JP2010168489A - 基材、およびそれを用いた複合材料 - Google Patents

基材、およびそれを用いた複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂に対する密着性および耐熱性に優れた基材を提供する。
【解決手段】特定な構造式のカップリング剤2種類を用いた基材(カップリング剤Aと、カップリング剤Bとの比率が重量比で、カップリング剤B/カップリング剤A=0.001〜2.0である。)を処理することにより、基材と樹脂との密着性を向上させる。また、この処理により基材の耐熱性が向上する。
【選択図】なし

Description

本発明は、基材およびそれを用いた複合材料に関し、さらに詳しくは、樹脂に対する密着性および耐熱性に優れた基材、および該基材と樹脂とを含む複合材料に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、多機能化に伴い、情報通信機器などにおける大容量信号の高速伝送化が急務な課題になっている。大容量信号の高速伝送化のためには、絶縁層と導体層とで構成される回路基板において、伝送距離を短くする微細配線化と高周波伝送での低損失化が重要となる。
回路基板は、導体層となる銅箔と、絶縁層となる樹脂層とを積層し、これを加熱圧着して銅張積層板を得て、次いで銅箔をエッチングするなどにより回路を形成して製造されている。絶縁層(樹脂層)を形成する重合体としては、エポキシ樹脂が一般に使用されているが、より低誘電率で低損失化の可能な重合体として、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリブタジエンおよびシクロオレフィンポリマーなどの極性の低い重合体を用いることが提案されている。しかしながら、これらの重合体を用いると、樹脂層と銅箔との密着性が不十分な場合があった。また、樹脂層の強度を高めたり、誘電率を低減する目的で、重合体をガラスクロスなどの繊維材に含浸させて用いたり、樹脂層にシリカなどの充填材を添加して用いる場合もあるが、重合体と繊維材や充填材との密着性も不十分な場合があった。
銅箔、繊維材および充填材などの基材と重合体との密着性を高める方法として、基材の表面をシランカップリング剤で処理することが提案されている。例えば、特許文献1には、シランカップリング剤の含有割合が0.01重量%以上であり、かつ光路長が50mmのときの全光線透過率が50%以上であるシランカップリング剤含有水溶液で表面処理してなる基材と、樹脂層とを含んでなる複合体が開示されている。また、特許文献2には、後架橋可能な熱可塑性樹脂を、末端に二重結合、メルカプト基またはアミノ基を有するシランカップリング剤で処理された銅箔に積層し、熱可塑性樹脂部分を架橋して銅張積層板を製造することが開示されている。さらに、特許文献3には、樹脂基材層に対する接着面に、化学構造式の両端部に−Si(OCH)の官能基を備える2官能シランカップリング剤を用いて形成されるシランカップリング剤処理層を備える表面処理銅箔が開示されている。
国際公開第2008/123253号 特開2004−244609号公報 特開2007−98732号公報
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献1に記載の複合材料、特許文献2に記載の銅張積層板、および特許文献3に記載の銅張積層板のいずれにおいても、絶縁層を形成するための架橋前の架橋性樹脂として、分子量が小さく、流動性の高いものを用いた場合における密着性が低く、そのため、このような流動性の高い架橋性樹脂を用いることができないという問題や、さらには、耐熱性が必ずしも十分でないため、はんだ処理後における密着性にも劣るという問題が認められた。
本発明の目的は、樹脂に対する密着性および耐熱性に優れた基材、およびこのような基材を用いて得られる複合材料を提供することである。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討の結果、特定構造を有する2種類のカップリング剤を含む処理剤を用いて、基材を処理することで、該基材を樹脂に対する密着性(特に、流動性が高い樹脂を用いた場合における密着性)および耐熱性(特に、はんだ処理後における樹脂に対する密着性)に優れたものとすることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、
〔1〕下記一般式(1)で表されるカップリング剤(A)、および下記一般式(2)で表されるカップリング剤(B)を含む処理剤で処理してなる基材、
Figure 2010168489
Figure 2010168489
(上記一般式(1)中、Mは、Ti,Si,AlまたはZrを表し、Rは、末端に二重結合、メルカプト基またはアミノ基を有する炭化水素基を表し、X,Xはそれぞれ独立して加水分解性基、水酸基またはアルキル基を表し、Xは加水分解性基または水酸基を表す。上記一般式(2)中、Mは、Ti,Si,AlまたはZrを表し、X,Xはそれぞれ独立して加水分解性基、水酸基またはアルキル基を表し、Xは加水分解性基または水酸基を表し、Yは、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を含む置換基を有していても良い炭素数1〜30の直鎖、分岐もしくは環状の脂肪族炭化水素基、または窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を含む置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を表す。)
〔2〕前記カップリング剤(A)と、前記カップリング剤(B)との比率が、重量比で、カップリング剤(B)/カップリング剤(A)=0.001〜2.0である前記〔1〕に記載の基材、
〔3〕前記〔1〕または〔2〕に記載の基材と、樹脂と、を含む複合材料、
〔4〕前記樹脂の1GHzでの誘電損失が0.01以下である前記〔3〕に記載の複合材料、
〔5〕前記樹脂が、脂環式構造含有重合体である前記〔3〕または〔4〕に記載の複合材料、ならびに、
〔6〕前記脂環式構造含有重合体が、シクロオレフィンモノマーを塊状重合して得られるものである前記〔5〕に記載の複合材料、
が提供される。
本発明によれば、樹脂に対する密着性および耐熱性に優れた基材、およびこれを用いて得られる複合材料が提供される。本発明の複合材料は、基材と樹脂との間の密着性(特に、流動性が高い樹脂を用いた場合における密着性)、および耐熱性(特に、はんだ処理後における基材と樹脂との間の密着性)に優れているため、通信機器用途等のマイクロ波またはミリ波等の高周波回路基板に好適に使用することができる。
本発明の基材は、後述するカップリング剤(A)およびカップリング剤(B)を含む処理剤で、基材本体を処理してなるものである。
また、本発明の複合材料は、このような本発明の基材と、樹脂とを含んでなるものである。
(基材本体)
本発明の基材を構成する基材本体は、定形を有するものであれば良く、特に限定されないが、金属または無機化合物からなるものが好ましい。
このような金属または無機化合物としては、鉄、銅、ニッケル、銀、金、白金、およびアルミニウムなどの金属元素の単体または合金;リンおよび硫黄などの非金属元素の単体;マグネシウム、カルシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、銅、ニッケル、亜鉛、銀、アルミニウム、錫およびアンチモンなどの金属元素の、酸化物、窒化物、ホウ化物、水酸化物、無機酸塩およびこれらの水和物;ホウ素、ケイ素、およびリンなどの非金属元素の、酸化物、窒化物およびこれらの水和物;ならびにこれらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、金属元素の単体または合金、および二酸化ケイ素を含む無機化合物が好ましい。金属元素の単体または合金における金属元素としては、銅、アルミニウムおよびニッケルが好ましく、銅が特に好ましい。また、二酸化ケイ素を含む無機化合物としては、ガラスおよびシリカが好ましく、ガラスが特に好ましい。
基材本体の形状は特に限定されず、板状、シート状、繊維状、および粒子状などが挙げられる。これらのなかでも、シート状である金属元素の単体または合金、すなわち金属箔、および繊維状であるガラス、すなわちガラス繊維が好ましい。
金属箔の厚さは、好ましくは1〜250μm、より好ましくは2〜100μm、さらに好ましくは3〜75μmである。また、金属箔は、電気特性の面において、樹脂と接触する面における表面粗さが、JIS B0601で規定される10点平均粗さ(Rz)で、好ましくは3.0μm以下、より好ましくは2.0μm以下、さらに好ましくは1.0μm以下である。
