JP2010155303A - 深穴加工用先端工具のガイド部配置構造及びガイド部配置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 先端工具に第3のガイド部を適切な位置に配置して工具の挙動の不安定な状態を解消し、周期的にあらわれる変形や変位をなくして、加工後の穴内周の表面状態を適切なものとすることができ、加工精度を高められるBTA加工用先端工具のガイド部配置構造及びガイド部配置方法を提供する。
【解決手段】 先端工具1の刃部10に加わる力の分力をそれぞれ受ける二つのガイド部21、22に加え、工具の不安定性を抑える第3のガイド部23を適切な位置に配設して、加工中の工具の自励振動につながる変位の変動を三つのガイド部で制限することにより、工具全体を安定に動作する状態に維持して、穴断面を多角形とするような不安定状態に陥らず、加工後の穴内面にライフリングマーク等があらわれず、問題のない表面状態として加工精度を高められると共に、追加工や仕上げ作業も不要となり、手間やコストの面でも有利となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、BTA方式等での深穴加工に用いる先端工具におけるガイド部の配置構造及び配置方法に関する。
BTA(Boring Trepanning Association)方式での深穴加工は、ボーリングバーと呼ばれる中空軸に特殊な先端工具を取付け、これらの工具又は被削材を回転させながら、ボーリングバーと被削材との隙間から切削油を高圧注入し、ボーリングバーの中空部分を通して切削屑と油を排出することで、穴あけ加工を行う仕組みである。先端工具には、切削を行う刃部と、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けて支えるガイド部とが取付けられている。こうしたBTA方式での深穴加工に用いる装置の一例として、特開2008−6532号公報に開示されるものがある。
特開2008−6532号公報
従来のBTA方式での加工用装置は前記特許文献に示される構成となっており、これを用いることで一般的な穴加工に対して比較的大口径の穴で且つ穴径に対し非常に深い穴を加工できるという特徴を有していたが、このBTA深穴加工においても、一般的なドリルなどによる加工でもみられるように、加工した穴にライフリングマークやスパイラルマーク、又はツールマークと呼ばれる螺旋状の模様(加工痕)が形成されることがあり、この場合、真円度誤差が大きくなるなど製品精度の低下を招き、製品不良の原因となることに加え、真円度の高い穴内周面を得ようとすると研磨やホーニング等の追加工や仕上げ処理が必要となり、手間とコストがかかるという課題を有していた。
このライフリングマーク等の螺旋状の模様については、加工中、先端工具及びボーリングバーが不安定振動を起し、工具の振動が切削量の変動をもたらし、さらにこれが刃部及びガイド部と被削材との接触力の変動につながって、不安定な状態で加工が進行することで、穴横断面が多角形形状になる現象が発生することによると考えられているが、従来は有効な対策がとられていなかった。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、先端工具に第3のガイド部を適切な位置に配置して工具の挙動の不安定な状態を解消し、周期的にあらわれる変形や変位をなくして、加工後の穴内周の表面状態を適切なものとすることができ、加工精度を高められると共に、穴加工全体の作業効率も高められるBTA加工用先端工具のガイド部配置構造及びガイド部配置方法を提供することを目的とする。
本発明に係る深穴加工用先端工具のガイド部配置構造は、切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、前記ガイド部が先端工具外周に三つ配設され、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置となる第1のガイド部と、180°±10°回転した位置となる第2のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし220°となる角度範囲に配置される第3のガイド部とからなるものである。
このように本発明によれば、先端工具の刃部に加わる力の分力をそれぞれ受ける二つのガイド部に加え、工具の不安定性を抑える第3のガイド部を適切な位置に配設して、加工中の工具の自励振動につながる変位の変動をこの第3のガイド部を含む三つのガイド部で制限することにより、工具全体を安定に動作する状態に維持して、穴断面を多角形とするような不安定状態に陥らず、加工後の穴内面にライフリングマーク等があらわれず、問題のない表面状態として加工精度を高められると共に、追加工や仕上げ作業も不要となり、手間やコストの面でも有利となる。
また、本発明に係る深穴加工用先端工具のガイド部配置構造は必要に応じて、前記第3のガイド部が、刃部の切削力を受ける向きに205°ないし208°回転した位置とされるものである。
このように本発明によれば、深穴加工で発生が予想されるライフリングマーク等の穴の多角形断面形状パターンのうち、パターン形成に伴う現実的な影響の大きい角形数について不安定状態を抑えられる角度範囲に第3のガイド部を配置することにより、現実的に発生しやすい角形数の多角形断面形状パターンの形成に繋がる不安定状態を三つのガイド部で確実に抑えられ、ライフリングマーク等の形成のない高精度の穴加工が行える。
また、本発明に係る深穴加工用先端工具のガイド部配置構造は、切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、前記ガイド部が先端工具外周に三つ配設され、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置となる第1のガイド部と、180°±10°回転した位置となる第2のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし270°となる角度範囲に配置される第3のガイド部とからなり、当該第3のガイド部について、前記角度範囲のいずれかの角度位置に第3のガイド部を配置したと仮定して、配置角度(α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α3)の範囲を取得し、当該角度(α3)の範囲内で、第3のガイド部を配置するものである。
