JP2010155181A - トリアゾール誘導体含有排水の生物処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トリアゾール類含有有機性排水を効率的に生物処理する。
【解決手段】トリアゾール類含有有機性排水の生物処理に当たり、トリアゾール類含有有機性排水をイオン交換樹脂と接触させて、イオン交換樹脂でトリアゾール類を吸着除去した後生物処理する。トリアゾール類含有有機性排水の生物処理に先立ち、イオン交換樹脂で除去することにより、従来の酸化剤を用いる方法や促進酸化法による処理に比べて、遥かに低コストでトリアゾール類を除去することができる。しかも、イオン交換樹脂によるトリアゾール類の吸着除去であれば、従来法のように、トリアゾール類の酸化分解で生成した生物易分解性有機物の残留もないため、後段の生物処理の負荷を十分に低減することができ、生物処理槽のコンパクト化、供給酸素量の低減が可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】トリアゾール類含有有機性排水の生物処理に当たり、トリアゾール類含有有機性排水をイオン交換樹脂と接触させて、イオン交換樹脂でトリアゾール類を吸着除去した後生物処理する。トリアゾール類含有有機性排水の生物処理に先立ち、イオン交換樹脂で除去することにより、従来の酸化剤を用いる方法や促進酸化法による処理に比べて、遥かに低コストでトリアゾール類を除去することができる。しかも、イオン交換樹脂によるトリアゾール類の吸着除去であれば、従来法のように、トリアゾール類の酸化分解で生成した生物易分解性有機物の残留もないため、後段の生物処理の負荷を十分に低減することができ、生物処理槽のコンパクト化、供給酸素量の低減が可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、メッキ工業分野や写真工業分野、或いは半導体製造プロセスにおけるケミカルメカニカルポリッシング(CMP)工程から排出されるトリアゾール類含有有機性排水を生物処理する方法に関する。
トリアゾールや、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールなどのトリアゾール誘導体は、銅用防食剤として、メッキ工業分野や写真工業分野で幅広く使用されているため、これらの分野からはトリアゾール類を含む有機性排水が排出される。
また、ベンゾトリアゾール等のトリアゾール誘導体は、半導体製造プロセスにおいて、銅配線加工に際しての銅の表面研磨のためのCMP工程においても、銅用防食剤として用いられている。このCMP工程では、ウエハー上に残留しているスラリーや銅配線の研磨屑などを除去するため大量の洗浄水が使用されることにより、トリアゾール類を含む有機性排水が大量に排出されるが、近年、半導体の高集積化が進むにつれ、このトリアゾール類含有有機性排水の排水量も増加傾向にある。
このように、近年、トリアゾール類を含む有機性排水の排出量が増大していることから、トリアゾール類含有有機性排水を処理して水回収を図り、これを再利用する要求が高まっている。
従来、一般に、有機性排水の処理及び水回収には、安価な生物処理が主流とされているが、トリアゾール類は生物分解されにくい構造を持つ上、硝化阻害性があることが分かっており(特許文献1)、生物処理を主体とした処理は困難である。そのため、トリアゾール類含有有機性排水の処理の従来技術としては、酸化力の強いオゾンや紫外線、過酸化水素などの酸化剤もしくはそれらを合わせた促進酸化法を採用する方法が主流とされていた(例えば、特許文献2)。
特表平9−509134号公報
特開2002−35773号公報
上記従来のトリアゾール類含有有機性排水の処理法では、以下のような問題点があった。
(1) トリアゾール類は化学的に安定なため、これを酸化分解して無機化するには大量の酸化剤を必要とし、コスト面で問題が大きい。この問題は、排水量ないし排水中のトリアゾール類濃度が増加するにつれ顕著となる。
(2) (1)より、酸化装置でトリアゾール類を生物易分解性有機物にまで分解し、後段の生物処理装置で無機化する方法も採用されているが、この場合には、生物処理の負荷が多大となり、大型の生物処理槽を必要とし、また、酸素供給量を多く必要とするために曝気動力も多大となる。
(1) トリアゾール類は化学的に安定なため、これを酸化分解して無機化するには大量の酸化剤を必要とし、コスト面で問題が大きい。この問題は、排水量ないし排水中のトリアゾール類濃度が増加するにつれ顕著となる。
