JP2010163492A - 架橋発泡用組成物及び架橋発泡体、並びにそれを用いた履物及び積層体 - Google Patents

架橋発泡用組成物及び架橋発泡体、並びにそれを用いた履物及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】耐低温硬化性、低反撥弾性(衝撃吸収性)、剥離強度、耐圧縮永久歪及び軽量化に優れた架橋発泡体、履物、積層体及びそれらを与えうる架橋発泡用組成物を提供すること。
【解決手段】(A)tanδピーク温度が−15℃以上15℃未満である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位を主体とする共重合体の水素添加共重合体と、(B)tanδピーク温度が15℃以上である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位を主体とする共重合体の水素添加共重合体と、(C)ショアーA硬度が70度以上であるエチレン系共重合体10〜60質量%と、(D)架橋剤と、(E)発泡剤と、を含有し、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計に対する、(A)成分と(B)成分の合計が、40〜90質量%である、架橋発泡用組成物とすること。
【選択図】なし

Description

本発明は、架橋発泡用組成物及び架橋発泡体、並びにそれを用いた履物及び積層体に関する。
架橋発泡体は、軽量かつ柔軟であり、機械強度が高い材料として、履物用材料や、各種日用品や、包装用材料等として幅広く用いられている。近年、衝撃吸収体用のベースポリマーとしては、ポリスチレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂や、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のエラストマーが用いられている。
例えば、特許文献1には、衝撃吸収発泡体用のポリマーとして、共役ジエンと芳香族ビニルモノマーからなるtanδピークが−20〜40℃の範囲にある共重合体と、共役ジエンと芳香族ビニルモノマーからなるtanδピークが−70〜20℃の範囲にある共重合体との組合せが提案されている。
特開平05−345833号公報
しかし、衝撃吸収体等として用いられる架橋発泡体の性能は必ずしも十分ではない。軽量かつ柔軟であるだけでなく、各種物性のバランスに優れた架橋発泡体が求められている。例えば、履物用の衝撃吸収体等として用いる場合であれば、軽量かつ柔軟であるだけでなく、寒冷地等でも使用できるための耐低温硬化性や、靴底に用いられるソールとして着地時の衝撃を緩和するための低反撥弾性や、剥離強度や圧縮永久歪等の機械的強度にも優れていることが求められているが、これらの物性を満たし得る架橋発泡体の開発は十分ではない。
そこで、本発明は、耐低温硬化性、低反撥弾性(衝撃吸収性)、剥離強度、耐圧縮永久歪及び軽量化に優れた架橋発泡体、履物、積層体及びそれらを与えうる架橋発泡用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定のtanδのピーク温度を有する共役ジエン単位とビニル芳香族単位を主体とする、2種類の水素添加共重合体と、特定のショアーA硬度であるエチレン系共重合体と、架橋剤と、発泡剤とを含む架橋発泡用組成物とすることで、耐低温硬化性、低反撥弾性(衝撃吸収性)、剥離強度、耐圧縮永久歪及び軽量化に優れた架橋発泡体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のものを提供する。
[1](A)tanδピーク温度が−15℃以上15℃未満である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とを主体とする共重合体の水素添加共重合体と、(B)tanδピーク温度が15℃以上である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とを主体とする共重合体の水素添加共重合体と、(C)ショアーA硬度が70度以上であるエチレン系共重合体10〜60質量%と、(D)架橋剤と、(E)発泡剤と、を含有し、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計に対する、(A)成分と(B)成分の合計が、40〜90質量%である、架橋発泡用組成物。
[2](F)無機充填剤を更に含有する、[1]に記載の架橋発泡用組成物。
[3]架橋発泡用組成物において、(D)成分の含有量が、0.05〜3質量%であり、(E)成分の含有量が、0.2〜15質量%であり、(F)成分の含有量が、0〜20質量%である、[1]又は[2]に記載の架橋発泡用組成物。
[4](C)成分のショアーA硬度が75度以上である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[5](C)成分が、エチレン・α−オレフィン共重合体である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[6]架橋発泡用組成物の総量に対する、(F)成分の含有量が、0〜10質量%である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[7](A)成分の含有量が、(B)成分の含有量よりも多い、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[8](A)成分及び/又は(B)成分が、水素添加前に含まれる不飽和基の10〜70mol%が水素添加された水素添加共重合体である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[9](A)成分及び/又は(B)成分が、ビニル芳香族単位を主体とする重合体ブロックと、ビニル芳香族単位と共役ジエン単位とを主体とする水素添加共重合体ブロックと、を含む、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[10](A)成分及び/又は(B)成分が、ビニル芳香族の含有量が異なる、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とからなる水素添加共重合体ブロックを、成分中に2以上含有する、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[11](A)成分のtanδピーク温度の少なくとも一つが、−5℃以上15℃未満である、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[12](B)成分のtanδピーク温度の少なくとも一つが、15℃以上35℃以下である、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[13](A)成分及び/又は(B)成分が、逐次重合から得られる直鎖状構造を有する、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[14](A)成分と(B)成分と(C)成分の合計に対して、(A)成分の含有量(A/(A+B+C))が、30〜65質量%以下であり、(B)成分の含有量(B/(A+B+C))が、15〜50質量%以下であり、(C)成分の含有量(C/(A+B+C))が、20〜55質量%以下であり、且つ架橋発泡用組成物の総量に対する(D)成分の含有量が、0.2〜1.5質量%であり、架橋発泡用組成物の総量に対する(E)成分の含有量が、0.5〜10質量%である、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
[15][1]〜[14]のいずれか一項に記載の組成物よりなる架橋発泡体。
[16][15]に記載の架橋発泡体を含む履物。
