JP2010165945A - 変圧器等の油入りの機器における漏油防止具と、この漏油防止具を用いた漏油防止方法 - Google Patents

変圧器等の油入りの機器における漏油防止具と、この漏油防止具を用いた漏油防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】漏油防止の成否が、施工時の漏油量、ケレン作業の程度、シーリング剤の塗り付けの程度に左右されることなく、誰もが簡単に油の漏れ出しを防止でき、また、全体の作業時間を極めて短くすることのできる、変圧器等の油入りの機器における漏油防止具と、この漏油防止具を用いた漏油防止方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る変圧器等の油入りの機器における漏油防止具は、フランジ接合部におけるボルトの軸部と、軸部に螺合しているナットを覆うように配置され、ナットの周囲を取り囲む開口部を有する被覆カップにより構成され、この被覆カップは、周壁に複数のセルフタッピングビスを備えている。また、複数のセルフタッピングビスは、被覆カップの周壁に段違い状態に取り付けられており、それぞれのセルフタッピングビスの先端部は、ボルトの軸部の雄ねじ部分に係合している。
【選択図】図1

Description

変圧器等の油入りの機器においては、ボルトとナットを使用して接合している二部材のフランジ接合部が種々存在する。本発明は、このような二部材のフランジ接合部におけるボルトとナットの締結部分から、油が漏れ出す事態の発生を確実に防止した、変圧器等の油入りの機器における漏油防止具と、この漏油防止具を用いた漏油防止方法に関するものである。
従来より、発電所や変電所から送電される電力の電圧を変換するために、変圧器が使用されている。
変圧器は、交流電力の電圧の高さを、電磁誘導を利用して変換するものである。この変圧器本体の内部には、例えば、磁心とコイルが設置されており、これらの部材の絶縁を行なうために、変圧器本体の内部に絶縁油が封入されている。
この油は、所定のパッキング部材等を使用することにより、変圧器本体の外へ漏れ出さないようにされている。
しかし、変圧器の運転中に発生するジュール熱(損失)等を要因としてパッキング部材等が劣化してしまい、変圧器本体の内部に封入している油が漏れ出す事態が生じている。
また、変圧器等の油入りの機器においては、特に、二部材のフランジ接合部におけるボルトとナットの締結部分から、油が漏れ出し易くなっている。
そして、変圧器等の油入りの機器において、このような油が漏れ出す事態が生じたときには、該当する部分にシーリング剤を塗布する措置が採られている。
この措置は、例えば、図7に示すように、二部材のフランジ接合部FにおけるボルトBとナットNの締結部分において、ボルトBの軸部Gと、軸部Gに螺合しているナットNの全体にシーリング剤Sを塗り付けて、ボルトBの軸部GとナットNをシーリング剤Sにより包み込んでしまうものである。
この他、変圧器等の油入りの機器において、このような油が漏れ出す事態が生じたときの措置として、例えば、特許文献1に開示されているような変圧器等の漏油防止方法も提案されている。
この漏油防止方法は、まず、全体のケレン作業を行ってから、図8(a)に示すように、二部材のフランジ接合部Fと、二部材のフランジ接合部Fを締結するボルトBとナットNの全体に第一シーリング剤S1を塗布し、ボルトBの頭部とナットNに、それぞれキャップCを被せる。このとき、キャップC内にも第一シーリング剤S1を詰めた状態とする。
次に、図8(b)に示すように、ばね力を有する金属製等の挟持手段Kにより、両キャップCを挟み付け、第一シーリング剤S1が固化するまでその状態を維持する。
そして、第一シーリング剤S1が固化したときは、図8(c)に示すように、挟持手段Kを取り外してから、フランジ接合部Fと、キャップCの周囲に第二シーリング剤S2を塗布するのである。
特開平8−111318号公報
しかしながら、前記した図7に示す、ボルトBの軸部Gと軸部Gに螺合しているナットNの全体にシーリング剤Sを塗り付ける措置においては、シーリング剤Sが固まるまでに所定の時間を要することから、漏れ出している油の量が多いときには、シーリング剤Sが固まるまでの間に、塗り付けているシーリング剤Sに油道が形成されてしまい、油の漏れ出しを充分に防止することができなかった。