さらに、金属箔は、その表面について防錆処理が行われていることが好ましい。防錆処理はスパッタ、電気めっきまたは無電解めっきにより、金属箔上に金属箔を構成する金属と異なる他の金属の薄膜を形成することにより行われる。これらのなかでも、工程が簡単で生産性に優れるため、電気めっきが好ましい。防錆処理に用いられる他の金属としては、ニッケル、錫、亜鉛、クロム、モリブデン、またはコバルト、あるいはこれらの合金などが例示され、これらのなかでも、亜鉛またはクロムが好ましい。また、防錆処理を施した上にさらにクロメート処理層が形成されていると、樹脂に対する密着性を向上させることがきるため、好適である。
ガラス繊維の形状としては、チップ、ミルドファイバー、チョップドストランドなどの短繊維;クロス;などが挙げられる。これらのなかでも、強度や耐熱性が優れるため、クロス(ガラスクロス)が好ましい。クロスの形態の具体例としては、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシングマットなどの織布または不織布が挙げられる。これらの形態の中では、寸法安定性の観点からは織布や不織布が好ましい。また、これらの織布または不織布を、熱ロールなどで圧縮してなるものも好ましく、織布と不織布とを積層して用いてもよい。基材本体としてのガラスクロスに、架橋可能な樹脂を含浸させることにより、複合材料としてのプリプレグを得ることができる。
ガラスクロスとしては、その製織に使用される経糸および緯糸として、フィラメント径が好ましくは約5〜10μm程度のモノフィラメントを、約100〜800本程度集束したガラス糸を用いて得られるものが好ましい。また、織り組織としては平織り、朱子織、ななこ織、綾織等で製織されたものが挙げられるが、平織りが好ましい。ガラスの種類としては、プリント配線板用の基材として一般的に使用されるEガラス(無アルカリ)の他、NEガラス(日東紡績社製 NewGlass)、Dガラス(低誘電)、Tガラス(高強度)、Cガラス(アルカリ石灰)、SガラスおよびHガラス(高誘電)、Qガラス等が挙げられる。より具体的には、JIS R3414に規定されている、EP03C、EP06、EP08A、EP11C、EP10AまたはEP18B等が挙げられる。
また、ガラスクロスとしては、異なるガラス組成からなるガラス繊維を組み合わせたものであっても良い。さらに、ガラスクロスに液晶性ポリマー、アラミド、ポリベンゾオキサゾールおよび天然セルロース系繊維などのクロスまたはミクロフィブリルを混抄して用いてもよい。
本発明で用いるガラスクロスの単位面積当たりの重量は、好ましくは1〜250g/m、より好ましくは5〜180g/m、さらに好ましくは5〜120g/m、特に好ましくは5〜80g/mである。ガラスクロスの単位面積当たりの重量を上記範囲とすることにより、各種樹脂と組み合わせて、複合材料とした場合における、強度および密着性を十分なものとすることができる。単位面積当たりの重量が小さすぎると、得られる複合材料の強度が不十分となる場合がある。一方、大きすぎると、繊維間の空隙が少なく樹脂が含浸しにくくなるため、得られる複合材料の密着性が不十分となる場合がある。
本発明で用いるガラスクロスの厚みは、好ましくは5〜300μm、より好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは10〜100μmである。厚みが薄すぎると、各種樹脂と組み合わせて、複合材料とした場合に、得られる複合材料の強度が不十分となる場合がある。一方、厚すぎると、複合材料を複数積層して用いる場合に、厚みの制御が困難となる場合がある。
(処理剤)
本発明で用いる処理剤は、下記一般式(1)で表されるカップリング剤(A)、および下記一般式(2)で表されるカップリング剤(B)を含有してなるものである。
Figure 2010168489
Figure 2010168489
上記一般式(1)中、Mは、Ti,Si,AlまたはZrであり、好ましくはSiである。Rは、末端に二重結合、メルカプト基またはアミノ基を有する炭化水素基であり、末端に二重結合を有する炭化水素基であることがより好ましく、スチリル基であることがより好ましい。また、X,Xは、それぞれ独立して加水分解性基、水酸基またはアルキル基であり、Xは、加水分解性基または水酸基であり、これらX,X,Xは、加水分解性基であることが好ましく、アルコキシル基であることがより好ましい。なお、上記一般式(1)で表されるカップリング剤(A)は、ラジカル反応性を有するカップリング剤として作用する。
また、上記一般式(2)中、Mは、Ti,Si,AlまたはZrであり、好ましくはSiである。X,Xは、それぞれ独立して加水分解性基、水酸基またはアルキル基であり、Xは、加水分解性基または水酸基であり、これらX,X,Xは、加水分解性基であることが好ましく、アルコキシル基であることがより好ましい。また、Yは、炭素数1〜30の直鎖、分岐もしくは環状の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、炭素数2〜15の直鎖の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であることが好ましい。なお、これら脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含む置換基を有していても良い。また、Yが芳香族炭化水素基である場合には、芳香族炭化水素基が直接Mに結合しているものであっても良いし、あるいは、炭素数1〜10のアルキレン基を介して、Mに結合しているものであっても良い。なお、上記一般式(2)で表されるカップリング剤(B)は、主として、加水分解性のカップリング剤として作用する。
上記一般式(1)で表されるカップリング剤(A)の具体例としては、アリルトリメトキシシラン、3−ブテニルトリメトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、N−β−(N−(ビニルベンジル)アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびその塩、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、スチリルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、β−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、β−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、δ−メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記一般式(2)で表されるカップリング剤(B)の具体例としては、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリプロポキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリプロポキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリメトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)ノナン、ビス(トリエトキシシリル)オクタジエン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)デカン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリルメチル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリルエチル)ベンゼン、ビス〔(3−メチルジメトキシシリル)プロピル〕ポリプロピレンオキサイド、ビス〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕ジスルフィド、ビス〔m−(2-トリメトキシシリルエチル)トリル〕ポリスルフィド、ビス〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕チオウレア、ビス(トリエトキシシリルエチル)ビニルメチルシラン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、1,3−〔ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリエチレンオキシ〕−2−メチレンプロパン、ビス(4-トリエトキシシリルプロピル−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタンなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
