JP2010156843A - 微細加工体、およびその製造方法、ならびにエッチング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微細加工体の製造方法は、曲面を有する原盤上に無機レジスト層を成膜する工程と、原盤上に成膜された無機レジスト層を露光現像し、無機レジスト層にパターンを形成する工程と、無機レジスト層にパターンが形成された原盤を、原盤の曲面とほぼ同一または相似の曲面を有する電極上に配置し、原盤をエッチングし、原盤表面に凹凸形状を形成することにより、微細加工体を作製する工程とを備える。
【選択図】図7
Description
曲面を有する原盤上に無機レジスト層を成膜する工程と、
原盤上に成膜された無機レジスト層を露光現像し、無機レジスト層にパターンを形成する工程と、
無機レジスト層にパターンが形成された原盤を、原盤の曲面とほぼ同一または相似の曲面を有する電極上に配置し、原盤をエッチングし、原盤表面に凹凸形状を形成することにより、微細加工体を作製する工程と
を備える微細加工体の製造方法である。
曲面を有する基体と、
基体の曲面上に形成された、凸部または凹部である構造体と
を備え、
構造体が、使用環境下の光の波長以下のピッチで配列されている微細加工体である。
エッチング反応槽と、
エッチング反応層内に対向配置された第1の電極および第2の電極と
を備え、
第1の電極が、基体を配置する配置面を有し、
配置面が、曲面または凹凸面を有するエッチング装置である。
基体と、
上記基体の表面上に多数配列された構造体と
を備え、
上記構造体が、使用環境下の光の波長以下のピッチで配列され、
上記構造体が、上記基体の表面の法線方向に対して、所定の角度を持って2以上の異なる方向に斜めに形成されている光学素子である。
(1)第1の実施形態(円筒状のマスタの例)
(2)第2の実施形態(円筒状の原盤を横にして露光する例)
(3)第3の実施形態(円筒状の原盤の内周面に構造体を配列する例)
(4)第4の実施形態(四方格子状に構造体を配列する例)
(5)第5の実施形態(球面状のマスタの作製例)
(6)第6の実施形態(傾斜した構造体を有するマスタ)
(7)第7の実施形態(凹形状の構造体を基体表面に形成する例)
(8)第8の実施形態(レジスト層の凹凸パターンを直接転写する例)
(9)第9の実施形態(表示装置に対する第1の適用例)
(10)第10の実施形態(表示装置に対する第2の適用例)
[光学素子の構成]
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図1Bは、図1Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図1Cは、図1BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図1Dは、図1BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。
以下、光学素子1を構成する基体2、および構造体3について順次説明する。
基体2は、透明性を有する透明基体である。基体2の材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明性合成樹脂、ガラスなどを主成分とするものが挙げられるが、特にこれらの材料に限定されるものではない。
図2は、図1に示した光学素子の一部を拡大して表す斜視図である。基体2の表面には、凸部である構造体3が多数配列されている。この構造体3は、使用環境下の光の波長以下の短いピッチ、例えば可視光の波長と同程度のピッチで周期的に2次元配置されている。使用環境下の光は、例えば、紫外光、可視光、赤外光である。ここで、紫外光とは10nm以上360nm未満の波長範囲を有する光、可視光とは360nm以上830nm以下の光、赤外光とは830nmを超えて1mm以下の光をいう。
アスペクト比=H/P・・・(1)
但し、H:構造体3の高さ、P:平均配置ピッチ(平均周期)
ここで、平均配置ピッチPは以下の式(2)により定義される。
平均配置ピッチP=(P1+P2+P2)/3 ・・・(2)
但し、P1:トラックの延在方向の配置ピッチ(トラック延在方向周期)、P2:トラックの延在方向に対して±θ方向(但し、θ=60°−δ、ここで、δは、好ましくは0°<δ≦11°、より好ましくは3°≦δ≦6°)の配置ピッチ(θ方向周期)
図3は、上述の構成を有する光学素子を作製するためのマスタの構成の一例を示す。図3に示すように、マスタ11は、いわゆるロールマスタであり、円筒状の原盤12の表面に凹部である構造体13が多数配列された構成を有している。この構造体13は、光学素子1の使用環境下の光の波長以下、例えば可視光の波長と同程度のピッチで周期的に2次元配列されている。構造体13は、例えば、円柱状の原盤12の表面に同心円状またはスパイラル状上に配置されている。構造体13は、上述の基体2の表面に凸部である構造体3を形成するためのものである。原盤12の材料は、例えばガラスを用いることができるが、この材料に特に限定されるものではない。
図4は、上述の構成を有するマスタを作製するための露光装置の構成の一例を示す概略図である。この露光装置は、光学ディスク記録装置をベースとして構成されている。
図5は、上述の構成を有するマスタを作製するためのエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。エッチング装置は、いわゆるRIE(Reactive Ion Etching)装置であり、図5に示すように、エッチング反応槽41と、カソード(陰極)である円柱電極42と、アノード(陽極)である対向電極43とを備える。円柱電極42は、エッチング反応槽41の中央に配置されている。対向電極43が、エッチング反応槽41の内側に設けられている。円柱電極42は、円筒状の原盤12を着脱可能な構成を有している。円柱電極42は、例えば、筒状の原盤12の円筒面とほぼ同一または相似の円柱面、具体的には、円筒状の原盤12の内周面よりも多少小さい径を有する円柱面を有する。円柱電極43が、ブロッキングコンデンサ44を介して、例えば13.56MHzの高周波電源(RF)45に対して接続される。対向電極43は、アースに対して接続される。
