JP2010161693A - 色処理装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】入力色値の等色相線がデバイス非依存色空間上で湾曲していることに起因する色相の変動が色域変換に伴って顕著に表れることを抑制する。
【解決手段】任意の色相を表すRGB色空間上の色相値と、同一の色相を表すJCh色空間上の色相値を対応付ける情報を色相制御テーブルに登録しておき、RGB色空間上の色値RGBに対してJCh色空間上で色域変換を行う変換条件を生成するにあたり、或る格子点の色値RGBが表すRGB色空間上の色相Hdevを演算し(72)、色相制御テーブルに登録されている情報に基づき色相Hdevに対応するJCh色空間上の色相h'を線形補間で求め(74)、色値RGBからJCh色空間上の色値JChを求め(76,78)、色値JChのうちの色相hを色相h'置き換える(80)処理を全格子点に対して各々行うことで、色値RGBから色値JChへの変換条件を生成する。
【選択図】図5

Description

本発明は色処理装置及び色処理プログラムに関する。
カラープリンタやモニタ、印刷機、スキャナ等の画像入出力デバイスは色再現域(色域という)等の色再現特性が互いに異なっている。このため、各デバイス間で色を受け渡す場合には、色値入力側のデバイスの色域内に分布している色値を色値出力側のデバイスの色域内の色値に対応付ける色域変換(ガマット(Gamut)マッピングともいう)を含む色処理を行うことで、デバイス毎の色再現特性の相違を補正して色再現の整合をとる必要がある。
上記に関連して特許文献1には、モニタ用RGB画像データに対し、モニタの色域とプリンタの色域の差に応じた色圧縮(色域変換に相当) を行ってプリンタ用CMYK画像データへの変換を行うにあたり、モニタ用RGB画像データによる等色相ラインR、BがCIELAB色空間のab平面でループ状となることに起因して低下するグラデーションの再現性を改善するために、R,Gの色相値HR,HGとしてはモニタに表示される色の測色値から求まる色相値を、C,M,Yの色相値HC,HM,HYとしてはプリンタが印刷した色の測色値から求まる色相値を、Bの色相値HBとしてはユーザが指定した色相値を各々設定しておき、モニタ用RGBデータから色相値HR,HG,HB,HC,HM,HYを基準として色相値を決定する技術が開示されている。
また特許文献2には、特に色再現を制御したい代表色としてRGB色空間における最大彩度色(例えばR,G,B,C,M,Y)を設定し、設定した代表色の色値JChを演算すると共に、代表色に対応する対応色(出力デバイスの色域上の色)を決定し、代表色と黒を結ぶ等色相ラインに対し、明度が変化するにつれ色相を代表色の色相から対応色の色相へ連続的に変化させる色相補正テーブルを設定し、色相補正テーブルを参照して入力信号の色相を補正し、補正後の入力信号に対して色域変換を行う技術が開示されている。
特開2004−147309号公報 特開2008−011293号公報
本発明は、入力色値の等色相線がデバイス非依存色空間上で湾曲していることに起因する色相の変動が色域変換に伴って顕著に表れることを抑制することが可能な色処理装置及び色処理プログラムを得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る色処理装置は、任意の色相を表すデバイス依存色空間上の色相値と、同一の色相を表すデバイス非依存色空間上の色相値と、を対応付ける色相値情報を記憶する記憶手段と、前記デバイス依存色空間上の第1色値を前記デバイス非依存色空間上の第2色値へ変換すると共に、前記記憶手段に記憶されている前記色相値情報に基づき、前記第1色値が表す前記デバイス依存色空間上の色相値から前記デバイス非依存色空間上の対応する色相値を求め、前記第2色値が表す色相値を前記求めた色相値に近づくように補正する色値変換手段と、前記色値変換手段による処理を経た第2色値に対し、前記デバイス非依存色空間上で色域変換を行う色域変換手段と、を含んで構成されている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記色値変換手段は、前記デバイス依存色空間上の複数の第1色値を前記デバイス非依存色空間上の第2色値へ各々変換すると共に、当該変換によって得られた複数の第2色値のうち、対応する前記第1色値が表す前記デバイス依存色空間上の色相値と、前記デバイス非依存色空間上の対応する色相値との色相差が予め定められた閾値よりも大きい第2色値に対してのみ、当該第2色値が表す色相値を前記色相差が前記閾値以下となるように補正する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記記憶手段は、前記色相値情報として、前記デバイス依存色空間上における所定のデバイスの色域外郭上に位置しかつ色相が互いに異なる複数の色値が表す個々の色相について、前記デバイス依存色空間上の色相値と前記デバイス非依存色空間上の色相値とを各々対応付ける前記色相値情報を記憶する。
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の発明において、任意の色相を表すデバイス依存色空間上の色値から、少なくとも前記デバイス非依存色空間上の色相値を演算し、前記デバイス依存色空間上の色相値と前記デバイス非依存色空間上の色相値とを対応付ける処理を、互いに異なる複数の色相について各々行うことで前記色相値情報を生成し、生成した色相値情報を前記記憶手段に記憶させる生成手段を更に備えている。