[17][15]に記載の架橋発泡体をミッドソール又はインソールに含む履物。
[18][15]に記載の架橋発泡体と、該架橋発泡体が積層された部材と、を含む積層体。
本発明によれば、耐低温硬化性、低反撥弾性(衝撃吸収性)、剥離強度、耐圧縮永久歪及び軽量化に優れた架橋発泡体、履物、積層体及びそれらを与えうる架橋発泡用組成物とすることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の衝撃吸収架橋発泡用組成物は、(A)tanδピーク温度が−15℃以上15℃未満である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位を主体とする共重合体の水素添加共重合体と、(B)tanδピーク温度が15℃以上である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位を主体とする共重合体の水素添加共重合体と、(C)ショアーA硬度が70度以上であるエチレン系共重合体10〜60質量%と、(D)架橋剤と、(E)発泡剤と、を含有し、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計に対する、(A)成分と(B)成分の合計((A+B)/(A+B+C))が、40〜90質量%である。
<(A)成分と(B)成分>
(A)成分と(B)成分は、いずれも共役ジエン単位とビニル芳香族単位を主体とする共重合体の水素添加共重合体であり、(A)成分のtanδピーク温度は、−15℃以上15℃未満であり、(B)成分のtanδピーク温度は15℃以上である。
(A)成分と(B)成分は、(i)共役ジエン単位と(ii)ビニル芳香族単位を主体とする共重合体の一部又は全部を水素添加することで得られる。
本実施形態における「主体」とは、当該単量体単位を60質量%以上含有することをいい、85質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましい。
(i)共役ジエン単位とは、1対の共役二重結合を有するジオレフィンである。共役ジエン単位の種類は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、ミルセン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ペンタジエン、3−フェニル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、3−メチル− 1,3−ヘキサジエン、2−ベンジル−1,3−ブタジエン、2−p−トリル−1,3−ブタジエン、又はこれらの混合物等が挙げられる。それらの中でも、経済性の観点から、1,3−ブタジエンとイソプレンが好ましい。剥離強度の観点から、1,3−ブタジエンがより好ましい。本実施形態では、1種単独又は2種以上の共役ジエン単位を用いることができる。(A)成分の共役ジエン単位の種類は、(B)成分の共役ジエン単位と同じでもよいし、異なっていてもよい。
(ii)ビニル芳香族単位としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。それらの中でも、経済性の観点から、スチレンが好ましい。本実施形態では、1種単独又は2種以上のビニル芳香族単位を用いることができる。(A)成分のビニル芳香族単位の種類は、(B)成分のビニル芳香族単位と同じでもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態では、(A)成分の少なくとも一つのtanδピーク温度が−15℃以上15℃未満であり、かつ(B)成分の少なくとも一つのtanδピーク温度が15℃以上である。これにより、耐低温硬化性、低反撥弾性(衝撃吸収性)、剥離強度、耐圧縮永久歪及び軽量化の全てにおいて優れた特性を付与できる。
耐低温硬化性と耐圧縮永久歪の観点から、(A)成分のtanδピーク温度の少なくとも一つが、−5℃以上15℃未満であることが好ましく、3℃以上15℃未満がより好ましく、5℃以上15℃未満が更に好ましく、8℃以上15℃未満がより更に好ましい。
低反撥弾性と軽量化の観点から、(B)成分のtanδピーク温度の少なくとも一つが、15℃以上35℃以下であることが好ましい。より好ましい下限値は19℃以上であり、より好ましい上限値は30℃以下であり、更に好ましい下限値は25℃以下である。
(A)成分と(B)成分のtanδピーク温度は、動的粘弾性測定(1Hz)によって求めることができる。より具体的には、動的粘弾性データは、レオメーター装置(例えば、「ARES」(ティーエイインスツルメントー株式会社製))の捻りタイプのジオメトリーを用いて、実効測定長さは25mm、ひずみ0.5%、周波数1Hz、−50℃から50℃まで、昇温速度3℃/分で求めることができる。ピーク温度は、例えば、「RSI Orchestrator」(ティーエイインスツルメントー株式会社製)により求めることができる。
本実施形態において、(A)成分及び(B)成分のtanδ値ピーク温度とピークtanδ曲線形状の制御は、例えば、
(1)(A)成分及び/又は(B)成分中の共役ジエンのビニル含有量を制御すること、
(2)共役ジエンとビニル芳香族化合物の共重合ブロックを含有させること、
(3)共重合体中におけるビニル芳香族単位の濃度に傾斜をつけて、テーパー状、階段状、凹状あるいは凸状等とすること、
(4)ビニル芳香単位を主体とするブロックの分子量分布を大きくすること、
(5)ビニル芳香族単位を主体とするブロックの分子量や含有量の大きさを制御すること、
(6)2種類以上の共役ジエン単位を含む共重合ブロックにすること、
(7)共重合体中の二重結合量を制御すること、の少なくとも一つによって行うことができる。
本実施形態では、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計に対する、(A)成分と(B)成分の含有量の合計((A+B)/(A+B+C))が、40〜90質量%である。この含有量を40質量%以上とすることで、優れた低反撥弾性を得ることができる。この含有量を90質量%以下とすることで、耐低温硬化性、剥離強度及び耐圧縮永久歪みを優れたものにできる。より好ましい下限値は45質量%以上であり、更に好ましくは65質量%以上である。より好ましい上限値は80質量%以下であり、更に好ましくは75質量%以下である。
本実施形態の架橋用組成物における(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計量は、特に限定されず、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。かかる含有量とすることで、低反撥性、剥離強度及び耐圧縮永久歪みを優れたものにすることができる。
(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計に対する(A)成分の含有量は、特に限定されず、耐低温硬化性、剥離強度及び耐圧縮永久歪の観点から10質量%以上が好ましく、低反撥弾性の観点から85質量%以下が好ましい。より好ましくは、20〜70質量%であり、更に好ましくは、30〜65質量%以下であり、より更に好ましくは50〜60質量%である。
(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計に対する(B)成分の含有量は、特に限定されず、低反撥弾性の観点から5質量%以上が好ましく、耐低温硬化性及び耐圧縮永久歪の観点から65質量%以下が好ましい。より好ましくは15〜50質量%であり、更に好ましくは15〜30質量%である。
(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計に対する(C)成分の含有量は、特に限定されず、剥離強度、耐低温硬化性及び軽量化の観点から、10質量%以上が好ましく、低反発弾性と柔軟性の観点から、60質量%以下が好ましい。より好ましくは20〜55質量%以下であり、更に好ましくは20〜45質量%以下である。
