JP2010165953A - コイル部品及びこれを用いた差動伝送回路用lcフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】2つのインダクタの特性のバラツキが非常に小さいコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品100は、巻芯部11及び巻芯部11の両端に設けられた一対の鍔部12A,12Bを有するドラムコア10と、ドラムコア10の巻芯部11に巻回された第1及び第2のワイヤ13,14と、鍔部12A,12Bにそれぞれ設けられた端子電極15とを備えている。ドラムコア10は非磁性材料からなり、第1及び第2のワイヤ13,14間の磁気結合ができるだけ弱まるように構成されている。第1及び第2のワイヤは13,14各ターンにおいて互いに交差するように巻回され且つループの中心軸の向きが実質的に同一である。
【選択図】図1

Description

本発明は、コイル部品に関し、特に、コイル部品における巻線の構造に関するものである。また、本発明は、そのようなコイル部品を用いた差動伝送回路用LCフィルタに関するものである。
近年、高速デジタル通信においては、2値のデジタル信号ではなく3値以上のデジタル信号を取り扱うケースが増えてきている。多値デジタル信号では微小な電圧レベル差に対して論理値を割り当てているため、ノイズの影響によってデータ誤り率が大幅に増加するおそれがある。そのため、多値デジタル信号の伝送には差動伝送方式が好適である。
差動伝送方式は一対の信号ラインにそれぞれ逆位相の信号を入力する方式である。差動伝送方式によれば、信号ラインから発生する放射ノイズや外来ノイズを相殺することができる。また、ノイズの低減によって信号を小振幅で送信することができ、信号の小振幅化によって信号の立ち上がり/立ち下がり時間が短縮されることから、信号伝送の高速化を実現できる。
差動伝送方式において不要輻射ノイズや外来ノイズの影響を十分に低減するためには、差動伝送ライン上に信号を減衰させないコモンモードフィルタを挿入することが一般的であるが、多値デジタル信号の差動伝送などの外来ノイズに敏感な伝送方式の場合、最適化された急峻な特性を持つLCフィルタを挿入することが効果的である。
図9は、従来のLCフィルタの回路構成の一例を示す回路図である。
図9に示すように、LCフィルタ900は、差動伝送回路の一方の信号ライン91上に直列に挿入されたインダクタL1と、他方の信号ライン92上に直列に挿入されたインダクタL2と、信号ライン91,92間に挿入されたキャパシタ(Xキャパシタ)C0,C1とを備えている。このLCフィルタは1段構成であるが、フィルタの段数を増やしたりインダクタやキャパシタを適切な値に設定したりすることで、例えば携帯電話のキャリア周波数である800MHz以上の高周波ノイズを除去するローパスフィルタとして構成されるものである。LCフィルタに用いるインダクタとしては、例えば、特許文献1に示すような巻線型コイル部品が知られている。特許文献1のコイル部品では、線材を二層巻きとすることでインダクタンス値の増大が図られている。また、特許文献2では、巻回方向が互いに逆向きであり且つ互いに磁気結合された第1のコイルと第2のコイルを有するインダクタンス素子が提案されている。
特開2004−63697号公報 特開2007−36158号公報
図9に示したLCフィルタのインダクタL1,L2として用いる2つのコイル部品は同一の特性を有することが理想的である。しかしながら、現実には2つのコイル部品間には特性のバラツキがあることから、フィルタ特性が低下するだけでなく、一対の信号ラインの対称性が悪くなるという問題がある。信号ラインの対称性の悪化によって信号波形の歪みが大きくなることから、データ誤り率が増加するという問題がある。
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、2つのインダクタの特性のバラツキが非常に小さいコイル部品を提供することにある。
また、本発明の目的は、そのようなコイル部品を用いた差動伝送回路用LCフィルタを提供することにある。
本願発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、2つのインダクタのばらつきはコア特性やワイヤの巻回位置のバラツキによるところが大きく、そのようなバラツキをできるだけ少なくすることで2つのインダクタの特性のバラツキを最小限に抑えることができることを見出した。そのため、本発明によるコイル部品は、非磁性材料からなるコアと、コアに同一ターン数で巻回された第1及び第2のワイヤとを備え、第1及び第2のワイヤは各ターンにおいて互いに交差するように巻回され且つループの中心軸の向きが実質的に同一であることを特徴としている。
