JP2010163524A - 分子量分画された樹脂の製造方法及び分画方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エポキシ樹脂等の樹脂の分子量分画をするために適し、簡易で生産性に優れた分画方法を提供する。
【解決手段】1分子中にフェノール性水酸基又はエポキシ基を2個以上持つ原料樹脂を、超臨界又は亜臨界状態の流体(二酸化炭素流体)と接触させて、低分子量の樹脂成分を該流体中に移行させる第一の工程と、第一の工程で分子量分画された樹脂を回収する第二の工程を有する樹脂の分子量分画方法、及び分子量分画されたフェノール樹脂又はエポキシ樹脂の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】1分子中にフェノール性水酸基又はエポキシ基を2個以上持つ原料樹脂を、超臨界又は亜臨界状態の流体(二酸化炭素流体)と接触させて、低分子量の樹脂成分を該流体中に移行させる第一の工程と、第一の工程で分子量分画された樹脂を回収する第二の工程を有する樹脂の分子量分画方法、及び分子量分画されたフェノール樹脂又はエポキシ樹脂の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を分子量分画する方法、分子量分画されたエポキシ樹脂又はフェノール樹脂の製造方法に関する。
1分子中にフェノール性水酸基又はエポキシ基を2個以上持つ樹脂は、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂として多用されている。これらの樹脂は、熱硬化性樹脂として代表的な樹脂であり、必要により硬化剤と共に使用されて硬化物を与えることが知られている。また、フェノール樹脂はエポキシ樹脂の中間体としても有用であり、エポキシ樹脂の硬化剤としても有用である。また、これらの樹脂は、通常広い分子量分布を持つことが知られている。分子量分布を持つことが有用である場合もあるが、分子量分布を制御することが樹脂の有用性が一層向上する。分子量分布を制御する手段として、分子量分画することが考えられるが、これらの樹脂の分子量分画は困難である。
これらの樹脂の分画手法としては、蒸留による手法や有機溶剤による抽出法あるいは洗浄、再沈澱法、液/液分離法等の手法が知られている。
上記手法の例として、ノボラック型エポキシ樹脂の製造方法に関するものがあり、特許文献1にはフェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量が低減されたノボラック型エポキシ樹脂を得る手法が開示されている。この場合、水洗と蒸留によりオリゴマーを取り除く工程を有する。
また、特許文献2には低核体成分が少なく、高分子量成分の含有率が高く、重量平均分子量が大きく高軟化点を有するノボラック型フェノール樹脂を高収率で得る手法が開示されている。この場合、溶媒抽出法、液/液分離法及び再沈殿法から選ばれる少なくとも一種により分別処理する工程を有する。
特許文献3には液状又は超臨界状態の二酸化炭素中に、エポキシ樹脂及びN−H結合を有する化合物を含有する溶液を混合分散させて、両者を反応させることによりエポキシ樹脂粒子を得る方法が開示されている。
上記のように、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂の分画手法は、いずれも、多段階の処理工程が必要であり、操作が煩雑である。また、収率も芳しくない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、連続処理が可能であり、生産性に優れた分画方法を提供することを目的とする。また、分画処理のための工程数の少ない分画方法を提供することを目的とする。更に、分子量分画されたエポキシ樹脂又はフェノール樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するための手段について鋭意検討した結果、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を分画する方法として、超臨界又は亜臨界状態の流体で抽出する方法を用いることに思い至り、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、1分子中にフェノール性水酸基又はエポキシ基を2個以上持つ原料樹脂を、超臨界又は亜臨界状態の流体と接触させて、低分子量の樹脂成分を該流体中に移行させる第一の工程と、第一の工程で分子量分画された樹脂を回収する第二の工程を有することを特徴とする樹脂の分子量分画方法である。
また、本発明は、1分子中にフェノール性水酸基又はエポキシ基を2個以上持つ原料樹脂を、超臨界又は亜臨界状態の流体と接触させて、低分子量の樹脂成分を該流体中に移行させる第一の工程と、第一の工程で分子量分画された樹脂を回収する第二の工程を有することを特徴とする分子量分画された1分子中にフェノール性水酸基又はエポキシ基を2個以上持つ樹脂の製造方法である。
上記分子量分画方法又は分子量分画された樹脂の製造方法においては、前記第一の工程原料樹脂と超臨界又は亜臨界状態の流体を連続的に向流接触させることが有利である。また、超臨界又は亜臨界状態の流体としては、二酸化炭素流体であることが有利であり、これに更に有機溶媒をエントレーナーとして含むこともよい。
