JP2010163981A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】液密性を維持する必要がある制御室9を内部に形成する燃料噴射弁において、異物の多い粗悪な燃料を使用しても、噴射特性を損なわずに長期使用に耐えうるようにする。
【解決手段】制御室9には磁石34が配されている。これにより、制御室9の燃料に含まれる鉄系の異物は、磁石34に吸引されて捕捉されるので、制御室9から摺動隙間24の方に向う燃料は、少なくとも鉄系異物が除去された状態になる。このため、液密性を維持する必要がある制御室9を内部に形成する燃料噴射弁において、異物の多い粗悪な燃料を使用しても、噴射特性を損なわずに長期使用に耐えうるようにすることができる。
【選択図】図3
【解決手段】制御室9には磁石34が配されている。これにより、制御室9の燃料に含まれる鉄系の異物は、磁石34に吸引されて捕捉されるので、制御室9から摺動隙間24の方に向う燃料は、少なくとも鉄系異物が除去された状態になる。このため、液密性を維持する必要がある制御室9を内部に形成する燃料噴射弁において、異物の多い粗悪な燃料を使用しても、噴射特性を損なわずに長期使用に耐えうるようにすることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関に燃料を噴射して供給する燃料噴射弁に関する。
従来から、燃料噴射弁は、噴孔を開閉する噴射弁体と、噴射弁体を開弁方向に駆動する駆動力を発生するアクチュエータと、噴射弁体を閉弁方向に付勢するスプリングを備える。そして、噴射弁体およびアクチュエータの動作に関連して、燃料噴射弁の内部には、液密性を維持する必要がある種々の燃料の流動部が形成されている。
この流動部は、例えば、噴射弁体に対し閉弁方向に燃料圧を作用させるとともに、燃料圧の増減操作により噴射弁体を開弁方向または閉弁方向に駆動するための制御室や、噴射弁体に対し開弁方向に燃料圧が作用するとともに、噴孔から噴射される燃料が溜まるノズル室である(例えば、特許文献1)。
そして、噴射弁体の開閉弁動作(つまり、噴射弁体の軸方向における移動)の特性は、噴射弁体に作用する各種の付勢力(つまり、制御室の燃料圧による付勢力、ノズル室の燃料圧による付勢力、およびスプリングの付勢力等)のバランスに依存している。このため、制御室やノズル室の液密性が低く燃料圧が目標どおりに維持されない場合、噴射弁体の動作特性が変動し、結果的に燃料噴射弁の噴射特性が損なわれてしまう。
さらに、ディーゼルエンジンへの燃料噴射に関しては、排ガスにおける黒煙低減やPM低減等のために噴射圧の高圧化が進んでおり、噴射圧の低下防止のためにも制御室やノズル室の液密性を維持する必要性が高い。
ところで、制御室やノズル室は、所定の摺動孔を有するボディと、摺動孔に摺動自在に収容されて支持される摺動部材とにより形成されている。例えば、特許文献1の制御室は、燃料噴射弁の本体ボディに設けられた摺動孔に、摺動部材としてのコマンドピストンが摺動自在に収容されて支持されることで形成されている。また、摺動孔をなす本体ボディの内周面とコマンドピストンの外周面との間には、微小な摺動隙間が形成されている。そして、摺動隙間を通じて制御室から流出する燃料のリーク量を抑制することで、制御室の液密性が維持されている。
このため、燃料に異物が含まれていると、摺動隙間に異物が入り込んでスティックしたり摺接面を傷付けたりする虞があり、このような事態が生じると液密性が維持されなくなって燃料噴射弁の噴射特性が損なわれてしまう。
しかし、噴射すべき燃料の品質は千差万別であり、微細な異物を多く含む粗悪な燃料も存在するので、燃料噴射弁には、異物の多い粗悪な燃料を使用しても、噴射特性を損なわずに長期使用に耐えうる構成が求められている。