請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の発明において、前記デバイス依存色空間上の色値は色相を直接表すパラメータを含まない色値であり、前記色値変換手段又は前記生成手段は、前記デバイス依存色空間上の色値から、色相を直接表すパラメータを含む別の色空間の色値における前記パラメータの値を算出し、算出した前記パラメータの値を、前記デバイス依存色空間上の色値が表す前記デバイス依存色空間上の色相値として用いる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れかに記載の発明において、前記デバイス非依存色空間は、色の見えモデルCIECAM02によって規定されるCAM色空間である。
請求項7記載の発明に係る色処理プログラムは、任意の色相を表すデバイス依存色空間上の色相値と、同一の色相を表すデバイス非依存色空間上の色相値と、を対応付ける色相値情報を記憶する記憶手段と接続されたコンピュータを、前記デバイス依存色空間上の第1色値を前記デバイス非依存色空間上の第2色値へ変換すると共に、前記記憶手段に記憶されている前記色相値情報に基づき、前記第1色値が表す前記デバイス依存色空間上の色相値から前記デバイス非依存色空間上の対応する色相値を求め、前記第2色値が表す色相値を前記求めた色相値に近づくように補正する色値変換手段、及び、前記色値変換手段による処理を経た第2色値に対し、前記デバイス非依存色空間上で色域変換を行う色域変換手段として機能させる。
請求項1、7記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、入力色値の等色相線がデバイス非依存色空間上で湾曲していることに起因する色相の変動が色域変換に伴って顕著に表れることを抑制することが可能となる、という効果を有する。
請求項2記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、出力色が入力色に近似する、という効果を有する。
請求項3記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、複数の色相について、入力色値の等色相線がデバイス非依存色空間上で湾曲していることに起因する色相の変動が色域変換に伴って顕著に表れることを抑制することが可能となる、という効果を有する。
請求項4記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、色相値情報が記憶手段に事前に記憶されていない場合にも本発明を適用することができる、という効果を有する。
請求項5記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、デバイス依存色空間上の色値は色相を直接表すパラメータを含まない色値である場合にも本発明を適用できる、という効果を有する。
請求項6記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、入力色値の等色相線がデバイス非依存色空間上で湾曲していることに起因する色相の変動が色域変換に伴って顕著に表れることを抑制する精度を向上させることができる、という効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には本実施形態に係るコンピュータ・システム10の概略構成が示されている。コンピュータ・システム10は、LAN等から成るネットワーク12に、PC(Personal Computer:パーソナル・コンピュータ)等から成る複数台のクライアント端末14と、コンピュータ・システム10に画像(データ)を入力する入力デバイス16と、コンピュータ・システム10から入力された画像データを画像として可視化する出力デバイス18が各々接続されて構成されている。なお、入力デバイス16としては、例えば原稿を読み取って画像データを出力するスキャナが、出力デバイス18としては、例えば入力された画像データが表す画像を用紙へ印刷する画像形成装置(プリンタ、或いはプリンタに複写機やファクシミリ装置としての機能も付加された複合機)が挙げられる。なお、ネットワーク12はインターネット等のコンピュータ・ネットワークにも接続されていてもよい。
ネットワーク12に接続された個々のクライアント端末14は、CPU14A、RAM等から成るメモリ14B、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部14C、ネットワークインタフェース(I/F)部14Dを備えており、ネットワークI/F部14Dを介してネットワーク12に接続されている。また、クライアント端末14には、出力デバイスの1つである表示装置20、入力手段としてのキーボード22及びマウス24が各々接続されている。なお、スキャナ等の入力デバイス16や画像形成装置等の他の出力デバイス18についても、表示装置20と同様にクライアント端末14に直接接続されていてもよい。例えば入力デバイス16としてはスキャナ以外にデジタルスチルカメラ等が挙げられるが、デジタルスチルカメラ等はクライアント端末14に直接接続される。
また、クライアント端末14の記憶部14Cには、OS(Operating System)のプログラム、OS上で動作し入力デバイス16や出力デバイス18を使用する各種のアプリケーション・プログラム、クライアント端末14で次に述べる色変換処理を行うための色変換プログラムが予め各々インストールされており、色変換処理で使用するプロファイル等の色変換条件を登録可能な色変換条件DB(データベース)、色予測モデルのプログラム及びベースデータも各々記憶されている。