このように本発明によれば、深穴加工におけるライフリングマーク等の発生を、いわゆる時間遅れ系によるパターン形成現象と捉えて、加工用工具の変位変動を解析して系の安定性を検証し、特性根の実部σが負の値となって安定と判別できる角度の位置に第3のガイド部を配置することにより、三つのガイド部で切削中の工具の不安定化を防止してライフリングマーク等の形成を抑えられ、加工精度を高められると共に、追加工や仕上げ作業も不要となり、手間やコストの面でも有利となる。
また、本発明に係る深穴加工用先端工具のガイド部配置構造は、切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、前記ガイド部が先端工具外周に三つ配設され、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置となる第1のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が160°ないし179°となる角度範囲に配置される第2のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし200°となる角度範囲に配置される第3のガイド部とからなり、前記第2のガイド部と第3のガイド部が、前記切れ刃位置から切削力を受ける向きに180°回転した位置と、それぞれ等角度間隔をなす配置とされるものである。
このように本発明によれば、先端工具の刃部に加わる力の分力をそれぞれ受ける二つのガイド部に加え、切削力のうち背分力を分担して受ける第3のガイド部を配設し、この第3のガイド部と共に背分力を受ける第2のガイド部と合せて、適切な位置に配置して、これら二つのガイド部で切削力の分力を分担しつつ工具の不安定性を抑制し、ガイド部全体で加工中の工具の不要な変位の変動を制限することにより、工具全体を安定に動作する状態に維持して、穴断面を多角形とするような不安定状態に陥らず、加工後の穴内面にライフリングマーク等があらわれず、問題のない表面状態として加工精度を高められると共に、追加工や仕上げ作業も不要となり、手間やコストの面でも有利となる。
また、本発明に係る深穴加工用先端工具のガイド部配置構造は必要に応じて、前記第2のガイド部と第3のガイド部が、各ガイド部同士の角度間隔を21°ないし28°とされるものである。
このように本発明によれば、深穴加工で発生が予想されるライフリングマーク等の穴の多角形断面形状パターンのうち、パターン形成に伴う現実的な影響の大きい角形数について不安定状態を抑えられる角度範囲に第2及び第3のガイド部をそれぞれ配置することにより、現実的に発生しやすい角形数の多角形断面形状パターンの形成に繋がる不安定状態を三つのガイド部で確実に抑えられ、ライフリングマーク等の形成のない高精度の穴加工が行える。
また、本発明に係る深穴加工用先端工具のガイド部配置構造は、切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、前記ガイド部が先端工具外周に三つ配設され、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置となる第1のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が160°ないし179°となる角度範囲に配置される第2のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし200°となる角度範囲に配置される第3のガイド部とからなり、前記第2のガイド部と第3のガイド部が、前記切れ刃位置から切削力を受ける向きに180°回転した位置と、それぞれ等角度間隔をなす配置とされ、前記第2及び第3のガイド部について、前記各角度範囲のいずれかの角度位置に第2及び第3のガイド部をそれぞれ配置したと仮定して、配置角度(α2、α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α2、α3)の範囲を取得し、当該角度(α2、α3)の範囲内で、第2及び第3のガイド部を配置するものである。
このように本発明によれば、深穴加工におけるライフリングマーク等の発生を、いわゆる時間遅れ系によるパターン形成現象と捉えて、加工用工具の変位変動を解析して系の安定性を検証し、特性根の実部σが負の値となって安定と判別できる位置に第2及び第3のガイド部を配置することにより、第1のガイド部を含めて適切に配置された三つのガイド部で切削中の工具の不安定化を防止してライフリングマーク等の形成を抑えられ、加工精度を高められると共に、追加工や仕上げ作業も不要となり、手間やコストの面でも有利となる。
また、本発明に係る深穴加工用先端工具のガイド部配置方法は、切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置方法において、前記ガイド部を先端工具外周に三つ配設し、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置に第1のガイド部を、180°±10°回転した位置に第2のガイド部を、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし270°となる角度範囲に第3のガイド部をそれぞれ配置し、当該第3のガイド部について、前記角度範囲のいずれかの角度位置に第3のガイド部を配置したと仮定して、配置角度(α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α3)の範囲を取得し、当該角度(α3)の範囲内で、第3のガイド部の配置角度を設定するものである。
このように本発明によれば、深穴加工におけるライフリングマーク等の発生を、いわゆる時間遅れ系によるパターン形成現象と捉えて、三つのガイド部を備えた加工用工具の運動を第3のガイド部の位置を変えつつ解析してこの位置ごとに系の安定性を検証し、特性根の実部σが負の値となって安定と判別できる位置を第3のガイド部の配置位置とすることにより、切削中の工具において三つのガイド部で工具の不安定化を防止してライフリングマーク等の形成を抑えられることとなり、深穴の加工精度の大幅な向上が図れる。
