JP2010154917A - 内視鏡挿入補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】術者や被検者に負担を強いることなく、鼻腔内に薬剤を供給しつつ簡単にかつ迅速に鼻腔内を拡径させることのできる内視鏡挿入補助具を提供する。
【解決手段】棒状の芯体1と、芯体1の外周を着脱自在に覆う外筒体3とを有し、芯体1と外筒体3とを鼻腔内に共に挿入して鼻腔を拡張した後、芯体1を鼻腔から取り出すことで、鼻腔内に残存する外筒体3により内視鏡の挿入部を案内させる内視鏡挿入補助具100であって、芯体1または外筒体3のいずれかに、流体の供給により拡径するバルーン5を備える。バルーン5は、外筒体3の外周を覆って設けられ所定の一定径に拡がる第一のバルーン部材と、第一のバルーン部材の外側に設けられ第一のバルーン部材より軟質な材料で形成されて鼻腔内に薬剤を塗布する第二のバルーン部材とで構成できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、体腔内を拡張させた後、内視鏡の挿入部を体腔内に案内する内視鏡挿入補助具に関する。
上部消化管の内視鏡は、口腔を通じて内視鏡挿入部を体腔内に挿入する経口挿入を行うものが一般的に用いられている。しかし、内視鏡挿入部が咽喉を通過する際に、舌根に内視鏡挿入部が触れることによる咽喉反射あるいは嘔吐反応が生じ、不快感を伴うものになる。そして、被検者はマウスピースを口に装着した状態で内視鏡挿入部を挿入するため、術者との会話が困難となる。
そこで近年においては、内視鏡挿入部の細径化が図られ、内視鏡の挿入経路として前述した口腔のみならず、経鼻的に挿入する方式が採用されている。内視鏡挿入部を鼻腔から挿入すると、嘔吐感を生じることが少なく、被検者の負担を軽減できる。また、術者との会話や呼吸が楽に行える利点から、今後は経鼻挿入式の内視鏡検査が増大することが予想される(例えば特許文献1参照)。
ところで、内視鏡挿入部を鼻腔内に挿入する際に、この挿入部が異物として作用して敏感な鼻腔粘膜を刺激することになり、被検者に負担を与えることがある。そこで、挿入部を挿入する前の段階で、鼻腔内の挿入経路のうち、特に最も狭い個所、つまり中鼻道(または下鼻道)を経て後鼻孔に至る経路を拡張させ、さらに刺激に対する感度を低下させる処置を施している。この処置では、例えば、複数の異なる径を有する可撓性チューブを、径の小さいものから大きいものを順に麻酔薬や血管収縮剤を含ませながら鼻腔内に挿入し、鼻腔内を徐々に拡張させている。
ところが、このような方式は手間がかかり、術者や被検者への負担が増える要因になっている。また、鼻腔に挿入する可撓性チューブは、麻酔薬や血管収縮剤を鼻腔内に行き渡らせるために回動しながら挿入する等の操作が面倒なもので、しかも、鼻腔内の狭い部分に薬剤が塗れなかったり、狙った箇所以外にも麻酔薬や血管収縮剤が及ぶことがある。
特開2006−326063号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、術者や被検者に負担を強いることなく、簡単にかつ迅速に体腔を拡張させることができ、拡張後に内視鏡を体腔内へ案内できる内視鏡挿入補助具を提供することを目的とする。
本発明は下記構成からなる。
棒状の芯体と、該芯体の外周を着脱自在に覆う外筒体とを有し、前記芯体と前記外筒体とを体腔内に共に挿入して該体腔を拡張した後、前記芯体を前記体腔から取り出すことで、前記体腔内に残存する外筒体により内視鏡の挿入部を案内させる内視鏡挿入補助具であって、
前記芯体または前記外筒体のいずれかに、流体の供給により拡径するバルーンを備えた内視鏡挿入補助具。
本発明に係る内視鏡挿入補助具によれば、術者や被検者に負担を強いることなく、簡単かつ迅速に体腔内を拡張でき、しかも、内視鏡挿入時のガイドとして用いることができる。
以下、内視鏡挿入補助具について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態を説明するための内視鏡挿入補助具の芯体と、芯体に対して着脱自在な外筒体の分解斜視図である。
内視鏡挿入補助具100は、体腔である例えば鼻腔に挿入して鼻腔を拡張するとともに、内視鏡挿入時のガイドとしての用途に供せられる。そして、内視鏡を挿入するための鼻腔内の狭い部分の拡張、鼻腔内の狭い部分への薬剤塗布、狭い部分以外への薬剤塗布を、拡径可能なバルーンを備えることで実現している。なお、本明細書中、「拡径」とはガイドが膨らむことを意味し、「拡張」とは鼻腔が拡がることを意味する。
内視鏡挿入補助具100は、棒状の芯体1と、この芯体1の外周を着脱自在に覆う外筒体3とに大別して構成される。芯体1と外筒体3とを鼻腔内に共に挿入して、鼻腔を拡張した後、芯体1を外筒体3から取り出すことで、鼻腔内に残存する外筒体3により内視鏡の挿入部を案内させる。芯体1または外筒体3のいずれかには、流体の供給により拡径するバルーンを備える。図例の内視鏡挿入補助具100では、外筒体3の外周にバルーン5が形成される。
芯体1は、シリコン、ラテックス、ポリエチレン等の軟性弾性体からなり、基端部に大径の把持部7が形成される。芯体1は、把持部7を手指で摘んで挿入・脱着が行われる。バルーン5は、断面が環状となった密閉二重チューブ状に形成され、基端にエア供給のためのコネクタ9が設けられる。
図2は芯体の軸線を含む面でバルーンを切り欠いた内視鏡挿入補助具の断面図である。
外筒体3の外側に配設されたバルーン5は、拡径時において図中破線のように軸方向に沿った一定径に膨らむ。コネクタ9にはエア供給ポンプ11からの接続チューブ13が着脱自在に接続される。エア供給ポンプ11は、例えば柔軟な弾性材料からなる袋体部を把持することにより、内部空気を接続チューブ13へ圧送する、取扱いが容易な簡素なポンプであってもよく、その他にシリンジ等を用いたポンプであってもよい。
内視鏡挿入補助具100は、空気などの気体を流入流体として用いることで、処置室等の環境内雰囲気が簡便に利用でき、また、鼻腔内壁からの圧力を受けての圧縮をソフトに行うことが可能となり、鼻腔拡張時の痛みがより生じ難くなる。なお、気体の種類としては空気に限ることなく、医療施設で準備可能で人体に害とならない気体であれば使用可能である。
また、簡素なポンプ以外にも、電動式のエア供給ポンプ11を使用してもよい。その場合は、エア供給ポンプ11による拡径で、過剰にバルーンが膨張しないように、所定の一定圧で開放される安全弁やバルーン5の一定以上の拡径を規制する拘束部材等を設けることが好ましい。
さらに、流入流体としては、空気等の気体の他、生理食塩水や油などの適宜な液体を用いることもできる。液体は圧力により殆ど収縮しないことから、鼻腔拡張動作の圧力制御をより正確に行える。
図3(a)は拡径前の内視鏡挿入補助具の斜視図、(b)は拡径後の内視鏡挿入補助具の斜視図である。
