JP2010168740A - 開口補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構造で、任意の位置に開口を設定可能な開口補強構造を提供すること。
【解決手段】一対の定着部付き鉄筋1の鉄筋本体2が主筋12に対して斜めに配筋する。一対の定着部付き鉄筋1間には、他の鉄筋が配置されていない無鉄筋領域A1を形成し、無鉄筋領域A1内において任意の位置に開口部を形成可能とする。これにより、開口部20の両側で斜め配筋された定着部付き鉄筋1によって、開口部20を補強することができるため、配筋を省力化して簡素な構造で開口部20を補強することができる。また、構造設計段階でせん断力に余裕を持たせることにより、確認申請後に任意の位置に開口を設定可能とすることができる。また、せん断抵抗力を明確にすることができる。そのため、構造確認申請における効率化を図ることができ、工事着工開始の遅延を防止することができる。
【選択図】図2
【解決手段】一対の定着部付き鉄筋1の鉄筋本体2が主筋12に対して斜めに配筋する。一対の定着部付き鉄筋1間には、他の鉄筋が配置されていない無鉄筋領域A1を形成し、無鉄筋領域A1内において任意の位置に開口部を形成可能とする。これにより、開口部20の両側で斜め配筋された定着部付き鉄筋1によって、開口部20を補強することができるため、配筋を省力化して簡素な構造で開口部20を補強することができる。また、構造設計段階でせん断力に余裕を持たせることにより、確認申請後に任意の位置に開口を設定可能とすることができる。また、せん断抵抗力を明確にすることができる。そのため、構造確認申請における効率化を図ることができ、工事着工開始の遅延を防止することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、開口補強構造に関する。
従来、RC構造、SRC構造の柱や梁などにおいて、設備配管などを配置するために、開口部を設けることがある。このような開口部は、周辺のコンクリート部に局所的な応力を発生させて、強度低下を招くことから、開口部を補強することが求められていた。そこで、性能確認を容易に行うことができ、大きな開口部を設けることができる開口補強構造として、開口部内に鋼管を挿入すると共に、複数の梁主筋を取り囲むように成形されたフラットバーを鋼管に接合する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、鋼管にフラットバーを接合する必要があるため、作業が煩雑となっていた。また、現状では、法規制などにより、構造確認申請に際し開口補強について設計する必要があるため、構造確認申請に係る手続きが大きく遅れることで、工事着工が大幅に遅れてしまうという問題あった。そこで、設計段階において、任意の位置に開口を設定できるよう開口補強構造が求められている。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、簡素な構造で、任意の位置に開口を設定可能な開口補強構造を提供することを目的とする。
本発明による開口補強構造は、鉄筋コンクリート構造の開口部を補強する開口補強構造において、一対の定着部付き鉄筋を有し、当該定着部付き鉄筋は、鉄筋本体と、平板部を有し鉄筋本体の端部から屈曲形成された定着部とを備え、鉄筋本体が、主筋に対して傾斜して配置され、一対の定着部付き鉄筋間には、他の鉄筋が配置されていない無鉄筋領域が形成されていることを特徴としている。
このような開口補強構造は、一対の定着部付き鉄筋の鉄筋本体が主筋に対して斜めに配筋され、一対の定着部付き鉄筋間には、他の鉄筋が配置されていない無鉄筋領域が形成されているため、この無鉄筋領域内において任意の位置に開口部を設けることが可能となる。これにより、開口部の両側で斜め配筋された定着部付き鉄筋によって、開口部を補強することができるため、配筋を省力化して簡素な構造で開口部を補強することが可能となる。また、構造設計段階でせん断力に余裕を持たせることにより、確認申請後に任意の位置に開口を設定可能とし、せん断抵抗力を明確にする。そのため、構造確認申請における効率化が図られ、工事着工開始の遅延が防止される。