処理剤中における、カップリング剤(A)とカップリング剤(B)との比率は、カップリング剤(B)/カップリング剤(A)の重量比で、好ましくは0.001〜2.0であり、より好ましくは0.01〜1.0、さらに好ましくは0.05〜0.5、特に好ましくは0.1〜0.3である。カップリング剤(B)/カップリング剤(A)の値が低すぎても、また、高すぎても、樹脂に対する密着性および耐熱性が低下する傾向にある。
(基材)
本発明の基材は、上記基材本体を、上記カップリング剤(A)およびカップリング剤(B)を含有する処理剤を用いて、処理してなるものである。
本発明においては、上記カップリング剤(A)およびカップリング剤(B)を含有する処理剤を用いて、基材本体を処理する際には、カップリング剤(A)およびカップリング剤(B)を含有する処理剤を水中に分散あるいは溶解することにより、処理剤含有水溶液を調製し、調製した処理剤含有水溶液を用いて、基材本体の処理を行うことが好ましい。なお、処理剤含有水溶液を用いて、基材本体の処理を行う際における、具体的な方法としては、たとえば、(a)基材本体を処理剤含有水溶液に浸漬し、次いでこれを引き上げて乾燥する方法、(b)基材本体の表面にロールコーター、ダイコーター.グラビアコーターなどの塗工装置を用いて処理剤含有水溶液を塗布し、次いで乾燥する方法、(c)基材本体の表面に噴霧装置を用いて処理剤含有水溶液を噴霧する方法、などが挙げられる。なお、処理剤を用いた基材本体の処理は、基材本体の表面全体に対して行っても良いし、一部の表面に対して行っても良い。
本発明に用いる処理剤含有水溶液中の処理剤の濃度(すなわち、カップリング剤(A)およびカップリング剤(B)の合計の濃度)は、好ましくは0.001重量%以上であり、より好ましくは0.005〜10重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%である。処理剤含有水溶液中における処理剤の濃度が低すぎると、基材本体の表面処理が不十分となり、得られる基材の樹脂に対する密着性および耐熱性が不十分となる場合がある。一方、処理剤の濃度が高すぎると、処理剤の加水分解による縮合反応が発生し易くなり、処理剤の保存安定性が低下するおそれがある。
また、本発明に用いる処理剤含有水溶液のpHは、好ましくは3〜10であり、より好ましくは3〜7、さらに好ましくは3.5〜6である。pHがこの範囲であると、処理剤の加水分解による縮合反応が抑制され、処理剤の保存安定性を高いものとできる。なお、処理剤含有水溶液のpHは、酢酸、蟻酸、シュウ酸、クエン酸、酪酸などの有機酸や、アンモニア水などのpH調整剤を用いて調整しても良い。
本発明においては、カップリング剤(A)およびカップリング剤(B)を含有する処理剤を水中に分散あるいは溶解させ、処理剤含有水溶液を調製する際には、必要に応じて、界面活性剤や少量の水溶性有機溶媒を用いても良い。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられ、これらのなかでも、作業性および特性面、さらにはイオンマイグレーションなどを生じるおそれの少ないという点より、ノニオン性の界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤を用いることにより、カップリング剤(A)およびカップリング剤(B)を処理剤含有水溶液中に均一に分散させることができる他、加水分解による縮合反応の抑制効果を高め、保存安定性を向上させることができる。
このようなノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンセカンドアルキルエーテルなどのポリオキシニチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;アルキルカルボニルオキシポリオキシエチレン類;脂肪族多価アルコールエステル類;脂肪族多価アルコールポリオキシエチレン類;脂肪族ショ糖エステル類;などを挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の使用量は、処理剤含有水溶液中における、固形分濃度で、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜1重量%である。
水溶性有機溶媒としては、たとえば、アルコール類、ケトン類,ピロリドン類、フラン類、アミン類、およびカルボン酸類などが挙げられ、中でも、アルコール類およびケトン類が好ましく、アルコール類がより好ましく、メタノールおよびエタノールが特に好ましい。水溶性溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(樹脂)
次いで、本発明の複合材料を構成する樹脂について説明する。本発明の複合材料を構成する樹脂としては、上記した本発明の基材と密着または一体化可能なものであれば良く、特に限定されない。
このような重合体としては、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイドなどのポリエーテル;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体などの共役ジエンポリマー;ポリ4−メチルペンテン、ポリスチレンなどのポリオレフィン;全芳香族ポリエステルなどの液晶性ポリマー;シクロオレフィンポリマーなどの脂環式構造含有重合体;などが挙げられる。これらの中でも、極性の低い重合体が好ましく、特に高周波回路基板用途に好適に用いることができるという点より、1GHzでの誘電損失が0.01以下である重合体が好ましく、具体的には、脂環式構造含有重合体が好ましく、シクロオレフィンポリマーがより好ましい。
また、シクロオレフィンポリマーのなかでも、シクロオレフィンモノマーおよびメタセシス重合触媒を含む重合性組成物を塊状重合してなる重合体が特に好ましい。このような重合性組成物を用い、上述した本発明の基材の存在下に塊状重合を行うことにより、重合反応と、樹脂かなる樹脂層を基材上に形成する工程と、を同時に行うことができ、これにより、生産性の向上が可能となる。ここで、「基材の存在下に塊状重合を行う」とは、本発明の基材の表面のうち、処理剤により処理が施された部分と、重合性組成物とが接触する状態で塊状重合を行うことをいう。
このようなシクロオレフィンモノマーおよびメタセシス重合触媒を含む重合性組成物の塊状重合を行う方法としては、たとえば、次の方法が挙げられる。
すなわち、基材が粒子状または短繊維である場合は、重合性組成物に基材を分散させ、次いで塊状重合を行う方法が挙げられる。この場合においては、塊状重合は成形型内で行ってもよいし、重合性組成物を樹脂フィルムなどの支持体上に流延して該支持体上で重合させてもよい。
基材がガラスクロスである場合は、基材に重合性組成物を含浸させ、次いで塊状重合を行う方法が挙げられる。具体的な方法としては、ガラスクロスを成形型内に設置し、該型内に重合性組成物を注入してガラスクロスに重合性組成物を含浸させ、次いで塊状重合を行う方法が挙げられる。あるいは、ガラスクロスを樹脂フィルムなどの支持体上に設置し、ここに重合性組成物を流延してガラスクロスに重合性組成物を含浸させ、次いで該支持体上で塊状重合を行う方法も挙げられる。
さらに、基材が、シート状または板状である場合には、基材上に重合性組成物を流延し、次いで塊状重合を行う方法や、基材を成形型内に設置し、該型内に重合性組成物を注入し、次いで塊状重合を行う方法が挙げられる。
(重合性組成物)
本発明に使用される重合性組成物は、シクロオレフィンモノマーおよびメタセシス重合触媒を含有してなるものである。
本発明に使用される重合性組成物を構成するシクロオレフィンモノマーは、炭素原子で形成される環構造を有し、かつ該環構造中に重合性の炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物である。なお、本明細書において「重合性の炭素−炭素二重結合」とは、連鎖重合(開環重合)可能な炭素−炭素二重結合をいう。開環重合には、イオン重合、ラジカル重合、メタセシス重合など種々の形態のものが存在するが、本発明においては、通常、メタセス開環重合をいう。