内視鏡挿入補助具100は、エア供給前の初期の状態では、図3(a)に示すように、バルーン5が萎んだ縮径状態となっている。このときのバルーン5の最外径dは3mm程度(例えば2mm〜4mm)とされ、人体の鼻腔孔より小径となっている。鼻腔には、入口部に相当し比較的通路径の狭い狭孔部と、比較的通路径の広い広孔部とが存在し、外鼻孔は狭孔部、広孔部、咽頭部を介して上部消化管へ通じている。この3mm程度に縮径された内視鏡挿入補助具100は、上記狭孔部に対しても円滑に挿入することができる。そして、内視鏡挿入補助具100の体腔内への挿入後、バルーン5にエアが供給されると、外筒体3の外周のバルーン5が膨らみ、バルーン5の外径Dが非挿入状態で6mm程度(例えば4mm〜8mm)の太さに拡径される。なお、図3(b)は鼻腔へ挿入していないときの拡径状況を示している。バルーン5の外径Dは、4mmより小さい場合には、バルーン5による拡径量をさらに増加する必要があり、十分な鼻腔拡張が行えない場合が生じる。また、8mmを超える場合には、内径サイズに個人差がある人体の鼻腔に対して内視鏡挿入補助具100を汎用的に使用することができない。上記の通り、バルーン5の厚みを含めた外筒体3の最外径は、バルーン5の非拡径時には人体の鼻腔孔より小径に形成され、拡径時には体腔内への非挿入状態で人体の鼻腔孔よりも大きく拡径される。そして、拡径時のバルーン5の厚みを含む外筒体3の最外径は、体腔内への非挿入状態で非拡径時の最外径の少なくとも2倍にまで拡径可能となっており、鼻腔を押し広げての鼻腔拡張を確実に行える。ここで、バルーン5の厚みを含む外筒体3の最外径とは、図3に示す構成例ではバルーン5の外径を意味するが、例えば外筒体3の内側にバルーン5を配置して外筒体3も同時に拡径する構成の内視鏡挿入補助具の場合は、外筒体3の外径を意味する。
図4は鼻腔内への内視鏡挿入補助具を用いた内視鏡の挿入手順を(a)〜(e)で示した鼻腔断面図である。
図4(a)に内視鏡挿入補助具100の鼻腔17内に挿入前の状態を示す。
内視鏡挿入補助具100は、鼻腔17内への挿入前に、血管収縮剤や潤滑剤等の薬剤が予めバルーン5の表面に塗布されている。薬剤の塗布された内視鏡挿入補助具100は、バルーン5を縮めた状態の外筒体3に、芯体1が挿入され、外筒体3および芯体1が一体となって鼻腔17の狭孔部19に挿入される。このように内視鏡挿入補助具100は、芯体1と外筒体3とを組み合わせた状態で、腰を持たせて(剛性を高めた状態で)挿入する。バルーン5表面の薬剤は、挿入時に鼻腔17内の表面に塗布される。
図4(b)に示すように、内視鏡挿入補助具100の挿入後に、エア供給ポンプ11(図2参照)によりバルーン5にエアを供給する。すると、図4(c)に示すようにバルーン5が拡径することで、狭孔部19が拡張する。このとき、芯体1があるため、バルーン5は内側に潰れることはない。
図4(d)に示すように、エア供給ポンプ11の開放弁を開き、あるいは接続チューブ13を外すことでバルーン5からエアを抜くと、外筒体3が、拡張した狭孔部19に貼り付く。一方、外筒体3の内周面は、バルーン5の拡径時における圧力によって延ばされ、これにより、芯体1と外筒体3の間に空間21が生じる。外筒体3は、上記のように、拡径時に弾性限度を超えることで初期の内径には戻らず、ほぼ拡径状態のままを維持する軟質な材料で形成されている。また、バルーン5も同様に初期の内径には戻らない。
次に、図4(e)に示すように、芯体1を鼻腔17、すなわち、外筒体3から抜き取り、抜き取った後の外筒体3の空間21に内視鏡23を挿入する。つまり、鼻腔17の狭孔部19に残存する外筒体3が、内視鏡23を挿入する際のガイドとなる。このガイドによって、内視鏡23を鼻腔17内で円滑に滑らせて挿入することができる。
ここで、上記薬剤はバルーン5に形成した微小襞に保持させてもよい。
図5(a)は微少襞に薬剤を保持させたバルーンの要部拡大断面図、(b)はその拡径時の要部拡大断面図である。
内視鏡挿入補助具100は、前述のバルーン5の表面に薬剤(血管収縮剤や潤滑剤)25を有するが、これら薬剤25は塗布する以外にも、例えば、図5(a)に示すように、バルーン5の表面に蛇腹状の微小な襞(凹凸)27を多数形成して、この凹凸27間に薬剤25を充填しておくことでもよい。その場合には、図5(b)に示すように、バルーン5が拡径して凹凸27が拡がると、薬剤25が表出することとなる。
図6(a)は鼻腔内に挿入された内視鏡挿入補助具の拡径前の状況を表す断面図、(b)は拡径後の薬剤塗布状況を表す断面図である。
内視鏡挿入補助具100は、図6(a)に示すように、縮径状態で鼻腔17の狭孔部19に挿入される。この挿入状態で拡径することにより、バルーン5が強く押し当てられ、図6(b)に示すように、狭孔部19が外側へ押し拡げられる。柔軟性を有するバルーン5は、複雑な内部空間を有する鼻腔17内に拡がり、薬剤を広い範囲に塗布する。
ここで、薬剤の充填構造の変形例を説明する。
図7は二重バルーン構造における芯体およびバルーンの軸線直交方向の断面図である。
この内視鏡挿入補助具200の構成例では、芯体1を覆う外筒体3の外側に二重のバルーンを設けている。バルーンは、外筒体3の外側に、外筒体3の外周面を覆って所定の一定径に拡がる第一のバルーン部材(以下、「拡張用バルーン」と称す。)29と、拡張用バルーン29の外側に設けられ鼻腔17内に薬剤25を塗布する第二のバルーン部材(以下、「薬剤供給用バルーン」と称す。)31と、を有する。
外筒体3の外側の拡張用バルーン29は、図2に示す状態と同様に、挿入側の先端が開かれた円筒チューブ状であり、外筒体3に先端および基端が固定されて、芯体1の外周に一体にされている。芯体1は、外筒体3に対して着脱自在に挿入される。薬剤供給用バルーン31は、拡張用バルーン29の先端に接合されて、拡張用バルーン29に外挿された状態で配設され、基端が拡張用バルーン29の基端に密着して塞がれる。したがって、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の間に間隙が形成される。これら、外筒体3、拡張用バルーン29、および薬剤供給用バルーン31は、シリコン、ラテックス、ポリエチレン等の軟性弾性体を用いて形成され、薬剤供給用バルーン31は、拡張用バルーン29より軟質な材料で形成される。そして、外筒体3は拡張用バルーン29の初期形状を保持可能な程度の剛性を有する。
拡張用バルーン29は、軟性弾性体であるが、拡径後に径を一定に保てる程度の硬さを有している。つまり、柔らかすぎると、軸線に沿って径が一定とならず、局所的に膨らんで全体として内視鏡が挿通できる程の鼻腔拡張がなされないためである。薬剤供給用バルーン31は、初期状態では、外径φ3mm程度であり、拡径状態で外径φ6mm程度となる。これにより、内視鏡に対する鼻腔拡張の前処置が可能となる。
本構成では、内視鏡挿入補助具200を軸線まわりに回動させることなく挿入できるので、簡単に鼻腔への装着が可能となる。しかも、差し替えする必要もなく、一旦挿入したら、挿入したままの状態で鼻腔を拡張できる。
薬剤は、基本的に薬剤供給用バルーン31の外周に予め塗布しておくことができるが、バルーンが膨らんで自動的に滲出するようにしてもよい。すなわち、内視鏡挿入補助具200は、エアの供給により拡張用バルーン29を拡径する際に、拡張用バルーン29の拡径に伴い伸張される薬剤供給用バルーン31の表面に薬剤25を滲出させる機能を有する。鼻腔17腔内を拡張させる拡張用バルーン29の拡張動作と同時に、薬剤供給用バルーン31の表面から薬剤25を滲み出させる構成とすることで、薬剤供給のための操作を省力化でき、迅速な前処置が可能となる。
