JP2010168253A - 無機微粒子の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

無機微粒子の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】量産性が高く、粒子径、粒子形状等の粒子形態の制御が可能であり、凝集がなく分散性に優れ、粒子が均一であり、高結晶である金属酸化物等の無機微粒子の製造方法及びその製造装置を提供すること。
【解決手段】無機微粒子を連続式水熱反応法により製造する方法であって、無機物を溶解若しくは懸濁させた液と、アルカリ水溶液とを混合して無機アルカリ塩水溶液又はスラリーを含む反応前駆体を調製し、加圧した液相中の当該反応前駆体の濃度を均一化した上で水熱反応を行うことを特徴とする無機微粒子の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続式水熱反応法を用いた金属酸化物等の無機微粒子の製造方法及びその製造装置に関する。本発明の無機微粒子の製造方法及びその製造装置は、量産性が高く、粒子径、粒子形状等の粒子形態の制御が可能であり、凝集がなく分散性に優れ、粒子が均一であり、高結晶である無機微粒子の製造方法及びその製造装置として好適に使用することができる。
金属酸化物等の無機微粒子は、セラミックス材料、電子材料、触媒、顔料、機能性フィラー等の様々な用途に利用されている。その用途に合せて無機微粒子に求められている特性は異なるが、粒子の微粒子化、均一性、高分散性はどの用途でも特性向上に必要な要素である。
従来、無機微粒子の合成法としては、気相法、固相法、共沈法、加水分解法、ゾルゲル法、熱分解法、水熱反応法等が挙げられる。その中でも水熱反応法は、液相法の反応がすべて利用可能であり、固相法、共沈法、加水分解法等では得るのが困難な微粒子が得られやすく、ゾルゲル法に比べて高結晶性且つ凝集の少ない微粒子が熱処理なしで得られることから好ましく用いられている。
水熱反応法では、密閉容器であるオートクレーブを用いた回分式が一般的であるが、亜臨界及び超臨界条件等のような高温高圧になると、容器サイズが大きくなるため設備費が掛かり、大きな容器を高温に昇温するため加熱電力費も掛かる。また、昇温及び冷却に時間も掛かる。そのため、これまでのオートクレーブを用いた水熱反応法では、亜臨界又は超臨界よりも低温低圧で比較的長い時間で反応させているのが一般的である。
しかし、低温低圧になると生産効率が悪く、生成する無機微粒子の結晶性が低いといった問題点がある。また、密閉容器であるオートクレーブを用いた水熱反応法では、圧力が温度及び反応溶媒に依存するため、圧力因子による結晶性制御が困難である。粒子形態の均一性に対しても反応溶液の攪拌の影響が大きく、粒子形状が異なったり、粒度分布が広くなったり、結晶性が不均一な粒子が生成したりする。
これまでの連続式水熱反応法を用いた無機微粒子の製造方法として、特許文献1では、金属塩水溶液を、水の亜臨界乃至超臨界条件の流通型反応器に連続的に供給して金属酸化物微粒子を製造する方法が記載されている。その明細書中には、原料の金属塩水溶液にアルカリ性水溶液を添加してもよいと記載されているが、高圧ポンプを用いて原料を加圧するため、スラリー状の原料(特に高濃度の場合)では耐圧ポンプの高圧部の詰りにより安定して吐出できず、故障が生じ易く、また、原料濃度が不均一となるため反応器において生成物の詰りが生じ易い。また、その実施例においても、原料には金属塩水溶液のみの使用であり、原料濃度も0.0004〜0.1mol/Lと低い。また、原料濃度及び反応条件により粒子形状及び粒子径等の粒子形態制御が行えると記載されているが、その制御範囲は狭く、量産性が低い。一般的に水熱反応法での粒子形態の制御因子として最も効果があるのはアルカリ量であるが、特許文献1での製造方法では粒子形態の制御が困難である。
特許文献2及び3では、流通型反応器を用いてバリウムフェライト微粒子を製造する方法が記載されている。製造方法としては、特許文献2では加圧及び加熱したアルカリ性水溶液と、加圧した金属塩水溶液を、特許文献3では加圧及び加熱した水と、加圧した金属塩水溶液及びアルカリ性水溶液を、送液ライン内で混合した後で流通型反応器に連続供給している。これらの文献では原料に金属塩水溶液とアルカリ性水溶液を用いているが、特許文献1と同様に高圧ポンプを用いて加圧しているため、送液ライン内での混合となってしまう。送液ライン内での混合では中和反応時に固形物の生成による粘性増加により、原料として均一なスラリー状の反応前駆体を用いることが出来ず、高濃度の原料では反応器での詰りが生じ易い。そのため、低濃度の原料での製造しかできず量産性が悪い。それらの実施例においても、原料のFe濃度が0.01mol/Lと低く、製造したバリウムフェライト微粒子は均一な粒子形態を得ることが困難であり、飽和磁化も低く、35.0〜50.0 emu/gの範囲である。また、生成物の回収をラインフィルタで行っているが、フィルタでの生成物の目詰りにより圧力変動が生じ易い。