ここで、定着部付き鉄筋の定着部が、主筋に係止されていることが好ましい。このように、鉄筋本体の端部から屈曲形成された定着部を主筋に引っ掛けることで、その固定を確実にすることができる。また、斜め配筋することにより、鉄筋本体の耐力を有効に使用することができる。
また、開口部の内面に当接する鋼管を備えていることが好適である。鋼材である鋼管を開口部内に配置することで、せん断耐力を向上させ圧縮力に対する強度を補強することができる。また、開口部に鋼管を用いることで、形状の確保と強度の向上を図ることができる。
また、無鉄筋領域を囲繞する複数の鉄筋本体を鉄筋本体ユニットとし、当該鉄筋本体ユニットが、主筋の延在する方向に、複数配置されていることが好ましい。これにより、鉄筋本体に囲繞された無鉄筋領域が、主筋の延在する方向に複数形成されるため、開口部を任意の位置に形成することができる。
また、交差する一対の鉄筋本体が、柱又は梁の全長において主筋に対して傾斜して配置されている構成としてもよい。
本発明による開口補強構造は、鉄筋コンクリート構造の開口部を補強する開口補強構造において、定着部付き鉄筋を有し、定着部付き鉄筋は、U字状を成す鉄筋本体と、平板部を有し鉄筋本体の端部から屈曲形成された定着部とを備え、鉄筋本体は、主筋に沿って配置された一対の直線部と、一対の直線部から屈曲形成され、主筋に対して傾斜して配置された傾斜部とを有し、直線部及び傾斜部間には、他の鉄筋が配置されていない無鉄筋領域が形成されていることを特徴としている。
このような開口補強構造は、U字状の鉄筋本体の一部が主筋に対して斜めに配筋され、直線部及び傾斜部間には、他の鉄筋が配置されていない無鉄筋領域が形成されているため、この無鉄筋領域内において任意の位置に開口部を設けることが可能となる。これにより、開口部の外側で斜め配筋された傾斜部によって、開口部を補強することができるため、配筋を省力化して簡素な構造で開口部を補強することが可能となる。また、構造設計段階でせん断力に余裕を持たせることにより、確認申請後に任意の位置に開口を設定可能とし、せん断抵抗力を明確にする。そのため、構造確認申請における効率化が図られ、工事着工開始の遅延が防止される。
また、開口部の内面に当接する鋼管を備えていることが好適である。鋼材である鋼管を開口部内に配置することで、せん断耐力を向上させ圧縮力に対する強度を補強することができる。また、開口部に鋼管を用いることで、形状の確保と強度の向上を図ることができる。
本発明の開口補強構造によれば、簡素な構造で、任意の位置に開口を設定可能であるため、施工省力化及び確認申請の効率化を図ることができ、コストダウンを図ることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る開口補強構造を示す部分断面図、図2は、図1中の開口補強構造を拡大して示す断面図である。なお、梁10の延在する方向をX軸方向とし、図1における上下方向をY軸方向とし、X軸及びY軸と直交する方向をZ軸方向とする。本実施形態に係る開口補強構造が適用された梁10は、X軸方向に延在し、Y軸方向に延在する一対の柱9によって、両端部が支持されている。
梁10は、X軸方向に延在する複数の主筋12を備え、これらの複数の主筋12の外周を取り囲むように複数のせん断補強筋14が配筋されている。複数のせん断補強筋14は、Y軸方向及びZ軸方向に延在し、複数の主筋12の外周を囲繞している。梁10には、鋼管21が挿通されて、Z軸方向に貫通する開口部20が形成されている。
ここで、本発明の開口補強構造が適用された梁10では、他のせん断補強筋として定着部付き鉄筋1が斜め配筋されている。図3は、本発明の第1実施形態に係る定着部付き鉄筋を示す正面図、図4は、定着部の加工手順を説明するための概略図である。図3に示すように、定着部付き鉄筋1は、異形鉄筋から成る鉄筋本体2と、この鉄筋本体2の両端部から屈曲形成された定着部3とを備えている。
鉄筋本体2は、例えば、鉄筋コンクリート用棒鋼を用いて、直線状に形成されている。この鉄筋本体2の周面2aには、軸線方向に延在する凸部である一対のリブ7、および、周方向に延在する凸部である複数の節6が形成されている。一対のリブ7は、互いに対向するように配置され、複数の節6は、軸線方向に一定間隔で配置されている。
