JP2006254210A - 圧電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 ロウ材が振動領域に付着することを防止して、優れた振動特性を得ることができる圧電デバイスを提供する。
【解決手段】 振動領域に形成された励振電極42,43と電気的に接続され、外部に電極を引き出すための引出し電極46,47を有する圧電素子20と、引出し電極46,47と金属系ロウ材54,58により接合される基体40,50とを備えた圧電デバイスであって、圧電素子20は、励振電極42,43と引出し電極46,47とをつなぐ連結電極48,49を有しており、この連結電極48,49の表面には、金属系ロウ材54,58と濡れ性の悪い材料60が、励振電極42,43と引出し電極46,47とを隔てるように配置されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 振動領域に形成された励振電極42,43と電気的に接続され、外部に電極を引き出すための引出し電極46,47を有する圧電素子20と、引出し電極46,47と金属系ロウ材54,58により接合される基体40,50とを備えた圧電デバイスであって、圧電素子20は、励振電極42,43と引出し電極46,47とをつなぐ連結電極48,49を有しており、この連結電極48,49の表面には、金属系ロウ材54,58と濡れ性の悪い材料60が、励振電極42,43と引出し電極46,47とを隔てるように配置されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、圧電素子上に励振電極と電気的に接続された引出し電極を有し、この引出し電極と金属系ロウ材で接合される基体を備えた圧電デバイスに関する。
図3は従来の圧電デバイス1の概略縦断面図である(例えば、特許文献1参照)。
この圧電デバイス1は、3枚の水晶板2,3,4を重ねて形成されている。
水晶板2は、水晶板3,4に挟まれており、中央部2aの上下面を凹状に加工した所謂逆メサ形にして、中央部2aの上下に内部空間Sが形成されるようになっている。この水晶板2の中央部2aの上下面には、中央部を積極的に振動させるための励振電極5a,5bが設けられ、下面の励振電極5bは、外側まで引き出されて、実装端子部7に接続された引出し電極6bと電気的に接続されている。また、上面の励振電極5aは、外側に設けられた貫通孔9の内面まで引き出されて、実装端子部7に接続された引出し電極6aと電気的に接続されている。
この圧電デバイス1は、3枚の水晶板2,3,4を重ねて形成されている。
水晶板2は、水晶板3,4に挟まれており、中央部2aの上下面を凹状に加工した所謂逆メサ形にして、中央部2aの上下に内部空間Sが形成されるようになっている。この水晶板2の中央部2aの上下面には、中央部を積極的に振動させるための励振電極5a,5bが設けられ、下面の励振電極5bは、外側まで引き出されて、実装端子部7に接続された引出し電極6bと電気的に接続されている。また、上面の励振電極5aは、外側に設けられた貫通孔9の内面まで引き出されて、実装端子部7に接続された引出し電極6aと電気的に接続されている。
水晶板3は、引出し電極6a,6bが設けられた位置に貫通孔8,8を有し、この貫通孔8,8内には、引出し電極6a,6bに接続するようにして導電材料10,10が充填されている。この導電材料10,10は、水晶板3の下面から若干突出しており、この突出した部分を実装端子部7,7にしている。
そして、水晶板2を挟むようにして、水晶板3および水晶板4を、金/錫など金属系のロウ材11で接合固定している。すなわち、このロウ材11は、内部空間Sを密封する必要があるため、一周にわたって設けられ、このロウ材11を加熱溶融して、3枚の水晶板2,3,4を接合している。
そして、水晶板2を挟むようにして、水晶板3および水晶板4を、金/錫など金属系のロウ材11で接合固定している。すなわち、このロウ材11は、内部空間Sを密封する必要があるため、一周にわたって設けられ、このロウ材11を加熱溶融して、3枚の水晶板2,3,4を接合している。
ところで、このような圧電デバイス1においては、引出し電極6a,6bとロウ材11とが接触するような構造になっている。このため、水晶板2,3,4を接合するためにロウ材11を加熱溶融すると、金/錫など金属系のロウ材11は、引出し電極6a,6bに濡れ拡がって、この引出し電極6a,6bと接続された励振電極5a,5bにまで濡れ拡がろうする恐れがある。
そうすると、ロウ材11が励振電極5a,5bにまで付着して、中央部2aの重量が重くなり、クリスタルインピーダンス値(以下、「CI値」という)や周波数が変化して、所望する圧電デバイスの特性を得ることができなくなってしまう。
