JP2010154480A - 電子部品の製造方法及び電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器の外部に開口する貫通孔に外部から位置させた封止用金属体を溶融させ、容器内に形成された導電路パターンを介して、その貫通孔内に電子部品本体の本体電極に電気的に接続された孔内配線を形成すると共に容器を封止するにあたって、歩留りの低下を抑えること。
【解決手段】前記貫通孔に外部から封止用金属体を位置させる工程と、前記封止用金属体を溶融させ、この封止用金属体により前記貫通孔を塞ぐと共に塞いだ部分と前記導電路パターンの一端側とが前記金属体により繋がった状態で当該金属体を導電路パターンの表面を介してダミーパターン側に案内させる工程と、溶融した封止用金属体を冷却して固化させて、前記貫通孔内に前記導電路パターンに接続された孔内配線を形成する工程と、を実施する。
【選択図】図10

Description

本発明は気密な容器内に電子部品本体が設けられた電子部品の製造方法及び電子部品に関する。
電子部品本体である水晶振動子やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子などの圧電振動子は、真空雰囲気で発振させることによって振動特性が安定するものであり、例えば空気等の振動を阻害する雰囲気では、その雰囲気に影響されて、その振動特性が変化してしまうおそれがある。従って、圧電振動子はその内部の収納空間が真空雰囲気に構成されたパッケージに封入される。
このように圧電振動子をパッケージに封入する場合、前記パッケージは例えばフィールドスルー構造と呼ばれる構造を持つように構成される。この構造は、圧電振動子の励振電極に電気的に接続されると共に前記収納空間を引き回され、そして収納空間からパッケージの外側へ引き出された配線を有している。この配線は収納空間では例えばパッケージの壁面に形成された金属膜のパターンとして構成されている。また、パッケージの外側に引き出された配線は、当該パッケージを取り付ける電子機器に設けられた電極に接続される。
そして、圧電振動子をパッケージする手法としては、例えば3枚のシリコン基板すなわち蓋用のシリコン基板、圧電振動子が形成された素子用のシリコン基板、ベース体用のシリコン基板を貼り合わせて、圧電振動子を収納した複数の収納空間を同時に形成するCSP法(チップスケールパッケージ法)がある。貼り合わせた基板は、その後ダイシングすることによって個々の圧電振動子を含んだパッケージに切り分ける
ところで、CPS法において前記フィールドスルー構造をなす配線を形成するために、例えばパッケージを構成する基板の表面に機械加工、ドライエッチングまたはウエットエッチングなどによって凹部を形成し、その凹部に金属を充填した後、その金属を研磨する。そして、この研磨時の圧力により、金属が裏面へと突き抜け、パッケージの内側と外側とを接続する配線を形成する手法が知られている。しかし、このように研磨工程を行うことは手間である。
そこで、前記CPS法において、次のような配線の形成方法が検討されている。先ず、前記圧電振動子の収納空間とパッケージの外部空間とに開口する貫通孔と、前記収納空間にて圧電振動子の励振電極に電気的に接続され、励振電極から貫通孔に向かう金属膜のパターンと、をパッケージを構成する基板に形成しておく。そして、基板の貼り合わせ後その貫通孔の周壁内に封止用金属体を位置させ、その金属体を加熱溶融させて、貫通孔内をその金属体で塞ぐと共に前記金属膜パターンにその溶融した金属体を付着させ、然る後前記金属体を冷却して孔内配線を形成する。つまり、この貫通孔はパッケージの内部から外部へ配線を引き出すためのスルーホールの役割を有している。この方法によれば上記のように研磨を行う必要が無く、また、金属を溶融させる前にその貫通孔を利用して収納空間を真空雰囲気にできるため、真空雰囲気中で、基板の貼り合わせ処理を行う必要が無いので有利である。