更に、上記製造方法又は分画方法においては、原料樹脂が、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上持つフェノール樹脂であり、フェノール樹脂が、ノボラック型、ビスフェノールF型又はビスフェノールA型のフェノール樹脂であることが望ましい。また、原料樹脂が、1分子中にエポキシ基を2個以上持つエポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂が、ノボラック型、ビスフェノールF型又はビスフェノールA型のエポキシ樹脂であることが望ましい。
本発明の分子量分画された樹脂の製造方法又は分子量分画方法は、原料樹脂を超臨界又は亜臨界状態の流体(以下、超臨界等の流体という。)と接触させる第一の工程と、第一の工程で分画される化合物を回収する第二の工程とを有するため、少ない処理工程数で化合物を分画することができ、操作が煩雑でなく、連続プロセスで行うことが可能である。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。本発明の分子量分画された樹脂の製造方法及び分子量分画方法では、1分子中にフェノール性水酸基又はエポキシ基を2個以上持つ原料樹脂を、超臨界等の流体と接触させて、低分子量の樹脂成分を該流体中に移行させる第一の工程と、第一の工程で分子量分画された樹脂を回収する第二の工程を有する。
1分子中にフェノール性水酸基又はエポキシ基を2個以上持つ原料樹脂は、分子量分布を有するフェノール樹脂又はエポキシ樹脂である。本明細書でいうフェノール樹脂又はエポキシ樹脂は、分子量分布を有するフェノール化合物又はエポキシ化合物を含む意味と理解される。したがって、原料樹脂は、フェノール環を2つ有する2核体の化合物を主成分とする樹脂であってもよい。ここで、フェノール環は代表例であり、ナフトール環のようなフェノール類に由来する環を含む意味であり、エポキシ樹脂の場合は、フェノール環はフェノール性の水酸基がエポキシ化されたフェノール環という意味である。原料樹脂は分子量分布を有するが、低分子量成分とそれより高い中分子量成分又は高分子量成分成分を含む。低分子量成分は代表的には2核体であるが、2〜5核体を低分子量成分とすることもあり、相対的なものである。したがって、高分子量成分も3核体以上である場合もあり、6核体以上である場合もあり、相対的なものである。原料樹脂は、2〜5核体を含む樹脂であることがよい。
原料樹脂としてのフェノール樹脂としては、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上持つフェノール樹脂であればよく、ノボラック型フェノール樹脂、ビスフェノールF型又はビスフェノールA型のフェノール樹脂であることが望ましい。望ましいフェノール樹脂は、下記式(1)で表わすことができる。
Ar(OH)-X-[-Ar(OH)-X-]n-Ar(OH) (1)
ここで、-Ar(OH)は、フェノール類から生じる基であるので、フェノール環ともいい、これはフェノール類を説明することにより理解される。Xは架橋基であり、ビスフェノールF型のフェノール樹脂の場合はメチレンであり、ビスフェノールA型のフェノール樹脂の場合はプロピリデン基である。nは繰り返し数であり、ビスフェノールF型のフェノール樹脂及びビスフェノールA型のフェノール樹脂の場合は、n=0体を主成分とし、少量のn≧1体を含む。なお、n=0体は上記2核体に対応し、n=1体は3核体に対応し、以下同様にn+2核体に対応すると理解される。ノボラック型フェノール樹脂の場合は、Xは代表的にはメチレンであり、nの平均値は代表的には1〜50の範囲である。ノボラック型フェノール樹脂としては、フェノール類と架橋剤とを反応させて得られるフェノール樹脂がある。架橋剤としては、ホルマリン、p-キシレングリコール等があり、フェノール類としては、フェノール、アルキルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール等がある。
Ar(OH)-X-[-Ar(OH)-X-]n-Ar(OH) (1)
ここで、-Ar(OH)は、フェノール類から生じる基であるので、フェノール環ともいい、これはフェノール類を説明することにより理解される。Xは架橋基であり、ビスフェノールF型のフェノール樹脂の場合はメチレンであり、ビスフェノールA型のフェノール樹脂の場合はプロピリデン基である。nは繰り返し数であり、ビスフェノールF型のフェノール樹脂及びビスフェノールA型のフェノール樹脂の場合は、n=0体を主成分とし、少量のn≧1体を含む。なお、n=0体は上記2核体に対応し、n=1体は3核体に対応し、以下同様にn+2核体に対応すると理解される。ノボラック型フェノール樹脂の場合は、Xは代表的にはメチレンであり、nの平均値は代表的には1〜50の範囲である。ノボラック型フェノール樹脂としては、フェノール類と架橋剤とを反応させて得られるフェノール樹脂がある。架橋剤としては、ホルマリン、p-キシレングリコール等があり、フェノール類としては、フェノール、アルキルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール等がある。
ビスフェノールF型又はビスフェノールA型フェノール樹脂は、フェノール環を2つ有する2核体であるビスフェノールF又はビスフェノールAを主成分とする。すなわち、式(1)においてn=0体を主成分とする。n≧1体を主成分とするものは、ノボラック型フェノール樹脂に含まれる。
原料樹脂としてのエポキシ樹脂としては、ビスフェノールF、ビスフェノールA、又はビスフェノールF型若しくはビスフェノールA型のフェノール樹脂をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂であることが望ましい。ここで、ビスフェノールF及びビスフェノールAは実質的に単一化合物を意味し、ビスフェノールF型若しくはビスフェノールA型のフェノール樹脂は分子量分布を有する樹脂を意味する。望ましいエポキシ樹脂の一例は、下記式(2)で表わすことができる。
