以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔実施の形態1〕まず、実施の形態1は本発明を第1種パチンコ機に適用したものであって、図1〜図12を参照しながら説明する。この実施の形態1では、第1期間と第2期間とに共通する共通態様を両作動態様に含む例を説明する。ここで、図1には第1種パチンコ機の外観を正面図で示す。図2には拡大して表した複合装置を正面図で示す。図3には制御部の構成をブロック図で示す。図4には第1種始動口処理の内容を、図5には図柄変動処理の内容を、図6には変動表示処理の内容を、図7には変動開始処理の内容を、図8にはリーチ処理の内容をそれぞれフローチャートで示す。図9〜図12には画面に表示された特別図柄の一例を示す。図13には変動パターンの一例を示す。
まず図1において、パチンコ機10の遊技盤面12上には、複合装置14,第1種始動口30,大入賞口34,下部始動口62,一般の入賞口等を適宜に配置している。第1種始動口30は始動口センサ56を有し、パチンコ球が入賞すると通常の入賞口と同様に賞球(賞品球)を払い出す。中ゲート32にはゲートセンサ54が設けられ、パチンコ球が通過しても賞球を払い出さない。大入賞口34には蓋66が備えられ、この蓋66はソレノイド50によって開閉される。また、大入賞口34はVゾーン52を有し、そのVゾーン52はVゾーンセンサ48を有する。大入賞口開放期間内にパチンコ球がVゾーン52に入賞すると、大当たり遊技状態を所要回数(例えば16回)内で継続することができる。当該大入賞口開放期間としては、例えば大入賞口34にパチンコ球が10個入賞するか、開放してから30秒間を経過するまでのいずれか早いほうが該当する。さらに蓋66の下部には、第1種始動口30と同等の機能を備えた下部始動口62を有する。この下部始動口62には、始動口センサ56と同様の始動口センサ60を有する。ここで、始動口センサ56,60は、それぞれの始動口に入賞したパチンコ球を検出する。Vゾーンセンサ48はVゾーン52に入賞したパチンコ球を検出する。ゲートセンサ54は中ゲート32を通過したパチンコ球を検出する。なお上記ゲートセンサ54、始動口センサ56,60、Vゾーンセンサ48は、例えば近接センサやマイクロスイッチ,光センサ(発光体と受光体)等を用いる。
図2に示す複合装置14には、天入賞口14a、普通図柄用の保留球ランプ20、特別図柄表示器22、特別図柄用の保留球ランプ28等が設けられている。天入賞口14aは一般の入賞口の一つである。保留球ランプ20は特別図柄表示器22の上方にほぼ水平状に並べて設けた複数個(例えば4個)のLEDであり、普通図柄の図柄変動中に中ゲート32を通過したパチンコ球の個数を表示する。保留球ランプ28は特別図柄表示器22の下方にほぼ水平状に並べて設けた複数個(例えば4個)のLEDであり、特別図柄の図柄変動中に第1種始動口30に入賞したパチンコ球の個数を表示する。その他、複合装置14にはランプ等の発光体や装飾板等を有し、装飾効果を発揮させて遊技者の目を楽しませる。
特別図柄表示器22は表示部に相当し、例えば液晶表示器を用いる。当該特別図柄表示器22には、図2に示す特別図柄,チャンス図柄,背景図柄等を表示する。特別図柄には例えば左特別図柄72,中特別図柄74,右特別図柄76があり、大当たりか否かを判別するために用いる。以下の説明において単に「特別図柄」という場合には左特別図柄72,中特別図柄74,右特別図柄76の三つの図柄を意味する。特別図柄として用いる図柄は、文字(英数字や漢字等),記号,図形,絵柄等がある。チャンス図柄(第4図柄)には例えば左チャンス図柄70,右チャンス図柄78があり、大当たりによる特典以外の特典(以下「付加特典」と呼ぶ。
)を決定するために用いる。チャンス図柄は所定の図柄を複数の色彩で変化させる。所定の図柄としては例えば2個の「☆」を線で囲んだ図形があり、複数の色彩としては例えば赤色,青色,黄色,緑色の4色がある。
以下の説明において単に「チャンス図柄」という場合には左チャンス図柄70,右チャンス図柄78の二つの図柄を意味する。当該チャンス図柄は例えば大当たりになった後の適当な時期に変動が始まり、その後に停止する。付加特典には、例えば特別図柄による大当たりや普通図柄による当たりの確率を変更する「確率変動」、特別図柄や普通図柄の変動期間を短縮する「時短」、当該時短を行う回数である「時短回数」等がある。背景図柄は特別図柄,チャンス図柄の背景として表示する図柄であって、例えば動画(映像,アニメーション等)や静止画等がある。なお特別図柄表示器22は液晶表示器以外に、CRT,LED表示器,プラズマ表示器等のように特別図柄等が表示可能な表示器を用いてもよい。