そうすると、ロウ材11が励振電極5a,5bにまで付着して、中央部2aの重量が重くなり、クリスタルインピーダンス値(以下、「CI値」という)や周波数が変化して、所望する圧電デバイスの特性を得ることができなくなってしまう。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、ロウ材が振動領域に付着することを防止して、優れた振動特性を得ることができる圧電デバイスを提供することを目的とする。
上述の目的は、第1の発明にあっては、振動領域に形成された励振電極と電気的に接続され、外部に電極を引き出すための引出し電極を有する圧電素子と、前記引出し電極と金属系ロウ材により接合される基体とを備えた圧電デバイスであって、前記圧電素子は、前記励振電極と前記引出し電極とをつなぐ連結電極を有しており、この連結電極の表面には、前記金属系ロウ材と濡れ性の悪い材料が、前記励振電極と前記引出し電極とを隔てるように配置されている圧電デバイスにより達成される。
第1の発明の構成によれば、圧電素子は、励振電極と引出し電極とをつなぐ連結電極を有しており、この連結電極の表面には、金属系ロウ材と濡れ性の悪い材料が配置されている。このため、引出し電極と基体とを接合する際の金属系ロウ材が、加熱溶融して濡れ拡がり、連結電極に伝わってきても、濡れ性の悪い材料の位置で、金属系ロウ材が濡れ拡がらなくなる。そして、この濡れ性の悪い材料は、励振電極と引出し電極とを隔てるように配置されている。したがって、金属系ロウ材が連結電極を伝わって励振電極側に流出するような事態を有効に防止できる。
かくして、ロウ材が振動領域に付着することを防止して、優れた振動特性を得ることができる圧電デバイスを提供することができる。
なお、金属系ロウ材と濡れ性の悪い材料は、連結電極の表面に配置されているので、この濡れ性の悪い材料が、引出し電極と励振電極との導通を阻害するようなことはない。
かくして、ロウ材が振動領域に付着することを防止して、優れた振動特性を得ることができる圧電デバイスを提供することができる。
なお、金属系ロウ材と濡れ性の悪い材料は、連結電極の表面に配置されているので、この濡れ性の悪い材料が、引出し電極と励振電極との導通を阻害するようなことはない。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記圧電素子は前記振動領域を囲む枠部を有し、この枠部の主面に前記引出し電極が設けられており、前記基体は、前記枠部の主面を挟むようにしたリッド基体とベース基体とを備えている、ことを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、圧電素子は振動領域を囲む枠部を有し、この枠部の主面に引出し電極が設けられているが、この枠部の主面はリッド基体とベース基体とで挟まれている。このため、金属系ロウ材は、リッド基体とベース基体とに挟まれた際に圧力が加わって、より連結電極を伝わって励振電極側に流れようとする。しかし、第2の発明は第1の発明の構成を有するので、金属系ロウ材の励振電極への流出を有効に防止できる。
第2の発明の構成によれば、圧電素子は振動領域を囲む枠部を有し、この枠部の主面に引出し電極が設けられているが、この枠部の主面はリッド基体とベース基体とで挟まれている。このため、金属系ロウ材は、リッド基体とベース基体とに挟まれた際に圧力が加わって、より連結電極を伝わって励振電極側に流れようとする。しかし、第2の発明は第1の発明の構成を有するので、金属系ロウ材の励振電極への流出を有効に防止できる。
第3の発明は、第1または第2の発明のいずれかの構成において、前記連結電極は、前記引出し電極側から前記励振電極側に向かうにしたがって下るように傾斜している、ことを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、連結電極は、引出し電極側から励振電極側に向かうにしたがって下るように傾斜しているので、連結電極で濡れ拡がった金属系ロウ材は、より励振電極側に流れ易くなる。ところが、第3の発明は、第1の発明の構成を有するので、金属系ロウ材の励振電極への流出を有効に防止できる。
第3の発明の構成によれば、連結電極は、引出し電極側から励振電極側に向かうにしたがって下るように傾斜しているので、連結電極で濡れ拡がった金属系ロウ材は、より励振電極側に流れ易くなる。ところが、第3の発明は、第1の発明の構成を有するので、金属系ロウ材の励振電極への流出を有効に防止できる。
第4の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかの構成において、前記濡れ性の悪い材料は凸状となっていることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、濡れ性の悪い材料は凸状となっているので、この凸状がダムとなって、金属系ロウ材の励振電極への流出を、第1ないし第3の発明に比べてより防止できる。
