JP2010169288A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】調理器本体の上面に配置されるトッププレートと、該トッププレート3の周端部に設けられるプレート枠を接着剤を用いないで一体成形する。
【解決手段】調理器本体2の上面に耐熱ガラス製のトッププレート3を備え、トッププレート3下部の本体2内に、被加熱物を加熱する加熱コイル13と、加熱コイル13への電力の供給を制御する制御手段17と、制御手段17と加熱コイル13とを冷却する冷却手段20とを備え、トッププレート3の周囲をプレート枠14で覆い、プレート枠14の後部側に冷却手段20により本体2内に冷却空気を吸気するための吸気口7と、冷却した後の温度上昇した空気を排出する排気口8とを備えた誘導加熱調理器において、トッププレート3をプレート枠14の成形金型にセットし、該成形金型に溶融材料を射出してトッププレート3の周端部をプレート枠14にインサート成形により一体成形する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、調理器本体の上面に被加熱物を載置する耐熱ガラス製のトッププレートを備えた誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の加熱調理器において、特許文献1に示すように、トッププレートの周縁下面に補強板をあてがって接着固定するとともに、該補強板を調理器本体側の内箱と連結固定し、また、前記トッププレートの周端部の上面に該端部を覆うように金属の枠体(プレート枠)を接着剤により接着固定した構造のものがある。
特開2005−308296号公報
上記した従来技術は、トッププレートとプレート枠の固定に接着剤を使用しているため、接着面への汚れの付着により接着強度が低下するとともに、接着剤の保管環境や保管期間、開封後の保管状況が悪いと接着強度,接着力が低下することがある。
また、接着剤を塗布する際に、塗布する接着剤の塗布量が少ないと接着強度の低下を招き、逆に接着剤の塗布量が多すぎた場合には該接着剤が周囲にはみ出し、仕上がりが悪くなるとともに、はみ出した部分に汚れが付着する。
また、乾燥時間の管理や乾燥するまでの保管場所が必要となるなど、多くの管理が必要となり、非効率な工程が増える。
さらに、プレート枠にトッププレートを固定している接着剤が剥離して調理器本体内に流入することがあり、その場合には、電子部品などに付着して故障などの原因になる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1では、調理器本体の上面に被加熱物を載置する耐熱ガラス製のトッププレートを備え、該トッププレート下部の前記本体内に、前記被加熱物を加熱する加熱コイルと、該加熱コイルへの電力の供給を制御する制御手段と、該制御手段と前記加熱コイルとを冷却する冷却手段とを備え、前記トッププレートの周囲をプレート枠で覆い、該プレート枠の後部側に前記冷却手段により前記本体内に冷却空気を吸気するための吸気口と、冷却した後の温度上昇した空気を排出する排気口とを備えた誘導加熱調理器において、前記トッププレートを前記プレート枠の成形金型にセットし、該成形金型に溶融材料を射出して前記トッププレートの周端部と前記プレート枠を一体成形するものである。
請求項2では、前記トッププレートの周端部を前記トッププレート枠にインサートして一体成形するものである。
請求項3では、前記吸気口と前記排気口を前記プレート枠の後部側に一体成形したものである。
本発明の請求項1によれば、トッププレートの周端部とプレート枠を一体成形したので、複数の部品を個々に加工する必要がなくなり、接着剤も不要となり、量産工程で一番効率の悪い接着剤を乾燥させる乾燥工程も不要となり、製造工程が簡素化できるとともに、製造工程における品質管理が容易となる。
また、プレート枠の表面に他の部品との接合部がなくなり、調理器本体内部への水の浸入がなくなる。
また、請求項2によれば、トッププレートの周端部をプレート枠にインサートして一体成形したので、トッププレートは、該トッププレートの下面に位置するプレート枠を介してシステムキッチンの天板に載るので、プレート枠とトッププレートの間には、両者を剥離するような力が働くことがなくなり、両者の間が剥離することがない。
さらに、請求項3によれば、調理器本体の吸気口と排気口をプレート枠の後部側に一体成形できるので、プレス加工などが不要となるものである。
本発明に係る誘導加熱調理器をシステムキッチンに収納した状態の斜視図である。 図1の加熱調理器のA−A断面図である。 本発明に係る誘導加熱調理器のトッププレートとプレート枠を一体成形した状態の上面図である。 図3のB−B断面図である。 図3のC−C部の型断面図である。
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
図1から図4は本発明の誘導加熱調理器の一実施例を示しており、図1は加熱調理器本体をシステムキッチンに設置した状態の斜視図、図2は図1のA−A断面図、図3はトッププレートとプレート枠を一体成形した状態の上面図、図4は図3のB−B断面図、図5は図3のC−C部の型断面図である。