また、図7に示すシーリング剤Sを塗り付ける措置は、油が漏れ出している部分とその周囲に存在する塗膜や錆をきれいに取り除くケレン作業を行ってから、シーリング剤Sを塗り付けるものであるが、このケレン作業が充分に行われていない場合にも、油の漏れ出しを充分に防止することができなかった。
さらに、シーリング剤Sの取り扱いにも熟練を要し、ボルトBの軸部GとナットNの全体にバランス良くシーリング剤Sを塗り付けていない場合にも、油の漏れ出しを充分に防止することができなかった。
このように、図7に示すシーリング剤Sを塗り付ける措置においては、漏油防止の成否が、施工時の漏油量、ケレン作業の程度、シーリング剤Sの塗り付けの程度に大きく左右されるため、誰もが簡単に油の漏れ出しを防止できるものではなかった。
加えて、シーリング剤Sを塗り付けた直後においては、そのシーリング剤Sの外観から漏油防止の成否を視認・確認することができないため、シーリング剤Sの内部において施工不良が存在すると、短期間のうちに油が漏れ出す事態が再発していた。
一方、特許文献1に開示されている変圧器等の漏油防止方法(図8参照)においても、漏油防止の成否が、ケレン作業の程度、シーリング剤S1・S2の塗り付けの程度に大きく左右されるため、図7に示すシーリング剤Sを塗り付ける措置と同様の弊害が生じてしまう。
さらに、特許文献1に開示されている変圧器等の漏油防止方法(図8参照)では、ばね力を有する金属製等の挟持手段Kにより、両キャップCを挟み付け、第一シーリング剤S1が固化するまでその状態を維持するものであるが、個々の変圧器等の油入りの機器の種類・大きさに応じて、寸法の異なる複数種類の挟持手段Kを予め用意し、好ましい大きさの挟持手段Kを適宜選択して使用しなければならないため、作業が煩雑となる。
また、寸法の異なる金属製の挟持手段Kを複数製作しなければならず、コスト高にもなり易い。
さらに、挟持手段Kにより両キャップCを挟み付け、第一シーリング剤S1が固化するまでその状態を維持することから、全体の作業時間が長くなっていた。
そこで、本発明は如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、漏油防止の成否が、施工時の漏油量、ケレン作業の程度、シーリング剤の塗り付けの程度に左右されることなく、誰もが簡単に油の漏れ出しを防止でき、また、全体の作業時間を極めて短くすることのできる、変圧器等の油入りの機器における漏油防止具と、この漏油防止具を用いた漏油防止方法を提供することを目的とする。
本発明に係る変圧器等の油入りの機器における漏油防止具は、変圧器等の油入りの機器の、ボルトとナットを使用して接合している二部材のフランジ接合部におけるボルトとナットの締結部分から、油が漏れ出す事態の発生を防止するもので、
フランジ接合部におけるボルトの軸部と、軸部に螺合しているナットを覆うように配置され、ナットの周囲を取り囲む開口部を有する被覆カップにより構成され、この被覆カップは、周壁に複数のセルフタッピングビスを備えていることで、上述した課題を解決した。
また、複数のセルフタッピングビスは、被覆カップの周壁に段違い状態に取り付けられており、それぞれのセルフタッピングビスの先端部は、ボルトの軸部の雄ねじ部分に係合していることで、同じく上述した課題を解決した。
一方、本発明に係る変圧器等の油入りの機器における漏油防止方法は、変圧器等の油入りの機器の、ボルトとナットを使用して接合している二部材のフランジ接合部におけるボルトとナットの締結部分から、油が漏れ出す事態の発生を防止するもので、
フランジ接合部におけるボルトの軸部と、軸部に螺合しているナットを覆うように被覆カップを配置し、被覆カップの周壁に段違い状態に取り付けられているセルフタッピングビスの先端部を、ボルトの軸部の雄ねじ部分に当接させる工程と、被覆カップを回転させ、セルフタッピングビスの先端部を軸部の雄ねじ部分に沿って移動させて、被覆カップの開口部をフランジ接合部に近付ける工程と、被覆カップをさらに回転させ、被覆カップの開口部を、フランジ接合部に押し付ける工程と、被覆カップの開口部とフランジ接合部の圧接部分に、シーリング剤を塗り付ける工程から成ることで、同じく上述した課題を解決した。