本実施形態では、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の関係は特に限定されず、耐低温硬化性と剥離強度の観点から、(A)成分の含有量が(B)成分の含有量よりも多いこと((A)成分の含有量>(B)成分の含有量)が好ましい。
(A)成分と(B)成分について、水素添加共重合体中の共役ジエン単位の水素添加率は、特に限定されず、それぞれ、水素添加前の共役ジエンの全不飽和結合に対して、10〜70mol%が好ましく、15〜50mol%がより好ましく、20〜40mol%が更に好ましい。(A)成分及び(B)成分の水素添加率をかかる範囲とすることで剥離強度や耐圧縮永久歪みを優れたものにできる。
本実施形態では、水素添加共重合体における水素添加率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定できる。
(A)成分と(B)成分について、製造性と剥離強度の観点から、共重合体中に、(ii)ビニル芳香族単位を主体とする重合体ブロックを1以上有することが好ましい。
剥離強度の観点から、(A)成分及び/又は(B)成分において、(ii)ビニル芳香族単位を主体とする重合体ブロックを、水素添加共重合体中に2つ有することが好ましい。
(A)成分と(B)成分について、水素添加共重合体における(ii)ビニル芳香族単位を主体とする重合体ブロック体の総量は、特に限定されず、製造性と剥離強度の観点から5質量%以上が好ましく、柔軟性の観点から40質量%以下が好ましい。より好ましくは、10〜30質量%であり、更に好ましくは12〜25質量%である。
ここで、水素添加共重合体中のビニル芳香族化合物重合体ブロックの含有量は、四酸化オスミウムを触媒として水素添加前の共重合体をtert−ブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法、以下、「四酸化オスミウム酸法」ともいう。)により測定できる。
四酸化オスミウム酸法により得たビニル芳香族化合物重合体ブロックの重量(但し、平均重合度が30以下のビニル芳香族化合物重合体は除かれている。)を用いて、次の式で定義される。
ビニル芳香族化合物重合体ブロックの含有量(質量%)=(水素添加前の共重合体中のビニル芳香族化合物重合体ブロックの質量/水素添加前の共重合体の質量)×100
本実施形態では、(A)成分と(B)成分の分子鎖構造は限定されず、製造性と剥離強度の観点から、(A)成分及び/又は(B)成分が逐次重合から得られる直鎖状構造であることが好ましい。
耐低温硬化性、低反撥弾性(衝撃吸収性)、剥離強度、耐圧縮永久歪及び軽量化の観点から、(A)成分及び/又は(B)成分は、ビニル芳香族単位を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン単位とビニル芳香族単位を主体とする水素添加共重合体ブロックと、を含むことが好ましい。
(A)成分と(B)成分において、共重合体ブロック中の(ii)ビニル芳香族単位の含有比率は、特に限定されず、水素添加共重合体ブロックの総量に対して35〜65質量%が好ましい。
(A)成分と(B)成分において、共役ジエン単位とビニル芳香族単位を主体とする水素添加共重合体ブロック中のビニル芳香族単位の分布は、特に限定されず、均一に分布していてもよいし、テーパー状、階段状、凹状又は凸状等に傾斜をつけた分布であってもよい。
更に、本実施形態では、耐低温硬化性及び低反撥弾性の観点で、(A)成分及び/又は(B)成分が、(ii)ビニル芳香族単位の含有量が異なる、(i)共役ジエン単位と(ii)ビニル芳香族単位からなる水素添加共重合体ブロックを、当該成分中に2個以上含有することが好ましい。これにより、優れた耐低温硬化性及び低反撥弾性とすることができる。
(A)成分と(B)成分について、水素添加前の共重合体における共役ジエン部分のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)は、特に限定されず、後述する極性化合物の使用等によって任意に変えることができる。
水素添加前の共役ジエン中のビニル結合含有量は、特に限定されず、好ましくは、製造性の観点から5%以上であり、機械強度の観点から75%以下である。より好ましいビニル結合含有量は10〜50%であり、更に好ましくは15〜40%であり、より更に好ましくは15%以上30%未満である。
(A)成分と(B)成分において、それぞれの分子中のビニル含有量の分布は特に限定されず、ビニル含有量にばらつきがあってもよい。
「ビニル結合量」とは、水素添加前の共役ジエン単位の1,2−結合又は、3,4−結合と1,4−結合の結合様式で組み込まれているうちの、1,2−結合と3,4−結合で組み込まれているものの割合を意味する。
本実施形態では、共重合体中の共役ジエンに基づくビニル結合量は、核磁気共鳴装置(NMR)より求めることができる。
(A)成分と(B)成分において、それぞれの水素添加共重合体の重量平均分子量は、特に限定されず、架橋発泡体とした際の引張強度等の機械的強度、剥離強度、耐圧縮永久歪性の観点から7万以上が好ましく、成形加工性の観点から50万以下が好ましい。8万〜45万がより好ましく、10万〜40万が更に好ましい。
(A)成分と(B)成分において、水素添加共重合体の分子量分布は、特に限定されず、1.01〜6.00であることが好ましく、成形加工性の観点から1.03〜5.00がより好ましく、1.03〜2.00が更に好ましい。
本実施形態において、共重合体の重量平均分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定(例えば、GPC装置:LC−10(島津製作所製)、カラム:TSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm)2本、溶媒:テトラヒドロフラン)によるポリスチレン換算分子量より求めることができる。
本実施形態において、(A)成分及び(B)成分として用いる共重合体の製造方法は、特に限定されず、公知の手法によって得ることができる。例えば、炭化水素溶媒中で有機アルカリ金属化合物等の開始剤を用いてアニオンリビング重合により得ることができる。
炭化水素溶媒としては、特に限定されず、例えば、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
開始剤としては、特に限定されず、一般的に共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物に対しアニオン重合活性があることが知られている脂肪族炭化水素アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素アルカリ金属化合物、有機アミノアルカリ金属化合物等を用いることができる。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
有機アルカリ金属化合物としては、特に限定されず、好ましくは、炭素数1から20の脂肪族及び芳香族炭化水素リチウム化合物であり、1分子中に1個のリチウムを含む化合物、1分子中に複数のリチウムを含むジリチウム化合物、トリリチウム化合物、テトラリチウム化合物がより好ましい。具体的にはn−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとsec−ブチルリチウムの反応生成物、更にジビニルベンゼンとsec−ブチルリチウムと1,3−ブタジエンの反応生成物等が挙げられる。
水素添加物は、例えば、上記で得られた共重合体を水素添加することにより得ることができる。水素添加触媒としては、特に制限されず、公知であるものを用いることができ、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水素添加触媒、