しかし、このように孔内配線を形成する場合、溶融した金属が毛細管現象により内部配線を伝わって励振電極へと流れ込んだり、その励振電極からさらに振動子の振動部に漏れ出したりして、圧電振動子が正常に振動しなくなってしまうおそれがある。前記貫通孔に位置させる金属体を小さくしたり、貫通孔を大きくすることも考えられるが、その場合貫通孔を完全に塞ぐことができず、収納空間の真空度を保てないおそれがある。
特許文献1及び特許文献2ではベース体に透孔を設けて、圧電振動子の収納空間を真空状態として、この真空状態で前記透孔に封止用金属体を配置すると共に加熱溶解することによって気密封止を行う圧電振動子が記載されている。しかし、この封止用金属体を配線として用いることは記載されておらず、上記の問題を解決できるものではない。
特開2005−229340 特開2003−158439
本発明は係る事情の下になされたものであって、その目的は、容器の外部に開口する貫通孔に外部から位置させた封止用金属体を溶融させ、容器内に形成された導電路パターンを介して、その貫通孔内に電子部品本体の本体電極に電気的に接続された孔内配線を形成すると共に容器を封止するにあたって、歩留りの低下を抑えることができる電子部品の製造方法及び電子部品を提供することである。
本発明の電子部品の製造方法は、気密な容器内に本体電極を備えた電子部品本体が設けられた電子部品を製造する方法において、
外部に開口するスルーホール用の貫通孔と、その内部にて前記貫通孔の下方側近傍にその一端側が位置すると共に本体電極に接続される導電路パターンと、溶融金属を案内するために前記導電路パターンから分岐して形成されたダミーパターンと、が設けられた容器を用い、
前記貫通孔に外部から封止用金属体を位置させる工程と、
前記封止用金属体を溶融させ、この封止用金属体により前記貫通孔を塞ぐと共に塞いだ部分と前記導電路パターンの一端側とが前記金属体により繋がった状態で当該金属体を導電路パターンの表面を介してダミーパターン側に案内させる工程と、
溶融した封止用金属体を冷却して固化させて、前記貫通孔内に前記導電路パターンに接続された孔内配線を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする。
溶融した封止用金属体をダミーパターン側に案内させる工程は、例えば容器内にて前記内部電極から貫通孔に重なる位置に伸びた導電路パターン上に前記貫通孔から溶融した封止用金属体を落下させる工程を含む。また、例えば前記ダミーパターンは、導電路パターンよりもその幅が小さく、その表面は例えば封止用金属体を構成する金属により構成され、前記導電路パターンの表面は封止用金属体を構成する金属とは異なる金属により構成されている。電子部品本体は圧電振動子であり、第1の電極は励振電極であってもよく、前記貫通孔には例えば前記封止用金属体となじみのよい封止補助層が形成されている。
本発明の電子部品は、気密な容器内に本体電極を備えた電子部品本体が設けられた電子部品において、
前記容器に設けられた外部に開口するスルーホール用の貫通孔と、
前記容器の内部にて前記貫通孔の近傍にその一端側が位置すると共に本体電極に接続される導電路パターンと、
前記貫通孔に外部から位置させた封止用金属体を溶融することにより前記貫通孔を塞ぎ、前記導電路パターンに接続された当該貫通孔内に形成された孔内配線と、
前記封止用金属体により貫通孔を塞いだ部分と、前記導電路パターンの一端側とが当該封止用金属体により繋がった状態で、溶融した封止用金属体を導電路パターンの表面を介して案内するために前記導電路パターンから分岐して形成されたダミーパターンと、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、容器の外部に開口する貫通孔に外部から位置させた封止用金属体を溶融させた封止用金属体を、電子部品本体の本体電極に接続された導電路パターンの表面を介して、当該導電路パターンから分岐したダミーパターン側に案内する。それによって、その封止用金属体が導電路パターンを伝わることによる前記本体電極への流れ込みが制御される。従って、溶融した封止用金属体により電子部品が正常に動作しなくなることを抑えることができるため、電子部品の歩留りの低下を抑えることができる。