ここで、薬剤25を滲み出させる構成について説明する。芯体1の外周には、内側の拡張用バルーン29と外側の薬剤供給用バルーン31が配置される。拡張用バルーン29は、鼻腔拡張用であり軸方向に沿って所定の均一径に拡がるように、厚めのゴム材等からなる。薬剤供給用バルーン31は、鼻腔内への薬剤塗布用であり、使用前の状態では外周面を折り畳んで襞33を形成している。折り畳まれた襞33の裏側には薬剤(麻酔薬)25が充填されている。つまり、薬剤25は、折り畳まれた襞33に覆われており、襞に覆われた薬剤25は、薬剤供給用バルーン31の伸張時に、襞33が延ばされることで、襞33の隙間から表出する。また、薬剤供給用バルーン31の外表面35には、血管収縮剤や潤滑剤等の薬剤が塗布される。潤滑剤は薬剤供給用バルーン31にコーティングされるものであってもよく、例えばポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、シリコン樹脂等が用いられる。
上記のように、拡径時に必要となる薬剤供給用バルーン31の円周長は、上層、下層となって円周方向に重なり折り畳まれた襞33となって短縮され、結果、拡張前に小径での薬剤供給用バルーン31の収納が可能となっている。また、襞33の下層と隣接する襞33の上層との間に薬剤充填空間が確保でき、かつその薬剤充填空間を、薬剤供給用バルーン31の所望挿入部位での拡径によって容易に開放させ、薬剤25を目的部位のみに確実に塗布できるようになっている。襞33については、一度伸びたら戻らない構造が好ましく、例えばプリーツ(pleat)構造がよい。プリーツ構造であれば、挿入時には径が小さく、かつ邪魔にならない構成にできる。なお、襞33は、折り畳まれた状態でゼラチン等により固着させておくことが好ましく、その場合には、鼻腔内への挿入時に襞33が不意に開くことなく、挿入後に体液や呼気に含まれる水分により緩み、伸ばされることになる。
薬剤25は、麻酔薬、血管収縮剤の少なくともいずれかを含む。麻酔薬としては、例えばキシロカイン等を用いることができる。血管収縮剤としては、例えば、0.025〜0.5%のフェニレフリン、または塩酸オキシメタゾリン(ネオシネフリンまたはアフリン)を用いることができる。麻酔薬が塗布されると、敏感な鼻腔粘膜で生じやすい痛みが緩和される。血管収縮剤が塗布されると、血管収縮により鼻腔内を拡張でき、また、出血を抑えることができる。
図8は二重バルーン構造における送気構造を表したコネクタ部近傍の拡大断面図である。
芯体1の把持部7にはコネクタ部49が設けられる。芯体1および把持部7には、エア流路51が形成され、接続チューブ13との間に逆止弁53が設けられている。逆止弁53は、芯体1内のエア流路51からの逆流を阻止する。エア流路51は、拡張用バルーン29と芯体1との固定部55の近傍で、芯体1と拡張用バルーン29の間に開口する。また、エア流路51には細径取り出し流路57が分岐され、細径取り出し流路57は拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の固定部59の近傍で、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の間に開口する。また、エア流路51の基端は、把持部7の後端面で開口し、その後端面に貼着されるシール61にて塞がれている。
エア供給ポンプ11からのエアは、芯体1の側面を貫通しエア流路51に接続されたエア取り出し流路63を通じて拡張用バルーン29と芯体1との間の空間65に供給される。また、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の間の空間67にもその一部が細径取り出し流路57を通じて供給される。なお、芯体1の抜き取り時には、エア供給ポンプ11を停止し、または接続チューブ13を取り外すことでエア供給ポンプ11との接続を断ち、例えばシール61を剥がしたり、破ったりすることでエア流路51を大気解放し、拡張用バルーン29および薬剤供給用バルーン31を減圧する。
この二重バルーンの構成例では、拡張用バルーン29および薬剤供給用バルーン31の減圧後、芯体1のみが抜かれる。拡張用バルーン29および薬剤供給用バルーン31の先端は相互に接続され、ドーナツ状の中央空間部のようになって開口されている。減圧された拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31は、弾性限度を超えていることで初期の内径には戻らずほぼ拡径状態のままを維持する。これにより、芯体1と拡張用バルーン29の間に空間21が生じる。これら拡張用バルーン29と芯体1の固定部55は、外筒体3との接着により気密に固定されている。拡張用バルーン29や薬剤供給用バルーン31が窄むことで、外筒体3から芯体1のみを抜くことが可能となる。芯体1が抜かれることで、鼻腔17の狭孔部19に残存する薬剤供給用バルーン31および拡張用バルーン29が、内視鏡23を挿入する際のガイドとなる。
図9(a)は鼻腔内に挿入された二重バルーンの拡径前の状況を表す断面図、(b)は拡径後の薬剤塗布状況を表す断面図である。
内視鏡挿入補助具200は、図9(a)に示すように、縮径状態で鼻腔17の狭孔部19に挿入される。この挿入状態で拡径することにより、最初に、拡張用バルーン29が鼻腔17に強く押し当てられ、図9(b)に示すように狭孔部19が外側へ押し拡げられる。その後、柔軟性を有する薬剤供給用バルーン31が複雑な内部空間を有する鼻腔17内の隅々にまで拡がり、薬剤を広い範囲に塗布する。すなわち、拡張用バルーン29にて強い腰で押し拡げるとともに、薬剤供給用バルーン31の柔軟な膜の広がりにより薬剤25の塗布を十分に行う。
次に、薬剤を滲み出させる他の構成について説明する。
図10は拡張用バルーンと薬剤供給用バルーンの間に薬剤を充填した構成例の要部を切り欠いた側面図である。
この内視鏡挿入補助具300は、薬剤25を、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の間に充填している。拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31は、前述のように独立して拡径するものとは異なり、双方が一体的に拡径する。本構成では、拡張用バルーン29と芯体1との間にエア供給して固定部55より先端側のバルーンを膨らますと、拡張用バルーン29が軸方向に沿って所定の一定径に拡径され、充填薬剤25を介して薬剤供給用バルーン31が伸張される。エアは、逆止弁(図示せず)にて逆流が阻止されるので、しぼみが防止されて、膨らんだ状態に維持される。この状態で、充填薬剤25に所定の圧力が加えられることになる。
ここで、図11(a)に図10の構成の拡径前における軸線直交方向の断面図、(b)にその拡径後の断面図を示した。
拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の間に薬剤25を充填した上記構成においては、薬剤供給用バルーン31に、表裏を貫通する多数の微細孔73を有する。微細孔73は、図11(a)に示すバルーンの非拡張時には閉鎖され、薬剤充填空間を密閉状態とする。つまり、薬剤25を漏洩させない保持が可能となる。一方、拡張用バルーン29の伸張に伴って薬剤供給用バルーン31が伸張すると、図11(b)に示すように、微細孔73が開口して表裏を連通し、薬剤25が薬剤供給用バルーン31の表面に滲出する。なお、縮退時には再び微細孔73が閉塞して表裏の連通を遮断する。
