JP2010154917A - 内視鏡挿入補助具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】棒状の芯体1と、芯体1の外周を着脱自在に覆う外筒体3とを有し、芯体1と外筒体3とを鼻腔内に共に挿入して鼻腔を拡張した後、芯体1を鼻腔から取り出すことで、鼻腔内に残存する外筒体3により内視鏡の挿入部を案内させる内視鏡挿入補助具100であって、芯体1または外筒体3のいずれかに、流体の供給により拡径するバルーン5を備える。バルーン5は、外筒体3の外周を覆って設けられ所定の一定径に拡がる第一のバルーン部材と、第一のバルーン部材の外側に設けられ第一のバルーン部材より軟質な材料で形成されて鼻腔内に薬剤を塗布する第二のバルーン部材とで構成できる。
【選択図】図1
Description
棒状の芯体と、該芯体の外周を着脱自在に覆う外筒体とを有し、前記芯体と前記外筒体とを体腔内に共に挿入して該体腔を拡張した後、前記芯体を前記体腔から取り出すことで、前記体腔内に残存する外筒体により内視鏡の挿入部を案内させる内視鏡挿入補助具であって、
前記芯体または前記外筒体のいずれかに、流体の供給により拡径するバルーンを備えた内視鏡挿入補助具。
図1は本発明の実施形態を説明するための内視鏡挿入補助具の芯体と、芯体に対して着脱自在な外筒体の分解斜視図である。
内視鏡挿入補助具100は、体腔である例えば鼻腔に挿入して鼻腔を拡張するとともに、内視鏡挿入時のガイドとしての用途に供せられる。そして、内視鏡を挿入するための鼻腔内の狭い部分の拡張、鼻腔内の狭い部分への薬剤塗布、狭い部分以外への薬剤塗布を、拡径可能なバルーンを備えることで実現している。なお、本明細書中、「拡径」とはガイドが膨らむことを意味し、「拡張」とは鼻腔が拡がることを意味する。
外筒体3の外側に配設されたバルーン5は、拡径時において図中破線のように軸方向に沿った一定径に膨らむ。コネクタ9にはエア供給ポンプ11からの接続チューブ13が着脱自在に接続される。エア供給ポンプ11は、例えば柔軟な弾性材料からなる袋体部を把持することにより、内部空気を接続チューブ13へ圧送する、取扱いが容易な簡素なポンプであってもよく、その他にシリンジ等を用いたポンプであってもよい。
内視鏡挿入補助具100は、エア供給前の初期の状態では、図3(a)に示すように、バルーン5が萎んだ縮径状態となっている。このときのバルーン5の最外径dは3mm程度(例えば2mm〜4mm)とされ、人体の鼻腔孔より小径となっている。鼻腔には、入口部に相当し比較的通路径の狭い狭孔部と、比較的通路径の広い広孔部とが存在し、外鼻孔は狭孔部、広孔部、咽頭部を介して上部消化管へ通じている。この3mm程度に縮径された内視鏡挿入補助具100は、上記狭孔部に対しても円滑に挿入することができる。そして、内視鏡挿入補助具100の体腔内への挿入後、バルーン5にエアが供給されると、外筒体3の外周のバルーン5が膨らみ、バルーン5の外径Dが非挿入状態で6mm程度(例えば4mm〜8mm)の太さに拡径される。なお、図3(b)は鼻腔へ挿入していないときの拡径状況を示している。バルーン5の外径Dは、4mmより小さい場合には、バルーン5による拡径量をさらに増加する必要があり、十分な鼻腔拡張が行えない場合が生じる。また、8mmを超える場合には、内径サイズに個人差がある人体の鼻腔に対して内視鏡挿入補助具100を汎用的に使用することができない。上記の通り、バルーン5の厚みを含めた外筒体3の最外径は、バルーン5の非拡径時には人体の鼻腔孔より小径に形成され、拡径時には体腔内への非挿入状態で人体の鼻腔孔よりも大きく拡径される。そして、拡径時のバルーン5の厚みを含む外筒体3の最外径は、体腔内への非挿入状態で非拡径時の最外径の少なくとも2倍にまで拡径可能となっており、鼻腔を押し広げての鼻腔拡張を確実に行える。ここで、バルーン5の厚みを含む外筒体3の最外径とは、図3に示す構成例ではバルーン5の外径を意味するが、例えば外筒体3の内側にバルーン5を配置して外筒体3も同時に拡径する構成の内視鏡挿入補助具の場合は、外筒体3の外径を意味する。
図4(a)に内視鏡挿入補助具100の鼻腔17内に挿入前の状態を示す。
内視鏡挿入補助具100は、鼻腔17内への挿入前に、血管収縮剤や潤滑剤等の薬剤が予めバルーン5の表面に塗布されている。薬剤の塗布された内視鏡挿入補助具100は、バルーン5を縮めた状態の外筒体3に、芯体1が挿入され、外筒体3および芯体1が一体となって鼻腔17の狭孔部19に挿入される。このように内視鏡挿入補助具100は、芯体1と外筒体3とを組み合わせた状態で、腰を持たせて(剛性を高めた状態で)挿入する。バルーン5表面の薬剤は、挿入時に鼻腔17内の表面に塗布される。
