JP2010156843A - 微細加工体、およびその製造方法、ならびにエッチング装置 - Google Patents

微細加工体、およびその製造方法、ならびにエッチング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】球面や円柱面などの曲面上に微細な凹凸パターンを有する微細加工体の製造方法を提供する。
【解決手段】微細加工体の製造方法は、曲面を有する原盤上に無機レジスト層を成膜する工程と、原盤上に成膜された無機レジスト層を露光現像し、無機レジスト層にパターンを形成する工程と、無機レジスト層にパターンが形成された原盤を、原盤の曲面とほぼ同一または相似の曲面を有する電極上に配置し、原盤をエッチングし、原盤表面に凹凸形状を形成することにより、微細加工体を作製する工程とを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、微細加工体、およびその製造方法、ならびにその作製に用いるエッチング装置に関する。詳しくは、曲面を有する微細加工体に関する。
近年、微細加工体の製造技術が種々検討されている。例えば、光の表面反射防止を目的として、光学素子表面に微細かつ緻密な凹凸構造(モスアイ構造)を形成する技術が提案されている(例えば非特許文献1参照)。
一般に、光学素子表面に周期的な凹凸形状を設けた場合、ここを光が透過するときには回折が発生し、透過光の直進成分が大幅に減少する。しかし、凹凸形状のピッチが透過する光の波長よりも短い場合には回折は発生せず、例えば凹凸形状を矩形としたときに、そのピッチや深さなどに対応する単一波長の光に対して有効な反射防止効果を得ることができる。
本発明者らは、このような微細加工体の製造方法として、光ディスクの原盤作成プロセスとエッチングプロセスとを融合した方法を提案している(例えば特許文献1参照)。この方法では、釣鐘形状や楕円錐台形状の構造体を形成することができる。
一般的な光ディスクの原盤作製プロセスでは、凹凸パターンは以下のようにして作製される。まず、感光材であるレジストをシンナーで希釈した溶液を、平滑なガラス基板上にスピンコート法により塗布することによって、均一な膜厚で平滑なレジスト膜を基板上に形成する。次に、基板のレジスト膜を光学記録装置により種々の露光パターンを記録し、現像する。ことにより、均一な深さや幅を有する凹凸パターンが形成される。
「光技術コンタクト」Vol.43,No.11(2005),630-637
特開2008−176076号公報
ところで、近年では、反射防止などを目的として、上述の凹凸構造(モスアイ構造)を種々の光学部品に対して形成することが望まれるようになっている。このような要求に応えるためには、球面や円柱面などの曲面を有する原盤上に微細凹凸パターンを形成する技術が必要となる。
したがって、この発明の目的は、球面や円柱面などの曲面上に微細な凹凸パターンを有する微細加工体、およびその製造方法、ならびにその作製に用いられるエッチング装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の発明は、
曲面を有する原盤上に無機レジスト層を成膜する工程と、
原盤上に成膜された無機レジスト層を露光現像し、無機レジスト層にパターンを形成する工程と、
無機レジスト層にパターンが形成された原盤を、原盤の曲面とほぼ同一または相似の曲面を有する電極上に配置し、原盤をエッチングし、原盤表面に凹凸形状を形成することにより、微細加工体を作製する工程と
を備える微細加工体の製造方法である。
第2の発明は、
曲面を有する基体と、
基体の曲面上に形成された、凸部または凹部である構造体と
を備え、
構造体が、使用環境下の光の波長以下のピッチで配列されている微細加工体である。
第3の発明は、
エッチング反応槽と、
エッチング反応層内に対向配置された第1の電極および第2の電極と
を備え、
第1の電極が、基体を配置する配置面を有し、
配置面が、曲面または凹凸面を有するエッチング装置である。
第4の発明は、
基体と、
上記基体の表面上に多数配列された構造体と
を備え、
上記構造体が、使用環境下の光の波長以下のピッチで配列され、
上記構造体が、上記基体の表面の法線方向に対して、所定の角度を持って2以上の異なる方向に斜めに形成されている光学素子である。
本発明において、四方格子とは、正四角形状の格子のことをいう。準四方格子とは、正四角形状の格子とは異なり、歪んだ正四角形状の格子のことをいう。具体的には、構造体が直線上に配置されている場合には、準四方格子とは、正四角形状の格子を直線状の配列方向に引き伸ばして歪ませた四方格子のことをいう。構造体が円弧上に配置されている場合には、準四方格子とは、正四角形状の格子を円弧状に歪ませた四方格子、または、正四角形状の格子を円弧状に歪ませ、かつ、円弧状の配列方向に引き伸ばして歪ませた四方格子のことをいう。
本発明において、六方格子とは、正六角形状の格子のことをいう。準六方格子とは、正六角形状の格子とは異なり、歪んだ正六角形状の格子のことをいう。具体的には、構造体が直線上に配置されている場合には、準六方格子とは、正六角形状の格子を直線状の配列方向に引き伸ばして歪ませた六方格子のことをいう。構造体が円弧上に配置されている場合には、準六方格子とは、正六角形状の格子を円弧状に歪ませた六方格子、または、正六角形状の格子を円弧状に歪ませ、かつ、円弧状の配列方向に引き伸ばして歪ませた六方格子のことをいう。
この発明では、無機レジストパターンが形成された原盤を、原盤の曲面とほぼ同一または相似の曲面を有する電極上に配置し、原盤をエッチングするので、原盤の曲面に対して垂直な方向にエッチングすることができる。したがって、円筒形や球形などの曲面を有する原盤に対して、均一な深さや幅を有する凹凸パターンを形成することができる。
以上説明したように、この発明によれば、球面や円柱面などの曲面上に微細な凹凸パターンを有する微細加工体および微細加工体の製造方法を実現することができる。
本発明の実施形態について図面を参照しながら以下の順序で説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
(1)第1の実施形態(円筒状のマスタの例)
(2)第2の実施形態(円筒状の原盤を横にして露光する例)
(3)第3の実施形態(円筒状の原盤の内周面に構造体を配列する例)
(4)第4の実施形態(四方格子状に構造体を配列する例)
(5)第5の実施形態(球面状のマスタの作製例)
(6)第6の実施形態(傾斜した構造体を有するマスタ)
(7)第7の実施形態(凹形状の構造体を基体表面に形成する例)
(8)第8の実施形態(レジスト層の凹凸パターンを直接転写する例)
(9)第9の実施形態(表示装置に対する第1の適用例)
(10)第10の実施形態(表示装置に対する第2の適用例)
<1.第1の実施形態>
[光学素子の構成]
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図1Bは、図1Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図1Cは、図1BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図1Dは、図1BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。
この光学素子1は、ディスプレイ、光エレクトロニクス、光通信(光ファイバー)、太陽電池、照明装置など種々の光学部品に適用して好適なものある。具体的には例えば、光学部品としては、偏光子、レンズ、導光板、窓材、および表示素子のいずれか1種を挙がることができる。
光学素子1は、基体2と、この基体2の表面に形成された、凸部である構造体3とを備える。この光学素子1は、構造体3が設けられた基体表面に対して入射する光の反射を防止する機能を有している。以下では、図1に示すように、基体2の一主面内において直交する2つの軸をX軸、Y軸と称し、基体2の一主面に垂直な軸をZ軸と称する。また、構造体3間に空隙部2aがある場合には、この空隙部2aに微細凹凸形状を設けることが好ましい。このような微細凹凸形状を設けることで、光学素子1の反射率をさらに低減することができるからである。
以下、光学素子1を構成する基体2、および構造体3について順次説明する。
(基体)
基体2は、透明性を有する透明基体である。基体2の材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明性合成樹脂、ガラスなどを主成分とするものが挙げられるが、特にこれらの材料に限定されるものではない。