特許文献4及び5では、超臨界条件の反応器内に加圧した原料を噴霧して金属酸化物微粒子を製造する方法が記載されている。超臨界条件の反応器に噴霧することにより、熱損失なく、すぐに超臨界条件下において結晶化させることで粒子形態の均一化を図っているが、超臨界条件下で原料の濃度変化が生じるため均一な微粒子を得ることが困難であり、高濃度の原料では反応器下部での生成物の堆積により詰り易いといった問題点が挙げられる。また、特許文献5では原料のY濃度が0.0135mol/L、Al濃度が0.025mol/Lと低く、低濃度の原料での製造であるため量産性が悪い。
特許文献6〜8では、加圧した原料スラリーと、加圧及び加熱した水を配管内で混合する際に噴霧混合して金属酸化物微粒子を製造する方法が記載されている。噴霧混合の利点としては、飽和蒸気温度を超え、特に臨界温度を超える範囲で配管内に原料スラリーを流しても、水が水蒸気となっているためスラリー中の固体分が分離してしまい、配管内に詰る可能性があるため、原料スラリーと水質液体を分けて反応させることや、特許文献2,3のようなT字型やY字型での混合部では、圧縮率が大きく、流速の異なる2流体の混合の際、粒子形態に大きな影響を与えるため噴霧混合を用いている。しかし、高圧ポンプでの高濃度のスラリー状原料の送液は、ポンプの高圧部の詰りにより安定して吐出できないこと、配管内での金属塩水溶液とアルカリ性水溶液の混合では、中和反応時の固形物の生成による粘性増加により、均一なスラリー状の反応前駆体を得ることが困難であること、また、高濃度の原料では反応器において詰り易いため、加圧及び加熱した水と加圧した原料スラリーを噴霧混合して原料濃度を低くすることで反応器での詰りを防止しているが、特許文献2及び3と同様に瞬間的な粒子形成であるため、均一な粒子形態及び高結晶の微粒子を得ることが困難であり、量産性が悪い。特許文献7では、原料スラリーとしてバイヤー法によって得られた結晶性の水酸化アルミニウムをボールミルにて中心粒径0.4μmに粒度調製し、イオン交換水により濃度2.5wt%となるように調整したものを使用しているが、原料スラリーの濃度が不均一となりやすく、詰りやすいため、加圧した原料スラリーと、加圧及び加熱した水を配管内で噴霧混合して原料濃度を低くしている。
特許文献9では、特許文献3と同様の製造方法によりチタン酸バリウム微粒子の製造を行っているが、その実施例において、原料のBa濃度が0.04mol/L、Ti濃度が0.02mol/Lと低く、製造したチタン酸バリウム微粒子は電子顕微鏡像から球状でなく、粒子径が不均一である。この原因として、チタン酸バリウムの場合では、原料中のバリウムが析出せずに溶解しているため、加圧及び加熱した水と加圧した原料スラリーとの急速昇温水熱反応では、瞬間的な粒子形成であるためチタン水酸化物とバリウムイオンの均一な組成での反応及び高結晶化が困難であることが挙げられる。
特許文献10では、特許文献3と同様の製造方法により酸化ジルコニウム結晶粒子の製造を行っているが、特許文献3及び9と同様に、原料のZr濃度が0.05mol/Lと低く、製造した酸化ジルコニウム結晶粒子は電子顕微鏡像から凝集した不均一な微粒子であることがわかる。急速昇温水熱反応では一成分の原料系においても、均一な微粒子を得ることが困難である。
このように、これまでの連続式水熱反応法を用いた金属酸化物等の無機微粒子の製造方法では、量産性が低く、粒子形態制御が困難であり、高結晶及び高分散の微粒子を得ることが困難であるといった問題点があった。
従って、これまでの製造方法によって得られる無機微粒子では、セラミックス材料、電子材料、触媒、顔料、機能性フィラー等の様々な用途の材料として使用する場合、量産性が高く、粒子形態制御、高結晶化、高分散化を同時に実現するという課題が残されている。
特許第3047110号公報 特許第2777044号公報 特許第3628354号公報 特開平10-151339号公報 特開2006-137953号公報 特許第3484025号公報 特許第3665186号公報 特許第3663408号公報 特開2005-289737号公報 特開2005-255450号公報
