JP2011163400A - 種々の油入りの機器に用いられている配管のフランジ継手部分における漏油防止方法 - Google Patents

種々の油入りの機器に用いられている配管のフランジ継手部分における漏油防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】施工時の漏油量、ケレン作業の精度、コーキング剤の塗り付けの精度に左右されることなく油の漏れ出しを確実に防止でき、また、経年によりコーキング剤にひび割れが生じたような場合であっても油の漏れ出しを確実に防止できる、油入りの機器に用いられている配管のフランジ継手部分における漏油防止方法を提供する。
【解決手段】油入りの機器に用いられている絶縁油を循環させる配管Hにおいて、ボルトとナットを使用して互いのフランジを接合している配管のフランジ継手部分から油が漏れ出す事態の発生を防止するもので、配管のフランジ継手部分における両側に、帯環状のケレン部分Kを設ける工程と、両ケレン部分Kの内側において、フランジ継手部分の全体とフランジ継手部分に隣接している配管部分を薄状物Sにより覆う工程と、薄状物Sの全体と薄状物Sの両側に位置している帯環状のケレン部分Kにかけて、コーキング剤Cを塗布する工程とから成る。
【選択図】図5

Description

大容量の変圧器等の油入りの機器においては、機器の絶縁と冷却のために、絶縁油を循環させる配管が用いられている。本発明は、このような絶縁油を循環させる配管において、ボルトとナットを使用して互いのフランジを接合している配管のフランジ継手部分から油が漏れ出す事態の発生を確実に防止した、種々の油入りの機器に用いられている配管のフランジ継手部分における漏油防止方法に関するものである。
従来より、発電所や変電所から送電される電力の電圧を変換するために、変圧器等の油入りの機器が使用されている。
油入りの機器としての変圧器は、交流電力の電圧の高さを、電磁誘導を利用して変換するものである。この変圧器本体の内部には、例えば、磁心とコイルが設置されており、これらの部材の絶縁と冷却のために、変圧器本体の内部に絶縁油が封入されている。
また、大容量の変圧器等においては、配管を介して、絶縁油を強制的に循環させているものもある。
このような油入りの機器に用いられている配管Hは、図7(a)に示すように、互いのフランジ部F・Fを当接して、ボルトとナットを使用して強固に接合している。この配管Hのフランジ継手部分Jにおいては、所定のパッキン(油密部材)Pを介在させて漏油を防止しているが、経年によりパッキン(油密部材)Pが劣化すると、図7(b)に示すように、フランジ継手部分Jにおいて油が漏れ出してしまう事態が生じている。
この様な配管Hのフランジ継手部分Jにおける漏油は、設備の適正な維持、また、環境汚染を防止した適正な環境管理等の必要性から、速やかに補修しなければならない。
この補修措置としては、フランジ継手部分Jにおける劣化したパッキン(油密部材)Pを新しいものに交換する措置が理想であるが、設備停止の時間が長くなり、また、補修費用も高くなることから、フランジ継手部分Jと、フランジ継手部分Jに隣接した配管H部分に、コーキング剤Cを塗布する措置が採られている。
この措置は、まず、図8(a)に示すように、フランジ継手部分Jの全体と、フランジ継手部分Jに隣接した配管H部分について、電動の工具A等を使用して塗装や錆を除去するケレン作業を行う。
次に、図8(b)に示すように、フランジ継手部分Jの全体と、フランジ継手部分Jに隣接した配管H部分にコーキング剤Cを満遍なく塗布して、フランジ継手部分Jを含むその周囲全体を、コーキング剤Cによりすっぽりと包み込んでしまうのである。
特になし
しかしながら、図8(b)に示す、フランジ継手部分Jを含むその周囲全体を、コーキング剤Cによりすっぽりと包み込んでしまう従来の措置においては、コーキング剤Cが固まるまでの間に所定の時間を要することから、以下のような弊害が生じている。