このように、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の間に薬剤25を充填し、薬剤供給用バルーン31に微細孔73を設けた構成によれば、薬剤供給用バルーン31が拡径されると、微細孔73が開いて内部の薬剤25が薬剤供給用バルーン31の表面に滲み出し、接触した鼻腔17内への塗布が可能となる。一方、内視鏡挿入補助具300の引き抜き時には、微細孔73が閉じられ、残余の薬剤25が流出しなくなり、薬剤25の過剰塗布が防止される。
次に、上記構成の内視鏡挿入補助具の変形例を説明する。
図12は薬剤の後注入を可能とした内視鏡挿入補助具の要部断面図である。なお、図10に示した部材と同一の部材には同一の符号を付与し重複する説明は省略する。
この内視鏡挿入補助具400は、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31との間の空間に接続される薬剤注入口75を有し、この薬剤注入口75から薬剤25を追加供給する薬剤供給手段であるシリンジ77を備えている。
薬剤25は、内視鏡挿入補助具400の挿入時に必要な他、鼻腔17が拡張するまで時間のかかる場合に、挿入後、所定時間後に追加注入が必要となる場合がある。この構成例は、エア供給により拡径した状態で、薬剤25の追加供給を可能にしたものである。拡張用バルーン29の外側で、薬剤供給用バルーン31の内側の空間に薬剤供給チューブ79を薬剤注入口75を介して接続し、その空間に薬剤25を追加供給する。
シリンジ77には薬剤25を貯留しておき、必要なタイミングで薬剤25を内視鏡挿入補助具400に必要な量だけ送液して鼻腔17内に供給する。これにより、鼻腔17内への薬剤25の供給が不足した場合に。薬剤25を追加供給することができる。また、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31との間に予め装填された薬剤とは異なる種類の薬剤25(混合可能な薬剤)を、必要なタイミングで追加供給することもできる。例えば、最初に拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31との間に血管収縮剤を充填しておき、鼻腔挿入後に血管収縮剤を滲出させ、その後に麻酔薬を追加供給することでもよい。
この構成例によれば、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31との間に充填された薬剤25が塗布により減少したとき、シリンジ77から薬剤注入口75へ薬剤25を必要に応じて追加補給させることができる。
次に、異種の薬剤を選択的に供給可能にした構成を説明する。
図13(a)は薬剤の2系統注入を可能とする構成例の断面図、(b)はその側面図である。
この内視鏡挿入補助具500は、前述の内視鏡挿入補助具400の薬剤注入経路をさらに1系統増やした構成としている。つまり、異なる薬剤を異なる場所から注入可能な構成としている。図13(a)に示すように、薬剤供給用バルーン31を、直径方向の両端部で拡張用バルーン29に接着する接合部81,81を、芯体1の軸線方向に沿ったライン上に形成する。これにより、拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31との間の空間を第一の空間83と第二の空間85に二分割することができる。薬剤供給用バルーン31にはそれぞれの空間83,85に連通する薬剤注入口75,75を設ける。
このような分離構造とすることで、シリンジ等からの薬剤供給チューブ79を介して、異なる種類の薬剤25を任意のタイミングで鼻腔内へ供給することができ、例えば最初に装填された薬剤25が不足する場合に、追加して供給することが簡単に行え、しかも復数種の薬剤25を選択的に供給できる。なお、図13には2系統の例を示したが、これに限らず、任意の複数系統に構成してもよい。
次に、鼻腔拡径用の拡径ポケットを複数備えた内視鏡挿入補助具の構成を説明する。
図14は内視鏡挿入補助具に複数のエア供給ポンプを接続した例を示す構成図である。
内視鏡挿入補助具600は、拡張用バルーン29および薬剤供給用バルーン31と、外筒体3とを、芯体1の軸線方向に沿った複数ラインの接合部81にて接合して芯体1の周方向に複数の拡径ポケット87を画成している。この構成では、複数の拡径ポケット87の少なくともいずれかに対して、前述の拡張用バルーン29と薬剤供給用バルーン31の間に充填する薬剤種類を、他の拡径ポケット87と異ならせることができる。
そして、各拡径ポケット87がそれぞれ個別に膨らむように構成する。例えば、エア供給ポンプ11を複数(図例では2つ)設けて、複数の拡径ポケット87がそれぞれ個別に膨らむようにする。勿論、1つのエア供給ポンプ11を分流させてもよい。例えば、円周方向に8つに分割した8つの拡径ポケット87を設け、交互に位置する4つずつ2グループの拡径ポケット87群に、1つのエア供給ポンプ11をそれぞれに接続した2系統とすることができる。円周方向に6つの拡径ポケット87を設け、交互に位置する3つずつ2グループの拡径ポケット87群に、1つのエア供給ポンプ11をそれぞれに接続した2系統であってもよい。
図15は図14に示す拡径ポケットが膨らんだ状態を表す斜視図である。
複数の拡径ポケット87を有する構成では、各エア供給ポンプ11からエアが供給され、それぞれの拡径ポケット87がストライプ状に膨らみ、薬剤供給用バルーン31が周方向にわたって略均等な外径となって拡径される。円周方向に配置された複数の拡径ポケット87に異なる薬剤25が充填されれば、所望の拡径ポケット87を拡径することにより、所望の薬剤25のみを鼻腔17の拡張と同時に塗布することができる。薬剤供給用バルーン31を周方向に分割することによる鼻腔拡張作用への影響は、円周方向の分割数を増やせば少なくすることができる。
ここで、拡径ポケットを複数有する場合のエアの供給構造の一例について説明する。
図16は拡径ポケットを複数有する場合のエアの供給構造を表したコネクタ部近傍の拡大断面図である。
同図に示すように、8つの拡径ポケット(87Aのみ図示)を、4つずつ2グループの拡径ポケット群に分けて2系統とする場合、芯体1には、軸線に沿う方向に2つのエア流路51A,51Bを形成する。これらエア流路51A,51Bのうち一方を1グループの拡径ポケット87A群に連通し、他方を2グループの拡径ポケット87B群(後述)に連通する。
図17(a)は図16のA−A断面図、(b)は図16のB−B断面図である。
8つの拡径ポケットを、4つずつ2グループの拡径ポケット群に分けて2系統とする場合、芯体1には、図17(a)に示すように、エア流路51Aに連通する直径方向十字状のエア取り出し流路63Aと、図17(b)に示すように、エア流路51Bに連通する直径方向十字状のエア取り出し流路63Bを形成する。エア取り出し流路51Aの4つの開口は、1グループの拡径ポケット87A群に連通させる。エア取り出し流路51Bの4つの開口は、2グループの拡径ポケット87B群に連通させる。これのように十字状のエア取り出し流路63A,63Bにてエア流路を分配することで経路を簡単に形成できる。
