JP2010162971A - シートベルト用リトラクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シートベルト用リトラクタにおいて、ウェビング加速度感知手段のWSレバー50は、コントロールプレート80によって、ウェビングの巻き取り完了時にステアリングホイール40のウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第1の非作動位置に保持されるように制御されており、自動ロック機構のALRレバー60は、コントロールプレート80によって、ウェビングが全量引き出されてから所定量巻き取られるまでの間、自動ロック機構が作動する第2の作動位置に保持されるように制御されている。
【選択図】図1
Description
また、チャイルドシート等を車両シートにシートベルトで固定するためのシートベルト用リトラクタとして、ウェビングを全量引き出したときに作動し、巻取り途中ではウェビングの引出しを阻止し、ウェビングの全量巻取りで作動解除する自動ロック機構を備えたものが用いられている。
(1)ウェビング加速度感知手段(WS)の誤作動によるもの。
一般的に、ウェビング加速度感知手段は、急速にベルトを引き出すと、マスの慣性でマス側の回転がスピンドルより遅れることで、ロック部材が外に飛び出して、フレームの内歯に噛み込む、という原理を用いている。ところが、急激なウェビング巻き取り後にウェビングが突っ張ると、勢いでマスがスピンドルに対して相対移動してしまい、ロック部材がフレームの内歯に噛んでしまう場合である。
(2)車体加速度感知手段(VSI)の誤作動によるもの。
ウェビングの急速な巻き取り等に伴い車体加速度感知手段に加速度が入力した際に、慣性部材であるボールが動き、レバーが揺動して、ラッチ部材に噛んでロックする場合である。
(3)ロック部材自体の誤作動によるもの。
ウェビングを巻き取った勢いで、ロック部材自体がフレームの内歯に噛んでしまう場合である。
(1) フレームに回転自在に支持され、ウェビングが巻装されるスピンドルと、
前記フレームに係合することで前記スピンドルのウェビング引き出し方向の回転をロックするロック部材と、
前記スピンドルに相対回転可能に支持されると共に、前記スピンドルに対して回転遅れを生じることにより前記ロック部材を作動するステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支される第1の係止手段を有し、所定の速度以上で前記ウェビングが引き出された時に、前記第1の係止手段を第1の作動位置に変位させ、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止するウェビング加速度感知手段と、
前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支される第2の係止手段を有し、前記ウェビングが第1の所定量引き出されてから第2の所定量巻き取られるまでの間、前記第2の係止手段を第2の作動位置に変位させ、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止する自動ロック機構と、
前記スピンドルの回転に応じて前記スピンドルと異なる回転数で回転するコントロールプレートと、
を備え、
前記第1の係止手段は、前記コントロールプレートによって、前記ウェビングの巻き取り完了時に前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第1の非作動位置に保持されるように制御されており、
前記第2の係止手段は、前記コントロールプレートによって、前記ウェビングが第1の所定量引き出されてから第2の所定量巻き取られるまでの間、前記第2の作動位置に保持されるように制御されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
(2) 前記ロック部材は、前記コントロールプレートによって、前記ウェビングの巻き取り完了時に、前記フレームと係合不能となるように制御されていることを特徴とする(1)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(3) 前記フレームに取り付けられたカバー部材の内周面には、前記第1の作動位置にある第1の係止手段及び前記第2の作動位置にある第2の係止手段と係合可能な内歯が形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(4) 前記スピンドルと一体に回転するドライブギアと、前記コントロールプレートと一体に回転し、前記ドライブギアより歯数の少ないドリブンギアと、前記ドライブ及びドリブンギアの両方に噛合するアイドルギアとを有する歯車増速機構をさらに備え、
前記コントロールプレートは、前記歯車増速機構によって前記スピンドルの回転に対して増速回転することを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
(5) 前記ウェビング加速度感知手段は、一端部が前記ステアリングホイールに、他端部が前記第1の係止手段にそれぞれ支持され、前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に向けて付勢するWS用付勢手段を、さらに備え、
前記第1の係止手段は、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するWS用突起部を有し、
前記コントロールプレートは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に保持されるように制御するWS用カムを有することを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
(6) 前記自動ロック機構は、一端部が前記ステアリングホイールに、他端部が前記第2の係止手段にそれぞれ支持されるALR用付勢手段を、さらに備え、
前記第2の係止手段は、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するALR用突起部を有し、
前記コントロールプレートは、前記ウェビングが第1の所定量引き出されたときに該ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記ALR用付勢手段の死点を越えて前記第2の作動位置へスナップ動作させ、前記ウェビングが第2の所定量巻き取られるときに該ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記ALR用付勢手段の死点を越えて前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第2の非作動位置へスナップ動作させるALR用カムを有することを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
(7) 前記ロック部材には、前記ステアリングホイールに形成されたカム孔を貫通するピン部が設けられ、
該カム孔を貫通した前記ピン部には、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するロック部材用突起部を有するキャンセル部材が位置決め固定され、
前記コントロールプレートは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、前記ロック部材用突起部と当接して前記ロック部材を前記フレームと係合不能となるように制御するロック部材用カムを有することを特徴とする(2)から(6)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