即ち、フランジ継手部分Jにおいて漏れ出している油の量が多いときには、図9(a)(b)に示すように、コーキング剤Cが固まるまでの間に、塗り付けているコーキング剤Cに油道が形成され、この油道を介して漏油することから、フランジ継手部分Jにおける油の漏れ出しを充分に防止できるものではなかった。
また、図8(b)に示すコーキング剤Cを塗り付ける措置は、図8(a)に示すように、フランジ継手部分Jの全体と、フランジ継手部分Jに隣接した配管H部分について、電動の工具A等を使用して塗装や錆を除去するケレン作業を充分に行ってからコーキング剤Cを塗り付けるものであるが、フランジ継手部分Jにおいては、細かな凹凸や狭隘な部分が数多く存在するため、電動の工具A等を使用しても塗装や錆をきれいに取りきれない場合があり、油の漏れ出しを充分に防止できない要因となっていた。
一方、ケレン作業を必要以上に行い過ぎると、配管Hのフランジ継手部分J等に損傷を与えてしまうことから、ケレン作業を慎重に行わなければならず、作業員の疲労が増す要因となっていた。
さらに、コーキング剤Cの取り扱いにも熟練を要し、フランジ継手部分Jを含むその周囲全体に、満遍なくコーキング剤Cを塗り付けていない場合にも、油の漏れ出しを充分に防止することができなかった。
このように、図8(b)に示すコーキング剤Cを塗り付ける従来の措置においては、漏油防止の成否が、施工時の漏油量、ケレン作業の精度、コーキング剤Cの塗り付けの精度に大きく左右されるため、誰もが簡単に油の漏れ出しを防止できるものではなかった。
加えて、コーキング剤Cを塗り付けた直後においては、そのコーキング剤Cの外観から漏油防止の成否を視認・確認することができないため、コーキング剤Cの内部において施工不良が存在すると、短期間のうちに油が漏れ出す事態が再発していた。
この様な場合、図10に示すように、電動の工具A等を使用して、フランジ継手部分Jを含むその周囲全体をすっぽりと包み込んだ状態で固化しているコーキング剤Cの全てをきれいに除去するケレン作業を行う必要があり、作業に長時間を要していた。
また、コーキング剤Cが、細かな凹凸に固着していたり、狭隘な部分に入りこんだ状態で固着しているため、コーキング剤Cの全てをきれいに取りきれない場合があり、その後にコーキング剤Cを塗り付けても、油が漏れ出す事態が再発し易かった。
そこで、本発明は如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、漏油防止の成否が、施工時の漏油量、ケレン作業の精度、コーキング剤の塗り付けの精度に左右されることなく、誰もが簡単に油の漏れ出しを確実に防止でき、また、経年によりコーキング剤にひび割れが生じたような場合であっても、比較的に簡単な作業により油の漏れ出しを確実に防止できる、種々の油入りの機器に用いられている配管のフランジ継手部分における漏油防止方法を提供することを目的とする。
本発明に係る種々の油入りの機器に用いられている配管のフランジ継手部分における漏油防止方法は、種々の油入りの機器に用いられている、絶縁油を循環させる配管において、ボルトとナットを使用して互いのフランジを接合している配管のフランジ継手部分から油が漏れ出す事態の発生を防止するもので、
配管のフランジ継手部分における両側に、帯環状のケレン部分を設ける工程と、
両ケレン部分の内側において、フランジ継手部分の全体と、フランジ継手部分に隣接している配管部分を薄状物により覆う工程と、
薄状物の全体と、薄状物の両側に位置している帯環状のケレン部分にかけて、コーキング剤を塗布する工程と、から成ることで、上述した課題を解決した。
また、両ケレン部分の内側において、フランジ継手部分の全体と、フランジ継手部分に隣接している配管部分を薄状物により覆う工程は、帯状の薄状物を複数回巻き着けて薄状物を積層させた後、温風を吹き付けて積層している薄状物を癒着させるものであることで、同じく上述した課題を解決した。