次に、各拡径ポケットを独立して膨らませることで、薬剤を順次鼻腔内に供給する手順の一例を説明する。ここでは、円周方向に6つの拡径ポケットを設け、交互に位置する3つずつ2グループの拡径ポケット群に、1つのエア供給ポンプをそれぞれに接続した2系統の構成例を用いて説明する。
図18(a)は血管収縮剤が装填された拡径ポケットを拡径した断面図、(b)は麻酔薬が装填された拡径ポケットを拡径した断面図である。
2系統の拡径ポケット87(1グループの拡径ポケット87A群、2グループの拡径ポケット87B群)を有する内視鏡挿入補助具600Aでバルーンを拡径するには、図18(a)に示すように、例えば血管収縮剤である薬剤25が装填された1グループの拡径ポケット87A群に対してエア供給を行い、拡径ポケット87A群から血管収縮剤を鼻腔17内に先に供給する。
この状態で、2グループの拡径ポケット87B群は縮径したままを維持され、充填された薬剤25も保持されたままとなる。拡径ポケット87A群に充填した薬剤25の塗布が終了したなら、次いで、図18(b)に示すように、2グループの拡径ポケット87B群を膨らます。これにより、拡径ポケット87B群から麻酔剤を鼻腔17内に供給する。このように複数種の薬剤25を順次、任意のタイミングで供給できる。
次に内視鏡挿入補助具の他の構成例を説明する。
図19は芯体自体が拡径される内視鏡挿入補助具の構成例を示す側面図である。
この内視鏡挿入補助具700では、芯体1が、その外周に一方のバルーン部材である拡張用バルーン29を装着している。拡張用バルーン29の外周には図示は省略するが、図1に示した外筒体3が外挿される。すなわち、図19には外筒体3を含まない芯体1が図示されている。この場合は、外筒体3の外側に備わる他方のバルーン部材は、拡張用ではなく、薬剤供給用と拡径時の形状維持用に用いられる。拡張用バルーン29は、挿入側の先端が閉塞されて芯体1に被せられ、基端が芯体1に例えば接着固定される。これにより、芯体1の外周と拡張用バルーン29の間にはエア注入用の間隙が形成される。この構成例では、拡張用バルーン29と芯体1とは一体構造であり、エア供給ポンプ11からエアが供給されると、芯体1と拡張用バルーン29との間にエアが供給され、拡張用バルーン29の外径、すなわち、芯体1の実質的な外径が図中破線のように拡径される。
図20は鼻腔内へ図19に示した芯体を用いる内視鏡の挿入手順を(a)〜(e)で示した鼻腔断面図である。
図20(a)に示すように、内視鏡挿入補助具700は、拡張用バルーン29の外側に外筒体3が装着される。外筒体3には前述の他方のバルーン部材を備える。鼻腔17内への挿入前に、薬剤が予め外筒体3外側の他方のバルーン部材の表面に塗布されている。薬剤の塗布された内視鏡挿入補助具700は、図20(b)に示すように、双方のバルーン部材を縮めた状態で鼻腔17の狭孔部19に挿入される。
図20(c)に示すように、挿入後に、エア供給ポンプ11により接続チューブ13を通じて拡張用バルーン29にエアを供給する。拡張用バルーン29の膨張により拡張用バルーン29が拡径することで、狭孔部19が拡張する。このとき、芯体1の存在により、拡張用バルーン29は内側に潰れることはない。拡張用バルーン29と他方のバルーン部材が拡径されることにより、鼻腔17内の表面に薬剤が塗布される。
次に、図20(d)に示すように、エア供給ポンプ11の開放弁を開き、あるいは接続チューブ13を外すことで拡張用バルーン29からエアを抜く。一方、他方のバルーン部材に接続チューブ14を通じてエアを供給し、拡張された狭孔部19をそのままの状態に維持する。他方のバルーン部材は狭孔部19に張り付いて、エア供給によりある程度の拡径された形状を維持する。つまり、ここでの他方のバルーン部材は、拡径用でなく、形状を維持するためのものとなる。これにより、拡張用バルーン29と他方のバルーン部材との間に空間89が生じる。
そして、図20(e)に示すように、拡張用バルーン29の設けられた芯体1を鼻腔17、すなわち、外筒体3から抜き取り、抜き取った後の外筒体3内の空間89に内視鏡23を挿入する。つまり、鼻腔17の狭孔部19に残存する外筒体3が、内視鏡23を挿入する際のガイドとなる。
上記のように、鼻腔を拡張するためのバルーンは、芯体または外筒体のいずれであってもよく、いずれの場合も同様の作用効果が得られる。
次に、内視鏡挿入補助具の芯体に観察用のファイバースコープを設けた変形例を説明する。
図21はファイバースコープを芯体に設けた内視鏡挿入補助具の構成の概念的な断面図である。
この構成例では、芯体1と外筒体3を挿入する際に、目的とする挿入位置に確実に到達させるため、芯体1に観察用のファイバースコープ91を設けている。芯体1の先端面には対物光学素子93が設けられ、後端面には接眼光学素子94が設けられている。ファイバースコープ91は、先端に対物光学素子93が光学的に接続されて、所定の視野領域95が確保される、芯体1にはファイバースコープ91に沿ってライトガイド97が設けられ、ライトガイド97は光源99からの光を導入することで、観察領域への照明光の照射を可能としている。
このファイバースコープ91を備えた芯体を有する内視鏡挿入補助具を用いることで、被検者毎に異なる所定の鼻腔内位置へより確実に到達させることができ、内視鏡検査が円滑に行えるようになる。
次に内視鏡挿入補助具のさらに他の構成例を説明する。
図22は外筒体を籠形状とした内視鏡挿入補助具の構成を示す側面図、図23は図22のC−C断面図である。
図22、図23に示すように、この内視鏡挿入補助具800は、外筒体3Aが、基端側のリング状固定部材101と、複数のフレーム部材(図示例では一例として4本)103と、挿入側先端のリング状バルーン部材105とで籠形状に形成される。なお、図22には外筒体3Aのみを示し、芯体は図1に示すものと同一であるのでここでは省略する。リング状固定部材101は、フレーム部材103の基端を拡径状態に保持する。フレーム部材103は、リング状固定部材101の周方向に沿って複数本が接合され、外筒体3Aの軸方向へ伸ばされる。リング状バルーン部材105は、フレーム部材103のリング状固定部材101とは反対の先端側に接合され、流体の供給による膨張によってフレーム部材103の先端を拡径し(図中一点鎖線)、流体の排出による縮退によってフレーム部材103を窄める。
内視鏡挿入補助具800は、バルーン(リング状バルーン部材105)付であり、これは形状を維持する機能を有する。フレーム部材103は、内視鏡挿入補助具800の骨組みとなって全体が筒状に形成される。フレーム部材103は、中空パイプからなり、途中には、吐出孔である薬剤塗布用の孔107が開口している。一例として示す4本構成のうち、一本はリング状バルーン部材105のエア供給用に使う。他の3本は、薬剤塗布用で、例えば、1本を血管収縮剤や潤滑剤用、他の2本を麻酔薬用などとしてもよい。このように、外筒体3Aの構造部材であるフレーム部材103を使用して、挿入側の先端に設けたリング状バルーン部材105へ、新たに他の部材を設けることなく拡径用の流体を供給・排出できる。
リング状バルーン部材105を設けた外筒体3Aの先端部は、不図示の仮固定手段にて縮径状態に保持されてもよい。仮固定手段は、外筒体3Aに対する芯体1の挿入によって破断・破壊されてフレーム部材103の縮径保持を解除する。この仮固定手段としては、体液等によって脆弱化して破断容易となる材料、例えばゼラチン等を用いることができる。外筒体3Aは、リング状固定部材101側の外径が、拡径前後でDaとなり、内径がd2となる。リング状バルーン部材105側の外径は、拡径前でd1、拡径後にDaとなる。