GO-Y-[-O-CH2-CH(OH)-CH2-O-Y-]m-OG (2)
ここで、YはHO-Y-OHで表わされるビスフェノール類から生じる基であるので、ビスフェノール環ともいい、これはビスフェノール類の説明から理解される。Gはグリシジル基であり、mは繰り返し数である。なお、m=0体は上記2核体に対応し、m=1体は3核体に対応すると理解される。単一化合物であるビスフェノールF又はビスフェノールAをエポキシ化して得られるエポキシ樹脂である場合は、mが異なる成分を含む必要がある。なお、ビスフェノールF型、ビスフェノールA型のフェノール樹脂又はノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂である場合は、上記式(2)では表すことができない成分を含むが、そのようなエポキシ樹脂成分の化学式は容易に導くことができる。
GO-Y-[-O-CH2-CH(OH)-CH2-O-Y-]m-OG (2)
ここで、YはHO-Y-OHで表わされるビスフェノール類から生じる基であるので、ビスフェノール環ともいい、これはビスフェノール類の説明から理解される。Gはグリシジル基であり、mは繰り返し数である。なお、m=0体は上記2核体に対応し、m=1体は3核体に対応すると理解される。単一化合物であるビスフェノールF又はビスフェノールAをエポキシ化して得られるエポキシ樹脂である場合は、mが異なる成分を含む必要がある。なお、ビスフェノールF型、ビスフェノールA型のフェノール樹脂又はノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂である場合は、上記式(2)では表すことができない成分を含むが、そのようなエポキシ樹脂成分の化学式は容易に導くことができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールF又はビスフェノールAをエポキシ化して得られるビスフェノールF型エポキシ樹脂又はビスフェノールA型エポキシ樹脂であることが望ましい。また、ビスフェノールF型又はビスフェノールA型のフェノール樹脂をエポキシ化して得られるビスフェノールF型のエポキシ樹脂又はビスフェノールA型のエポキシ樹脂であることも望ましい。本発明でいうビスフェノールF(又はA)型エポキシ樹脂は、ビスフェノールF(又はA)、又はビスフェノールF(又はA)型のフェノール樹脂をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂をいう。また、ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化して得られるノボラック型エポキシ樹脂であることもよい。特に限定されないが、例えば、水添BPA(ビスフェノールA)型エポキシ樹脂、BPA型エポキシ樹脂、BPF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂、可塑性エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、注型用樹脂、エポキシ反応性希釈剤、結晶性エポキシ樹脂、エポキシ難燃剤、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、リン系エポキシ樹脂、特殊エポキシ樹脂等を挙げることができる。
第一の工程では、上記原料樹脂を、超臨界等の流体と接触させて、低分子量の樹脂成分を該流体中に移行させる。有利には、超臨界状態の流体と接触させる。周知のように、超臨界状態とは、温度及び圧力がいずれも臨界点以上にある状態をいい、また、亜臨界状態とは、温度及び圧力が超臨界近傍にある状態をいう。
いくつかの化合物の臨界温度(Tc)及び臨界圧力(Pc)を次に示す。
・二酸化炭素:Tc=31℃、Pc=7.38×106Pa
・プロパン:Tc=96.7℃、Pc=43.4×105Pa
・エチレン:Tc=9.9℃、Pc=52.2×105Pa
・二酸化炭素:Tc=31℃、Pc=7.38×106Pa
・プロパン:Tc=96.7℃、Pc=43.4×105Pa
・エチレン:Tc=9.9℃、Pc=52.2×105Pa
超臨界等の流体となる化合物(以下、超臨界溶媒化合物ともいう。)には、例えば二酸化炭素、アンモニア、水、一酸化二窒素、メタノール、エタノール、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサン等を用いることができる。これらの中でも、二酸化炭素は分子量の高い樹脂成分は溶解しがたく、分子量の低い樹脂成分は溶解しやすいという特性を有するので、好ましく用いることができる。超臨界溶媒化合物は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
超臨界等の流体には、上記超臨界溶媒化合物に加えて、極性又は密度を調整するための溶媒をエントレーナーとして添加してもよい。エントレーナーとして添加される溶媒(以下、エントレーナーともいう。)としては有機溶媒が好ましく、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、塩化メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトアルデヒドジエチルアセタール等のアセタール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等が挙げられる。