第4の発明の構成によれば、濡れ性の悪い材料は凸状となっているので、この凸状がダムとなって、金属系ロウ材の励振電極への流出を、第1ないし第3の発明に比べてより防止できる。
図1および図2は、本発明の圧電デバイスの一実施形態を示しており、図1はその概略分解斜視図、図2は図1の圧電デバイスを組み合わせてA−A線の位置で切断した際の概略断面図である。
これらの図において、圧電デバイス30は圧電振動子を例示しており、圧電素子20と、この圧電素子20が接合される基体32とを備えており、本実施形態の場合、基体32は、圧電素子20を挟むようにしたリッド基体40とベース基体50とから構成されている。
これらの図において、圧電デバイス30は圧電振動子を例示しており、圧電素子20と、この圧電素子20が接合される基体32とを備えており、本実施形態の場合、基体32は、圧電素子20を挟むようにしたリッド基体40とベース基体50とから構成されている。
先ず圧電素子20について説明する。
圧電素子20は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形態の場合、圧電素子20は、水晶ウエハーを定められた方向に沿ってカットした所謂ATカットとされており、中央の振動部22と、この振動部22を囲む枠部24とを備えている。
圧電素子20は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形態の場合、圧電素子20は、水晶ウエハーを定められた方向に沿ってカットした所謂ATカットとされており、中央の振動部22と、この振動部22を囲む枠部24とを備えている。
中央の振動部22は、発振周波数に応じた厚さに設定された振動領域である。ここでは、振動部22は、フォトリソグラフィ技術により形成したレジストパターンを利用し、ケミカルエッチングやブラスト加工により矩形状にカットされ、さらに、枠部24に比べて厚みが薄くなるように形成されている。これにより、図2に示すように、リッド基体40とベース基体50とで挟まれた際に、振動部22の周囲には、密閉した内部空間Sが形成されるようになっている。
そして、この厚みの薄い領域の主面である上下面には、例えばクロム(Cr)および金(Au)をスパッタして、互いに異極となる励振電極42,43が形成されている。これにより、上面の励振電極42と下面の励振電極43との間で効率よく電界を生じさせて、振動部22は厚みすべり振動をするようになっている。
そして、この厚みの薄い領域の主面である上下面には、例えばクロム(Cr)および金(Au)をスパッタして、互いに異極となる励振電極42,43が形成されている。これにより、上面の励振電極42と下面の励振電極43との間で効率よく電界を生じさせて、振動部22は厚みすべり振動をするようになっている。
枠部24は、振動部22を囲むようにして形成されており、リッド基体40とベース基体50とに挟まれて、圧電素子20を固定するための領域となる。
本実施形態の場合、枠部24の外形サイズは、リッド基体40およびベース基体50の外形サイズと略同様である。また、枠部24は、振動部22よりも厚く形成されており、その角部付近には、図1に示すように、平面視において1/4円弧に切り欠かれたキャスタレーション24a,24b,24c,24dが形成されている。このキャスタレーション24a,24b,24c,24dは、圧電素子20をウエハーから切り出す際のガイドになると共に、励振電極42,43と底面に配置された実装端子部44,45とを電気的に接続するための導通路となる。
本実施形態の場合、枠部24の外形サイズは、リッド基体40およびベース基体50の外形サイズと略同様である。また、枠部24は、振動部22よりも厚く形成されており、その角部付近には、図1に示すように、平面視において1/4円弧に切り欠かれたキャスタレーション24a,24b,24c,24dが形成されている。このキャスタレーション24a,24b,24c,24dは、圧電素子20をウエハーから切り出す際のガイドになると共に、励振電極42,43と底面に配置された実装端子部44,45とを電気的に接続するための導通路となる。
すなわち、枠部24の上下面の全周には、励振電極42,43と電気的に接続されて外部に電極を引き出すための引出し電極46,47が形成されている。この引出し電極46,47は、励振電極42,43と同様に、例えばクロム(Cr)および金(Au)をスパッタして形成されている。そして、上面の引出し電極46は、図1の手前及び右側のキャスタレーション24a,24b、及びベース基体50の図1の手前側及び右側のキャスタレーション50a,50bを引き回されて、実装端子部45と接続されている。また、下面の引出し電極47は、ベース基体50に設けられた図1の左側のキャスタレーション50dと図1の奥側のキャスタレーション(図示せず)を引き回されて、実装端子部44と接続されている。