しかし、噴射すべき燃料の品質は千差万別であり、微細な異物を多く含む粗悪な燃料も存在するので、燃料噴射弁には、異物の多い粗悪な燃料を使用しても、噴射特性を損なわずに長期使用に耐えうる構成が求められている。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、液密性を維持する必要がある燃料の流動部を内部に形成する燃料噴射弁において、異物の多い粗悪な燃料を使用しても、噴射特性を損なわずに長期使用に耐えうるようにすることにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の燃料噴射弁は、噴孔を開閉する噴射弁体と、噴射弁体を開弁方向に駆動する駆動力を発生するアクチュエータとを備える。また、燃料噴射弁は、所定の摺動孔を有するボディと、摺動孔に摺動自在に収容されてボディとともに燃料の流動部を形成する摺動部材とを備え、摺動部材は、流動部を液密的に封鎖するとともに、アクチュエータの動作に応じて、摺動孔内を移動して流動部の容積を可変する。そして、流動部には磁石が配されている。
請求項1に記載の燃料噴射弁は、噴孔を開閉する噴射弁体と、噴射弁体を開弁方向に駆動する駆動力を発生するアクチュエータとを備える。また、燃料噴射弁は、所定の摺動孔を有するボディと、摺動孔に摺動自在に収容されてボディとともに燃料の流動部を形成する摺動部材とを備え、摺動部材は、流動部を液密的に封鎖するとともに、アクチュエータの動作に応じて、摺動孔内を移動して流動部の容積を可変する。そして、流動部には磁石が配されている。
これにより、燃料に含まれる鉄系の異物は、流動部において磁石に吸引されて捕捉されるので、流動部から摺動隙間の方に向う燃料は、少なくとも鉄系異物が除去された状態になる。このため、液密性を維持する必要がある流動部を内部に形成する燃料噴射弁において、異物の多い粗悪な燃料を使用しても、噴射特性を損なわずに長期使用に耐えうるようにすることができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の燃料噴射弁によれば、摺動部材は、非磁性材を素材として設けられている。
これにより、摺動部材は、流動部に磁石が存在しても磁化しなくなるので、鉄系異物は、より磁石の方に移動し易くなるとともに、摺動隙間の方には移動しにくくなる。このため、磁石による鉄系異物の除去が、より効率的になる。
請求項2に記載の燃料噴射弁によれば、摺動部材は、非磁性材を素材として設けられている。
これにより、摺動部材は、流動部に磁石が存在しても磁化しなくなるので、鉄系異物は、より磁石の方に移動し易くなるとともに、摺動隙間の方には移動しにくくなる。このため、磁石による鉄系異物の除去が、より効率的になる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の燃料噴射弁によれば、流動部は、噴射弁体に対し閉弁方向に燃料圧を作用させるとともに、燃料圧の増減操作により噴射弁体を開弁方向または閉弁方向に駆動するための制御室である。また、制御室へ燃料を流入させるための流入流路、および、制御室から燃料を流出させるための流出流路が形成されている。そして、燃料噴射弁は、アクチュエータの動作に応じて、流出流路を制御室に対して開閉することで、制御室への燃料の流出入状態を可変して制御室の燃料圧を増減する。
この手段は、流動部の一態様として制御室を例示するものである。
請求項3に記載の燃料噴射弁によれば、流動部は、噴射弁体に対し閉弁方向に燃料圧を作用させるとともに、燃料圧の増減操作により噴射弁体を開弁方向または閉弁方向に駆動するための制御室である。また、制御室へ燃料を流入させるための流入流路、および、制御室から燃料を流出させるための流出流路が形成されている。そして、燃料噴射弁は、アクチュエータの動作に応じて、流出流路を制御室に対して開閉することで、制御室への燃料の流出入状態を可変して制御室の燃料圧を増減する。
この手段は、流動部の一態様として制御室を例示するものである。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の燃料噴射弁によれば、摺動部材は噴射弁体であり、流動部は、噴射弁体に対し開弁方向に燃料圧が作用するとともに、噴孔から噴射される燃料が溜まるノズル室である。
この手段は、摺動部材の一態様として噴射弁体を例示し、流動部の一態様としてノズル室を例示するものである。