定着部3は、例えば鍛造によって平板状に形成された定着プレート4を有している。また、定着部3には、鉄筋本体2と交差して配置された他の鉄筋(主筋12)と係合可能な定着凹部5が形成されている。
定着プレート4は、その板厚方向が、鉄筋本体2の軸線方向となるように形成されている。すなわち、定着プレート4は、鉄筋本体2の軸線と直交するように屈曲形成され、定着プレート4の主面4aは、鉄筋本体2の軸線方向に向けられている。定着凹部5は、定着プレート4の基端部(鉄筋本体2側)に形成され、鉄筋本体2の周面2aより軸線側へ窪むように形成されている。
次に、図4を参照して、鉄筋本体2の端部に、一体的に形成された定着部3の加工手順について説明する。図4において、鉄筋本体2の軸線Lに沿う方向をX1方向とし、X1方向と直交する図示上下方向をY1軸方向とし、X1方向及びY1方向と直交する方向をZ1方向とする。図4(a)は、屈曲形成される前の定着プレートを、Z1方向から示す図、図4(b)は、屈曲形成される前の定着プレートを、Y1方向から示す図、図4(c)は、屈曲形成された後の定着プレートを、Z1方向から示す図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、鉄筋本体2の端部に定着プレート4となる平板部を形成する。このとき、定着プレート4が鉄筋本体2の径方向D(Y1方向)の一方側に配置されるように加工する。また、加工する際に、異形鉄筋のリブ7をY1方向に向け、Y1方向からプレスすることで、異形鉄筋の節6が潰されて、定着プレート4の側部に複数の凸部6aが形成される。なお、ねじ鉄筋に鍛造を施すことで、定着プレート4の側部に複数の凸部6aを形成してもよい。
次に、図4(c)に示すように、鉄筋本体2の径方向Dの一方側に配置された定着プレート4となる平板部を、径方向Dの他方側へ屈曲形成し、定着プレート4の主面4aが鉄筋本体2の軸線L方向に向けられる。そして、例えば高周波又はガス圧接を用いて加熱し折り曲げ加工することで、定着プレート4の基端側(定着部3の鉄筋本体2際)に、鉄筋本体2の周面2aより内側へ窪む定着凹部5を形成する。定着凹部5の曲率は、係合される他の鉄筋の周面の曲率に対応していることが好適である。
また、定着部付き鉄筋を製造する方法(加工方法)としては、平板部を成形した後、金型を用いてプレスすることにより定着部3の屈曲形成を行ってもよく、金型を用いたプレスのみによって、平板部の成形と同時に曲げ加工を行なってもよい。何れの方法であっても、鉄筋本体2の端部と、平板部との接続部は、鉄筋本体2の径方向の一方側に配置され、平板部は径方向の他方側に屈曲されている。
このように構成された定着部付き鉄筋1は、図1及び図2に示すように、主筋12に対して傾斜して配筋されるせん断補強筋として利用されている。このとき、定着部付き鉄筋1の定着部3は、主筋12に引っ掛けられ、定着凹部5内に、主筋12の一部が進入した状態となる。すなわち、鉄筋本体2の軸心と主筋12の軸心とが接近した状態となり、互いの軸心間の距離である偏心距離を小さくすることができる。
複数の定着部付き鉄筋1は、図1及び図2に示すように、X字状に配置され、主筋12に対して傾斜している。また、X字状に配置された定着部付き鉄筋1の定着部3同士が重なるように(接近して)配置されている。複数の定着部付き鉄筋1の鉄筋本体2間において、他の鉄筋が配置されていない部分が、本発明の無鉄筋領域A1に相当するものである。そして、開口部20は、4本の定着部付き鉄筋1によって囲繞された無鉄筋領域A1に形成されている。
図5は、開口補強構造の耐力抵抗を示す部分断面図である。図5では、梁せん断力F1が、Y軸方向に作用した場合の耐力を示している。このとき主筋12に対して斜めに配置された定着部付き鉄筋1に、圧縮F2及び引張F3が作用する。また、開口部20の内面に配置された鋼管21に、圧縮F4及び引張F5が作用する。これらの定着部付き鉄筋1及び鋼管21によって、せん断耐力を向上させ、開口部20を補強することが可能となる。
このように構成された開口補強構造を有する梁10にでは、複数の定着部付き鉄筋1の鉄筋本体2が主筋12に対して斜めに配筋されている。複数の定着部付き鉄筋1間には、他の鉄筋が配置されていない無鉄筋領域A1が形成され、この無鉄筋領域A1に開口部20が設けられているため、開口部20を囲繞する複数の定着部付き鉄筋1によって、開口部20が補強されている。これにより、配筋を省力化して簡素な構造で開口部20を補強することができる。