シクロオレフィンモノマーの環構造としては、単環、多環、縮合多環、橋かけ環およびこれらを組み合わせた多環などが挙げられる。各環構造を構成する炭素数に特に限定はないが、通常、4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。
シクロオレフィンモノマーは、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基などの炭素数1〜30の炭化水素基や、カルボキシル基または酸無水物基などの極性基を置換基として有していてもよいが、得られる重合体を低誘電正接とする観点から、極性基を持たないもの、すなわち、炭素原子および水素原子のみで構成されるものが好ましい。
シクロオレフィンモノマーとしては、単環のシクロオレフィンモノマーと多環のシクロオレフィンモノマーのいずれをも用いることができる。得られる複合材料の誘電特性、および耐熱性の特性を高度にバランスさせる観点から、多環のシクロオレフィンモノマーが好ましい。多環のシクロオレフィンモノマーとしては、特にノルボルネン環構造を分子内に有するノルボルネン系モノマーが好ましい。ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類などが挙げられる。
ここで、シクロオレフィンモノマーは、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないものと、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するものとに分けられる。本明細書において「架橋性の炭素−炭素不飽和結合」とは、開環重合には関与せず、架橋反応に関与可能な炭素−炭素不飽和結合をいう。架橋反応とは橋架け構造を形成する反応であり、縮合反応、付加反応、ラジカル反応、メタセシス反応など種々の形態のものが存在するが、本発明においては、通常、ラジカル架橋反応またはメタセシス架橋反応、特にラジカル架橋反応をいう。架橋性の炭素−炭素不飽和結合としては、芳香族炭素−炭素不飽和結合を除く炭素−炭素不飽和結合、すなわち、脂肪族炭素−炭素二重結合または脂肪族炭素−炭素三重結合が挙げられ、本発明においては、通常、脂肪族炭素−炭素二重結合をいう。架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマー中、不飽和結合の位置は特に限定されるものではなく、炭素原子で形成される環構造内の他、該環構造以外の任意の位置、例えば、側鎖の末端や内部に存在していてもよい。
架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマーとしては、例えば、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテンなどの単環シクロオレフィンモノマー;ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、1−メチル−2−ノルボルネン、7−メチル−2−ノルボルネン、5,5,6−トリメチル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロ−2−ノルボルネン、5,5−ジクロロ−2−ノルボルネン、5−フルオロ−2−ノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ノルボルネン、5−クロロメチル−2−ノルボルネン、5−メトキシ−2−ノルボルネン、5,6−ジカルボキシル−2−ノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノ−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネンなどのノルボルネン系モノマー;を挙げることができ、好ましくは架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないノルボルネン系モノマーである。
架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマーとしては、例えば、3−ビニルシクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロへキサジエン、1,4−シクロへキサジエン、5−エチル−1,3−シクロへキサジエン、1,3−シクロへプタジエン、1,3−シクロオクタジエンなどの単環シクロオレフィンモノマー;5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、5,6−ジエチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエンなどのノルボルネン系モノマー;を挙げることができ、好ましくは架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーである。
これらのシクロオレフィンモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に使用されるシクロオレフィンモノマーとしては、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマーを含むものが、得られる複合材料の信頼性が向上するため、好適である。
本発明の重合性組成物に配合するシクロオレフィンモノマー中における、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマーと架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマーとの配合割合は所望により適宜選択されるが、重量比(架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマー/架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマー)で、通常、0.01/99.9〜100/0、好ましくは1/99〜90/10、より好ましくは5/95〜80/20の範囲である。これらの配合割合がこのような範囲にある場合に、得られる複合材料の耐熱性のさらなる向上を図ることができる。
本発明に使用される重合性組成物を構成するメタセシス重合触媒としては、シクロオレフィンモノマーをメタセシス開環重合できるものであれば良いが、通常、遷移金属原子を中心原子として、複数のイオン、原子、多原子イオンおよび/または化合物が結合してなる錯体が挙げられる。遷移金属原子としては、5族、6族および8族(長周期型周期表、以下同じ)の原子が使用される。それぞれの族の原子は特に限定されないが、5族の原子としては例えばタンタルが挙げられ、6族の原子としては、例えばモリブデンやタングステンが挙げられ、8族の原子としては、例えばルテニウムやオスミウムが挙げられる。これらの中でも、8族のルテニウムやオスミウムの錯体をメタセシス重合触媒として用いることが好ましく、ルテニウムカルベン錯体が特に好ましい。ルテニウムカルベン錯体は、塊状重合時の触媒活性が優れるため、生産性に優れ、未反応のモノマーに由来する臭気が少なく作業性に優れる。ルテニウムカルベン錯体は、酸素や空気中の水分に対して比較的安定であって、失活し難いので、これを用いることにより、大気下での生産を可能とすることができる。
ルテニウムカルベン錯体としては、下記一般式(3)または一般式(4)で表されるものが挙げられる。
Figure 2010168489
上記一般式(3)および一般式(4)において、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
1およびZ2は、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子を示す。アニオン性配位子とは、中心金属原子から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子であり、例えば、ハロゲン原子、ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、カルボキシル基などを挙げることができる。これらの中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
1およびL2はそれぞれ独立して、ヘテロ原子含有カルベン化合物または中性電子供与性化合物を表す。ヘテロ原子とは、周期律表第15族および第16族の原子を意味し、具体的には、N、O、P、S、As、Se原子などを挙げることができる。これらの中でも、安定なカルベン化合物が得られる観点から、N、O、P、S原子などが好ましく、N原子が特に好ましい。
