JP2010163872A - 内燃機関の始動停止制御装置及び回転機の制御装置 - Google Patents

内燃機関の始動停止制御装置及び回転機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】センサレス手法にてモータジェネレータを起動させることで内燃機関に初期回転を付与する処理を行う場合、内燃機関の始動に要する時間が伸張すること。
【解決手段】パラレルハイブリッド車において、内燃機関の停止要求が生じると(ステップS10:YES)、高周波重畳方式に基づく回転角度θに基づきモータジェネレータを停止させることで内燃機関の停止制御を行う(ステップS12)。そして内燃機関が停止すると、モータジェネレータの停止位置を記憶する(ステップS18)。内燃機関の再始動要求が生じると、記憶された停止位置を初期値として用いて高周波重畳方式により回転角度を推定し、これに基づきモータジェネレータを起動することで内燃機関を始動させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電力変換回路の操作によって回転機を起動させることで内燃機関に初期回転を付与する処理を行う内燃機関の始動停止制御装置に関する。また、本発明は、突極性を有する回転機を制御対象とする回転機の制御装置に関する。
近年、車両における化石燃料の消費量の低減や環境保護等の目的から、車載動力発生装置として、内燃機関に加えて、回転機を併用するいわゆるハイブリッド車が実用化されている。ハイブリッド車の1つに、内燃機関の出力軸と回転機の出力軸とを直結させたパラレルハイブリッド車がある。このハイブリッド車では、回転機をスタータとして用いて内燃機関を始動させる。そして、車両の減速時において回転機を発電機として利用することでバッテリを充電する一方、動力発生装置に要求されるトルクが大きくなる状況下、充電されたエネルギによって回転機を駆動することで内燃機関のトルクをアシストする。これにより、内燃機関の燃料消費量を低減したり、排気特性の悪化を抑制したりすることが可能となる。
上記回転機を駆動するに際しては、回転機の回転角度情報が用いられる。回転角度情報を取得する手法としては、回転機の出力軸にレゾルバやエンコーダ等の回転角度センサを設ける手法と、回転機の電気的な状態量に基づき出力軸の回転角度を推定するいわゆるセンサレス手法とがある。ここで、回転角度センサを設ける場合には、部品点数の増加によってコストアップを招いたり、回転角度の検出精度が回転角度センサと出力軸との連結誤差に依存したりする問題がある。このため、近年では、センサレス手法が注目されている。
センサレス手法としては、回転機の回転速度に依存する誘起電圧に基づき回転角度を推定する誘起電圧方式がある。ただし、この方式は、低回転速度領域において推定精度が低下する。このため、回転機として突極機を用いて且つ、低回転速度領域においては、いわゆる高周波重畳方式が用いられている。高周波重畳方式は、突極機に接続されるインバータの出力信号に高周波信号を重畳する際、突極機を実際に伝播する周波数信号の振動方向に基づき、突極機の回転角度を推定するものである。すなわち、突極機は、d軸方向のインダクタンスが最小となるため、d軸方向に電流が流れ易い。このため、上記高周波信号の重畳によって回転機を実際に伝播する信号はd軸方向に偏向する。高周波重畳方式は、この性質に着目したものである。
ただし、上記電流が最も流れやすい方向は、d軸の正方向及び負方向の2つの方向である。このため、電流の流れやすい方向を特定するのみでは、d軸の正方向であるのか負方向であるのかを判別することができない。
そこで従来、例えば下記特許文献1に見られるように、推定d軸の正方向に直流電流を流した後にq軸方向に高周波電圧を印加した場合に流れる電流から算出されるインダクタンスと、推定d軸の負方向に直流電流を流した後にq軸方向に高周波電圧を印加した場合に流れる電流から算出されるインダクタンスとの比に基づき、d軸の正方向であるのか負方向であるのかを判別することも提案されている。
特開2002−300794号公報
ところで、上記ハイブリッド車に搭載される回転機をセンサレス駆動する場合、内燃機関の始動に際しては、回転機の回転速度ゼロの状態から回転機を起動する必要がある。このため、この際には、回転機の回転角度を取得すべく高周波重畳方式を用いることとなるが、まず上述したようにd軸の正方向と負方向とを判別する必要があることなどから、内燃機関の始動要求が出されてから実際に始動されるまでの時間が、回転角度センサを用いる場合と比較して長くなるおそれがある。更に、上記高周波信号は、可聴周波数帯域内の信号とされるのが常であり、この場合には、高周波信号の重畳に起因した騒音が長期にわたって生じることとなるおそれもある。
なお、上記パラレルハイブリッド車に限らず、高周波重畳方式の回転角度推定手法を用いるものにあっては、回転機の起動に要する時間が長期化したり、騒音が長期にわたって生じたりするこうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、センサレス手法にて回転機を起動させることで内燃機関に初期回転を付与する処理を行うものにあって、内燃機関の始動に要する時間を極力短くすることのできる内燃機関の始動停止制御装置を提供することにある。また、本発明の目的は、突極性を有する回転機を制御対象とするものにあって、センサレス手法にて回転機の起動に要する時間を極力短くすることのできる回転機の制御装置を提供することにある。また、本発明の目的は、突極性を有する回転機を制御対象とするものにあって、センサレス手法に起因して生じる騒音の発生を極力抑制することのできる回転機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、電力変換回路の操作によって回転機を起動させることで内燃機関に初期回転を付与する処理を行う内燃機関の始動停止制御装置において、前記回転機は、突極性を有する回転機であり、前記回転機の電気角の回転周期よりも短い周期を有する周波数信号を前記電力変換回路の出力信号に重畳した際に前記回転機を実際に伝播する周波数信号に基づき、前記回転機の回転角度を推定する高周波重畳式推定手段と、前記回転機の停止処理に際して前記高周波重畳式推定手段を用いて前記回転機の停止位置に関する情報を取得する取得手段と、前記取得される停止位置に基づき前記回転機を起動させることで、前記内燃機関に初期回転を付与する処理を行って前記内燃機関を始動させる始動処理手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、回転機の停止処理に際して高周波重畳式推定手段によって回転角度を推定することで、回転機の停止時における回転角度を推定することができる。そして、回転機の起動処理に際して停止時の回転角度情報を利用することで、回転機の起動処理に要する時間を極力短くすることができ、ひいては内燃機関の始動処理時間を極力短くすることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記高周波重畳式推定手段は、前記回転機が停止した後所定期間に渡って回転角度の推定を継続するものであることを特徴とする。