図24(a)は縮径状態におけるリング状バルーン部材近傍の軸線直交方向の断面図、(b)はその側面図である。
外筒体3Aの挿入側先端部は、リング状バルーン部材105が収縮状態となり、各フレーム部材103を縮径状態に近接配置させている。この状態で、上記のように、先端外周は、上記のゼラチン等の仮固定手段109にて縮径保持してもよい。このような溶解可能な仮固定手段で先端を覆うことにより、外筒体3Aの挿入性も良好にすることができる。
図25(a)は拡径状態におけるリング状バルーン部材近傍の軸線直交方向の断面図、(b)はその側面図である。
リング状バルーン部材105は、フレーム部材103の1本(図25(b)の紙面裏側のもの)を通じてエアが供給されて拡径される。フレーム部材103は、少なくともいずれか一本(図例では3本)が軸方向に沿って吐出孔である薬剤塗布用の孔107の形成された中空パイプからなり、中空パイプを通じて薬剤25を鼻腔17内に供給する。外筒体3Aの構造部材であるフレーム部材103を使用して、挿入方向の全長および周方向に亘って薬剤25を万遍なく塗布することができる。
なお、フレーム部材103のパイプ形状は、鼻腔17を押し広げるには円形よりも板状であった方がよいが、例えば長方形のパイプにすると、鼻腔17に挿入した際に曲がり難くなる。そのため、円形パイプが好適となる。
図26は図22に示す外筒体を用いる内視鏡の挿入手順を(a)〜(g)で示した鼻腔断面図である。
図26(a)に示すように、内視鏡挿入補助具800は、鼻腔17内への挿入前に、薬剤25が予め外筒体3Aの表面に塗布されている。薬剤25の塗布された外筒体3Aは、図24(b)に示すように、縮めた状態で鼻腔17の狭孔部19に挿入される。
外筒体3Aを挿入する際、例えば図1に示す芯体1を、その先端部のみ外筒体3Aのリング状固定部材101に挿入して、双方を共に鼻腔17内に挿入するようにする。そして、芯体1を外筒体3内に挿入していくことで、フレーム部材103が図26(c)に示すように拡径される。次に、芯体1を挿入したままの状態で、フレーム部材103の一本を介してエア供給ポンプ11よりリング状バルーン部材105にエアを供給する。これにより、外筒体3Aの先端部は、拡径されたリング状バルーン部材105により拡径状態に維持される。また、同時に、他のフレーム部材103には薬剤25が供給され、薬剤塗布用の孔107から吐出した薬剤25が狭孔部19の内壁面に塗布される。
外筒体3Aがエアの供給により拡径状態に保持されたなら、図26(d)に示すように、芯体1を外筒体3Aから抜き取る。そして、図26(e)に示すように、芯体1を抜き取った後の外筒体3Aに内視鏡23を挿入する。つまり、鼻腔17の狭孔部19に残存する外筒体3Aが、内視鏡23を挿入する際のガイドとなる。
内視鏡23の使用が終了したなら、図24(f)に示すように、エア流路として用いたフレーム部材103を通じてリング状バルーン部材105のエアを排気し、外筒体3Aを縮径させる。最後に、図24(g)に示すように、外筒体3Aを鼻腔17から抜き取って診断、治療等を終了する。
したがって、上記の内視鏡挿入補助具100,200,300,400,500,600,600A,700,800によれば、術者や被検者に負担を強いることなく、鼻腔17内に薬剤25を供給しつつ簡単にかつ迅速に鼻腔17内を拡張させ、しかも、内視鏡挿入時のガイドとして用いることができる。
上記の内視鏡挿入補助具は、鼻腔用に限らず、他の部位の体腔(大腸など)に対しても利用可能である。
以上説明したように、本明細書には次の事項が開示されている。
(1)棒状の芯体と、該芯体の外周を着脱自在に覆う外筒体とを有し、前記芯体と前記外筒体とを体腔内に共に挿入して該体腔を拡張した後、前記芯体を前記体腔から取り出すことで、前記体腔内に残存する外筒体により内視鏡の挿入部を案内させる内視鏡挿入補助具であって、
前記芯体または前記外筒体のいずれかに、流体の供給により拡径するバルーンを備えた内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、芯体と外筒体とを共に体腔に挿入して、体腔内を拡張することができ、さらに芯体を取り出すことで、外筒体を内視鏡の挿入部を案内するガイドとして利用可能となる。
(2) (1)の内視鏡挿入補助具であって、
前記体腔が鼻腔である内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、鼻腔を拡径させた後に、内視鏡の挿入部を鼻腔内に案内することができる。
(3) (1)または(2)記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記外筒体の外周に前記バルーンが形成された内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、バルーンが拡径することで、体腔を拡張することができる。
(4) (3)の内視鏡挿入補助具であって、
前記バルーンが、前記外筒体の外周を覆って設けられ所定の一定径に拡がる第一のバルーン部材と、
前記第一のバルーン部材の外側に設けられ前記第一のバルーン部材より軟質な材料で形成されて前記体腔内に薬剤を塗布する第二のバルーン部材と、
を有する内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、第一のバルーン部材が強く押し当てられ、体腔の狭孔部が外側へ押し拡げられ、柔軟性を有する第二のバルーン部材が複雑な内部空間を有する体腔内の隅々にまで拡がる。
(5) (4)の内視鏡挿入補助具であって、
前記流体の供給により第一のバルーン部材を拡径する際に、該第一のバルーン部材の拡径に伴い伸張される前記第二のバルーン部材表面に薬剤を滲出させる内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、体腔内を拡張させる第一のバルーン部材の拡張動作と同時に、第二のバルーン部材の表面から薬剤を滲み出させることができ、薬剤供給のための操作を省力化でき、迅速な前処置が可能となっている。
(6) (5)の内視鏡挿入補助具であって、
前記第一のバルーンと前記第二のバルーンとの間に薬剤が充填され、
前記第二のバルーンが、表裏を貫通する多数の微細孔を有し、前記第一のバルーンの伸張時には前記微細孔が開口して表裏を連通して前記薬剤を滲出させ、縮退時には前記微細孔が閉塞して表裏の連通を遮断する内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、第二のバルーン部材が拡径されると、微細孔が開いて内部の薬剤が第二のバルーン部材の表面に滲み出し、接触した体腔内への塗布が可能となる。一方、内視鏡挿入補助具の引き抜き時には、微細孔が閉じられ、残余の薬剤が流出しなくなり、薬剤の過剰塗布が防止される。
(7) (6)の内視鏡挿入補助具であって、
前記第一および第二のバルーンと前記芯体とを、該芯体の軸線方向に沿ったライン上で接合して、前記複数の拡径ポケットを画成した内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、複数の拡径ポケットを選択的に拡径できるので、複数種の薬剤を任意のタイミングで鼻腔内に塗布することができる。