本発明に係る種々の油入りの機器に用いられている配管のフランジ継手部分における漏油防止方法は、種々の油入りの機器に用いられている、絶縁油を循環させる配管において、ボルトとナットを使用して互いのフランジを接合している配管のフランジ継手部分から油が漏れ出す事態の発生を防止するもので、第1の工程として、配管のフランジ継手部分における両側に、帯環状のケレン部分を設ける工程を実施する。
このケレン部分は、配管のフラットな周面に設けるものであり、また、ケレン部分の形状も帯環状で比較的にシンプルである。
その為、極めて限定された部分について、集中してケレン作業を行うことが可能となり、ケレン作業の精度が向上して、施工不良が生じ難くなる。
また、ケレン部分は、配管のフランジ継手部分から若干離れており、フランジ継手部分にケレン作業を行うものではない。
その為、除去すべき塗装や錆が、細かな凹凸や狭隘な部分に入り込んだ状態で存在するのではなく、配管のフラットな周面に存在することとなるため、電動の工具等を使用せずに手作業でケレン作業を完璧に行うことができ、油の漏れ出しを充分に防止するための、いわゆる準備作業が容易となる。
次に、本発明においては、第2の工程として、両ケレン部分の内側において、フランジ継手部分の全体と、フランジ継手部分に隣接している配管部分を薄状物により覆う工程を実施する。
この薄状物は、漏れ出した油の仮止め材としての機能を発揮するものである。即ち、フランジ継手部分の全体と、フランジ継手部分に隣接している配管部分を薄状物によりすっぽりと覆っていることから、フランジ継手部分から油が漏れ出した場合であっても、その油が薄状物の内部に留められる。
具体的には、フランジ継手部分の全体と、フランジ継手部分に隣接している配管部分に帯状の薄状物を複数回巻き着けて薄状物を積層させた後、温風を吹き付けて積層している薄状物を癒着させることから、漏れ出した油を薄状物の内部に封じ込めて、薄状物の外側に油が漏れ出してしまう事態の発生を確実に阻止しているのである。
最後に、本発明においては、第3の工程として、薄状物の全体と、薄状物の両側に位置している帯環状のケレン部分にかけて、コーキング剤を塗布する工程を実施する。
このコーキング剤が固化したときには、内側に存在する薄状物と、薄状物の外側に存在するコーキング剤による二重の防壁が形成されることとなり、フランジ継手部分から油が漏れ出した場合であっても、その油がコーキング剤の外側に漏れ出すことが無いのである。
加えて、コーキング剤が固化したときには、油が漏れ出す事態の再発を、長期に渡り防止できる。
また、コーキング剤が完全に固化するまでには、所定の時間を要するものであるが、その間に油が漏れ出した場合であっても、コーキング剤の内側に位置している薄状物が油の仮止め材として機能するため、コーキング剤に油道が形成されるようなことが無い。
さらに、コーキング剤は、薄状物の全体と、薄状物の両側に位置している帯環状のケレン部分にかけて塗布されることから、コーキング剤の端部がケレン部分に強固に接着することとなる。
その為、コーキング剤が薄状物から剝がれて落ちてしまうような事態の発生を阻止して、全体の堅牢性を維持している。また、コーキング剤の端部がケレン部分に強固に接着することから、配管とコーキング剤の接着部分から油が漏れ出すことも無い。
この他、本発明によれば、コーキング剤を薄状物の全体と、薄状物の両側に位置している帯環状のケレン部分にかけて、所定の厚みを有するように塗布すれば足り、熟練を要することもないため、誰もが簡単に油の漏れ出しを確実に防止することができる。
また、本発明によれば、作業中にフランジ継手部分から油が漏れ出した場合であっても、この油を薄状物内に留めて、コーキング剤が充分に固まるまでの時間を確保しているので、漏油防止の成否が、施工時の漏油量、ケレン作業の精度、コーキング剤の塗り付けの精度等に左右されることがなく、誰もが簡単に油の漏れ出しを防止できる。