高周波重畳式推定手段による回転角度の推定に際しては、回転機に高周波信号を重畳した際の応答を見る必要がある。ここで、回転機を実際に伝播する周波数信号が安定するまでには時間がかかるため、回転角度の推定が安定するまでにも時間を要する。上記発明では、この点に鑑み、回転機の停止後においても回転角度の推定を継続することで、回転機の起動要求が生じる時点において回転機を実際に伝播する周波数信号を安定した状態とすることができ、ひいては回転機を迅速に起動させることができる。また、回転機の起動要求が所定期間の間生じない場合には、高周波重畳式推定手段による推定を停止することで、騒音の発生や消費電力の増大を極力抑制することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記取得手段は、前記停止位置に関する情報を記憶する記憶手段を備え、前記始動処理手段は、前記回転機を起動させるに先立ち、前記記憶された停止位置へと前記回転機の回転角度をロックするロック制御を行うことを特徴とする。
回転機の停止処理に伴う停止位置が記憶されたとしても、停止処理の後に回転角度が微少変化した場合には、記憶された回転角度によっては回転機を円滑に起動させることができなくなるおそれがある。この点、上記発明では、記憶された回転角度へと回転機をロックさせるロック制御を行うことでこうした問題を回避することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記内燃機関の始動要求が生じることを予測する予測手段を更に備え、前記始動処理手段は、前記予測手段により前記始動要求が生じると予測される場合、前記高周波重畳式推定手段による推定を開始させることを特徴とする。
高周波重畳式推定手段による回転角度の推定に際しては、回転機に高周波信号を重畳した際の応答を見る必要がある。ここで、回転機を実際に伝播する周波数信号が安定するまでには時間がかかるため、回転角度の推定が安定するまでにも時間を要する。上記発明では、この点に鑑み、内燃機関の始動要求が生じると予測される場合に高周波重畳式推定手段による推定を開始することで、回転機の起動要求が生じる時点において回転機を実際に伝播する周波数信号を安定した状態とすることができ、ひいては回転機の起動要求が生じた直後から回転角度を高精度に推定することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記回転機を流れる電流の検出値及び前記回転機に対する印加電圧を入力とし、前記回転機を流れる電流及び前記印加電圧と前記回転機の磁界によって誘起される電圧とを関係付けるモデルを用いて前記回転機の回転角度を推定する誘起電圧式推定手段と、前記回転機の制御量の制御に際して用いる回転角度の推定値として、前記回転機の回転速度が低回転の場合には前記高周波重畳式推定手段による推定値を用いて且つ高回転の場合には前記誘起電圧式推定手段による推定値を用いる切替手段とを更に備え、前記切替手段による切替のための回転速度の閾値を、前記内燃機関の状態に関するパラメータに応じて設定される前記回転機に対する要求トルクが小さいほど小さくすることを特徴とする。
誘起電圧式推定手段による回転角度の推定精度は、回転速度が小さい場合に低下するものの、この低下度合いは、回転機のトルクに依存する。詳しくは、回転機のトルクが大きい場合には、回転機を流れる電流が大きいため、回転機に磁気飽和が生じ、ひいては回転機を流れる電流のうち、回転速度周波数の6倍の成分が顕著となる。このため、誘起電圧式推定手段の上記モデルが基本波を前提とするものである場合等にあっては、回転機のトルクが大きいほど、回転角度の推定精度が低下する。上記発明では、この点に鑑み、誘起電圧式推定手段による推定への切替のための回転速度の閾値を、要求トルクが小さいほど小さくすることで、誘起電圧式推定手段による推定へと極力早期に移行させることができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記切替手段による切替のための回転速度の閾値を、前記内燃機関がアイドリング回転速度となるときの前記回転機の回転速度以下とすることを特徴とする。
上記発明では、内燃機関がアイドリング回転速度以上となることで、高周波重畳式推定手段による推定を行わないため、騒音が生じる期間を短くすることができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記回転角度の変化に関する入力によらずに前記回転角度の初期値に基づき前記回転機を起動させるロータ回転角度情報レス起動手段を更に備え、前記始動処理手段は、前記内燃機関の状態に関するパラメータに応じて設定される前記回転機に対する要求トルクが所定以下の場合、前記ロータ回転角度情報レス起動手段によって前記回転機を起動させることを特徴とする。
回転機のトルクが比較的小さい状況下にあっては、回転機の初期位置に関する情報さえあれば、回転機の都度の回転角度の情報を用いなくても回転機を比較的高精度に駆動できる傾向がある。上記発明では、この点に鑑み、要求トルクが小さい場合にはロータ回転角度情報レス起動手段を用いることで、起動に際しての回転機の制御精度の低下を抑制しつつも、高調波重畳式推定手段を用いることを極力回避することができる。
請求項8記載の発明は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記内燃機関の状態に関するパラメータが、前記内燃機関の暖機度合いを示すパラメータであり、前記要求トルクは、前記暖機度合いが小さいほど大きく設定されることを特徴とする。
暖機度合いが小さいほど、内燃機関のフリクションが大きくなるため、内燃機関に初期回転を付与するに際して内燃機関の出力軸に与えることが要求されるトルクが大きくなる。上記発明では、この点に鑑み、要求トルクを可変設定することで、要求トルクを極力低減することができる。
請求項9記載の発明は、請求項5〜8のいずれか1項に記載の発明において、前記内燃機関の状態に関するパラメータが、前記内燃機関の回転速度であり、前記要求トルクは、前記回転速度が小さいほど大きく設定されることを特徴とする。
内燃機関の始動に際しては、内燃機関の出力軸が回転し始める際に要求されるトルクが最も大きくなる傾向にある。上記発明では、この点に鑑み、要求トルクを可変設定することで、要求トルクを極力低減することができる。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発明において、前記回転機の出力軸と前記内燃機関の出力軸とが直結されていることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、突極性を有する回転機を制御対象とする回転機の制御装置において、前記回転機の電気角の回転周期よりも短い周期を有する周波数信号を前記電力変換回路の出力信号に重畳した際に前記回転機を実際に伝播する周波数信号に基づき、前記回転機の回転角度を推定する高周波重畳式推定手段と、前記回転機を流れる電流の検出値及び前記回転機に対する印加電圧を入力とし、前記回転機を流れる電流及び前記印加電圧と前記回転機の磁界によって誘起される電圧とを関係付けるモデルを用いて前記回転機の回転角度を推定する誘起電圧式推定手段と、前記回転機の制御量の制御に際して用いる回転角度の推定値として、前記回転機の回転速度が低回転の場合には前記高周波重畳式推定手段による推定値を用いて且つ高回転の場合には前記誘起電圧式推定手段による推定値を用いる切替手段とを備え、前記切替手段による切替のための回転速度の閾値を、要求トルクが小さいほど小さくすることを特徴とする。
誘起電圧式推定手段による回転角度の推定精度は、回転速度が小さい場合に低下するものの、この低下度合いは、回転機のトルクに依存する。詳しくは、回転機のトルクが大きい場合には、回転機を流れる電流が大きいため、回転機に磁気飽和が生じ、ひいては回転機を流れる電流のうち、回転速度周波数の6倍の成分が顕著となる。このため、誘起電圧式推定手段の上記モデルが基本波を前提とするものである場合等にあっては、回転機のトルクが大きいほど、回転角度の推定精度が低下する。上記発明では、この点に鑑み、誘起電圧式推定手段による推定への切替のための回転速度の閾値を、要求トルクが小さいほど小さくすることで、誘起電圧式推定手段による推定へと極力早期に移行させることができる。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記回転機の停止処理に際して前記高周波重畳式推定手段を用いて前記回転機の停止位置に関する情報を取得する取得手段と、前記取得される停止位置に基づき、前記回転機を起動させる起動処理手段とを更に備えることを特徴とする。