本発明によれば、2本のワイヤが巻回されるコアを共通化するとともに、コアの材料として非磁性材料を用いることで両者の磁気結合を十分に低下させたので、2つのインダクタの特性のバラツキを十分に低減することができる。したがって、このコイル部品を一対の信号ライン上に挿入した場合には、一対の信号ラインの対称性を十分に確保することができる。
本発明において、第1のワイヤの巻回方向と第2のワイヤの巻回方向が互いに逆向きであることが好ましい。この構成によれば、2本のワイヤを容易に交差させることができる。
本発明において、第1のワイヤと第2のワイヤの交差角度は5度以上60度以下であることが好ましい。交差角度がこの範囲内にあれば、ワイヤの巻回領域がコアの長手方向に対して極端に広がることがなく、所望のターン数を確保することができるからである。
本発明において、第1のワイヤと第2のワイヤの交差角度は略90度であることもまた好ましい。第1のワイヤと第2のワイヤを直交させた場合には、2本の巻線の磁気結合を十分に低減することができる。
本発明の上記目的はまた、差動信号が伝送される第1及び第2の信号ラインと、第1及び第2の信号ライン上に実装されたコイル部品と、第1及び第2の信号ライン間に接続されたキャパシタとを備え、コイル部品は、非磁性材料からなるコアと、コアに同一ターン数で巻回された第1及び第2のワイヤとを備え、第1のワイヤは第1の信号ラインに直列接続され、第2のワイヤは第2の信号ラインに直列接続され、第1及び第2のワイヤは各ターンにおいて互いに交差するように巻回され且つループの中心軸の向きが実質的に同一であることを特徴とする差動伝送回路用LCフィルタによっても達成される。
このように、本発明によれば、2つのインダクタの特性のバラツキが非常に小さいコイル部品を提供することができる。
また、本発明によれば、そのようなコイル部品を用いた差動伝送回路用LCフィルタを提供することができる。
本発明の第1の実施形態によるコイル部品100の構造を示す略斜視図である。 第1及び第2のワイヤ13,14が巻回された巻芯部11の展開図である。 コイル部品100の等価回路図である。 コイル部品100を用いた差動伝送回路用LCフィルタ200の構成を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態によるコイル部品300の構成を示す模式図であって、特に、第1及び第2のワイヤ13,14が巻回された巻芯部11の展開図である。 本発明の第3の実施形態によるコイル部品400の構成を示す模式図であって、特に、第1及び第2のワイヤ13,14が巻回された巻芯部11の展開図である。 本発明の第4の実施形態によるコイル部品500の構成を示す模式図であって、特に、第1及び第2のワイヤ13,14が巻回された巻芯部11の展開図である。 本発明の第5の実施形態によるコイル部品600の構成を示す略斜視図である。 従来のLCフィルタ900の回路構成の一例を示す回路図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるコイル部品の構造を示す略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態によるコイル部品100は、巻芯部11及び巻芯部11の両端に設けられた一対の鍔部12A,12Bを有するドラムコア10と、ドラムコア10の巻芯部11に巻回された第1及び第2のワイヤ13,14とを備えている。一方の鍔部12Aには端子電極15a,15bが形成され、他方の鍔部12Bには端子電極15c,15dが形成されている。第1のワイヤ13の一端13aは端子電極15aに接続され、他端13bは端子電極15cに接続されている。また、第2のワイヤ14の一端14aは端子電極15bに接続され、他端14bは端子電極15dに接続されている。実際の使用状態において、端子電極15a,15bは一対の入力端子として用いられ、端子電極15c,15dは一対の出力端子として用いられる。
ドラムコア10はアルミナや非磁性フェライト等の非磁性材料からなり、第1及び第2のワイヤ13,14間の磁気結合ができるだけ弱まるように構成されている。そのため、各ワイヤを個別のインダクタンス素子として動作させることが可能である。非磁性材料のコアを用いた場合のインダクタンス値は、磁性材料の場合に比べて小さくなるが、数十nH程度の値を確保することは可能であり、微小信号を取り扱う差動伝送回路用LCフィルタのインダクタンスとしては十分ある。