次に本実施形態の作用を説明する。本実施形態に係るクライアント端末14には、或る入力デバイス16から入力された画像データや、或る出力デバイス18における画像の出力に用いた画像データを、別のデバイス(出力デバイス18)における画像の出力に用いる場合に、異なるデバイスで再現、或いは取り込まれる画像の色の見えの差を補正する色変換処理を行うために、図2に示す色変換処理部が設けられている。
図2に示すように、本実施形態に係る色変換処理部は、第1色変換における色変換条件を生成する第1色変換条件生成部と、色域変換における変換条件を生成する色域変換条件生成部と、第2色変換における色変換条件を生成する第2色変換条件生成部と、第1色変換条件生成部が色変換条件を生成する際に参照される色相制御テーブルを生成する色相制御テーブル生成部と、入力された画像データに対して色変換処理を行う色変換処理部と、から構成されている。また、第1色変換条件生成部は、より詳しくは、デバイス依存色相算出部、デバイス非依存色相算出部、デバイス非依存色値算出部及び色相補正部から構成されており、色相制御テーブル生成部は、より詳しくは、デバイス依存色相算出部、デバイス非依存色相算出部及びテーブル生成部から構成されている。
色変換処理部は単色毎に補正するための階調カーブ(TRCやガンマ補正など)やCLUT(カラールックアップテーブル)から成り、この色変換処理部には、色変換処理対象の画像データとして、当該画像データの個々の画素の色を特定の第1デバイス(装置)に依存する色空間(第1デバイス依存色空間)上の色値で表す色信号データが入力される。なお、色変換処理対象の色信号データは第1デバイスからクライアント端末14へ入力されるが、例えば第1デバイスがスキャナやデジタルスチルカメラ、表示装置20等である場合、色変換処理対象の色信号データは第1デバイス依存色空間としてのRGB色空間又はsRGB色空間上の色値が入力される。色変換処理部のCLUTには、入出力デバイスに応じて第1色変換、色域変換及び第2色変換を実現する色変換条件(色変換係数)がセットされ、当該色変換条件(色変換係数)に従って入力された色信号データが変換されることで、前述の色変換処理が実現される。なお、色域変換条件生成部は、この色域変換条件生成部で生成された色域変換の変換条件に従って実際に色域変換を行う色変換処理部と共に、本発明に係る色域変換手段に対応している。
以下、各変換処理について説明する。本実施形態に係る第1色変換は、第1デバイス依存色空間上の色値を、特定のデバイス(装置)に依存せず色域変換に適したデバイス非依存色空間上の色値へ変換する色変換である。なお、デバイス非依存色空間としては、観察条件の影響を排除した色の見えを表す色空間が好適であり、例えば色の見えモデルであるCIECAM02によって規定される色空間JChや、色空間JChから求まる色空間Jabがより好ましい。なお、色空間Jabの色属性値a,bは、色空間JChの色属性値C,hから生成したac,bcに相当し、色相及び彩度と相互に変換可能な特徴を有している。また、色の見えモデルCIECAM02に代えて色の見えモデルCIECAM97s等を用いてもよい。
第1色変換条件生成部には、第1デバイス依存色空間上に設定した多数の格子点の各々の色値(第1デバイス依存色空間上の色値)が格子点データとして入力され、第1色変換条件生成部は、入力された格子点データが表す各格子点の色値(第1デバイス依存色空間上の色値)をデバイス非依存色空間上の色値(色変換係数)へ各々変換することで、第1色変換における色変換条件を生成する。なお、ここでいう第1色変換の色変換条件は、第1色変換条件生成部に入力された各格子点の第1デバイス依存色空間上での色値を入力値、変換によって得られた色変換係数(各格子点の第1のデバイス非依存色空間上の色値)を出力値とし、前記入力値を前記出力値へ変換する変換条件を意味している。
なお、第1デバイス依存色空間とデバイス非依存色空間の組合せが、第1デバイス依存色空間上の色値をデバイス非依存色空間上の色値へ直接変換することができない組合せである場合(例えば第1デバイス依存色空間がRGB色空間やsRGB色空間で、デバイス非依存色空間が色空間JChや色空間Jabの場合)、第1色変換条件生成部は、第1デバイス依存色空間上の色値を特定のデバイスに依存しない別の色空間の色値へ一旦変換した後に、デバイス非依存色空間上の色値への再変換を行うことで、第1色変換における色変換条件を生成する。特定のデバイスに依存しない別の色空間としては、例えばCIELAB色空間やCIEXYZ色空間が好適である。また、実際の入出力デバイスの運用形態により、CIECAM02を利用する場合であっても、直接、CIECAM02の色順応モデルを利用してもよいが、色温度変換の仕組みは公知の色順応モデル(BFDやCAT02など)を利用してもよい。例えば、既存のICC profileに導入されているRGB(D65)からCIEXYZ(D50)、またはCIELAB(D50)への色変換を適用後、D50の観察条件を利用してCIECAM02色空間の色値を生成してもよい。これは要求される入出力デバイスの運用に応じて適切に選択することが望ましい。
また、本実施形態に係る第1色変換条件生成部は、詳細は後述するが、上記の変換によって得られたデバイス非依存色空間上の色値に対し、色相制御テーブル生成部によって生成された色相制御テーブルを参照して色相を補正する色相補正処理も行う。