本発明は上記のような事情に鑑みなされたものであり、セラミックス材料、電子材料、触媒、顔料、研磨剤、機能性フィラー等の様々な用途に適した、粒子径、粒子形状等の粒子形態の制御が可能であり、凝集がなく分散性に優れ、粒子が均一であり、高結晶である金属酸化物等の無機微粒子の合成において、連続式水熱反応法を用いた量産性の高い金属酸化物等の無機微粒子の製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、無機微粒子を連続式水熱反応法により製造する方法において、水熱反応前に、加圧した液相中の反応前駆体を均一化することを特徴とする無機微粒子の製造方法を提供することによって、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記無機微粒子の製造方法に用いる製造装置であって、反応前駆体を攪拌しながら加圧する攪拌機付き加圧器と、加圧した反応前駆体を加熱する反応器と、反応液を冷却する冷却器と、冷却後に生成物を回収する回収容器と、回収容器にフィルタを経由して接続した背圧弁とを具備してなることを特徴とする無機微粒子の製造装置を提供するものである。
本発明の無機微粒子の製造方法及びその製造装置によれば、従来の連続式水熱反応法において課題であった粒子形態制御、高結晶化、高分散化及び量産性を同時に実現できるため、例えばセラミックス材料、電子材料、触媒、顔料、機能性フィラー等の様々な用途の無機材料の製造に好適である。
図1は、本発明の製造装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の製造装置に用いられる攪拌機付きピストンポンプの概略図である。 図3は、実施例1で得られた薄片状Baフェライト微粒子の粒子形態を示す電子顕微鏡写真(5,000倍)である。 図4は、実施例2で得られた立方状ベーマイト微粒子の粒子形態を示す電子顕微鏡写真(30,000倍)である。 図5は、実施例3で得られた球状チタン酸バリウム微粒子の粒子形態を示す電子顕微鏡写真(60,000倍)である。 図6は、比較例1で得られたチタン酸バリウム微粒子の粒子形態を示す電子顕微鏡写真(60,000倍)である。
以下、本発明の無機微粒子及び製造装置について、好ましい実施形態に基づき記述するが、本発明はこれらの記載に制限されるものではない。
本発明の無機微粒子の製造方法は、連続式水熱反応法を用いた無機微粒子を製造する方法において、水熱反応前に、水相中の反応前駆体を加圧すると同時に均一化する工程を設けたことに特徴を有する。
具体的には、無機物を溶解若しくは懸濁させた液と、アルカリ水溶液とを混合して無機アルカリ塩水溶液又はスラリーを含む反応前駆体を調製し、その調製した反応前駆体を加圧器にて加圧する際に、攪拌機、分散剤等で反応前駆体の濃度を均一化し、反応前駆体をその状態で、加熱した反応器に連続供給して水熱反応させることにより無機微粒子を製造する方法である。
本発明の無機微粒子の製造方法によれば、粒子径、粒子形状等の粒子形態制御が可能であり、凝集がなく分散性に優れ、粒子が均一であり、高結晶である金属酸化物等の微粒子を得ることができる。この理由について、本発明者らは、以下のように考えている。
即ち、連続式水熱反応法により粒子形態制御、高結晶化、高分散化を行うには、オートクレーブを用いた回分式とは異なり、加熱した反応器に連続供給して水熱反応させるため、反応前駆体の濃度、圧力及び温度の急激な変化がなく、均一な状態で水熱反応させることが必要となる。しかし従来の連続式水熱反応法では、反応前駆体の濃度が均一な状態で加熱した反応器に連続供給できず、超臨界又は亜臨界条件のような高温高圧下で水熱反応させて、高結晶の無機微粒子が得られたとしても、粒子形態が不均一となりやすく、粒子径の制御が困難であった。また、不均一な反応前駆体では、粒子成長が不十分な粒子どうしの凝集が生じやすいため、分散性の悪化に大きく影響する。
これに対し、本発明では、水熱反応前に、反応前駆体を加圧及び均一化する工程を設けたことにより、反応器に供給される際の反応前駆体の濃度、圧力及び温度の急激な変化がなく、均一な状態での水熱反応が可能となったからである。
次に、本発明の無機微粒子の製造方法をより具体的に説明するために、本発明の製造方法を、(1)反応前駆体を調製する工程、(2)調製した反応前駆体を加圧及び均一化する工程、(3)加圧及び均一化した反応前駆体を水熱反応させる工程に分けて、各工程順に説明する。
<(1)工程>
反応前駆体の調製は、先ず、無機物を溶解若しくは懸濁させた液を調製し、これに、アルカリ水溶液を添加混合して、中和反応により無機アルカリ塩水溶液又はスラリーを含む反応前駆体を得ることにより行う。
上記無機物を溶解若しくは懸濁させた液としては、例えば、目的とする無機微粒子を構成する金属元素の塩化物、硫酸塩、硝酸塩、アルコキシド、水酸化物、酸化物等といった各種の金属塩の水溶液若しくは懸濁させた液を使用することができる。
また、無機物を構成する金属元素が複数である場合等には、複数の金属塩の水溶液を使用する。該金属塩の水溶液は、金属元素の種類等により異なるが、その濃度が好ましくは
0.05〜3.0mol/L、より好ましくは0.1〜2.0mol/Lのものを使用する。