本発明の一実施の形態における電子部品1について説明する。電子部品1はその内部に電子部品本体である水晶振動子を構成する振動部25を含む、パッケージ型水晶振動子として構成されている。図1は電子部品1の縦断側面図であり、図2はその横断平面図である。前記振動部25が設けられる収納空間11は真空雰囲気とされ、気密に封止されている。この電子部品1は、扁平な角形のブロック状に形成されており、蓋体10、水晶基板2及びベース体4が上側から下方側に、この順に積層されて構成されている。
図3、図4は電子部品1の各部を上側、下側から夫々見た分解斜視図である。水晶基板2は矩形状に形成されており、上側に開口した前記収納空間11を構成する凹部21とこの凹部21の周囲に設けられた接合枠部22とを備えている。前記凹部21は、枠部23とこの枠部23の内側に、水晶基板2の表裏面を貫通する貫通溝24を介して位置する前記振動部25とを備え、これら枠部23、振動部25は当該水晶基板2の長さ方向の一端側において、幅方向に間隔をおいて並ぶ二つの支持部26a,26bを介して一体的に形成されている。貫通溝24は前記収納空間11を構成し、図2〜図4に示すように、振動部25における支持部26a,26bと接続された部位以外に、振動部25の外周囲に沿って形成されている。説明の便宜上、支持部26a,26bの間にある貫通溝を貫通溝24a、その他の領域の貫通溝を貫通溝24bとする。
前記振動部25の下面側、上面側には夫々互いに対向する本体電極である矩形状の励振電極31a、励振電極31bが形成されている。励振電極31aには帯状の引き出し電極32aの一端が接続されている。引き出し電極32aの他端は支持部26aを介して枠部23へと引き出され、その枠部23にてさらにU字に折り返されて貫通孔3bに沿って水晶基板2の長さ方向に伸び、枠部31の4隅の一角に形成された矩形状の内部電極33aに接続されている。
図5は内部電極33aの周囲の各部の構成について示した透視図である。ただし、この図5では後述の貫通孔45aに埋設されている孔内配線47aは図示の便宜上省略している。内部電極33aからは引き出し電極32aの外側においてその水晶基板2の長さ方向に突出した線状のパターン34aが形成されている。励振電極31aと引き出し電極32aと内部電極33aとパターン34aとは互いに一体的に例えばスパッタ等によって成膜されており、例えばクロム(Cr)により構成されている。
内部電極33a上には例えば矩形状の表面電極35aが形成されており、当該表面電極35aから、前記パターン34aを覆うようにダミーパターン36aが伸びている。これら表面電極35a及びダミーパターン36aは例えば金(Au)により構成されており、例えばスパッタなどによって成膜されている。また、ダミーパターン36aの幅は引き出し電極33aの幅よりも小さく形成されている。
励振電極31bには帯状の引き出し電極32bの一端が接続されている。その引き出し電極32bの他端は、支持部26bへ向けて伸び、その支持部26bの手前で方向を変えて、貫通溝24bへと引き出され、さらに貫通溝24bの側面に沿って屈曲され、振動部25の下面側へと回しこまれている。そして、その下面側に回し込まれた他端は枠部23へと引き出されて、枠部23に設けられた矩形状の内部電極33bに接続されている。この内部電極33bは水晶基板2において、内部電極33aが形成された角部の対角部に形成されている。
内部電極33bの周囲の各部は図5に示した内部電極33aの各部と同様に構成されており、内部電極33bからは引き出し電極32a,32bの外側に水晶基板2の幅方向に突出したパターン34bが設けられている。励振電極31bと引き出し電極32bと矩形電極33bとパターン34bとは互いに一体的にスパッタ等によって成膜されており、例えばCrにより構成されている。