(2) (1)より、酸化装置でトリアゾール類を生物易分解性有機物にまで分解し、後段の生物処理装置で無機化する方法も採用されているが、この場合には、生物処理の負荷が多大となり、大型の生物処理槽を必要とし、また、酸素供給量を多く必要とするために曝気動力も多大となる。
本発明は上記従来の問題点を解決し、トリアゾール類含有有機性排水を効率的に生物処理する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、生物処理に先立ち、トリアゾール類含有有機性排水をイオン交換樹脂で除去することにより、トリアゾール類を従来技術よりも遥かに低コストで除去することができ、また、その処理水にはトリアゾール類の分解物も残留しないため、後段の生物処理の負荷を大幅に軽減することができ、生物処理槽のコンパクト化及び酸素供給量の低減が可能となることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] トリアゾール類含有有機性排水の生物処理方法において、トリアゾール類含有有機性排水をイオン交換樹脂と接触させた後生物処理することを特徴とするトリアゾール類含有有機性排水の生物処理方法。
[2] [1]において、トリアゾール類含有有機性排水を凝集処理した後固液分離し、得られた分離水をイオン交換樹脂と接触させることを特徴とするトリアゾール類含有有機性排水の生物処理方法。
[3] [1]又は[2]において、トリアゾール類含有有機性排水が、半導体製造プロセスにおけるCMP工程から排出される排水であることを特徴とするトリアゾール類含有有機性排水の生物処理方法。
本発明によれば、トリアゾール類含有有機性排水の生物処理に先立ち、イオン交換樹脂で処理することにより、従来の酸化剤を用いる方法や促進酸化法による処理に比べて、遥かに低コストでトリアゾール類を除去することができる。しかも、イオン交換樹脂によるトリアゾール類の吸着除去であれば、従来法のように、トリアゾール類の酸化分解で生成した生物易分解性有機物の残留もないため、後段の生物処理の負荷を十分に低減することができ、生物処理槽のコンパクト化、供給酸素量の低減が可能となる。
本発明において、イオン交換樹脂による処理に先立ち、トリアゾール類含有有機性排水中のSSを除去するために、凝集処理及び固液分離を行うことが好ましい(請求項2)。
このような本発明のトリアゾール類含有有機性排水の生物処理方法は、半導体製造プロセスにおけるCMP工程から排出されるトリアゾール類含有有機性排水の生物処理に特に好適である(請求項3)。ただし、本発明で処理対象とするトリアゾール類含有有機性排水は、何らこのCMP排水に限定されるものではない。
以下に、本発明のトリアゾール類含有有機性排水の生物処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明によるイオン交換樹脂によるトリアゾール類の吸着除去機構について説明する。
本発明によるイオン交換処理は、トリアゾール類が両性の有機物であることを利用したものである。
以下に、トリアゾール類が両性の有機物になりうることを1,2,4−トリアゾールを例に説明する。
1,2,4−トリアゾールは、含窒素複素環の1つで、二重結合を持たないN原子の位置を1とし、2,4の位置が窒素原子となっている。
窒素原子は非共有電子対を持ち、水素イオンと結合して−NH+になることが一般的に知られているが、トリアゾールは、1位と2,4位の位置とで窒素原子非共有電子対の電子軌道が異なるため、同じ窒素原子でも解離した状態が異なると考えられる。
具体的には、2,4位の窒素原子非共有電子対はsp2混成軌道に入っているため、水素イオンと結合して−NH+となっても分子全体の安定性には影響しない。
それに対して1位の窒素原子非共有電子対はp軌道に入っている。その方が、2つのC=N結合と4つのπ電子とともに6つのπ電子を形成し、ヒュッケル則より環を安定にできるからである。つまり1位の窒素原子非共有電子対と水素イオンが結合することは分子の安定性を著しく損なうことであり、この反応は起こりえず、逆に分子の安定性を保てることから1位の窒素原子に結合してsp2混成軌道に入っている水素イオンが解離するほうがエネルギー的に遥かに起こりやすい。
以上の理由から、1,2,4−トリアゾールは、酸性条件下では2,4位の窒素原子が−NH+となり、アルカリ性条件下では1位の窒素原子が−N−となるため、両性有機物と考えられる。