また、本実施形態に係る色域変換は、第1色変換を経た色値を、デバイス毎の色の見えの差(この見えの差は、個々のデバイスの色再現域の相違に起因する)が補正されると共に、デバイス非依存色空間上での色値が、デバイス非依存色空間上での第2デバイスの色再現域内に収まるように変換する色域変換(ガマットマッピングともいう)である。色域変換条件生成部には、第1色変換条件生成部から出力された色変換係数(各格子点のデバイス非依存色空間上の色値)が入力され、色域変換条件生成部は、入力された色変換係数(各格子点のデバイス非依存色空間上の色値)を、所定の変換ルールに従ってデバイス非依存色空間上の新たな色値(色変換係数)へ各々変換することで、色域変換における変換条件を生成する。なお、ここでいう色域変換の変換条件は、色域変換条件生成部に入力された色変換係数を入力値、変換によって得られた新たな色変換係数(各格子点のデバイス非依存色空間上の新たな色値)を出力値とし、前記入力値を前記出力値へ変換する変換条件を意味している。
また、本実施形態に係る第2色変換は、色域変換を経たデバイス非依存色空間上の色値を、出力デバイス(第2デバイス)に依存する色空間(第2デバイス依存色空間:例えば第2デバイスが画像形成装置であればCMYK色空間)上の色値へ変換する色変換である。第2色変換条件生成部には、色域変換条件生成部から出力された色変換係数(各格子点のデバイス非依存色空間上の色値)が入力され、第2色変換条件生成部は、入力された色変換係数(各格子点のデバイス非依存色空間上の色値)を、第2デバイス依存色空間上の色値(色変換係数)へ各々変換することで、第2色変換における変換条件を生成する。なお、ここでいう第2色変換の色変換条件は、第2色変換条件生成部に入力された色変換係数を入力値、変換によって得られた色変換係数(各格子点の第2デバイス依存色空間上の色値)を出力値とし、前記入力値を前記出力値へ変換する変換条件を意味している。
なお、デバイス非依存色空間と第2デバイス依存色空間の組合せが、デバイス非依存色空間上の色値を第1デバイス依存色空間上の色値へ直接変換することができない組合せである場合(例えばデバイス非依存色空間が色空間JChや色空間Jabで、第2デバイス依存色空間がCMYK色空間の場合)、第2色変換条件生成部は、デバイス非依存色空間上の色値を別のデバイス非依存色空間の色値へ一旦変換した後に、第2デバイス依存色空間上の色値への再変換を行うことで、第2色変換における色変換条件を生成する。別のデバイス非依存色空間としては、例えばCIELAB色空間が好適である。
また、第2色変換のうち、別のデバイス非依存色空間の色値から第2デバイス依存色空間の色値への色変換条件における色変換条件(色変換係数)は、例えば、色予測モデル(少数の入力色値と出力色値の対応関係を表すベースデータ(素データともいう)に基づいて、対応する出力色値が未知の入力色値が入力されると、入力された入力色値に対応する出力色値を各種のアルゴリズムによって推定演算して出力するプログラム)を用い、入力色値(第2デバイス依存色空間上の色値)が既知の各色のパッチ(色票)を第2デバイスによって作成し、作成した各色票について、出力色値(デバイス非依存色空間上の色値)を測色計等によって各々計測することで、各色票の入力色値と出力色値を対応付けるベースデータ(素データ)を生成し、生成したベースデータをセットした色予測モデルに、各格子点の色値を順に入力する処理を行うことで生成することができる。
色変換処理部のCLUTには、当該CLUTによる色変換処理の変換条件を規定する入力値として、前述の格子点データが表す各格子点の色値(第1デバイス依存色空間上の色値)が、前記変換条件を規定する出力値として、第1色変換条件生成部、色域変換条件生成部及び第2色変換条件生成部における各処理を経て第2色変換条件生成部から出力された色変換係数(各格子点の第2デバイス依存色空間上の色値)が各々セットされる。そして色変換処理部は、入力された画像データ(各画素の色を第1デバイス依存色空間上の色値で表す画像データ)をCLUTに従って変換する。これにより、入力画像データに対して第1色変換、色域変換及び第2色変換を統合した変換が行われることで、入力画像データは、各画素の色を第2デバイス依存色空間上の色値で表す画像データへ変換され、変換後の画像データを第2デバイスへ出力し、第2デバイスにおける画像の出力に供することで、第2デバイスによって出力される画像の色の見えを第1デバイスと一致させることができる。
なお、クライアント端末14の記憶部14Cにインストールされている色変換プログラムは、上述した色変換処理部の各機能ブロックを実現するための複数のプログラム(色相制御テーブル生成部として機能する色相制御テーブル生成プログラム、第1色変換条件生成部として機能する第1色変換条件生成プログラム、色域変換条件生成部として機能する色域変換条件生成プログラム、第2色変換条件生成部として機能する第2色変換条件生成プログラム、色変換処理部として機能する色変換処理プログラム)から構成されている。なお、図1では色変換プログラムをOSのプログラムと別に示しているが、色変換プログラムはOS標準のプログラムとしてOSのプログラムに含まれていてもよい。また、色変換プログラムは本発明に係る色処理プログラムに対応しており、CPU14Aが色変換プログラムを実行することで、クライアント端末14は本発明に係る色処理装置として機能する。
次に、図3を参照して色相制御テーブル生成処理について説明する。なお、この色相制御テーブル生成処理は色相制御テーブル生成部に対応する処理であり、後述する第1色変換条件生成処理の実行に先立ち、クライアント端末14のCPU14Aによって色相制御テーブル生成プログラムが実行されることで実現される。また、色相制御テーブル生成処理(に対応する色相制御テーブル生成部)は請求項4に記載の生成手段に対応している。