図1に戻って遊技盤面12には1個または複数個の装飾ゲートを有し、この例では左ゲート57,右ゲート24を有する。装飾ゲートは上記中ゲート32と異なり、パチンコ球の通過を検出するゲートセンサを有しない。右ゲート24は普通図柄表示器26を有するが、左ゲート57は普通図柄表示器26を有しない。普通図柄表示器26は1個または複数個(この例では2個)のLEDを有し、当該LEDの点灯・消灯が普通図柄となる。普通図柄は上記中ゲート32にパチンコ球が通過したときに点滅が始まり、その後に各LEDについてそれぞれ点灯または消灯する。そして、LEDの点灯または消灯の態様に応じて(例えば2個のLEDのうち右側のLEDが点灯すると)、下部始動口62の蓋を一定期間(例えば4秒間)だけ開ける。なお普通図柄表示器26には、液晶表示器,CRT,LED表示器,プラズマ表示器等のように普通図柄が表示可能な他の表示器を用いてもよい。この場合には、普通図柄として例えば英数字や記号等を用いることができる。さらには、普通図柄と特別図柄とを同じ表示器(例えば特別図柄表示器22)に表示するようにしてもよい。
遊技盤面12以外では、賞球を含むパチンコ球を一時的に貯留する下皿40、タバコの吸い殻を入れる灰皿42、効果音や音楽等を出すスピーカ44、遊技者の手がハンドル36に触れているか否かを検出するタッチセンサ38、ガラス枠18の開放を検出する金枠センサ58等が設けられている。スピーカ44は賞球の受皿である上皿46の内部に設けられ、タッチセンサ38や金枠センサ58はそれぞれ所要の位置に設ける。また、ランプ類16は表示体に相当し、電球やLED等を用いており、図示した位置には限らずパチンコ機10の遊技内容等に合わせて適切な位置に配置する。
次に、パチンコ機10によるパチンコ遊技を実現するメイン制御部100および表示制御部200の構成や作動等について、図3を参照しながら説明する。これらのメイン制御部100および表示制御部200は、いずれもパチンコ機10の背面側に設けられている。図3に示すように、メイン制御部100は、CPU(プロセッサ)110,ROM102,RAM104,入力処理回路106,出力処理回路108,表示制御回路112,通信制御回路114等を有する。CPU110は、ROM102に格納されている遊技制御プログラムを実行してパチンコ機10を制御する。上記遊技制御プログラムには、後述する第1種始動口処理や図柄変動処理,変動表示処理,変動開始処理,リーチ処理等を実現するためのプログラムが含まれる。このROM102はEPROMを用いるが、EEPROMやフラッシュメモリ等を用いてもよい。RAM104には、保留球数,大当たり判定用乱数RA等の各種乱数,停止時の特別図柄等のような各種データあるいは入出力信号を格納する。このRAM104にはDRAMを用いるが、SRAMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いてもよい。
入力処理回路106は、ゲートセンサ54、始動口センサ56,60、Vゾーンセンサ48あるいは他のセンサ等から送られたそれぞれの信号を受けて、メイン制御部100内で処理可能なデータ形式に変換し、バス118を介してCPU110やRAM104にデータ等を送る。出力処理回路108はCPU110からバス118を介して送られた作動データを受けて、ソレノイド50等のようにパチンコ機10に備えられている各種の作動装置を作動させる。表示制御回路112はCPU110からバス118を介して送られた表示データを受けて、普通図柄表示器26を点灯・消灯したり、保留球ランプ20,28に保留球数(例えば、0≦保留球数≦4)に応じた個数のランプを表示したり、あるいは図示しないがランプ類16を適宜に点灯・消灯する等の制御を行う。
通信制御回路114は、表示制御部200,枠制御部300,あるいは必要に応じてホールコンピュータ400との間においてデータを送受信するための回路である。枠制御部300,ホールコンピュータ400はメイン制御部100と同様にCPUを中心に構成されており、その構成は公知であるので詳細な説明を省略する。上記各構成要素は、いずれもバス118に互いに結合されている。
ここで、枠制御部300は、パチンコ遊技を行うために必要なパチンコ球の発射や賞球の払い出し等を制御し、効果音や音楽等をスピーカ44から出し、あるいは金枠センサ58による扉開放の検査等を所定のタイミングで行う。また、ホールコンピュータ400はホール(遊技場)を運営するために用いられ、パチンコ機,スロットマシン,貸出機,照明機器等の装置や機器を総括して制御する。