上記発明では、回転機の停止処理に際して高周波重畳式推定手段によって回転角度を推定することで、回転機の停止時における回転角度を推定することができる。そして、回転機の起動処理に際して停止時の回転角度情報を利用することで、回転機の起動処理に要する時間を極力短くすることができる。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記回転角度の変化に関する入力によらずに前記回転角度の初期値に基づき前記回転機を起動させるロータ回転角度情報レス起動手段を更に備え、前記起動処理手段は、前記回転機の起動に際しての前記回転機に対する要求トルクが所定以下の場合、前記ロータ回転角度情報レス起動手段によって前記回転機を起動させることを特徴とする。
回転機のトルクが比較的小さい状況下にあっては、回転機の初期位置に関する情報さえあれば、回転機の都度の回転角度の情報を用いなくても回転機を比較的高精度に駆動できる傾向がある。上記発明では、この点に鑑み、要求トルクが小さい場合にはロータ回転角度情報レス起動手段を用いることで、起動に際しての回転機の制御精度の低下を抑制しつつも、高調波重畳式推定手段を用いることを極力回避することができる。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるモータジェネレータの制御に関する処理を示すブロック図。 同実施形態にかかる磁極判定のための印加電圧を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる内燃機関の停止制御に関する処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる内燃機関の始動制御に関する処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる内燃機関の始動制御態様を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる内燃機関の停止制御に関する処理手順を示す流れ図。 第3の実施形態にかかる内燃機関の始動制御に関する処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる内燃機関の始動制御態様を示すタイムチャート。 第4の実施形態にかかる内燃機関の始動制御に関する処理手順を示す流れ図。 第5の実施形態にかかる要求トルクの設定手法を示す図。 同実施形態にかかる内燃機関の始動制御に関する処理手順を示す流れ図。 第6の実施形態にかかる要求トルクの設定手法を示す図。 第7の実施形態にかかる内燃機関の始動制御に関する処理手順を示す流れ図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる回転機の制御装置をパラレルハイブリッド車に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかる電動機の制御システムの全体構成を示す。図示されるように、モータジェネレータ10は、3相の永久磁石同期回転機である。また、モータジェネレータ10は、突極性を有する回転機(突極機)である。詳しくは、モータジェネレータ10は、埋め込み磁石同期モータ(IPMSM)である。モータジェネレータ10の出力軸は、内燃機関12の出力軸(クランク軸)と同軸上にて直結されている。このため、モータジェネレータ10の出力軸と内燃機関12のクランク軸とは、互いに相対回転することなく同軸上で一体的に回転する。そして、これらモータジェネレータ10の出力軸は、トランスミッション14を介して駆動輪16に連結されている。
一方、制御装置20は、モータジェネレータ10を制御対象とし、モータジェネレータ10に電気接続される電力変換回路(インバータ22)を操作対象とする。制御装置20は、モータジェネレータ10の各種状態量を検出するセンサ(図示略)の出力等を取り込み、これに基づきインバータ22を操作することで、モータジェネレータ10の制御量を制御する。この際、本実施形態では、特に、内燃機関12のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ24の出力を取り込み、所定の条件下、これを加味した制御を行う。
図2に、上記制御装置20によるインバータ22の操作に関する処理を示す。
モータジェネレータ10を流れる電流は、αβ変換部30において、2次元固定座標系における電流に変換される。この座標系として、本実施形態では、U相と一致するα軸と、これに直交するβ軸とによって定義されるαβ座標系が用いられている。αβ変換部30の出力するα軸上の実電流iα及びβ軸上の実電流iβは、dq変換部32にて、回転座標系における電流に変換される。dq変換部32の出力電流は、高周波除去部34において、モータジェネレータ10の回転角度θを推定するために印加される高周波電圧に応じてモータジェネレータ10を流れる高周波成分が除去される。
指令電流設定部36では、要求トルクTrに基づき、dq軸上での指令電流idr,iqrを設定する。電流制御器38では、高周波除去部34によって高周波成分が除去された実電流id,iqのそれぞれを指令電流idr,iqrのそれぞれにフィードバック制御するための操作量としてのd軸上の指令電圧vdr及びq軸上の指令電圧vqrを算出する。αβ変換部42では、dq軸上の指令電圧vdr、vqrを、αβ軸上の指令電圧vαr、vβrに変換する。3相変換部44では、指令電圧vαr,vβrを3相の指令電圧vur,vvr,vwrに変換する。PWM信号生成部46では、モータジェネレータ10に指令電圧vur,vvr,vwrを印加するためのインバータ22の操作信号を生成し出力する。インバータ22は、上記操作信号に基づき、高圧バッテリ48の正極側及び負極側のいずれかを、モータジェネレータ10の各相のそれぞれに選択的に接続する。
本実施形態では、モータジェネレータ10の回転速度が閾値以上となる領域における回転角度の推定手段として、拡張誘起電圧オブザーバ50を備えている。拡張誘起電圧オブザーバ50は、αβ変換部30の出力する実電流iα、iβと、αβ変換部42の出力する指令電圧vαr、vβrとを入力とし、拡張誘起電圧をオブザーバによって推定する。これについての詳細は、「突極型ブラシレスDCモータのセンサレス制御のための拡張誘起電圧オブザーバ 平成11年電気学会全国大会 No.1026」に記載されている。