色相制御テーブル生成処理では、まずステップ50において、第1デバイス依存色空間における第1デバイスの色域外郭上に位置し、かつ互いに色相が異なる最大彩度点(CUSP点ともいう)の色値R,G,Bを複数抽出する。例えば第1デバイスが表示装置20であり、第1デバイス依存色空間がRGB色空間(或いはsRGB色空間)である場合、第1デバイス依存色空間上での第1デバイス(表示装置20)の色域外郭は、例として図4に示すように、第1デバイス依存色空間の原色を頂点として含む立方体状となり、色相毎の最大彩度点は、図4に「●」で示すように第1デバイスの色域外郭を表す立方体の頂点及び辺上に分布している。ステップ50では、図4に示す各点の色値R,G,Bを色相毎の最大彩度点の色値として各々抽出する。なお、図4では色値抽出対象の最大彩度点を第1デバイス依存色空間上でおよそ等間隔の点として示しているが、これに限られるものではなく、第1デバイス依存色空間上での色値抽出対象の最大彩度点の間隔は色相によって相違させるようにしてもよい。
ステップ52では、ステップ50で抽出した互いに色相が異なる複数の最大彩度点の色値の中から、未処理の単一の色値R,G,Bを処理対象として取り出す。次のステップ54では、ステップ52で取り出した処理対象の色値R,G,Bに基づき、該色値R,G,Bが表す色の第1デバイス依存色空間における色相(処理対象の色値R,G,Bのデバイス依存色相Hdev)を演算する。デバイス依存色相Hdevとしては、例えばRGB色空間に依存する色空間として知られているHSV色空間やHLS色空間を利用し、そのうちの色相Hをデバイス依存色相Hdevとして適用することができる。例えばHSV色空間を利用する場合、処理対象の色値R,G,BにおけるR,G,Bが、最小値を0.0、最大値を1.0とする0.0〜1.0の範囲内の値であるとすると、処理対象の色値R,G,Bが表す色のHSV色空間での色相Hは、処理対象の色値R,G,Bを次の(1)式に代入することで算出することができる。
なお、上記(1)式において、max( )は括弧内の数値の最大値を表す演算子、min( )は括弧内の数値の最小値を表す演算子である。また、上記(1)式の演算でmax(R,G,B)=min(R,G,B)であった場合は、色相Hが算出不能であるので色相H=0とする。また、色値R,G,Bは請求項5に記載の「色相を直接表すパラメータを含まない色値」に対応しており、上記のステップ54の演算は、請求項5に記載の生成手段による「色相を直接表すパラメータを含む別の色空間(上記の例ではHSV色空間)の色値における前記パラメータの値を算出」するステップに対応しており、色相制御テーブル生成部のデバイス依存色相算出部(図2参照)にも対応している。
次のステップ56では、先のステップ52で取り出した処理対象の色値R,G,Bを所定の演算式によりデバイス非依存色空間であるCIEXYZ色空間における色値(三刺激値XYZ)へ変換する。またステップ58では、ステップ56の演算によって得られた三刺激値XYZを、所定の観察条件(例えば光源=D65、平均的な明るさの視環境、順応ファクタD=1.0、順応輝度=80cd/mm2等)を設定した所定の演算式に代入することで、色空間JCh(色空間JChはデバイス非依存色空間の1つであり、請求項6に記載のCAM色空間に対応している)上の色値(観察条件の影響を排除した色の見えを表す色属性値JCh)へ変換する。なお、上述したステップ56,58は色相制御テーブル生成部のデバイス非依存色相算出部(図2参照)に対応している。そしてステップ60では、ステップ58の演算によって得られた色属性値JChのうちの色相hを、処理対象の色値R,G,Bのデバイス非依存色相Hcamとして、先のステップ54で演算したデバイス依存色相Hdevと対応付け、メモリ14B又は記憶部14Cに記憶している色相制御テーブルに登録する。なお、ステップ60は色相制御テーブル生成部のテーブル生成部(図2参照)に対応している。
次のステップ62では、先のステップ50で抽出した全ての色値R,G,Bを処理対象として取り出したか否か判定する。判定が否定された場合はステップ52に戻り、ステップ62の判定が肯定される迄ステップ52〜ステップ62を繰り返す。これにより、ステップ50で抽出した全ての色値R,G,Bについて、デバイス依存色相Hdev及びデバイス非依存色相Hcamが各々演算され、両者が対応付けて色相制御テーブルに各々登録されることになる。そしてステップ62の判定が否定されると、色相制御テーブル生成処理を終了する。なお、上記の色相制御テーブル生成処理で色相制御テーブルに登録される情報は本発明に係る色相値情報(より詳しくは請求項3に記載の色相値情報)に対応しており、色相制御テーブルを記憶するメモリ14B又は記憶部14Cは本発明に係る記憶手段に対応している。
次に、図5を参照して第1色変換条件生成処理について説明する。なお、この第1色変換条件生成処理は第1色変換条件生成部に対応する処理であり、クライアント端末14のCPU14Aによって第1色変換条件生成プログラムが実行されることで実現される。また、第1色変換条件生成処理(に対応する第1色変換条件生成部)は、当該処理で生成された第1色変換の変換条件に従って実際に第1色変換を行う色変換処理部と共に、本発明に係る色値変換手段(より詳しくは請求項5に記載の色値変換手段)に対応している。
第1色変換条件生成処理は、上述した色相制御テーブル生成処理による色相制御テーブルへの情報の登録が完了している状態で、第1デバイス依存色空間上に設定した多数の格子点の各々の色値(第1デバイス依存色空間上の色値)が格子点データとして入力されると実行され、まずステップ70では、入力色値(第1デバイス依存色空間の格子点データ)から単一の入力色値(格子点データ)R,G,Bを処理対象の色値として取り出す。