図5(a)は微少襞に薬剤を保持させたバルーンの要部拡大断面図、(b)はその拡径時の要部拡大断面図である。
内視鏡挿入補助具100は、前述のバルーン5の表面に薬剤(血管収縮剤や潤滑剤)25を有するが、これら薬剤25は塗布する以外にも、例えば、図5(a)に示すように、バルーン5の表面に蛇腹状の微小な襞(凹凸)27を多数形成して、この凹凸27間に薬剤25を充填しておくことでもよい。その場合には、図5(b)に示すように、バルーン5が拡径して凹凸27が拡がると、薬剤25が表出することとなる。
内視鏡挿入補助具100は、図6(a)に示すように、縮径状態で鼻腔17の狭孔部19に挿入される。この挿入状態で拡径することにより、バルーン5が強く押し当てられ、図6(b)に示すように、狭孔部19が外側へ押し拡げられる。柔軟性を有するバルーン5は、複雑な内部空間を有する鼻腔17内に拡がり、薬剤を広い範囲に塗布する。
図7は二重バルーン構造における芯体およびバルーンの軸線直交方向の断面図である。
この内視鏡挿入補助具200の構成例では、芯体1を覆う外筒体3の外側に二重のバルーンを設けている。バルーンは、外筒体3の外側に、外筒体3の外周面を覆って所定の一定径に拡がる第一のバルーン部材(以下、「拡張用バルーン」と称す。)29と、拡張用バルーン29の外側に設けられ鼻腔17内に薬剤25を塗布する第二のバルーン部材(以下、「薬剤供給用バルーン」と称す。)31と、を有する。
芯体1の把持部7にはコネクタ部49が設けられる。芯体1および把持部7には、エア流路51が形成され、接続チューブ13との間に逆止弁53が設けられている。逆止弁53は、芯体1内のエア流路51からの逆流を阻止する。エア流路51は、拡張用バルーン29と芯体1との固定部55の近傍で、芯体1と拡張用バルーン29の間に開口する。また、エア流路51には細径取り出し流路57が分岐され、細径取り出し流路57は拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の固定部59の近傍で、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の間に開口する。また、エア流路51の基端は、把持部7の後端面で開口し、その後端面に貼着されるシール61にて塞がれている。
内視鏡挿入補助具200は、図9(a)に示すように、縮径状態で鼻腔17の狭孔部19に挿入される。この挿入状態で拡径することにより、最初に、拡張用バルーン29が鼻腔17に強く押し当てられ、図9(b)に示すように狭孔部19が外側へ押し拡げられる。その後、柔軟性を有する薬剤供給用バルーン31が複雑な内部空間を有する鼻腔17内の隅々にまで拡がり、薬剤を広い範囲に塗布する。すなわち、拡張用バルーン29にて強い腰で押し拡げるとともに、薬剤供給用バルーン31の柔軟な膜の広がりにより薬剤25の塗布を十分に行う。
図10は拡張用バルーンと薬剤供給用バルーンの間に薬剤を充填した構成例の要部を切り欠いた側面図である。
この内視鏡挿入補助具300は、薬剤25を、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の間に充填している。拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31は、前述のように独立して拡径するものとは異なり、双方が一体的に拡径する。本構成では、拡張用バルーン29と芯体1との間にエア供給して固定部55より先端側のバルーンを膨らますと、拡張用バルーン29が軸方向に沿って所定の一定径に拡径され、充填薬剤25を介して薬剤供給用バルーン31が伸張される。エアは、逆止弁(図示せず)にて逆流が阻止されるので、しぼみが防止されて、膨らんだ状態に維持される。この状態で、充填薬剤25に所定の圧力が加えられることになる。
拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の間に薬剤25を充填した上記構成においては、薬剤供給用バルーン31に、表裏を貫通する多数の微細孔73を有する。微細孔73は、図11(a)に示すバルーンの非拡張時には閉鎖され、薬剤充填空間を密閉状態とする。つまり、薬剤25を漏洩させない保持が可能となる。一方、拡張用バルーン29の伸張に伴って薬剤供給用バルーン31が伸張すると、図11(b)に示すように、微細孔73が開口して表裏を連通し、薬剤25が薬剤供給用バルーン31の表面に滲出する。なお、縮退時には再び微細孔73が閉塞して表裏の連通を遮断する。