また、本発明に係る深穴加工用先端工具のガイド部配置方法は、切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置方法において、前記ガイド部を先端工具外周に三つ配設し、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置に第1のガイド部を、前記切れ刃位置からの回転角度が160°ないし179°となる角度範囲に第2のガイド部を、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし200°となる角度範囲に第3のガイド部をそれぞれ配置すると共に、前記第2のガイド部と第3のガイド部を、前記切れ刃位置から切削力を受ける向きに180°回転した位置と、それぞれ等角度間隔をなす配置とし、前記第2及び第3のガイド部について、前記各角度範囲のいずれかの角度位置に第2及び第3のガイド部をそれぞれ配置したと仮定して、配置角度(α2、α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α2、α3)の範囲を取得し、当該角度(α2、α3)の範囲内で、第2及び第3のガイド部の配置角度を設定するものである。
このように本発明によれば、深穴加工におけるライフリングマーク等の発生を、いわゆる時間遅れ系によるパターン形成現象と捉えて、三つのガイド部を備えた加工用工具の運動を第2及び第3のガイド部の180°位置を中心とした開き角を変えつつ解析してこの開き角ごとに系の安定性を検証し、特性根の実部σが負の値となって安定と判別できる開き角をとる位置を第2及び第3のガイド部の配置位置として設定することにより、切削中の工具においては適切に配置された三つのガイド部で工具の不安定化を防止してライフリングマーク等の形成を抑えられることとなり、深穴の加工精度の大幅な向上が図れる。
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る深穴加工用先端工具のガイド部配置構造を図1ないし図7に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るガイド部配置構造を用いた先端工具の概略構成図、図2は本実施形態に係るガイド部配置構造でモデル化した先端工具及びボーリングバーの模式図、図3は本実施形態に係るガイド部配置構造の模式図、図4は本実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における3角形付近から5角形付近までの特性根の実部と虚部の変化説明図、図5は本実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における6角形付近から8角形付近までの特性根の実部と虚部の変化説明図、図6は本実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における9角形付近及び10角形付近の特性根の実部と虚部の変化説明図、図7は本実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における各角形数の実部の準静的における値及び3次までの最大値の第3ガイド部角度に対する各変化説明図である。
前記各図において本実施形態に係るガイド部配置構造は、ボーリングバー40先端に取付けられて被削材50に対し相対回転する先端工具1における、工具外周で被削材50の穴内面と接触するガイド部が、先端工具外周に三つ配設されるものであり、刃部10に対する位置が、工具回転中心に対する刃部10の切れ刃11位置を0として、刃部10の切削力を受ける向きに90°回転した位置となる第1のガイド部21と、180°回転した位置となる第2のガイド部22と、前記第1と第2の各ガイド部21、22と異なる位置に配置される第3のガイド部23とを備える構成である。なお、前記刃部10は、先端工具1本体と一体に固定もしくは着脱可能に配設され、端部に切れ刃11を形成されてなる公知の切削部材であり、詳細な説明は省略する。
前記各ガイド部21、22、23は、パッドとして先端工具本体外周部に取付けられ、被削材50の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部10の切削力を受けるものである。第1及び第2のガイド部21、22の工具本体への取付構造は、それぞれ従来公知の一般的な二つのガイド部を有する工具における、切れ刃位置から刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置に配置されるガイド部、及び180°±10°回転した位置に配置されるガイド部における各取付構造同様であり、また、第3のガイド部23の工具本体に対する取付位置以外の取付構造についても、従来公知の工具のガイド部同様であり、詳細な説明は省略する。
前記第3のガイド部23は、その刃部10に対する位置が、工具回転中心に対する切れ刃位置を0として、刃部10の切削力を受ける向きに181°ないし220°回転した位置となるものであり、先端工具における刃部10の対面(180°)に近い位置に存在していることで、所定の角形数として形成されようとするパターンのうち、偶数角形の各角形数についての安定を確保しつつ、奇数角形の各角形数として形成されようとするパターン同士の打消しによる不安定状態の抑制が図れる。この第3のガイド部23については、後述する解析により安定性が認められる、切削力を受ける向きに205°ないし208°回転した位置として配設されるのがより好ましい。
次に、本実施形態に係るガイド部配置構造が、ライフリングマーク発生等の不安定状態を抑える性質を有する点を示すための解析過程について説明する。
BTA方式等による深穴加工で、本来円断面形状であるべき切削穴が多角形化するライフリングマーク等の発生は、切削によるパターン形成現象であり、こうした現象は、切削時の変動が刃部10やガイド部21、22、23を介して時間をおいてフィードバックされる時間遅れによる不安定振動と捉えることができる。本発明では、こうした現象について、解析モデルをたて、数値解析により線形時間遅れ系の特性方程式より特性根を求めて、系の安定判別を行い、不安定振動が発生しにくいガイド部21、22、23の位置関係を検討している。
まず、先端工具1を取付けたボーリングバー40を梁としたモデル化について説明する。図2に模式図を示す。
先端工具1を取付けたボーリングバー40について、座標系として、ボーリングバーの始端を原点とし、ボーリングバーに沿ってZ軸、水平方向にX軸、鉛直方向にY軸をとり、先端工具を質点として先端に質量を付加した長さLの梁としてモデル化する。このモデルにおける仮定として、ボーリングバーの始端(Z=0)は固定端とし、終端(Z=L)では先端工具の質量mと被削材側から受ける外力のみ考慮し、曲げモーメントは無視する。また、ねじりモーメントは考慮しない。