上記アルカリ水溶液としては、例えば、NaOH、KOH、NH3、NH4HCO3、Na2CO3、K2CO3、NaHCO3、KHCO3等を使用することができる。また、それぞれ、2種類以上組み合わせて使用することも可能である。
上記アルカリ水溶液の添加量は、添加終了時のpHが3.0〜14.0となるように添加することが好ましく、6.0〜13.0となるように添加することがより好ましい。また、上記金属塩の水溶液と上記アルカリ水溶液との好ましい添加量の重量比率(前者:後者)は、100:1〜1:100であり、特に10:1〜1:10が好ましい。
上記無機物を溶解若しくは懸濁させた液と上記アルカリ水溶液とを混合して得られる無機アルカリ塩は、均一な状態にて核生成及び粒子成長を行うという観点から、無定形物質であることが好ましい。また無機アルカリ塩が結晶性物質である場合には平均粒子径が0.1μm以下であることが好ましい。該結晶性物質の粒子径が、0.1μmを超えると反応前駆体を均一化することが困難であり、水熱反応の際に反応前駆体が沈降し、不均一な反応となるため、粒子径及び粒子形状が均一で、高分散性、高結晶性の無機微粒子が得られにくい。また、反応前駆体が沈降する場合、反応器での詰りが生じ易い。
上記反応前駆体の主成分元素(上記無機アルカリ塩を構成する金属元素等)の濃度は、反応前駆体中、1.0mol/L以下であることが好ましく、0.01〜1.0mol/Lであることがより好ましく、0.05〜1.0mol/Lであることが更に好ましく、0.1〜1.0mol/Lであることがより一層好ましく、0.1〜0.5mol/Lであることが最も好ましい。主成分元素の濃度は、反応前駆体の粘度に大きく影響され、1.0mol/Lを超える場合では、高粘度により反応管内で生成物が詰り易く、歩留の低下及びコンタミネーションを招く。
<(2)工程>
本工程では、上記<(1)工程>で調製した反応前駆体の加圧及び均一化を行う。上記反応前駆体の均一化は、連続攪拌により行うか、液相中に分散剤を添加することにより行うことが好ましく、液相中に分散剤を添加し、連続攪拌を行うことにより行うことがより好ましい。
連続攪拌により均一化を行う場合、攪拌は、用いる加圧器の容量及び原料の粘度により異なるが、反応前駆体の濃度を均一化することが必要であることから、100rpm以上の回転数で行うことが好ましく、200〜500rpmの回転数で行うことがより好ましい。
分散剤を添加することにより均一化を行う場合、分散剤は、本工程において加圧する際に、反応前駆体中に添加されていればよく、通常、上記<(1)工程>において添加される。このような分散剤としては、例えば、界面活性剤、クエン酸、アミン、有機溶媒、ポリエチレングリコール(PEG)、又はポリビニルアルコール(PVA)等の有機化合物が挙げられる。これらの分散剤を添加すると、分散性の向上と共に粒子形態の制御及び高結晶化という効果も奏される。このような分散剤の中でも、特に界面活性剤が分散性をより向上させることが可能で、且つ粒子形態への均一性への効果が大きいので好ましい。上記界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸及びその塩類、アルキル硫酸エステル塩類、脂肪酸アミン系化合物、アルキルスルホコハク酸塩類等を使用することができ、特にラウリン酸塩、オレイン酸塩、ラウリン硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等を使用することが好ましい。
上記分散剤の添加量は、目的とする無機微粒子の理論生成量に対して、好ましくは0.01〜10.0重量%、より好ましくは0.1〜5.0重量%である。分散剤の添加量が0.01重量%未満では分散剤による反応前駆体の均一化、及び生成した無機微粒子の高分散性、高結晶性、高均一化に対して効果が少なく、10.0重量%を超えると、水熱反応後の冷却の際に生成物が詰り易く、生成した無機微粒子も凝集し易くなる。
本行程の加圧及び均一化の条件としては、反応前駆体の濃度が不均一な状態であったり、水熱反応の際に濃度、圧力及び温度が急激に変化したりすると、拡散成長機構又は凝集機構による粒子生成に大きな影響を与え、不均一な粒子が生成してしまうことから、加圧及び均一化時の圧力を、好ましくは0.1〜50.0MPa、より好ましくは10.0〜50.0MPa、より一層好ましくは20.0〜40.0MPaとし、加圧及び均一化時の温度を、好ましくは0℃超100℃未満、より好ましくは10℃超〜60℃未満、より一層好ましくは20℃超〜40℃未満とし、また加圧及び均一化の時間を、好ましくは30秒以上60分以下、より好ましくは30秒以上30分以下、より一層好ましくは1分以上30分以下とする。またこのような条件下で加圧及び均一化した反応前駆体の主成分元素の濃度は、好ましくは0.01〜1.0mol/L、より好ましくは0.05〜1.0mol/L、更に好ましくは0.1〜1.0mol/L、より一層好ましくは0.1〜0.5mol/Lである。
