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前糖尿病状態が高インスリン血症である
    請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前糖尿病状態が耐糖能不全である請求項
    1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前糖尿病状態がインスリン抵抗性であっ
    て、尿が糖投与後1〜3時間の間の任意の1時間分とし
    て採取されたものである請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前糖尿病状態が高インスリン血症であっ
    て、尿が糖投与後1〜3時間の間の任意の1時間分とし
    て採取されたものである請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前糖尿病状態が耐糖能不全であって、尿
    が糖投与後1〜3時間の間の任意の1時間分として採取
    されたものである請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 尿中クレアチニン1mgに対しD−キ
    ロイノシトールが3.0μgを超える被験者を前糖尿病
    状態として検出する請求項1の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の検出方法による結果に
    基づき、前糖尿病状態を経て発症する疾患を予知する方
    法。
  12. 【請求項12】 疾患が糖尿病、動脈硬化、高血圧また
    は多嚢胞性卵巣症候群である請求項11の方法。
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