また、工具各部にかかる力を図3に示す。工具による切削は被削材50に下穴がある状態で行われるものとする。この切削に際しては、被削材側が時計回りに回転しているものとし、所定の回転速度ωで回転周期T=2π/ωとなる。切削に係る仮定としては、刃部の切れ刃とガイド部をなすパッドは長手方向に幅があるため、この幅の範囲で繰り返し被削材の同一位置と接触するが、切れ刃が最初に被削材にあたる部分でのみ切削が行われ、それ以降に切れ刃と被削材が接触する部分では切削は行われないものとする。この切削部分では切削力として主分力Pcと背分力Qc=bPcが作用し、切削力は切削面積に比例する。また、2周目以降に刃部が被削材と接触する部分では、垂直抗力Ncと摩擦力Fc=μccが作用する。
さらに、各ガイド部のX軸(切れ刃位置)から時計回りの角度をαi(i=1、2、3、・・・)とする。これら各ガイド部では切削は行われず、被削材との接触は線接触(XY平面で見れば点接触)として、垂直抗力Niと摩擦力Fi=μiiが作用する。なお、垂直抗力の特性は線形ばねでモデル化し、摩擦力はクーロン摩擦とする。
これら刃部とガイド部の影響は、それぞれnc、ni回転後まで考慮する。一方、切削における重力の影響は考慮しない。
これまでの仮定を考慮しつつ、モデル化したボーリングバーについて、定常切削状態からの各軸方向への変位の変動をx、yとして運動方程式を立てると、梁の曲げの運動方程式であるため、バーの縦弾性係数E、粘性減衰係数c、密度ρ、断面2次モーメントI、断面積Aを用いて、次式で表せる。
Figure 2010155303
また、境界条件は、始端が固定端であり、先端での曲げモーメントは0であるために、工具に作用する各軸方向の外力FX、FYを用いて、以下のようになる。なお、各方向の力の変動は前記記号の上側に「^」を付けて表している。
Figure 2010155303
切削面積の変動は1回転当りの送りδからδ・x(L,t)と表すことができ、単位面積当りの切削力(比切削抵抗)Kcを用いて、主分力と背分力の変動は次のようになる。ただし、背分力は主分力に対する割合がbになると考える。
Figure 2010155303
さらに、2周目以降に刃部が被削材と接触する部分における垂直抗力と摩擦力の変動は、刃の影響としてnc回転分までの接触を考慮し、また刃と被削材との接触における単位送り長さ当りのばね定数kc、動摩擦係数μc、回転の周期lを用いて、次のように表せる。
Figure 2010155303
加えて、ガイド部が被削材と接触する部分における垂直抗力、摩擦力の変動は、所定のガイド部iの半径方向変位の変動riが次式
i(t)=x(L,t)cosαi−y(L,t)sinαi (5)
で表せることから、ガイド部の影響はni回転分までの接触を考慮し、また、ガイド部と被削材との接触における単位長さ当たりのばね定数ki、動摩擦係数μiを用いて、
Figure 2010155303
と表せることとなる。
これらを用いて、工具に作用するX、Y各軸方向の外力の変動はそれぞれ次のように表すことができる。
Figure 2010155303
前記式(4)、式(6)は、l周期前までに削った分が相対的な変位となることを意味しており、それがnc、ni回転後まで時間遅れの項としてフィードバックされることとなり、パターン形成現象の特徴を示している。
続いて、前記運動方程式の固有値解析を経て、特性方程式を得る過程について説明する。
運動方程式に対してτ=ωtとする変数変換を施すと次式が得られる。なお、次式におけるx、yの上のドットはτに関する微分を表す。
Figure 2010155303
さらに上式に対して、初期値を0としてτに関するLaplace変換を行うと次式を得ることができる。ここでこれ以降の記号上側の「~」はそれぞれの変動のLaplace変換を表し、sはLaplace変換変数である。
Figure 2010155303
X、Yの各変位の変動のLaplace変換は、いずれもZに関する特性指数が等しく、それをλ(s)とすると次のように表せる。
ρAω22+cωs+EIλ(s)4=0 (10)
これより、特性指数λ(s)は次のように表すことができる。
Figure 2010155303
よって、
Figure 2010155303
と表せる。また、前記各境界条件も、同様に変数変換し、Laplace変換を行うことで次式が得られる。
Figure 2010155303
ここで、
Figure 2010155303
そして、
Figure 2010155303
以上から、次式が得られる。
Figure 2010155303
ここで、
Figure 2010155303
であり、これらの式よりマトリクス表示を行うと、
Figure 2010155303
となる行列A(s)が求まる。これより、特性方程式
Figure 2010155303
が得られ、その特性根sを次式で表せる。
s=σ+jN (20)
この特性根sを求めることによって、系の安定判別を行うことができる。すなわち、特性方程式を満たす特性根sにおける実部σはパターン形成現象の不安定性を示す値となっており、特性根のうち1つでも実部σが正になるものがあれば一様な切削が不安定となる。逆に全ての特性根の実部σが負であれば系は安定となり、パターンは形成されない。特性根の虚部Nは、τ=ωtの変数変換を行ったため、再変換するとNωとなる。特性根の虚部は発生する振動の振動数(1回転当りの振動の回数)にあたるので、工具の回転速度がωのとき、発生する振動数は回転速度ωのN倍となる。したがってNは形成される多角形断面のパターンの角形数に相当する。深穴加工におけるライフリングマークは、この角形数が整数値からずれ、このずれが切削しながら進んでいくことにより発生するといえる。
従来の工具におけるガイド部の位置関係は、第1のガイド部の角度α1=90°±10°、第2のガイド部の角度α2=180°±10°であるが、この場合、完全に系を安定とすることはできず、ライフリングマークが発生してしまうことから、本実施形態ではガイド部を3つとし、考慮すべき全ての角形数において実部が負となるガイド部の位置を見つける。
具体的には、ガイド部2つの場合を基本としてこれらのガイド部の角度α1=90°、α2=180°を固定とし、第3のガイド部の角度α3を181°〜270°の範囲で変動させて解析を行い、安定なガイド位置を見出す。
