JP4384329B2 - 圧電デバイス - Google Patents
圧電デバイス Download PDFInfo
- Publication number
- JP4384329B2 JP4384329B2 JP2000097245A JP2000097245A JP4384329B2 JP 4384329 B2 JP4384329 B2 JP 4384329B2 JP 2000097245 A JP2000097245 A JP 2000097245A JP 2000097245 A JP2000097245 A JP 2000097245A JP 4384329 B2 JP4384329 B2 JP 4384329B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piezoelectric
- electrode
- substrate
- short side
- crystal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は圧電振動素子を絶縁性基板に導電性接着部材を介して接合した水晶発振子、水晶発振器、圧電発振子などの圧電デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の水晶振動子である圧電振動子を図7の上面図、図8の断面図を用いて説明する。
【0003】
セラミックパッケージ等の絶縁性基板に圧電振動素子を搭載した圧電振動子51は、特開平4−3610などがあり、図7、図8に示す。
【0004】
セラミックパッケージ52はアルミナ等のセラミック絶縁板を積層して作成し、セラミックパッケージ52の内部には圧電振動子固定用の段付き部55を有するキャビティーが形成されている。そして、圧電振動子固定用の段付き部55の幅方向の間には溝58が形成されている。
【0005】
セラミックパッケージ52の段付き部55と先端側の段付部56を利用して、圧電振動素子53が載置されている。ここで、固定用段付部55側には導電性ペーストを塗布した上で、圧電振動素子53を搭載し、導電性ペーストを硬化して導電性接着部材57を介して接合固定している。そして、セラミックパッケージ52のキャビティー部の開口は、金属製蓋体59によって気密的に封止されている。
【0006】
また、固定用段付き部55とセラミックパッケージ52の幅方向の間に溝58が形成されているため、段付き部55に供給した導電性樹脂ペーストが多量に塗布された場合、過剰のペーストが溝58へ流れ込み、段付き部55と圧電振動素子53との間の導電性樹脂ペーストを均一にしていた。これにより、導電性樹脂ペーストの加熱硬化時の収縮応力のバラツキが小さくなり、発振周波数バラツキ、特性バラツキを小さく抑えていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術では、固定用段付き部55を形成するために、セラミックパッケージ52は、平板状のセラミック層と、該セラミック層上に段付き部55を構成する中央部に開口を有するリング形状のセラミック層と、中央の開口寸法が大きいリング形状のセラミック層とが積層されて構成されている。従って、セラミックパッケージ52を低背化しようとしても、限界があり、低背化が困難であった。
【0008】
また、圧電振動素子53を、電極パッドが形成された段付き部55に、導電性樹脂ペーストを介して接着させているが、圧電振動素子53の励振電極側に導電性樹脂ペーストが広がった場合、基本波振動をダンピングさせ、CI値を悪くする傾向にあった。逆にペーストの量を減らすと、基本波のダンピングが抑えられ、CI値は良好になるものの、接合部分の機械的強度が弱くなり、落下等により外部から衝撃が加わった場合、剥離が起こりやすくなり、その結果、発振周波数が大きく変化したり、発振不良を発生してしまう場合がある。
【0009】
即ち、圧電振動素子53の形状に応じて、導電性樹脂ペーストの配置形状を厳密に制御する必要がある。
【0010】
本発明は上述の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的は、平板状の基板に圧電振動素子を接合することができ、しかも、導電性樹脂ペーストの配置形状を制御して、接合部分の機械的強度が弱くせずに、CI値を改善し、また、落下等により外部から衝撃が加わった場合、剥離及び発振周波数の変動を有効に抑えることができる圧電デバイスを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、矩形状の圧電基板の両主面に励振電極を、該圧電基板の一方の短辺寄りの下面に前記励振電極に接続する一対の引き出し電極を形成した圧電振動素子と、表面にバンプを有する一対の電極パッドを形成した絶縁性基板とを、前記引き出し電極と電極パッドとが各々電気的に接続するように導電性接着部材を介して接合させて成る圧電デバイスであって、