ヘテロ原子含有カルベン化合物としては、下記一般式(5)または一般式(6)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010168489
式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20個の炭化水素基を表す。また、R〜Rは任意の組合せで互いに結合して環を形成していてもよい。
中性の電子供与性化合物は、中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよい。その具体例としては、ホスフィン類、エーテル類およびピリジン類などが挙げられ、トリアルキルホスフィンがより好ましい。
なお、上記式(3)および(4)において、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、さらに、R,R,Z1,Z2,L1およびL2は、任意の組合せで互いに結合して、多座キレート化配位子を形成してもよい。
本発明においては、メタセシス重合触媒としてヘテロ環構造を有する化合物を配位子として有するルテニウム触媒を用いることが、得られる複合材料の高周波特性、および耐熱性の各特性を高度にバランスさせることができるため、好ましい。ヘテロ環構造を構成するヘテロ原子としては、例えば、O原子、N原子等が挙げられ、好ましくはN原子である。また、ヘテロ環構造としては、イミダゾリン構造やイミダゾリジン構造が好ましい。
このようなヘテロ環構造を有する化合物を配位子として有するルテニウム触媒としては、上記式(3)または(4)で表され、L1またはL2としてヘテロ原子含有カルベン化合物からなる配位子を有するルテニウム触媒を好適に用いることができる。ヘテロ原子含有カルベン化合物を構成するヘテロ原子としては、N原子が好ましい。このようなヘテロ原子含有カルベン化合物の具体例としては、例えば、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルオクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデンなどが挙げられる。
また、ヘテロ原子含有カルベン化合物からなる配位子を有するルテニウム触媒の具体例としては、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリドなどの、配位子としてヘテロ原子含有カルベン化合物と中性電子供与性化合物とが結合したルテニウム錯体化合物が挙げられる。
これらのメタセシス重合触媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。メタセシス重合触媒の使用量は、(触媒中の金属原子:シクロオレフィンモノマー)のモル比で、通常1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。
メタセシス重合触媒は必要に応じて、少量の不活性溶剤に溶解または懸濁して使用することができる。このような溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、流動パラフィン、ミネラルスピリットなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;インデン、テトラヒドロナフタレンなどの脂環と芳香環とを有する炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。これらの中では芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、および脂環と芳香環とを有する炭化水素の使用が好ましい。
また、本発明に用いられる重合性組成物は、上記シクロオレフィンモノマーおよびメタセシス重合触媒以外に、所望により、連鎖移動剤、架橋剤、充填剤、重合調整剤、重合反応遅延剤、老化防止剤、その他の配合剤などを添加することができる。
本発明に使用される連鎖移動剤としては、ビニル基を有する化合物が挙げられる。このような連鎖移動剤の具体例としては、1−ヘキセン、2−ヘキセン、スチレン、ビニルシクロヘキサン、アリルアミン、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、4−ビニルアニリンなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たない連鎖移動剤;ジビニルベンゼン、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸スチリル、アクリル酸アリル、メタクリル酸ウンデセニル、アクリル酸スチリル、エチレングリコールジアクリレートなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1つ有する連鎖移動剤;アリルトリビニルシラン、テトラアリルシランなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を2以上有する連鎖移動剤などが挙げられる。これらのなかでも、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1つ有するものが好ましく、ビニル基とメタクリル基とを1つずつ有する連鎖移動剤がより好ましく、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸スチリル、およびメタクリル酸ウンデセニルが特に好ましい。
これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。連鎖移動剤の配合量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
架橋剤としては、ラジカル発生剤、エポキシ化合物、イソシアネート基含有化合物、ルイス酸などが挙げられ、ラジカル発生剤が特に好ましい。重合性組成物に架橋剤を含有させることにより、重合性組成物を重合して得られる重合体を架橋可能な重合体とすることができる。
ラジカル発生剤としては、例えば、有機過酸化物、ジアゾ化合物、および非極性ラジカル発生剤などが挙げられ、得られる樹脂の誘電正接を低くすることができるという点より、有機過酸化物、および非極性ラジカル発生剤が好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート類;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキシド類;3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナン、3,6−ジエチル−3,6−ジメチル−1,2,4,5−テトロキサンなどの環状パーオキサイド類;が挙げられる。これらのなかでも、重合反応に対する障害が少ない点で、ジアルキルペルオキシド類、ペルオキシケタール類、および環状パーオキサイド類が好ましい。
ジアゾ化合物としては、例えば、4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。
非極性ラジカル発生剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、1,1,2−トリフェニルエタン、1,1,1−トリフェニル−2−フェニルエタンなどが挙げられる。
これらの架橋剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。重合性組成物への架橋剤の配合量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
充填剤としては、工業的に一般に使用されるものであれば格別な限定はなく、無機系充填剤および有機系充填剤のいずれも用いることができるが、好適には無機系充填剤である。本発明の重合性組成物に充填剤を配合することにより、得られる複合材料の機械強度と耐熱性との向上が可能となる。