本発明によるイオン交換処理は、トリアゾール類が両性の有機物であることを利用したものである。
以下に、トリアゾール類が両性の有機物になりうることを1,2,4−トリアゾールを例に説明する。
1,2,4−トリアゾールは、含窒素複素環の1つで、二重結合を持たないN原子の位置を1とし、2,4の位置が窒素原子となっている。
窒素原子は非共有電子対を持ち、水素イオンと結合して−NH+になることが一般的に知られているが、トリアゾールは、1位と2,4位の位置とで窒素原子非共有電子対の電子軌道が異なるため、同じ窒素原子でも解離した状態が異なると考えられる。
具体的には、2,4位の窒素原子非共有電子対はsp2混成軌道に入っているため、水素イオンと結合して−NH+となっても分子全体の安定性には影響しない。
それに対して1位の窒素原子非共有電子対はp軌道に入っている。その方が、2つのC=N結合と4つのπ電子とともに6つのπ電子を形成し、ヒュッケル則より環を安定にできるからである。つまり1位の窒素原子非共有電子対と水素イオンが結合することは分子の安定性を著しく損なうことであり、この反応は起こりえず、逆に分子の安定性を保てることから1位の窒素原子に結合してsp2混成軌道に入っている水素イオンが解離するほうがエネルギー的に遥かに起こりやすい。
以上の理由から、1,2,4−トリアゾールは、酸性条件下では2,4位の窒素原子が−NH+となり、アルカリ性条件下では1位の窒素原子が−N−となるため、両性有機物と考えられる。
従って、本発明において、トリアゾール類含有有機性排水中のトリアゾール類を吸着除去するためのイオン交換樹脂としては、アニオン交換樹脂であっても良く、カチオン交換樹脂であっても良く、これらの混合樹脂であっても良い。
共存する無機アニオンや無機カチオンの量により、トリアゾール類の貫流交換容量(BTC)が変わるため、このBTCが大きくなるようにするのが好ましい。
また、上述の如く、酸性条件下では2,4位の窒素原子が−NH+となり、アルカリ性条件下では1位の窒素原子が−N−となることから、アニオン交換樹脂を用いる場合は、原水のpHはアルカリ性、例えばpH9〜14で、カチオン交換樹脂を用いる場合は、原水は酸性、例えばpH1〜5であることが好ましい。アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂を用いる場合、原水のpHには特に制限はなく1〜14程度である。
トリアゾール類含有有機性排水とイオン交換樹脂とを接触させる方法としては特に制限はなく、トリアゾール類含有有機性排水にイオン交換樹脂を添加して反応槽中で攪拌するバッチ式であっても良く、イオン交換樹脂を充填したカラムにトリアゾール類含有有機性排水を通水するカラム通水方式であっても良い。カラム通水方式の場合、トリアゾール類含有有機性排水は上向流で通水しても下向流で通水しても良い。また、通水速度についても特に制限はないが、トリアゾール類の吸着除去効率と処理効率の面から、通水SVとして5〜150hr−1程度とすることが好ましい。
以下に本発明のトリアゾール類含有有機性排水の生物処理方法を実施する場合の処理装置の一例を示す図1を参照して、本発明の処理手順の実施形態をより詳細に説明する。
図1では、トリアゾール類含有有機性排水(原水)をまず、凝集処理槽1に導入して凝集剤を添加して凝集処理する。
ここで用いる凝集剤としては、トリアゾール類含有有機性排水中のSSを凝集処理し得るものであれば良く、特に制限はなく、例えば、無機凝集剤として、PAC(ポリ塩化アルミニウム)、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、硫酸第一鉄等、カチオン性高分子凝集剤として、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリアルキレンポリアミン等、アニオン性高分子凝集剤として、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位を有するポリマー等、ノニオン性高分子凝集剤として、ポリエチレンイミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物等、従来公知の凝集剤をいずれも好適に用いることができる。これらの凝集剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