請求項4に記載の燃料噴射弁によれば、摺動部材は噴射弁体であり、流動部は、噴射弁体に対し開弁方向に燃料圧が作用するとともに、噴孔から噴射される燃料が溜まるノズル室である。
この手段は、摺動部材の一態様として噴射弁体を例示し、流動部の一態様としてノズル室を例示するものである。
燃料噴射弁は、噴孔を開閉する噴射弁体と、噴射弁体を開弁方向に駆動する駆動力を発生するアクチュエータとを備える。また、燃料噴射弁は、所定の摺動孔を有するボディと、摺動孔に摺動自在に収容されてボディとともに燃料の流動部を形成する摺動部材とを備え、摺動部材は、流動部を液密的に封鎖するとともに、アクチュエータの動作に応じて、摺動孔内を移動して流動部の容積を可変する。そして、流動部には磁石が配されている。
また、摺動部材は、非磁性材を素材として設けられている。
また、摺動部材は、非磁性材を素材として設けられている。
なお、流動部は、噴射弁体に対し閉弁方向に燃料圧を作用させるとともに、燃料圧の増減操作により噴射弁体を開弁方向または閉弁方向に駆動するための制御室である。また、制御室へ燃料を流入させるための流入流路、および、制御室から燃料を流出させるための流出流路が形成されている。そして、燃料噴射弁は、アクチュエータの動作に応じて、流出流路を制御室に対して開閉することで、制御室への燃料の流出入状態を可変して制御室の燃料圧を増減する。
さらに、摺動部材は噴射弁体であり、流動部は、噴射弁体に対し開弁方向に燃料圧が作用するとともに、噴孔から噴射される燃料が溜まるノズル室である。
〔実施例の構成〕
実施例の燃料噴射弁1の構成を、図面に基づいて説明する。
燃料噴射弁1は、例えば、内燃機関(図示せず)の気筒内に燃料を噴射して供給するものであり、内燃機関の気筒ごとに装着されている。そして、燃料噴射弁1は、例えば、燃料を高圧状態で蓄圧するコモンレール(図示せず)、燃料を高圧化してコモンレールに供給する燃料供給ポンプ(図示せず)、および燃料噴射弁1や燃料供給ポンプの動作を制御する電子制御装置(図示せず:以下、ECUと呼ぶ)等とともに、燃料噴射装置を構成する。
実施例の燃料噴射弁1の構成を、図面に基づいて説明する。
燃料噴射弁1は、例えば、内燃機関(図示せず)の気筒内に燃料を噴射して供給するものであり、内燃機関の気筒ごとに装着されている。そして、燃料噴射弁1は、例えば、燃料を高圧状態で蓄圧するコモンレール(図示せず)、燃料を高圧化してコモンレールに供給する燃料供給ポンプ(図示せず)、および燃料噴射弁1や燃料供給ポンプの動作を制御する電子制御装置(図示せず:以下、ECUと呼ぶ)等とともに、燃料噴射装置を構成する。
燃料噴射弁1は、例えば、図1〜図3に示すように、噴孔2を開閉する噴射弁体3と、噴射弁体3に当接して噴射弁体3と一体的に移動するコマンドピストン4と、噴射弁体3を閉弁方向に付勢するスプリング5と、噴射弁体3を開弁方向に駆動する駆動力を発生するアクチュエータ6とを備える。また、燃料噴射弁1は、噴射弁体3に対し閉弁方向に燃料圧を作用させるための制御室9、制御室9へ燃料を流入させるための流入流路10、および、制御室9から燃料を流出させるための流出流路11を形成する。
ここで、流入、流出流路10、11には、それぞれ、制御室9への燃料の流入を規制する流入側絞り13、制御室9からの燃料の流出を規制する流出側絞り14が設けられている。
噴射弁体3は、ノズルボディ15に設けられた摺動孔16に摺動自在に収容され、ノズルボディ15との間に、コモンレールから受け入れた高圧の燃料が溜まるノズル室17を形成する。また、噴射弁体3は、自身の摺動軸部18の外周面と摺動孔16の壁面との間に摺動隙間19を形成するとともに、ノズル室17を液密的に封鎖する。つまり、噴射弁体3は、燃料噴射弁1の内部で燃料の流動部の1つであるノズル室17を形成する摺動部材である。
そして、噴射弁体3は、アクチュエータ6の動作に応じて摺動孔16内を開弁方向または閉弁方向に移動し、ノズル室17に対して噴孔2を開閉する。なお、ノズル室17の燃料圧は、噴射弁体3に対し開弁方向に作用する。また、ノズル室17の容積は、噴射弁体3の移動に応じて可変される。