図12は薬剤の後注入を可能とした内視鏡挿入補助具の要部断面図である。なお、図10に示した部材と同一の部材には同一の符号を付与し重複する説明は省略する。
この内視鏡挿入補助具400は、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31との間の空間に接続される薬剤注入口75を有し、この薬剤注入口75から薬剤25を追加供給する薬剤供給手段であるシリンジ77を備えている。
図13(a)は薬剤の2系統注入を可能とする構成例の断面図、(b)はその側面図である。
この内視鏡挿入補助具500は、前述の内視鏡挿入補助具400の薬剤注入経路をさらに1系統増やした構成としている。つまり、異なる薬剤を異なる場所から注入可能な構成としている。図13(a)に示すように、薬剤供給用バルーン31を、直径方向の両端部で拡張用バルーン29に接着する接合部81,81を、芯体1の軸線方向に沿ったライン上に形成する。これにより、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31との間の空間を第一の空間83と第二の空間85に二分割することができる。薬剤供給用バルーン31にはそれぞれの空間83,85に連通する薬剤注入口75,75を設ける。
図14は内視鏡挿入補助具に複数のエア供給ポンプを接続した例を示す構成図である。
内視鏡挿入補助具600は、拡張用バルーン29および薬剤供給用バルーン31と、外筒体3とを、芯体1の軸線方向に沿った複数ラインの接合部81にて接合して芯体1の周方向に複数の拡径ポケット87を画成している。この構成では、複数の拡径ポケット87の少なくともいずれかに対して、前述の拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の間に充填する薬剤種類を、他の拡径ポケット87と異ならせることができる。
複数の拡径ポケット87を有する構成では、各エア供給ポンプ11からエアが供給され、それぞれの拡径ポケット87がストライプ状に膨らみ、薬剤供給用バルーン31が周方向にわたって略均等な外径となって拡径される。円周方向に配置された複数の拡径ポケット87に異なる薬剤25が充填されれば、所望の拡径ポケット87を拡径することにより、所望の薬剤25のみを鼻腔17の拡張と同時に塗布することができる。薬剤供給用バルーン31を周方向に分割することによる鼻腔拡張作用への影響は、円周方向の分割数を増やせば少なくすることができる。
図16は拡径ポケットを複数有する場合のエアの供給構造を表したコネクタ部近傍の拡大断面図である。
同図に示すように、8つの拡径ポケット(87Aのみ図示)を、4つずつ2グループの拡径ポケット群に分けて2系統とする場合、芯体1には、軸線に沿う方向に2つのエア流路51A,51Bを形成する。これらエア流路51A,51Bのうち一方を1グループの拡径ポケット87A群に連通し、他方を2グループの拡径ポケット87B群(後述)に連通する。
8つの拡径ポケットを、4つずつ2グループの拡径ポケット群に分けて2系統とする場合、芯体1には、図17(a)に示すように、エア流路51Aに連通する直径方向十字状のエア取り出し流路63Aと、図17(b)に示すように、エア流路51Bに連通する直径方向十字状のエア取り出し流路63Bを形成する。エア取り出し流路51Aの4つの開口は、1グループの拡径ポケット87A群に連通させる。エア取り出し流路51Bの4つの開口は、2グループの拡径ポケット87B群に連通させる。これのように十字状のエア取り出し流路63A,63Bにてエア流路を分配することで経路を簡単に形成できる。
図18(a)は血管収縮剤が装填された拡径ポケットを拡径した断面図、(b)は麻酔薬が装填された拡径ポケットを拡径した断面図である。
2系統の拡径ポケット87(1グループの拡径ポケット87A群、2グループの拡径ポケット87B群)を有する内視鏡挿入補助具600Aでバルーンを拡径するには、図18(a)に示すように、例えば血管収縮剤である薬剤25が装填された1グループの拡径ポケット87A群に対してエア供給を行い、拡径ポケット87A群から血管収縮剤を鼻腔17内に先に供給する。
図19は芯体自体が拡径される内視鏡挿入補助具の構成例を示す側面図である。