第1及び第2のワイヤ13,14は、銅(Cu)等の導体の周囲を絶縁体でコーティングした配線部材である。第1及び第2のワイヤ13,14は共通の巻芯部11に巻回されており、第1及び第2のワイヤ13,14によるループの中心軸の向きは巻芯部11の長手方向である。つまり、両者の中心軸の向きは巻芯部11の中心軸の向きと実質的に一致している。しかしながら、上記のように第1及び第2のワイヤ13,14間の磁気結合が十分に弱められているため、共通のコアを使用しながら相互干渉のない独立した2つのインダクタンス素子を提供することができる。
図2は、第1及び第2のワイヤ13,14が巻回された巻芯部11の展開図である。
図2に示すように、第1及び第2のワイヤ13,14は互いに交差するように巻回されている。特に、第1及び第2のワイヤ13,14は巻芯部11の上面11a及び下面11cで互いに交差しており、巻芯部11の2つの側面11b、11dにおいては、第1のワイヤ13と第2のワイヤ14とは平行に配線されている。2本のワイヤが交差する部分では分布容量を持つが、平行巻きよりも分布容量を低減することができる。すなわち、2本のワイヤ13,14間の分布容量を極力減らしてインダクタンス成分のみとする理想の状態に近づけることができる。
第1のワイヤ13と第2のワイヤ14の交差角度θは5度以上60度以下であることが好ましい。交差角度θが90度に近づくほど両者の磁気結合が弱まるが、巻芯部11の長さを長くする必要があり、ドラムコア10が大型化するおそれがある。しかし、2本のワイヤ13,14の交差角度θを5度以上60度以下とした場合には、両者の磁気結合を適度に弱めながらドラムコア10の大型化も抑制することができるので、電気的特性と部品サイズとの両方でバランスの取れたコイル部品を提供することができる。
本実施形態において第1のワイヤ13の巻回方向と第2のワイヤ14の巻回方向は互いに逆向きである。図1からも明らかなように、第1のワイヤ13は一方の鍔部12Aから他方の鍔部12Bに向かって左回りで巻回され、第2のワイヤ14は同一方向に向かって右回りで巻回されている。このように、2本のワイヤ13,14を互いに逆向きで巻回する場合には、2本のワイヤを交差させる作業が容易となる。
2本のワイヤ13,14の巻回工程では、例えば第1のワイヤ13を巻芯部11に所定のターン数で巻回する。このとき、巻芯部11の上面11a及び下面11cと接するワイヤ部分は巻芯部11の軸方向に対して斜め方向とし、2つの側面11b、11dと接するワイヤ部分は巻芯部11の軸方向と直交する方向とすることが好ましい。このようにすることで、斜め方向に巻回されるワイヤ部分の傾斜角度を大きくすることができ、第2のワイヤ14との交差角度を大きくすることができる。
次に、第1のワイヤ13が巻回された巻芯部11に第2のワイヤ14を巻回する。第2のワイヤ14は、第1のワイヤ13に重ねて、第1のワイヤ13と同一ターン数で巻回される。第1のワイヤ13と同様、第2のワイヤ14についても巻芯部11の上面11a及び下面11cと接するワイヤ部分は斜め方向とし、2つの側面11b、11dと接するワイヤ部分は直交方向とすることが好ましい。このように構成することでワイヤ13,14の交差付近発生する容量成分を極力低減することができる。なお、斜め方向に巻回されるワイヤ部分の位置は、巻芯部11の上面11a及び下面11cに限定されず、2つの側面11b,11dであってもよいが、できるだけ広い面積を有する面であることが好ましいことから、本実施形態では斜め方向のワイヤ部分が巻芯部11の上面11a及び下面11cに形成されている。
図3は、図1に示したコイル部品100の等価回路図である。
図3に示すように、コイル部品100は、第1のワイヤ13からなるインダクタL1と、第2のワイヤ14からなるインダクタL2とで構成されている。第1のワイヤ13と第2のワイヤ14とが別々のコアに巻回されている場合、つまり、2つのインダクタL1,L2が別部品として提供される場合には、コア特性のバラツキによってインダクタL1,L2の特性のバラツキも大きくなる。しかし、第1及び第2のワイヤ13,14を共通のドラムコアに巻回した場合には、コア特性のバラツキの問題がないため、インダクタの対称性を高めることができる。また、ドラムコア10が非磁性材料からなることから、インダクタL1,L2間の磁気結合を十分に弱めることができ、相互に独立したインダクタとして機能させることができる。