(8) (6)または(7)の内視鏡挿入補助具であって、
前記第一のバルーン部材と前記第二のバルーン部材との間の空間に接続される薬剤注入口を有し、該薬剤注入口から前記薬剤を追加供給する薬剤供給手段を備えた内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、第一のバルーン部材と第二のバルーン部材との間の空間に充填された薬剤が塗布により減少したとき、薬剤供給手段が薬剤注入口を通じて薬剤を追加補給させることができる。また、混合可能な薬剤であれば、異なる薬剤の追加供給も可能にできる。
(9) (4)〜(8)のいずれか1つの内視鏡挿入補助具であって、
前記第二のバルーン部材の外周面を折り畳んだ襞を形成し、隣接する前記襞同士の隙間に薬剤が塗布された内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、襞の下層と隣接襞の上層との間に薬剤充填空間が確保可能となり、かつその薬剤充填空間を、第二のバルーン部材の所望部位での拡径によって容易に開放させ、薬剤を目的部位のみに確実に塗布できるようになっている。
(10) (1)または(2)の内視鏡挿入補助具であって、
前記外筒体が、一端側にリング状固定部材と、該リング状固定部材の周方向に沿って複数本が接合され前記外筒体の軸方向へ伸びるフレーム部材と、該フレーム部材の前記リング状固定部材とは反対の他端側に接合され、流体の供給による膨張によって前記フレーム部材を開き、流体の排出による縮退によって前記フレーム部材を窄めるリング状バルーン部材と、を備えた内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、複数のフレーム部材にて籠状に形成した外筒体を、リング状バルーン部材に対する流体の供給、排出により、拡径、縮径できる。
(11) (10)の内視鏡挿入補助具であって、
前記フレーム部材の少なくともいずれか一本が中空パイプからなり、該中空パイプを通じて前記リング状バルーン部材へ流体を供給する内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、フレーム部材を使用して、先端側に設けたリング状バルーン部材へ、新たに他の部材を設けることなく拡径用の流体を供給・排出できる。
(12) (10)または(11)の内視鏡挿入補助具であって、
前記フレーム部材の少なくともいずれか一本が軸方向に沿って吐出孔の形成された中空パイプからなり、該中空パイプを通じて薬剤を体腔内に供給する内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、外筒体の構造部材であるフレーム部材を使用して、挿入方向の全長および周方向に亘って薬剤を万遍なく塗布することができる。
(13) (1)または(2)の内視鏡挿入補助具であって、
前記芯体の外周に前記バルーンが形成された内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、エア供給ポンプからエアが供給されると、芯体とバルーンとの間にエアが供給され、バルーンが膨らむことで、芯体の外径が拡径される。
(14) (4)〜(12)のいずれか1つの内視鏡挿入補助具であって、
前記薬剤が、麻酔薬、血管収縮剤のいずれかを含む内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、麻酔薬の塗布により感覚を鈍らせて被検者の負担を軽減でき、血管収縮剤の塗布により、体腔の拡張作用を増大できる。
(15) (1)〜(14)のいずれか1つの内視鏡挿入補助具であって、
前記流体が空気である内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、流体に気体である空気を用いることで、処置室等の環境内雰囲気で簡便に実施でき、しかも、気体であることにより圧縮が可能となり、体腔拡張をソフトに行うことができる。
(16) (1)〜(15)のいずれか1つの内視鏡挿入補助具であって、
前記バルーンの厚みを含めた前記外筒体の最外径が、前記バルーンの非拡径時には人体の鼻腔孔より小径であり、拡径時には体腔内への非挿入状態で人体の鼻腔孔よりも大きく拡径可能にされた内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、拡径前の内視鏡補助具を鼻腔内に円滑に挿入でき、かつ拡径後に鼻腔を確実に拡張させることができる。
(17) (16)記載の内視鏡挿入補助具であって、
前記バルーンを含めた前記外筒体の最外径が、前記バルーンの非拡径時において2mm〜4mmにされた内視鏡挿入補助具。
この内視鏡補助具によれば、バルーンを含めた外筒体の最大径が鼻腔孔より小径の2mm〜4mmにされることで、人体の鼻腔拡張への利用に汎用性が維持されて、常に安定した鼻腔内への挿入が可能となる。
(18) (16)または(17)の内視鏡挿入補助具であって、
前記バルーンを含めた前記外筒体の最外径が、体腔内への非挿入状態で前記非拡径時の最外径の少なくとも2倍に拡径する内視鏡挿入補助具。
この内視鏡挿入補助具によれば、バルーンを含めた外筒体の最外径を、非拡径時の最外径の少なくとも2倍にまで拡径させることができ、鼻腔孔を確実に拡張することができる。
本発明の実施形態を説明するための内視鏡挿入補助具の芯体と、芯体に対して着脱自在な外筒体の分解斜視図である。 芯体の軸線を含む面でバルーンを切り欠いた内視鏡挿入補助具の断面図である。 (a)は拡径前の内視鏡挿入補助具の斜視図、(b)は拡径後の内視鏡挿入補助具の斜視図である。 鼻腔内への内視鏡挿入補助具を用いた内視鏡の挿入手順を(a)〜(e)で示した鼻腔断面図である。 (a)は微少襞に薬剤を保持させた変形例によるバルーンの要部拡大断面図、(b)はその拡径時の要部拡大断面図である。 (a)は鼻腔内に挿入された鼻腔拡張用補助具の拡径前の状況を表す断面図、(b)は拡径後の薬剤塗布状況を表す断面図である。 二重バルーン構造における芯体およびバルーンの軸線直交方向の断面図である。 二重バルーン構造における送気構造を表したコネクタ部近傍の拡大断面図である。 (a)は鼻腔内に挿入された二重バルーンの拡径前の状況を表す断面図、(b)は拡径後の薬剤塗布状況を表す断面図である。 拡張用バルーンと薬剤供給用バルーンの間に薬剤を充填した構成例の要部を切り欠いた側面図である。 (a)は図10の構成の拡径前における軸線直交方向の断面図、(b)はその拡径後の断面図である。 薬剤の後注入を可能とした内視鏡挿入補助具の要部断面図である。 (a)は薬剤の2系統注入を可能とする構成例の断面図、(b)はその側面図である。 内視鏡挿入補助具に複数のエア供給ポンプを接続した例を示す構成図である。 図14に示す拡径ポケットが膨らんだ状態を表す斜視図である。 拡径ポケットを複数有する場合のエアの供給構造を表したコネクタ部近傍の拡大断面図である。 (a)は図16のA−A断面図、(b)は図16のB−B断面図である。 (a)は血管収縮剤が装填された拡径ポケットを拡径した内視鏡挿入補助具の断面図、(b)は麻酔薬が装填された拡径ポケットを拡径した内視鏡挿入補助具の断面図である。 芯体自体が拡径される内視鏡挿入補助具の構成例を示す側面図である。 鼻腔内へ図19に示した芯体を用いる内視鏡の挿入手順を(a)〜(e)で示した鼻腔断面図である。 ファイバースコープを芯体に設けた内視鏡挿入補助具の構成の概念的な断面図である。 外筒体を籠形状とした内視鏡挿入補助具の構成を示す側面図である。 図22のC−C断面図である。 (a)は縮径状態におけるリング状バルーン部材近傍の軸線直交方向の断面図、(b)はその側面図である。 (a)は拡径状態におけるリング状バルーン部材近傍の軸線直交方向の断面図、(b)はその側面図である。 図22に示した外筒体を用いる内視鏡の挿入手順を(a)〜(g)で示した鼻腔断面図である。