次のステップ72では、ステップ70で取り出した処理対象の色値R,G,Bを先の(1)式に代入することで、処理対象の色値R,G,Bが表す色の第1デバイス依存色空間における色相H(デバイス依存色相Hdev)を演算する。なお、ステップ72における処理対象の色値R,G,Bについても、請求項5に記載の「色相を直接表すパラメータを含まない色値」に対応しており、ステップ72の演算は、請求項5に記載の色値変換手段による「色相を直接表すパラメータを含む別の色空間(上記の例ではHSV色空間)の色値における前記パラメータの値を算出」するステップに対応している。また、ステップ72は第1色変換条件生成部のデバイス依存色相算出部(図2参照)にも対応している。
またステップ74では、ステップ72の演算によって得られたデバイス依存色相Hdevに対応するデバイス非依存色相Hcam(色相h')を、色相制御テーブルに登録されている複数のデバイス非依存色相Hcamから線形補間によって演算する。なお、ステップ74は第1色変換条件生成部のデバイス非依存色相算出部(図2参照)に対応している。
次のステップ76では、先のステップ70で取り出した処理対象の色値R,G,Bを所定の演算式によりデバイス非依存色空間であるCIEXYZ色空間における色値(三刺激値XYZ)へ変換する。またステップ78では、ステップ76の演算によって得られた三刺激値XYZを、所定の観察条件(例えば光源=D65、平均的な明るさの視環境、順応ファクタD=1.0、順応輝度=80cd/mm2等)を設定した所定の演算式に代入することで、色空間JCh(デバイス非依存色空間)上の色値(観察条件の影響を排除した色の見えを表す色属性値JCh)へ変換する。なお、ステップ76,78は第1色変換条件生成部のデバイス依存色値算出部(図2参照)に対応している。
そしてステップ80では、ステップ78の演算によって得られた色属性値JChのうちの色相hを、先のステップ74の演算(線形補間)によって得られたデバイス非依存色相Hcam(色相h')へ変更し(置き換え)、変更後の色属性値JCh'を、第1色変換における処理対象の色値R,G,Bに対応する格子点の出力色値として、処理対象の色値R,G,Bと対応付けてメモリ14Bに記憶させる。なお、ステップ80は第1色変換条件生成部の色相補正部(図2参照)に対応している。
次のステップ82では、入力された全ての格子点データを処理対象の色値R,G,Bとして取り出したか否か判定する。判定が否定された場合はステップ70に戻り、ステップ82の判定が肯定される迄ステップ70〜ステップ82を繰り返す。これにより、入力された全ての格子点データについて、色相hを変更した色属性値JCh'が第1色変換における出力色値としてメモリ14Bに各々記憶されることになる。そしてステップ82の判定が否定されると、第1色変換条件生成処理を終了する。
例として図6(A)には、色空間JCh等のデバイス非依存色空間上における表示装置20の一般的な色域(より詳しくは、表示装置の一般的な色域をデバイス非依存色空間の等明度面(明度軸に垂直な平面)上に投影した結果)を示す。図6(A)より明らかなように、多くの表示装置は、デバイス依存色空間上で直線となる等色相線がデバイス非依存色空間上では湾曲しており、特にR及びBは、高明度側における等色相線の湾曲度合いが比較的大きい上に、高明度側の等色相線が表す色相が低明度側の等色相線が表す色相と比較的大きく相違しており、色相の歪が比較的大きくなっている。この色相の歪は、表示装置の表示面に色を表示している限りは殆ど視認されない。
しかし、本実施形態に係る色変換処理部のように、表示装置の色域(入力色域)内に分布している色値を他のデバイスの色域(出力色域)内に収める色域変換を行う際に、出力色域が入力色域よりも明らかに狭い場合(図6(A)にはこのような出力色域の一例として画像形成装置の一般的な色域を示す)、例として図7(A)に示すようにデバイス非依存色空間上で湾曲している等色相線は、色域変換に伴い、例として図7(B)に示すように途中で折れ曲がる等のように、色相や彩度の急激な変化が加わることになる。そして、この等色相線に加わる色相や彩度の急激な変化は、色相の顕著な変化として視認され、特にコンピュータ・グラフィックス等の画像においては、画像中のグラデーションにおける階調再現性の悪化として顕著に表れる。
これに対して本第1実施形態に係る第1色変換条件生成処理では、格子点データ(処理対象の色値)R,G,Bが表す色のデバイス依存色相Hdevを演算し、演算したデバイス依存色相Hdevに対応するデバイス非依存色相Hcam(色相h')を、色相制御テーブルに登録されている複数のデバイス非依存色相Hcamから線形補間によって演算し、格子点データ(処理対象の色値)R,G,Bから演算した色属性値(出力色値)JChのうちの色相hを色相h'に置き換えているので、同一の色相を表す格子点データ(等色相線を形成する格子点データ)から演算されるデバイス非依存色相Hcam(色相h')が互いに等しくなることで、例として図6(B)及び図7(C)にも示すように、デバイス非依存色空間上で湾曲していた等色相線が直線となるように色属性値(出力色値)JChのうちの色相hが補正される。これにより、例として図7(D)に示すように、後段の色域変換の実行に伴い、等色相線に途中で折れ曲がる等の色相や彩度の急激な変化が加わることが抑制される。
また、デバイス非依存色空間の1つして広く用いられているCIELAB色空間は、色空間上の色値と実際の色の見えに誤差があり、CIELAB色空間上で等色相線が直線となるように色相を補正しても、実際には同一色のグラデーションで色相の変動が視認されるが、本実施形態ではデバイス非依存色空間としてJCh色空間を適用しており、このJCh色空間上で等色相線が直線となるように色相を補正することで、同一色のグラデーションで色相の変動が表れることがより精度良く抑制される。