解析では、第3のガイド部の角度α3の値をその取り得る181°から270°までの角度範囲で変えながらその各値についてそれぞれ運動方程式を設定し、これから上記のように特性方程式を得、特性方程式を数値的に解いて特性根を求め、特性根の虚部Nが整数付近の場合、すなわち角形数付近の場合における実部σの工具回転数変化に対応して変化する値を計算して各Nごとのσの最大値を取得する。このσについて、正負を判定して系の安定判別を行うこととなる。なお、虚部Nについては、整数値から大きくずれるものは実際に発生するライフリングマークとの比較から現実的なものでないため、整数値に近い範囲の解のみ考慮すれば十分である。
数値解析に用いる基本的な解析条件を以下の表1に示す。
Figure 2010155303
断面積A、断面2次モーメントIはボーリングバーの内径d1=12.0×10-3[m]と外径d2=17.8×10-3[m]から計算された値である。送りδは被削材側を15[Hz]で回転させ、工具側を1.0[mm/s]で送ったときの値である。時間遅れを考慮するnc、niは、実際の工具において、刃の下の部分が10[mm]、ガイドの軸方向長さが20[mm]であることから決定した。切れ刃の比切削抵抗や2周目以降の切れ刃と被削材の接触剛性は、文献やこれまでの研究を参考にして設定した値を用いている。また粘性減衰係数cについては、最も低次の固有振動数に対する減衰比が1.0%程度になるように値を設定しているため、条件によってはcの値が変化しているところもある。なお、パターン形成の安定判別を行う際に、摩擦自励振動が発生してしまう条件では、そうでない条件の場合と不安定度の大きさが全く異なり、パターン形成の安定判別を行えないが、実際の切削においては、摩擦自励振動が共存すると、その不安定の度合いの大きさから、すぐに発散振動となってしまうこともあり、実際に摩擦自励振動が発生する条件で稼動しているとは到底考えられないことから、本発明の解析では全て摩擦自励振動が発生しない条件で行っている。
また、考慮する角形数については、従来報告されているライフリングマークの角形数が3角形や5角形であること、実際にはガイド部と被削材が線接触ではなく分布接触であることなどを踏まえて10角形付近までとする。つまり、ここでは10角形付近までの特性根の実部σ(不安定度)が負であれば、ライフリングマークは発生せず、全て安定であると考える。ここで、まずガイド部2つのみの場合について解析を行ってみると、従来同様の第1のガイド部の角度α1=90°、第2のガイド部の角度α2=180°の場合が、不安定性を抑える点では最適であり、角度α2=180°となる第2のガイド部が偶数角形の角形数については安定で、偶数角形のパターン形成を抑える効果のあることがわかるが、奇数角形では不安定な領域をもち、ライフリングマークを完全に抑制することはできないことが解析からも裏付けられた。ただし、偶数角形と共に奇数角形についても、全体的に不安定度を下げるためには、α=180°近辺にガイド部が存在することが好ましい傾向があらわれており、第3のガイド部を配設する場合は、角度α3を180°近辺となる181°ないし220°の範囲内とするのが良好と考えられる。
解析の例として、第3のガイド部の角度α3 =190°とした場合を説明する。この場合の工具における各方向における3次までの固有振動数を以下の表2に示す。
Figure 2010155303
この状態での、工具回転数を変化させた場合の3角形付近〜10角形付近までの特性根の実部σと虚部Nの変化を図4ないし図6に示す。横軸は回転数fと、対応する角形数の整数値N0の積を表し、縦軸は上側が実部σ、下側が虚部Nの値を表している。各図中の縦方向の点線は、それぞれX方向のモードに対応した固有振動数、Y方向のモードに対応した固有振動数を表している。また、同様に横方向の点線は、特性根の実部σ=0、または虚部N=N0を表している。
虚部Nは整数値N0からの所定微小範囲内のずれのみ着目している。それぞれの角形数における虚部Nの整数値N0からのずれとライフリングマークのピッチとの関係は、ずれが大きくなると、ライフリングマークのピッチが小さくなる傾向にあり、ライフリングマークのピッチがあまり小さすぎるものは現実的ではない。そのため、虚部Nが整数値から大きくずれるものは実際に発生するライフリングマークとの関係で現実的ではないといえる。よって、解析では、Nが整数付近の場合のみ着目すれば十分であり、Nの前記範囲外の解は無視し、他のガイド角度の場合も同様に考える。
図4ないし図6から、偶数角形については、常にσ<0であり、刃部の対面に第2のガイド部があることからも常に安定であることが確認できる。奇数角形は、どの角形数においても固有振動数付近のピーク以外では不安定度が下がっており、特に7角形や9角形については常にσ<0で完全に安定となっている。つまり、この条件であれば7角形や9角形のライフリングマークはどの回転数であっても発生しないといえる。これは第2のガイド部と第3のガイド部との間の10°の間隔が、角形数が7角形や9角形のパターンにおける凸から凸までの短い周期には影響を与えやすいからであると考える。いずれの角形数の場合も、実部σの最大値は3次の固有振動数でのピーク値となっている。
前記同様の手順で、第3のガイド部23の角度α3の値を変えながらそれぞれ運動方程式を設定し、これから特性方程式を得て特性根を求め、特性根の虚部Nが10以下の整数付近の場合における実部σの工具回転数変化に対応して変化する値を計算して各Nごとのσの準静的における値及び3次固有振動数までの最大値を求める。こうしてα3のとり得る各値ごとに求めたσの準静的における値及び3次までの最大値を、横軸を角度α3として各角形数ごとにプロットしたものを図7(A)、(B)にそれぞれ示す。なお、偶数角形については、いずれの場合もσ<0となって全て安定のため図示を省略する。
図7では、縦軸は特性根の実部σの大きさを、横軸は第3のガイド部23の取り得る180°から270°までの角度をそれぞれ示している。図7より、奇数角形については、9角形までの全ての角形数で実部σが負の値となる、すなわち安定している角度範囲としては、205°〜208°の範囲が挙げられる。偶数角形については全て安定していることから、本実施形態に係るガイド配置の場合、第3のガイド部23の角度α3=205°〜208°とすることによって、不安定状態を抑えて安定化できるといえる。