この内視鏡挿入補助具700では、芯体1が、その外周に一方のバルーン部材である拡張用バルーン29を装着している。拡張用バルーン29の外周には図示は省略するが、図1に示した外筒体3が外挿される。すなわち、図19には外筒体3を含まない芯体1が図示されている。この場合は、外筒体3の外側に備わる他方のバルーン部材は、拡張用ではなく、薬剤供給用と拡径時の形状維持用に用いられる。拡張用バルーン29は、挿入側の先端が閉塞されて芯体1に被せられ、基端が芯体1に例えば接着固定される。これにより、芯体1の外周と拡張用バルーン29の間にはエア注入用の間隙が形成される。この構成例では、拡張用バルーン29と芯体1とは一体構造であり、エア供給ポンプ11からエアが供給されると、芯体1と拡張用バルーン29との間にエアが供給され、拡張用バルーン29の外径、すなわち、芯体1の実質的な外径が図中破線のように拡径される。
図20(a)に示すように、内視鏡挿入補助具700は、拡張用バルーン29の外側に外筒体3が装着される。外筒体3には前述の他方のバルーン部材を備える。鼻腔17内への挿入前に、薬剤が予め外筒体3外側の他方のバルーン部材の表面に塗布されている。薬剤の塗布された内視鏡挿入補助具700は、図20(b)に示すように、双方のバルーン部材を縮めた状態で鼻腔17の狭孔部19に挿入される。
上記のように、鼻腔を拡張するためのバルーンは、芯体または外筒体のいずれであってもよく、いずれの場合も同様の作用効果が得られる。
図21はファイバースコープを芯体に設けた内視鏡挿入補助具の構成の概念的な断面図である。
この構成例では、芯体1と外筒体3を挿入する際に、目的とする挿入位置に確実に到達させるため、芯体1に観察用のファイバースコープ91を設けている。芯体1の先端面には対物光学素子93が設けられ、後端面には接眼光学素子94が設けられている。ファイバースコープ91は、先端に対物光学素子93が光学的に接続されて、所定の視野領域95が確保される、芯体1にはファイバースコープ91に沿ってライトガイド97が設けられ、ライトガイド97は光源99からの光を導入することで、観察領域への照明光の照射を可能としている。
図22は外筒体を籠形状とした内視鏡挿入補助具の構成を示す側面図、図23は図22のC−C断面図である。
図22、図23に示すように、この内視鏡挿入補助具800は、外筒体3Aが、基端側のリング状固定部材101と、複数のフレーム部材(図示例では一例として4本)103と、挿入側先端のリング状バルーン部材105とで籠形状に形成される。なお、図22には外筒体3Aのみを示し、芯体は図1に示すものと同一であるのでここでは省略する。リング状固定部材101は、フレーム部材103の基端を拡径状態に保持する。フレーム部材103は、リング状固定部材101の周方向に沿って複数本が接合され、外筒体3Aの軸方向へ伸ばされる。リング状バルーン部材105は、フレーム部材103のリング状固定部材101とは反対の先端側に接合され、流体の供給による膨張によってフレーム部材103の先端を拡径し(図中一点鎖線)、流体の排出による縮退によってフレーム部材103を窄める。
外筒体3Aの挿入側先端部は、リング状バルーン部材105が収縮状態となり、各フレーム部材103を縮径状態に近接配置させている。この状態で、上記のように、先端外周は、上記のゼラチン等の仮固定手段109にて縮径保持してもよい。このような溶解可能な仮固定手段で先端を覆うことにより、外筒体3Aの挿入性も良好にすることができる。
リング状バルーン部材105は、フレーム部材103の1本(図25(b)の紙面裏側のもの)を通じてエアが供給されて拡径される。フレーム部材103は、少なくともいずれか一本(図例では3本)が軸方向に沿って吐出孔である薬剤塗布用の孔107の形成された中空パイプからなり、中空パイプを通じて薬剤25を鼻腔17内に供給する。外筒体3Aの構造部材であるフレーム部材103を使用して、挿入方向の全長および周方向に亘って薬剤25を万遍なく塗布することができる。
図26(a)に示すように、内視鏡挿入補助具800は、鼻腔17内への挿入前に、薬剤25が予め外筒体3Aの表面に塗布されている。薬剤25の塗布された外筒体3Aは、図24(b)に示すように、縮めた状態で鼻腔17の狭孔部19に挿入される。
(1)棒状の芯体と、該芯体の外周を着脱自在に覆う外筒体とを有し、前記芯体と前記外筒体とを体腔内に共に挿入して該体腔を拡張した後、前記芯体を前記体腔から取り出すことで、前記体腔内に残存する外筒体により内視鏡の挿入部を案内させる内視鏡挿入補助具であって、
前記芯体または前記外筒体のいずれかに、流体の供給により拡径するバルーンを備えた内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、芯体と外筒体とを共に体腔に挿入して、体腔内を拡張することができ、さらに芯体を取り出すことで、外筒体を内視鏡の挿入部を案内するガイドとして利用可能となる。