また、等色相線に色相や彩度の急激な変化が加わることを抑制することを、色域変換の前段の第1色変換に出力色値の色相を補正するという簡単な処理を加えることで実現できるので、アルゴリズムが元々複雑な色域変換のアルゴリズムを上記の課題解決のために更に変更する必要も無くなり、色域変換のアルゴリズムとして既存の各種アルゴリズムのうちの任意のアルゴリズムを適用することが可能となる。
また、本実施形態に係る色相制御テーブル生成処理では、第1色変換で色相補正を行う際に参照される色相制御テーブルを、第1デバイス依存色空間における第1デバイスの色域から求めているが、デバイス依存色空間が同一 (例えばRGB色空間やsRGB色空間)のデバイスはデバイス依存色空間における色域も同じであり、デバイス非依存色空間における等色相線の分布も同じであるので、本実施形態に係る色相制御テーブルは、デバイス依存色空間が同一のデバイスの色値に対して色域変換を含む色処理を行う場合に共通に使用することができる。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態は第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、以下、図8を参照し、本第2実施形態に係る第1色変換条件生成処理について、第1実施形態で説明した第1色変換条件生成処理(図5)と異なる部分についてのみ説明する。
本第2実施形態に係る第1色変換条件生成処理は、第1実施形態で説明した第1色変換条件生成処理(図5)と同様に、単一の入力色値(格子点データ)R,G,Bを処理対象の色値として取り出し(ステップ70)、処理対象の色値R,G,Bからデバイス依存色相Hdevを演算し(ステップ72)、色相制御テーブルを参照してデバイス依存色相Hdevに対応するデバイス非依存色相Hcam(色相h')を演算し(ステップ74)、処理対象の色値R,G,Bから色属性値JChを演算(ステップ76,78)した後に、次のステップ84において、ステップ78の演算で得られた色値(色属性値)JChにおける色相hと、ステップ74の演算で得られた色相h'との色相差を演算する。なお、色相hと色相h'との色相差は、両者の色相角の角度差であってもよいし、JCh色空間上でのベクトル距離であってもよい。ステップ86では、ステップ84の演算で得られた色相差が予め定められた閾値(この閾値の一例を図7(E)に示す)よりも大きいか否か判定する。なお、この閾値は彩度、または彩度と明度に依存させて閾値を変更するようにしてもよい。
ステップ86の判定が肯定された場合はステップ88へ移行し、ステップ74の演算で得られた色相h'を色相hの方向へ閾値分だけ変化させた色相h"を演算する。そしてステップ90では、ステップ78の演算によって得られた色属性値JChのうちの色相hを、先のステップ88の演算によって得られた色相h"へ変更し(置き換え)、変更後の色属性値JCh"を、第1色変換における処理対象の色値R,G,Bに対応する格子点の出力色値として、処理対象の色値R,G,Bと対応付けてメモリ14Bに記憶させ、ステップ82へ移行する。
一方、ステップ86の判定が否定された場合(色相hと色相h'との色相差が閾値以下の場合)には、上述したステップ88,90の処理を行うことなく、ステップ78の演算で得られた色値(色属性値)JChを、第1色変換における処理対象の色値R,G,Bに対応する格子点の出力色値として、処理対象の色値R,G,Bと対応付けてメモリ14Bにそのまま記憶させ、ステップ82へ移行する。なお、本第2実施形態に係る第1色変換条件生成処理におけるステップ84〜ステップ90は、第1色変換条件生成部の色相補正部(図2参照)に対応しており、請求項2に記載の色値変換手段にも対応している。
次のステップ82では、入力された全ての格子点データを処理対象の色値R,G,Bとして取り出したか否か判定する。判定が否定された場合はステップ70に戻り、ステップ82の判定が肯定される迄ステップ70〜ステップ82を繰り返す。これにより、入力された格子点データのうち、色相hと色相h'との色相差が閾値以下の格子点データについては、色値R,G,Bから演算によって得られた色属性値JChが、色相hと色相h'との色相差が閾値よりも大きい格子点データについては、色値R,G,Bから演算で得られた色属性値JChに対して色相hを補正した色属性値JCh"が、第1色変換における出力色値としてメモリ14Bに各々記憶されることになる。そして、ステップ82の判定が否定されると第1色変換条件生成処理を終了する。
第1実施形態で説明した第1色変換条件生成処理では、知覚的な色相が一定となるように第1色変換の出力色値の色相を補正していたが、色処理に対しては、「知覚的な色相が一定」という要求が優先される場合以外に、「出力色が入力色に近似している」という要求が優先される場合もある(例えば色変換処理対象の色信号データ(色変換処理部のCLUTで変換される色信号データ)中に高彩度の色が存在しない場合や、表示装置20に表示された色に近似した色を他のデバイスで再現したい場合等)。
これに対し、本第2実施形態に係る第1色変換条件生成処理では、入力された格子点データのうち、色相hと色相h'との色相差が閾値よりも大きい格子点データについてのみ、色値R,G,Bから演算で得られた色属性値JChのうちの色相hを、色相h'を色相hの方向へ閾値分だけ変化させた色相h"に置き換え、色相hと色相h'との色相差が閾値以下の格子点データについては色値R,G,Bから演算によって得られた色属性値JChを出力色値としてそのまま用いているので、例として図7(E)にも示すように、デバイス非依存色空間上で湾曲していた等色相線は、色相の変動が色相h'(デバイス非依存色相Hcam)に対する色相差が閾値以内に抑制されると共に、元の等色相線(デバイス非依存色空間上で湾曲していた等色相線)により近い軌跡となるように色属性値(出力色値)JChのうちの色相hが補正される。