更に本実施形態では、モータジェネレータ10の回転速度が閾値以下となる領域における回転角度の推定手段をも備えている。これは、位置推定用高周波電圧設定部60によって設定される高周波電圧信号vhdをモータジェネレータ10に印加した際にモータジェネレータ10を流れる電流の方向に基づき、回転角度を推定するものである。すなわち、位置推定用高周波電圧設定部60では、d軸に高周波電圧信号vhdを印加すべく、加算器40に高周波電圧信号vhdを出力する。加算器40では、指令電圧vdrに高周波電圧信号vhdを加算して、αβ変換部42に出力する。ここで、高周波電圧信号vhdの周波数は、モータジェネレータ10の電気角速度に応じた電気角周波数よりも高周波の信号である(ただし、電気角速度がゼロであるときの電気角周波数をゼロと定義する)。一方、高周波抽出部66では、実電流id,iqから高周波電圧信号vhdの印加に伴う高周波電流信号idh,iqhを抽出し、位置推定器68に出力する。位置推定器68では、高周波電圧ベクトル(vhd、0)と、高周波電流ベクトル(idh,iqh)との外積値に基づき、回転角度を算出する。ここで、外積値は、高周波電圧ベクトルに対する高周波電流ベクトルのなす角度と相関を有する。一方、高周波電流はインダクタンスが最も小さいd軸側に偏向したものとなるはずであるため、回転角度に誤差がなく、高周波電圧信号vhdが真のd軸方向に印加されているなら、高周波電圧ベクトルと高周波電流ベクトルとのなす角度はゼロとなると考えられる。このため、外積値は、回転角度θの誤差と相関を有するパラメータとなっている。したがって、外積値をゼロにフィードバック制御するための操作量として回転角度を算出することで、回転角度を真の角度に制御することができる。ここで、フィードバック制御としては、例えば比例積分制御を用いればよい。
上記態様にて回転角度を算出する場合、モータジェネレータ10のインダクタンスが最小となる方向がd軸正方向及びd軸負方向であることに起因して、「0」又は「π」の回転角度の推定誤差が生じることとなると考えられる。そこで、回転角度の推定初期には、位置推定器68の出力を補正する処理を行う。具体的には、磁極判定用パルス電圧設定部62から、磁極判定用のパルス電圧vhNSを加算器40に出力する。図3に、パルス電圧vhNSを示す。詳しくは、図3(a)にパルス電圧vhNSの推移を示し、図3(b)にパルス電圧vhNSの印加に伴ってモータジェネレータ10を流れる電流の推移を示す。
図示されるように、本実施形態では、推定d軸の正方向及び負方向の順に波高値vhを有するパルス状の電圧を連続的に印加した後、所定時間Tだけ待機し、推定d軸の負方向及び正方向の順に波高値vhを有するパルス状の電圧を連続的に印加する。ここで、推定d軸の正方向及び負方向の順に連続的に印加されるパルス状の電圧(第1パターン電圧)は、推定d軸の正方向への電圧印加に対する電流の応答性を検出するためのものであり、推定d軸の負方向及び正方向の順に連続的に印加されるパルス状の電圧(第2パターン電圧)は、推定d軸の負方向への電圧印加に対する電流の応答性を検出するためのものである。また、第1パターン電圧における推定d軸正方向へのパルス状の電圧に引き続く推定d軸負方向へのパルス状の電圧は、推定d軸正方向へのパルス状の電圧印加による影響を迅速に解消させるためのものである。同様に、第2パターン電圧における推定d軸負方向へのパルス状の電圧に引き続く推定d軸正方向へのパルス状の電圧は、推定d軸負方向へのパルス状の電圧印加による影響を迅速に解消させるためのものである。また、第1パターン電圧の印加と第2パターン電圧の印加との間の所定時間Tは、第1パターン電圧の印加の影響が解消された状態で第2パターン電圧を印加するためのものである。
ここで、第1パターン電圧を印加した際と第2パターン電圧を印加した際とでは、電流の応答性が相違する。これは、モータジェネレータ10のd軸正方向(N極側)の方がd軸負方向(S極側)よりも電流の応答性が高いことによる。このため、応答性の相違に基づき、回転角度θの誤差を検出することが可能となる。図3の例では、推定d軸正方向への電圧印加に対する電流応答を検出するための第1パターン電圧印加時の方が電流応答性が高いため、推定d軸正方向は真のd軸正方向である。このため、回転角度の誤差は、ゼロである。
ちなみに、上記応答性の相違は、モータジェネレータ10の磁気飽和時におけるd軸正方向及び負方向での磁束の相違に起因して生じる現象であるため、第1パターン電圧及び第2パターン電圧は、モータジェネレータ10に磁気飽和を生じさせると想定されるものとする。この設定は、波高値vh及びパルス幅の調節によって可能である。
磁極判定用パルス電圧設定部62の設定するパルス電圧vhNSが印加されると、先の図2に示した高周波抽出部66の出力のうちの推定d軸成分の高周波電流信号idhが磁極判定器70に取り込まれる。磁極判定器70では、上述した態様にて、第1パターン電圧及び第2パターン電圧のそれぞれの印加時の電流応答同士の相違に基づき、補正量Δθを算出する。ここで、補正量Δθは、「0」又は「π」である。そして、補正部72では、位置推定器68の出力する回転角度に補正量Δθを加算することで、回転角度θ1を算出する。
こうして推定された回転角度θ1又は拡張誘起電圧オブザーバ50の出力する回転角度θ2は、モータジェネレータ10の制御量(トルク)の制御に用いる最終的な回転角度θ(電気角)として、セレクタ52を介して、dq変換部32やαβ変換部42に出力される。
ところで、本実施形態にかかるモータジェネレータ10の出力軸は内燃機関12のクランク軸に直結されるものであるため、車両の停車時において内燃機関12を始動するに際しては、モータジェネレータ10を回転速度ゼロから起動させる必要が生じる。ここで、モータジェネレータ10を起動させるに際しては、モータジェネレータ10の回転角度θについての情報が要求される。ただし、この情報を、クランク角センサ24の検出値によって取得することは困難である。この理由は、第1に、クランク角センサ24としては、通常、電磁ピックアップ方式のものが採用されているが、この方式のものは、極低速において高精度に回転角度を検出することができないことにある。また、第2に、モータジェネレータ10の起動に際して要求される回転角度θの精度が、クランク角センサ24による検出精度と比較して非常に高いものとなることにある。特に、モータジェネレータ10の極対数が大きい場合には、クランク角センサ24としてどのような方式のものを用いたとしても、起動に要求される精度を満たすことが困難となる。
こうした事情から、モータジェネレータ10の起動処理においては、上記高周波重畳方式によって回転角度θを推定し、この推定値を用いることが要求されることとなる。ただしこの場合、上記磁極判定処理を行った後に回転角度を高精度に推定することができるようになること等に起因して、モータジェネレータ10の起動処理時間が長期化し、ひいては内燃機関12の始動処理に要する時間が長期化する。また、上記位置推定用高周波電圧設定部60の出力する高周波電圧信号vhdは、可聴周波数帯域(例えば数kHx)内に入るため、ユーザの知覚可能なノイズ(騒音)の発生期間が長期化することともなる。
そこで本実施形態では、内燃機関12の停止処理に際して、モータジェネレータ10の回転速度が閾値を下回ることで高周波重畳方式による回転角度の推定を開始し、モータジェネレータ10の停止時の回転角度を推定して記憶する。そして、次回、内燃機関12を始動するに際し、この記憶された回転角度を用いてモータジェネレータ10を起動する。これにより、上記パルス電圧vhNSを出力する期間を削減することができ、更に、位置推定器68による回転角度の推定値が収束するまでに要する時間を低減することができる。
図4に、本実施形態にかかるモータジェネレータ10の停止位置の記憶処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、内燃機関12の停止要求があるか否かを判断する。そして、停止要求があると判断される場合、ステップS12において、高周波重畳方式に基づき推定された回転角度θを用いてモータジェネレータ10を停止制御することで、内燃機関12を停止させる。詳しくは、モータジェネレータ10の回転速度が閾値以上である間は、誘起電圧方式によって推定される回転角度に基づき停止制御を行い、閾値を下回ることで高周波重畳方式によって推定される回転角度を用いる。ここで、高周波重畳方式による回転角度の推定期間は極力短くすることが、ノイズの発生期間を短縮する等の観点から望ましい。