基体2の形状としては、例えば、フィルム状、シート状、プレート状、ブロック状を挙げることができるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。基体2の形状は、ディスプレイ、光エレクトロニクス、光通信、太陽電池、照明装置など所定の反射防止機能が必要とされる各種光学デバイスの本体部分や、これらの光学デバイスに取り付けられるシートやフィルム状などの反射防止機能部品の形状に合わせて選択決定することが好ましい。
(構造体)
図2は、図1に示した光学素子の一部を拡大して表す斜視図である。基体2の表面には、凸部である構造体3が多数配列されている。この構造体3は、使用環境下の光の波長以下の短いピッチ、例えば可視光の波長と同程度のピッチで周期的に2次元配置されている。使用環境下の光は、例えば、紫外光、可視光、赤外光である。ここで、紫外光とは10nm以上360nm未満の波長範囲を有する光、可視光とは360nm以上830nm以下の光、赤外光とは830nmを超えて1mm以下の光をいう。
光学素子1の構造体3は、基体2の表面において複数列のトラックT1,T2,T3,・・・(以下総称して「トラックT」ともいう。)をなすような配置形態を有する。ここで、トラックとは、構造体3が列をなして直線状に連なった部分のことをいう。隣接する構造体3の下部同士を重ね合わせて、構造体3の下部同士を接合するようにしてもよい。この構造体3の接合は、隣接関係にある構造体3の全てまたは一部でなされる。例えば、トラック方向に配置される構造体3の下部同士が重ね合わされて接合される。このように構造体3の下部同士を接合することで、反射特性を向上することができる。
構造体3は、隣接する2つのトラックT間において、半ピッチずれた位置に配置されている。具体的には、隣接する2つのトラックT間において、一方のトラック(例えばT1)に配列された構造体3の中間位置(半ピッチずれた位置)に、他方のトラック(例えばT2)の構造体3が配置されている。その結果、図1Bに示すように、隣接する3列のトラック(T1〜T3)間においてa1〜a7の各点に構造体3の中心が位置する六方格子パターンまたは準六方格子パターンを形成するように構造体3が配置されている。この第1の実施形態において、六方格子パターンとは、正六角形状の格子パターンのことをいう。また、準六方格子パターンとは、正六角形状の格子パターンとは異なり、トラックの延在方向(X軸方向)に引き伸ばされ歪んだ六方格子パターンのことをいう。
構造体3が準六方格子パターンを形成するように配置されている場合には、図1Bに示すように、同一トラック(例えばT1)内における構造体3の配置ピッチP1(a1〜a2間距離)は、隣接する2つのトラック(例えばT1およびT2)間における構造体3の配置ピッチ、すなわちトラックの延在方向に対して±θ方向における構造体3の配置ピッチP2(例えばa1〜a7,a2〜a7間距離)よりも長くなっていることが好ましい。このように構造体3を配置することで、構造体3の充填密度の更なる向上を図れるようになる。
構造体3の高さは特に限定されず、透過させる光の波長領域に応じて適宜設定される。構造体3の高さは、例えば236nm〜450nm、好ましくは415nm〜421nmである。構造体3のアスペクト比(高さH/配置ピッチP)は、0.81〜1.46の範囲に設定することが好ましい。0.81未満であると反射特性および透過特性が低下する傾向にあり、1.46を超えると光学素子1の作製時において剥離特性が低下し、レプリカの複製が綺麗に取れなくなる傾向があるからである。
なお、本発明においてアスペクト比は、以下の式(1)により定義される。
アスペクト比=H/P・・・(1)
但し、H:構造体3の高さ、P:平均配置ピッチ(平均周期)
ここで、平均配置ピッチPは以下の式(2)により定義される。
平均配置ピッチP=(P1+P2+P2)/3 ・・・(2)
但し、P1:トラックの延在方向の配置ピッチ(トラック延在方向周期)、P2:トラックの延在方向に対して±θ方向(但し、θ=60°−δ、ここで、δは、好ましくは0°<δ≦11°、より好ましくは3°≦δ≦6°)の配置ピッチ(θ方向周期)
また、構造体3の高さHは、構造体3の列方向の高さH2とする(図2参照)。ここで、列方向とは、基体表面内において、トラックの延在方向(X軸方向)に直交する方向(Y軸方向)のことをいう。後述する製造方法により光学素子1を作製する場合、構造体3のトラック延在方向の高さH1は、列方向の高さH2よりも小さくすることが好ましい。このような高さの関係とすると、後述する製造方法では、構造体3のトラック延在方向以外の部分における高さは、列方向の高さH2とほぼ同一となる。このため、構造体3の高さHを列方向の高さH2で代表する。
図2では、構造体3は、それぞれ同一の形状を有しているが、構造体3の形状はこれに限定されるものではなく、基体表面に2種以上の形状の構造体3が形成されていてもよい。また、構造体3は、基体2と一体的に形成されていてもよい。
なお、構造体3のアスペクト比は全て同一である場合に限らず、構造体3が一定の高さ分布(例えばアスペクト比0.83〜1.46程度の範囲)をもつように構成されていてもよい。高さ分布を有する構造体3を設けることで、反射特性の波長依存性を低減することができる。したがって、優れた反射防止特性を有する光学素子1を実現することができる。
ここで、高さ分布とは、2種以上の高さ(深さ)を有する構造体3が基体2の表面に設けられていることを意味する。すなわち、基準となる高さを有する構造体3と、この構造体3とは異なる高さを有する構造体3とが基体2の表面に設けられていることを意味する。基準とは異なる高さを有する構造体3は、例えば基体2の表面に周期的または非周期的(ランダム)に設けられている。その周期性の方向としては、例えばトラックの延在方向、列方向などが挙げられる。
構造体3の材料としては、例えば、紫外線、もしくは電子線により硬化する電離放射線硬化型樹脂、または熱により硬化する熱硬化型樹脂を主成分とするものが好ましく、紫外線で硬化できる紫外線硬化樹脂を主成分とするものが最も好ましい。
構造体3は、この構造体3の頂部から底部に向かって徐々に広がる曲面を有していることが好ましい。このような形状にすることにより、転写性を良好にすることができるからである。
構造体3の頂部は、例えば、平面、または凸状の曲面、好ましくは、凸状の曲面である。このように凸状の曲面とすることで、光学素子1の耐久性を向上することができる。また、構造体3の頂部に、構造体3よりも屈折率が低い低屈折率層を形成してもよく、このような低屈折率層を形成することで、反射率を下げることが可能となる。
構造体3の全体形状としては、例えば、錐体形状を挙げることができる。錐体形状としては、円錐形状、円錐台形状、楕円錐形状、楕円錐台形状、頂部に曲率を持たせた円錐形状、頂部に曲率を持たせた楕円錐形状を挙げることができる。ここで、錐体形状とは、円錐形状および円錐台形状以外にも、楕円錐形状、楕円錐台形状、頂部に曲率を持たせた円錐形状、および頂部に曲率を持たせた楕円錐形状を含む概念である。また、円錐台形状とは、円錐形状の頂部を切り落とした形状をいい、楕円錐台形状とは、楕円錐の頂部を切り落とした形状のことをいう。なお、構造体3の全体形状は、これらの形状に限定されるものではなく、所望の特性に応じて適宜選択することが可能である。
より具体的には、楕円錐形状を有する構造体3は、底面が長軸と短軸をもつ楕円形、長円形または卵型の錐体構造で、頂部が曲面である構造体である。楕円錐台形状を有する構造体3は、底面が長軸と短軸をもつ楕円形、長円形または卵型の錐体構造で、頂部が平坦である構造体である。構造体3を楕円錐形状または楕円錐台形状とする場合、構造体3の底面の長軸方向がトラックの延在方向(X軸方向)となるように、構造体3を基体表面に形成することが好ましい。
[マスタの構成]
図3は、上述の構成を有する光学素子を作製するためのマスタの構成の一例を示す。図3に示すように、マスタ11は、いわゆるロールマスタであり、円筒状の原盤12の表面に凹部である構造体13が多数配列された構成を有している。この構造体13は、光学素子1の使用環境下の光の波長以下、例えば可視光の波長と同程度のピッチで周期的に2次元配列されている。構造体13は、例えば、円柱状の原盤12の表面に同心円状またはスパイラル状上に配置されている。構造体13は、上述の基体2の表面に凸部である構造体3を形成するためのものである。原盤12の材料は、例えばガラスを用いることができるが、この材料に特に限定されるものではない。