コマンドピストン4は、本体ボディ21に設けられた摺動孔22に摺動自在に収容され、本体ボディ21との間に制御室9を形成する。また、コマンドピストン4は、自身の摺動軸部23の外周面と摺動孔22の壁面との間に摺動隙間24を形成するとともに、制御室9を液密的に封鎖する。つまり、コマンドピストン4は、燃料噴射弁1の内部で燃料の流動部の1つである制御室9を形成する摺動部材である。
そして、コマンドピストン4は、アクチュエータ6の動作に応じて摺動孔22内を移動し、制御室9の容積を可変する。また、制御室9の燃料圧は、コマンドピストン4を介して噴射弁体3に作用する。
なお、制御室9から摺動隙間24を経てリークした燃料、およびノズル室17から摺動隙間19を経てリークした燃料は、スプリング5を収容する低圧室25に流入する。そして、低圧室25に流入した燃料は燃料タンク(図示せず)に戻される。
なお、制御室9から摺動隙間24を経てリークした燃料、およびノズル室17から摺動隙間19を経てリークした燃料は、スプリング5を収容する低圧室25に流入する。そして、低圧室25に流入した燃料は燃料タンク(図示せず)に戻される。
アクチュエータ6は、ECUからの指令に応じて通電開始または停止されるソレノイドコイル28、ソレノイドコイル28への通電により励磁されて一方側に駆動されるアーマチャ29、アーマチャ29を他方側に付勢するスプリング30、アーマチャ29の先端に保持され、アーマチャ29とともに変位して流出流路11を制御室9に対して開閉する弁体31を有する(以下、アクチュエータ6を電磁弁6と呼ぶ)。
そして、電磁弁6は、ECUからの指令に応じて、弁体31を一方側または他方側に変位させて流出流路11を制御室9に対して開閉することで、制御室9への燃料の流出入状態を可変して、噴射弁体3を開弁方向または閉弁方向に駆動する。
以上の構成により、ソレノイドコイル28に通電が開始されると、アーマチャ29および弁体31が一方側に変位して流出流路11が制御室9に対して開放される。ここで、流出側絞り14の方が流入側絞り13よりも絞り前後の圧力差が大きいため、流出流路11が制御室9に対して開放されると、流入流路10から制御室9への燃料の流入量よりも、制御室9から流出流路11への燃料の流出量が大きくなって制御室9の燃料圧が低下する。このため、噴射弁体3に作用する合力は開弁方向に強くなり、噴射弁体3が開弁方向に駆動されて噴孔2を開放し、燃料の噴射が開始される。
そして、ソレノイドコイル28への通電が停止されると、アーマチャ29および弁体31が他方側に変位して流出流路11が制御室9に対して閉鎖される。これにより、制御室9から流出流路11への燃料の流出が止まり、流入流路10から制御室9への燃料の流入により制御室9の燃料圧が上昇する。このため、噴射弁体3に作用する合力は閉弁方向に強くなり、噴射弁体3が閉弁方向に駆動されて噴孔2を閉鎖し、燃料の噴射が停止される。
〔実施例の特徴〕
実施例の燃料噴射弁1の特徴を、図面に基づいて説明する。
実施例の燃料噴射弁1によれば、図2、図3に示すように、燃料の流動部としての制御室9やノズル室17に、各々、磁石34、35が配されている。
実施例の燃料噴射弁1の特徴を、図面に基づいて説明する。
実施例の燃料噴射弁1によれば、図2、図3に示すように、燃料の流動部としての制御室9やノズル室17に、各々、磁石34、35が配されている。
磁石34は、例えば、板状に設けられた変形前磁石を、コマンドピストン4の制御室9側に設けられた突起36に巻き付けて円筒状に変形することで、制御室9に配されている。また、磁石35も、磁石34と同様の変形前磁石を、噴射弁体3の括れ部37に巻き付けて円筒状に変形することで、ノズル室17に配されている。
また、噴射弁体3やコマンドピストン4は、非磁性材を素材として設けられている。
また、噴射弁体3やコマンドピストン4は、非磁性材を素材として設けられている。
〔実施例の効果〕
実施例の燃料噴射弁1は、摺動孔22を有する本体ボディ21と、摺動孔22に摺動自在に収容されて本体ボディ21とともに制御室9を形成するコマンドピストン4とを備え、コマンドピストン4は、制御室9を液密的に封鎖するとともに、電磁弁6の動作に応じて、摺動孔22内を移動して制御室9の容積を可変する。そして、制御室9には磁石34が配されている。