また、被覆カップの開口部を、フランジ接合部に押し付ける工程においては、複数のセルフタッピングビスの撓みを利用して、被覆カップの開口部がフランジ接合部に圧接している状態が維持されていることで、同じく上述した課題を解決した。
本発明に係る変圧器等の油入りの機器における漏油防止具は、変圧器等の油入りの機器の、ボルトとナットを使用して接合している二部材のフランジ接合部におけるボルトとナットの締結部分から、油が漏れ出す事態の発生を防止するもので、
フランジ接合部におけるボルトの軸部と、軸部に螺合しているナットを覆うように配置され、ナットの周囲を取り囲む開口部を有する被覆カップにより構成され、この被覆カップは、周壁に複数のセルフタッピングビスを備えていることから、フランジ接合部におけるボルトの軸部側において、油の漏れ出しを確実に防止できる。
具体的には、ボルトの軸部に係合するセルフタッピングビスにより、被覆カップがボルトの軸部と、軸部に螺合しているナットを覆うように配置され、被覆カップの開口部がフランジ接合部に圧接するため、ボルトの軸部近辺から油が漏れ出した場合であっても、この油を被覆カップ内に溜めることができる。
また、最終的には、被覆カップの開口部とフランジ接合部の圧接部分に、シーリング剤を塗り付ける処理を行うが、漏れ出した油を被覆カップ内に溜めることから、シーリング剤が充分に固まるまでの時間を確保できるのである。
さらに、複数のセルフタッピングビスは、被覆カップの周壁に段違い状態に取り付けられていることから、個々のセルフタッピングビスの先端部を、ボルトの軸部における先端部分の周囲に位置している雄ねじ部分に宛がい、被覆カップを若干回転させたときは、個々のセルフタッピングビスの先端部を、雄ねじ部分に簡単に係合させることができる。この際に、被覆カップが傾いてしまう事態の発生も防止できる。
そして、複数のセルフタッピングビスの先端部は、ボルトの軸部の雄ねじ部分に係合していることから、被覆カップを所定の方向に回転させることにより、セルフタッピングビスを軸部の雄ねじ部分に沿って移動させて、被覆カップの開口部をフランジ接合部に近付けて、開口部をフランジ接合部に圧接することができる。
一方、本発明に係る変圧器等の油入りの機器における漏油防止方法はフランジ接合部におけるボルトの軸部と、軸部に螺合しているナットを覆うように被覆カップを配置し、被覆カップの周壁に段違い状態に取り付けられているセルフタッピングビスの先端部を、ボルトの軸部の雄ねじ部分に当接させる工程と、被覆カップを回転させ、セルフタッピングビスの先端部を軸部の雄ねじ部分に沿って移動させて、被覆カップの開口部をフランジ接合部に近付ける工程と、被覆カップをさらに回転させ、被覆カップの開口部を、フランジ接合部に押し付ける工程と、被覆カップの開口部とフランジ接合部の圧接部分に、シーリング剤を塗り付ける工程から成ることから、比較的に簡易な作業により、誰もが簡単に油の漏れ出しを防止できる。
具体的には、被覆カップを回転させ、セルフタッピングビスの先端部を軸部の雄ねじ部分に沿って移動させて、被覆カップの開口部をフランジ接合部に近付ける工程と、被覆カップをさらに回転させ、被覆カップの開口部を、フランジ接合部に押し付ける工程と、被覆カップの開口部とフランジ接合部の圧接部分に、シーリング剤を塗り付ける工程を有することから、ボルトの軸部近辺から油が漏れ出した場合であっても、この油を被覆カップ内に溜めて、シーリング剤が充分に固まるまでの時間を確保できるのである。
また、被覆カップの開口部を、フランジ接合部に押し付ける工程においては、複数のセルフタッピングビスの撓みを利用して、被覆カップの開口部がフランジ接合部に圧接している状態が維持されていることから、ボルトの軸部近辺から油が漏れ出した場合であっても、この油を被覆カップ内に確実に溜めることができる。
この他、本発明に係る変圧器等の油入りの機器における漏油防止具と、この漏油防止具を用いた漏油防止方法によれば、ボルトの軸部近辺から油が漏れ出した場合であっても、この油を被覆カップ内に溜めて、シーリング剤が充分に固まるまでの時間を確保できるので、塗り付けているシーリング剤に油道が形成されてしまうような事態の発生を阻止して、油の漏れ出しを確実に防止することができる。