そして、この中央の振動部22と、これを囲む枠部24とは、支持部26,27により接続されている。支持部26,27は、振動部22を吊るすようにして支持するとともに、励振電極42,43と引出し電極46,47とを電気的に接続するための通路の役割を果たしている。
具体的には、支持部26,27は、振動部22の対向する側面の中央付近に2本だけ設けられており、このため、支持部26,27が設けられていない振動部22と枠部24との間は貫通孔28となっている。
具体的には、支持部26,27は、振動部22の対向する側面の中央付近に2本だけ設けられており、このため、支持部26,27が設けられていない振動部22と枠部24との間は貫通孔28となっている。
また、複数の支持部26,27のうち、一方の支持部26の上面には、振動部22の励振電極42と枠部24の引出し電極46とをつなぐ連結電極48が形成され、他方の支持部27の下面には、図2に示すように、振動部22の励振電極43と枠部24の引出し電極47とをつなぐ連結電極49が形成されており、連結電極48と連結電極49とは接触しないように配置されている。
また、支持部26,27は、枠部24から振動部22に向かうにしたがって除々にその厚みが薄くなるように形成されており、このため、連結電極48は、引出し電極46から励振電極42に向かうにしたがって下るように傾斜している。すなわち、枠部24側で高く、振動部22側で低くなる傾斜面を有している。
また、支持部26,27は、枠部24から振動部22に向かうにしたがって除々にその厚みが薄くなるように形成されており、このため、連結電極48は、引出し電極46から励振電極42に向かうにしたがって下るように傾斜している。すなわち、枠部24側で高く、振動部22側で低くなる傾斜面を有している。
次に、基体32について説明する。
基体32は、圧電素子20を接合固定して、振動領域を密封するための部材であり、本実施形態の場合、基体32は、枠部24を挟みながら加熱圧着して圧電素子20と接合されるようになっており、リッド基体40およびベース基体50を備えている。
具体的には、基体32は、絶縁材料を利用して形成されており、本実施形態の場合、圧電素子20をリッド基体40とベース基体50とで挟んで加熱した場合に、応力が生じて亀裂などが入らないようにするため、圧電素子20と略同様の熱膨張係数を有する部材が選択され、例えば、水晶或いはガラスで形成されている。
基体32は、圧電素子20を接合固定して、振動領域を密封するための部材であり、本実施形態の場合、基体32は、枠部24を挟みながら加熱圧着して圧電素子20と接合されるようになっており、リッド基体40およびベース基体50を備えている。
具体的には、基体32は、絶縁材料を利用して形成されており、本実施形態の場合、圧電素子20をリッド基体40とベース基体50とで挟んで加熱した場合に、応力が生じて亀裂などが入らないようにするため、圧電素子20と略同様の熱膨張係数を有する部材が選択され、例えば、水晶或いはガラスで形成されている。
リッド基体40は、圧電素子20の外形サイズと略同様の外形サイズを有し、矩形状に形成されている。そして、リッド基体40の下面の周縁全周に、例えばクロム(Cr)および金(Au)をスパッタした接合用金属膜52が被膜され、図2に示すように、枠部24の表面の引出し電極46との間に、金/錫等の金属系ロウ材54が適用されて、枠部24と接合されるようになっている。
ベース基体50も、圧電素子20の外形サイズと略同様の外形サイズを有し、矩形状に形成されている。また、ベース基体50の場合は、図1に示すように、その下面に実装端子部44,45が設けられており、この実装端子部44,45と引出し電極46,47とを電気的に接続するための導通路となるキャスタレーション50a,50b,50dが形成されている。
そして、ベース基体50の周縁全周が、圧電素子20の枠部24と接合されるようになっており、ベース基体50の上面に、例えばクロム(Cr)および金(Au)をスパッタした接合用金属膜56が被膜され、図2に示すように、枠部24の下面の引出し電極47との間に、金/錫等の金属系ロウ材58が適用されて、枠部24と接合されるようになっている。
そして、ベース基体50の周縁全周が、圧電素子20の枠部24と接合されるようになっており、ベース基体50の上面に、例えばクロム(Cr)および金(Au)をスパッタした接合用金属膜56が被膜され、図2に示すように、枠部24の下面の引出し電極47との間に、金/錫等の金属系ロウ材58が適用されて、枠部24と接合されるようになっている。