内部電極33a上には内部電極33bと同様に矩形状の表面電極35bが形成されており、当該表面電極35bから、前記パターン34bを覆うようにダミーパターン36bが伸びている。これら表面電極35b及びダミーパターン36bは例えば金により構成されており、スパッタなどによって形成されており、ダミーパターン36bの幅は引き出し電極33bの幅よりも小さく形成されている。なお、図2〜図4では、各電極及び配線を明確に示すためにこれらに多数の点を付して表している。また、表面電極35a、35b、内部電極33a、33b及び引き出し電極32a、32bは特許請求の範囲でいう導電路パターンに相当する。
蓋体10は矩形板状に形成された水晶からなり、水晶基板2の接合枠部22の上面側に接合される。
ベース体4は矩形板状に形成された水晶からなり、上側に開口した前記収納空間11を構成する第1の凹部41とこの凹部41の周囲に設けられた接合枠部42とを備えている。第1の凹部41の底面中央には第2の凹部42が形成され、これら凹部41,43は前記収納空間11を構成している。第2の凹部43は振動部25の振動を妨げないように形成され、振動部25のベース体4へ投影領域が凹部42内に収まるように形成されている。このベース体4の接続枠部42の上面は水晶基板2の下面側に接合される。
ベース体4の下面側には円形状の凹部44a、44bが形成されており、これら凹部44a,44bの底面部にはベース体4の厚さ方向に夫々6角形の貫通孔45a、45bが穿孔されている。貫通孔45a、45bは前記水晶基板2の内部電極33a,33bと重なる位置に開口しており、下側から上側に向かうにつれてその口径が小さくなっている。これら貫通孔45a,45bはフッ酸を用いたウエットエッチングにより形成される。また凹部44a,44bは例えばプレス加工など物理的な加工によって形成される。凹部44a,44bは後述する封止用金属体65を貫通孔45a,45b内に配置しやすくすると共に、配置された封止用金属体65が貫通孔45a,45bから衝撃により飛び出しにくくするために設けられている。
そして、貫通孔45a,45bの上側の開口縁から内周壁を介してその下側の開口縁に亘って封止補助層である金属膜46a,46bが形成されている。これらの金属膜46a,46bは、例えば下層側が水晶と密着性の高いNi(ニッケル)、上層側が後述の金属配線と密着性の高いAuからなる積層膜であるが、図1では便宜上一層の膜として示しており、例えばスパッタなどにより成膜した金属膜をフォトリソグラフィ及びウエットエッチングにより整形することによって、既述のような形状に形成されている。
図3及び図4では便宜上図示を省略しているが、これら貫通孔45a,45bには、例えば金ゲルマニウム(AuGe)合金からなる孔内配線47a,47bが埋め込まれている。また、この孔内配線47a,47bを覆うようにベース体4の下面側の対角線上の2つの角部には、図4に示すように矩形板状に形成された電極パッド48a,48bが設けられている。
また、図中48c,48dは電子部品1を装着する機器に当該電子部品1を安定に取り付けるための調整部材であり、電極パッド48a,48bと同様の形状に形成されている。このように構成された電子部品1の発振動作は、電極パッド48a,48b、孔内配線47a,47b、内部電極33a,33b、引き出し電極32a,32bを通って振動部25の励振電極31a,31bに電圧が印加されることで起こる。
既述のベース体4に設けられた孔内配線47a,47bは後述のように電子部品1の収納空間11を真空雰囲気とした後、封止用金属体65を加熱溶解することによって形成する。この真空雰囲気の形成及び金属配線の形成を行うための真空加熱装置50について図6を用いて説明する。この真空加熱装置50は、既述の封止用金属体65を加熱溶解することによって孔内配線47a,47を形成すると共に収納空間11を封止するためのものである。