中でも、超臨界溶媒化合物が二酸化炭素である場合、エントレーナーとしては炭素数6〜10の炭化水素系溶媒、炭素数3〜6のケトン系溶媒又は炭素数1〜3のハロゲン化炭化水素系溶媒が優れる。炭化水素系溶媒等の比較的極性の低いエントレーナーを加えると低分子量成分の抽出量が増加し、ケトン系溶媒又はハロゲン化炭化水素系溶媒等の比較的極性の高いエントレーナーを加えると低分子量成分の抽出量が増加するだけでなく、低分子量成分の範囲がやや広がる。したがって、エントレーナーの種類や量を変えることにより、低分子量成分抽出量を変化させることができるだけでなく、分画される範囲を制御することもできる。例えば、エントレーナーを使用しない場合は、低分子量成分として抽出される樹脂は2核体が主成分であるとしても、エントレーナーを使用すると、低分子量成分として抽出される樹脂は2〜3核体、あるいは2〜5核体を主成分であるとすることができ、それより高い高分子量成分との分画を可能とする。
エントレーナーの添加量は少量でよく、有利には超臨界状態を保つため、超臨界溶媒化合物の2〜10mol%とすることが望ましい。
第一の工程において、超臨界等の流体と原料樹脂とを接触させる温度は、超臨界又は亜臨界状態が生じる温度以上で、原料樹脂中の低分子量成分が上記流体中に溶解、抽出される温度以上であればよい。温度を高くすると抽出量が増加するが、温度が過度に低過ぎると抽出量が乏しくなる場合があり、また温度が過度に高過ぎると原料樹脂中の成分が分解あるいは重合する場合があるため、温度範囲は40〜150℃とすることがより好ましい。また、圧力は、超臨界又は亜臨界状態が生じる圧力以上であればよい。しかし、圧力が過度に低過ぎると抽出量が乏しくなる場合があり、また圧力が過度に高過ぎると製造装置の耐久性、操作時の安全性等の面で問題が生じる場合があるため、使用圧力範囲は1〜100MPaとすることがより好ましい。そして、温度と圧力を制御することにより原料樹脂中の低分子量成分と高分子量成分の溶解度差を変化させることが可能である。
超臨界等の流体と原料樹脂とを接触させる時間(接触時間)は、原料樹脂中の低分子量成分の抽出作用が十分に行われる時間であることが好ましい。両者を接触させるための攪拌条件等によっても異なるが、有利には5分以上、好ましくは40分以上である。通常、10時間以下で十分である。しかし、接触時間が長いと抽出物中の低分子量成分の割合が序々に減じ、低分子量成分の中でも分子量が比較的高い中分子量成分の割合が増加する傾向がある。
第一の工程は、分画精度又は分画効率を高めるために、複数回繰り返し実施してもよい。また、後記する第二の工程で回収された樹脂(低分子量成分又は高分子量成分)を、再度第一の工程に付してもよい。この場合、エントレーナーの種類を1回目と2回目で変えるなど条件を変化させることにより、分画範囲の異なる2以上の樹脂を得ることもできる。
第一の工程において、超臨界等の流体と原料樹脂とを接触させる手段としては、原料樹脂を貯留した容器に上記流体を流し込み、容器内を攪拌する方法がある。超臨界等の流体は連続的又は間欠的に流し込み、それに対応する量を取り出す。すなわち、半回分式による接触方法である。これにより、低分子量成分が優先的に上記流体の側に抽出される。
また、他の手段としては、原料樹脂と超臨界等の流体を連続的に向流接触させる方法がある。塔型の抽出装置に原料樹脂を下向きに、上記流体を上向きに対抗して流す。この方法は連続的に行うことができるので、生産性に優れる。
塔型の抽出装置には、充填物を配置する方法を採用してもよい。充填物を詰めると抽出塔内の超臨界流体の流れが層流から乱流になり、原料と超臨界流体の接触頻度が向上し生産性が向上する場合がある。充填物を用いる場合、その形状や大きさにより効果が異なることが知られており、Raschig Ring(ラッシヒリング)、Pall Ring(ポールリング)、McMahon Packing(マクマホン パッキン)、Dixon Packing(ディクソン パッキン)などが使用できる。
しかし、第一の工程における接触手段は、上記した手段に限らない。例えば、超臨界等の流体と原料樹脂を、耐圧容器あるいは抽出塔に流通させる連続又は半連続流通方式、バッチ方式、上記溶媒を循環させて使用する流通方式、バッチ方式と流通方式とを組み合わせた複合方式等の方法を用いてもよい。また、超臨界等の流体を多段抽出方式で原料樹脂と接触させる方法を用いてもよい。また、向流抽出塔あるいは多段抽出方式にて抽出を行う場合は、抽出塔あるいは抽出容器に温度勾配や圧力勾配を付ける方法を採用してもよい。
更に、上記以外の手段として、例えば、原料樹脂と超臨界等の流体をクロマトカラムに流通する方法や、原料樹脂と超臨界等の流体を混合した後、超臨界等の流体の圧力、温度を変化させる方法、エントレーナーを添加して溶解度を変化させる方法等も考えられる。
第一の工程では、低分子量成分が優先的に抽出され、高分子量成分が抽出残分として残るが、低分子量成分の一部が抽出残分に含まれること、又は高分子量成分の一部が抽出されることがあってもよい。
第二の工程においては、第一の工程で分子量分画された樹脂を回収する。抽出液からの低分子量成分の回収は、超臨界溶媒化合物が二酸化炭素等の常温気体の化合物からなる流体であれば、圧力を減じるだけで樹脂と溶媒を分離することが可能である。超臨界溶媒化合物が常温液体の液体又は有機溶媒等のエントレーナーを含む場合は、これらを蒸発させるか、蒸留分離する方法が適する。抽出残分からの高分子量成分の回収は抽出残分をそのまま高分子量成分としてもよいし、必要により洗浄等をしてもよい。場合によれば、再度第一の工程に戻してもよい。しかし、これらの手段に限られない。
分子量分画された樹脂は、低分子量成分濃縮樹脂、高分子量成分濃縮樹脂又は中分子量成分濃縮樹脂等とすることができ、それぞれの樹脂の特性を生かした用途に使用される。