次に、表示制御部200はメイン制御部100から送られる表示データを受けて、表示すべき図柄や画像等を適切に加工して特別図柄表示器22に表示する処理を行う。この表示制御部200はVDP(Video Display Processor )とも呼ばれ、CPU210,ROM202,RAM204,通信制御回路206,表示制御回路212等によって構成されている。CPU210は、ROM202に格納されている表示制御プログラムに従って特別図柄表示器22の表示制御を行う。ROM202には、上記表示制御プログラムのほかに、特別図柄,複数の変動パターン,装飾図柄等のようなパチンコ遊技を行う上で必要な表示用の全データが格納されている。このROM202には一般にEPROMが用いられるが、これに限らずEEPROMやフラッシュメモリを用いてもよい。RAM204には一般にDRAMが用いられるが、SRAMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いてもよい。このRAM204には、各種データや入出力信号が格納される。通信制御回路206はメイン制御部100との間においてデータを送受信するための回路である。表示制御回路212はCPU210からバス218を介して送られた表示データを受けて、特別図柄表示器22に対して図柄や画像等を加工して表示する制御を行う。上記各構成要素は、いずれもバス218に互いに結合されている。
次に、上記構成をなすパチンコ機10において本発明を実現するための処理手順について、図4〜図8にそれぞれ示すフローチャートを参照しながら説明する。これらの図に示す処理手順は、いずれも図3に示すメイン制御部100においてROM102に格納されている遊技制御プログラムをCPU110が適当なタイミングで実行することによって実現される。なお、単に「保留球数」という場合には、特別図柄表示器22に特別図柄が変動して表示されている間に第1種始動口30や下部始動口62に入賞したパチンコ球の数を意味する。また、「加算する」という場合には、通常は1だけ保留球数を増やすことを意味するが、遊技状態等に応じて適宜に2以上ずつ増やす場合を含む。これに対して「減算する」という場合には、保留球数を減らす点を除いては加算する場合と同様である。さらに、説明を簡単にするために、第1種始動口30の入賞と下部始動口62の入賞とは同様に作動するので、第1種始動口30の入賞について説明する。同様に、特別図柄を変動させ始めてからリーチにも至らず、はずれとなるケースについても説明を省略する。
まず、図4に示す第1種始動口処理は、第1種始動口30に対するパチンコ球の入賞判別を行う。すなわち、第1種始動口30にパチンコ球が入賞したか否かを判別する〔ステップS10〕。具体的には、図3において始動口センサ56から検出信号が出力された場合には入賞した(YES)と判別し、検出信号が出力されなければ入賞しない(NO)と判別する。そして、第1種始動口30にパチンコ球が入賞したときには、保留球数が上限値(例えば4)に達しているか否かを判別する〔ステップS12〕。保留球数が上限値に達していなければ(NO)、その保留球数を加算する〔ステップS14〕。この加算に伴って表示制御回路112に表示データを出力し、保留球ランプ28で点灯するLEDの個数を変える。その後、各種乱数の読み込みと記憶を行い〔ステップS16〕、第1種始動口処理を終了する。なお第1種始動口30にパチンコ球が入賞していない場合(ステップS10のNO)や、保留球数が上限値に達している場合(ステップS12のNO)には、何もせずにそのまま第1種始動口処理を終了する。
ここで、各種乱数には大当たり判定用乱数RA,大当たり図柄用乱数RB,リーチアクション乱数RC,確率変動用乱数RDがある。大当たり判定用乱数RAは、大当たりか否かを判別するための乱数である。大当たり図柄用乱数RBは、大当たり判定用乱数RAによって大当たりと判別された場合において、特別図柄表示器22に停止して表示する特別図柄を特定するための乱数である。リーチアクション乱数RCは、特別図柄表示器22に表示されている特別図柄によってリーチになった後、残りの特別図柄が停止するまでの変動パターンを特定するための乱数である。「リーチ状態」とは、未だに変動している残りの特別図柄を除き、他の特別図柄が大当たり図柄と一致している状態を意味する。確率変動用乱数RDは大当たりになった後に大当たりになる確率を変更するか否かを判別するための乱数である。
次に、図5に示す図柄変動処理では、特別図柄表示器22に特別図柄を変動して表示するための処理を行う。まず、保留球数が正数(保留球数>0)か否かを判別する〔ステップS20〕。保留球数が正数ならば(YES)、上記ステップS16で記憶した大当たり判定用乱数RAを読み込むとともに〔ステップS22〕、次回の処理に備えて保留球数を減算する〔ステップS24〕。そして、変動表示処理を行う〔ステップS26〕。この変動表示処理の具体的な処理内容について、図6を参照しながら説明する。