前記絶縁基板に形成した一対の電極パッドの間に表面にバンプを有する接続パッドを設けると共に、前記圧電振動子の短辺寄りの下面と前記接続パッドとを前記導電性接着部材を介して接続させてなり、かつ、
前記導電性接着部材の幅をW1、圧電振動素子の短辺方向の幅をW、長辺方向の長さをLとした時、
0.21W≦W1<0.33W、好ましくは0.21W≦W1<0.29W
L≦2.3W
の関係で表されることを特徴とする圧電デバイスである。
【作用】
本発明は、表面が平坦な絶縁性基板に、バンプを有する電極パッドを形成し、この電極パッドと圧電振動素子の一方の短辺側端部とを3個所にて導電性接着部材で接合している。即ち、平板状の基板で、圧電振動素子を片持ち固定することができ、固定用段付き部が不要となる。
【0012】
従って、圧電振動素子を固定する部材が簡略化し、圧電デバイス全体が簡素化し、低背化が可能となる。
【0013】
また、前記導電性接着部材の圧電振動素子の短辺側端面における幅をW1、圧電振動素子の短辺方向の幅をW、長辺方向の長さをLとした時、
0.21W≦W1<0.33W、好ましくは0.21W≦W1≦0.29W
L≦2.3W
としたので、片持ち固定型圧電振動素子を接合強度を損なうことなく、CI値を改善でき、発振特性の変動を有効に抑えることができる。
【0014】
特に、高精度の水晶発振子の低い周波数である、13MHz周辺の水晶発振子の場合に、導電性接着部材の量により、CI値が大きく影響されるため、有効である
仮に、導電性接着部材の圧電振動素子短辺側端面における幅をW1が圧電振動素子の短辺方向の幅をWに対して、0.21W未満では、落下試験後の発振周波数の変動が極端に悪化する。また、0.33Wを越えると一対の電極パッド、及び補助パッドに配置された導電性接続部材どうしが短絡してしまう。短絡の信頼性をさらに向上するためには0.29W以下が好ましい。
【0015】
また、圧電振動素子の短辺方向の幅をWと長辺方向の長さLにおいて、L≦2.3Wから外れると、幅Wに対して長さLが長くなり、圧電振動素子の一方の短辺側に配置した導電性ペーストの硬化による導電性接合部材によって、他方の短辺側を持ち上げることが困難となり、また、耐衝撃性が劣ってしまう。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の圧電デバイスである水晶発振子を図面に基づいて説明する。尚、説明では、圧電振動子に水晶振動子を用いた圧電デバイス、例えば水晶発振子を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の水晶発振子の蓋体を省略した状態の平面図であり、図2は断面図である。
【0018】
本発明の圧電デバイスの水晶発振子1は、主に、矩形状で単板のセラミック基板21を有する容器体であるセラミックパッケージ2、水晶振動子3、導電性接着部材4及び金属製蓋体6とから構成されている。
【0019】
セラミックパッケージ2は、単板のセラミック基板21と、セラミック基板21の周囲に周設された枠体状のセラミック層21aとセラミック層21a上に形成されたシールリング26とから構成されている。尚、このシールリング26は、セラミック層21a上に封止用導体膜25を介してろう付け固定されている。なお、シールリング26は、Fe−Ni、Fe−Ni−Coなどの金属からなり、基板21の周囲に形成された封止用導体膜25によりキャビティー部20の厚みを規定している。なお、この厚みが不足している場合には、基板21の周囲にリング状基板を積層して、このリング状基板の表面にシールリング26を取着することもできる。
【0020】
そして、全体として、図2に示すように表面側に開口を有するとともに、水晶振動子3が収容される実質的に矩形状のキャビティー部20が形成される。さらにキャビティー部20の底面、即ち基板21の上面の一方の短辺側(図1では左側の辺の両端)に水晶振動子3と電気的な接続を行う2つの電極パッド22、23が形成されている。この電極パッド22、23は、短辺の幅方向(図1では上下方向)に分かれて夫々形成され、その形状は、概略矩形状となっている。
【0021】
また、前記の電極パッド22,23の間に同様に矩形状であり、電極パッド22,23と同等の大きさの補助パッド(接続パッド)が形成されており、機械的に接続を行なう。
【0022】
また、セラミックパッケージ2の底面には、この電極パッド22、23と電気的に接続し、外部プリント配線基板と接合するための外部端子電極27が形成れている。この電極パッド22、23と外部端子電極27とは、セラミックパッケージ2の一部を貫くビアホール導体(不図示)によって接続されている。電極パッド22、23と外部端子電極27の形成位置とが対応しない場合には、キャビティー部22の底面に所定形状の配線導体を形成すれば、ビアホール導体によって簡単に接続することができる。また、セラミック基板21自身を例えば2層構造により、積層して、その間に内部配線を形成すればよい。尚この内部配線の一端がビアホール導体を介して電極パッドに接続し、内部配線の他端が外部端子電極27に接続する。