[露光装置の構成]
図4は、上述の構成を有するマスタを作製するための露光装置の構成の一例を示す概略図である。この露光装置は、光学ディスク記録装置をベースとして構成されている。
レーザ光源21は、記録媒体としての原盤12の表面に着膜されたレジストを露光するための光源であり、例えば波長λ=266nmの記録用のレーザ光15を発振するものである。レーザ光源21から出射されたレーザ光15は、平行ビームのまま直進し、電気光学素子(EOM:Electro Optical Modulator)22へ入射する。電気光学素子22を透過したレーザ光15は、ミラー23で反射され、変調光学系25に導かれる。
ミラー23は、偏光ビームスプリッタで構成されており、一方の偏光成分を反射し他方の偏光成分を透過する機能をもつ。ミラー23を透過した偏光成分はフォトダイオード24で受光され、その受光信号に基づいて電気光学素子22が制御されてレーザ光15の位相変調が行われる。
変調光学系25において、レーザ光15は、集光レンズ26により、ガラス(SiO2)などからなる音響光学素子(AOM:Acoust-Optic Modulator)27に集光される。レーザ光15は、音響光学素子27により強度変調され発散した後、コリメータレンズ28によって平行ビーム化される。変調光学系25から出射されたレーザ光15は、ミラー31によって反射され、移動光学テーブル32上に水平かつ平行に導かれる。
移動光学テーブル32は、ビームエキスパンダ33、および対物レンズ34を備えている。移動光学テーブル32に導かれたレーザ光15は、ビームエキスパンダ33により所望のビーム形状に整形された後、対物レンズ34を介して、原盤12上のレジスト層へ照射される。原盤12は、スピンドルモータ35に接続されたターンテーブル36の上に載置されている。そして、原盤12を回転させるとともに、レーザ光15を原盤12の高さ方向に移動させながら、レジスト層へレーザ光15を間欠的に照射することにより、レジスト層の露光工程が行われる。形成された潜像は、例えば、円周方向に長軸を有する略楕円形になる。レーザ光15の移動は、移動光学テーブル32を矢印R方向へ移動することによって行われる。
露光装置は、図1Bに示した六方格子または準六方格子の2次元パターンに対応する潜像をレジスト層に形成するための制御機構37を備えている。制御機構37は、フォーマッタ29とドライバ30とを備える。フォーマッタ29は、極性反転部を備え、この極性反転部が、レジスト層に対するレーザ光15の照射タイミングを制御する。ドライバ30は、極性反転部の出力を受けて、音響光学素子27を制御する。
この露光装置では、2次元パターンが空間的にリンクするように1トラック毎に極性反転フォーマッタ信号と記録装置の回転コントロラーとを同期させ信号を発生し、音響光学素子27により強度変調している。角速度一定(CAV:Constant Angular Velocity)で適切な回転数と適切な変調周波数と適切な送りピッチとでパターニングすることにより、六方格子または準六方格子パターンをレジスト層に記録することができる。
[エッチング装置の構成]
図5は、上述の構成を有するマスタを作製するためのエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。エッチング装置は、いわゆるRIE(Reactive Ion Etching)装置であり、図5に示すように、エッチング反応槽41と、カソード(陰極)である円柱電極42と、アノード(陽極)である対向電極43とを備える。円柱電極42は、エッチング反応槽41の中央に配置されている。対向電極43が、エッチング反応槽41の内側に設けられている。円柱電極42は、円筒状の原盤12を着脱可能な構成を有している。円柱電極42は、例えば、筒状の原盤12の円筒面とほぼ同一または相似の円柱面、具体的には、円筒状の原盤12の内周面よりも多少小さい径を有する円柱面を有する。円柱電極43が、ブロッキングコンデンサ44を介して、例えば13.56MHzの高周波電源(RF)45に対して接続される。対向電極43は、アースに対して接続される。
上述の構成を有するエッチング装置では、高周波電源45により対向電極43と円柱電極42との間に高周波電圧が印加されると、対向電極43と円柱電極42との間にプラズマが発生する。対向電極43はアースに接続されているため、電位が変わらないのに対して、円柱電極42は、ブロッキングコンデンサ44により回路が遮断されているのため、マイナス電位になり電圧降下が発生する。この電圧降下により、円柱電極42の円柱面に垂直な方向に電界が発生し、プラズマ中のプラスイオンは、円筒状の原盤12の外周面に垂直に入射し、異方性エッチングが行われる。
[光学素子の製造方法]
図6〜図7を参照して、本発明の第1の実施形態に係る光学素子の製造方法について説明する。
第1の実施形態に係る光学素子の製造方法は、光ディスクの原盤作成プロセスとエッチングプロセスとを融合した方法である。この製造方法は、原盤にレジスト層を形成するレジスト成膜工程と、露光装置を用いてレジスト層に潜像を形成する露光工程と、潜像が形成されたレジスト層を現像する現像工程と、エッチングによりマスタを製作するエッチング工程と、紫外線硬化樹脂により複製基板を製作する複製工程とを備える。
以下、本発明の第1の実施形態に係る光学素子の製造方法の各工程について順次説明する。
(レジスト成膜工程)
まず、図6Aに示すように、円筒状の原盤12を準備する。この原盤12は、例えばガラス原盤である。次に、図6Bに示すように、スパッタリング法により無機レジスト層14を円筒状の原盤12の外周面に成膜する。無機系レジストとしては、例えば、タングステンやモリブデンなどの1種または2種以上の遷移金属からなる金属酸化物を用いることができる。
(露光工程)
次に、図6Cに示すように、図4に示した露光装置を用いて、原盤12を回転させると共に、レーザ光(露光ビーム)15を無機レジスト層14に照射する。このとき、レーザ光15を原盤12の高さ方向に移動させながら、レーザ光15を間欠的に照射することで、無機レジスト層14を全面にわたって露光する。これにより、レーザ光15の軌跡に応じた潜像16が、例えば、可視光波長と同程度のピッチで無機レジスト層14の全面にわたって形成される。
(現像工程)
次に、原盤12を回転させながら、無機レジスト層14上に現像液を滴下して、図7Aに示すように、無機レジスト層14を現像処理する。無機レジスト層14をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザ光15で露光した露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、図7Aに示すように、潜像(露光部)16に応じたパターンが無機レジスト層14に形成される。
(エッチング工程)
次に、図5に示したエッチング装置を用いて、原盤12の上に形成された無機レジスト層14のパターン(レジストパターン)をマスクとして、原盤12の表面をエッチング処理する。これにより、図7Bに示すように、例えば、トラックの延在方向に長軸方向をもつ楕円錐形状または楕円錐台形状の凹部、すなわち構造体13を得ることができる。
また、必要に応じて、エッチング処理とアッシング処理を交互に行うようにしてもよい。このようにすることで、種々の曲面を有する構造体13を形成することができる。例えば、アッシングとエッチングとを繰り返し交互に行うと共に、エッチングの時間を徐々に長くすることにより、構造体3の形状を、頂部の傾きが緩やかで中央部から底部に徐々に急峻な傾きの楕円錐形状にできる。また、無機レジスト層14の3倍以上の深さ(選択比3以上)のガラスマスターを作製でき、構造体3の高アスペクト比化を図ることができる。
以上により、六方格子パターンまたは準六方格子パターンを有するマスタ11が得られる。
(複製工程)
次に、マスタ11と紫外線硬化樹脂を塗布したアクリルシートなどの基体2とを密着させ、紫外線を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させた後、マスタ11から基体2を剥離する。これにより、図7Cに示すように、目的とする光学素子1が作製される。
第1の実施形態によれば、スパッタリング法により無機レジスト層14を成膜するので、円筒状の原盤12の表面に均一な膜厚で、かつ平滑な無機レジスト膜を成膜できる。また、円筒状の原盤12を円柱電極42に配置しリアクティブイオンエッチングするので、プラスイオンを円筒状の原盤12の外周面に垂直に入射させ、異方性エッチングすることができる。以上により、均一な深さや幅を有する凹凸パターンを、円柱面を有する原盤12に形成できる。