図6に示す変動表示処理では、まず「大当たり」か否かを判別する〔ステップS40〕。具体的には、上記ステップS22で読み込んだ大当たり判定用乱数RAが大当たり値と一致したか否かによって判別する。大当たり値は通常は1個であるが、遊技状態(例えば確率変動時)等によっては複数個としてもよい。もし、「大当たり」ならば(YES)、図4のステップS16で記憶した大当たり図柄用乱数RBを読み込み〔ステップS42〕、特別図柄を変動させ始めるべくステップS44に進む。当該大当たり図柄用乱数RBによって、最終的に停止して確定する予定の図柄(以下「停止予定図柄」と呼ぶ。)を決定する。一方、ステップS40で「はずれ」と判別されたならば(NO)、はずれ図柄を特別図柄表示器22に表示するため、はずれ図柄データをRAM104から読み込む〔ステップS60〕。その後、当該はずれ図柄データにリーチ図柄を含むか否かを判別する〔ステップS62〕。「リーチ図柄」とは、リーチになったときに停止して表示されている図柄である。ステップS62を実行するのは、最終的には「はずれ」になるが、途中でリーチになる態様である。
もし、リーチ図柄を含むならば(YES)、ステップS44に進む。一方、リーチ図柄を含まないならば(NO)、ステップS64に進む。
そして、特別図柄の変動開始処理を行なった後に〔ステップS44〕、リーチ処理を行う〔ステップS46〕。ここで、図7を参照しながら変動開始処理の具体的な処理内容を、図8を参照しながらリーチ処理の具体的な処理内容をそれぞれ説明する。図7に示す変動開始処理はリーチに達するまでの第1期間における特別図柄の変動処理を行う。具体的には、まず特別図柄を変動させ始める〔ステップS70〕。変動開始は、左特別図柄72,中特別図柄74,右特別図柄76をほぼ一斉に行なってもよく、一つずつ順番に行なってもよく、その順番を問わない。その後、共通アクションを行う〔ステップS74〕。共通アクションとしては、例えば特定の変動パターンに従って中特別図柄74を変動させる(後述する図9〜図11参照)。そして、必要に応じて他のアクション(他の変動パターンに従う図柄の変動)を行い〔ステップS76〕、左特別図柄72,右特別図柄76の変動を停止させ〔ステップS78〕、変動開始処理を終了する。
図8に示すリーチ処理はリーチになってから図柄を停止させるまでの第2期間における特別図柄の変動処理を行う。具体的には、まず図4のステップS16で記憶したリーチアクション乱数RCを読み込み〔ステップS80〕、リーチアクションを決定する〔ステップS82〕。例えば、図6のステップS42で決定した停止予定図柄とリーチ図柄とに基づいて図柄の関係を求め、当該図柄の関係と図8のステップS80で読み込んだリーチアクション乱数RCとに基づいて上記表1に従って変動パターンを決定する。なお、所要の条件が成立すると、表1における変動パターンα,β,γ,δ,ε(リーチアクション)の位置や個数等を変えてもよい。当該所要の条件としては、遊技機の種類,日時,遊技状態等に応じて適切に定める条件であって、当該条件は固定してもよく変化させてもよい。例えば、遊技球が所定領域に入賞または通過することや、大当たりしたときの特別図柄が特定図柄であること等のような条件がある。こうすれば変動パターンの出現確率が変化してゆくので、遊技者はどの変動パターンが大当たりになり易いのかが一時的に分からなくなる。したがって、遊技者は大当たりになる期待感を特別図柄の全てが停止するまで維持することができる。そして、その後は遊技を続けるにつれてどの変動パターンが大当たりになり易いのかを推測できる。
こうして決定したリーチアクションに基づいて、特別図柄表示器22にリーチになったことを表示する〔ステップS84〕。当該表示の際、遊技者にリーチを認識させるための表示をあわせて行なってもよい。当該認識表示としては、例えば「リーチ」の文字を表示したり、キャラクタを表示したり、所定のアニメーションを表示したり、あるいは画面22aを数回フラッシュさせる等がある。そして、ステップS82で決定したリーチアクションを行う〔ステップS86〕。当該リーチアクションとしては、共通アクションのみを行うか(ステップS86a)、他のアクションのみを行うか(ステップS86b)、あるいは共通アクションと他のアクションとの両方を行う(ステップS86a,S86b)。また、共通アクションを行なった後に他のアクションを行なってもよく、他のアクションを行なった後に共通アクションを行なってもよい。さらに、共通アクションと他のアクションの実行回数は任意であり、交互に繰り返し行なってもよい。