実施例により本発明をさらに説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
使用した半回分式抽出装置を図1に示す。CO2導入ポンプ1とエントレーナー導入ポンプ2からのCO2とエントレーナーを混合する混合器3から、予熱部4を通して超臨界流体が耐圧容器5に導入される。耐圧容器5にはマグネチックスターラー6が備え付けられている。そして、耐圧容器5から排出される抽出液を減圧する圧力制御弁8、抽出液を回収するサンプリング容器9を有する。なお、耐圧容器5は攪拌機能付きオーブン7に収納され、温度制御される。
実施例1
マグネチックスターラーを備えた容量50mLの耐圧容器に、ビスフェノールF型エポキシ樹脂15gを入れる。容器の温度調整を行い、容器内温度が80℃になったのを確認し、二酸化炭素を圧力30MPa、流速5.0mL/minで容器中に導入し、容器上部の排出管から流出させる。容器内をマグネチックスターラーで攪拌しながら、二酸化炭素を6時間流通させた。容器上部の排出管から流出する二酸化炭素中には抽出された低分子量のエポキシ樹脂成分が含まれていた。6時間後の抽出されたエポキシ樹脂成分(抽出物)は3.0gであり、容器に抽出されずに残存したビスフェノールF型エポキシ樹脂成分(釜残物)は12.0gであった。
マグネチックスターラーを備えた容量50mLの耐圧容器に、ビスフェノールF型エポキシ樹脂15gを入れる。容器の温度調整を行い、容器内温度が80℃になったのを確認し、二酸化炭素を圧力30MPa、流速5.0mL/minで容器中に導入し、容器上部の排出管から流出させる。容器内をマグネチックスターラーで攪拌しながら、二酸化炭素を6時間流通させた。容器上部の排出管から流出する二酸化炭素中には抽出された低分子量のエポキシ樹脂成分が含まれていた。6時間後の抽出されたエポキシ樹脂成分(抽出物)は3.0gであり、容器に抽出されずに残存したビスフェノールF型エポキシ樹脂成分(釜残物)は12.0gであった。
抽出物と釜残物の分析は、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)にて行った。表1〜表3に、実施例1〜14で得られた抽出物と釜残物(表中では、釜残と表記)のGPC組成を示す。なお、抽出物の構造は1H NMRで、エポキシ化ビスフェノールF(2核体)であることを同定した。また、表1中、n数はエポキシ樹脂を構成する分子量の異なるエポキシ化合物のベンゼン環の数であり、2の倍数となる。例えば、n=2はベンゼン環の数が2であるエポキシ化合物を示し、n=4はその数が4であるエポキシ化合物を示し、以下同様である。そして、n=2のエポキシ化合物は2核体と、n=4のエポキシ化合物は4核体ともいう。
実施例2
二酸化炭素の圧力を20MPaとした以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は0.5gであり、釜残物は14.5gであった。
二酸化炭素の圧力を20MPaとした以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は0.5gであり、釜残物は14.5gであった。
実施例3
二酸化炭素の圧力を10MPaとした以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は、0.1gであり、釜残物は14.9gであった。
二酸化炭素の圧力を10MPaとした以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は、0.1gであり、釜残物は14.9gであった。
実施例4
容器内温度を40℃とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は、2.0gであり、釜残物は14.0gであった。
容器内温度を40℃とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は、2.0gであり、釜残物は14.0gであった。
実施例5
容器内温度を150℃とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は2.5gであり、釜残物は13.5gであった。
容器内温度を150℃とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は2.5gであり、釜残物は13.5gであった。
実施例6
エントレーナーとしてトルエンを5mol%(二酸化炭素に対し。以下、同じ。)添加した以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は9.0gであり、釜残物は6.0gであった。
エントレーナーとしてトルエンを5mol%(二酸化炭素に対し。以下、同じ。)添加した以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は9.0gであり、釜残物は6.0gであった。
実施例7
エントレーナーとしてヘキサンを5mol%添加した以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は5.0gであり、釜残物は10.0gであった。
エントレーナーとしてヘキサンを5mol%添加した以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は5.0gであり、釜残物は10.0gであった。
実施例8