また、光ディスクの原盤作成プロセスとエッチングプロセスとを融合した方法を用いて、光学素子1を作製する場合には、電子線露光を用いて光学素子1を作製した場合に比べて、原盤作製プロセスに要する時間(露光時間)を大幅に短縮することができる。したがって、光学素子1の生産性を大幅に向上することができる。
また、構造体3の頂上部の形状を先鋭でなく滑らかな形状、例えば高さ方向に向けて突出する滑らかな曲面とした場合には、光学素子1の耐久性を向上することができる。また、マスタ11に対する光学素子1の剥離性を向上することもできる。
一般的なスピンコート法による有機レジスト膜の形成プロセスでは、原盤が曲面(円筒形、球形)有するものである場合、塗布むらを生じ、均一な膜厚で平滑なレジスト膜を形成することは困難である。したがって、均一な深さや幅を有する凹凸パターンを曲面状の原盤表面に形成することは困難である。これに対して、第1の実施形態では、スパッタリング法により無機レジスト層14を成膜するので、円筒状の原盤12の表面に均一な膜厚で、かつ平滑な無機レジスト膜を成膜できる。したがって、均一な深さや幅を有する凹凸パターンを曲面状の原盤表面に形成することができる。
また、上述の製造方法を応用することで、円筒形や球形などの曲面を有する原盤以外にも、均一な深さや幅を有する凹凸パターンを形成することができる。例えば、シート状、テープ状、棒状、針状、直方体状(ボックス状)、ワイヤーフレーム状、円筒状などの原盤に対して、均一な深さや幅を有する凹凸パターンを形成することができる。また、直方体状を有する中空の基体、円筒形状を有する中空の原盤の内部に対しても、均一な深さや幅を有する凹凸パターンを形成することができる。
<2.第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態に係る光学素子の製造に用いる露光装置の構成の一例を示す概略図である。図8に示すように、第2の実施形態は、円筒状の原盤12を横にして露光する点において、第1の実施形態とは異なっている。
この露光装置は、ターンテーブル60、スピンドルサーボ61、レーザ光源51(266nm)、ミラーM1およびミラーM2、駆動回路(ドライバ)58、移動光学テーブル53、電圧周波数制御器57、エアスライダ(図示せず)、送りサーボ(図示せず)、離軸法(Skew Method)のフォーカスサーボ(図示せず)を、その主要部として備えている。
レーザ光源51は、記録媒体としての円筒状の原盤12の表面に着膜されたレジストを露光するための光源であり、例えば波長λ=266nmの記録用のレーザ光52を発振するものである。但し、露光用の光源としては、特にこのようなレーザ光源51のみに限定されるものではない。このレーザ光源51より出射されたレーザ光52は、平行ビームのまま直進し、ミラーM1およびミラーM2で反射されて向きを変えて、移動光学テーブル53へと導かれる。
移動光学テーブル53には、2つのウェッジプリズム54と1つの音響光学変調偏向器(AOM/AOD;Acoustic Optical Modulator/Acoustic Optical Deflector)55とが配置されている。これらウェッジプリズム54および音響光学変調偏向器55は、平行ビームのまま入射して来たレーザ光52と格子面とがブラッグの条件を満たすと共にビーム水平高さが変わらないように配置されている。音響光学変調偏向器55に用いられる音響光学素子としては石英(SiO2)が好適である。
音響光学変調偏向器55には、所定の信号が駆動回路58から供給される。駆動回路58には、電圧周波数制御器(VCO)57から高周波信号が供給される。電圧周波数制御器57には制御信号が供給される。音響光学変調偏向器55は、ブラッグ回折における一次回折光強度が超音波パワーにほぼ比例することを利用したものであり、記録信号に基づいて超音波パワーを変調してレーザ光52の光変調を行い、所定の露光パターンを形成する。ブラッグ回折を実現するために、ブラッグ条件;2dsinθ=nλ(ここに、d:格子間隔、λ:レーザ光波長、θ:レーザ光と格子面のなす角、n:整数である)を満たすように、レーザ光52の光軸に対する音響光学変調偏向器55の位置関係および姿勢を設定する。電圧周波数制御器57からの制御信号(ウォブルを形成するための信号)により、格子間隔dが変化し、ブラッグ条件(2dsinθ=nλ)により、θが変化することにより、偏向(ウォブル)される。
上述のようにして変調および偏向(ウォブル)されたレーザ光52は、ビームエキスパンダ56により所望のビーム形状に整形された後、ミラーM3および対物レンズ59により円筒状の原盤12の無機レジストに照射され、所望の構造体の潜像を形成する。光学的記録装置は、スピンドルサーボにより回転数を制御し、送りサーボによりエアスライダの送りを制御し、フォーカスサーボにより焦点を制御し、図8に示すような露光を行う。
<3.第3の実施形態>
図9は、本発明の第2の実施形態に係る光学素子の製造に用いる露光装置の構成の一例を示す概略図である。図9に示すように、第3の実施形態は、円筒状の原盤12の内周面に無機レジスト層を形成し、この無機レジスト層を露光する点において、第2の実施形態とは異なっている。
<4.第4の実施形態>
図10Aは、本発明の第4の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図10Bは、図10Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図10Cは、図10BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図10Dは、図10BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。
第4の実施形態に係る光学素子1は、構造体3が、隣接する3列のトラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンをなしている点において、第1の実施形態のものとは異なっている。ここで、準四方格子パターンとは、正四方格子パターンと異なり、トラックの延在方向(X軸方向)に引き伸ばされ歪んだ四方格子パターンを意味する。構造体3が四方格子パターンまたは準四方格子パターンに周期的に配置されている場合には、例えば、構造体3が4回対称となる方位で隣接する。また、四方格子をより引き伸ばし歪ませることにより、同一トラックの構造体3に対しても隣接させることが可能となり、4回対称となる方位に加えて同一トラック方向の2箇所でも隣接した充填密度の高い配置がなされる。
隣接する2つのトラックT間において、一方のトラック(例えばT1)に配列された構造体3の中間位置(半ピッチずれた位置)に、他方のトラック(例えばT2)の構造体3が配置されている。その結果、図10Bに示すように、隣接する3列のトラック(T1〜T3)間においてa1〜a4の各点に構造体3の中心が位置する四方格子パターンまたは準四方格子パターンを形成するように構造体3が配置されている。
構造体3の高さ(深さ)は特に限定されず、透過させる光の波長領域に応じて適宜設定される。例えば、可視光を透過させる場合、構造体3の高さ(深さ)は150nm〜500nmであることが好ましい。トラックTに対してθ方向のピッチP2は、例えば、275nm〜297nm程度である。構造体3のアスペクト比(高さH/配置ピッチP)は、例えば、0.54〜1.13程度である。更に、構造体3のアスペクト比は全て同一である場合に限らず、構造体3が一定の高さ分布をもつように構成されていてもよい。
同一トラック内における構造体3の配置ピッチP1は、隣接する2つのトラック間における構造体3の配置ピッチP2よりも長いことが好ましい。また、同一トラック内における構造体3の配置ピッチをP1、隣接する2つのトラック間における構造体3の配置ピッチをP2としたとき、比率P1/P2が、1.4<P1/P2≦1.5の関係を満たすことが好ましい。このような数値範囲にすることで、楕円錐または楕円錐台形状を有する構造体の充填率を向上することができるので、反射防止特性を向上することができる。
第4の実施形態では、上述の第1の実施形態と同様に、反射防止特性に優れた光学素子1を得ることができる。
<5.第5の実施形態>
[光学素子の構成]