また、カム孔41を貫通したカムピン21の先端には、側面にコントロールプレート80に向けて軸方向に延出するロック部材用突起部91を有するキャンセルキャップ90がカムピン21に対して相対回転不能に位置決め固定されている。
図6(a)に示すように、ウェビングの全量格納状態では、WSレバー50の突起部53は、第1のカム86の外周面と当接しており、WSレバー50はステアリングホイール40のウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第1の非作動位置、即ち、ベアリングカバー100の内歯108と係合しない爪52を引っ込めた位置で回転不能に保持される。
具体的に、ロックドック20自体の誤作動によるエンドロックを防止する機能は、ロックドック20のカムピン21、ロック部材用突起部91を有するキャンセルキャップ90、コントロールプレート80の第4のカム89によって行うことができる。
2 バネ式の巻取装置
6 ドライブギア
7 アイドルギア
10 フレーム
20 ロックドック(ロック部材)
30 ラチェットホイール(ラッチ部材)
40 ステアリングホイール
50 WSレバー(第1の係止手段)
53 WS用突起部
60 ALRレバー(第2の係止手段)
62 カムピン(ALR用突起部)
70 慣性体
80 コントロールプレート
81 ドリブンギア
86 第1のカム(WS用カム)
87 第2のカム(ALR用カム)
88 第3のカム(ALR用カム)
89 第4のカム(ロック部材用カム)
90 キャンセルキャップ(キャンセル部材)
91 ロック部材用突起部
110 車体加速度感知手段
120 VSセンサレバー
Claims (7)
- フレームに回転自在に支持され、ウェビングが巻装されるスピンドルと、
前記フレームに係合することで前記スピンドルのウェビング引き出し方向の回転をロックするロック部材と、
前記スピンドルに相対回転可能に支持されると共に、前記スピンドルに対して回転遅れを生じることにより前記ロック部材を作動するステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支される第1の係止手段を有し、所定の速度以上で前記ウェビングが引き出された時に、前記第1の係止手段を第1の作動位置に変位させ、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止するウェビング加速度感知手段と、
前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支される第2の係止手段を有し、前記ウェビングが第1の所定量引き出されてから第2の所定量巻き取られるまでの間、前記第2の係止手段を第2の作動位置に変位させ、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止する自動ロック機構と、
前記スピンドルの回転に応じて前記スピンドルと異なる回転数で回転するコントロールプレートと、
を備え、
前記第1の係止手段は、前記コントロールプレートによって、前記ウェビングの巻き取り完了時に前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第1の非作動位置に保持されるように制御されており、
前記第2の係止手段は、前記コントロールプレートによって、前記ウェビングが第1の所定量引き出されてから第2の所定量巻き取られるまでの間、前記第2の作動位置に保持されるように制御されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。 - 前記ロック部材は、前記コントロールプレートによって、前記ウェビングの巻き取り完了時に、前記フレームと係合不能となるように制御されていることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
- 前記フレームに取り付けられたカバー部材の内周面には、前記第1の作動位置にある第1の係止手段及び前記第2の作動位置にある第2の係止手段と係合可能な内歯が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシートベルト用リトラクタ。
- 前記スピンドルと一体に回転するドライブギアと、前記コントロールプレートと一体に回転し、前記ドライブギアより歯数の少ないドリブンギアと、前記ドライブ及びドリブンギアの両方に噛合するアイドルギアとを有する歯車増速機構をさらに備え、
前記コントロールプレートは、前記歯車増速機構によって前記スピンドルの回転に対して増速回転することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。 - 前記ウェビング加速度感知手段は、一端部が前記ステアリングホイールに、他端部が前記第1の係止手段にそれぞれ支持され、前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に向けて付勢するWS用付勢手段を、さらに備え、
前記第1の係止手段は、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するWS用突起部を有し、
前記コントロールプレートは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に保持されるように制御するWS用カムを有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。 - 前記自動ロック機構は、一端部が前記ステアリングホイールに、他端部が前記第2の係止手段にそれぞれ支持されるALR用付勢手段を、さらに備え、
前記第2の係止手段は、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するALR用突起部を有し、
前記コントロールプレートは、前記ウェビングが第1の所定量引き出されたときに該ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記ALR用付勢手段の死点を越えて前記第2の作動位置へスナップ動作させ、前記ウェビングが第2の所定量巻き取られるときに該ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記ALR用付勢手段の死点を越えて前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第2の非作動位置へスナップ動作させるALR用カムを有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。 - 前記ロック部材には、前記ステアリングホイールに形成されたカム孔を貫通するピン部が設けられ、
該カム孔を貫通した前記ピン部には、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するロック部材用突起部を有するキャンセル部材が位置決め固定され、
前記コントロールプレートは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、前記ロック部材用突起部と当接して前記ロック部材を前記フレームと係合不能となるように制御するロック部材用カムを有することを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
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