図6〜図7を参照して、本発明の第1の実施形態に係る光学素子の製造方法について説明する。
以下、本発明の第1の実施形態に係る光学素子の製造方法の各工程について順次説明する。
まず、図6Aに示すように、円筒状の原盤12を準備する。この原盤12は、例えばガラス原盤である。次に、図6Bに示すように、スパッタリング法により無機レジスト層14を円筒状の原盤12の外周面に成膜する。無機系レジストとしては、例えば、タングステンやモリブデンなどの1種または2種以上の遷移金属からなる金属酸化物を用いることができる。
次に、図6Cに示すように、図4に示した露光装置を用いて、原盤12を回転させると共に、レーザ光(露光ビーム)15を無機レジスト層14に照射する。このとき、レーザ光15を原盤12の高さ方向に移動させながら、レーザ光15を間欠的に照射することで、無機レジスト層14を全面にわたって露光する。これにより、レーザ光15の軌跡に応じた潜像16が、例えば、可視光波長と同程度のピッチで無機レジスト層14の全面にわたって形成される。
次に、原盤12を回転させながら、無機レジスト層14上に現像液を滴下して、図7Aに示すように、無機レジスト層14を現像処理する。無機レジスト層14をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザ光15で露光した露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、図7Aに示すように、潜像(露光部)16に応じたパターンが無機レジスト層14に形成される。
次に、図5に示したエッチング装置を用いて、原盤12の上に形成された無機レジスト層14のパターン(レジストパターン)をマスクとして、原盤12の表面をエッチング処理する。これにより、図7Bに示すように、例えば、トラックの延在方向に長軸方向をもつ楕円錐形状または楕円錐台形状の凹部、すなわち構造体13を得ることができる。
以上により、六方格子パターンまたは準六方格子パターンを有するマスタ11が得られる。
次に、マスタ11と紫外線硬化樹脂を塗布したアクリルシートなどの基体2とを密着させ、紫外線を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させた後、マスタ11から基体2を剥離する。これにより、図7Cに示すように、目的とする光学素子1が作製される。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る光学素子の製造に用いる露光装置の構成の一例を示す概略図である。図8に示すように、第2の実施形態は、円筒状の原盤12を横にして露光する点において、第1の実施形態とは異なっている。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る光学素子の製造に用いる露光装置の構成の一例を示す概略図である。図9に示すように、第3の実施形態は、円筒状の原盤12の内周面に無機レジスト層を形成し、この無機レジスト層を露光する点において、第2の実施形態とは異なっている。
図10Aは、本発明の第4の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図10Bは、図10Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図10Cは、図10BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図10Dは、図10BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。
[光学素子の構成]
図11Aは、本発明の第5の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図11Bは、図12Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図11Cは、図11BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図11Dは、図11BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。
第5の実施形態に係る光学素子1において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
図12は、上述の構成を有する光学素子を作製するためのマスタの構成の一例を示す。第5の実施形態に係るマスタ11は、球面状の面を有し、この球面上に構造体13が形成されている点において、第1の実施形態とは異なっている。球面は、例えば凸状または凹状の球面である。図12では、マスタ11が凸状の球面を有する場合が例として示されている。
第5の実施形態に係るマスタ11において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
図13は、上述の構成を有するマスタを作製するための露光装置の構成の一例を示す概略図である。移動光学テーブル32は、ビームエキスパンダ33、ミラー38および対物レンズ34を備えている。また、対物レンズ34の直下の位置には、ポジションセンサ(図示せず)が設けられている。このポジションセンサにより、原盤12の球面との衝突が防止されるようになっている。移動光学テーブル32に導かれたレーザ光15は、ビームエキスパンダ33により所望のビーム形状に整形された後、ミラー38および対物レンズ34を介して、原盤12の球面上に形成されたレジスト層へ照射される。球面を有する原盤12は、スピンドルモータ35に接続されたターンテーブル36上に載置されている。そして、原盤12を回転させるとともに、レーザ光15を原盤12の回転半径方向に移動させながら、原盤12上のレジスト層へレーザ光を間欠的に照射することにより、レジスト層の露光工程が行われる。レーザ光15の移動は、移動光学テーブル32を矢印R方向へ移動することによって行われる。