さらに、本発明によれば、ケレン作業が極めて簡単であり、その後、フランジ継手部分の全体とその周囲の配管部分を薄状物で覆い、この薄状物の全体からケレン部分にかけてコーキング剤を塗布するだけであるので、全体の作業時間を極めて短くすることができる。
具体的には、細かな凹凸や狭隘な部分が数多く存在しているフランジ継手部分を含むその周囲に入念なケレン作業を行ってから、複雑な構成のフランジ継手部分を含むその周囲にコーキング剤を満遍なく塗り付けて、コーキング剤によりすっぽりと包み込んでしまう従来の措置に比較して、およそ半分の時間で作業を終えることができる。
また、薄状物の全体からケレン部分にかけてコーキング剤を塗布するだけであるので、コーキング剤の使用量も30%削減できた。
この他、経年や、固化したコーキング剤に強い衝撃が与えられたとき等を要因として、コーキング剤にひびが入ったような場合、電動の工具等を使用して、コーキング剤と薄状物を除去するケレン作業を行ってから、フランジ継手部分の全体とその周囲の配管部分を薄状物で覆い、この薄状物の全体からケレン部分にかけてコーキング剤を塗布することとなる。
このときのケレン作業は、コーキング剤が薄状物の上に積層されていて、フランジ継手部分における細かな凹凸や狭隘な部分に入り込んでいないことから、極めて短時間の内にコーキング剤をきれいに除去できる。
また、薄状物とフランジ継手部分の間にも比較的に大きな空間が存在するため、極めて短時間の内にコーキング剤と薄状物をきれいに除去できる。
この様に、極めて簡単なケレン作業の後に、フランジ継手部分の全体とその周囲の配管部分を薄状物で覆い、この薄状物の全体からケレン部分にかけてコーキング剤を塗布することにより、油の漏れ出しの再発も確実に防止できるのである。
漏油防止方法における第1工程の内容を示すもので、(a)は配管のフランジ継手部分における両側において、ケレン部分を設ける位置をマーキングした状態の斜視図、(b)はケレン作業により配管を一回りするような帯環状のケレン部分を設けた状態の斜視図である。 漏油防止方法における第2工程の内容を示すもので、(a)はフランジ継手部分の全体と、フランジ継手部分に隣接している配管部分を薄状物により覆っていく状態の斜視図、(b)はフランジ継手部分の全体とその周囲を、薄状物により覆った状態の斜視図である。 漏油防止方法における第2工程の内容を示すもので、(a)はケレン部分に隣接した位置に所定のバンドを配置して、薄状物をバンドにより結束している状態の斜視図、(b)はその断面図である。 漏油防止方法における第2工程の内容を示すもので、(a)はバンドの外側に位置している薄状物の端部を切り取り、ケレン部分を露出させている状態の斜視図、(b)はその断面図である。 漏油防止方法における第3工程の内容を示すもので、(a)は薄状物と、薄状物の両側に位置している帯環状のケレン部分にかけてコーキング剤を塗布している状態の斜視図、(b)はその断面図である。 電動の工具等を使用して、コーキング剤と薄状物を除去するケレン作業を行っている状態の斜視図、(b)はその断面図である。 油入りの機器に用いられている配管の構成を示すもので、(a)は配管のフランジ継手部分の構成を示す斜視図、(b)はフランジ継手部分において漏油している状態の断面図である。 従来の補修措置を示すもので、(a)はフランジ継手部分の全体と、フランジ継手部分に隣接した配管部分について、電動の工具等を使用して塗装や錆を除去するケレン作業を行っている状態の斜視図、(b)はコーキング剤を塗布して、フランジ継手部分を含むその周囲全体を、コーキング剤によりすっぽりと包み込んでいる状態の斜視図である。 コーキング剤により包み込んでいる配管のフランジ継手部分において漏油する状態を示すもので、(a)は漏れ出している油の量が多いときに、コーキング剤が固まるまでの間に油道が形成されて行く状態の断面図、(b)はその油道を介して油が漏れ出している状態の断面図である。 電動の工具等を使用して、フランジ継手部分を含むその周囲全体を包み込んだ状態で固化しているコーキング剤を除去するケレン作業を行っている状態の断面図である。