リーチ処理を終えると図6に戻り、特別図柄を停止させる〔ステップS48〕。具体的には、リーチとして先に停止させた左特別図柄72,中特別図柄74に加えて、停止することなく変動していた右特別図柄76を停止して表示する。一方、ステップS62でリーチ図柄でないときは(NO)、ステップS44と同様に特別図柄を変動し始め〔ステップS64〕、はずれ図柄の変動パターンに基づいて変動表示し〔ステップS66〕、その後に特別図柄を停止させる〔ステップS48〕。そして、確率変動か否かを判別し〔ステップS50〕、確率変動ならば確率変動処理を行なった後〔ステップS52〕、変動表示処理を終了する。確率変動か否かは、図4のステップS16で記憶した確率変動用乱数RDが所定値と一致しているか否か、あるいは画面22aに実際に停止して表示された特別図柄とチャンス図柄とが所定の組み合わせで表示されたか否か等によって行う。所定の組み合わせは例えば表示制御部200のROM202等に記憶(記録)されており、例えば特別図柄が「777」であり、チャンス図柄が青色という場合である。当該所定の組み合わせは一定の組み合わせのみならず、遊技状態等に応じて変化させてもよい。確率変動処理の具体的な処理内容については、既に周知の処理と同様であるので説明を省略する。なお確率変動処理が実行されると、今回の大当たり遊技終了後から次回の大当たりになるまで、特別図柄による大当たりおよび/または普通図柄による当たりになる確率が高まるとともに、特別図柄および/または普通図柄の変動期間が短縮される。一方、確率変動でなければ(ステップS50のNO)、何もせずにそのまま変動表示処理を終了する。
さらに特別図柄の変動表示処理を終えて図5に戻り、最終的に確定して特別図柄表示器22の画面22aに表示された特別図柄が大当たり図柄と一致するか否かを判別する〔ステップS28〕。図6に示すステップS40でも大当たりか否かを判別しているが、この判別はステップS22で読み込んだ大当たり判定用乱数RAに基づいて行なっている。しかし、ステップS26の変動表示処理を実行している際などで外来ノイズ等の影響を受け、予定していた大当たり表示となるものがはずれ表示になることもある。したがって、パチンコ遊技の混乱を防止するため、画面22aに表示された特別図柄を優先して大当たりか否かの判別を行うものである。もし、特別図柄が当たり図柄と一致するならば(YES)、「大当たり」として大当たり処理を行い〔ステップS30〕、図柄変動処理を終了する。大当たり処理は、例えば大入賞口34の蓋66を一定期間(例えば30秒間)だけ開放し、入賞したパチンコ球の数に応じて賞球を払い出す等の処理である。一方、特別図柄が当たり図柄と一致しないならば(NO)、「はずれ」としてはずれ処理を行い〔ステップS32〕、図柄変動処理を終了する。なおはずれ処理の具体的な処理内容については、既に周知の処理と同様であるので説明を省略する。
次に、上記図4〜図8に示すフローチャートを実行することによって特別図柄表示器22の画面22aに表示する変動パターン(作動態様)について、図9〜図12を参照しながら説明する。図9〜図12にはいずれも画面に表示された特別図柄の一例を示すが、簡単のためにチャンス図柄の図示を省略している。まず、共通アクションを含み大当たりになる可能性の高いリーチアクションとして変動パターンδを行う例について説明する。図7のステップS70を実行すると、図9(A)に示すように特別図柄(左特別図柄72,中特別図柄74,右特別図柄76)をほぼ一斉に変動させ始める。そして、図7のステップS74を実行すると、図9(B)→図9(C)→図9(D)→図10(A)の順番で示すように特別図柄が変動したり一時停止したりするパターンを繰り返す。その後、図7のステップS74を実行すると、左特別図柄72と右特別図柄76を停止して表示する。例えば左特別図柄72と右特別図柄76がともに図柄ならばリーチであり、図8に示すステップS84を実行してリーチ表示を行う。リーチ表示の一例を図10(B)に示す。
リーチ表示を行なった後は、図8のステップS86を実行してリーチアクションを行う。具体的には図8のステップS86aを実行し、図10(C)→図10(D)→図11(A)→図11(B)の順番で示すように中特別図柄74が変動したり一時停止したりするパターンを繰り返す。こうして最終的には図6のステップS48を実行し、例えば図11(C)に示す大当たり図柄「777」あるいは図11(D)に示すはずれ図柄「767」を表示する。ここで中特別図柄74に注目すると、リーチ前後では変動状態と一時停止状態とを繰り返しており、両方の変動パターンに共通する共通パターン(共通アクション,共通態様)を含む。このように、リーチ後において大当たりになる可能性の高い変動パターンに含まれる共通パターンでリーチ前の図柄変動を行うと、遊技者は大当たりになる可能性の高い変動パターンがリーチ後にも行われ、ひいては大当たりになることを期待する期待感を持つことができる。