無機系充填剤としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、金、銀、アルミニウム、鉛、タングステン等の金属粒子;カーボンブラック、グラファイト、活性炭、炭素バルーン等の炭素粒子;シリカ、シリカバルーン、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化すず、酸化ベリリウム、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の無機酸化物粒子;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等の無機炭酸塩粒子;硫酸カルシウム等の無機硫酸塩粒子;タルク、クレー、マイカ、カオリン、フライアッシュ、モンモリロナイト、ケイ酸カルシウム、ガラス、ガラスバルーン等の無機ケイ酸塩粒子;チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛等のチタン酸塩粒子;窒化アルミニウム、炭化ケイ素粒子やウィスカー等が挙げられる。有機系充填剤としては、例えば、木粉、デンプン、有機顔料、ポリスチレン、ナイロン、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、塩化ビニル、廃プラスチック等の化合物粒子が挙げられる。これらの充填剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらはシランカップリング剤などで表面処理されていることが好ましい。
充填剤の配合量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常1〜1,000重量部、好ましくは10〜500重量部、より好ましくは50〜350重量部の範囲である。
重合調整剤は、重合活性を制御したり、重合反応率を向上させたりする目的で配合されるものである。重合調整剤としては、例えば、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウムなどが挙げられる。これらの重合調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合調整剤を用いる場合における、重合調整剤の配合量は、モル比(メタセシス重合触媒中の金属原子:重合調整剤)で、好ましくは1:0.05〜1:100、より好ましくは1:0.2〜1:20、さらに好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
重合反応遅延剤は、本発明の重合性組成物の粘度増加を抑制し得るものである。重合反応遅延剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ビニルジフェニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、トリアリルホスフィン、スチリルジフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物;アニリン、ピリジンなどのルイス塩基;等を用いることができる。重合反応遅延剤を用いる場合における、重合反応遅延剤の配合量は、所望により適宜調整すればよい。
老化防止剤としては、たとえば、フェノール系老化防止剤、アミン系老化防止剤、リン系老化防止剤、イオウ系老化防止剤などが挙げられ、これらの老化防止剤を配合することにより、架橋反応を阻害しないで、得られる複合材料の耐熱性を高度に向上させることができるため、好適である。これらの中でも、フェノール系老化防止剤およびアミン系老化防止剤が好ましく、フェノール系老化防止剤がより好ましい。これらの老化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。老化防止剤を使用する場合における、老化防止剤の使用量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、好ましくは0.0001〜10重量部、より好ましくは0.001〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜2重量部の範囲である。
また、本発明に用いる重合性組成物には、上記した配合剤以外のその他の配合剤を配合することができる。その他の配合剤としては、着色剤、光安定剤、顔料、発泡剤などを用いることができる。着色剤としては、染料、顔料などが用いられる。染料の種類は多様であり、公知のものを適宜選択して使用すればよい。これらのその他の配合剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は、本発明の効果を損ねない範囲で適宜選択される。
本発明に用いる重合性組成物は、上記成分を混合して得ることができる。混合方法としては、常法に従えばよく、例えば、メタセシス重合触媒を適当な溶媒に溶解若しくは分散させた液(触媒液)を調製し、別にシクロオレフィンモノマー、およびフェノキシ基含有オリゴマーなどの必須の成分、ならびに所望によりその他の配合剤を配合した液(モノマー液)を調製し、該モノマー液に触媒液を添加し、攪拌することによって調製することができる。
そして、このような重合性組成物を、基材の存在下に塊状重合することにより、シクロオレフィンポリマーからなる樹脂と、基材とからなる複合材料を得ることができる。なお、基材の存在下に塊状重合を行う方法としては、上述したいずれの方法も採用可能である。
本発明に用いられるシクロオレフィンポリマーからなる樹脂、および本発明の複合材料を構成する樹脂部分は、実質的に架橋構造を有さず、例えば、トルエンに可溶であり、その分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(溶離液:トルエン)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲である。
ここで、塊状重合は、重合性組成物に含有されるメタセシス触媒が機能を発現する温度まで重合性組成物を加熱することによって開始される。重合反応を開始させる温度は、通常50〜250℃、好ましくは100〜200℃である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒間から20分間、好ましくは5分間以内である。
ここで、塊状重合反応は発熱反応であり、一旦塊状重合が開始すると、重合性組成物の温度が急激に上昇し、短時間(例えば、10秒間から5分間程度)でピーク温度に到達する。そして、重合性組成物を架橋剤を含有する構成とした場合には、重合反応時のピーク温度があまりに高くなると、重合反応と架橋反応とが同時に進行してしまうため、得られる重合体は架橋された重合体となる。したがって、架橋可能な重合体を得る場合には、重合反応のみを完全に進行させ、架橋反応が進行しないようにするために、塊状重合における重合性組成物のピーク温度を、好ましくは架橋剤の1分間半減期温度以下、より好ましくは1分間半減期温度の10℃以下、さらに好ましくは1分間半減期温度の20℃以下に制御することが好ましい。
そして、このようにして得られる架橋可能な重合体であるシクロオレフィンポリマーは、架橋することにより、架橋された重合体とできる。架橋は、例えば、重合性組成物を塊状重合することにより得られた複合材料を、加熱溶融するなどして、樹脂中の未架橋部分が架橋反応を起す温度以上に維持することによって行うことができる。来架橋部分を架橋させる際の温度は、通常、ラジカル発生剤の1分間半減期温度以上、好ましくは1分間半減期温度より5℃以上高い温度、より好ましくは1分間半減期温度より10℃以上高い温度である。また、架橋時間は特に制約されないが、通常数分から数時間である。
なお、複合材料が、シート状またはフィルム状である場合は、該複合材料を必要に応じて複数積層し、熱プレスして架橋することにより、積層体としても良い。このようなシート状またはフィルム状の複合材料としては、架橋可能な重合体を含む樹脂層が基材のクロスに含浸されてなるプリプレグ、または架橋可能な重合体と金属箔とが積層されてなる樹脂付き金属箔などが好適に例示される。熱プレスの圧力は、通常0.5〜20MPa、好ましくは3〜10MPaである。熱プレスは、真空または減圧雰囲気下で行ってもよい。熱プレスは、平板成形用のプレス枠型を有する公知のプレス機、シートモールドコンパウンド(SMC)やバルクモールドコンパウンド(BMC)などのプレス成形機を用いて行なうことができる。
このようにして得られる本発明の複合材料は、高周波特性、基材と樹脂との間の密着性(特に、流動性が高い樹脂を用いた場合における密着性)、および耐熱性(特に、はんだ処理後における基材と樹脂との間の密着性)に優れるものであるため、高周波基板材料として広く好適に用いることができる。具体的には、本発明の複合材料は、通信機器用途等のマイクロ波またはミリ波等の高周波回路基板に好適に用いることができる。さらに、本発明の複合材料は、基材として、ガラスクロスを表面処理してなるものを用いた場合には、樹脂の基材中への含浸性を高めることができ、これにより樹脂と基材との密着性を高めることができ、しかも、冷熱衝撃試験での耐クラック性を向上させることもできる。