第5の実施形態に係る露光装置において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
図14は、上述の構成を有するマスタを作製するためのエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。エッチング反応槽41内に、球面電極46と、この球面電極46と対向する対向電極47とを備えている。球面電極46は、対向電極47と対向する側に球面を有し、この球面上に原盤12が載置される。球面電極46は、球面状の原盤12を着脱可能に構成されている。球面電極46は、例えば、球面状の原盤12の球面とほぼ同一または相似の球面を有する。
第5の実施形態に係るエッチング装置において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
図15Aは、本発明の第6の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図15Bは、図15Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図15Cは、図15BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図15Dは、図15BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。図16は、図15に示した光学素子の一部を拡大して表す斜視図である。
第6の実施形態に係る光学素子において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
図17は、上述の構成を有する光学素子を作製するためのマスタの構成の一例を示す。図17に示すように、マスタ11は、円盤状の原盤12の表面に凹部である構造体13が多数配列された構成を有している。この構造体13は、光学素子1の使用環境下の光の波長以下、例えば可視光の波長と同程度のピッチで周期的に2次元配列されている。構造体13は、例えば、同心円状またはスパイラル状のトラック上に配置されている。
第6の実施形態に係るマスタにおいて、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
図18は、上述の構成を有するマスタを作製するための露光装置の構成の一例を示す概略図である。第6の実施形態に係る露光装置は、第5の実施形態のものと同様である。但し、第6の実施形態では、図18に示すように、ターンテーブル36にはディスク状の原盤12が載置され、この原盤12の無機レジストに対して、レーザ光が照射されて露光が行われる。
図19は、上述の構成を有するマスタを作製するためのエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。エッチング反応槽41内に、凹凸面電極48と、この凹凸面電極48と対向する対向電極47とを備えている。凹凸面電極48は、対向電極47と対向する側に凹凸面を有し、この凹凸面上に原盤12が載置される。
第6の実施形態に係るエッチング装置において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
図20〜図21を参照して、本発明の第6の実施形態に係る光学素子の製造方法について説明する。
まず、図20Aに示すように、円盤状の原盤12を準備する。この原盤12は、例えばガラス原盤である。次に、図20Bに示すように、スパッタリング法により無機レジスト層14を円盤状の原盤12の一主面に成膜する。無機系レジストとしては、例えば、タングステンやモリブデンなどの1種または2種以上の遷移金属からなる金属酸化物を用いることができる。
次に、図20Cに示すように、図18に示した露光装置を用いて、原盤12を回転させると共に、レーザ光(露光ビーム)15を無機レジスト層14に照射する。このとき、レーザ光15を原盤12の高さ方向に移動させながら、レーザ光15を間欠的に照射することで、無機レジスト層14を全面にわたって露光する。これにより、レーザ光15の軌跡に応じた潜像16が、例えば、可視光波長と同程度のピッチで無機レジスト層14の全面にわたって形成される。
次に、原盤12を回転させながら、無機レジスト層14上に現像液を滴下して、図21Aに示すように、無機レジスト層14を現像処理する。無機レジスト層14をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザ光15で露光した露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、図21Aに示すように、潜像(露光部)16に応じたパターンが無機レジスト層14に形成される。
次に、図19に示したエッチング装置を用いて、原盤12の上に形成された無機レジスト層14のパターン(レジストパターン)をマスクとして、原盤12の表面をエッチング処理する。これにより、図21Bに示すように、円盤状の原盤12の一主面に対して、斜め方向などの種々の方向に向かう構造体13が形成される。また、必要に応じて、エッチング処理とアッシング処理を交互に行うようにしてもよい。このようにすることで、種々の曲面を有する構造体13を形成することができる。
以上により、構造体3が基体表面に対して斜め方向などに向かって形成されたマスタ11が得られる。