<(3)工程>
本工程では、上記<(2)工程>で加圧及び均一化した反応前駆体の水熱反応を行う。
水熱反応の圧力としては、0.1MPa以上であることが好ましく、10.0〜50.0MPaであることがより好ましく、20.0〜40.0MPaであることがより一層好ましい。水熱反応の圧力は、製造する微粒子により異なるが、0.1MPa未満の場合、粒子形成が困難であり、結晶性が悪く、原料由来の不純物が取り込まれ易い。圧力の上限については特に制限がなく、装置の仕様に制限されるが、50.0MPaを超える場合では、反応管内で生成物が付着し易くなり、歩留の低下及びコンタミネーションを招く。
水熱反応の温度としては、100℃以上であることが好ましく、100〜500℃であることがより好ましく、200〜400℃であることがより一層好ましい。水熱反応の温度は、製造する微粒子により異なるが、圧力と同様に100℃未満の場合、粒子形成が困難であり、結晶性が悪く、原料由来の不純物が取り込まれ易い。温度の上限については特に制限がなく、装置の仕様に制限されるが、圧力と同様に500℃を超える場合では、反応管内で生成物が付着し易くなり、歩留の低下及びコンタミネーションを招く。
水熱反応の反応時間(=反応器での滞留時間)としては、30秒以上であることが好ましく、30秒〜60分であることが好ましく、1〜30分であることがより一層好ましい。反応時間は、製造する微粒子により異なるが、30秒未満の場合、粒子形成が困難であり、結晶性が悪く、材料由来の不純物が取り込まれ易い。
上述したような条件により、水熱反応させた後、生成物を冷却し、減圧して回収した生成物を濾過、水洗、乾燥することにより目的物である無機微粒子を得ることができる。
次に、本発明の無機微粒子の製造方法が適用される製造装置の一例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の製造装置の一例を示す概略図である。
本発明の無機微粒子の製造装置は、図1に示すように、反応前駆体を調製及び収容する原料タンク1と、調製した反応前駆体を攪拌しながら加圧する攪拌機付き加圧器2と、加圧及び均一化した反応前駆体を加熱して水熱反応を行う反応器8と、水熱反応終了後の反応液を冷却する冷却器12と、冷却後の生成物を回収する回収容器14と、回収容器14にフィルタ15を経由して接続した背圧弁17とを具備している。
原料タンク1には、その上端に原料投入口、下端に原料排出口、及び原料を攪拌する攪拌機が設けられており、該原料排出口が、攪拌機付き加圧器2に配管により接続されている。
原料タンク1には、予め用意された各種原料が投入される。投入された各種原料は、原料タンク1に設けられた攪拌機により混合され、中和反応により無機アルカリ塩水溶液又はスラリーを含む反応前駆体が調製される。調製された反応前駆体は、原料タンクに設けられた加圧手段(図示せず)により原料タンク1を加圧することで、又は配管の途中に設けられたポンプ(図示せず)により加圧器2に送られる。
加圧器2としては、以下の(A)及び(B)の観点から、図2に示すようなピストンポンプが好ましく用いられる。
(A)反応前駆体がスラリー状態の場合、プランジャー式等の高圧ポンプでは、高圧部の詰りにより安定して吐出できず、故障しやすい。
(B)プランジャー式等の高圧ポンプのように反応前駆体を直接加圧するよりも、ピストンポンプのように水等の媒体を用いて間接的に加圧する方が反応前駆体を均一な状態に保ち、且つ反応前駆体の粒子形態に影響を与えずに加圧することができ、高均一、高結晶、高分散の無機微粒子を生成させることができる。
以下、加圧器2としてピストンポンプを用いた場合について説明する。
加圧器2としてのピストンポンプは、ケーシング21内を自在に摺動し得るピストン22、ケーシング21及び蓋板23を具備しており、ケーシング21と蓋板23は、ボルト19により固定されている。ケーシング21の底部には、反応前駆体の均一化手段としての攪拌機3が設けられている。攪拌機3は、攪拌羽根20、攪拌羽根20を支持する回転軸28、攪拌羽根20を回転させるための動力18、磁石26及び27から構成されている。
また蓋板23には、加圧器2内の圧力制御及び原料の送液手段としての水タンク4、高圧ポンプ5及び圧力計6が、ストップ弁を介して、蓋板23に設けられた水入口32及び水出口31に接続されている。水タンク4に収容されている水24を用いて高圧ポンプ5と圧力計6により、加圧器2内の圧力制御及び原料25の送液を行う。
而して、原料タンク1から送られてきた反応前駆体を含む原料25は、原料供給口29からシリンダー内に供給される。供給された原料は、ピストン22を介して水24により加圧されると同時に、攪拌機3により濃度を均一化される。加圧及び均一化された反応前駆体は、原料排出口30から、反応器8に連続的に送液される。尚、連続的に原料を送液する場合には、加圧器2を2個以上並列することが好ましい。