図11Aは、本発明の第5の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図11Bは、図12Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図11Cは、図11BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図11Dは、図11BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。
第5の実施形態に係る光学素子1は、球面状の面を有し、この球面上に構造体3が形成されている点において、第1の実施形態とは異なっている。球面は、例えば凸状または凹状の球面である。光学素子1は、例えば、凹レンズ、または凸レンズである。図11では、光学素子1が凹状の球面を有する場合が例として示されている。
第5の実施形態に係る光学素子1において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
[マスタの構成]
図12は、上述の構成を有する光学素子を作製するためのマスタの構成の一例を示す。第5の実施形態に係るマスタ11は、球面状の面を有し、この球面上に構造体13が形成されている点において、第1の実施形態とは異なっている。球面は、例えば凸状または凹状の球面である。図12では、マスタ11が凸状の球面を有する場合が例として示されている。
第5の実施形態に係るマスタ11において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
[露光装置の構成]
図13は、上述の構成を有するマスタを作製するための露光装置の構成の一例を示す概略図である。移動光学テーブル32は、ビームエキスパンダ33、ミラー38および対物レンズ34を備えている。また、対物レンズ34の直下の位置には、ポジションセンサ(図示せず)が設けられている。このポジションセンサにより、原盤12の球面との衝突が防止されるようになっている。移動光学テーブル32に導かれたレーザ光15は、ビームエキスパンダ33により所望のビーム形状に整形された後、ミラー38および対物レンズ34を介して、原盤12の球面上に形成されたレジスト層へ照射される。球面を有する原盤12は、スピンドルモータ35に接続されたターンテーブル36上に載置されている。そして、原盤12を回転させるとともに、レーザ光15を原盤12の回転半径方向に移動させながら、原盤12上のレジスト層へレーザ光を間欠的に照射することにより、レジスト層の露光工程が行われる。レーザ光15の移動は、移動光学テーブル32を矢印R方向へ移動することによって行われる。
第5の実施形態に係る露光装置において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
[エッチング装置の構成]
図14は、上述の構成を有するマスタを作製するためのエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。エッチング反応槽41内に、球面電極46と、この球面電極46と対向する対向電極47とを備えている。球面電極46は、対向電極47と対向する側に球面を有し、この球面上に原盤12が載置される。球面電極46は、球面状の原盤12を着脱可能に構成されている。球面電極46は、例えば、球面状の原盤12の球面とほぼ同一または相似の球面を有する。
第5の実施形態に係るエッチング装置において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
<6.第6の実施形態>
図15Aは、本発明の第6の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図15Bは、図15Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図15Cは、図15BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図15Dは、図15BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。図16は、図15に示した光学素子の一部を拡大して表す斜視図である。
第6の実施形態は、構造体3が基体表面に対して傾斜している点において、第1の実施形態とは異なっている。構造体3が基体表面に対して2以上の異なる方向を向いていてもよい。具体的には、構造体3が、例えば、基体表面の法線方向に対して、所定の角度を持って2以上の異なる方向に斜めに形成されているようにしてもよい。また、構造体3が、複数の領域を有し、各領域に応じて構造体の方向が異なるようにしてもよい。
第6の実施形態に係る光学素子において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
[マスタの構成]
図17は、上述の構成を有する光学素子を作製するためのマスタの構成の一例を示す。図17に示すように、マスタ11は、円盤状の原盤12の表面に凹部である構造体13が多数配列された構成を有している。この構造体13は、光学素子1の使用環境下の光の波長以下、例えば可視光の波長と同程度のピッチで周期的に2次元配列されている。構造体13は、例えば、同心円状またはスパイラル状のトラック上に配置されている。
第6の実施形態に係るマスタにおいて、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
[露光装置の構成]
図18は、上述の構成を有するマスタを作製するための露光装置の構成の一例を示す概略図である。第6の実施形態に係る露光装置は、第5の実施形態のものと同様である。但し、第6の実施形態では、図18に示すように、ターンテーブル36にはディスク状の原盤12が載置され、この原盤12の無機レジストに対して、レーザ光が照射されて露光が行われる。
[エッチング装置の構成]
図19は、上述の構成を有するマスタを作製するためのエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。エッチング反応槽41内に、凹凸面電極48と、この凹凸面電極48と対向する対向電極47とを備えている。凹凸面電極48は、対向電極47と対向する側に凹凸面を有し、この凹凸面上に原盤12が載置される。
上述の構成を有するエッチング装置では、高周波電源45により対向電極47と凹凸面電極48との間に高周波電圧が印加されると、電圧降下により、凹凸面電極48の凹凸面に応じた方向に電界が発生する。プラズマ中のプラスイオンは、円盤状の原盤12の主面に斜め方向などに入射し、異方性エッチングが行われる。また、凹凸面電極48の凹凸形状を適宜調整することで、凹凸面電極48の凹凸面を用いて、2以上の異なる方向に原盤12を異方性エッチングすることができる。また、凹凸面電極48の凹凸形状を適宜調整することで、凹凸面電極48の凹凸面を用いて、原盤12の表面の領域に応じて、異方性エッチングの方向を変化させることも可能である。
第6の実施形態に係るエッチング装置において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
[光学素子の製造方法]
図20〜図21を参照して、本発明の第6の実施形態に係る光学素子の製造方法について説明する。
(レジスト成膜工程)
まず、図20Aに示すように、円盤状の原盤12を準備する。この原盤12は、例えばガラス原盤である。次に、図20Bに示すように、スパッタリング法により無機レジスト層14を円盤状の原盤12の一主面に成膜する。無機系レジストとしては、例えば、タングステンやモリブデンなどの1種または2種以上の遷移金属からなる金属酸化物を用いることができる。
(露光工程)
次に、図20Cに示すように、図18に示した露光装置を用いて、原盤12を回転させると共に、レーザ光(露光ビーム)15を無機レジスト層14に照射する。このとき、レーザ光15を原盤12の高さ方向に移動させながら、レーザ光15を間欠的に照射することで、無機レジスト層14を全面にわたって露光する。これにより、レーザ光15の軌跡に応じた潜像16が、例えば、可視光波長と同程度のピッチで無機レジスト層14の全面にわたって形成される。
(現像工程)
次に、原盤12を回転させながら、無機レジスト層14上に現像液を滴下して、図21Aに示すように、無機レジスト層14を現像処理する。無機レジスト層14をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザ光15で露光した露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、図21Aに示すように、潜像(露光部)16に応じたパターンが無機レジスト層14に形成される。