(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニュウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水素添加触媒、
(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水素添加触媒、等が用いられる。
具体的な水素添加触媒として、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に記載された水素添加触媒を使用できる。
好ましい水素添加触媒としてはチタノセン化合物及び/又は還元性有機金属化合物との混合物が挙げられる。
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物を用いることができる。具体的には、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格又はフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上もつ化合物が挙げられる。
還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等が挙げられる。
本実施形態では、必要に応じて、(A)成分又は(B)成分に、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団を結合させてもよい。
本実施形態では、(C)ショアーA硬度が70度以上であるエチレン系共重合体を10〜60質量%含有すればよいが、10〜45質量%含有することが好ましい。本実施形態の要旨の範囲内であれば、(C)成分以外の成分として、ショアーA硬度が70度未満のエチレン系共重合体を含有していてもよい。
(C)成分は、剥離強度と軽量化の観点から、ショアーA硬度が75度以上のエチレン系共重合体を含有することが好ましく、80度以上のエチレン系共重合体がより好ましく、83度以上のエチレン系共重合体が更に好ましい。
本実施形態では、ショアーA硬度の測定は、ASTM−D2240に準拠して行い、例えば、Asker Cタイプ デュロメーター硬度計を用いて測定できる。
(C)成分は、エチレンを構成単位として含む共重合体である。エチレン系共重合体としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、エチレンの重合体であるポリエチレン(PE)、エチレンと酢酸ビニルとを共重合させて得られるエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、及びエチレンと炭素原子数3〜10のα−オレフィンとからなる低結晶性のランダム共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレンとα−オレフィンを含むブロック共重合体(例えば、ハードセグメントが結晶性ポリエチレンで、ソフトセグメントがエチレン−オクテンのランダムブロックからなるマルチブロック共重合体)等が挙げられる。これらのエチレン系共重合体は単独でも2種類以上組み合わせても用いることができる。
本実施形態において、ポリエチレンを用いる場合は、その種類は限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、高密度ポリエチレン、超高分子量高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等が挙げられる。
本実施形態では、エチレンと、エチレン以外の2種以上の化合物からなる3種以上の共重合体であってもよい。例えば、エチレンと、2種のα−オレフィンとからなる共重合体(ターポリマー)等が挙げられる。
本実施形態の架橋発泡用組成物の機械強度を更に向上させるために、(C)成分には、エチレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。
本実施形態の架橋用発泡用組成物を他の材料と接着するために、接着剤を使用するとき、特に水系の接着剤を使用するときは、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を併用することが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体及びエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を併用してもよい。
本実施形態で用いることができるエチレン・α−オレフィン共重合体は特に限定されず、市販のものを用いることができる。例えば、タフマー(三井化学社製)、エンゲージ(ダウ社製)、インフューズ(ダウ社製)等が挙げられる。
本実施形態で用いることができるエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)は特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、EVAFLEX(Dupont社製)、LEVAPREN(LANXESS社製)等が挙げられる。
(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計に対する(C)の含有量は、特に限定されず、剥離強度、耐低温硬化性及び軽量化の観点から10質量%以上が好ましく、低反撥弾性や柔軟性の観点から60質量%以下が好ましい。より好ましくは、20質量%以上55質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以上45質量%以下である。
本実施形態の架橋発泡用組成物は、(D)架橋剤を含有する。
本実施形態において(D)成分として用いることができる架橋剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、有機過酸化物、硫黄系化合物、フェノール樹脂系化合物、キノイド系化合物、ビスマレイミド系化合物、イソシアネート系化合物、チウラム系化合物、モルフォリンジスルフィド、ヒドロシリコーン系化合物等が挙げられる。それらの中でも、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、例えば、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド等が挙げられる。
本実施形態では架橋発泡用組成物中における(D)成分の含有量は、特に限定されず、機械強度、耐圧縮永久歪及び発泡性の観点から、0.05質量%以上が好ましく、柔軟性や機械強度の観点から、3質量%以下が好ましい。より好ましくは、0.2質量%以上、1.5質量%以下であり、更に好ましくは0.3質量%以上、1.0質量%以下である。
本実施形態の架橋発泡用組成物は、(E)発泡剤を含有する。
本実施形態において(E)成分として用いることができる発泡剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン等の有機系熱分解型発泡剤、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機系熱分解型発泡剤等が好ましい。それらの中でも、剥離強度や耐圧縮永久歪みの観点から、アゾジカルボンアミド(ADCA)及び炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
架橋発泡用組成物中における(E)成分の含有量は、特に限定されず、軽量化の観点から0.2質量%以上が好ましく、剥離強度と耐圧縮永久歪の観点から15質量%以下が好ましい。より好ましくは、0.3質量%以上10質量%以下であり、更に好ましくは0.5質量%以上10質量%以下であり、より更に好ましくは0.8質量%以上5.0質量%以下である。