以下、実施例、および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、および比較例における「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基準である。
また、試験、評価は下記によった。
(1)分子量
架橋性樹脂成形体(プリプレグ)中の樹脂の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(溶離液:トルエン)にて測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量(Mw)を求めた。
(2)銅箔外観
銅箔の外観評価は、表面処理後の銅箔の筋や斑点模様などの処理斑を目視で観察し、以下の基準で評価した。処理斑が少ないほど、処理剤が均一に塗布されていることを表す。
○:銅箔表面に処理斑が全くみられなかった。
△:銅箔表面全体のうち、10面積%未満に斑がみられた。
×:銅箔表面全体のうち、10面積%以上に斑がみられた。
(3)樹脂流動性
架橋性樹脂成形体(プリプレグ)1枚を、IPC基板(IPC規格多目的基板)と電解銅箔(Type GTS、厚さ0.018mm、古河サーキットフォイル製)で挟み、熱プレス機により、平板形状を保ちながら、熱プレスした。熱プレスの条件は、温度200℃、時間15分、圧力5MPaであった。熱プレス終了後、目視にてIPC基板への樹脂埋め込み性評価を行った。
○:基板間に空隙が見られず、樹脂が凹凸に追随してきれいに埋め込まれている
×:基板全体に空隙が確認され、凹凸埋め込みは不十分である
(4)銅箔の引き剥がし強さ
表面処理銅箔を用いた積層体における銅箔の引き剥がし強さを、JIS C6481に基づいて測定し、以下の基準で評価した。銅箔の引き剥がし強さが大きいほど、銅箔と樹脂とが強固、かつ均一に密着していることを表す。
◎: 0.6kN/m以上
○: 0.5kN/m以上、0.6kN/m未満
△: 0.4kN/m以上、0.5kN/m未満
×: 0.4kN/m未満
(5)耐熱性
表面処理銅箔を用いた積層体について、はんだ温度260℃のはんだ浴に10秒間浮かべ、室温に30秒放置する試験を3回繰り返すという条件にて、はんだ試験を行った。はんだ試験を行った後の積層体について、上記(4)と同様に、銅箔の引き剥がし強さを測定し、上記(4)と同様の基準で評価した。銅箔の引き剥がし強さが大きいほど、はんだを行った後においても、銅箔と樹脂とが強固、かつ均一に密着しており、耐熱性に優れていることを表す。
(6)ガラスクロスと樹脂との密着性(含浸性)
表面処理ガラスクロスを用いた積層体を切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、樹脂とガラスクロスとの間の密着性を、以下の基準で評価した。
○:密着していない部分が確認できなかった。
×:密着していない部分が確認された。
(7)耐クラック性
表面処理ガラスクロスを用いた積層体について、−40℃〜+150℃の温度範囲で300サイクルの冷熱衝撃試験を行い、冷熱衝撃試験後の積層体について、任意の1cm角の表面について50倍の倍率にて光学顕微鏡で観察を行い、以下の基準に従って耐クラック性を評価した。なお、冷熱衝撃試験は、冷熱衝撃試験装置(エスペック社製、型番;TSA−71H−W)により行った。
○:クラックの発生が確認されなかった。
△:クラックの発生が1〜10箇所に確認された。
×:クラックの発生が11箇所以上に確認された。
(8)誘電正接(tanδ)
表面処理銅箔を用いた積層体および表面処理ガラスクロスを用いた積層体について、インピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー社製、型番号E4991A)を用いて20℃で周波数1GHzにおける誘電正接(tanδ)を容量法にて測定し、以下の基準で評価した。
A:0.002以下
B:0.002超、0.003以下
C:0.003超
実施例1
<処理剤含有水溶液の調製>
カップリング剤(A)としてのp−スチリルトリメトキシシラン(KBM−1403、信越化学工業社製)、およびカップリング剤(B)としてのビス(トリメトキシシリル)オクタン(SIB1824.0、アズマックス社製)を、「ビス(トリメトキシシリル)オクタン」/「p−スチリルトリメトキシシラン」=0.05(重量比)の比率で、メタノールに濃度50%になるように溶解した。次いで、該溶液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル(商品名:HS−210、日本油脂製、HLB値13、5)を0.06%含む水溶液に逐次的に滴下することにより、溶解させた。滴下の速度は、界面活性剤含有水溶液1リットルあたり、5m1/分とした。さらに、この溶液のpHが4.0になるように酢酸を滴下し、シランカップリング剤濃度0.03%の処理剤含有水溶液を得た。
<銅箔の表面処理>
1m角の銅箔(厚さ12μmの電解銅箔、表面クロメート処理、粗度Rz=0.8μm、古河サーキットフォイル社製)に、上記で得られた処理剤含有水溶液を、温度23℃、湿度50%の環境下で、バーコーターを用いて塗布厚が4μmになるように均一に塗布した。次いで、これを速やかに窒素気流下で120℃で5分間乾燥させることによって、表面処理銅箔を得た。
<重合性組成物の調製>
ガラス製フラスコ中で、ベンジリデン(1,3−ジメチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド51部と、トリフェニルホスフィン79部とを、トルエン952部に溶解させて触媒液を調製した。一方、これとは別に、ポリエチレン製の瓶にシクロオレフィンモノマーとしてのテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン(TCD)80部、およびジシクロペンタジエン20部の混合物を入れ、ここに連鎖移動剤としてアリルメタクリレート3.5部、架橋剤としてジ−t−ブチルペルオキシド(1分間半減期温度186℃)1.2部、およびシリカ(平均粒子径0.5μm、シランカップリング剤処理品、アドマテックス社製)100部を加えて混合することによりモノマー液を調製した。そして、得られたモノマー液に、上記にて調製した触媒液を、シクロオレフィンモノマー100g当たり0.12mLの割合で加えて攪拌し、重合性組成物を調製した。
<表面処理銅箔を用いた積層体の作製>
次いで、得られた重合性組成物100部をポリエチレンナフタレートフィルム(タイプQ51、厚み75μm、帝人デュポンフィルム社製)の上に流延し、その上にガラスクロス(品番2116、厚み92μm)を敷いて、さらにその上に上記重合性組成物80部を流延した。その上からさらにポリエチレンナフタレートフィルムを被せて、ローラーを用いて重合性組成物をガラスクロス全体に含侵させた。次いで、これを145℃に熱した加熱炉中で、1分間加熱し、重合性組成物を塊状重合させることにより、厚さ0.13mmの架橋性樹脂成形体(プリプレグ)を得た。
次いで、得られたプリプレグを100mm角の大きさに切り出し、ポリエチレンナフタレートフィルムを剥離し、これを8枚重ねて、最外面に上記で得た表面処理銅箔を、その表面処理面がプリプレグと接触するように配置し、熱プレスにて、3MPa、200℃の条件で15分間加熱圧着し、表面処理銅箔を用いた積層体を作製した。そして、得られた表面処理銅箔を用いた積層体について、上記方法に従い、銅箔の引き剥がし強さ、耐熱性、および誘電正接(tanδ)の各評価を行った。また、表面処理銅箔については、上記方法に従い、外観の評価も行った。結果を表1に示す。
実施例2〜5
カップリング剤(A)としてのp−スチリルトリメトキシシラン、およびカップリング剤(B)としてのビス(トリメトキシシリル)オクタンの比率を、重量比で、それぞれ、「ビス(トリメトキシシリル)オクタン」/「p−スチリルトリメトキシシラン」=0.10(実施例2)、0.20(実施例3)、0.33(実施例4)、0.50(実施例5)とした以外は、実施例1と同様にして、表面処理銅箔および表面処理銅箔を用いた積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6
カップリング剤(B)として、ビス(トリメトキシシリル)オクタンの代わりに、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(SIB1821.0、アズマックス社製)を用い、カップリング剤の比率を、「ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン」/「p−スチリルトリメトキシシラン」=0.10(重量比)とした以外は、実施例1と同様にして、表面処理銅箔および表面処理銅箔を用いた積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7