反応器8は、水熱反応の反応温度を制御するための加熱ヒーター7並びに熱電対9及び10を具備しており、その上流側に原料供給口、下流側に原料排出口を有している。該原料供給口及び原料排出口は、それぞれ加圧器2の原料排出口30及び冷却器12に配管により接続されている。更に冷却器12は、回収容器14に接続されている。また、反応器8と冷却器12の間及び回収容器14には圧力計11及び13が設けられている。
反応器8としては、(C)反応時間を送液量により制御するため、送液による温度変化が少なく、固形物が沈降せずに送液が可能であること、(D)無機微粒子を製造する場合、内径の大きい反応器又はストレート状管型反応器では固形物が沈降するため、均一に水熱反応させることが困難であり、粒子径及び粒子形状が均一で、高分散性、高結晶性の無機微粒子が得られにくいことから、コイル状管型反応器を用いることが好ましい。
また、反応器8の材質としては、使用する原料を考慮して適宜選択することが好ましい。
反応器8で水熱反応が終了した反応液は、冷却器12により冷却され、回収容器14により回収される。生成物は水溶液中に分散した状態であるため、濾過又は遠心分離等で生成物を採取しても良く、また、分散液を最終物としても良い。回収容器14には、フィルタ15を経由して圧力計16及び背圧弁17が接続されている。この圧力計16及び背圧弁17により、加圧器2から回収容器14までの配管内の圧力の制御を行う。また、加圧器2と反応器8の間にボール弁又は背圧弁等を設けて、水熱反応前の均一化時の圧力と、水熱反応の圧力とを異なる圧力で制御してもよい。
以上説明した本発明の製造方法及び製造装置により、様々な種類の金属酸化物又は金属水酸化物等の無機微粒子を得ることができる。また、金属酸化物及び/又は金属水酸化物を2種類以上含有する複合体、2種類以上の金属酸化物を含有する複合金属酸化物を得ることができる。例えば、NiO、Ni(OH)2、Co3O4、MgO、Mg(OH)2、CaO、Ca(OH)2、SiO2、MnO2、Mn2O3、Mn3O4、SnO、AlO(OH)、Al(OH)3、Al2O3、Fe2O3、Fe3O4、FeO(OH)、フェライト(MnFe2O4などのスピネル型、BaFe12O19などの六方晶型、又はガーネット型を含む)、TiO2、BaTiO3、ZrO2、WO3、CeO2、LiCoO2、LiMn2O4、LiFePO4、LiMnPO4、Y3Al5O12、ZnO、Y2O3、La2O3、MoO3、ITO等が挙げられる。また、金属酸化物及び/又は金属水酸化物だけでなく、各種金属微粒子にも適用できる。例えば、水素ガス等の還元剤の同時供給により還元反応しての適用が可能である。粒子形態については制御範囲が広く、粒子径は5nm〜1μm 程度とナノからサブミクロンまで対応でき、粒子形状は球状、立方状、板状、薄片状、針状、棒状、繊維状等の制御が可能である。
以下、実施例により本発明の無機微粒子の製造方法及び製造装置による無機微粒子の製造について説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。下記実施例の製造には図1の製造装置を使用した。また、加圧器2には容量2Lの攪拌機付きピストンポンプを用いて、攪拌の回転数は250rpmとした。反応器8には材質がSUS316のコイル状管型反応器(外径9.52mmφ、内径5.16mmφ、長さ6m)を用いた。
(実施例1)
[薄片状Baフェライト微粒子の製造]
鉄塩水溶液として硝酸鉄(III)水溶液、アルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液、バリウム塩として硝酸バリウムを用いて、Fe量が0.44mol、アルカリ量が1.7mol [中和度=アルカリ量/(3×Fe量+2×Ba量)=1.1]、Fe量に対するBa添加量が20.0mol% (0.09mol)となるように原料を準備した。次に原料タンク1内で、室温、大気下にて硝酸鉄(III)水溶液に硝酸バリウムを加え、更に水酸化ナトリウム水溶液を添加して、無定形の鉄バリウム水酸化物スラリーを含む反応前駆体を調製した。調製後の反応前駆体のpH値は12.5であった。
原料タンク1内を窒素ガスにより加圧(0.2MPa)して調製した反応前駆体を加圧器2に送り、室温下で圧力が28.0MPaになるように加圧した。その際、攪拌により反応前駆体を均一化し、Fe濃度を0.22mol/Lで一定にした。加圧及び均一化した反応前駆体を400℃に加熱した反応器8に連続供給して、反応時間を8minにて水熱反応を行った。加圧器2から回収容器14までの圧力は背圧弁17にて圧力を制御して28.0MPaとした。反応終了後、反応液を冷却器12により冷却し、装置内を減圧して回収した生成物を濾過、水洗、乾燥して薄片状Baフェライト微粒子を得た。