本実施形態では、(F)無機充填剤を含有させることが好ましい。無機充填剤を含有させることで、発泡性や形状安定性を更に向上させることができる。
(F)成分の含有量は、特に限定されず、軽量化と剥離強度の観点から20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。
(F)成分として用いることができる無機充填剤は、熱可塑性樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、シリカ、タルク、マイカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、珪藻土、グラファイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機充填剤、カーボンブラック等が挙げられる。
本実施形態の架橋発泡用組成物には、必要に応じて、本実施形態の目的を損なわない範囲で、他の成分を含有させてもよい。本実施形態で含有させることができる他の成分としては、特に限定されず、例えば、他の重合体、架橋助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、難燃剤、塩酸吸収剤、顔料、有機金属化合物等の各種添加剤が挙げられる。
他の重合体としては、例えば、低反撥弾性、耐低温硬化性あるいは製造時の加工性の観点から、ブチルゴムや臭素化ブチルゴムを用いることができる。
架橋助剤としては、例えば、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン−N,N’−m−フェニレンジマレイミド等のペルオキシ架橋用助剤;ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC);エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー;ビニルブチラート、ビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマーが挙げられる。それらの中でも、剥離強度の観点から、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
剥離強度や耐圧縮永久歪の観点から、周期律表2〜12族から選ばれる金属を含む有機金属化合物を添加してもよい。具体的には、ジアクリル酸亜鉛(ZDA)やジメタクリル酸亜鉛(ZDMA)が好ましく、これらの有機金属化合物を添加することで、得られる架橋発泡体のゲル分率が上昇し、発泡セルを微細かつ均一にすることができる。
必要により、加工性を改良するために軟化剤を配合してもよい。軟化剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。好ましくは、鉱物油又は液状もしくは低分子量の合成軟化剤である。それらの中でも、ゴムの軟化、増容及び加工性向上に用いられるプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤が好ましい。
鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン鎖の混合物である。パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上のものがパラフィン系と呼ばれる。ナフテン環の炭素数が全炭素中30〜45%のものがナフテン系と呼ばれる。芳香族炭素数が全炭素中30%を超えるものが芳香族系と呼ばれる。それらの中でも、ナフテン系及び/又はパラフィン系の軟化剤が更に好ましい。
合成軟化剤は、例えば、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン流動パラフィン等が挙げられるが、上記鉱物油系ゴム用軟化剤がより好ましい。
本実施形態における軟化剤の配合量は、特に限定されず、水素添加共重合体100質量部に対して0〜100質量部が好ましく、0〜20質量部がより好ましい。
本実施形態では、その他にも、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤、離型剤、有機ポリシロキサン、ミネラルオイル等の可塑剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系、硫黄系及びアミン系熱安定剤等の酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の着色剤等を用いることができ、例えば、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に記載されたものを適宜に用いてもよい。
本実施形態に係る架橋発泡用組成物は、上述した割合でヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ロール、押出機等の混練機を用いて、(D)架橋剤及び(E)発泡剤が分解しない温度にて溶融混合し、調製できる。本実施形態では、混合の方法は特に限定されず、例えば、(D)成分と(E)成分以外の成分をあらかじめ混合した後に、(D)成分と(E)成分を添加し混合してもよい。
また、本実施形態の架橋発泡用組成物の形状は特に限定されず、適宜に所望の形状に成形することができる。例えば、ペレット状、シート状(フィルム状というときもある。)、ストランド状、チップ状等にすることができる。
具体的には、本実施形態の架橋発泡用組成物は、混合物を造粒機等によってペレット状に調製できる。あるいは、このようにして得られた架橋発泡用組成物のペレットを、押出機やカレンダー成形機を用いて調製することで、シート状とすることできる。その他にも、架橋発泡用組成物の各成分をブラベンダー等で混練した後、カレンダーロールでシート状に成形する方法、プレス成形機でシート化する方法、押出機を用いて混練した後Tダイ又は環状ダイを通してシート化する方法等が挙げられる。これにより、未架橋かつ未発泡状態の発泡性シートを調製できる。
本実施形態の架橋発泡用組成物を架橋発泡させることで、架橋発泡体とすることができる。本実施形態の架橋発泡体は、耐低温硬化性、低反撥弾性(衝撃吸収性)、剥離強度、耐圧縮永久歪及び軽量化に優れる。
本実施形態では、架橋発泡用組成物をプレス成形又は射出成形することによって架橋発泡させることができる。例えば、ペレット状にした架橋発泡用組成物を用いて、所定の型にインジェクション架橋発泡成形することに好適である。
ここで、本実施形態の架橋発泡用組成物をシート化した一例について述べる。
上記方法等によってシート化された本実施形態の架橋発泡用組成物を金型の容積に対して1.0〜1.2倍の範囲の大きさに裁断し、120〜200℃に保持された金型内に挿入する。金型の型締め圧力は30〜300kgf/cm2、保持時間10〜90分の条件下で加圧溶融して、架橋反応と発泡剤の分解を行なった後、金型を開放して組成物を発泡させることによって、一次架橋発泡体を作製できる。
一次架橋発泡体を作成する際の架橋発泡用金型の形状は、特に制限はされないが、シートが得られるような形状の金型が用いられる。この架橋発泡用金型は、樹脂の溶融時や発泡剤の分解時に発生するガスが抜けないように、完全に密閉された構造であることが好ましい。また、型枠としては、内面にテーパーが付いている型枠が樹脂の離型性の観点から好ましい。
本実施形態では、必要に応じて、一次架橋発泡体を圧縮成形することによって、所定の形状を付与してもよい。このときの圧縮成形条件は、特に限定されず、例えば、金型温度が120〜200℃、型締め圧力が30〜300kgf/cm2、圧縮時間が5〜60分、圧縮比が1.1〜3.0の範囲である。
本実施形態では、シート状以外にも各種形状や大きさに架橋発泡用組成物を成形して、発泡成形体とすることができる。本実施形態では、得られる発泡成形体や、それを構成する架橋発泡用組成物の形状や大きさは特に制限はなく、シート状以外にも種々の形状に成形できる。