図6中51は基台であり、この基台51の下方には昇降機構52が設けられており、これによって基台51は昇降することが可能である。また、基台51上には載置ステージ54が設けられており、その上には電子部品1を製造するためのウエハWが載置される。そして、当該載置ステージ54を囲んでガラス製のチャンバ55が設けられており、このチャンバ55の内壁と基台51とで区画される内部空間56は気密に密閉される。前記チャンバ51の側壁には排気管57が接続されており、この排気管57は前記内部空間56の空気を吸引することができる。また、前記チャンバ55の上方にはヒータ58が設けられており、前記内部空間56を加熱することができる。さらに、このヒータ58の熱が外部へ逃げないように断熱ケース59がチャンバ55とヒータ58を取り囲んで設けられている。
続いて、上記電子部品1の製造工程について説明する。この製造工程では、図7に示すように蓋体10を形成するためのウエハ61と、水晶基板2を形成するための素子用のウエハ62と、ベース体4を形成するためのウエハ63とが用いられる。そして、蓋体用ウエハ61、素子用ウエハ62、ベース用ウエハ63にはマトリックス状に夫々水晶基板2、ベース体4を製造するための部品形成領域61A,62A,63Aが夫々設定されており、図7ではこれら部品形成領域61A、62A及び63Aを点線で囲って示している。
素子用のウエハ62の部品形成領域62Aにはフォトリソグラフィ及びフッ酸を用いたウエットエッチングにより、各形成領域64に既述の凹部21、振動部25、貫通溝24、各電極及び配線31a〜35a、31b〜35bが形成されている。また、ベース体用のウエハ63にはフォトリソグラフィ及びフッ酸を用いたウエットエッチングにより、凹部41,43,44a,44b及び貫通孔45a,45bが形成されている。貫通孔45a,45b内には金属膜46a,46bが形成されている。
上記の各部が形成されたベース体用のウエハ63、素子用のウエハ62及び蓋体用のウエハ61を、部品形成領域61A,62A,63Aが互いに重なるように積層して、例えば陽極接合により3枚のウエハ61〜63が接合されたウエハWを形成する。
以降、部品形成領域61A〜63Aが重ね合わされて形成された部品形成領域64の縦断面が変化する様子を示した図8〜図9と、貫通孔45a内が変化する様子を示した図10〜図11とを参照しながら説明する。なお、図示は省略するが貫通孔45b内は図10〜図11に示した貫通孔45a内と同様に変化する。既述のように形成されたウエハWは大気雰囲気中において、下方側、つまり貫通孔45a,45bが開口している側を上に向けて載置され(図8(a))、貫通孔45a,45b内にAuGe合金からなる例えば球状に形成された封止用金属体65を落とし込む(図8(b)、図10(a))。この封止用金属体60は、貫通孔45a,45b内にその一部が収まり、且つ6角形状に開口した貫通孔45a,45bと球状の封止用金属体65との間にできる隙間により収納空間11とウエハWの外部空間とが互いに連通するように形成されている。
次に、例えば図示しない搬送手段によってウエハWを貫通孔が上側に向いた状態のまま真空加熱装置50の載置ステージ54に搬送して載置させ、昇降機構52が基台51を上昇させることによって、当該基台51とチャンバ55とが接続されて、前記内部空間56が気密に密閉される。その後、排気管57を介して当該内部空間56の雰囲気を真空状態としてゆく。これに伴って収納空間11の空気が、貫通孔45a,45bと封止用金属体65との隙間より外部へ吸い出されて、当該収納空間11の雰囲気が減圧されて真空となる。
減圧開始から所定の時間経過後、収納空間11の雰囲気を真空に保った状態で、前記ヒータ58によってウエハWを加熱し、AuGeからなる封止用金属体65を溶解させる(図8(c))。このときの加熱温度は、各電極及び貫通孔45a,45bに形成された金属膜46a,46bが溶解しないように例えば400℃〜450℃に設定される。封止用金属体65が溶解した溶融金属66は、熱により膨張して凹部44a,44b及び貫通孔45a,45b内に広がり、貫通孔45a,45bを塞ぎ、収納空間11が封止されると共に貫通孔45a,45bから表面電極35a,35bに流れ落ちる(図10(b))。
表面電極35a,35bに流れ落ちた溶融金属66は表面電極35a,35b上を広がり、毛細管現象により当該ダミーパターン36a,36bの端部へ向けて流れる(図10(c))。つまり、貫通孔を塞いだ溶融金属66と表面電極35a,35bとがつながった状態で、余分な溶融金属66がダミーパターン36a,36bに案内され、その端部に向かって流れてゆく。