こうして内燃機関12が停止すると(ステップS14:YES)、内燃機関12の再始動の可能性があるか否かを判断する。この処理は、内燃機関12の停止時におけるモータジェネレータ10の回転角度を記憶するか否かを判断するためのものである。ここで、再始動の要求の有無は、車両制御システム(制御装置20)の起動スイッチがユーザによってオフとされていないかどうかに基づき判断すればよい。ここで、起動スイッチは、ユーザが手動によって操作するものに限らず、例えば所定の信号発生源を所持したユーザが車両から所定以上離間することでオフとされるものであってもよい。
そして、再始動の可能性があると判断される場合、ステップS18において、内燃機関12の停止時のモータジェネレータ10の回転角度を記憶する。換言すれば、モータジェネレータ10の停止時における回転角度を記憶する。なお、ステップS18の処理が完了する場合や、ステップS10、S16において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図5に、本実施形態にかかる内燃機関12の始動処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS20において、内燃機関12の始動要求があるか否かを判断する。そして、始動要求があると判断される場合、ステップS22において、再始動要求であるか否かを判断する。ここで、再始動要求か否かの判断は、車両制御システム(制御装置20)の起動スイッチがユーザによってオンとされた後の最初の始動要求でないか否かの判断となる。そして、再始動要求ではない場合には、ステップS24において、位置推定用高周波電圧設定部60から高周波電圧信号vhdを出力することで回転角度を推定する。続くステップS26では、磁極判定用パルス電圧設定部62からパルス電圧vhNSを出力することで磁極を判定する。こうして最終的な回転角度の推定が完了すると、ステップS28において、この回転角度を用いてモータジェネレータ10を起動して内燃機関12に初期回転を付与することで始動処理を行う。
これに対し、ステップS22において再始動時であると判断される場合、ステップS30において、先の図4のステップS18において記憶された回転角度をモータジェネレータ10の回転角度の初期値として用いて高周波重畳方式によって回転角度θを推定する。そして、推定される回転角度θに基づきモータジェネレータ10を起動して内燃機関12に初期回転を付与することで始動処理を行う。この場合、磁極判定用パルス電圧設定部62の出力するパルス電圧vhNSに基づき磁極を判定する処理は不要である。
なお、ステップS28,30の処理が完了した場合や、ステップS20において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図6に、本実施形態にかかる内燃機関12の再始動処理態様を示す。詳しくは、図6(a)に、内燃機関12の稼働要求を示すスタートフラグの推移を示し、図6(b)に、内燃機関12の回転速度の推移を示し、図6(c)に、モータジェネレータ10のトルクの推移を示し、図6(d)に、モータジェネレータ10の回転角度(電気角)として制御装置20が認識している値の推移を示す。
図示されるように、時刻t1においてスタートフラグがオフとされると、モータジェネレータ10を回生制御することで負荷トルクを発生させ、内燃機関12を停止制御する。ここで、内燃機関12の回転速度が所定速度α以上である場合には、誘起電圧方式によって推定された回転角度を用いて且つ、内燃機関12の回転速度が所定速度αを下回ることで、高周波重畳方式によって推定された回転角度を用いる。そして、内燃機関12が停止すると、そのときのモータジェネレータ10の回転角度が記憶保持される。そして、時刻t3においてスタートフラグが再度オンされると、記憶された回転角度を初期値として、高周波重畳方式によって推定される回転角度を用いてモータジェネレータ10が起動される。その後、内燃機関12の回転速度が上記所定速度α以上となることで、誘起電圧方式によって推定される回転角度を用いてモータジェネレータ10を駆動することで内燃機関12の始動処理を継続する。こうして、内燃機関12の再始動処理が行われる。なお、上記所定速度αは、アイドル回転速度よりも低い値に設定されている。
これに対し、図中、下方に示すように、モータジェネレータ10の停止位置情報を有しない従来技術の場合には、スタートフラグが再度オンとされる時刻t3において、高周波重畳方式によって回転角度情報を新たに取得するため、これにより推定される回転角度が収束するまでに長期間を有し、更に磁極判定処理にも時間を要する。このため、スタートフラグがオンとされてから内燃機関12の始動処理が完了するまでの時間が長期化する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)モータジェネレータ10の停止に際して高周波重畳方式を用いて回転角度を推定することで、モータジェネレータ10の停止位置を推定して記憶し、内燃機関12の再始動処理に際し、記憶された回転角度を用いてモータジェネレータ10を起動させた。これにより、モータジェネレータ10の起動処理に要する時間を極力短くすることができ、ひいては内燃機関12の始動処理時間を極力短くすることができる。
(2)高周波重畳方式による回転角度の推定処理と誘起電圧方式による回転角度の推定処理とを切り替えるための内燃機関12の回転速度の閾値(所定速度α)を、内燃機関12がアイドリング回転速度となるときの回転速度以下とした。これにより、内燃機関12がアイドリング回転速度以上となることで、高周波重畳方式による推定を行わないため、騒音が生じる期間を短くすることができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記第1の実施形態では、モータジェネレータ10の停止時における回転角度の推定値を記憶し、モータジェネレータ10の起動に際してこれを初期値として高周波重畳方式による回転角度の推定を行った。しかし、高周波重畳方式による回転角度の推定が安定するまでにはある程度の時間を要する。これは、高周波重畳方式による推定が、高周波電圧信号vhdを印加することでモータジェネレータ10に流れる電流を検出するものであることによる。そこで、本実施形態では、内燃機関12の停止後、所定期間に渡って高周波重畳方式による回転角度の推定を継続することで、再始動要求が生じた直後から精度の高い回転角度情報を利用可能とする。
図7に、本実施形態にかかる内燃機関12の停止後の処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS40において、内燃機関12が停止したか否かを判断する。そして内燃機関12が停止したと判断される場合、ステップS42において、所定期間が経過したか否かを判断する。この処理は、高周波重畳方式による回転角度の推定を継続するか否かを判断するためのものである。ここで、所定期間は、例えば、高周波重畳方式による角度推定に起因した騒音の発生期間や消費電力を許容範囲とできる極力長い期間に設定すればよい。そして、所定期間が未だ経過していないと判断される場合、ステップS44において、高周波重畳方式による回転角度の推定を継続する一方、所定期間が経過する場合、ステップS46において、角度推定を停止し、そのときの回転角度を記憶する。