(エッチング工程)
次に、図19に示したエッチング装置を用いて、原盤12の上に形成された無機レジスト層14のパターン(レジストパターン)をマスクとして、原盤12の表面をエッチング処理する。これにより、図21Bに示すように、円盤状の原盤12の一主面に対して、斜め方向などの種々の方向に向かう構造体13が形成される。また、必要に応じて、エッチング処理とアッシング処理を交互に行うようにしてもよい。このようにすることで、種々の曲面を有する構造体13を形成することができる。
以上により、構造体3が基体表面に対して斜め方向などに向かって形成されたマスタ11が得られる。
(複製工程)
次に、マスタ11と紫外線硬化樹脂を塗布したアクリルシートなどの基体2とを密着させ、紫外線を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させた後、マスタ11から基体2を剥離する。これにより、図21Cに示すように、目的とする光学素子1が作製される。
<7.第7の実施形態>
図22Aは、本発明の第7の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図22Bは、図22Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図19Cは、図22BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図22Dは、図19BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。図23は、図22に示した光学素子の一部を拡大して表す斜視図である。
第7の実施形態に係る光学素子1は、凹部である構造体3が基体表面に多数配列されている点において、第1の実施形態のものとは異なっている。この構造体3の形状は、第1の実施形態における構造体3の凸形状を反転して凹形状としたものである。
<8.第8の実施形態>
第8の実施形態は、無機レジスト層14を現像処理して凹凸パターンを作製したものをマスタとして直接用いる点において、第1の実施形態のもとは異なっている。
具体的には、以下のようにして光学素子を作製する。
まず、レジスト成膜工程から現像工程までの工程を、第1の実施形態と同様にして行う。これにより、六方格子パターンまたは準六方格子パターンの凹部が無機レジスト層14に形成される。次に、このようなパターンが無機レジスト層14に形成された原盤12をマスタとして、光学素子1を以下のようにして作製する。すなわち、このマスタと紫外線硬化樹脂を塗布したアクリルシートなどの基体2とを密着させ、紫外線を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させた後、マスタ11から基体2を剥離する。
第8の実施形態において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
第8の実施形態によれば、金属原盤やシートなどの原盤12に対して、高剛性の無機レジスト層14をスパッタリング法により成膜し、この無機レジスト層14に露光および現像を施すことで無機レジスト層14に凹凸パターンを形成する。このため、無機レジスト層14の凹凸パターンを有する原盤12を直接スタンパとして用いることができる。
これに対して、有機レジストを用いた場合、有機レジストが柔らかく、有機レジストの凹凸パターンを有する原盤を直接スタンパして用いることは困難である。このため、有機レジストの原盤(凹凸パターン)に導電化膜層を形成後、電気メツキ法によりニッケルメツキ層を形成し、これを剥離することで凹凸パターンのスタンパを作製する必要がある。さらに、必要に応じて、所定のサイズにトリーミングすることもある。このように、有機レジストを用いた場合には、スタンパが完成するまでに複雑な工程が必要となる。
<9.第9の実施形態>
[液晶表示装置の構成]
図24は、本発明の第9の実施形態に係る液晶表示装置の構成の一例を示す。図24に示すように、この液晶表示装置は、光を出射するバックライト73と、バックライト73から出射された光を時間的空間的に変調して画像を表示する液晶パネル71とを備える。液晶パネル71の両面にはそれぞれ、偏光子71a、71bが設けられている。液晶パネル71の表示面側に設けられた偏光子71bには、光学素子1が設けられている。本発明では、光学素子1が一主面に設けられた偏光子71bを反射防止機能付き偏光子72と称する。この反射防止機能付き偏光子72は、反射防止機能付き光学部品の一例である。
以下、液晶表示装置を構成するバックライト73、液晶パネル71、偏光子71a、71b、および光学素子1について順次説明する。
(バックライト)
バックライト73としては、例えば直下型バックライト、エッジ型バックライト、平面光源型バックライトを用いることができる。バックライト73は、例えば、光源、反射板、光学フィルムなどを備える。光源としては、例えば、冷陰極蛍光管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)、熱陰極蛍光管(Hot Cathode Fluorescent Lamp:HCFL)、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence:OEL)、無機エレクトロルミネッセンス(IEL:Inorganic ElectroLuminescence)および発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などが用いられる。
(液晶パネル)
液晶パネル71としては、例えば、ツイステッドネマチック(Twisted Nematic:TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(Super Twisted Nematic:STN)モード、垂直配向(Vertically Aligned:VA)モード、水平配列(In-Plane Switching:IPS)モード、光学補償ベンド配向(Optically Compensated Birefringence:OCB)モード、強誘電性(Ferroelectric Liquid Crystal:FLC)モード、高分子分散型液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:PDLC)モード、相転移型ゲスト・ホスト(Phase Change Guest Host:PCGH)モードなどの表示モードのものを用いることができる。
(偏光子)
液晶パネル71の両面には、例えば偏光子71a、71bがその透過軸が互いに直交するようにして設けられる。偏光子71a、71bは、入射する光のうち直交する偏光成分の一方のみを通過させ、他方を吸収により遮へいするものである。偏光子71a、71bとしては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムなどの親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸させたものを用いることができる。偏光子71a、71bの両面には、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどの保護層を設けることが好ましい。このように保護層を設ける場合、光学素子1の基体2が保護層を兼ねる構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、反射防止機能付き偏光子72を薄型化できるからである。
(光学素子)
光学素子1は、上述の第1〜第4、第6、および第7の実施形態のいずれかのものと同様であるので説明を省略する。
第9の実施形態によれば、液晶表示装置の表示面に光学素子1を設けているので、液晶表示装置の表示面の反射防止機能を向上することができる。したがって、液晶表示装置の視認性を向上することができる。
<10.第10の実施形態>
[液晶表示装置の構成]