ここで、定着部付き鉄筋1の定着部3が主筋12に係止されているため、鉄筋本体2の端部から屈曲形成された定着部3を主筋12に引っ掛けることができるので、確実に固定することが可能となる。また、定着部付き鉄筋1が主筋12に対して斜めに配筋されているため、鉄筋本体2の耐力を有効に使用することができる。
また、鋼材である鋼管21が開口部20の内面に当接して配置されているため、せん断耐力を向上させて、圧縮力に対する強度が補強されている。また、開口部20の内面に当接する鋼管21を備える構成とすることで、開口部20の形状の確保と強度の向上を図ることができる。
また、本発明の開口補強構造が適用された梁10では、構造設計段階において、梁10のせん断力に余裕を持たせている。これにより、確認申請後に任意の位置に開口を設定可能とされている。また、せん断抵抗力を明確にすることができるため、構造確認申請における効率化を図ることができ、工事着工開始の遅延を防止することができる。これらにより、従来と比較してコスト削減を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る開口補強構造について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の説明は省略する。図6は、本発明の第2実施形態に係る開口補強構造を示す部分断面図である。第2実施形態に係る開口補強構造が適用された梁30は、X軸方向に延在し、一対の柱9によって、両端部が支持されている。
梁30には、開口補強構造として、梁30の主筋12に対して斜めに配置された一対の定着部付き鉄筋1を備えている。一対の定着部付き鉄筋1は、X字状に配置され、両端部の定着部3が主筋12に引っ掛けられて固定されている。複数の定着部付き鉄筋1の鉄筋本体2間において、他の鉄筋が配置されていない部分が、本発明の無鉄筋領域A2,A3に相当するものである。無鉄筋領域A2は、一対の定着部付き鉄筋の交点のY軸方向の外側の部分であり、鉄筋本体2及び主筋12によって囲まれた部分である。無鉄筋領域A3は、一対の定着部付き鉄筋1の交点のX軸方向の外側の部分である。そして、開口部は、無鉄筋領域A2,A3の任意の位置に設定可能とされている。このように構成された開口補強構造においても、簡素な構造で、任意の位置に開口を設定可能であり、施工省力化及び確認申請の効率化を図ることができる。これにより、低コスト化を実現することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る開口補強構造について図7を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の説明は省略する。図7に示す梁31では、鉄筋本体2及び主筋12によって囲まれた無鉄筋領域A2に開口部20が形成されている。このように構成された開口補強構造においても、施工省力化及び確認申請の効率化を図ることができ、低コスト化を実現することができる。
次に、本発明の第4実施形態に係る開口補強構造について図8を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の説明は省略する。第4実施形態に係る梁32が、第1実施形態に係る梁10と違う点は、開口補強構造が梁32の端部に設けられている点である。このように構成された開口補強構造においても、上記実施形態と同様に、施工省力化及び確認申請の効率化を図ることができ、低コスト化を実現することができる。
次に、本発明の第5実施形態に係る開口補強構造について図9を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の説明は省略する。図9は、本発明の第5実施形態に係る開口補強構造を示す部分断面図、図10は、図9のX−X線に沿う断面図である。本実施形態に係る開口補強構造が適用された梁33は、X軸方向に延在し、Y軸方向に延在する一対の柱9によって、両端部が支持されている。