ここで、表面電極35aに流れ落ちる溶融金属66の量が多いと、溶融金属66は表面電極35から内部電極33a,33bへ流れ、さらに引き出し電極32a,32bを流れて励振電極31a,31bへと向かう。しかし、ダミーパターン36a,36bの幅の方が引き出し電極32a,32bの幅よりも狭く、さらにダミーパターン36a,36bには溶融金属66を構成するAuが含まれており、且つ引き出し電極32a,32bには溶融金属66を構成する金属が含まれていないことから、その余剰の溶融金属66は引き出し電極32a,32bを励振電極31a,31bへと向かうよりもダミーパターン36a,36bの端部側へと流れやすくなっている。そして、ダミーパターン36a,36bに案内された分だけ、励振電極31a,31bへと向かう溶融金属66の量は少なくなる(図8(c)、図11(d))。
加熱開始から所定の時間経過後、加熱を停止し、凹部46a,46b及び貫通孔45a,45bに広がった溶融金属66が冷却されて固化し、金属膜46a,46b、表面電極35a,35b、内部電極33a,33bに固着されて、孔内配線47a,47bが形成されると共に収納空間11が真空状態で気密に封止される(図8(d)、図11(e))。
その後、ウエハWはダイシングにより、各部品形成領域64毎に切断され(図9(e))、電極パッド48a,48b及び高さ調整部材48c,48dが取り付けられて、電子部品1が製造される(図9(f))。
この実施形態によれば、パッケージの内部と外部とを接続する孔内配線47a,47bを形成するにあたり、振動部22とは異なる方向に向かうダミーパターン36a,36bにその孔内配線47a,47bを形成する溶融金属66が流れる分だけ、引き出し電極32a,32bに流れる溶融金属66の量が減り、従って引き出し電極32a,32bから振動部25に設けられた励振電極31a,31bへ溶融金属66の流入を抑えることができる。その結果として振動部25の正常な振動が妨げられることが抑えられるので、電子部品1の歩留りの低下を抑えることができる。例えば水晶を加工するときの誤差によって貫通孔45a,45bの大きさがばらつくことがあるが、そのときに貫通孔45a,45bが設定された大きさよりも小さくなったとしても、そのように溶融金属66の振動部25への流入を抑えることができるので有効である。
この例では封止用金属体65から形成される溶融金属66をAuGeとして構成し、表面電極35a,35b及びダミーパターン36a,36bをAuにより構成している。そして、内部電極33a,33b、引き出し電極32a,32bをCrにより構成し、これらの電極にはAuが含まれていない。従って封止用金属体65が溶解した溶融金属66は、表面電極35a,35b及びダミーパターン36a,36bについての親和性が高く、それに対して、内部電極33a,33b、引き出し電極32a,32bについての親和性が低い。従って、溶融金属66は、表面電極35a,35bからダミーパターン36a,36bへと流れやすく、内部電極33a,33bから引き出し電極32a,32bへと流れにくいので、振動部25への溶融金属65の流入がより確実に抑えられる。ここでAuを含んでいないとは、主成分として含んでいないという意味であり、電極を形成するにあたり、製造工程上不純物として混入するものまで含まないという意味ではない。
また、ダミーパターン36a,36bは、引き出し電極32a,32bよりも細いため、貫通孔45a,45bから表面電極35a,35b及び内部電極33a,33bに流れ込んだ溶融金属66は毛細管現象により引き出し電極32a,32b上を移動するよりもダミーパターン36a,36b上を移動しやすい。従って溶融金属66が振動部22に掛かることがより確実に抑えられる。