図25は、本発明の第10の実施形態に係る液晶表示装置の構成の一例を示す。図25に示すように、この液晶表示装置は、液晶パネル71の前面側に前面部材74を備え、液晶パネル71の前面、前面部材74の前面および裏面の少なくとも1つの面に、光学素子1を備える点において、第9の実施形態のものとは異なっている。図25では、液晶パネル71の前面、ならびに前面部材74の前面および裏面のすべての面に、光学素子1を備える例が示されている。液晶パネル71と前面部材74との間には、例えば空気層が形成されている。上述の第9の実施形態と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。なお、本発明において、前面とは表示面となる側の面、すなわち観察者側となる面を示し、裏面とは表示面と反対となる側の面を示す。
前面部材74は、液晶パネル71の前面(観察者側)に機械的、熱的、および耐候的保護や、意匠性を目的として用いるフロントパネルなどである。前面部材74は、例えば、シート状、フィルム状、または板状を有する。前面部材74の材料としては、例えば、ガラス、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)などを用いることができるが、特にこれらの材料に限定されるものではなく、透明性を有する材料であれば用いることができる。
第10の実施形態によれば、第9の実施形態と同様に、液晶表示装置の視認性を向上することができる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)の酸化物からなる無機レジスト層を、スパッタリング法により円盤状の石英基板上に成膜した。次に、この無機レジスト層に、図18に示した露光装置を用いて準六方格子パターンの潜像を形成した。その後、レジスト層に対して現像処理を施して、レジストパターンを作製した。現像液としては、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(東京応化工業(株))を用いた。
次に、RIEエッチングで石英基板をエッチングするプロセスと、アッシングによりレジストパターンを除去し開口径を広げるプロセスとを繰り返し行った。なお、エッチングは、図19に示した凹凸面電極を有するエッチング装置を用いて行った。上述の工程により、石英基板の表面が露出している準六方格子パターン径が徐々に広がりながら、石英基板表面に対して斜め方向などにエッチングが進行し、その他の領域はレジストパターンがマスクとなりエッチングされなかった。これにより、石英基板の表面に対して斜めなどの方向に向かう凹部が形成された。最後に、アッシングによりレジストパターンを完全に除去した。以上により、目的とするディスクマスタが得られた。
次に、作製したディスクマスタ上に紫外線硬化樹脂を塗布した後、アクリル板を紫外線硬化樹脂上に密着させた。そして、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、ディスクマスタから剥離した。以上により、目的とする光学素子が得られた。
(実施例2)
エッチング装置の凹凸面電極の凹凸形状を変えた以外は、実施例1と同様にして複製基板を得た。
(実施例3)
まず、外径126mmのガラスロール原盤を準備し、このガラスロール原盤の表面に、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)の酸化物からなる無機レジスト層をスパッタリング法により成膜した。次に、記録媒体としてのガラスロール原盤を、図4に示した露光装置に搬送し、無機レジスト層を露光した。これにより、1つの螺旋状に連なるとともに、隣接する3列のトラック間において準六方格子パターンをなす潜像がレジストにパターニングされた。
次に、ガラスロール原盤上の無機レジスト層に現像処理を施して、露光した部分のレジストを溶解させて現像を行った。具体的には、図示しない現像機のターンテーブル上に未現像のガラスロール原盤を載置し、ターンテーブルごと回転させつつガラスロール原盤の表面に現像液を滴下してその表面のレジストを現像した。これにより、レジスト層が準六方格子パターンに開口しているレジストガラス原盤が得られた。なお、現像液としては、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(東京応化工業(株))を用いた。
次に、RIEエッチングでガラスロール原盤をエッチングするプロセスと、アッシングによりレジストパターンを除去し開口径を広げるプロセスとを繰り返し行った。なお、エッチングは、図5に示した円柱電極を有するエッチング装置を用いて行った。上述の工程により、ガラスロール原盤の表面が露出している準六方格子パターン径が徐々に広がりながら、ガラスロール原盤表面に対して垂直方向にエッチングが進行し、その他の領域はレジストパターンがマスクとなりエッチングされなかった。これにより、ガラスロール原盤の表面に対して垂直方向に向かう凹部が形成された。最後に、アッシングによりレジストパターンを完全に除去した。以上により、目的とするガラスロールマスタが得られた。
次に、作製したガラスロールマスタと紫外線硬化樹脂を塗布したアクリルシートとを密着させ、紫外線を照射し硬化させながら剥離することにより、光学素子を作製した。
(形状の評価)
上述のように作製した光学素子について、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観察を行なった。その結果を図26に示す。
図26Aおよび図26Bから、凹凸面電極を用いてエッチングすると、基板に対して斜め方向に構造体を形成できることがわかる。また、凹凸面電極の凹凸形状を適宜調整することで、領域に応じて構造体の方向を変化させることができることがわかる。
図26Cから、円柱電極を用いてエッチングすると、基板に対して垂直方向に構造体を形成できることがわかる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、形状、および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、形状、および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の各構成は、この発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態では、曲面(円筒形、球形)有する原盤に対してこの発明を適用した例について説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、シートやテープ(両面)、棒状や針状を有する原盤に対して、所望凹凸パターンを原盤上に形成し、マスタを作製することも可能である。
また、ボックス(直方体)やワイヤーフレームの表面、円筒やボックスの内部などに所望の凹凸パターンを作製することも可能である。すなわち、ボックス(直方体)やワイヤーフレームの表面、円筒やボックスの内部などに、無機レジストをスパッタリング法で成膜することにより、均一な膜厚で、平滑なレジスト膜を形成する。次に、無機レジスト膜をステッパーで露光し、種々のパターンを記録し、現像することにより、凹凸パターンを形成することができる。
また、楕円球(ラグビーボール型)、円錐形、多数の穴あり原盤、凹部を有する原盤、凸部を有する原盤などに、均一な膜厚であり平滑な無機レジスト膜を成膜し、露光現像することにより、所望の凹凸パターンを形成することも可能である。
また、ディスプレイなどに用いられる、凹凸部を有する基板やデバイスなど、あるいは波上や曲面を有する基板やデバイスなどにも適用可能である。
また、上述の実施形態において、円柱電極、および球面電極の表面に凹凸形状を形成するようにしてもよい。このようにすることで、円筒状の原盤、および球面状の原盤の表面に対して斜め方向などに構造体を形成することができる。
また、上述の実施形態では、光学素子、エッチング装置の電極が、円筒面、および球面である場合を例として説明したが、光学素子、エッチング装置の電極の形状はこれに限定されるものではない。これ以外の曲面の形状としては、例えば、双曲面、自由曲面、楕円面などの種々の曲面を用いることも可能である。