符号の説明
1 芯体
3 外筒体
5 バルーン
17 鼻腔(体腔)
23 内視鏡
25 薬剤
29 拡張用バルーン(第一のバルーン部材)
31 薬剤供給用バルーン(第二のバルーン部材)
33 襞
73 微細孔
75 薬剤注入口
77 シリンジ(薬剤供給手段)
87 拡径ポケット
100,200,300,400,500,600,700,800 内視鏡挿入補助具
101 リング状固定部材
103 フレーム部材
105 リング状バルーン部材
107 薬剤塗布用の孔(吐出孔)

Claims (18)

  1. 棒状の芯体と、該芯体の外周を着脱自在に覆う外筒体とを有し、前記芯体と前記外筒体とを体腔内に共に挿入して該体腔を拡張した後、前記芯体を前記体腔から取り出すことで、前記体腔内に残存する外筒体により内視鏡の挿入部を案内させる内視鏡挿入補助具であって、
    前記芯体または前記外筒体のいずれかに、流体の供給により拡径するバルーンを備えた内視鏡挿入補助具。
  2. 請求項1記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記体腔が鼻腔である内視鏡挿入補助具。
  3. 請求項1または請求項2記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記外筒体の外周に前記バルーンが形成された内視鏡挿入補助具。
  4. 請求項3記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記バルーンが、前記外筒体の外周を覆って設けられ所定の一定径に拡がる第一のバルーン部材と、
    前記第一のバルーン部材の外側に設けられ前記第一のバルーン部材より軟質な材料で形成されて前記体腔内に薬剤を塗布する第二のバルーン部材と、
    を有する内視鏡挿入補助具。
  5. 請求項4記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記流体の供給により第一のバルーン部材を拡径する際に、該第一のバルーン部材の拡径に伴い伸張される前記第二のバルーン部材表面に薬剤を滲出させる内視鏡挿入補助具。
  6. 請求項5記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記第一のバルーンと前記第二のバルーンとの間に薬剤が充填され、
    前記第二のバルーンが、表裏を貫通する多数の微細孔を有し、前記第一のバルーンの伸張時には前記微細孔が開口して表裏を連通して前記薬剤を滲出させ、縮退時には前記微細孔が閉塞して表裏の連通を遮断する内視鏡挿入補助具。
  7. 請求項6記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記第一のバルーンおよび第二のバルーンを、該芯体の軸線方向に沿ったライン上で接合して前記芯体の周方向に複数の拡径ポケットを画成し、該複数の拡径ポケットの少なくともいずれかに対して、前記第一のバルーンと前記第二のバルーンとの間に装填する薬剤の種類を他の拡径ポケットと異ならせた内視鏡挿入補助具。
  8. 請求項6または請求項7記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記第一のバルーン部材と前記第二のバルーン部材との間の空間に接続される薬剤注入口を有し、該薬剤注入口から前記薬剤を追加供給する薬剤供給手段を備えた内視鏡挿入補助具。
  9. 請求項4〜請求項8のいずれか1項記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記第二のバルーン部材の外周面を折り畳んだ襞を形成し、隣接する前記襞同士の隙間に薬剤が塗布された内視鏡挿入補助具。
  10. 請求項1または請求項2記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記外筒体が、一端側にリング状固定部材と、該リング状固定部材の周方向に沿って複数本が接合され前記外筒体の軸方向へ伸びるフレーム部材と、該フレーム部材の前記リング状固定部材とは反対の他端側に接合され、流体の供給による膨張によって前記フレーム部材を開き、流体の排出による縮退によって前記フレーム部材を窄めるリング状バルーン部材と、を備えた内視鏡挿入補助具。
  11. 請求項10記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記フレーム部材の少なくともいずれか一本が中空パイプからなり、該中空パイプを通じて前記リング状バルーン部材へ流体を供給する内視鏡挿入補助具。
  12. 請求項10または請求項11記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記フレーム部材の少なくともいずれか一本が軸方向に沿って吐出孔の形成された中空パイプからなり、該中空パイプを通じて薬剤を体腔内に供給する内視鏡挿入補助具。
  13. 請求項1または請求項2記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記芯体の外周に前記バルーンが形成された内視鏡挿入補助具。
  14. 請求項4〜請求項12のいずれか1項記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記薬剤が、麻酔薬、血管収縮剤のいずれかを含む内視鏡挿入補助具。
  15. 請求項1〜請求項14のいずれか1項記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記流体が空気である内視鏡挿入補助具。
  16. 請求項1〜請求項15のいずれか1項記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記バルーンを含めた前記外筒体の最外径が、前記バルーンの非拡径時には人体の鼻腔孔より小径であり、拡径時には体腔内への非挿入状態で人体の鼻腔孔よりも大きく拡径可能にされた内視鏡挿入補助具。
  17. 請求項16記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記バルーンを含めた前記外筒体の最外径が、前記バルーンの非拡径時において2mm〜4mmにされた内視鏡挿入補助具。
  18. 請求項16または請求項17記載の内視鏡挿入補助具であって、
    前記バルーンを含めた前記外筒体の最外径が、体腔内への非挿入状態で前記非拡径時の最外径の少なくとも2倍に拡径する内視鏡挿入補助具。
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