本実施形態の架橋発泡体は、シート(フィルムと呼ばれることもある。)、各種形状の射出成形品、中空成形品、圧空成形品、真空成形品、押出成形品等として活用できる。
具体的には、本実施形態の架橋発泡体は、マンション等の床材、壁材、天井、窓枠、シャッター、ドア、防音壁、屋根材、制振装置、免振面新装置、ダンパー、給水管・排水管等の配管等の建材;制振フィルム、免振シート、防振マット等の転倒防止シート・マット・フィルム;レコードの支持ターンテーブル、CDプレイヤー、マイクホルダー、スピーカーのコーンエッジ、ラジカセ、ミニディスク等の音響機器;コピー機、FAX、プリンター、等のOA機器;携帯電話、モバイルPC等の情報伝達装置等といった不快音や共振音を低減できる部材として用いることができる。
また、テレビ、冷蔵庫、エアコンの室外機やダクト内の音等の家電製品のモーター駆動によって生じる不快音や共振音、自動車のエンジンルームや自動車車内の騒音を低減する部材等として用いることができる。それらの中でも、衝撃吸収性が高いことから、靴等の衝撃吸収発泡体、転倒防止シート・マット・フィルムに好適であり、さらにまた、給水管や排水管等の配管の防音シートとしても好適である。
それらの中でも、本実施形態の架橋発泡体は、履物用材料として好適に用いることができ、履物用材料の中でもミッドソール又はインソールとしてより好適に用いることができる。
ミッドソールやインソール等は、靴底に用いられるソールとして、軽量であるだけでなく、着地時の衝撃を緩和するために低反撥弾性を有する必要があり、かつ靴底がへたらないように耐圧縮永久歪にも優れていることが求められる。更に、寒冷地等で靴を使用する際には耐低温硬化性も求められる。製造時には、所望の形状とするために、成形容易であることも望まれている。かかる観点から、本実施形態の架橋発泡体は、耐低温硬化性、低反撥弾性(衝撃吸収性)、剥離強度、耐圧縮永久歪及び軽量化に優れているため好適である。
本実施形態の靴用ミッドソールは、例えば、成形後に、アウトソールやアッパーを貼り合わせて使用される。本実施形態の靴用インソール(中敷)は、例えば、靴を製造後に、靴内に挿入して使用される。
本実施形態の架橋発泡体と、この架橋発泡体と積層された部材と、を含む積層体等とすることができる。このように、本実施形態では、架橋発泡体と各種材料を積層させた積層体とすることができる。これにより、各種用途に応じて使用することができる。積層される部材は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。
本実施形態では、積層する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、接着剤で貼り合わせたり、金型内で成形と接着を同時に行ったり、積層後に加熱して架橋し接着させること等が挙げられる。
以下の実施例により本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
(I)重合体の特性及び物性の測定
重合体の特性や物性の測定は、次のようにして行った。
(1)スチレン含有量、共役ジエンのビニル結合量、共役ジエン化合物に基づく二重結合の水素添加率
ビニル芳香族単量体単位、ブタジエンの1,4−結合単位及び1,2−結合単位、エチレン単位あるいはブチレン単位量は、核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により測定した。
測定機器は核磁気共鳴装置「JNM−LA400」(JEOL製)を用い、溶媒として重水素化クロロホルムを用い、サンプル濃度50mg/mL、観測周波数は400MHz、化学シフト基準としてテトラメチルシラン(TMS)、パルスディレイ2.904秒、スキャン回数64回、パルス幅45度、測定温度26℃で測定した。
(2)ポリスチレンブロック含有量
水素添加前の共重合体を用い、I.M.Kolthoff,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法に準拠して測定した。共重合体の分解にはオスミウム酸溶液の0.1g/125mL第3級ブタノール溶液を用いた。
(3)重量平均分子量及び分子量分布
共重合体の重量平均分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
測定機器は「LC−10」(島津製作所製、カラム:TSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm)2本、溶媒:テトラヒドロフラン)を用い、市販の標準ポリスチレンによるポリスチレン換算分子量より求めた。
分子量分布は、得られた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)である。
(4)カップリング率
GPC測定の分子量分布を、カップリング前のピーク面積とカップリング後のピーク面積を用いて、カップリング率を求めた。
(5)tanδピーク温度
(A)成分と(B)成分の各tanδピーク温度は、動的粘弾性測定(1Hz)により求めた。具体的には、動的粘弾性データは、試料を、幅10mm、長さ35mmのサイズにカットし、レオメーター装置「ARES」(ティーエイインスツルメントー株式会社製)の捻りタイプのジオメトリーに、試料をセットし、実効測定長さは25mm、ひずみ0.5%、周波数1Hz、−50℃から50℃まで、昇温速度3℃/分で求めた値である。ピーク温度は、「RSI Orchestrator」(ティーエイインスツルメントー株式会社製)の自動測定より求めた。
(II)水素添加共重合体の調製
(1)水素添加触媒の調製
水素添加反応に用いた水素添加触媒Iは、下記の方法で調製した。
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100mmolを添加し、十分に撹拌しながらトリメチルアルミニウム200mmolを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて3日間反応させた。
(2)水素添加共重合体の製造方法
<ポリマー1>
内容積が10Lの撹拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、ブロック共重合体を以下の方法で調製した。
所定量のシクロヘキサンを反応器に仕込んで、70℃に調整した後、全モノマー(反応器に投入したブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの総量)の合計に対して、n−ブチルリチウムの量が0.06質量部となるように、反応器の底部からそれぞれ添加した。更に、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量がn−ブチルリチウム1molに対して0.4molとなるようにN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのシクロヘキサン溶液を添加した。その後、モノマーとして、1ステップ目のスチレン10質量部を含有するシクロヘキサン溶液を5分間で供給し、反応器内温度を70℃に調整した。供給停止後、反応器内温度を70℃に調整しながら15分間反応させた。
次に、2ステップ目のブタジエン17質量部とスチレン10質量部とを含有するシクロヘキサン溶液を、20分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、反応器内温度を70〜80℃に調整した。供給停止後、反応器内温度を70〜80℃に調整しながら5分間反応させた。
更に、3ステップ目のブタジエン20質量部とスチレン35質量部とを含有するシクロヘキサン溶液を40分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、その間の反応器内温度を70〜80℃になるように調整した。供給停止後、反応器内温度を70〜80℃に調整しながら10分間反応させた。