また、本発明に係る変圧器等の油入りの機器における漏油防止具と、この漏油防止具を用いた漏油防止方法によれば、前もって行うケレン作業が、フランジ接合部における、被覆カップの開口部を押し付ける部分にだけ行えば足りることとなる。そのため、限定された部分について集中してケレン作業を行うこととなり、ケレン作業の精度が向上して施工不良が生じ難くなるため、油の漏れ出しを確実に防止することができる。
さらに、シーリング剤を塗り付ける措置に熟練を要することがなく、誰もが簡単に油の漏れ出しを確実に防止することができる。
また、本発明に係る変圧器等の油入りの機器における漏油防止具と、この漏油防止具を用いた漏油防止方法によれば、ボルトの軸部近辺から油が漏れ出した場合であっても、この油を被覆カップ内に留めて、シーリング剤が充分に固まるまでの時間を確保しているので、漏油防止の成否が、施工時の漏油量、ケレン作業の程度、シーリング剤の塗り付けの程度に左右されることがなく、誰もが簡単に油の漏れ出しを防止できる。
加えて、シーリング剤が確実に固まるので、油が漏れ出す事態の再発も、長期に渡り防止できる。
また、作業自体は、シーリング剤を塗り付けることで終了し、シーリング剤の固まりを確認する必要もないため、全体の作業時間を極めて短くすることができる。
漏油防止具の構成を示すもので、フランジ接合部におけるボルトの軸部と、軸部に螺合しているボルトを覆うように被覆カップを配置する状態を示す分解斜視図である。 漏油防止具の構成を示すもので、(a)はフランジ接合部におけるボルトの軸部と、軸部に螺合しているボルトを覆うように被覆カップを配置し、個々のセルフタッピングビスの先端部を、ボルトの軸部における雄ねじ部分に宛がっている状態を示す斜視図、(b)は被覆カップを回転させ、被覆カップの開口部をフランジ接合部に押し付けて圧接している状態を示す斜視図である。 漏油防止具の構成を示すもので、(a)はフランジ接合部におけるボルトの軸部と、軸部に螺合しているボルトを覆うように被覆カップを配置する状態を示す分解した一部断面図、(b)は被覆カップを回転させ、被覆カップの開口部をフランジ接合部に押し付けて圧接している状態を示す一部断面図である。 漏油防止具の構成を示すもので、(a)は開口部を有し、円筒体部分に複数のセルフタッピングビスを備えている被覆カップの形状を示す斜視図、(b)は円筒体部分に複数の小孔を設け、それぞれの小孔にセルフタッピングビスを取り付ける状態を示す平断面図である。 漏油防止具の構成を示すもので、(a)は開口部を有し、円筒体部分に複数のセルフタッピングビスを備えている被覆カップの形状を示す側断面図、(b)は(a)に示すセルフタッピングビスが係合するボルトの軸部に形成された雄ねじ部分の形状を示す側面図である。 漏油防止具の構成を示すもので、開口部の端面に凹部を設け、この凹部にパッキング部材を固定している被覆カップの形状を示す斜視図である。 二部材のフランジ接合部におけるボルトとナットの締結部分において、ボルトの軸部と、軸部に螺合しているナットの全体にシーリング剤を塗り付けて、ボルトの軸部とナットをシーリング剤により包み込んでしまう従来の措置を示す側面図である。 特許文献1に開示されている措置を示すもので、(a)は二部材のフランジ接合部と、二部材のフランジ接合部を締結するボルトとナットの全体に第一シーリング剤を塗布し、ボルトの頭部とナットに、それぞれキャップを被せている状態の側断面図、(b)はばね力を有する金属製等の挟持手段により、両キャップを挟み付け、第一シーリング剤が固化するまでその状態を維持している状態の側断面図、(c)は挟持手段を取り外してから、フランジ接合部と、キャップの周囲に第二シーリング剤を塗布した状態の側断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
本発明に係る変圧器等の油入りの機器における漏油防止具は、変圧器等の油入りの機器の、ボルトBとナットNを使用して接合している二部材のフランジ接合部FにおけるボルトBとナットNの締結部分から、油が漏れ出す事態の発生を防止するものである。