本発明に係る種々の油入りの機器に用いられている配管Hのフランジ継手部分Jにおける漏油防止方法は、種々の油入りの機器に用いられている、絶縁油を循環させる配管Hにおいて、ボルトとナットを使用して互いのフランジFを接合している配管Hのフランジ継手部分Jから油が漏れ出す事態の発生を防止するものである。
この漏油防止方法は、
第1工程…配管Hのフランジ継手部分Jにおける両側に、帯環状のケレン部分Kを設ける工程と、
第2工程…両ケレン部分Kの内側において、フランジ継手部分Jの全体と、フランジ継手部分Jに隣接している配管H部分を薄状物Sにより覆う工程と、
第3工程…薄状物Sの全体と、薄状物Sの両側に位置している帯環状のケレン部分Kにかけて、コーキング剤Cを塗布する工程と、から成る。
以下に、これらの各工程を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1工程…配管Hのフランジ継手部分Jにおける両側に、帯環状のケレン部分Kを設ける工程)
まず、図1(a)に示すように、配管Hのフランジ継手部分Jにおける両側において、ケレン作業を行って帯環状のケレン部分Kを設ける位置を、線を引くマーキングMを行って明示する。
このマーキングMは、帯の幅がおよそ2cmになるように行う。また、マーキングMを行う位置は、配管HにフランジFを固定している溶接部分から離れた位置とする。これは、溶接部分にケレン作業を行ってしまうと、当該溶接部分から漏油してしまう可能性があるからである。
具体的には、マーキングMによる内側の線が、配管Hのフランジ継手部分Jから、およそ8cm乃至15cm前後離れるようにする。
このマーキングMを行った位置に、ケレン作業を行ってケレン部分Kを設ける。ケレン作業は、作業員がおよそ2cm幅のベルト状のヤスリを用いた手作業で行う。
このケレン作業は、図1(b)に示すように、配管Hの鉄部が見えるまで塗装を除去するもので、ケレン部分Kは、配管Hを一回りするような帯環状に形成される。また、ケレン作業は、ケレン部分Kにおける配管Hの鉄部に、多少の傷ができる程度の粗さに仕上げる。この傷により、後述するコーキング剤Cとの接着力が増すのである。
(第2工程…両ケレン部分Kの内側において、フランジ継手部分Jの全体と、フランジ継手部分Jに隣接している配管H部分を薄状物Sにより覆う工程)
次に、両ケレン部分Kにおける内側の全体を、薄状物Sにより覆っていく。この薄状物Sは、漏れ出した油の仮止め材としての機能を発揮するものである。薄状物Sは、一般的には、柔軟性を有するフィルムやテープ等であるが、所定の伸縮性と自己癒着性を有するものを全て含んでいる。
例えば、薄状物Sが所定の幅を有する帯状のフィルムであるときの取り付け手順としては、まず、図2(a)1に示すように、フィルムである薄状物Sを、フランジ継手部分Jの周面に、50回程度巻き着けていく。次に、図2(a)2に示すように、フランジ継手部分Jの左側の側面から、フランジ継手部分Jに隣接している配管Hにかけて、薄状物Sを50回程度巻き着けていく。さらに、図2(a)3に示すように、フランジ継手部分Jの右側の側面から、フランジ継手部分Jに隣接している配管Hにかけて、薄状物Sを50回程度巻き着けていく。尚、巻き付けの回数は、50回に限定されるものではなく、施工時の漏油量等に応じて、作業員が好ましい巻き付けの回数を適宜選択するものである。
そして、図2(b)に示すように、フランジ継手部分Jの全体と、フランジ継手部分Jに隣接している配管Hのケレン部分Kにかけて、積層している薄状物Sによりすっぽりと覆った状態とする。このとき、薄状物S同士は、ある程度癒着しているが、ヒートガン等の工具Aを用いて薄状物Sの全体に温風を吹き付けることにより、積層している薄状物S全体の癒着力を向上させる。