ここで用いる凝集剤としては、トリアゾール類含有有機性排水中のSSを凝集処理し得るものであれば良く、特に制限はなく、例えば、無機凝集剤として、PAC(ポリ塩化アルミニウム)、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、硫酸第一鉄等、カチオン性高分子凝集剤として、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリアルキレンポリアミン等、アニオン性高分子凝集剤として、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位を有するポリマー等、ノニオン性高分子凝集剤として、ポリエチレンイミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物等、従来公知の凝集剤をいずれも好適に用いることができる。これらの凝集剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
凝集剤の添加量はトリアゾール類含有有機性排水の性状、用いる凝集剤の種類によって異なり、一概には言えないが、通常、排水に対して50〜1000mg/L程度である。
なお、凝集処理に際しては、用いる凝集剤に応じて、好適pHにpH調整することが好ましい。
なお、凝集処理に際しては、用いる凝集剤に応じて、好適pHにpH調整することが好ましい。
凝集処理水は次いで固液分離槽2に送給され、凝集した粗大フロックが固液分離される。この固液分離手段としては、通常沈殿槽が用いられるが、膜分離装置などであっても良く、膜分離装置を用いた場合には、後段の濾過装置を省略することができる。
固液分離槽2の分離水は、次いで濾過装置で分離水中に含まれる微細なSS成分を分離除去した後、イオン交換樹脂塔4に通水される。
図1において、凝集処理槽1、固液分離槽2及び濾過装置3は、トリアゾール類含有有機性排水中にSSが含まれる場合、イオン交換樹脂塔4がSSで閉塞するのを防止するために設けられている。従って、トリアゾール類含有有機性排水が特にSSを含まない場合、これらの処理は省略することができる。
前述の如く、イオン交換樹脂塔4のイオン交換樹脂としては、アニオン交換樹脂であってもカチオン交換樹脂であっても、これらの混合樹脂であっても良い。イオン交換樹脂がアニオン交換樹脂であれば、トリアゾール類と共に原水中のアニオン性有機物が除去され、イオン交換樹脂がカチオン交換樹脂であれば、トリアゾール類と共に原水中のカチオン性有機物が除去される。
なお、イオン交換処理に供する水は、前述の如く、イオン交換処理に好適なpHとなるように、必要に応じて酸又はアルカリを添加してpH調整する。
なお、イオン交換処理に供する水は、前述の如く、イオン交換処理に好適なpHとなるように、必要に応じて酸又はアルカリを添加してpH調整する。
イオン交換樹脂塔4の流出水は、トリアゾール類と、原水中のアニオン性有機物及び/又はカチオン性有機物が除去された水であり、このイオン交換処理水は、次いで生物処理槽5に導入されて生物処理される。この生物処理槽5としては、通常の活性汚泥処理槽や、生物活性炭処理槽、嫌気性生物処理槽等を用いることができる。
生物処理槽5の生物処理水は、イオン交換処理水中に残留する有機物が生物分解された高水質の処理水であり、必要に応じて、更に逆浸透膜によるイオン除去、紫外線照射による低分子有機物の分解等の処理を行った後回収再利用されるか、或いは放流される。
本発明においては、難生物分解性のトリアゾール類が予め除去され、しかもトリアゾール類由来の易生物分解性有機物も含まれていないイオン交換処理水を生物処理することにより、生物処理の負荷を大幅に軽減することができ、生物処理槽のコンパクト化、供給酸素量の低減(曝気動力の低減)を図ることができる。
なお、トリアゾール類含有有機性排水の処理によりトリアゾール類やその他のイオン性有機物を吸着したイオン交換樹脂は、定期的に或いは必要に応じて再生する必要がある。このイオン交換樹脂の再生は常法に従って、酸又はアルカリ剤を用いて行うことができる。再生により排出されるトリアゾール類等を含む再生廃液は、高濃度にトリアゾール類を含むものであるため、従来のオゾン促進酸化法等により効率的に処理することができる。この場合、トリアゾール類含有有機性排水を直接オゾン促進酸化処理する場合に比べて、イオン交換樹脂の再生廃液を処理する場合の方が、被処理水量を1/20程度に削減することができるため、オゾン促進酸化処理に要する装置についてもコンパクト化することができ、また、コストも低減することができる。