前記体腔が鼻腔である内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、鼻腔を拡径させた後に、内視鏡の挿入部を鼻腔内に案内することができる。
前記外筒体の外周に前記バルーンが形成された内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、バルーンが拡径することで、体腔を拡張することができる。
前記バルーンが、前記外筒体の外周を覆って設けられ所定の一定径に拡がる第一のバルーン部材と、
前記第一のバルーン部材の外側に設けられ前記第一のバルーン部材より軟質な材料で形成されて前記体腔内に薬剤を塗布する第二のバルーン部材と、
を有する内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、第一のバルーン部材が強く押し当てられ、体腔の狭孔部が外側へ押し拡げられ、柔軟性を有する第二のバルーン部材が複雑な内部空間を有する体腔内の隅々にまで拡がる。
前記流体の供給により第一のバルーン部材を拡径する際に、該第一のバルーン部材の拡径に伴い伸張される前記第二のバルーン部材表面に薬剤を滲出させる内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、体腔内を拡張させる第一のバルーン部材の拡張動作と同時に、第二のバルーン部材の表面から薬剤を滲み出させることができ、薬剤供給のための操作を省力化でき、迅速な前処置が可能となっている。
前記第一のバルーンと前記第二のバルーンとの間に薬剤が充填され、
前記第二のバルーンが、表裏を貫通する多数の微細孔を有し、前記第一のバルーンの伸張時には前記微細孔が開口して表裏を連通して前記薬剤を滲出させ、縮退時には前記微細孔が閉塞して表裏の連通を遮断する内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、第二のバルーン部材が拡径されると、微細孔が開いて内部の薬剤が第二のバルーン部材の表面に滲み出し、接触した体腔内への塗布が可能となる。一方、内視鏡挿入補助具の引き抜き時には、微細孔が閉じられ、残余の薬剤が流出しなくなり、薬剤の過剰塗布が防止される。
前記第一および第二のバルーンと前記芯体とを、該芯体の軸線方向に沿ったライン上で接合して、前記複数の拡径ポケットを画成した内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、複数の拡径ポケットを選択的に拡径できるので、複数種の薬剤を任意のタイミングで鼻腔内に塗布することができる。
前記第一のバルーン部材と前記第二のバルーン部材との間の空間に接続される薬剤注入口を有し、該薬剤注入口から前記薬剤を追加供給する薬剤供給手段を備えた内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、第一のバルーン部材と第二のバルーン部材との間の空間に充填された薬剤が塗布により減少したとき、薬剤供給手段が薬剤注入口を通じて薬剤を追加補給させることができる。また、混合可能な薬剤であれば、異なる薬剤の追加供給も可能にできる。
前記第二のバルーン部材の外周面を折り畳んだ襞を形成し、隣接する前記襞同士の隙間に薬剤が塗布された内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、襞の下層と隣接襞の上層との間に薬剤充填空間が確保可能となり、かつその薬剤充填空間を、第二のバルーン部材の所望部位での拡径によって容易に開放させ、薬剤を目的部位のみに確実に塗布できるようになっている。
前記外筒体が、一端側にリング状固定部材と、該リング状固定部材の周方向に沿って複数本が接合され前記外筒体の軸方向へ伸びるフレーム部材と、該フレーム部材の前記リング状固定部材とは反対の他端側に接合され、流体の供給による膨張によって前記フレーム部材を開き、流体の排出による縮退によって前記フレーム部材を窄めるリング状バルーン部材と、を備えた内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、複数のフレーム部材にて籠状に形成した外筒体を、リング状バルーン部材に対する流体の供給、排出により、拡径、縮径できる。
前記フレーム部材の少なくともいずれか一本が中空パイプからなり、該中空パイプを通じて前記リング状バルーン部材へ流体を供給する内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、フレーム部材を使用して、先端側に設けたリング状バルーン部材へ、新たに他の部材を設けることなく拡径用の流体を供給・排出できる。