このように、本実施形態に係る深穴加工用先端工具のガイド部配置構造は、先端工具1の刃部10に加わる力の分力をそれぞれ受ける二つのガイド部21、22に加え、第3のガイド部23を配設すると共に、深穴加工におけるライフリングマーク等の発生を、いわゆる時間遅れ系によるパターン形成現象と捉えて、加工用工具の変位変動を解析して系の安定性を検証し、特性根の実部σが負の値となって安定と判別できる角度の位置に第3のガイド部を配置するようにして、加工中の工具の自励振動につながる変位の変動をこの第3のガイド部23を含む三つのガイド部21、22、23で制限することから、工具全体を安定に動作する状態に維持して、穴断面を多角形とするような不安定状態に陥らず、加工後の穴内面にライフリングマーク等があらわれず、問題のない表面状態として加工精度を高められると共に、追加工や仕上げ作業も不要となり、手間やコストの面でも有利となる。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る深穴加工用先端工具のガイド部配置構造を図8ないし図13に基づいて説明する。図8は本実施形態に係るガイド部配置構造の模式図、図9は本実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における3角形付近から5角形付近までの特性根の実部と虚部の変化説明図、図10は本実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における6角形付近から8角形付近までの特性根の実部と虚部の変化説明図、図11は本実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における9角形付近及び10角形付近の特性根の実部と虚部の変化説明図、図12は本実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における各角形数の実部の準静的における値の第3ガイド部角度に対する各変化説明図、図13は本実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における各角形数の実部の3次までの最大値の第3ガイド部角度に対する各変化説明図である。
前記各図において本実施形態に係るガイド部配置構造は、前記第1の実施形態と同様、先端工具1におけるガイド部が先端工具外周に三つ配設される一方、異なる点として、刃部10の切れ刃11に対する位置を、第2のガイド部32は160°ないし179°回転した位置とされ、第3のガイド部33は181°ないし200°回転した位置とされ、且つ、第2のガイド部32と第3のガイド部33が、切れ刃の切削力を受ける向きに180°回転した位置と、それぞれ等角度間隔をなす配置とされる構成を有するものである。なお、前記刃部10と第1のガイド部31を含む、第2のガイド部32と第3のガイド部33以外の先端工具各部の構成については、前記第1の実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
前記各ガイド部のうち、第2のガイド部32と第3のガイド部33は、工具回転中心に対する切れ刃位置から、刃部10の切削力を受ける向きに180°回転した位置に対し、それぞれ等角度間隔をなす配置とされ、各ガイド部32、33同士の開き角を2°ないし40°とされる構成である。これら第2のガイド部32と第3のガイド部33が、先端工具における刃部10の対面(180°の位置)に近く且つこの部位について対称となる位置に存在していることで、所定の角形数として形成されようとするパターンのうち、偶数角形の各角形数についての安定を確保しつつ、奇数角形の各角形数として形成されようとするパターン同士の打消しによる不安定状態の抑制が図れる。この第2のガイド部32と第3のガイド部33のガイド部同士の開き角は、切れ刃位置から180°の位置を中心とする状態はそのままで、後述する解析により安定性が認められる、21°ないし28°とされて配置されるのが好ましい。
次に、本実施形態に係るガイド部配置構造が、ライフリングマーク発生等の不安定状態を抑える性質を有する点を示すための解析過程について説明する。
本実施形態においても、前記第1の実施形態同様、ガイド部を3つとし、考慮すべき全ての角形数において実部が負となるガイドの位置を見つける。
具体的には、ガイド部2つの場合を基本としつつ、前記第1の実施形態の場合とは異なり、第1のガイド部の角度α1=90°のみ固定とし、第2のガイド部と第3のガイド部の各角度α2、α3を、α2は160°〜179°の範囲で、またα3は181°〜200°の範囲で、180°を中心に等角度間隔を維持する条件でそれぞれ変動させて解析を行い、安定なガイド位置を見出す。
解析では、第2、第3の各ガイド部32、33の角度α2、α3の値をその取り得る各角度範囲で互いに対応させつつ変えながらその各値についてそれぞれ運動方程式を設定し、これから前記第1の実施形態同様の特性方程式を得、特性方程式を数値的に解いて特性根を求め、特性根の虚部Nが整数付近の場合、すなわち角形数の場合における実部σの工具回転数変化に対応して変化する値を計算して各Nごとのσの最大値を取得する。そして、このσについて、正負を判定して系の安定判別を行うこととなる。なお、数値解析に用いる基本的な解析条件や考慮する角形数の範囲は前記第1の実施形態と同じである。
解析の例として、α2=170°、α3 =190°とした場合を説明する。この場合の工具における各方向における3次までの固有振動数を以下の表3に示す。
Figure 2010155303
この状態での、工具回転数を変化させた場合の3角形付近〜10角形付近までの特性根の実部σと虚部Nの変化を図9ないし図11に示す。横軸は回転数fと、対応する角形数の整数値N0の積を表し、縦軸は上側が実部σ、下側が虚部Nの値を表している。図中の縦方向の点線は、それぞれX方向のモードに対応した固有振動数、Y方向のモードに対応した固有振動数を表している。また、同様に横方向の点線は、特性根の実部σ=0、または虚部N=N0を表している。
各図から、偶数角形については、常にσ<0であり、安定であることが確認できる。また奇数角形に関しても、5角形付近以降は完全に安定となり、3角形付近でも3次の固有振動数においてわずかな不安定が存在しているだけである。これは、角形数が9角形のパターンにおける半波長分の角度は20°であるのに対し、第2のガイド部と第3のガイド部との間も20°であることから、半波長分ずれている各ガイド部が同じ変動の影響を受けることがなく、9角形のパターン形成を成長させる向きの力を抑えることができ、大きく不安定度を下げられ、同様に5角形や7角形についても半波長に近づいているため、安定となっているものと考えられる。いずれの角形数の場合も、実部σの最大値は3次の固有振動数でのピーク値となっている。