なお、本発明において処理するトリアゾール類含有有機性排水中のトリアゾール類としては特に制限はないが、通常、従来より銅用防食剤として使用されてきた1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3,4−チアトリアゾール、これらの誘導体、これらのアミン塩、これらの金属塩などを挙げることができる。トリアゾール類誘導体としては、アルキルベンゾトリアゾール(例えば、ベンゾトリアゾール、o−トリルトリアゾール、m−トリルトリアゾール、p−トリルトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾール、5−n−プロピルベンゾトリアゾール、5−イソブチルベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール)、アルコキシベンゾトリアゾール(例えば5−メトキシベンゾトリアゾール)、アルキルアミノベンゾトリアゾール、アルキルアミノスルホニルベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール(例えば、4−ニトロベンゾトリアゾール)、ハロベンゾトリアゾール(例えば5−クロロベンゾトリアゾール)、ヒドロキシアルキルベンゾトリアゾール、ハイドロベンゾトリアゾール、アミノベンゾトリアゾール、(置換アミノメチル)−トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、N−アルキルベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾールなど、これらのアミン塩、これらの金属塩などを挙げることができる。
これらのうち、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾールなどが銅用防食剤として広く使用されている。
本発明で処理するトリアゾール類含有有機性排水には、これらのトリアゾール類の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
本発明は、特に、半導体デバイス製造プロセスにおけるCMP工程から排出される排水の処理に好適であるが、通常、この排水には、銅用防食剤としてのトリアゾール類が5〜30000mg/L程度含有されている。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
トリアゾールを180mg−C/L含有したTOC濃度348mg−C/Lの排水(pH8)を原水として、本発明による生物処理を行った。
まず、原水にポリ塩化アルミニウムを80mg/L添加して、塩酸によりpH6.2に調整後、10分間急速攪拌した後、5分間緩速攪拌した。終了後、約30分間静置し、上澄水をNo.5濾紙(ADVANTEC社製)で濾過した。
トリアゾールを180mg−C/L含有したTOC濃度348mg−C/Lの排水(pH8)を原水として、本発明による生物処理を行った。
まず、原水にポリ塩化アルミニウムを80mg/L添加して、塩酸によりpH6.2に調整後、10分間急速攪拌した後、5分間緩速攪拌した。終了後、約30分間静置し、上澄水をNo.5濾紙(ADVANTEC社製)で濾過した。
三菱化学社製カチオン交換樹脂「DIAION SA10A」及び「DIAION SK1B」を、直径70mm、高さ700mmのアクリル樹脂カラムに1Lずつ混合して2L充填し、このカラムに上記濾液を通水SV約10hr−1で下向流通水した。
カラム流出水を好気性生物処理槽(有効容量3Lのアクリル製反応槽に一辺3mmの立方体形状スポンジを50%(容量)入れて、それに好気性細菌を付着・馴養させたもの)に滞留時間約3時間で通水して生物処理した。
カラム流出水を好気性生物処理槽(有効容量3Lのアクリル製反応槽に一辺3mmの立方体形状スポンジを50%(容量)入れて、それに好気性細菌を付着・馴養させたもの)に滞留時間約3時間で通水して生物処理した。
この処理において、生物処理槽に供給されるカチオン交換樹脂カラム出口水(生物処理槽入口水)及び生物処理水のTOC濃度とカチオン交換樹脂カラム出口水(生物処理槽入口水)のトリアゾール濃度とを調べ、結果を表1に示した。また、このカラム出口水のTOC濃度と原水のTOC濃度とから、カチオン交換樹脂によるTOC除去率を算出し、結果を表1に併記した。なお、TOC濃度はTOC計(島津製作所製「A−5000」)で測定し、トリアゾール濃度は高速液体クロマトグラフィーで測定した。
[比較例1]