これにより、例として図7(F)に示すように、後段の色域変換の実行に伴い、等色相線に途中で折れ曲がる等の色相や彩度の急激な変化が加わることが、色相の補正を行わない場合よりは抑制されると共に、色変換処理の結果として、出力色が入力色により近似している結果が得られることになる。
なお、上記ではクライアント端末14で色相制御テーブル生成処理を行うことで、色相制御テーブルを生成する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、別のコンピュータ等で色相制御テーブル生成処理を行うことで生成した色相制御テーブルを、クライアント端末14の記憶部14Cに予め記憶させておくようにしてもよい。
また、上記では本発明に係る色処理プログラムがクライアント端末14の記憶部14Cに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係る色処理プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
本実施形態に係るコンピュータ・システムの概略構成を示すブロック図である。 本実施形態における色変換処理部の概略図である。 色相制御テーブル生成処理の内容を示すフローチャートである。 表示装置の色域外郭上の色値の抽出を説明するための概略図である。 第1実施形態に係る第1色変換条件生成処理を示すフローチャートである。 デバイス非依存色空間上での、(A)は入力色値の等色相線、(B)は色相補正後の等色相線を各々示す概略図である。 本発明の作用を説明するためのイメージ図である。 第2実施形態に係る第1色変換条件生成処理を示すフローチャートである。
10 コンピュータ・システム
14 クライアント端末
14B メモリ
14C 記憶部
16 入力デバイス
18 出力デバイス
20 表示装置

Claims (7)

  1. 任意の色相を表すデバイス依存色空間上の色相値と、同一の色相を表すデバイス非依存色空間上の色相値と、を対応付ける色相値情報を記憶する記憶手段と、
    前記デバイス依存色空間上の第1色値を前記デバイス非依存色空間上の第2色値へ変換すると共に、前記記憶手段に記憶されている前記色相値情報に基づき、前記第1色値が表す前記デバイス依存色空間上の色相値から前記デバイス非依存色空間上の対応する色相値を求め、前記第2色値が表す色相値を前記求めた色相値に近づくように補正する色値変換手段と、
    前記色値変換手段による処理を経た第2色値に対し、前記デバイス非依存色空間上で色域変換を行う色域変換手段と、
    を含む色処理装置。
  2. 前記色値変換手段は、前記デバイス依存色空間上の複数の第1色値を前記デバイス非依存色空間上の第2色値へ各々変換すると共に、当該変換によって得られた複数の第2色値のうち、対応する前記第1色値が表す前記デバイス依存色空間上の色相値と、前記デバイス非依存色空間上の対応する色相値との色相差が予め定められた閾値よりも大きい第2色値に対してのみ、当該第2色値が表す色相値を前記色相差が前記閾値以下となるように補正する請求項1記載の色処理装置。
  3. 前記記憶手段は、前記色相値情報として、前記デバイス依存色空間上における所定のデバイスの色域外郭上に位置しかつ色相が互いに異なる複数の色値が表す個々の色相について、前記デバイス依存色空間上の色相値と前記デバイス非依存色空間上の色相値とを各々対応付ける前記色相値情報を記憶する請求項1又は請求項2記載の色処理装置。
  4. 任意の色相を表すデバイス依存色空間上の色値から、少なくとも前記デバイス非依存色空間上の色相値を演算し、前記デバイス依存色空間上の色相値と前記デバイス非依存色空間上の色相値とを対応付ける処理を、互いに異なる複数の色相について各々行うことで前記色相値情報を生成し、生成した色相値情報を前記記憶手段に記憶させる生成手段を更に備えた請求項1〜請求項3の何れか1項記載の色処理装置。
  5. 前記デバイス依存色空間上の色値は色相を直接表すパラメータを含まない色値であり、
    前記色値変換手段又は前記生成手段は、前記デバイス依存色空間上の色値から、色相を直接表すパラメータを含む別の色空間の色値における前記パラメータの値を算出し、算出した前記パラメータの値を、前記デバイス依存色空間上の色値が表す前記デバイス依存色空間上の色相値として用いる請求項1〜請求項4の何れか1項記載の色処理装置。
  6. 前記デバイス非依存色空間は、色の見えモデルCIECAM02によって規定されるCAM色空間である請求項1〜請求項5の何れか1項記載の色処理装置。
  7. 任意の色相を表すデバイス依存色空間上の色相値と、同一の色相を表すデバイス非依存色空間上の色相値と、を対応付ける色相値情報を記憶する記憶手段と接続されたコンピュータを、
    前記デバイス依存色空間上の第1色値を前記デバイス非依存色空間上の第2色値へ変換すると共に、前記記憶手段に記憶されている前記色相値情報に基づき、前記第1色値が表す前記デバイス依存色空間上の色相値から前記デバイス非依存色空間上の対応する色相値を求め、前記第2色値が表す色相値を前記求めた色相値に近づくように補正する色値変換手段、
    及び、前記色値変換手段による処理を経た第2色値に対し、前記デバイス非依存色空間上で色域変換を行う色域変換手段
    として機能させるための色処理プログラム。
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