カップリング剤(B)として、ビス(トリメトキシシリル)オクタンの代わりに、1,4−ビス(トリエトキシシリルエチル)ベンゼン(SIB1831.0、アズマックス社製)を用い、カップリング剤の比率を、「1,4−ビス(トリエトキシシリルエチル)ベンゼン」/「p−スチリルトリメトキシシラン」=0.15(重量比)とした以外は、実施例1と同様にして、表面処理銅箔および表面処理銅箔を用いた積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例8
架橋性樹脂成形体(プリプレグ)を調整する際に、シクロオレフィンモノマーを含有する重合性組成物の代わりに、ポリブタジエン系樹脂を使用した以外は、実施例2と同様にして、表面処理銅箔および表面処理銅箔を用いた積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例9
<ガラスクロスの表面処理>
表面処理が行われていないガラスクロス(厚さ80μm、単位面積当たりの重量が85g/m、Eガラス)を温度400℃で27時間熱処理した。次いで、熱処理後のガラスクロスを、実施例1と同様にして作製した処理剤含有水溶液中に、浸漬し、余剰分を絞り、乾燥させることにより、表面処理ガラスクロスを得た。なお、ガラスクロスに対するスチリルトリメトキシシランおよびビス(トリメトキシシリル)オクタンの合計の付着量は、0.08%であった。
<表面処理ガラスクロスを用いた積層体の作製>
実施例1と同様にして得られた重合性組成物100部をポリエチレンナフタレートフィルム(タイプQ51、厚み75μm、帝人デュポンフィルム社製)の上に流延し、その上に、上記にて得られた表面処理ガラスクロスを敷いて、さらにその上に上記重合性組成物80部を流延し、その上からさらにポリエチレンナフタレートフィルムを被せ、ローラーを用いて重合性組成物を表面処理ガラスクロスに含浸させた。次いで、これを145℃に熱した加熱炉中で、1分間加熱し、重合性組成物を塊状重合させることにより、厚さ0.13mmの架橋性樹脂成形体(プリプレグ)を得た。
次いで、得られたプリプレグを100mm角の大きさに切り出し、ポリエチレンナフタレートフィルムを剥離し、これを8枚重ねて、最外面に、カップリング剤による表面処理が行われていない銅箔(厚さ12μmの電解銅箔、表面クロメート処理、粗度Rz=0.8μm、古河サーキットフォイル社製)を配置し熱プレスにて、3MPa、200℃の条件で15分間加熱圧着し、表面処理ガラスクロスを用いた積層体を作製した。そして、得られた表面処理ガラスクロスを用いた積層体について、上記方法に従い、ガラスクロスと樹脂との密着性、耐クラック性、および誘電正接(tanδ)の各評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1
カップリング剤(B)としてのビス(トリメトキシシリル)オクタンを用いなかった以外は、実施例1と同様にして、表面処理銅箔および表面処理銅箔を用いた積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。なお、比較例1においては、カップリング剤(A)としてのスチリルトリメトキシシランの配合量は、実施例1におけるカップリング剤(A)としてのスチリルトリメトキシシランと、カップリング剤(B)としてのビス(トリメトキシシリル)オクタンと、の合計量と同様にした(以下、比較例2〜5においても比較例1に準じた。)
比較例2
カップリング剤(A)としてのスチリルトリメトキシシランを用いなかった以外は、実施例1と同様にして、表面処理銅箔および表面処理銅箔を用いた積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3
表面処理銅箔を調製する際に、カップリング剤(A)としてのスチリルトリメトキシシランを用いず、また、重合性組成物を調製する際に、連鎖移動剤としてのアリルメタクリレートの配合量を3.5部から2.6部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面処理銅箔および表面処理銅箔を用いた積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例4
カップリング剤(B)としてのビス(トリメトキシシリル)オクタンを用いなかった以外は、実施例9と同様にして、表面処理ガラスクロスを用いた積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
比較例5
カップリング剤(A)としてのスチリルトリメトキシシランを用いなかった以外は、実施例9と同様にして、表面処理ガラスクロスを用いた積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2010168489
Figure 2010168489
表1に示すように、本発明所定のカップリング剤(A)およびカップリング剤(B)を含有する処理剤により表面処理された銅箔を用いて得られた積層体は、樹脂層と銅箔との密着性および耐熱性に優れる結果となった(実施例1〜8)。
また、表2に示すように、本発明所定のカップリング剤(A)およびカップリング剤(B)を含有する処理剤により表面処理されたガラスクロスを用いて得られた積層体は、樹脂とガラスクロスとの間の密着性に優れ、さらには耐クラック性にも優れる結果となった(実施例9)。
一方、表1に示すように、カップリング剤(A)およびカップリング剤(B)のうち一方のみで表面処理された銅箔を用いて得られた積層体は、樹脂層と銅箔との密着性および耐熱性に劣る結果となった(比較例1,2)。
カップリング剤(B)のみで表面処理された銅箔を用いるとともに、プリプレグを形成するシクロオレフィンポリマーとして、分子量が25,000のものを用いた場合には、得られた積層体は、分子量の高い樹脂を用いたにも係らず、依然として樹脂層と銅箔との密着性および耐熱性に劣り、また、流動性にも劣る結果となり、高周波回路基板用途に適さないものであった(比較例3)。
また、表2に示すように、カップリング剤(A)のみで表面処理されたガラスクロスを用いて得られた積層体は、耐クラック性に劣る結果となった(比較例4)。
さらに、表2に示すように、カップリング剤(B)のみで表面処理されたガラスクロスを用いて得られた積層体は、含浸性、および耐クラック性に劣る結果となった(比較例5)。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるカップリング剤(A)、および下記一般式(2)で表されるカップリング剤(B)を含む処理剤で処理してなる基材。
    Figure 2010168489
    Figure 2010168489
    (上記一般式(1)中、Mは、Ti,Si,AlまたはZrを表し、Rは、末端に二重結合、メルカプト基またはアミノ基を有する炭化水素基を表し、X,Xはそれぞれ独立して加水分解性基、水酸基またはアルキル基を表し、Xは加水分解性基または水酸基を表す。上記一般式(2)中、Mは、Ti,Si,AlまたはZrを表し、X,Xはそれぞれ独立して加水分解性基、水酸基またはアルキル基を表し、Xは加水分解性基または水酸基を表し、Yは、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を含む置換基を有していても良い炭素数1〜30の直鎖、分岐もしくは環状の脂肪族炭化水素基、または窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を含む置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を表す。)
  2. 前記カップリング剤(A)と、前記カップリング剤(B)との比率が、重量比で、カップリング剤(B)/カップリング剤(A)=0.001〜2.0である請求項1に記載の基材。
  3. 請求項1または2に記載の基材と、樹脂と、を含む複合材料。
  4. 前記樹脂の1GHzでの誘電損失が0.01以下である請求項3に記載の複合材料。
  5. 前記樹脂が、脂環式構造含有重合体である請求項3または4に記載の複合材料。
  6. 前記脂環式構造含有重合体が、シクロオレフィンモノマーを塊状重合して得られるものである請求項5に記載の複合材料。
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