実施例1において、原水の凝集濾過処理水をカチオン交換樹脂で処理する代りに、オゾン促進酸化処理を行ったこと以外は同様にして処理を行った。
オゾン促進酸化処理は、原水の凝集濾過処理水を入れた容量15Lのカラム(直径150mm、高さ1000mm、材質:透明塩化ビニル)に、オゾン発生器(住友精密機器製「GR−RD」)で発生させたオゾン濃度150g/Nm3のオゾン含有ガスを0.6NL/minの流量でカラム下部より散気管(木下式ボールフィルター)で吹き込むと共に、過酸化水素を注入する半回分処理とした。
注入オゾン量はO3/TOC(重量比)で6となるようにした。
また、過酸化水素注入量はO3/H2O2(重量比)で5となるようにした。
実施例1において、原水の凝集濾過処理水をカチオン交換樹脂で処理する代りに、オゾン促進酸化処理を行ったこと以外は同様にして処理を行った。
オゾン促進酸化処理は、原水の凝集濾過処理水を入れた容量15Lのカラム(直径150mm、高さ1000mm、材質:透明塩化ビニル)に、オゾン発生器(住友精密機器製「GR−RD」)で発生させたオゾン濃度150g/Nm3のオゾン含有ガスを0.6NL/minの流量でカラム下部より散気管(木下式ボールフィルター)で吹き込むと共に、過酸化水素を注入する半回分処理とした。
注入オゾン量はO3/TOC(重量比)で6となるようにした。
また、過酸化水素注入量はO3/H2O2(重量比)で5となるようにした。
実施例1と同様にして、この処理において、生物処理槽に供給されるオゾン促進酸化処理水(生物処理槽入口水)及び生物処理水のTOC濃度とオゾン促進酸化処理水(生物処理槽入口水)のトリアゾール濃度とを調べ、結果を表1に示した。また、このオゾン促進酸化処理水のTOC濃度と原水のTOC濃度とから、オゾン促進酸化処理によるTOC除去率を算出し、結果を表1に併記した。
表1より次のことが明らかである。
即ち、実施例1と比較例1とでは、生物処理槽入口水のトリアゾール濃度は同じであるが、TOC濃度は、実施例1では比較例1に比べて著しく低い。これは、実施例1では、トリアゾールをカチオン交換樹脂により吸着除去したため、トリアゾール由来の生物易分解性有機物の残留がなく、一方、比較例1では、オゾン促進酸化処理によるトリアゾール由来の生物易分解性有機物の残留があるために、TOC濃度が高く、この結果、比較例1では実施例1に比べて後段の生物処理の負荷が大きい。これに対して、実施例1では、後段の生物処理の負荷を著しく軽減することができる。従って、同一の生物処理を行った場合、実施例1の方が、比較例1よりも高水質の処理水が得られる。
即ち、実施例1と比較例1とでは、生物処理槽入口水のトリアゾール濃度は同じであるが、TOC濃度は、実施例1では比較例1に比べて著しく低い。これは、実施例1では、トリアゾールをカチオン交換樹脂により吸着除去したため、トリアゾール由来の生物易分解性有機物の残留がなく、一方、比較例1では、オゾン促進酸化処理によるトリアゾール由来の生物易分解性有機物の残留があるために、TOC濃度が高く、この結果、比較例1では実施例1に比べて後段の生物処理の負荷が大きい。これに対して、実施例1では、後段の生物処理の負荷を著しく軽減することができる。従って、同一の生物処理を行った場合、実施例1の方が、比較例1よりも高水質の処理水が得られる。
1 凝集処理槽
2 固液分離槽
3 濾過装置
4 イオン交換樹脂塔
5 生物処理槽
2 固液分離槽
3 濾過装置
4 イオン交換樹脂塔
5 生物処理槽
Claims (3)
- トリアゾール類含有有機性排水の生物処理方法において、トリアゾール類含有有機性排水をイオン交換樹脂と接触させた後生物処理することを特徴とするトリアゾール類含有有機性排水の生物処理方法。
- 請求項1において、トリアゾール類含有有機性排水を凝集処理した後固液分離し、得られた分離水をイオン交換樹脂と接触させることを特徴とするトリアゾール類含有有機性排水の生物処理方法。
- 請求項1又は2において、トリアゾール類含有有機性排水が、半導体製造プロセスにおけるCMP工程から排出される排水であることを特徴とするトリアゾール類含有有機性排水の生物処理方法。
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2008
- 2008-12-26 JP JP2008333614A patent/JP2010155181A/ja active Pending
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