梁33は、X軸方向に延在する複数の主筋12を備え、これらの複数の主筋12の外周を取り囲むように複数のせん断補強筋14が配筋されている。主筋12の端部は、柱9の内部に配置されている。複数のせん断補強筋14は、Y軸方向及びZ軸方向に延在し、複数の主筋12の外周を囲繞している。梁33には、鋼管21が挿通されて、Z軸方向に貫通する開口部20が形成されている。
ここで、本発明の開口補強構造が適用された梁33では、他のせん断補強筋として定着部付き鉄筋41の一部が斜め配置されている。定着部付き鉄筋41は、異形鉄筋から成る鉄筋本体42と、この鉄筋本体42の両端部から屈曲形成された定着部3とを備えている。
鉄筋本体42、例えば、鉄筋コンクリート用棒鋼を用いて屈曲形成され、略U字状に成形されている。鉄筋本体42は、X軸方向に延在する一対の直線部42a,42aと、直線部42aから屈曲された傾斜部42b,42bとを備えている。鉄筋本体42の一対の直線部42a,42aは、主筋12に沿って配置され、傾斜部42bは、主筋12と傾斜して配置されている。また、鉄筋本体42の開放端部(定着部3)は、柱9内に配置されている。
そして、直線部42a,42a及び傾斜部42b,42b間には、他の鉄筋が配置されていない無鉄筋領域A4が形成され、この無鉄筋領域A4に開口部20が設けられている。また、開口部20の内部には、開口部20の内面と当接する鋼管21が挿通されている。このように構成された開口補強構造においても、上記実施形態と同様に、施工省力化及び確認申請の効率化を図ることができ、低コスト化を実現することができる。
次に、本発明の第6実施形態に係る開口補強構造について図11を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の説明は省略する。第6実施形態に係る梁34が、第1実施形態に係る梁10と違う点は、定着部付き鉄筋1が梁34の全長にわたって配置されている点である。定着部付き鉄筋1の端部に形成された定着部3は、柱9内で主筋12に引っ掛けられている。
一対の定着部付き鉄筋1は、主筋12と傾斜し、X字を成すように配置されている。この一対の定着部付き鉄筋1間には、他の鉄筋が配置されていない無鉄筋領域A5が形成され、この無鉄筋領域A5に開口部20が設けられている。また、開口部20の内部には、開口部20の内面と当接する鋼管21が挿通されている。このように構成された開口補強構造においても、上記実施形態と同様に、施工省力化及び確認申請の効率化を図ることができ、低コスト化を実現することができる。
次に、本発明の第7実施形態に係る開口補強構造について図12を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の説明は省略する。第7実施形態に係る梁35が、第1実施形態に係る梁10と違う点は、X字状に配置された一対の定着部付き鉄筋1,1が、梁35の長手方向(X軸方向)に複数設定されている点である。具体的には、X字状に配置された一対の定着部付き鉄筋1,1が互いに隣接して複数配置されることで、無鉄筋領域A1が、主筋12の長手方向に複数形成されている。すなわち、無鉄筋領域を囲繞する複数の鉄筋本体2が本発明の鉄筋本体ユニットに相当するものであり、主筋12の延在する方向に、当該鉄筋本体ユニットが複数配置されている。
そして、この無鉄筋領域A1に開口部20が設けられている。また、開口部20の内部には、開口部20の内面と当接する鋼管21が挿通されている。このように構成された開口補強構造においても、上記実施形態と同様に、施工省力化及び確認申請の効率化を図ることができ、低コスト化を実現することができる。また、簡素な構成で、複数の開口部20を設置することができる。
次に、本発明の第8実施形態に係る開口補強構造について図13を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の説明は省略する。本実施形態では、開口補強構造が適用された柱19について説明する。柱19は、Y軸方向に延在している。柱19は、上端部及び下端部において、X軸方向に延在する梁39と交差している。