具体的には、フランジ接合部FにおけるボルトBとナットNの締結部分において、図1乃至図3に示すように、ボルトBの軸部1側に取り付けて、油が漏れ出す事態の発生を防止するものである。
ボルトBは、所定の頭部2と軸部1を備えており、この軸部1にナットNを螺合させるものが一般的であるが、本発明に係る変圧器等の油入りの機器における漏油防止具は、ボルトBの軸部1側に取り付けるものである。
この漏油防止具は、図1・図4(a)に示すように、被覆カップ3単体により構成されている。
この被覆カップ3は、図4(a)・図5(a)に示すように、所定径の周壁により円筒体部分4を形成し、この円筒体部分4の一端側が開口部5となっている。また、円筒体部分4の他端側は、円形板6により閉鎖されている。
さらに、被覆カップ3は、図4(b)に示すように、円筒体部分4を形成している周壁に、等間隔に3個の小孔7を設けており、それぞれの小孔7にセルフタッピングビス8を備えている。
この被覆カップ3は、図2(b)・図3(b)に示すように、フランジ接合部FにおけるボルトBの軸部1と、軸部1に螺合しているナットNを覆うように配置される。また、被覆カップ3の開口部5は、ナットNの周囲を取り囲むように配置される。
被覆カップ3の円筒体部分4に等間隔に取り付けられている3個のセルフタッピングビス8は、いずれもその先端部が、円筒体部分4の中央を向くように配置されている。
また、3個のセルフタッピングビス8は、図5(a)に示すように、隣り合うセルフタッピングビス8同士の先端部が、若干段違い状態になるように円筒体部分4に取り付けられている。
個々のセルフタッピングビス8の先端部は、図2(a)(b)に示すように、ボルトBの軸部1の雄ねじ部分Mに係合するものである。より具体的には、セルフタッピングビス8の先端部は、雄ねじ部分Mを形成する各山の間に位置する谷の部分に係合する。
そして、図5(b)に示すように、雄ねじ部分Mを形成する各山において、谷と谷の間の距離が3mmであることから、隣り合うセルフタッピングビス8同士の先端部を、1mmの段違い状態にすることにより、3個のセルフタッピングビス8の先端部が、雄ねじ部分Mを形成する各山の間に位置する谷の部分に好ましい状態で係合できるのである。
以下に、漏油防止具を用いた、漏油防止方法を詳述する。
(フランジ接合部FにおけるボルトBの軸部1と、軸部1に螺合しているボルトBを覆うように被覆カップ3を配置し、被覆カップ3の周壁に段違い状態に取り付けられているセルフタッピングビス8の先端部を、ボルトBの軸部1の雄ねじ部分Mに当接させる工程)
まず、図1・図2(a)に示すように、フランジ接合部FにおけるボルトBの軸部1と、軸部1に螺合しているボルトBを覆うように被覆カップ3を配置する。
このとき、個々のセルフタッピングビス8の先端部を、ボルトBの軸部1における先端部分の周囲に位置している雄ねじ部分Mに宛がい、被覆カップ3を若干回転させて、図2(a)に示すように、個々のセルフタッピングビス8の先端部を、雄ねじ部分Mを形成する各山の間に位置する谷の部分にそれぞれ係合させる。
また、図1・図3(a)に示すように、必要に応じて、被覆カップ3の開口部5とフランジ接合部Fの間に、シーリング剤Sを両面に塗り付けているパッキング部材9を介在させる。
(被覆カップ3を回転させ、セルフタッピングビス8の先端部を軸部の雄ねじ部分Mに沿って移動させて、被覆カップ3の開口部5をフランジ接合部Fに近付ける工程)
次に、被覆カップ3を回転させ、セルフタッピングビス8の先端部を軸部1の雄ねじ部分Mに沿って移動させて、被覆カップ3の開口部5をフランジ接合部Fに近付けていく。
(被覆カップ3をさらに回転させ、被覆カップ3の開口部5を、フランジ接合部Fに押し付ける工程)
次に、被覆カップ3をさらに回転させ、図2(b)・図3(b)に示すように、被覆カップ3の開口部5を、フランジ接合部Fに押し付けていく。
そして、被覆カップ3の開口部5を、フランジ接合部Fに押し付けた際には、ボルトBの雄ねじ部分Mに係合している複数のセルフタッピングビス8における軸部分が、被覆カップ3の開口部5方向に向けて若干撓んだ状態となる。
すなわち、被覆カップ3を回転させ、ボルトBの軸部1に沿って被覆カップ3を移動させて、フランジ接合部Fに被覆カップ3の開口部5が当接している状態において、さらに被覆カップ3を回転させる。