得られた薄片状Baフェライト微粒子は、X線回折、平均粒子径、アスペクト比及び磁気特性を以下の(1)〜(3)の方法により評価した。また、実施例1の電子顕微鏡写真(5,000倍)を図3に示す。
X線回折により同定したところBaFe12O19の単相であり、平均粒子径が0.80μm、アスペクト比が10であり、飽和磁化が58.0Am2/kg、保磁力が100.4kA/mであった。SEMによる観察から粒子形態の均一性が良く、結晶性が高いため熱処理を行わなくても高い飽和磁化が得られた。
(1) X線回折
ブルカーAXS社製X線回折装置(D8 ADVANCE/V)にて測定した。
(2) 平均粒子径、アスペクト比の測定
走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、200個以上の粒子の粒子径及び粒子の厚さを計測し、その平均値を求めた。アスペクト比は[粒子径/粒子の厚さ]より求めた。
(3) 磁気特性
理研電子社製振動試料型磁力計(BHV-35H)を使用し、外部磁場1.1MA/mにて測定した。
(実施例2)
[立方状ベーマイト微粒子の製造]
アルミニウム塩水溶液として硝酸アルミニウム水溶液、アルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液を用いて、Al量が0.86mol、アルカリ量が2.66mol [中和度=アルカリ量/3×Al量=1.0]となるように原料を準備した。次に原料タンク1内で、室温、大気下にて硝酸アルミニウム水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を添加して、無定形の水酸化アルミニウムスラリーを含む反応前駆体を調製した。調製後の反応前駆体のpH値は10.6であった。
原料タンク1内を窒素ガスにより加圧(0.2MPa)して調製した反応前駆体を加圧器2に送り、室温下で圧力が30.0MPaになるように加圧した。その際、攪拌により反応前駆体を均一化し、Al濃度を0.43mol/Lで一定にした。加圧及び均一化した反応前駆体を370℃に加熱した反応器8に連続供給して、反応時間を6minにて水熱反応を行った。加圧器から回収容器までの圧力は背圧弁17にて圧力を制御して30.0MPaとした。反応終了後、反応液を冷却器12により冷却し、装置内を減圧して回収した生成物を濾過、水洗、乾燥して立方状ベーマイト微粒子を得た。
得られた立方状ベーマイト微粒子は、X線回折、平均粒子径及び粒度分布を上記と同様の方法、及び以下の(4)の方法により評価した。また、実施例2の電子顕微鏡写真を(30,000倍)を図4に示す。
X線回折により同定したところAlO(OH)の単相であり、平均粒子径が0.12μmであり、粒度分布測定によるメジアン径が0.17μm、変動係数が21.0%であった。TEMによる観察から粒子形態の均一性が良い。また、平均粒子径とメジアン径が一致し、変動係数が低いことから分散性が良い。
(4) 粒度分布
粒子5〜10mgを0.2重量%のヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液30mlに添加し、ホモジナイザにより分散させた(360Wにて30秒間)。その分散液を堀場製作所製レーザー回折/散乱法粒度分布測定装置(LA-950)にて測定し、体積基準のメジアン径とその変動係数を求めた。
(実施例3)
[球状チタン酸バリウム微粒子の製造]
チタン塩水溶液としてチタン水酸化物含有水溶液、バリウム塩水溶液として硝酸バリウム水溶液、アルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液を用いて、Ti量が0.43mol、Ba量が0.43mol、アルカリ量が2.58mol[中和度=アルカリ量/(4×Ti量+2×Ba量)=1.0]となるように原料を準備した。次に原料タンク1内で、室温、大気下にてチタン水酸化物含有水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を添加後、硝酸バリウム水溶液を添加し、また更に、分散剤として、チタン酸バリウムの理論生成量に対して0.5重量%のオレイン酸Naを添加して、無定形のバリウム及びチタン水酸化物スラリーを含む反応前駆体を調製した。調製後の反応前駆体のpH値は13.2であった。
原料タンク1内を窒素ガスにより加圧(0.2MPa)して調製した反応前駆体を加圧器2に送り、室温下で圧力が28.0MPaになるように加圧した。その際、攪拌により反応前駆体を均一化し、Ti及びBa濃度を0.11mol/Lで一定にした。加圧及び均一化した反応前駆体を400℃に加熱した反応器8に連続供給して、反応時間を2.5minにて水熱反応を行った。加圧器2から回収容器14までの圧力は背圧弁17にて圧力を制御して28.0MPaとした。反応終了後、反応液を冷却器12により冷却し、装置内を減圧して回収した生成物を濾過、水洗、乾燥して球状チタン酸バリウム微粒子を得た。