前記フレーム部材の少なくともいずれか一本が軸方向に沿って吐出孔の形成された中空パイプからなり、該中空パイプを通じて薬剤を体腔内に供給する内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、外筒体の構造部材であるフレーム部材を使用して、挿入方向の全長および周方向に亘って薬剤を万遍なく塗布することができる。
前記芯体の外周に前記バルーンが形成された内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、エア供給ポンプからエアが供給されると、芯体とバルーンとの間にエアが供給され、バルーンが膨らむことで、芯体の外径が拡径される。
前記薬剤が、麻酔薬、血管収縮剤のいずれかを含む内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、麻酔薬の塗布により感覚を鈍らせて被検者の負担を軽減でき、血管収縮剤の塗布により、体腔の拡張作用を増大できる。
前記流体が空気である内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、流体に気体である空気を用いることで、処置室等の環境内雰囲気で簡便に実施でき、しかも、気体であることにより圧縮が可能となり、体腔拡張をソフトに行うことができる。
前記バルーンの厚みを含めた前記外筒体の最外径が、前記バルーンの非拡径時には人体の鼻腔孔より小径であり、拡径時には体腔内への非挿入状態で人体の鼻腔孔よりも大きく拡径可能にされた内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、拡径前の内視鏡補助具を鼻腔内に円滑に挿入でき、かつ拡径後に鼻腔を確実に拡張させることができる。
前記バルーンを含めた前記外筒体の最外径が、前記バルーンの非拡径時において2mm〜4mmにされた内視鏡挿入補助具。
この内視鏡補助具によれば、バルーンを含めた外筒体の最大径が鼻腔孔より小径の2mm〜4mmにされることで、人体の鼻腔拡張への利用に汎用性が維持されて、常に安定した鼻腔内への挿入が可能となる。
前記バルーンを含めた前記外筒体の最外径が、体腔内への非挿入状態で前記非拡径時の最外径の少なくとも2倍に拡径する内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、バルーンを含めた外筒体の最外径を、非拡径時の最外径の少なくとも2倍にまで拡径させることができ、鼻腔孔を確実に拡張することができる。
3 外筒体
5 バルーン
17 鼻腔(体腔)
23 内視鏡
25 薬剤
29 拡張用バルーン(第一のバルーン部材)
31 薬剤供給用バルーン(第二のバルーン部材)
33 襞
73 微細孔
75 薬剤注入口
77 シリンジ(薬剤供給手段)
87 拡径ポケット
100,200,300,400,500,600,700,800 内視鏡挿入補助具
101 リング状固定部材
103 フレーム部材
105 リング状バルーン部材
107 薬剤塗布用の孔(吐出孔)
Claims (18)
- 棒状の芯体と、該芯体の外周を着脱自在に覆う外筒体とを有し、前記芯体と前記外筒体とを体腔内に共に挿入して該体腔を拡張した後、前記芯体を前記体腔から取り出すことで、前記体腔内に残存する外筒体により内視鏡の挿入部を案内させる内視鏡挿入補助具であって、
前記芯体または前記外筒体のいずれかに、流体の供給により拡径するバルーンを備えた内視鏡挿入補助具。 - 請求項1記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記体腔が鼻腔である内視鏡挿入補助具。 - 請求項1または請求項2記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記外筒体の外周に前記バルーンが形成された内視鏡挿入補助具。 - 請求項3記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記バルーンが、前記外筒体の外周を覆って設けられ所定の一定径に拡がる第一のバルーン部材と、
前記第一のバルーン部材の外側に設けられ前記第一のバルーン部材より軟質な材料で形成されて前記体腔内に薬剤を塗布する第二のバルーン部材と、