前記同様の手順で、第2、第3のガイド部32、33の角度α2、α3の値を一定の対応関係の下に変えながらそれぞれ運動方程式を設定し、これから特性方程式を得て特性根を求め、特性根の虚部Nが10以下の整数付近の場合における実部σの工具回転数変化に対応して変化する値を計算して各Nごとのσの準静的における値及び3次までの最大値を求める。こうして対応関係にあるα2、α3のとり得る各値ごとに求めたσの準静的における値及び3次までの最大値を、横軸を開き角α3−α2として各角形数ごとにプロットしたものを図12、図13に示す。
図12及び図13では、縦軸は特性根の実部σの大きさを、横軸は第2、第3の各ガイド部間の開き角α3−α2のとる40°までの角度をそれぞれ示している。前記各図より、奇数角形については、9角形までの全ての角形数で開き角を広げるほど実部σ<0となる場合が増え、安定であるといえる一方、偶数角形では開き角を広げるほどσ>0となる角形数が出てくる。これらの条件を考慮すると、10角形までの全ての角形数で実部σが負の値となる、すなわち安定している開き角の範囲としては、21°〜28°の範囲が挙げられる。こうして、本実施形態に係るガイド配置の場合、第2、第3の各ガイド部32、33間の開き角α3−α2を、各ガイド部32、33が180°を中心に等角度間隔をなす状態でα3−α2=21°〜28°とすることによって、不安定状態を抑えて安定化できるといえる。
このように本実施形態に係る発明によれば、先端工具2の刃部10に加わる力の分力をそれぞれ受ける二つのガイド部31、32に加え、切削力のうち背分力を分担して受ける第3のガイド部33を配設すると共に、深穴加工におけるライフリングマーク等の発生を、いわゆる時間遅れ系によるパターン形成現象と捉えて、加工用工具の運動を解析して系の安定性を検証し、特性根の実部σが負の値となって安定と判別できる角度の位置に、第3のガイド部33並びにこれと同時に背分力を受ける第2のガイド部32を配置するようにして、これら二つのガイド部32、33で切削力の分力を分担しつつ工具の不安定性を抑制し、ガイド部全体で加工中の工具の不要な変位の変動を制限することから、工具全体を安定に動作する状態に維持して、穴断面を多角形とするような不安定状態に陥らず、加工後の穴内面にライフリングマーク等があらわれず、問題のない表面状態として加工精度を高められると共に、追加工や仕上げ作業も不要となり、手間やコストの面でも有利となる。
本発明の第1の実施形態に係るガイド部配置構造を用いた先端工具の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るガイド部配置構造でモデル化した先端工具及びボーリングバーの模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るガイド部配置構造の模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における3角形付近から5角形付近までの特性根の実部と虚部の変化説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における6角形付近から8角形付近までの特性根の実部と虚部の変化説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における9角形付近及び10角形付近の特性根の実部と虚部の変化説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における各角形数の実部の準静的における値及び3次までの最大値の第3ガイド部角度に対する各変化説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るガイド部配置構造の模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における3角形付近から5角形付近までの特性根の実部と虚部の変化説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における6角形付近から8角形付近までの特性根の実部と虚部の変化説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における9角形付近及び10角形付近の特性根の実部と虚部の変化説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における各角形数の実部の準静的における値の第3ガイド部角度に対する各変化説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るガイド部配置構造の解析結果における各角形数の実部の3次までの最大値の第3ガイド部角度に対する各変化説明図である。
符号の説明
1、2 先端工具
10 刃部
11 切れ刃
21、31 第1のガイド部
22、32 第2のガイド部
23、33 第3のガイド部
40 ボーリングバー
50 被削材

Claims (8)

  1. 切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、
    前記ガイド部が先端工具外周に三つ配設され、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置となる第1のガイド部と、180°±10°回転した位置となる第2のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし220°となる角度範囲に配置される第3のガイド部とからなることを
    特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置構造。
  2. 前記請求項1に記載の深穴加工用先端工具のガイド部配置構造において、
    前記第3のガイド部が、刃部の切削力を受ける向きに205°ないし208°回転した位置とされることを
    特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置構造。
  3. 切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、