得られた球状チタン酸バリウム微粒子は、X線回折、平均粒子径、粒度分布を上記と同様の方法により評価した。また、実施例3の電子顕微鏡写真を(60,000倍)を図5に示す。
X線回折によりリートベルト解析したところ、c/a軸比が1.0036であり、結晶子径が99nmであり、平均粒子径が0.10μmであり、粒度分布測定によるメジアン径が0.13μm、変動係数が14.6%であった。TEMによる観察から粒子形態の均一性が良い。また、結晶性が高く、平均粒子径とメジアン径が一致し、変動係数が低いことから分散性が良い。
(比較例1)
[チタン酸バリウム微粒子の製造]
加圧器2にて反応前駆体の攪拌を行わなかったこと、及び分散剤としてオレイン酸Naを添加しなかったこと以外は、実施例3と同様にしてチタン酸バリウム微粒子を得た。
得られた球状チタン酸バリウム微粒子は、X線回折、平均粒子径、粒度分布を上記と同様の方法により評価した。また、比較例1の電子顕微鏡写真を(60,000倍)を図6に示す。
X線回折により同定したところ、炭酸バリウムの不純物相が多く、リートベルト解析からc/a軸比が1.0023であり、結晶子径が89nmであり、平均粒子径は均一な粒子が得られなかったため計測不可能であった。また、粒度分布測定によるメジアン径は0.17μm、変動係数が227.4%であった。TEMによる観察から針状粒子等が含まれる不均一な粒子であり、凝集により分散性が悪い。攪拌又は分散剤により均一な原料を反応器に連続供給ができないと、原料の主成分元素の濃度が不均一な状態となり、均一な微粒子を得ることが困難である。
1.原料タンク
2.加圧器
3.攪拌機
4.水タンク
5.高圧ポンプ
6.圧力計
7.加熱ヒーター
8.反応器
9.熱電対
10.熱電対
11.圧力計
12.冷却器
13.圧力計
14.回収容器
15.フィルタ
16.圧力計
17.背圧弁
18.攪拌機
19.ボルト
20.攪拌羽根
21.ケーシング
22.ピストン
23.蓋板
24.水
25.原料
26.磁石
27.磁石
28.回転軸
29.原料供給口
30.原料排出口
31. 水出口
32. 水入口

Claims (14)

  1. 無機微粒子を連続式水熱反応法により製造する方法において、水熱反応前に、加圧した液相中の反応前駆体を均一化することを特徴とする無機微粒子の製造方法。
  2. 上記反応前駆体が、無機物を溶解若しくは懸濁させた液と、アルカリ水溶液とを混合して調製した無機アルカリ塩スラリー又は水溶液を含む反応前駆体である、請求項1記載の無機微粒子の製造方法。
  3. 上記反応前駆体に含まれる無機アルカリ塩が無定形物質である、請求項2記載の無機微粒子の製造方法。
  4. 連続攪拌を行うことにより均一化する、請求項1〜3の何れかに記載の無機微粒子の製造方法。
  5. 液相中に分散剤を添加することにより均一化する、請求項1〜4の何れかに記載の無機微粒子の製造方法。
  6. 液相中に分散剤を添加し、連続攪拌を行うことにより均一化する、請求項1〜5の何れかに記載の無機微粒子の製造方法。
  7. 水熱反応前の均一化時の圧力を0.1〜50.0MPaとし、水熱反応の圧力を0.1〜50.0MPaとする、請求項1〜6の何れかに記載の無機微粒子の製造方法。
  8. 水熱反応前の均一化時の温度を0℃超100℃未満とし、水熱反応の温度を100〜500℃とする、請求項1〜7の何れかに記載の無機微粒子の製造方法。
  9. 水熱反応前の均一化の時間を30秒以上60分以下とし、水熱反応の反応時間を30秒以上とする、請求項1〜8の何れかに記載の無機微粒子の製造方法。
  10. 上記反応前駆体の主成分元素の濃度を0.01〜 1.0mol/Lとする、請求項1〜9の何れかに記載の無機微粒子の製造方法。
  11. 上記無機微粒子が、金属、金属酸化物又は金属水酸化物である、請求項1〜10の何れかに記載の無機微粒子の製造方法。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載の無機微粒子の製造方法に用いる製造装置であって、反応前駆体を攪拌しながら加圧する攪拌機付き加圧器と、加圧した反応前駆体を加熱する反応器と、反応液を冷却する冷却器と、冷却後に生成物を回収する回収容器と、回収容器にフィルタを経由して接続した背圧弁とを具備してなることを特徴とする無機微粒子の製造装置。
  13. 上記攪拌機付き加圧器がピストンポンプである請求項12記載の製造装置。
  14. 上記反応器がコイル状管型反応器である請求項12又は13記載の製造装置。
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