ドラムコア10の材料がたとえ非磁性材料であっても、その誘電率のバラツキはインダクタンスの周波数特性に影響を与える。また、2つのインダクタを別部品で構成することは、コアの材料特性の他にワイヤの巻線間隔や全長がばらつくことの原因にもなる。さらに、インダクタ特性のばらつきはコアの材料のみならずコアの形状に起因することもある。そのため、インダクタL1,L2を構成する2本のワイヤを同じコアに巻回したほうがよく、これにより特性のばらつきより小さくすることが可能である。
図4は、上記コイル部品100を用いた差動伝送回路用LCフィルタの構成を示す模式図である。
図4に示すように、この差動伝送回路用LCフィルタ200は、差動信号が伝送される第1及び第2の信号ライン21,22上に挿入されるものであり、コイル部品100A,100Bと、キャパシタ(Xキャパシタ)C0,C1,C2とを備えている。第1及び第2の信号ライン21,22の一端は信号源20に接続されており、第1及び第2の信号ライン21,22の他端には負荷抵抗R1,R2が接続されている。さらに、信号源20とLCフィルタ200との間にも負荷抵抗R3,R4が存在している。
コイル部品100A,100Bは共に図1〜図3に示したコイル部品100に相当するものであって、一対のインダクタL1,L2を備えており、インダクタL1は第1の信号ライン21に直列接続され、インダクタL2は第2の信号ライン22に直列接続されている。キャパシタC0はコイル部品100Aの前段に設けられ、キャパシタC1はコイル部品100Aとコイル部品100Bとの間に設けられ、キャパシタC2はコイル部品100Bの後段に設けられている。キャパシタC0〜C2は信号ライン21,22間に挿入されている。このように、本実施形態によるLCフィルタは2段構成であるが、コイル部品をさらに追加することでフィルタの段数を増やすことができる。
コイル部品100A,100Bは上記のように、非磁性材料からなるドラムコア10と、ドラムコア10に巻回された第1及び第2のワイヤ13,14とを備え、第1のワイヤ13と第2のワイヤ14は互いに交差するように巻回されているので、L1、L2の対称性が非常によい。したがって、フィルタ特性に優れ、信号波形を歪ませることがない高性能なLCフィルタを提供することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、2つのインダクタ素子間の特性バラツキが非常に小さなコイル部品を用いて構成された高性能な差動伝送回路用LCフィルタ200を提供することができる。
図5は、本発明の第2の実施形態によるコイル部品の構成を示す模式図であって、特に、第1及び第2のワイヤ13,14が巻回された巻芯部11の展開図である。
図5に示すように、第2の実施形態によるコイル部品300は、2本のワイヤ13,14の交差する巻芯部11の上面11a及び下面11cにおいて、第1のワイヤ13は斜め方向のワイヤ部分を有するが、第2のワイヤ14は直交方向のワイヤ部分を有する点に特徴がある。その代わりに、第2のワイヤ14は巻芯部11の2つの側面11b、11dにおいて斜め方向のワイヤ部分を有する。第1のワイヤ13の巻回方向と第2のワイヤ14の巻回方向は互いに逆向きである。その他の構成は第1の実施形態によるコイル部品100と実質的に同一であるため、同一の構成要素に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。以上のように、本実施形態においても2本のワイヤ13,14が交差する部分では分布容量を持つが、全体を平行巻きするよりも分布容量を低減することができる。すなわち、2本のワイヤ13,14間の分布容量を極力減らしてインダクタンス成分のみとする理想の状態に近づけることができる。
図6は、本発明の第3の実施形態によるコイル部品の構成を示す模式図であって、特に、第1及び第2のワイヤ13,14が巻回された巻芯部11の展開図である。
図6に示すように、第3の実施形態によるコイル部品400は、第1のワイヤ13が巻芯部11の下面11cにおいてのみ斜め方向に巻回され、それ以外の面では直交方向に巻回されており、また第2のワイヤ14が巻芯部11の上面11aにおいてのみ斜め方向に巻回され、それ以外の面では直交方向に巻回されている点に特徴がある。その結果、第1及び第2のワイヤ13,14は巻芯部11の上面11a及び下面11cにおいて互いに交差している。その他の構成は第1の実施形態によるコイル部品100と実質的に同一であるため、同一の構成要素に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。以上のように、本実施形態においても2本のワイヤが交差する部分では分布容量を持つが、ワイヤ全体を平行巻きするよりも分布容量を低減することができる。すなわち、2本のワイヤ13,14間の分布容量を極力減らしてインダクタンス成分のみとする理想の状態に近づけることができる。