    前記ガイド部が先端工具外周に三つ配設され、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置となる第1のガイド部と、180°±10°回転した位置となる第2のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし270°となる角度範囲に配置される第3のガイド部とからなり、
    当該第3のガイド部について、
    前記角度範囲のいずれかの角度位置に第3のガイド部を配置したと仮定して、配置角度(α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α3)の範囲を取得し、
    当該角度(α3)の範囲内で、第3のガイド部を配置することを
    特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置構造。
  4. 切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、
    前記ガイド部が先端工具外周に三つ配設され、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置となる第1のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が160°ないし179°となる角度範囲に配置される第2のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし200°となる角度範囲に配置される第3のガイド部とからなり、
    前記第2のガイド部と第3のガイド部が、前記切れ刃位置から切削力を受ける向きに180°回転した位置と、それぞれ等角度間隔をなす配置とされることを
    特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置構造。
  5. 前記請求項4に記載の深穴加工用先端工具のガイド部配置構造において、
    前記第2のガイド部と第3のガイド部が、各ガイド部同士の角度間隔を21°ないし28°とされることを
    特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置構造。
  6. 切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、
    前記ガイド部が先端工具外周に三つ配設され、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置となる第1のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が160°ないし179°となる角度範囲に配置される第2のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし200°となる角度範囲に配置される第3のガイド部とからなり、
    前記第2のガイド部と第3のガイド部が、前記切れ刃位置から切削力を受ける向きに180°回転した位置と、それぞれ等角度間隔をなす配置とされ、
    前記第2及び第3のガイド部について、
    前記各角度範囲のいずれかの角度位置に第2及び第3のガイド部をそれぞれ配置したと仮定して、配置角度(α2、α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α2、α3)の範囲を取得し、
    当該角度(α2、α3)の範囲内で、第2及び第3のガイド部を配置することを
    特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置構造。
  7. 切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置方法において、
    前記ガイド部を先端工具外周に三つ配設し、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置に第1のガイド部を、180°±10°回転した位置に第2のガイド部を、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし270°となる角度範囲に第3のガイド部をそれぞれ配置し、
    当該第3のガイド部について、
    前記角度範囲のいずれかの角度位置に第3のガイド部を配置したと仮定して、配置角度(α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α3)の範囲を取得し、
    当該角度(α3)の範囲内で、第3のガイド部の配置角度を設定することを
    特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置方法。
  8. 切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置方法において、
    前記ガイド部を先端工具外周に三つ配設し、刃部に対する位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置に第1のガイド部を、前記切れ刃位置からの回転角度が160°ないし179°となる角度範囲に第2のガイド部を、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし200°となる角度範囲に第3のガイド部をそれぞれ配置すると共に、
    前記第2のガイド部と第3のガイド部を、前記切れ刃位置から切削力を受ける向きに180°回転した位置と、それぞれ等角度間隔をなす配置とし、
    前記第2及び第3のガイド部について、
    前記各角度範囲のいずれかの角度位置に第2及び第3のガイド部をそれぞれ配置したと仮定して、配置角度(α2、α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α2、α3)の範囲を取得し、
    当該角度(α2、α3)の範囲内で、第2及び第3のガイド部の配置角度を設定することを
    特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置方法。
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