図1において、加熱調理器の本体2は、システムキッチン1の上面から中に落とし込み、天板1aに後述するプレート枠14を載置して設置される。設置後は本体2のロースター(グリル)4と操作部パネル5がシステムキッチン1の前面部から操作できるようになっている。
調理を行う際の調理鍋(図示せず)は、本体2の上面に配置された耐熱性のある結晶化ガラスからなるトッププレート3上に載置される。
図示しない調理鍋は、トッププレート3に描かれた載置部6に載置し、該載置部6に対向してトッププレート3下方の本体2内に設けられた加熱コイル13によって誘導加熱され調理可能となる。
トッププレート3は、調理鍋に食材などを入れた重い荷重に耐え、天ぷらを揚げる温度にも十分に耐え、さらに、誤って調理鍋を空焼きした時の温度上昇にも耐える仕様となっている。
具体的には、最高使用温度は800℃程度で、普通のガラス板の380℃に比べて2倍超と高く、また、耐熱衝撃温度(ガラス板を加熱した後に急冷してもガラス板が割れない温度差)も600℃程度と普通ガラス板の35〜65℃に比べて桁違いに高く、さらに、耐衝撃に関しても普通ガラス板に比べ非常に優れた特性を有している。
トッププレート3の前面側左右には、図3に示すように調理鍋を載置する載置部左6b,載置部右6a,後部中央には載置中央6cが印刷され、載置部左6b,載置部右6aの手前側には加熱コイル13の火力を設定したり調節などを行う上面操作部9と、その出力状態を表示する上面表示部10が印刷されている。また、ここで使用されている印刷用の塗料も800℃程度と耐熱性の高いものが使用され、シルク印刷によって印刷が施されている。
さらに、トッププレート3の周端部には、後述するようにプレート枠14が一体成形により設けられ、調理鍋などが当たって欠けたり傷がつかないように配慮されている。
プレート枠14は、トッププレート3ほどの耐熱性は必要ないが、天ぷら油を加熱した後の鍋(約200℃)が触れても変色や変形しないことが望ましく、そのために耐熱変形温度が290℃以上のポリアミド樹脂や300℃以上のフェノール樹脂、もしくはアルミなどの材料が使用される。
さらに、トッププレート3の後方のプレート枠14には、後述する冷却手段20により本体2内に冷却空気を吸気するための吸気口7と、冷却した後の温度上昇した空気を排出する排気口8が一体に設けられている。なお、吸気口7と排気口8には、食品カスなどが入り込まないように上部に吸気カバー7a,排気カバー8aが設けられている。
4は魚やピザなどを焼くためのロースターで、本体2内の左側(右側でも良い)に配置されており、調理庫(図示せず)内に魚などの被加熱物を乗せる焼網が設けられ、前面にロースタードア32が取り付けられている。また、ロースタードア32には被加熱物を出し入れする時に火傷をしないようにハンドル11が備えられている。
5は本体2の前面の右側に配置したカンガルー式の開閉機構を備えた操作パネルで(図1は操作パネル5を閉じた状態を示す)、該操作パネル5を開くと前面にロースター4の火力を設定する操作部と、設定内容と加熱の状態を表示する表示部が露出し、火力の設定などができる。
本体2の内部には、図2に示すように発熱部材である加熱コイル13や電子部品が搭載している制御手段17などを冷却するために冷却手段20が設けられている。
冷却手段20は、吸気口7から冷却のための外気を吸気し、加熱コイル13や制御手段17を冷却した後の温度の上昇した空気を排気口8より本体2の外部に排気する。また、排気口8からはロースター4で調理した時の廃熱も排出される。
次に本実施例におけるトッププレート3,トプレート枠14の一体成形について説明する。
本実施例では、上記したように、誘導加熱調理器に使用されるトッププレート3が最高使用温度や耐熱衝撃温度及び耐衝撃に対して格段の高い特性を有していること及び該特性を有することから誘導加熱調理器に要求される仕様を保持したまま、一体成形による射出成形時の圧力や温度に耐えることが可能であることに着目し、図5に示すように、トッププレート3をプレート枠14の成形金型30にセットし、射出成形によりトッププレート3の周端部をプレート枠14にインサートし、両者を一体成形するものである。
具体的には、トッププレート3を成形金型30の金型固定側30aにセットし、トッププレート3を取付部30dより真空吸引してトッププレート3を金型固定側30aに固定する。この時、取付部30dとトッププレート3との間にはパッキン(図示なし)などを用い空気漏れを無くし確実に固定する。そして、金型固定側30aと金型可動部30bを閉じてセットを完了する。その後、射出ゲート30cより耐熱変形温度が290℃以上のポリアミド樹脂や300℃以上のフェノール樹脂もしくはアルミなどの材料を成形金型に射出し、熱を加えてプレート枠14を成形する。
これによって、プレート枠14は、内周面側にコ字状の凹部を有する形状に成形され、トッププレート3は前記凹部にその周端部がインサートされ、両者は一体成形される。