次に、共通アクションを含まず大当たりになる可能性の低いリーチアクションとして変動パターンαを行う例について説明する。リーチ表示を行うまでの過程は変動パターンδの例と同様とし、リーチ後の変動パターンについて説明する。リーチ表示を行なった後は、図8のステップS86を実行してリーチアクションを行う。具体的には図8のステップS86bを実行し、図12(A)→図12(B)の順番で示すように中特別図柄74を高速変動→中速変動→低速変動のように変動状態を次第にゆっくりと変化させてゆく。こうして最終的には図6のステップS48を実行し、例えば図12(C)に示す大当たり図柄「777」等あるいは図12(D)に示すはずれ図柄「767」等を表示する。ここで中特別図柄74に注目すると、リーチ前は変動状態と一時停止状態とを繰り返し、リーチ後は変動状態を次第にゆっくりを変化させており、共通する変動パターンでない。このように、リーチ前後で異なる変動パターンを行えば、遊技者は大当たりになることを期待する期待感を持つことができない。しかし、リーチになる前は大当たりになる可能性の高い図柄変動になることを遊技者に期待させ、リーチになった後は他の図柄変動による遊技者に新たな期待をさせることができる。
上記実施の形態1によれば請求項1に対応し、特別図柄を変動して表示し始め、その後に特別図柄を停止して表示する特別図柄表示器22(表示部)を有するパチンコ機10では、特別図柄を変動し始めてからリーチになるまでの第1期間に行う変動パターン(作動態様)と、リーチになってから特別図柄を停止させるまでの第2期間に行う変動パターンであって当たりになる可能性の高いものとには共通する共通パターン(共通態様)を含む。すなわち、図13に示すように、第1期間に行う変動パターンχと、第2期間に行う変動パターンδとには、共通する共通パターンaを含む。そのため、第1期間で共通パターンaを認識した遊技者は、大当たりになる可能性の高い変動パターンδが第2期間で行われ、ひいては大当たりになることを期待する期待感を持つことができる。また、請求項2に対応し、共通パターンは特別図柄表示器22に表示する特別図柄の変動パターンとしたので、遊技者が認識し易い。そのため、遊技者は共通パターンを容易に認識することができ、大当たりになることを期待する期待感をより確実に持つことができる。
上記実施の形態1では中特別図柄74の変動パターンを共通態様とした。この形態に代えて、左特別図柄72,右特別図柄76の変動パターンと、装飾図柄の表示との組み合わせを共通態様としてもよい。その一例を以下に示す。まず、共通態様を含み大当たりになる可能性の高いリーチアクションとして変動パターンδを行う例について説明する。例えば、図7のステップS70を実行すると、図14(A)に示すように特別図柄(左特別図柄72,中特別図柄74,右特別図柄76)とチャンス図柄(左チャンス図柄70,右チャンス図柄78)とをほぼ一斉に変動させ始める。その後、図14(B)に示すように特別図柄の変動領域を画面22aの全画面から部分領域80に小さくするとともに、部分領域80の上側領域を点滅させる。そして、図7のステップS74を実行すると、図14(C)に示すように左特別図柄72,右特別図柄76を同じ図柄で同期させながら変動させるとともに、これらの図柄と異なる変動速度で中特別図柄74を変動させる。当該特別図柄の背景には、装飾図柄としてのキャラクタ82を表示する。さらに図7のステップS74を実行し、左特別図柄72と右特別図柄76のみならず、中特別図柄74も一時的に停止する。左特別図柄72と右特別図柄76とは同じ図柄なのでリーチであり、図8に示すステップS84を実行してリーチ表示を行う。リーチ表示の一例を図15(A)に示す。
リーチ表示を行なった後は、図8のステップS86を実行してリーチアクションを行う。具体的には図8のステップS86aを実行し、図15(B)に示すように全ての特別図柄を同期して変動させる。こうして最終的には図6のステップS48を実行し、図15(C)に示す大当たり図柄「333」等を表示する。ここで左特別図柄72,右特別図柄76に注目すると、リーチ前後では同期して変動しており、両方の変動パターンに共通する共通パターン(共通アクション,共通態様)を含む。また、キャラクタ82も共通して表示されている。したがって、遊技者は大当たりになる可能性の高い変動パターンがリーチ後にも行われ、ひいては大当たりになることを期待する期待感を持つことができる。