なお、ステップS44、S46の処理が完了する場合や、ステップS40において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(3)モータジェネレータ10が停止した後所定期間に渡って回転角度の推定を継続した。これにより、所定期間内にモータジェネレータ10の起動要求が生じる場合、起動要求が生じた時点において高周波電圧信号vhdの印加に伴ってモータジェネレータ10を実際に伝播する信号を安定した状態とすることができ、ひいては精度の高い回転角度情報を取得することができる。また、モータジェネレータ10の起動要求が所定期間の間生じない場合には、高周波重畳方式による推定を停止することで、騒音の発生や電力消費の増大を極力抑制することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記第1の実施形態では、モータジェネレータ10の停止時における回転角度の推定値を記憶し、モータジェネレータ10の起動に際してこれを初期値として高周波重畳方式による回転角度の推定を行った。しかし、モータジェネレータ10の停止時に、その出力軸が何らかの要因で微少に変化する場合には、モータジェネレータ10の起動に際して回転角度の初期値として用いる値が適切でなくなることが懸念される。そこで本実施形態では、モータジェネレータ10の起動に際し、記憶されている回転角度へのロック制御を行う。
図8に、内燃機関12の再始動処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS50において、内燃機関12の再始動要求があるか否かを判断する。そして再始動要求があると判断される場合、ステップS52において、モータジェネレータ10の出力軸の回転角度を、先の図4のステップS18において記憶された回転角度にロックする制御を行う。これは、図8に示すように、モータジェネレータ10の回転角度θと3相を流れる正弦波電流との関係を定めたマップを用いて、停止位置として記憶された電気角に対応する3相の電流を検索し、この電流を流すようにインバータIVを操作することで行うことができる。こうしてロック制御を行った後、ステップS54において、モータジェネレータ10を起動することで内燃機関12の再始動処理を実行する。
なお、ステップS54の処理が完了する場合や、ステップS50において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図9に、本実施形態にかかる内燃機関12の再始動処理態様を示す。詳しくは、図9(a)は、スタートフラグの推移を示し、図9(b)は、回転角度の推定処理の実行の有無を規定する角度推定フラグの推移を示し、図9(c)は、ロック制御の実行の有無の推移を示し、図9(d)は、モータジェネレータ10のトルクの推移を示し、図9(e)は、モータジェネレータ10の実際の回転角度(電気角)の推移を示す。
図示されるように、時刻t11においてスタートフラグがオフとなることで内燃機関12の停止制御を行った後、時刻t12において上記所定期間が経過することで回転角度の推定処理を停止する。その後、時刻t13においてスタートフラグが再度オンとなると、ロック制御がなされる。これにより、モータジェネレータ10の実際の回転角度が時刻t12において記憶された回転角度からずれていた場合であっても、記憶された回転角度へと制御することができる。そしてロック制御が終了する時刻t14において、モータジェネレータ10を起動させる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)の効果や先の第2の実施形態の上記(3)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(4)モータジェネレータ10を起動させるに先立ち、記憶された回転角度へとモータジェネレータ10の回転角度をロックするロック制御を行った。これにより、モータジェネレータ10の起動に際して用いる回転角度情報の信頼性を向上させることができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記第2の実施形態において述べたように、高周波重畳方式による回転角度の推定が安定するまでにはある程度の時間を要する。そこで、本実施形態では、内燃機関12の再始動要求が生じるか否かを予測し、再始動要求が生じると予測される場合、高周波重畳方式による回転角度の推定を開始することで、再始動要求が生じた直後から精度の高い回転角度情報を利用可能とする。
図10に、上記回転角度の推定開始処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS60において、内燃機関12の再始動要求の前兆があるか否かを判断する。この処理は、始動要求を生じさせる条件の一部が成立したか否かによって行うことができる。すなわち例えば、再始動要求が、ブレーキペダルが解放されているとの条件と、アクセルペダルが踏まれているとの条件との論理積条件の成立によって生じるものである場合、ブレーキペダルが解放されるとの条件が成立することで前兆があると判断すればよい。
そして再始動要求の前兆があると判断される場合、ステップS62において、先の図4のステップS18において記憶された回転角度を初期値としつつ高周波重畳方式に基づく回転角度の推定を開始する。これにより、内燃機関12に再始動の要求が生じた際(ステップS64:YES)には、高周波電圧信号vhdの印加によってモータジェネレータ10に実際に伝播する信号が安定し、高周波重畳方式による回転角度の推定の信頼性を高いものとすることができる。
ただし、回転角度の推定開始から所定期間が経過しても内燃機関12の再始動要求が生じない場合(ステップS66:YES)、回転角度の推定処理を停止する。なお、ステップS68の処理が完了する場合や、ステップS60において否定判断される場合、更にはステップS64において肯定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(5)内燃機関12の再始動要求が生じると予測される場合、高周波重畳方式による推定を開始した。これにより、モータジェネレータ10の起動要求が生じる時点においてモータジェネレータ10を実際に伝播する周波数信号を安定した状態とすることができ、ひいてはモータジェネレータ10を迅速に起動させることができる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上述したように、高周波重畳方式による回転角度の推定に際しては、高周波電圧信号vhdを重畳することに起因して、騒音が生じる。このため、回転角度の推定方式を、極力早期に誘起電圧方式に切り替えることが望ましい。ただし、誘起電圧方式による回転角度の推定精度は、低回転速度において低くなり、また、モータジェネレータ10のトルクが大きいほど低くなる。これは、上記拡張誘起電圧オブザーバ50が基本波を前提とするモデルに基づき構築されたものであることによる。すなわち、トルクが大きいほどモータジェネレータ10に流れる電流が増大し、ひいてはモータジェネレータ10を実際に流れる電流のうちの基本波よりも高次の成分が増加する。このため、トルクが大きいほど拡張誘起電圧オブザーバ50のモデル誤差が大きくなる。
ここで、モータジェネレータ10の要求トルクTrは、図11に示すように、内燃機関12の冷却水温度が低いほど高く設定される。このため、冷却水温度が低い場合の要求トルクTrによっても、誘起電圧方式による推定精度を高く維持することができる回転速度を切り替え閾値としたのでは、冷却水温度が高い場合には、実際には誘起電圧方式による推定精度を高く維持することができる状態においても高周波重畳方式が用いられることとなる。
そこで本実施形態では、誘起電圧方式による回転角度の推定に切り替えるための閾値(所定速度α)を要求トルクTrに応じて可変設定することで、極力早期に誘起電圧方式の推定に切り替えるようにする。