エントレーナーとしてクロロホルムを5mol%添加した以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は8.5gであり、釜残物は6.5gであった。
エントレーナーとしてクロロホルムを5mol%添加した以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は8.5gであり、釜残物は6.5gであった。
実施例9
エントレーナーとして2−ブタノンを5mol%添加した以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は7.0gであり、釜残物は8.0gであった。
エントレーナーとして2−ブタノンを5mol%添加した以外は、実施例1と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は7.0gであり、釜残物は8.0gであった。
実施例10
容器内温度を40℃とした以外は、実施例6と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は5.0gであり、釜残物は10.0gであった。
容器内温度を40℃とした以外は、実施例6と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は5.0gであり、釜残物は10.0gであった。
実施例11
容器内温度を150℃とした以外は、実施例6と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は8.0gであり、釜残物は7.0gであった。
容器内温度を150℃とした以外は、実施例6と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は8.0gであり、釜残物は7.0gであった。
実施例12
エントレーナーとしてトルエンの添加量を1mol%とした以外は、実施例6と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は5.0gであり、釜残物は10.0gであった。
エントレーナーとしてトルエンの添加量を1mol%とした以外は、実施例6と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は5.0gであり、釜残物は10.0gであった。
実施例13
エントレーナーとしてトルエンの添加量を10mol%とした以外は、実施例6と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は13.0gであり、釜残物は2.0gであった。
エントレーナーとしてトルエンの添加量を10mol%とした以外は、実施例6と同様な操作を行った。6時間後の抽出物は13.0gであり、釜残物は2.0gであった。
実施例14
マグネチックスターラーを付した容量50mLの耐圧容器に、ビスフェノールFエポキシ樹脂15gを装入し、容器の温度調整を行い、容器内温度が80℃になったのを確認し、二酸化炭素を圧力30MPa、流速5.0mL/minで容器中に15時間流通させた。15時間後の抽出物は7.5g、釜残物は7.5gであった。引き続いて、上記と同じ温度、圧力及び流速で5mol%のトルエンを添加した二酸化炭素を6時間流通させた。6時間後の抽出液からトルエンを留去して得られた抽出物は2.0g、釜残物は5.5gであった。更に、引き続いて、上記温度、圧力及び流速を維持したまま、トルエンの添加量を10mol%とした二酸化炭素を6時間流通させた。6時間後の抽出液からトルエンを留去して得られた抽出物は2.0gであった。最終的に容器に残存した釜残物は3.5gであった。表3には、トルエンの添加量10mol%流通させたときの抽出物2.0gと釜残物3.5gのGPC組成を示す。
マグネチックスターラーを付した容量50mLの耐圧容器に、ビスフェノールFエポキシ樹脂15gを装入し、容器の温度調整を行い、容器内温度が80℃になったのを確認し、二酸化炭素を圧力30MPa、流速5.0mL/minで容器中に15時間流通させた。15時間後の抽出物は7.5g、釜残物は7.5gであった。引き続いて、上記と同じ温度、圧力及び流速で5mol%のトルエンを添加した二酸化炭素を6時間流通させた。6時間後の抽出液からトルエンを留去して得られた抽出物は2.0g、釜残物は5.5gであった。更に、引き続いて、上記温度、圧力及び流速を維持したまま、トルエンの添加量を10mol%とした二酸化炭素を6時間流通させた。6時間後の抽出液からトルエンを留去して得られた抽出物は2.0gであった。最終的に容器に残存した釜残物は3.5gであった。表3には、トルエンの添加量10mol%流通させたときの抽出物2.0gと釜残物3.5gのGPC組成を示す。
実施例15
抽出装置として内径10mm、塔長1.8mのSUS管からなる管型の抽出装置を使用した。このSUS管を縦型に用い、圧力30MPa、塔すべてを温度80℃に保ちながら、管の上部よりビスフェノールF型エポキシ樹脂を、流速0.1mL/minで流入し、塔下部よりCO2を5.0mL/minでそれぞれ連続的に流入し、向流接触させた。このときのS/F比(塔に流入したCO2のモル数/塔に流入したエポキシ樹脂のモル数)=200とした。40分間連続的に向流接触させた後、塔上部より流出した抽出液から抽出物である上部排出物8gを回収し、塔下部より抽出残分である下部排出物8gを回収した。
表4に、実施例15〜20で得られた上部排出物と下部排出物のGPC組成を示す。