最後に、4ステップ目のスチレン8質量部を含有するシクロヘキサン溶液を5分間で供給し、反応器内温度を70℃に調整した。供給停止後、15分間反応器内温度を70℃に調整しながら反応させた。
重合終了後、n−ブチルリチウム1molに対するメタノールの量が1当量になるように、メタノールのシクロヘキサン溶液を添加し、重合反応を終了した。重合で得られた共重合体を分析したところ、スチレン含有量は63質量%、ポリスチレンブロック含有量は21質量%、ブタジエン部のビニル結合量は21%、重量平均分子量は16万、分子量分布は1.05であった。
バッチカップリング重合で得られた共重合体に、上記水素添加触媒Iを非水素添加共重合体100質量部当たりチタン換算で100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水素添加反応を行った。反応終了後に安定剤として、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.25質量部添加し、共重合体(ポリマー1)を得た。
ポリマー1の水素添加率は36%、メルトフローレート(190℃、2.16kg)は4g/10分、tanδピーク温度は8℃であった。
<ポリマー2>
内容積が10Lの撹拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、ブロック共重合体を以下の方法で調製した。
所定量のシクロヘキサンを反応器に仕込んで、温度70℃に調整した後、全モノマー(反応器に投入したブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの総量)の合計に対して、n−ブチルリチウムの量が0.09質量部となるように反応器の底部からそれぞれ添加した。更に、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量がn−ブチルリチウム1molに対して0.7molとなるようにN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのシクロヘキサン溶液を添加した。その後、モノマーとしてスチレン20質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度24質量%)を10分間で供給し、反応器内温度を70℃に調整した。供給停止後、反応器内温度を70℃に調整しながら15分間反応させた。
次に、ブタジエン33質量部とスチレン47質量部とを含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度24質量%)を60分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、その間の反応器内温度を70〜80℃になるように調整した。供給停止後、反応器内温度を70℃に調整しながら10分間反応させた。
重合終了後、2官能カップリング剤安息香酸エチルの量が、n−ブチルリチウム1molに対して0.5当量になるように安息香酸エチルのシクロヘキサン溶液を添加し、反応機内温度を70℃に調整しながら10分間反応させた。
バッチカップリング重合で得られた共重合体を分析したところ、スチレン含有量は67質量%、ポリスチレンブロック含有量は20質量%、ブタジエン部のビニル結合量は25質量%、カップリング率は50%、重量平均分子量は19万、分子量分布は1.7であった。
バッチカップリング重合で得られた共重合体に、上記水素添加触媒を非水素添加共重合体100質量部当たりチタン換算で100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水素添加反応を行った。反応終了後にメタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.25質量部添加し、水素添加共重合体(ポリマー2)を得た。
ポリマー2の水素添加率は30%、メルトフローレート(190℃、2.16kg)は4g/10分、tanδピーク温度は19℃であった。
<ポリマー3>
内容積が10リットルの撹拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、ブロック共重合体を以下の方法で調製した。
所定量のシクロヘキサンを反応器に仕込んで、温度60℃に調整した後、全モノマー(反応器に投入したブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの総量)の合計に対して、n−ブチルリチウムの量が0.07質量部となるように反応器の底部からそれぞれ添加した。更に、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量がn−ブチルリチウム1molに対して1.6molとなるように、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのシクロヘキサン溶液を添加した。その後、モノマーとしてスチレン7質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度24質量%)を10分間で供給し、反応器内温度を60℃に調整した。供給停止後、15分間反応器内温度を60℃に調整しながら反応させた。
続いて、ブタジエン86質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度24質量%)を100分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、その間の反応器内温度を60〜70℃になるように調整した。供給停止後、10分間反応器内温度を60〜70℃に調整しながら反応させた。
次に、スチレン7質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度24質量%)を10分かけて供給し、その間の反応器内温度を60〜70℃になるように調整し、供給停止後、10分間反応器内温度を60〜70℃に調整しながら反応させた。
バッチ重合で得られた共重合体を分析したところ、スチレン含有量は14質量%、ポリスチレンブロック含有量は14質量%、ブタジエン部のビニル結合量は75質量%、重量平均分子量は15万、分子量分布は1.1であった。
重合終了後、バッチ重合で得られた共重合体に、上記水素添加触媒を非水素添加共重合体100質量部当たりチタン換算で100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水素添加反応を行った。反応終了後にメタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.25質量部添加し、水素添加共重合体(ポリマー3)を得た。
ポリマー3の水素添加率は98%、メルトフローレート(230℃,2.16kg)は3.0g/10分、tanδピーク温度は−19℃であった。
(III)その他の組成
・エチレン系共重合体「ENGAGE8480」(ダウ社製、比重:0.902、ショアーA硬度:89度、ガラス転移温度:−31℃)
・エチレン系共重合体「ENGAGE8180」(ダウ社製、比重:0.863、ショアーA硬度:63度、ガラス転移温度:−55℃)
・発泡剤「エクセラーAK−2」(永和化成工業製、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)/アゾジカルボンアミド(ADCA))
(IV)架橋発泡体の製造
溶融混練機としてニーダーを用いて、表1に示した第一工程の配合成分を混練温度110〜120℃、混練時間15分で混練りした。
次に溶融混練機として2本ロールオープンミルを用いて、第一工程の混練物と表1に示した第二工程の各配合成分とを混練温度約90〜100℃、混練時間10分で混練した。