ところで加熱処理中にダミーパターン36a,36bを流れる溶融金属66がダミーパターン36a,36bの端部に達し、当該ダミーパターン36a,36b上に保持することができる溶融金属66が飽和すると、引き出し電極32a,32bに流れる溶融金属66が増えるので、図12(a)に示すようにダミーパターン36a,36bは、基端側(表面電極35a,35b側)から先端側に向かう途中で多くの溶融金属66をその表面に蓄えられるように、その幅が大きくなっていてもよい。
また、図12(b)に示すように引き出し電極32a,32bの途中からダミーパターンが分岐していてもよい。このダミーパターン37a,37bは例えばスパッタなどにより、各内部電極33a,33b、引き出し電極32a,32b及び励振電極31a,31bと一体的に形成されている。ダミーパターン37aのようにその基端側が引き出し電極32aから分岐して、その先端が引き出し電極32bに合流していてもよいし、ダミーパターン37bのように分岐したパターンの先端が、引き出し電極32bに合流していなくてもよい。
貫通孔45a,45b内に設けられた金属膜46a,46bとしては、上記の例ではAuとNiとの積層膜を用いているが、これはAuGeからなる封止用金属体65の融点付近で前記Au膜の表面の分子が、封止用金属体65が溶融した溶融金属66中に熱拡散することにより、溶融金属66が冷えて孔内配線47a,47bが形成されたときに、それらの孔内配線47a,47bを金属膜46a,46bに強固に接合し、これら孔内配線47a,47bの貫通孔45a,45bからの脱落を抑えることを目的としている。そこで、金属膜46a,46bとしては、Cr、Ti(チタン)、Pt(白金)、Mo(モリブデン)、Mg(マグネシウム)、Co(コバルト)、Si(ケイ素)、Ge、Cu(銅)からなる膜であっても、Au膜と同様にAuGeの融点付近の温度で表面の分子が溶融金属中に熱拡散するので好ましく使用することができる。これらの各元素の膜を単層の膜として構成してもよいし、これらの元素の膜を2つ以上積層して構成してもよい。
貫通孔45a,45b内に載置する封止用金属体65としてはAuGeの他にAuSi、AuSnなどの合金を用いることができる。加熱温度は、これらの合金の融点に応じて適宜調整する。
また、上記実施形態では、孔内配線47a,47bを形成するにあたり貫通孔45a,45bの下方側の貫通孔45a,45bと重なる位置に位置するように内部電極33a,33bを形成しているが、貫通孔45a,45bの下方側近傍に形成されていればよい。ここで近傍とは、溶融した封止用金属体65が落下して内部電極33aに付着し、孔内に形成される孔内配線47a,47bと内部電極33a,33bとの電気的な接続が確保される位置である。
上記の実施形態では振動部を水晶振動子として形成しているが、MEMS振動子として構成してもよい。また、上記の例では水晶ウエハを用いて電子部品を形成しているが、水晶ウエハの代わりにガラス板やシリコン基板等を用いて電子部品を製造してもよい。また、金属によって振動部を含む容器を構成してもよい。このように金属で容器を形成してダミー配線をその内部に形成する場合は、前記溶融金属に対するダミー配線への親和性が、溶融金属に対するその容器を構成する金属への親和性よりも高くなるように、ダミー配線及び容器の材質を選択することが好ましい。
貫通孔45a,45bとしては、フッ酸を含んだ水溶液によるウエットエッチングを行う他に、サンドブラスト、ドリル加工、超音波加工、レーザー加工、ドライエッチングなど、任意の方法を用いて形成することができる。また、封止用金属体65を溶融させるにあたっては、ウエハWを加熱する他に例えば封止用金属体65を貫通孔へと搬送する冶工具を真空加熱装置内に設けて、その冶工具を介して封止用金属体65の加熱を行ってもよいし、レーザー照射器をその真空加熱装置内に設けて、レーザー照射により発生する熱により封止用金属体65の溶融を行ってもよい。