実施例の燃料噴射弁1は、摺動孔22を有する本体ボディ21と、摺動孔22に摺動自在に収容されて本体ボディ21とともに制御室9を形成するコマンドピストン4とを備え、コマンドピストン4は、制御室9を液密的に封鎖するとともに、電磁弁6の動作に応じて、摺動孔22内を移動して制御室9の容積を可変する。そして、制御室9には磁石34が配されている。
また、燃料噴射弁1は、摺動孔16を有するノズルボディ15と、摺動孔16に摺動自在に収容されてノズルボディ15とともにノズル室17を形成する噴射弁体3とを備え、噴射弁体3は、ノズル室17を液密的に封鎖するとともに、電磁弁6の動作に応じて、摺動孔16内を移動してノズル室17の容積を可変する。そして、ノズル室17には磁石35が配されている。
これにより、制御室9およびノズル室17の燃料に含まれる鉄系の異物は、それぞれ、磁石34、35に吸引されて捕捉されるので、制御室9から摺動隙間24の方に向う燃料、およびノズル室17から摺動隙間19の方に向う燃料は、少なくとも鉄系異物が除去された状態になる。このため、液密性を維持する必要がある制御室9およびノズル室17を内部に形成する燃料噴射弁1において、異物の多い粗悪な燃料を使用しても、噴射特性を損なわずに長期使用に耐えうるようにすることができる。
また、噴射弁体3やコマンドピストン4は、非磁性材を素材として設けられている。
これにより、噴射弁体3は、ノズル室17に磁石35が存在しても磁化しなくなり、コマンドピストン4は、制御室9に磁石34が存在しても磁化しなくなるので、鉄系異物は、より磁石34、35の方に移動し易くなるとともに、摺動隙間19、24の方には移動しにくくなる。このため、磁石34、35による鉄系異物の除去が、より効率的になる。
これにより、噴射弁体3は、ノズル室17に磁石35が存在しても磁化しなくなり、コマンドピストン4は、制御室9に磁石34が存在しても磁化しなくなるので、鉄系異物は、より磁石34、35の方に移動し易くなるとともに、摺動隙間19、24の方には移動しにくくなる。このため、磁石34、35による鉄系異物の除去が、より効率的になる。
〔変形例〕
実施例の燃料噴射弁1によれば、磁石34、35は、板状に設けられた変形前磁石を、それぞれ、コマンドピストン4や噴射弁体3の所定部位に巻き付けて円筒状に変形することで、制御室9やノズル室17に配されていたが、磁石34、35を制御室9やノズル室17に配する態様は、このような態様に限定されない。
実施例の燃料噴射弁1によれば、磁石34、35は、板状に設けられた変形前磁石を、それぞれ、コマンドピストン4や噴射弁体3の所定部位に巻き付けて円筒状に変形することで、制御室9やノズル室17に配されていたが、磁石34、35を制御室9やノズル室17に配する態様は、このような態様に限定されない。
例えば、磁石34、35を予め円筒状に設けておき、突起36や括れ部37に装着してもよい。この場合、噴射弁体3に関し、括れ部37よりも噴孔2側の部分を括れ部37と略同一径に設けておくことで、括れ部37への磁石35の装着が容易になる。
また、コマンドピストン4や噴射弁体3における磁石34、35の装着部位に穴を設けておき、穴に磁石34、35を挿入したり、穴と磁石34、35との間に係止構造を形成したりすることで、磁石34、35を制御室9やノズル室17に配してもよい。
また、コマンドピストン4や噴射弁体3における磁石34、35の装着部位に穴を設けておき、穴に磁石34、35を挿入したり、穴と磁石34、35との間に係止構造を形成したりすることで、磁石34、35を制御室9やノズル室17に配してもよい。
また、実施例の燃料噴射弁1によれば、電磁弁6において発生する磁気吸引力に基づいて、噴射弁体3が開弁方向または閉弁方向に駆動されていたが、例えば、ピエゾ素子の伸長力に基づいて噴射弁体3を駆動する燃料噴射弁にも、実施例のような磁石による異物除去構造を組み込むことができる。