抽出装置として内径10mm、塔長1.8mのSUS管からなる管型の抽出装置を使用した。このSUS管を縦型に用い、圧力30MPa、塔すべてを温度80℃に保ちながら、管の上部よりビスフェノールF型エポキシ樹脂を、流速0.1mL/minで流入し、塔下部よりCO2を5.0mL/minでそれぞれ連続的に流入し、向流接触させた。このときのS/F比(塔に流入したCO2のモル数/塔に流入したエポキシ樹脂のモル数)=200とした。40分間連続的に向流接触させた後、塔上部より流出した抽出液から抽出物である上部排出物8gを回収し、塔下部より抽出残分である下部排出物8gを回収した。
表4に、実施例15〜20で得られた上部排出物と下部排出物のGPC組成を示す。
実施例16
塔上部(塔上部より、0.6mの部分)の温度を40℃とした以外は、実施例15と同様な操作を行なった。40分後の、上部排出物は6gであり、下部排出物は10gであった。
塔上部(塔上部より、0.6mの部分)の温度を40℃とした以外は、実施例15と同様な操作を行なった。40分後の、上部排出物は6gであり、下部排出物は10gであった。
実施例17
塔上部(塔上部より、0.6mの部分)の温度を150℃とした以外は、実施例15と同様な操作を行なった。40分後の、上部排出物は7gであり、下部排出物は9gであった。
塔上部(塔上部より、0.6mの部分)の温度を150℃とした以外は、実施例15と同様な操作を行なった。40分後の、上部排出物は7gであり、下部排出物は9gであった。
実施例18
塔下部より、5mol%のトルエンを含んだCO2を連続的に流通させた以外は、実施例15と同様な操作を行なった。40分後の上部排出物は15gであり、下部排出物は1gであった。
塔下部より、5mol%のトルエンを含んだCO2を連続的に流通させた以外は、実施例15と同様な操作を行なった。40分後の上部排出物は15gであり、下部排出物は1gであった。
実施例19
塔下部より、5mol%のトルエンを含んだCO2を連続的に流通させた以外は、実施例16と同様な操作を行なった。40分後の上部排出物は13gであり、下部排出物は3gであった。
塔下部より、5mol%のトルエンを含んだCO2を連続的に流通させた以外は、実施例16と同様な操作を行なった。40分後の上部排出物は13gであり、下部排出物は3gであった。
実施例20
塔下部より、5mol%のトルエンを含んだCO2を連続的に流通させた以外は、実施例17と同様な操作を行なった。40分後の上部排出物は14gであり、下部排出物は2gであった。
塔下部より、5mol%のトルエンを含んだCO2を連続的に流通させた以外は、実施例17と同様な操作を行なった。40分後の上部排出物は14gであり、下部排出物は2gであった。
比較例1
実施例1で使用した同じビスフェノールF型エポキシ樹脂を使用し、このエポキシ樹脂15gを10mLの2−ブタノンに溶解させてエポキシ樹脂溶液とした。続いて、攪拌しながら100mLのヘキサン中に、上記エポキシ樹脂溶液をゆっくりと滴下すると、粘性体の析出物を1g得た。更に、上澄みを濃縮して濃縮物14gを得た。
表5に、比較例1〜4で得られた溶解物(濃縮物又は抽出物)と析出物(釜残物)のGPC組成を示す。
実施例1で使用した同じビスフェノールF型エポキシ樹脂を使用し、このエポキシ樹脂15gを10mLの2−ブタノンに溶解させてエポキシ樹脂溶液とした。続いて、攪拌しながら100mLのヘキサン中に、上記エポキシ樹脂溶液をゆっくりと滴下すると、粘性体の析出物を1g得た。更に、上澄みを濃縮して濃縮物14gを得た。
表5に、比較例1〜4で得られた溶解物(濃縮物又は抽出物)と析出物(釜残物)のGPC組成を示す。
比較例2
100mLのヘキサンに代えて100mLのメタノールを使用した他は、比較例1と同様な操作を行なった。析出物は1gであり、溶解物は14gであった。
100mLのヘキサンに代えて100mLのメタノールを使用した他は、比較例1と同様な操作を行なった。析出物は1gであり、溶解物は14gであった。
比較例3
10mLの2−ブタノンに代えて10mLのトルエンを使用した他は、比較例1と同様な操作を行なった。析出物は1gであり、溶解物は14gであった。
10mLの2−ブタノンに代えて10mLのトルエンを使用した他は、比較例1と同様な操作を行なった。析出物は1gであり、溶解物は14gであった。
比較例4
100mLのヘキサンに代えて100mLのメタノールを使用し、10mLの2−ブタノンに代えて10mLのトルエンを使用した他は、比較例1と同様な操作を行なった。析出物は1gであり、溶解物は14gであった。
100mLのヘキサンに代えて100mLのメタノールを使用し、10mLの2−ブタノンに代えて10mLのトルエンを使用した他は、比較例1と同様な操作を行なった。析出物は1gであり、溶解物は14gであった。
実施例21
3核体を含んだビスフェノールF型フェノール樹脂(以下、ビスフェノールF樹脂という。)の分子量分画は、半回分式抽出装置を用いて行った。マグネチックスターラーを付した容量50mLの耐圧容器に、ビスフェノールF樹脂15gを入れ、容器の温度調整を行い、容器内温度が80℃になったのを確認し、二酸化炭素を圧力30MPa、流速5.0mL/minで容器中に6時間流通させた。この際、エントレーナーとしてエタノールを二酸化炭素に対し2mol%添加した。6時間後の抽出液からエタノールを分離して得られた抽出物は1.0gであり、容器に残存した(釜残)ビスフェノールF樹脂は、14.0gであった。抽出物と釜残物の分析は、HPLCにて行った。
表6〜7に、実施例21〜23で得られた抽出物と釜残物のHPLC組成を示す。なお、抽出物の構造は1H NMRで、ビスフェノールF樹脂であることを同定した。表5中、三核体A及びBは、3核体の異性体を示す。また、p,p'‐体、o,p'-体及びo,o'-体は2核体の異性体を示す。