次に、マスタ11と紫外線硬化樹脂を塗布したアクリルシートなどの基体2とを密着させ、紫外線を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させた後、マスタ11から基体2を剥離する。これにより、図21Cに示すように、目的とする光学素子1が作製される。
図22Aは、本発明の第7の実施形態に係る光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。図22Bは、図22Aに示した光学素子の一部を拡大して表す平面図である。図19Cは、図22BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図22Dは、図19BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。図23は、図22に示した光学素子の一部を拡大して表す斜視図である。
第8の実施形態は、無機レジスト層14を現像処理して凹凸パターンを作製したものをマスタとして直接用いる点において、第1の実施形態のもとは異なっている。
まず、レジスト成膜工程から現像工程までの工程を、第1の実施形態と同様にして行う。これにより、六方格子パターンまたは準六方格子パターンの凹部が無機レジスト層14に形成される。次に、このようなパターンが無機レジスト層14に形成された原盤12をマスタとして、光学素子1を以下のようにして作製する。すなわち、このマスタと紫外線硬化樹脂を塗布したアクリルシートなどの基体2とを密着させ、紫外線を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させた後、マスタ11から基体2を剥離する。
第8の実施形態において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
[液晶表示装置の構成]
図24は、本発明の第9の実施形態に係る液晶表示装置の構成の一例を示す。図24に示すように、この液晶表示装置は、光を出射するバックライト73と、バックライト73から出射された光を時間的空間的に変調して画像を表示する液晶パネル71とを備える。液晶パネル71の両面にはそれぞれ、偏光子71a、71bが設けられている。液晶パネル71の表示面側に設けられた偏光子71bには、光学素子1が設けられている。本発明では、光学素子1が一主面に設けられた偏光子71bを反射防止機能付き偏光子72と称する。この反射防止機能付き偏光子72は、反射防止機能付き光学部品の一例である。
以下、液晶表示装置を構成するバックライト73、液晶パネル71、偏光子71a、71b、および光学素子1について順次説明する。
バックライト73としては、例えば直下型バックライト、エッジ型バックライト、平面光源型バックライトを用いることができる。バックライト73は、例えば、光源、反射板、光学フィルムなどを備える。光源としては、例えば、冷陰極蛍光管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)、熱陰極蛍光管(Hot Cathode Fluorescent Lamp:HCFL)、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence:OEL)、無機エレクトロルミネッセンス(IEL:Inorganic ElectroLuminescence)および発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などが用いられる。
液晶パネル71としては、例えば、ツイステッドネマチック(Twisted Nematic:TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(Super Twisted Nematic:STN)モード、垂直配向(Vertically Aligned:VA)モード、水平配列(In-Plane Switching:IPS)モード、光学補償ベンド配向(Optically Compensated Birefringence:OCB)モード、強誘電性(Ferroelectric Liquid Crystal:FLC)モード、高分子分散型液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:PDLC)モード、相転移型ゲスト・ホスト(Phase Change Guest Host:PCGH)モードなどの表示モードのものを用いることができる。
液晶パネル71の両面には、例えば偏光子71a、71bがその透過軸が互いに直交するようにして設けられる。偏光子71a、71bは、入射する光のうち直交する偏光成分の一方のみを通過させ、他方を吸収により遮へいするものである。偏光子71a、71bとしては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムなどの親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸させたものを用いることができる。偏光子71a、71bの両面には、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどの保護層を設けることが好ましい。このように保護層を設ける場合、光学素子1の基体2が保護層を兼ねる構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、反射防止機能付き偏光子72を薄型化できるからである。
光学素子1は、上述の第1〜第4、第6、および第7の実施形態のいずれかのものと同様であるので説明を省略する。
[液晶表示装置の構成]