トッププレート3は、上記したように最高使用温度が800℃程度で、普通のガラス板の380℃に比べて2倍超と高く、また、耐熱衝撃温度も600℃程度と普通ガラス板の35〜65℃に比べて桁違いに高く、さらに、耐衝撃に関しても普通ガラス板に比べ非常に優れた特性を有しており、プレート枠14と一緒に成形金型で一体成形しても強度的に十分耐えられるものである。
ここで、射出成型時の工程を簡単に説明すると、始めにトッププレート3に、調理鍋を載置する載置部6の位置や操作部を示す上面操作部9,表示部を示す上面表示部10を耐熱性塗料を使用してシルク印刷する。
次に、印刷を施したトッププレート3をプレート枠14の射出成型装置の金型にセットし、プレート枠14の材料を射出機に投入し、投入した材料を加熱して溶融し、溶融した材料を射出機からトッププレート3をセットした金型に充填する。
射出機の加熱温度は、使用するプレート枠14の材料で異なり、例えば使用する材料はポリアミド樹脂を使用する場合には380℃、フェノール樹脂を使用する場合には400℃、アルミを使用する場合は600℃まで加熱し、溶融した材料を射出する。
トッププレート3の周端部に一体成形されたプレート枠14は、上記した三種類のどの材料を使用しても、トッププレート3に施した塗料の耐熱温度を下回り、耐衝撃に関しても普通のガラス板に比べて非常に優れた特性を持っており、従って、トッププレート3は、樹脂やアルミとの一体成型を行っても割れることはない。
これに対して、通常のガラス板をトッププレート3に用いた場合には、ガラス板の周端部にプレート枠体14を一体成形すると、射出成型時に高圧で射出する樹脂やアルミなどによる応力と、射出時の樹脂やアルミの温度によって普通ガラス板が割れてしまう。
射出成形後、射出成型装置の金型に充填した材料が冷却して固まったら、トッププレート3をセットした金型を開放し、プレート枠14に一体にインサート成形されたプレートユニット3aを取り出し、その後、仕上げ工程でゲート部などを成形して仕上げる。
また、プレート枠14には、射出成形時に吸気口7と排気口8が成型されるので、一回の工程で吸気口7と排気口8を同時に成形してプレートユニット3aを完成できる。
図4は、一体成形後のプレート枠14の断面図を示しており、トッププレート3はプレート枠14の内周面側に形成されるコ字状の凹部で挟み込まれるように成形されるので、トッププレート3とプレート枠14との間には剥離などの問題も発生せず、また、トッププレート3にこぼした水などがトッププレート3とプレート枠14との間を通って本体2内に進入することもない。
なお、上記した誘導加熱調理器において、加熱コイル13,上面操作部9,制御手段17及び冷却手段20の動作などについては、すでに公知であり、説明を省略する。
以上説明したように、本実施例によれば、トッププレート3の周端部とプレート枠14を一体成形したので、複数の部品を個々に加工する必要がなくなり、接着剤も不要となり、量産工程で一番効率の悪い接着剤を乾燥させる乾燥工程も不要となり、製造工程が簡素化できるとともに、製造工程における品質管理が容易となる。
また、プレート枠14の表面に他の部品との接合部がなくなり、調理器本体2の内部への水の浸入がなくなる。
また、トッププレート3の周端部をプレート枠14にインサートして一体成形したので、トッププレート3は、該トッププレート3の下面に位置するプレート枠14を介してシステムキッチン1の天板1aに載ることになり、プレート枠14とトッププレート3の間には、両者を剥離するような力が働くことがなくなり、両者の間が剥離することがない。
さらに、調理器本体2の吸気口7と排気口8をプレート枠14の後部側に一体成形できるので、プレス加工などが不要となるものである。
1 システムキッチン
2 本体
3 トッププレート
14 プレート枠

Claims (3)

  1. 調理器本体の上面に被加熱物を載置する耐熱ガラス製のトッププレートを備え、該トッププレート下部の前記本体内に、前記被加熱物を加熱する加熱コイルと、該加熱コイルへの電力の供給を制御する制御手段と、該制御手段と前記加熱コイルとを冷却する冷却手段とを備え、
    前記トッププレートの周囲をプレート枠で覆い、該プレート枠の後部側に前記冷却手段により前記本体内に冷却空気を吸気するための吸気口と、冷却した後の温度上昇した空気を排出する排気口とを備えた誘導加熱調理器において、
    前記トッププレートを前記プレート枠の成形金型にセットし、該成形金型に溶融材料を射出して前記トッププレートの周端部と前記プレート枠を一体成形することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記トッププレートの周端部を前記トッププレート枠にインサートして一体成形することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記吸気口と前記排気口を前記プレート枠の後部側に一体成形したことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の加熱調理器。
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