本発明の電子部品の縦断側面図である。 前記電子部品の横断平面図である。 前記電子部品を構成する各部の上側分解斜視図である。 前記電子部品を構成する各部の下側分解斜視図である。 前記電子部品の貫通孔と電極とダミーパターンとの位置関係を示した透視図である。 前記電子部品を製造するための真空加熱装置の構成図である。 前記電子部品を製造するためのウエハの斜視図である。 前記電子部品の製造工程を示した工程図である。 前記電子部品の製造工程を示した工程図である。 貫通孔内に設けられた封止用金属体が溶融して、ダミーパターンを流れる様子を示した説明図である。 貫通孔内に設けられた封止用金属体が溶融して、ダミーパターンを流れる様子を示した説明図である。 ダミーパターンの他の例を示した平面図である。
符号の説明
1 電子部品
11 収納空間
10 蓋体
2 水晶基板
25 振動部
31a,31b 励振電極
32a,32b 引き出し電極
33a,33b 内部電極
35a,35b 表面電極
36a,36b ダミーパターン
4 ベース体
45a,45b 貫通孔
46a,46b 金属膜
47a,47b 孔内配線

Claims (7)

  1. 気密な容器内に本体電極を備えた電子部品本体が設けられた電子部品を製造する方法において、
    外部に開口するスルーホール用の貫通孔と、その内部にて前記貫通孔の下方側近傍にその一端側が位置すると共に本体電極に接続される導電路パターンと、溶融金属を案内するために前記導電路パターンから分岐して形成されたダミーパターンと、が設けられた容器を用い、
    前記貫通孔に外部から封止用金属体を位置させる工程と、
    前記封止用金属体を溶融させ、この封止用金属体により前記貫通孔を塞ぐと共に塞いだ部分と前記導電路パターンの一端側とが前記封止用金属体により繋がった状態で当該金属体を導電路パターンの表面を介してダミーパターン側に案内させる工程と、
    溶融した封止用金属体を冷却して固化させて、前記貫通孔内に前記導電路パターンに接続された孔内配線を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 溶融した封止用金属体をダミーパターン側に案内させる工程は、
    容器内にて前記内部電極から貫通孔に重なる位置に伸びた導電路パターン上に前記貫通孔から溶融した封止用金属体を落下させる工程を含むことを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記ダミーパターンは、導電路パターンよりもその幅が小さいことを特徴とする請求項1または2記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記ダミーパターンの表面は封止用金属体を構成する金属により構成され、前記導電路パターンの表面は封止用金属体を構成する金属とは異なる金属により構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の電子部品の製造方法。
  5. 電子部品本体は圧電振動子であり、第1の電極は励振電極であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記貫通孔には前記封止用金属体となじみのよい封止補助層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の電子部品の製造方法。
  7. 気密な容器内に本体電極を備えた電子部品本体が設けられた電子部品において、
    前記容器に設けられた外部に開口するスルーホール用の貫通孔と、
    前記容器の内部にて前記貫通孔の近傍にその一端側が位置すると共に本体電極に接続される導電路パターンと、
    前記貫通孔に外部から位置させた封止用金属体を溶融することにより前記貫通孔を塞ぎ、前記導電路パターンに接続された当該貫通孔内に形成された孔内配線と、
    前記封止用金属体により貫通孔を塞いだ部分と、前記導電路パターンの一端側とが当該封止用金属体により繋がった状態で、溶融した封止用金属体を導電路パターンの表面を介して案内するために前記導電路パターンから分岐して形成されたダミーパターンと、
    を備えたことを特徴とする電子部品。
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