図25は、本発明の第10の実施形態に係る液晶表示装置の構成の一例を示す。図25に示すように、この液晶表示装置は、液晶パネル71の前面側に前面部材74を備え、液晶パネル71の前面、前面部材74の前面および裏面の少なくとも1つの面に、光学素子1を備える点において、第9の実施形態のものとは異なっている。図25では、液晶パネル71の前面、ならびに前面部材74の前面および裏面のすべての面に、光学素子1を備える例が示されている。液晶パネル71と前面部材74との間には、例えば空気層が形成されている。上述の第9の実施形態と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。なお、本発明において、前面とは表示面となる側の面、すなわち観察者側となる面を示し、裏面とは表示面と反対となる側の面を示す。
まず、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)の酸化物からなる無機レジスト層を、スパッタリング法により円盤状の石英基板上に成膜した。次に、この無機レジスト層に、図18に示した露光装置を用いて準六方格子パターンの潜像を形成した。その後、レジスト層に対して現像処理を施して、レジストパターンを作製した。現像液としては、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(東京応化工業(株))を用いた。
エッチング装置の凹凸面電極の凹凸形状を変えた以外は、実施例1と同様にして複製基板を得た。
まず、外径126mmのガラスロール原盤を準備し、このガラスロール原盤の表面に、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)の酸化物からなる無機レジスト層をスパッタリング法により成膜した。次に、記録媒体としてのガラスロール原盤を、図4に示した露光装置に搬送し、無機レジスト層を露光した。これにより、1つの螺旋状に連なるとともに、隣接する3列のトラック間において準六方格子パターンをなす潜像がレジストにパターニングされた。
上述のように作製した光学素子について、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観察を行なった。その結果を図26に示す。
図26Cから、円柱電極を用いてエッチングすると、基板に対して垂直方向に構造体を形成できることがわかる。
2 基体
3 構造体
11 マスタ
12 原盤
13 構造体
14 無機レジスト層
15 レーザ光
16 潜像
41 エッチング反応槽
42 円柱電極
43、47 対向電極
44 ブロッキングコンデンサ
45 高周波電源
46 球面電極
47 対向電極
48 凹凸面電極
71 液晶パネル
71a、71b 偏光子
72 反射防止機能付き偏光子
Claims (18)
- 曲面を有する原盤上に無機レジスト層を成膜する工程と、
上記原盤上に成膜された無機レジスト層を露光現像し、無機レジスト層にパターンを形成する工程と、
上記無機レジスト層にパターンが形成された原盤を、上記原盤の曲面とほぼ同一または相似の曲面を有する電極上に配置し、上記原盤をエッチングし、上記原盤表面に凹凸形状を形成することにより、微細加工体を作製する工程と
を備える微細加工体の製造方法。 - 上記原盤は、円筒状、または球面状を有する請求項1記載の微細加工体の製造方法。
- 上記電極の曲面には凹凸形状が形成され、
上記エッチングの工程では、上記電極の凹凸形状を用いて、上記原盤の表面に対して斜め方向に異方性エッチングする請求項1記載の微細加工体の製造方法。 - 上記エッチングの工程では、上記電極の凹凸形状を用いて、2以上の異なる方向に上記原盤を異方性エッチングする請求項3記載の微細加工体の製造方法。
- 上記エッチングの工程では、上記電極の凹凸形状を用いて、上記原盤の表面の領域に応じて、異方性エッチングの方向を変化させる請求項4記載の微細加工体の製造方法。
- 上記無機レジスト層の成膜工程では、上記無機レジスト層をスパッタリング法により成膜する請求項1記載の微細加工体の製造方法。
- 上記微細加工体の作製工程後に、上記微細加工体の凹凸形状を樹脂材料に転写することにより、上記微細加工体の複製を作製する工程をさらに備える請求項1記載の微細加工体の製造方法。
- 曲面を有する基体と、
上記基体の曲面上に形成された、凸部または凹部である構造体と
を備え、
上記構造体が、使用環境下の光の波長以下のピッチで配列されている微細加工体。 - 上記構造体が、上記基体表面に対して斜め方向に形成されている請求項8記載の微細加工体。
- 上記構造体が、上記基体表面に対して2以上の異なる方向に形成されている請求項9記載の微細加工体。
- 上記構造体が、上記基体表面の領域に応じて、異なる方向に形成されている請求項10記載の微細加工体
- 上記構造体は錐体状を有し、
上記構造体は、上記基体表面に2次元配列されている請求項8記載の微細加工体。 - 上記構造体が、六方格子状、または準六方格子状に周期的に配置されている請求項12記載の微細加工体。
- 上記構造体が、四方格子状、または準四方格子状に周期的に配置されている請求項12記載の微細加工体。
- 上記錐体形状は、頂部に曲率を持たせた円錐形状、もしくは楕円錐形状、または円錐台形状、または楕円錐台形状である請求項12記載の微細加工体。
- エッチング反応槽と、
上記エッチング反応層内に対向配置された第1の電極および第2の電極と
を備え、
上記第1の電極が、基体を配置する配置面を有し、
上記配置面が、曲面または凹凸面を有するエッチング装置。 - 上記配置面が、円柱状または球状を有する請求項16記載のエッチング装置。
- 基体と、
上記基体の表面上に多数配列された構造体と
を備え、
上記構造体が、使用環境下の光の波長以下のピッチで配列され、
上記構造体が、上記基体の表面の法線方向に対して、所定の角度を持って2以上の異なる方向に斜めに形成されている光学素子。
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