次に、共通アクションを含まず大当たりになる可能性の低いリーチアクションとして変動パターンαを行う例について説明する。リーチ表示を行うまでの過程は変動パターンδの例と同様とし、リーチ後の変動パターンについて説明する。リーチ表示を行なった後は、図8のステップS86を実行してリーチアクションを行う。具体的には図8のステップS86bを実行し、図16(A)に示すように左特別図柄72,右特別図柄76を完全に停止させた状態で、中特別図柄74のみを変動させる。こうして最終的には図6のステップS48を実行し、例えば図16(B)に示す大当たり図柄「666」等あるいは図16(C)に示すはずれ図柄「636」等を表示する。ここで左特別図柄72,右特別図柄76に注目すると、リーチ前は同期して変動しているのに対してリーチ後は停止しており、共通する変動パターンでない。このように、リーチ前後で異なる変動パターンを行えば、遊技者は大当たりになることを期待する期待感を持つことができない。
したがって、左特別図柄72,右特別図柄76の変動パターンと、キャラクタ82の表示との組み合わせを共通態様とした場合でも実施の形態1と同様の効果が得られる。よって、共通アクション,共通態様を他の態様としてもよい。他の態様としては、図柄を変動して表示し始めてから停止するまでの間にパチンコ機10で作動する全ての態様である。具体的には、特別図柄表示器22に表示する装飾図柄(静止画,動画,映像等の画像),ランプ類16の点滅パターン,スピーカ44から出る音(音楽や効果音等)のパターン等がある。これらの作動態様についても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、これらの態様について少なくとも二以上の態様を組み合わせて適用した場合も実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
〔実施の形態2〕次に、実施の形態2は実施の形態1と同様に本発明を第1種パチンコ機に適用したものであって、図10〜図12,図17を参照しながら説明する。この実施の形態2では、複数のリーチアクションに共通する共通アクションを含む例を説明する。ここで、図17には変動パターンの一例を示す。なお、パチンコ機10の構成や処理手順等は実施の形態1と同様であるので、説明を簡単にするために実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明する。また、共通アクションを含まないリーチアクションを実行する場合の説明についても省略する。
実施の形態2が実施の形態1と異なるのは、リーチ表示後に行うリーチアクションについて、共通アクションを複数のリーチアクションに含む点である。したがって、実施の形態2では図7のステップS74を実行しない。まず、共通アクションを含み大当たりになる可能性の高いリーチアクションとして変動パターンδを行う例を説明する。この例では、リーチアクションとして図8のステップS86aを実行する。具体的には、図10(C)→図10(D)→図11(A)→図11(B)の順番で示すように中特別図柄74が変動したり一時停止したりするパターンを繰り返す。その後、図6のステップS48を実行し、例えば図11(C)に示す大当たり図柄「777」あるいは図11(D)に示すはずれ図柄「767」を表示する。
次に、共通アクションを含み大当たりになる可能性の低いリーチアクションとして変動パターンεを行う例を説明する。この例では、リーチアクションとして図8のステップS86aを実行した後、さらにステップS86bを実行する。具体的には、図10(C)→図10(D)→図11(A)→図11(B)の順番で示すように中特別図柄74が変動したり一時停止したりするパターンを繰り返す。その後、図12(A)→図12(B)の順番で示すように中特別図柄74を高速変動→中速変動→低速変動のように変動状態を次第にゆっくりと変化させてゆく。こうして最終的には図6のステップS48を実行し、例えば図12(C)に示す大当たり図柄「777」等あるいは図12(D)に示すはずれ図柄「767」等を表示する。ここで中特別図柄74に注目すると、大当たりになる可能性の高い変動パターンδと、大当たりになる可能性の低い変動パターンεとには、変動状態と一時停止状態とを繰り返すという両方の変動パターンに共通する共通パターン(共通アクション,共通態様)を含む。このように、リーチ後においても大当たりになる可能性の高い変動パターンδに含まれる共通パターンでリーチ前の図柄変動を行うと、遊技者は特別図柄を停止して大当たり/はずれが明らかになるまで、大当たりになることを期待する期待感を持つことができる。