ここで、本実施形態は、励振電極42,43と引出し電極46,47とをつなぐ連結電極48,49の表面には、金属系ロウ材54,58と濡れ性の悪い材料60が設けられている。この濡れ性の悪い材料60は、金属系ロウ材54,58が連結電極48,49に濡れ拡がってきた場合に、その流れを阻止するためのものであって、励振電極42,43と引出し電極46,47とを隔てるように配置されている。
具体的には、濡れ性の悪い材料60は、連結電極48,49を切断しないようにして、連結電極48,49の表面の幅一杯に被膜するように形成されており、本実施形態の金属系ロウ材54,58は金/錫から形成されているので、SiO2、TiO2、アルミナ、低融点ガラス等の無機系材料、或いは、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等の有機系材料を利用することができる。
また、濡れ性の悪い材料60は、基体32に接触しないようにして、凸状にされることが好ましい。
具体的には、濡れ性の悪い材料60は、連結電極48,49を切断しないようにして、連結電極48,49の表面の幅一杯に被膜するように形成されており、本実施形態の金属系ロウ材54,58は金/錫から形成されているので、SiO2、TiO2、アルミナ、低融点ガラス等の無機系材料、或いは、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等の有機系材料を利用することができる。
また、濡れ性の悪い材料60は、基体32に接触しないようにして、凸状にされることが好ましい。
本発明の実施形態は以上のように構成されており、励振電極42,43と引出し電極46,47とをつなぐ連結電極48,49の表面には、金属系ロウ材54,58と濡れ性の悪い材料60が、励振電極42,43と引出し電極46,47とを隔てるように配置されている。このため、圧電素子20と基体32とを接合する際、加熱溶融した金属系ロウ材54,58が連結電極48,49まで濡れ拡がってきて、振動部(振動領域)22側に流出しようとした場合であっても、濡れ性の悪い材料60の位置で、金属系ロウ材54,58の濡れ拡がりは止まることになる。したがって、金属系ロウ材54,58が連結電極48,49を伝わって励振電極42,43に付着することを防止して、優れた振動特性を得ることができる。
また、このように濡れ性の悪い材料60を設けたことで、連結電極48,49の長さを短くしても、金属系ロウ材54,58が励振電極42,43に付着することを回避できる。したがって、連結電極48,49を設ける支持部26,27の長さを短くしてもよく、圧電素子20を小型化することができる。
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
例えば、本実施形態では、振動部22と枠部24との間に貫通孔28を設けて、振動部22を吊るすような形状となっているが、このような貫通孔28はなく、圧電素子の中央部の上下面を凹状に加工した所謂逆メサ形の圧電素子であっても構わない。
例えば、本実施形態では、振動部22と枠部24との間に貫通孔28を設けて、振動部22を吊るすような形状となっているが、このような貫通孔28はなく、圧電素子の中央部の上下面を凹状に加工した所謂逆メサ形の圧電素子であっても構わない。
20・・・圧電素子、22・・・振動領域(振動部)、30・・・圧電デバイス、40・・・リッド基体(基体)、42,43・・・励振電極、46,47・・・引出し電極、48,49・・・連結電極、50・・・ベース基体(基体)、54,58・・・金属系ロウ材、60・・・濡れ性の悪い材料
Claims (4)
- 振動領域に形成された励振電極と電気的に接続され、外部に電極を引き出すための引出し電極を有する圧電素子と、前記引出し電極と金属系ロウ材により接合される基体とを備えた圧電デバイスであって、
前記圧電素子は、前記励振電極と前記引出し電極とをつなぐ連結電極を有しており、この連結電極の表面には、前記金属系ロウ材と濡れ性の悪い材料が、前記励振電極と前記引出し電極とを隔てるように配置されている
ことを特徴とする圧電デバイス。 - 前記圧電素子は前記振動領域を囲む枠部を有し、この枠部の主面に前記引出し電極が設けられており、
前記基体は、前記枠部の主面を挟むようにしたリッド基体とベース基体とを備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。 - 前記連結電極は、前記引出し電極側から前記励振電極側に向かうにしたがって下るように傾斜している、ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の圧電デバイス。
- 前記濡れ性の悪い材料は凸状となっている、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電デバイス。
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