図12に、上記一対の推定方式の切替処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS70において、内燃機関12の回転速度が所定速度α以上であるか否かを判断する。ここで、所定速度αは、要求トルクTrの関数であり、要求トルクTrが大きいほど大きい値に設定される。そして、所定速度未満である場合には、ステップS72において高周波重畳方式による回転角度の推定処理を行う一方、所定速度α以上となる場合、ステップS74において誘起電圧方式による回転角度の推定処理を行う。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(6)誘起電圧方式による回転角度の推定処理への切替のための閾値(所定速度α)を、要求トルクTrが小さいほど小さくした。これにより、誘起電圧方式による回転角度の推定処理へと極力早期に移行させることができる。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態について、先の第5の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図13に、本実施形態にかかる要求トルクTrの設定を示す。
図示されるように、本実施形態では、内燃機関12の回転速度が高いほど要求トルクTrを小さくする。これは、内燃機関12の回転速度をゼロから上昇させるに際して要求されるトルクが最も大きくなると考えられることに基づく設定である。これにより、モータジェネレータ10の低回転速度領域における要求トルクTrを極力低減することができる。このため、先の図12に示した処理によって、極力早期に誘起電圧方式の回転角度推定処理に切り替えることができる。
(第7の実施形態)
以下、第7の実施形態について、先の第5の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記第5の実施形態では、高周波重畳方式によって推定される回転角度に基づきモータジェネレータ10の起動処理を行った。しかし、モータジェネレータ10の回転角度の初期値がわかるなら、モータジェネレータ10のトルクが小さい場合には、初期値以外の回転角度情報を用いることなくモータジェネレータ10を起動したとしても比較的良好な起動処理を実現することができる。そこで本実施形態では、要求トルクTrが小さい場合、初期値以外の回転角度情報を用いることなくモータジェネレータ10を起動する。
図14に、本実施形態にかかる内燃機関12の再始動処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS80において、内燃機関12の再始動要求が生じたか否かを判断する。そして、再始動要求が生じる場合、ステップS82において要求トルクTrが閾値トルクTrth以上であるか否かを判断する。この処理は、高周波重畳方式によって推定された回転角度を用いてモータジェネレータ10を起動する必要があるか否かを判断するためのものである。ここで、閾値トルクTrは、初期値以外の回転角度情報を用いることなくモータジェネレータ10を起動した場合の起動性が許容範囲となる上限のトルクに基づき設定される。
そしてステップS82において要求トルクTrが閾値トルクTrth以上であると判断される場合、ステップS84において、先の図4のステップS18の処理において記憶された回転角度を初期値として高周波重畳方式によって推定される回転角度に基づきモータジェネレータ10を起動することで内燃機関12の始動処理を行う。
一方、閾値トルクTrth未満であると判断される場合、ステップS86において、上記記憶された回転角度を初期値として用いる以外は、回転角度情報を用いることなくモータジェネレータ10を起動することで内燃機関12の始動処理を行う。これは、モータジェネレータ10の起動に際して想定される回転角度の変化に基づき、指令電圧vur,vvr,vwrを算出することで行うことができる。具体的には、αβ変換部30から出力される実電流iα、iβのベクトルのノルムと、指令電流idr,iqrのノルムとの差に基づき、指令電圧vdr、vqrを算出し、これを、想定される回転角度に基づき変換することで、指令電圧vur,vvr,vwrを算出することで行うことができる。
ステップS84又はステップS86の処理は、内燃機関12の回転速度が所定速度α以上となるまで行われる(ステップS88:YES)。そして、所定速度α以上となることで、ステップS90において、誘起電圧方式に基づく回転角度の推定に切り替える。
なお、ステップS90の処理が完了する場合や、ステップS80において否定判断され場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第5の実施形態の上記効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(7)モータジェネレータ10に対する要求トルクTrが所定以下の場合、記憶された回転角度を初期値として用いる以外には回転角度情報を用いることなくモータジェネレータ10を起動させた。これにより、起動に際してのモータジェネレータ10の制御精度の低下を抑制しつつも、高調波重畳方式を用いることを極力回避することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1の実施形態では、再始動に限って前回の停止時の回転角度の推定値に基づき始動を行ったが、これに限らない。走行許可スイッチ(車載制御システムの起動スイッチ)がオンされた際、前回の機関停止時の回転角度の推定値に基づき始動を行ってもよい。
・上記第3の実施形態においては、再始動要求が生じた場合にロック制御を行ったがこれに限らず、自動停止制御がなされてから再始動要求が生じるまでの間ロック制御を行ってもよい。
・上記第5の実施形態では、要求トルクTrを、内燃機関の冷却水温度に基づき可変設定したが、これに限らない。例えば、冷却水温度と回転速度との双方に基づき可変設定してもよい。
・上記第7の実施形態において、誘起電圧方式による角度推定のための所定速度αを、固定値としてもよい。
・回転機としては、IPMSMに限らず、例えば同期リラクタンスモータ(SynRM)等であってもよい。また、構造上突極性を有するものに限らず、例えば表面磁石同期モータ等のいわゆる構造上の非突極機であっても、駆動電流によって磁気的に突極性を有することとなるものについては本発明の適用が有効である。更に、永久磁石を備えるものに限らず、例えば巻線界磁式同期機であってもよい。
・高周波重畳方式の回転角度推定手段としては、高周波電圧信号vhdをモータジェネレータ10に印加した際にモータジェネレータ10を流れる電流の方向に基づき回転角度を推定するものに限らない。例えば、高周波電圧信号vhdをモータジェネレータ10に印加した際にモータジェネレータ10を流れる電流の大きさに基づき回転角度を推定するものであってもよい。すなわち、dq軸上において電圧印加方向を回転させつつモータジェネレータに高周波電圧信号を印加した際にモータジェネレータを実際に伝播する電流信号の振幅を上記高周波電圧信号の印加方向に対応してプロットした場合、電流信号の振幅は、d軸方向を長軸として且つq軸方向を短軸とする楕円形状となる。このため、高周波電圧信号vhdをモータジェネレータ10に印加した際にこの印加方向に流れる電流の大きさ(振幅値)によっても、回転角度を推定することができると考えられる。
・拡張誘起電圧を用いた回転角度推定手段としては、固定座標系での拡張誘起電圧を最小次元オブザーバにて推定する手段に限らない。例えば、「拡張誘起電圧モデルに基づく突極型永久磁石同期モータのセンサレス制御、T.IEE Japan,Vol.122−D,No.12,2002」に記載されているように、回転座標系での拡張誘起電圧を最小次元オブザーバにて推定する手段であってもよい。ちなみに、ここでの拡張誘起電圧は、回転座標系にて表現された「磁界によって誘起される電圧」である。