次に、図3(a)(b)に示すように、フランジ継手部分J側においてケレン部分Kに隣接した位置に所定のバンドBを配置して、積層している薄状物SをバンドBにより結束する。
この状態において、図4(a)(b)に示すように、バンドBの外側に位置している薄状物Sの端部を所定のカッターを用いて切り取り、フランジ継手部分Jの両側に位置しているケレン部分Kを露出させる。
(第3工程…薄状物Sの全体と、薄状物Sの両側に位置している帯環状のケレン部分Kにかけて、コーキング剤Cを塗布する工程)
最後に、図5(a)(b)に示すように、積層している薄状物Sと、薄状物Sの両側に位置している帯環状のケレン部分Kにかけて、コーキング剤Cを塗布する。
このコーキング剤Cが完全に固化するまでには、所定の時間を要するものであるが、その間に油が漏れ出した場合であっても、コーキング剤Cの内側に位置する、積層している薄状物Sが油の仮止め材として機能するため、コーキング剤Cが完全に固化するまでの時間を確保して、コーキング剤Cに油道が形成されてしまう事態の発生を阻止している。
尚、第3工程としてコーキング剤Cを塗布するものであるが、このコーキング剤Cとしては、エポキシ系樹脂を用いたものや、シーリング剤と称されるもの等の、硬化剤としての性能を有する全てのものを含んでいる。
そして、経年や、固化したコーキング剤Cに強い衝撃が与えられたとき等を要因として、コーキング剤Cにひび割れが生じてしまったような場合、図6(a)に示すように、電動の工具A等を使用して、コーキング剤Cと薄状物Sを除去するケレン作業を行ってから、前記した第1・第2・第3の工程を再度実施する。
このときのコーキング剤Cと薄状物Sを除去するケレン作業は、図6(b)に示すように、コーキング剤Cが薄状物Sの上に積層されていて、フランジ継手部分Jにおける細かな凹凸や狭隘な部分に入り込んでいないこと、また、薄状物Sとフランジ継手部分Jの間に比較的に大きな空間が存在することから、電動の工具A等を使用して、極めて短時間の内にコーキング剤Cと薄状物Sをきれいに除去できるのである。
本発明に係る種々の油入りの機器に用いられている配管のフランジ継手部分における漏油防止方法は、変圧器に用いられている配管のフランジ継手部分から油が漏れ出してしまう事態の発生を確実に防止することの他に、種々の油入りの機器に用いられている配管のフランジ継手部分から油が漏れ出してしまう事態の発生を確実に防止するものとして、幅広く利用することができる。
A…工具
B…バンド
C…コーキング剤
F…フランジ部
H…配管
J…フランジ継手部分
K…ケレン部分
M…マーキング
P…パッキン(油密部材)
S…薄状物

Claims (2)

  1. 種々の油入りの機器に用いられている、絶縁油を循環させる配管において、ボルトとナットを使用して互いのフランジを接合している配管のフランジ継手部分から油が漏れ出す事態の発生を防止するもので、
    配管のフランジ継手部分における両側に、帯環状のケレン部分を設ける工程と、
    両ケレン部分の内側において、フランジ継手部分の全体と、フランジ継手部分に隣接している配管部分を薄状物により覆う工程と、
    薄状物の全体と、薄状物の両側に位置している帯環状のケレン部分にかけて、コーキング剤を塗布する工程と、
    から成ることを特徴とする、種々の油入りの機器に用いられている配管のフランジ継手部分における漏油防止方法。
  2. 両ケレン部分の内側において、フランジ継手部分の全体と、フランジ継手部分に隣接している配管部分を薄状物により覆う工程は、帯状の薄状物を複数回巻き着けて薄状物を積層させた後、温風を吹き付けて積層している薄状物を癒着させるものである請求項1に記載の種々の油入りの機器に用いられている配管のフランジ継手部分における漏油防止方法。
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