柱19は、Y軸方向に延在する主筋13を備えている。柱19は、せん断補強筋として定着部付き鉄筋1が斜め配筋されている。定着部付き鉄筋1は、異形鉄筋から成る鉄筋本体2と、この鉄筋本体2の両端部から屈曲形成された定着部3とを備えている。定着部付き鉄筋1の定着部3は、主筋13に引っ掛けられ、定着凹部内に、主筋13の一部が進入した状態となる。すなわち、鉄筋本体2の軸心と主筋13の軸心とが接近した状態となり、互いの軸心間の距離である偏心距離を小さくすることができる。
一対の定着部付き鉄筋1は、X字状に配置され、主筋13に対して傾斜している。複数の定着部付き鉄筋1の鉄筋本体2間において、他の鉄筋が配置されていない部分が、本発明の無鉄筋領域A6に相当するものである。そして、開口部20は、無鉄筋領域A6に形成されている。また、開口部20の内部には、開口部20の内面と当接する鋼管21が挿通されている。このように構成された開口補強構造においても、上記実施形態と同様に、施工省力化及び確認申請の効率化を図ることができ、低コスト化を実現することができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、無鉄筋領域に1つの開口部が設けられているが、一つの無鉄筋領域に対して複数の開口部を備える構成としてもよい。また、開口部が形成されていない無鉄筋領域でもよい。要は、主筋に対して、斜め配筋された定着部付き鉄筋を備え、当該定着部付き鉄筋に囲まれた無鉄筋領域に開口部を形成可能な構成であればよい。また、鋼管が挿通されていない開口部であってもよい。
また、上記実施形態の定着部付き鉄筋1は、定着凹部5が形成されているが、定着凹部5が形成されていない定着部付き鉄筋でもよい。
1,41…定着部付き鉄筋、
2,42…鉄筋本体、
3…定着部、
9,19…柱、
10,30〜35,39…梁、
12…主筋(梁)、
13…主筋(柱)、
20…開口部
21…鋼管、
A1〜A6…無鉄筋領域。
2,42…鉄筋本体、
3…定着部、
9,19…柱、
10,30〜35,39…梁、
12…主筋(梁)、
13…主筋(柱)、
20…開口部
21…鋼管、
A1〜A6…無鉄筋領域。
Claims (7)
- 鉄筋コンクリート構造の開口部を補強する開口補強構造において、
一対の定着部付き鉄筋を有し、
前記定着部付き鉄筋は、
鉄筋本体と、
平板部を有し前記鉄筋本体の端部から屈曲形成された定着部とを備え、
前記鉄筋本体が、主筋に対して傾斜して配置され、
前記一対の定着部付き鉄筋間には、他の鉄筋が配置されていない無鉄筋領域が形成されていることを特徴とする開口補強構造。 - 前記定着部付き鉄筋の定着部が、前記主筋に係止されていることを特徴とする請求項1記載の開口補強構造。
- 前記開口部の内面に当接する鋼管を備えた請求項1又は2に記載の開口補強構造。
- 前記無鉄筋領域を囲繞する複数の鉄筋本体を鉄筋本体ユニットとし、
前記鉄筋本体ユニットが、前記主筋の延在する方向に、複数配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の開口補強構造。 - 交差する一対の前記鉄筋本体が、柱又は梁の全長において前記主筋に対して傾斜して配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の開口補強構造。
- 鉄筋コンクリート構造の開口部を補強する開口補強構造において、
定着部付き鉄筋を有し、
前記定着部付き鉄筋は、
U字状を成す鉄筋本体と、
平板部を有し前記鉄筋本体の端部から屈曲形成された定着部とを備え、
前記鉄筋本体は、
主筋に沿って配置された一対の直線部と、
前記一対の直線部から屈曲形成され、前記主筋に対して傾斜して配置された傾斜部とを有し、
前記直線部及び前記傾斜部間には、他の鉄筋が配置されていない無鉄筋領域が形成されていることを特徴とする開口補強構造。 - 前記開口部の内面に当接する鋼管を備えた請求項6記載の開口補強構造。
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2009
- 2009-01-20 JP JP2009009959A patent/JP2010168740A/ja active Pending
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