また、実施例の燃料噴射弁1によれば、電磁弁6において発生する磁気吸引力に基づいて制御室9の燃料圧を増減操作することで、噴射弁体3が開弁方向または閉弁方向に駆動されていたが、ソレノイドコイルへの通電により生じる磁気吸引力により直接的に噴射弁体を駆動する燃料噴射弁にも、実施例のような磁石による異物除去構造を組み込むことができる。
また、実施例の燃料噴射弁1によれば、噴射弁体3やコマンドピストン4のような摺動部材は、非磁性材を素材として設けられていたが、噴射弁体3やコマンドピストン4の摺接を受けるノズルボディ15や本体ボディ21のような被摺動部材を、非磁性材を素材として設けてもよい。
また、摺動部材や被摺動部材を、非磁性材を素材として設ける場合、各々の部材の全体を非磁性材により設けるのではなく、摺接する部分(例えば、噴射弁体3の摺動軸部18や、コマンドピストン4の摺動軸部23)のみを非磁性材により設けてもよい。
さらに、燃料の流動部への磁石の配置、および、摺動部材や被摺動部材の非磁性材化のような異物除去構造は、使用される燃料の異物特性や、要求される使用期間等に応じて適宜選択して採用してもよい。
1 燃料噴射弁
2 噴孔
3 噴射弁体(摺動部材)
4 コマンドピストン(摺動部材)
6 電磁弁(アクチュエータ)
9 制御室(流動部)
10 流入流路
11 流出流路
15 ノズルボディ(ボディ)
16 摺動孔
17 ノズル室(流動部)
21 本体ボディ(ボディ)
22 摺動孔
34 磁石
35 磁石
2 噴孔
3 噴射弁体(摺動部材)
4 コマンドピストン(摺動部材)
6 電磁弁(アクチュエータ)
9 制御室(流動部)
10 流入流路
11 流出流路
15 ノズルボディ(ボディ)
16 摺動孔
17 ノズル室(流動部)
21 本体ボディ(ボディ)
22 摺動孔
34 磁石
35 磁石
Claims (4)
- 噴孔を開閉する噴射弁体と、この噴射弁体を開弁方向に駆動する駆動力を発生するアクチュエータとを備える燃料噴射弁において、
所定の摺動孔を有するボディと、前記摺動孔に摺動自在に収容されて前記ボディとともに燃料の流動部を形成する摺動部材とを備え、
前記摺動部材は、前記流動部を液密的に封鎖するとともに、前記アクチュエータの動作に応じて、前記摺動孔内を移動して前記流動部の容積を可変し、
前記流動部には、磁石が配されていることを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
前記摺動部材は、非磁性材を素材として設けられていることを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁において、
前記流動部は、前記噴射弁体に対し閉弁方向に燃料圧を作用させるとともに、燃料圧の増減操作により前記噴射弁体を開弁方向または閉弁方向に駆動するための制御室であり、
前記制御室へ燃料を流入させるための流入流路、および、前記制御室から燃料を流出させるための流出流路が形成され、
前記アクチュエータの動作に応じて、前記流出流路を前記制御室に対して開閉することで、前記制御室への燃料の流出入状態を可変して前記制御室の燃料圧を増減することを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載の燃料噴射弁において、
前記摺動部材は、前記噴射弁体であり、
前記流動部は、前記噴射弁体に対し開弁方向に燃料圧が作用するとともに、前記噴孔から噴射される燃料が溜まるノズル室であることを特徴とする燃料噴射弁。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012112259A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Denso Corp | インジェクタ |
-
2009
- 2009-01-16 JP JP2009007208A patent/JP2010163981A/ja active Pending
Cited By (1)
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