上記実施の形態2によれば請求項3に対応し、リーチになると複数の変動パターン(リーチアクション)の中から一の変動パターンを決定し(図8のステップS82)、決定した変動パターンを実行するパチンコ機10では、大当たりになる可能性の高い変動パターンδと大当たりになる可能性の低い変動パターンαとは異なる内容の変動パターンであって、両方の変動パターンは共通する共通アクションを含む。すなわち、図17に示すように、リーチ後に行う変動パターンδと変動パターンεとには、共通する共通パターンbを含む。そのため、共通パターンb(共通アクション)を見た遊技者は大当たりになる可能性の高い変動パターンδを期待する期待感を持つことができる。なお、左特別図柄72,右特別図柄76の変動パターンと、キャラクタ82(装飾図柄)の表示との組み合わせを共通アクションとしてもよい。この場合でも、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。よって、共通アクション,共通態様を他の態様、例えば特別図柄表示器22に表示する装飾図柄,ランプ類16の点滅パターン,スピーカ44から出る音のパターン等のように、図柄を変動して表示し始めてから停止するまでの間にパチンコ機10で作動する全ての態様についても、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。また、これらの態様について少なくとも二以上の態様を組み合わせて適用した場合も実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
〔他の実施の形態〕上述したパチンコ機10(遊技機)において、他の部分の構造,形状,大きさ,材質,配置および動作条件等については、上記実施の形態に限定されるものでない。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
(1)上記各実施の形態では、パチンコ機10に本発明を適用した。この形態に代えて、パチンコ機以外の遊技機(例えばスロットマシン機,アレンジボール機,テレビゲーム機等)についても同様に本発明を適用することができる。こうした遊技機であっても、第2期間に行う作動態様に共通する共通態様を第1期間で認識した遊技者は、大当たりになる可能性の高い作動態様が第2期間で行われ、ひいては大当たりになることを期待する期待感を持つことができる。
(2)上記実施の形態1では、必ず共通アクションを行なった(図7に示すステップS74)。具体的には必ず共通パターンで図柄を変動させた。この形態に代えて(あるいは加えて)、所要の条件を満たしているか否かによって(図7に示すステップS72)、共通アクションを行うか否かを決定するようにしてもよい。こうすれば所要の条件を満たすと共通アクションが行われ、共通アクションを認識した遊技者は大当たりになる可能性の高い作動態様,リーチアクションを期待する期待感を持つことができる。
(3)上記各実施の形態では、作動態様として表示部に表示する図柄の変動パターンや表示部に表示する装飾図柄等を適用したが、遊技者が座る椅子や遊技者が握るハンドル等を振動させる振動パターンを適用してもよい。かかる場合には、椅子やハンドル等を振動させる部材が必要となる。こうすれば、肉眼で図柄を識別することが困難な遊技者であっても、大当たりになる可能性の高い作動態様,リーチアクションを期待する期待感を持つことができる。
(4)上記各実施の形態では、特別図柄表示器22に表示する特別図柄について本発明を適用した。この形態に代えて(あるいは加えて)、表示部としての普通図柄表示器26に表示する普通図柄について本発明を適用してもよい。この形態であっても、第2期間に行う作動態様に共通する共通態様を第1期間で認識した遊技者は、当たりになる可能性の高い作動態様が第2期間で行われ、ひいては当たりになることを期待する期待感を持つことができる。
(他の発明の態様)以上、本発明の実施の形態について説明したが、この実施の形態には特許請求の範囲に記載した発明の態様のみならず他の発明の態様を有するものである。この発明の態様を以下に列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行う。
〔態様1〕 図柄を変動して表示し始め、その後に図柄を停止して表示する表示部を有する遊技機において、図柄を変動し始めてからリーチになるまでの第1期間に行う図柄変動と、リーチになってから図柄を停止させるまでの第2期間に行う図柄変動であって当たりになる可能性の高いものとには共通する変動を含み、当たりになる可能性の高い図柄変動以外の図柄変動を第2期間に行う遊技機。
〔態様1の関連説明〕 本態様によれば、リーチになる前は当たりになる可能性の高い図柄変動になることを遊技者に期待させ、リーチになった後は他の図柄変動による遊技者に新たな期待をさせることができる。