図7は、本発明の第4の実施形態によるコイル部品の構成を示す模式図であって、特に、第1及び第2のワイヤ13,14が巻回された巻芯部11の展開図である。
図7に示すように、第4の実施形態によるコイル部品500は、第1及び第2のワイヤ13,14の巻回方向が共に同一の向き、すなわちバイファイラ巻きであるという点に特徴がある。本実施形態の場合、第1及び第2のワイヤ13,14は一方の鍔部12Aから他方の鍔部12Bに向かって右回りで巻回され、さらに巻芯部11の上面11a及び下面11cにおいて互いに交差するように巻回されている。第1及び第2のワイヤ13,14は、巻芯部11の2つの側面11b、11dにおいて平行である。その他の構成は第1の実施形態によるコイル部品100と実質的に同一であるため、同一の構成要素に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。以上のように、本実施形態においても2本のワイヤが交差する部分では分布容量を持つが、ワイヤ全体を平行巻きするよりも分布容量を低減することができる。すなわち、2本のワイヤ13,14間の分布容量を極力減らしてインダクタンス成分のみとする理想の状態に近づけることができる。
図8は、本発明の第5の実施形態によるコイル部品の構成を示す略斜視図である。
図8に示すように、本実施形態によるコイル部品600の特徴は、第1のワイヤと第2のワイヤ14の交差角度θが90度である点にある。その他の構成は第1の実施形態によるコイル部品100と実質的に同一であることから、同一の構成要素に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。本実施形態によれば、第1及び第2のワイヤ13,14間が交差する部分における磁気結合を大幅に低減させることができ、対称性の高いLCフィルタを提供することができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能であり、それらも本発明に包含されるものであることは言うまでもない。
例えば、第2〜第5の実施形態によるコイル部品300〜600を用いた差動伝送回路用LCフィルタについては説明をしていないが、コイル部品100の場合と同様、コイル部品300〜600を用いた差動伝送回路用LCフィルタを構成することができることは言うまでもない。
10 ドラムコア
11 巻芯部
12,12A,12B 鍔部
13 第1のワイヤ
14 第2のワイヤ
15 端子電極
21 第1の信号ライン
22 第2の信号ライン
100,100A,100B コイル部品
200 差動伝送回路用LCフィルタ
300 コイル部品
C0,C1,C2 キャパシタ
L1,L2 インダクタ
R1,R2,R3,R4 負荷抵抗

Claims (5)

  1. 非磁性材料からなるコアと、前記コアに同一ターン数で巻回された第1及び第2のワイヤとを備え、
    前記第1及び第2のワイヤは各ターンにおいて互いに交差するように巻回され且つループの中心軸の向きが実質的に同一であることを特徴とするコイル部品。
  2. 前記第1のワイヤの巻回方向と第2のワイヤの巻回方向が互いに逆向きであることを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第1のワイヤと前記第2のワイヤの交差角度が5度以上60度以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品。
  4. 前記第1のワイヤと前記第2のワイヤの交差角度が略90度であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品。
  5. 差動信号が伝送される第1及び第2の信号ラインと、前記第1及び第2の信号ライン上に実装されたコイル部品と、前記第1及び第2の信号ライン間に接続されたキャパシタとを備え、
    前記コイル部品は、非磁性材料からなるコアと、前記コアに同一ターン数で巻回された第1及び第2のワイヤとを備え、
    前記第1のワイヤは前記第1の信号ラインに直列接続され、
    前記第2のワイヤは前記第2の信号ラインに直列接続され、
    前記第1及び第2のワイヤは各ターンにおいて互いに交差するように巻回され且つループの中心軸の向きが実質的に同一であることを特徴とする差動伝送回路用LCフィルタ。
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