・モータジェネレータ10を起動させることで内燃機関12に初期回転を付与する処理がなされるハイブリッド車としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、内燃機関12の出力軸にベルトを介してモータジェネレータの出力軸が連結されて且つ、モータジェネレータを利用してアイドルストップ制御を行ういわゆるマイルドハイブリッド車であってもよい。この変更を、先の第4の実施形態に適用する場合にあっても、内燃機関12の再始動要求の前兆を、再始動実行条件の一部が成立する場合とすればよい。すなわち例えば、再始動実行条件が、変速装置のシフト指示がニュートラル又はパーキングからドライブに切り替えられるとの条件及びブレーキペダルが解放されるとの条件の2つを含む場合において、これらの条件の1つが成立した時点で前兆であると判断してもよい。
・また、ハイブリッド車にも限らず、車載動力発生装置及び発電機として、モータジェネレータのみを搭載する電気自動車であっても、モータジェネレータの起動処理時間を短縮したり、高周波信号の重畳処理に起因したノイズの発生時間を短縮したりするうえでは、本発明の適用が有効である。
10…モータジェネレータ、12…内燃機関、20…制御装置、22…インバータ。

Claims (13)

  1. 電力変換回路の操作によって回転機を起動させることで内燃機関に初期回転を付与する処理を行う内燃機関の始動停止制御装置において、
    前記回転機は、突極性を有する回転機であり、
    前記回転機の電気角の回転周期よりも短い周期を有する周波数信号を前記電力変換回路の出力信号に重畳した際に前記回転機を実際に伝播する周波数信号に基づき、前記回転機の回転角度を推定する高周波重畳式推定手段と、
    前記回転機の停止処理に際して前記高周波重畳式推定手段を用いて前記回転機の停止位置に関する情報を取得する取得手段と、
    前記取得される停止位置に基づき前記回転機を起動させることで、前記内燃機関に初期回転を付与する処理を行って前記内燃機関を始動させる始動処理手段とを備えることを特徴とする内燃機関の始動停止制御装置。
  2. 前記高周波重畳式推定手段は、前記回転機が停止した後所定期間に渡って回転角度の推定を継続するものであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の始動停止制御装置。
  3. 前記取得手段は、前記停止位置に関する情報を記憶する記憶手段を備え、
    前記始動処理手段は、前記回転機を起動させるに先立ち、前記記憶された停止位置へと前記回転機の回転角度をロックするロック制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の始動停止制御装置。
  4. 前記内燃機関の始動要求が生じることを予測する予測手段を更に備え、
    前記始動処理手段は、前記予測手段により前記始動要求が生じると予測される場合、前記高周波重畳式推定手段による推定を開始させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の始動停止制御装置。
  5. 前記回転機を流れる電流の検出値及び前記回転機に対する印加電圧を入力とし、前記回転機を流れる電流及び前記印加電圧と前記回転機の磁界によって誘起される電圧とを関係付けるモデルを用いて前記回転機の回転角度を推定する誘起電圧式推定手段と、
    前記回転機の制御量の制御に際して用いる回転角度の推定値として、前記回転機の回転速度が低回転の場合には前記高周波重畳式推定手段による推定値を用いて且つ高回転の場合には前記誘起電圧式推定手段による推定値を用いる切替手段とを更に備え、
    前記切替手段による切替のための回転速度の閾値を、前記内燃機関の状態に関するパラメータに応じて設定される前記回転機に対する要求トルクが小さいほど小さくすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の始動停止制御装置。
  6. 前記切替手段による切替のための回転速度の閾値を、前記内燃機関がアイドリング回転速度となるときの前記回転機の回転速度以下とすることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の始動停止制御装置。
  7. 前記回転角度の変化に関する入力によらずに前記回転角度の初期値に基づき前記回転機を起動させるロータ回転角度情報レス起動手段を更に備え、
    前記始動処理手段は、前記内燃機関の状態に関するパラメータに応じて設定される前記回転機に対する要求トルクが所定以下の場合、前記ロータ回転角度情報レス起動手段によって前記回転機を起動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の始動停止制御装置。
  8. 前記内燃機関の状態に関するパラメータが、前記内燃機関の暖機度合いを示すパラメータであり、
    前記要求トルクは、前記暖機度合いが小さいほど大きく設定されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の始動停止制御装置。
  9. 前記内燃機関の状態に関するパラメータが、前記内燃機関の回転速度であり、
    前記要求トルクは、前記回転速度が小さいほど大きく設定されることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の始動停止制御装置。
  10. 前記回転機の出力軸と前記内燃機関の出力軸とが直結されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の内燃機関の始動停止制御装置。
  11. 突極性を有する回転機を制御対象とする回転機の制御装置において、
    前記回転機の電気角の回転周期よりも短い周期を有する周波数信号を前記電力変換回路の出力信号に重畳した際に前記回転機を実際に伝播する周波数信号に基づき、前記回転機の回転角度を推定する高周波重畳式推定手段と、
    前記回転機を流れる電流の検出値及び前記回転機に対する印加電圧を入力とし、前記回転機を流れる電流及び前記印加電圧と前記回転機の磁界によって誘起される電圧とを関係付けるモデルを用いて前記回転機の回転角度を推定する誘起電圧式推定手段と、
    前記回転機の制御量の制御に際して用いる回転角度の推定値として、前記回転機の回転速度が低回転の場合には前記高周波重畳式推定手段による推定値を用いて且つ高回転の場合には前記誘起電圧式推定手段による推定値を用いる切替手段とを備え、
    前記切替手段による切替のための回転速度の閾値を、要求トルクが小さいほど小さくすることを特徴とする回転機の制御装置。
  12. 前記回転機の停止処理に際して前記高周波重畳式推定手段を用いて前記回転機の停止位置に関する情報を取得する取得手段と、
    前記取得される停止位置に基づき、前記回転機を起動させる起動処理手段とを更に備えることを特徴とする請求項11記載の回転機の制御装置。
  13. 前記回転角度の変化に関する入力によらずに前記回転角度の初期値に基づき前記回転機を起動させるロータ回転角度情報レス起動手段を更に備え、
    前記起動処理手段は、前記回転機の起動に際しての前記回転機に対する要求トルクが所定以下の場合、前記ロータ回転角度情報レス起動手段によって前記回転機を起動させることを特徴とする請求項12記載の回転機の制御装置。
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