を有する内視鏡挿入補助具。 - 請求項4記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記流体の供給により第一のバルーン部材を拡径する際に、該第一のバルーン部材の拡径に伴い伸張される前記第二のバルーン部材表面に薬剤を滲出させる内視鏡挿入補助具。 - 請求項5記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記第一のバルーンと前記第二のバルーンとの間に薬剤が充填され、
前記第二のバルーンが、表裏を貫通する多数の微細孔を有し、前記第一のバルーンの伸張時には前記微細孔が開口して表裏を連通して前記薬剤を滲出させ、縮退時には前記微細孔が閉塞して表裏の連通を遮断する内視鏡挿入補助具。 - 請求項6記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記第一のバルーンおよび第二のバルーンを、該芯体の軸線方向に沿ったライン上で接合して前記芯体の周方向に複数の拡径ポケットを画成し、該複数の拡径ポケットの少なくともいずれかに対して、前記第一のバルーンと前記第二のバルーンとの間に装填する薬剤の種類を他の拡径ポケットと異ならせた内視鏡挿入補助具。 - 請求項6または請求項7記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記第一のバルーン部材と前記第二のバルーン部材との間の空間に接続される薬剤注入口を有し、該薬剤注入口から前記薬剤を追加供給する薬剤供給手段を備えた内視鏡挿入補助具。 - 請求項4〜請求項8のいずれか1項記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記第二のバルーン部材の外周面を折り畳んだ襞を形成し、隣接する前記襞同士の隙間に薬剤が塗布された内視鏡挿入補助具。 - 請求項1または請求項2記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記外筒体が、一端側にリング状固定部材と、該リング状固定部材の周方向に沿って複数本が接合され前記外筒体の軸方向へ伸びるフレーム部材と、該フレーム部材の前記リング状固定部材とは反対の他端側に接合され、流体の供給による膨張によって前記フレーム部材を開き、流体の排出による縮退によって前記フレーム部材を窄めるリング状バルーン部材と、を備えた内視鏡挿入補助具。 - 請求項10記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記フレーム部材の少なくともいずれか一本が中空パイプからなり、該中空パイプを通じて前記リング状バルーン部材へ流体を供給する内視鏡挿入補助具。 - 請求項10または請求項11記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記フレーム部材の少なくともいずれか一本が軸方向に沿って吐出孔の形成された中空パイプからなり、該中空パイプを通じて薬剤を体腔内に供給する内視鏡挿入補助具。 - 請求項1または請求項2記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記芯体の外周に前記バルーンが形成された内視鏡挿入補助具。 - 請求項4〜請求項12のいずれか1項記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記薬剤が、麻酔薬、血管収縮剤のいずれかを含む内視鏡挿入補助具。 - 請求項1〜請求項14のいずれか1項記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記流体が空気である内視鏡挿入補助具。 - 請求項1〜請求項15のいずれか1項記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記バルーンを含めた前記外筒体の最外径が、前記バルーンの非拡径時には人体の鼻腔孔より小径であり、拡径時には体腔内への非挿入状態で人体の鼻腔孔よりも大きく拡径可能にされた内視鏡挿入補助具。 - 請求項16記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記バルーンを含めた前記外筒体の最外径が、前記バルーンの非拡径時において2mm〜4mmにされた内視鏡挿入補助具。 - 請求項16または請求項17記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記バルーンを含めた前記外筒体の最外径が、体腔内への非挿入状態で前記非拡径時の最外径の少なくとも2倍に拡径する内視鏡挿入補助具。
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