また、上述の実施形態では、無機レジストを用いて光学素子などを作製する場合について説明したが、有機レジストを用いることも可能である。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図、図1Bは、図1Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図、図1Cは、図1BのトラックT1、T3、・・・における断面図、図1Dは、図1BのトラックT2、T4、・・・における断面図である 図2は、図1に示した光学素子の一部を拡大して表す斜視図である。 図3Aは、マスタの構成の一例を示す斜視図、図3Bは、図3Aに示したマスタの一部を拡大して表す平面図である。 図4は、マスタを作製するための露光装置の構成の一例を示す概略図である。 図5は、マスタを作製するためのエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。 図6A〜図6Cは、本発明の第1の実施形態に係る光学素子の製造方法について説明する工程図である。 図7A〜図7Cは、本発明の第1の実施形態に係る光学素子の製造方法について説明する工程図である。 図8は、本発明の第2の実施形態に係る光学素子の製造に用いる露光装置の構成の一例を示す概略図である。 図9は、本発明の第2の実施形態に係る光学素子の製造に用いる露光装置の構成の一例を示す概略図である。 図10Aは、本発明の第4の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図10Bは、図10Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図10Cは、図10BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図10Dは、図10BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。 図11Aは、本発明の第5の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図11Bは、図12Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図11Cは、図11BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図11Dは、図11BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。 図12Aは、マスタの構成の一例を示す側面図、図12Bは、図12Aに示したマスタの一部を拡大して表す平面図である。 図13は、マスタを作製するための露光装置の構成の一例を示す概略図である。 図14は、マスタを作製するためのエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。 図15Aは、本発明の第6の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図15Bは、図15Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図15Cは、図15BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図15Dは、図15BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。 図16は、図15に示した光学素子の一部を拡大して表す斜視図である。 図17Aは、マスタの構成の一例を示す平面図、図17Bは、図17Aに示したマスタの一部を拡大して表す平面図である。 図18は、マスタを作製するための露光装置の構成の一例を示す概略図である。 図19は、マスタを作製するためのエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。 図20A〜図20Cは、本発明の第6の実施形態に係る光学素子の製造方法について説明する工程図である。 図21A〜図21Cは、本発明の第6の実施形態に係る光学素子の製造方法について説明する工程図である。 図22Aは、本発明の第7の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図22Bは、図22Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図19Cは、図22BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図22Dは、図19BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。 図23は、図22に示した光学素子の一部を拡大して表す斜視図である。 図24は、本発明の第9の実施形態に係る液晶表示装置の構成の一例を示す断面図である。 図25は、本発明の第10の実施形態に係る液晶表示装置の構成の一例を示す断面図である。 図25Aは、実施例1の光学素子のSEM写真、図25Bは、実施例2の光学素子のSEM写真、図25Cは、実施例3の光学素子のSEM写真である。
符号の説明
1 光学素子
2 基体
3 構造体
11 マスタ
12 原盤
13 構造体
14 無機レジスト層
15 レーザ光
16 潜像
41 エッチング反応槽
42 円柱電極
43、47 対向電極
44 ブロッキングコンデンサ
45 高周波電源
46 球面電極
47 対向電極
48 凹凸面電極
71 液晶パネル
71a、71b 偏光子
72 反射防止機能付き偏光子

Claims (18)

  1. 曲面を有する原盤上に無機レジスト層を成膜する工程と、
    上記原盤上に成膜された無機レジスト層を露光現像し、無機レジスト層にパターンを形成する工程と、
    上記無機レジスト層にパターンが形成された原盤を、上記原盤の曲面とほぼ同一または相似の曲面を有する電極上に配置し、上記原盤をエッチングし、上記原盤表面に凹凸形状を形成することにより、微細加工体を作製する工程と
    を備える微細加工体の製造方法。
  2. 上記原盤は、円筒状、または球面状を有する請求項1記載の微細加工体の製造方法。
  3. 上記電極の曲面には凹凸形状が形成され、
    上記エッチングの工程では、上記電極の凹凸形状を用いて、上記原盤の表面に対して斜め方向に異方性エッチングする請求項1記載の微細加工体の製造方法。
  4. 上記エッチングの工程では、上記電極の凹凸形状を用いて、2以上の異なる方向に上記原盤を異方性エッチングする請求項3記載の微細加工体の製造方法。
  5. 上記エッチングの工程では、上記電極の凹凸形状を用いて、上記原盤の表面の領域に応じて、異方性エッチングの方向を変化させる請求項4記載の微細加工体の製造方法。
  6. 上記無機レジスト層の成膜工程では、上記無機レジスト層をスパッタリング法により成膜する請求項1記載の微細加工体の製造方法。
  7. 上記微細加工体の作製工程後に、上記微細加工体の凹凸形状を樹脂材料に転写することにより、上記微細加工体の複製を作製する工程をさらに備える請求項1記載の微細加工体の製造方法。
  8. 曲面を有する基体と、
    上記基体の曲面上に形成された、凸部または凹部である構造体と
    を備え、
    上記構造体が、使用環境下の光の波長以下のピッチで配列されている微細加工体。
  9. 上記構造体が、上記基体表面に対して斜め方向に形成されている請求項8記載の微細加工体。
  10. 上記構造体が、上記基体表面に対して2以上の異なる方向に形成されている請求項9記載の微細加工体。
  11. 上記構造体が、上記基体表面の領域に応じて、異なる方向に形成されている請求項10記載の微細加工体
  12. 上記構造体は錐体状を有し、
    上記構造体は、上記基体表面に2次元配列されている請求項8記載の微細加工体。
  13. 上記構造体が、六方格子状、または準六方格子状に周期的に配置されている請求項12記載の微細加工体。
  14. 上記構造体が、四方格子状、または準四方格子状に周期的に配置されている請求項12記載の微細加工体。
  15. 上記錐体形状は、頂部に曲率を持たせた円錐形状、もしくは楕円錐形状、または円錐台形状、または楕円錐台形状である請求項12記載の微細加工体。
  16. エッチング反応槽と、
    上記エッチング反応層内に対向配置された第1の電極および第2の電極と
    を備え、
    上記第1の電極が、基体を配置する配置面を有し、
    上記配置面が、曲面または凹凸面を有するエッチング装置。
  17. 上記配置面が、円柱状または球状を有する請求項16記載のエッチング装置。
  18. 基体と、
    上記基体の表面上に多数配列された構造体と
    を備え、
    上記構造体が、使用環境下の光の波長以下のピッチで配列され、
    上記構造体が、上記基体の表面の法線方向に対して、所定の角度を持って2以上の異なる方向に斜めに形成されている光学素子。
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