すると、被覆カップ3の円筒体部分4に配置されているセルフタッピングビス8は、軸部分の基端部(頭部)側が円筒体部分4に取り付けられて、自身の移動が阻止されている状態において、軸部分の先端部が、ボルトBの雄ねじ部分Mに沿って強制的に移動させられ、セルフタッピングビス8の軸部分が、被覆カップ3の開口部5方向に向けて若干撓んだ状態となる。
このように、複数のセルフタッピングビス8の軸部分が撓むと、それぞれのセルフタッピングビス8の軸部分には、元の水平の状態に戻ろうとする作用が生じて、被覆カップ3の開口部5がフランジ接合部Fに圧接した状態が維持されるのである。
(被覆カップ3の開口部5とフランジ接合部Fの圧接部分に、シーリング剤Sを塗り付ける工程)
最後に、図3(b)に示すように、被覆カップ3の開口部5とフランジ接合部Fの圧接部分の外周に、シーリング剤Sを塗り付けて施工を終了する。
尚、図3(a)(b)に示すように、円筒体部分4にセルフタッピングビス8を取り付けている被覆カップ3において、セルフタッピングビス8が位置している円筒体部分4の内周面と外周面のそれぞれにシーリング剤Sを塗り付けておくと、漏油防止具としてより好ましいものとなる。
また、図6に示すように、フランジ接合部Fに押し付けて圧接している状態が維持される被覆カップ3の開口部5の端面に所定の凹部を設け、この凹部にパッキング部材10を固定しておくと、漏油防止具としての施工性が向上するものとなる。
本発明に係る変圧器等の油入りの機器における漏油防止具と、この漏油防止具を用いた漏油防止方法は、変圧器から油が漏れ出してしまう事態の発生を防止することの他に、種々の油入りの機器において油が漏れ出してしまう事態の発生を防止するものとして、幅広く利用することができる。
B…ボルト
N…ナット
G…軸部
S…シーリング剤
F…フランジ接合部
C…キャップ
K…挟持手段
S1…第一シーリング剤
S2…第二シーリング剤
M…雄ねじ部分

1…軸部
2…頭部
3…被覆カップ
4…円筒体部分
5…開口部
6…円形板
7…小孔
8…セルフタッピングビス
9…パッキング部材
10…パッキング部材

Claims (4)

  1. 変圧器等の油入りの機器の、ボルトとナットを使用して接合している二部材のフランジ接合部におけるボルトとナットの締結部分から、油が漏れ出す事態の発生を防止するもので、
    フランジ接合部におけるボルトの軸部と、軸部に螺合しているナットを覆うように配置され、ナットの周囲を取り囲む開口部を有する被覆カップにより構成され、この被覆カップは、周壁に複数のセルフタッピングビスを備えていることを特徴とする、変圧器等の油入りの機器における漏油防止具。
  2. 複数のセルフタッピングビスは、被覆カップの周壁に段違い状態に取り付けられており、それぞれのセルフタッピングビスの先端部は、ボルトの軸部の雄ねじ部分に係合している請求項1に記載の変圧器等の油入りの機器における漏油防止具。
  3. 変圧器等の油入りの機器の、ボルトとナットを使用して接合している二部材のフランジ接合部におけるボルトとナットの締結部分から、油が漏れ出す事態の発生を防止するもので、
    フランジ接合部におけるボルトの軸部と、軸部に螺合しているナットを覆うように被覆カップを配置し、被覆カップの周壁に段違い状態に取り付けられているセルフタッピングビスの先端部を、ボルトの軸部の雄ねじ部分に当接させる工程と、被覆カップを回転させ、セルフタッピングビスの先端部を軸部の雄ねじ部分に沿って移動させて、被覆カップの開口部をフランジ接合部に近付ける工程と、被覆カップをさらに回転させ、被覆カップの開口部を、フランジ接合部に押し付ける工程と、被覆カップの開口部とフランジ接合部の圧接部分に、シーリング剤を塗り付ける工程から成ることを特徴とする、変圧器等の油入りの機器における漏油防止方法。
  4. 被覆カップの開口部を、フランジ接合部に押し付ける工程においては、複数のセルフタッピングビスの撓みを利用して、被覆カップの開口部がフランジ接合部に圧接している状態が維持されている請求項3に記載の変圧器等の油入りの機器における漏油防止方法。
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