3核体を含んだビスフェノールF型フェノール樹脂(以下、ビスフェノールF樹脂という。)の分子量分画は、半回分式抽出装置を用いて行った。マグネチックスターラーを付した容量50mLの耐圧容器に、ビスフェノールF樹脂15gを入れ、容器の温度調整を行い、容器内温度が80℃になったのを確認し、二酸化炭素を圧力30MPa、流速5.0mL/minで容器中に6時間流通させた。この際、エントレーナーとしてエタノールを二酸化炭素に対し2mol%添加した。6時間後の抽出液からエタノールを分離して得られた抽出物は1.0gであり、容器に残存した(釜残)ビスフェノールF樹脂は、14.0gであった。抽出物と釜残物の分析は、HPLCにて行った。
表6〜7に、実施例21〜23で得られた抽出物と釜残物のHPLC組成を示す。なお、抽出物の構造は1H NMRで、ビスフェノールF樹脂であることを同定した。表5中、三核体A及びBは、3核体の異性体を示す。また、p,p'‐体、o,p'-体及びo,o'-体は2核体の異性体を示す。
実施例22
エントレーナーとしてトルエンを2mol%添加した以外は、実施例21と同様な操作を行った。6時間後、トルエンを留去し、抽出されたビスフェノールF樹脂は1.5gであった。また、容器に残存したビスフェノールF樹脂は13.5gであった。
エントレーナーとしてトルエンを2mol%添加した以外は、実施例21と同様な操作を行った。6時間後、トルエンを留去し、抽出されたビスフェノールF樹脂は1.5gであった。また、容器に残存したビスフェノールF樹脂は13.5gであった。
実施例23
3核体を含んだビスフェノールF樹脂の分子量分画は、超臨界CO2向流抽出塔を用いて以下のように行った。
内径10mm、塔頂1.8mのSUS管を用い、圧力30MPa、塔すべてを温度80℃に保ちながら、SUS管の上部より3核体を含んだビスフェノールF樹脂を、流速0.1mL/minで流入し、塔下部より、CO2に対し2mol%のエタノールを含んだ超臨界流体を5.0mL/minでそれぞれ連続的に流入し、向流接触させた。S/F比(塔に流入したCO2のモル数/塔に流入したビスフェノールF樹脂のモル数)は200とした。40分後、塔上部より抽出されたビスフェノールF樹脂8gと、塔下部より排出物(釜残)8gを採取した。
3核体を含んだビスフェノールF樹脂の分子量分画は、超臨界CO2向流抽出塔を用いて以下のように行った。
内径10mm、塔頂1.8mのSUS管を用い、圧力30MPa、塔すべてを温度80℃に保ちながら、SUS管の上部より3核体を含んだビスフェノールF樹脂を、流速0.1mL/minで流入し、塔下部より、CO2に対し2mol%のエタノールを含んだ超臨界流体を5.0mL/minでそれぞれ連続的に流入し、向流接触させた。S/F比(塔に流入したCO2のモル数/塔に流入したビスフェノールF樹脂のモル数)は200とした。40分後、塔上部より抽出されたビスフェノールF樹脂8gと、塔下部より排出物(釜残)8gを採取した。
1:CO2導入ポンプ 2:エントレーナー導入ポンプ 3:混合器 4:予熱部 5:耐圧容器 6:マグネチックスターラー 8:圧力制御弁 9:サンプリング容器
Claims (9)
- 1分子中にフェノール性水酸基又はエポキシ基を2個以上持つ原料樹脂を、超臨界又は亜臨界状態の流体と接触させて、低分子量の樹脂成分を該流体中に移行させる第一の工程と、第一の工程で分子量分画された樹脂を回収する第二の工程を有することを特徴とする樹脂の分子量分画方法。
- 前記第一の工程において、原料樹脂と超臨界又は亜臨界状態の流体を連続的に向流接触させる請求項1に記載の分子量分画方法。
- 超臨界又は亜臨界状態の流体が二酸化炭素流体である請求項1又は2に記載の分子量分画方法。
- 超臨界又は亜臨界状態の流体が更に有機溶媒を含む請求項3に記載の分子量分画方法。
- 1分子中にフェノール性水酸基又はエポキシ基を2個以上持つ原料樹脂を、超臨界又は亜臨界状態の流体と接触させて、低分子量の樹脂成分を該流体中に移行させる第一の工程と、第一の工程で分子量分画された樹脂を回収する第二の工程を有することを特徴とする分子量分画された1分子中にフェノール性水酸基又はエポキシ基を2個以上持つ樹脂の製造方法。
- 原料樹脂が、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上持つフェノール樹脂である請求項1に記載の分子量分画された樹脂の製造方法。
- フェノール樹脂が、ノボラック型、ビスフェノールF型又はビスフェノールA型のフェノール樹脂である請求項6に記載の分子量分画された樹脂の製造方法。
- 原料樹脂が、1分子中にエポキシ基を2個以上持つエポキシ樹脂である請求項1に記載の分子量分画された樹脂の製造方法。
- エポキシ樹脂が、ビスフェノールF型又はビスフェノールA型のエポキシ樹脂である請求項1記載の分子量分画された製造方法。
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JP2009005971A JP2010163524A (ja) | 2009-01-14 | 2009-01-14 | 分子量分画された樹脂の製造方法及び分画方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018044130A (ja) * | 2016-09-16 | 2018-03-22 | 上野製薬株式会社 | ジグリシジル化合物の精製方法 |
-
2009
- 2009-01-14 JP JP2009005971A patent/JP2010163524A/ja not_active Withdrawn
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