次に、圧縮成形機を用いて得られた混練物を温度170℃、圧力150kgf/cm2で15分間圧縮し、金型を開放して組成物を発泡させることにより、一次架橋発泡体を作製した。一次発泡体を24時間室温で保管した後に、170℃で15分間、150kgf/cm2の圧力で(圧縮倍率140%〜150%)、10分間保持した。そして、水冷で室温まで冷却し、圧力を開放して、厚み1cmの架橋発泡成形品を得た。実施例1〜4、比較例1〜4についてそれぞれ架橋発泡成形品を製造し、それらの特性を測定した。
(V)架橋発泡成形品の特性の測定
(1)22℃硬度
ASTM−D2240に準拠して、Asker Cタイプ デュロメーター硬度計を用いて、22℃における架橋発泡体の硬度を測定した。
(2)圧縮永久歪
(IV)の架橋発泡成形品を用い、JIS−K6262に準拠して、圧縮永久歪試験を行った。測定条件は、温度50℃、50%圧縮、6時間とした。
(3)剥離強度
(IV)の架橋発泡成形品を用いた。架橋発泡性景品を幅2cmに切断後、厚みの中央部分に切れ込みを入れ、100mm/minの速度で剥離させた。剥離強度は以下の式より求めた。

剥離強度=測定最大剥離強度/2(N/cm)
(4)耐低温硬化性
ASTM−D2240に準拠して、Asker Cタイプ デュロメーター硬度計を用いて、22℃と−5℃における架橋発泡体の硬度を測定し、その硬度変化の幅を評価した。
硬度変化が小さい方がよく、25度以下を「○」とし、25度より大きいと「×」とした。
(5)反撥弾性
(IV)の架橋発泡成形品を用い、スチール製の球(16.3g)を架橋発泡体の試験片上に落下させた。反撥弾性は下記式から求めた。測定温度は22℃であった。

反撥弾性(%)=[HR/H0]×100
0=球の落下高さ
R=球が反撥した高さ
Figure 2010163492
[実施例1〜4、比較例1〜4]
実施例1〜4は、比重が0.31以下であり、22℃硬度(ショアーA硬度)が50度であり、圧縮永久歪が31%以下であり、剥離強度が30N/cm以上であり、耐低温硬化性はすべて「○」であり、反撥弾性は14以下であった。
一方、比較例1〜4は、比重、22℃硬度(ショアーA硬度)、圧縮永久歪、剥離強度、耐低温硬化性、反撥弾性の少なくともいずれかが劣る結果であった。
以上より、本実施例によれば、本実施形態の架橋発泡用組成物は、耐低温硬化性、低反撥弾性(衝撃吸収性)、剥離強度、耐圧縮永久歪及び軽量化に優れた架橋発泡体とできることが示された。
本発明の架橋発泡体、及びそれから得られる架橋発泡体は、シート、各種形状の成形品にして活用できる。例えば、マンション等の建材、各種フィルム、音響機器やOA機器や携帯電話等の機器装置類、家電製品等の各種部材等として幅広い分野で利用できる。特に、本発明の架橋発泡体は、履物用材料として好適であり、特に靴用のミッドソールやインソールとして好適に利用できる。

Claims (18)

  1. (A)tanδピーク温度が−15℃以上15℃未満である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とを主体とする共重合体の水素添加共重合体と、
    (B)tanδピーク温度が15℃以上である、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とを主体とする共重合体の水素添加共重合体と、
    (C)ショアーA硬度が70度以上であるエチレン系共重合体10〜60質量%と、
    (D)架橋剤と、
    (E)発泡剤と、を含有し、
    前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の合計に対する、前記(A)成分と前記(B)成分の合計が、40〜90質量%である、架橋発泡用組成物。
  2. (F)無機充填剤を更に含有する、請求項1に記載の架橋発泡用組成物。
  3. 前記架橋発泡用組成物において、
    前記(D)成分の含有量が、0.05〜3質量%であり、
    前記(E)成分の含有量が、0.2〜15質量%であり、
    前記(F)成分の含有量が、0〜20質量%である、請求項1又は2に記載の架橋発泡用組成物。
  4. 前記(C)成分のショアーA硬度が75度以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
  5. 前記(C)成分が、エチレン・α−オレフィン共重合体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
  6. 前記架橋発泡用組成物の総量に対する、前記(F)成分の含有量が、0〜10質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
  7. 前記(A)成分の含有量が、前記(B)成分の含有量よりも多い、請求項1〜6のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
  8. 前記(A)成分及び/又は前記(B)成分が、水素添加前に含まれる不飽和基の10〜70mol%が水素添加された水素添加共重合体である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
  9. 前記(A)成分及び/又は前記(B)成分が、ビニル芳香族単位を主体とする重合体ブロックと、ビニル芳香族単位と共役ジエン単位とを主体とする水素添加共重合体ブロックと、を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
  10. 前記(A)成分及び/又は前記(B)成分が、ビニル芳香族単位の含有量が異なる、共役ジエン単位とビニル芳香族単位とからなる水素添加共重合体ブロックを、成分中に2以上含有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
  11. 前記(A)成分のtanδピーク温度の少なくとも一つが、−5℃以上15℃未満である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
  12. 前記(B)成分のtanδピーク温度の少なくとも一つが、15℃以上35℃以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
  13. 前記(A)成分及び/又は前記(B)成分が、逐次重合から得られる直鎖状構造を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
  14. 前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の合計に対して、
    前記(A)成分の含有量(A/(A+B+C))が、30〜65質量%以下であり、
    前記(B)成分の含有量(B/(A+B+C))が、15〜50質量%以下であり、
    前記(C)成分の含有量(C/(A+B+C))が、20〜55質量%以下であり、且つ
    前記架橋発泡用組成物の総量に対する前記(D)成分の含有量が、0.2〜1.5質量%であり、
    架橋発泡用組成物の総量に対する前記(E)成分の含有量が、0.5〜10質量%である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の架橋発泡用組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物よりなる架橋発泡体。
  16. 請求項15に記載の架橋発泡体を含む履物。
  17. 請求項15に記載の架橋発泡体をミッドソール又はインソールに含む履物。
  18. 請求項15に記載の架橋発泡体と、該架橋発泡体が積層された部材と、を含む積層体。
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