【0023】
また、図2、図4に示すように、電極パッド22、23、及び補助パッド24の表面で、かつ、キャビティー部20の中央部寄りに、帯状バンプ5が形成されている。この帯状バンプ5は、導電性金属ペーストの焼き付け、導電性樹脂ペースト、絶縁性樹脂ペーストの印刷、硬化により形成されている。
【0024】
上述の電極パッド22、23及び補助パッド24や封止用導体膜25やバンプ5は、モリブデン、タングステンなどの金属から構成される。これらの導体(電極パッド22、23、補助パッド24、導体膜25、バンプ部材5)は、基板21の表面に導電性樹脂ペーストの焼き付けにより形成した後、その表面にNi、Auメッキ処理されて形成される。
【0025】
例えば、導電性金属ペーストの焼き付けによりバンプ5を形成する場合、電極パッド22、23及び補助パッド24の下地導体となる導体を上述の金属のペーストにより印刷形成し、乾燥後に、その表面に上述の金属ペーストを用いてバンプ5の形状に応じて印刷形成し、その後、両者を焼成処理することにより形成される。
【0026】
これらの導体(電極パッド22、23、補助パッド24、導体膜25、バンプ5)の厚みは、約10〜30μmであり、基板21の表面からバンプ5まで高さは、20〜40μmの高さとなっている。
【0027】
圧電振動素子である水晶振動子3は、図3にしめすように、例えば、所定結晶方位角に従ってカット(ATカット)された矩形状の水晶基板30と、水晶基板30の両主面に被着形成された励振電極31、33と、一対の励振電極31、33から夫々水晶基板30の短辺方向(図では左側)に延出された引き出し電極32、34とから構成されている。例えば、上面側励振電極31から延出する引き出し電極32は、上面の短辺近傍に延出され、その短辺の近傍の一方の長辺端面(図面では下側の端面)を介して下面側に延出されている。逆に、下面側の励振電極33から延出する引き出し電極34は、下面の短辺近傍に延出され、そして、短辺の近傍の他方の長辺端面(図面では上側の端面)を介して上面側に延出されている。即ち、引き出し電極32、34は、水晶基板30の一方の短辺側の端面Sに形成されることがなく、この一方の短辺に接する長辺側の端面に形成されている。そして、この引き出し電極32、34は、水晶基板30の両主面に夫々対向しあう位置に形成され、その形状は、所定位置に配置した時に、電極パッド22、23に導通し得る形状である。
【0028】
このような励振電極31、33及び引き出し電極32、34は、水晶基板30の上面及び下面に、所定形状のマスクを配置して、蒸着やスパッタ等の手段を用いてAu、Ag、Crなどの蒸着などにより形成されている。
【0029】
上述のセラミックパッケージ2と水晶振動子3との電気的な接続及び機械的な接合は、シリコン系、エポキシ系、ポリイミド系などの樹脂にAg粉末などを添加して導電性樹脂ペーストを硬化した導電性接着部材4によって達成される。 具体的には、基板21表面の電極パッド22、23及び補助パッド24上に、上述の導電性樹脂ペーストをディスペンサー等により供給し、電極パッド22、23及び補助パッド24上に盛り上がった半球状の導電性樹脂ペースト上に、水晶振動子3の一方短辺側の下面に延出された引き出し電極及び下面の引き出し電極間のほぼ中央部が当接するように、水晶振動子3を載置し、導電性樹脂ペーストを硬化する。
【0030】
ここで、導電性接着部材4は、水晶振動子3の下面の引き出し電極32、34及び引き出し電極32、34間のほぼ中央と、セラミック基板21の表面に形成した電極パッド22、23及び補助パッド24との間に、例えばバンプ5の高さに相当する厚み分だけ介在されるとともに、図2に示すように、水晶振動子3の一方の短辺側端面部分にのみ配置される。また、水晶振動子3の表面には、導電性接着部材4は実質的に付着されていない。
【0031】
これにより、水晶振動子3の一対の励振電極31、33は、電極パッド22、23を介してセラミックパッケージ2の外面の外部端子電極27に導通することになる。
【0032】
金属製蓋体6は、実質的に平板状の金属、例えばFe−Ni合金(42アロイ)やFe−Ni−Co合金(コバール)などから成る。このような金属製蓋体6は、水晶振動子3のキャビティー部20を、窒素ガスや真空などで気密的に封止する。具体的には、所定雰囲気で、金属製蓋体6をセラミックパッケージ2のシールリング26上に載置して、シールリング26の表面の金属と金属製蓋体6の金属の一部とが溶接されるように所定電流を印加してシーム溶接をおこなう。尚、溶接によって溶融したろう材が、金属製蓋体6の表面側に回り込み、接合に寄与するろう材が減少しないように、金属製蓋体6の表面側に、Niメッキ層を形成しておく。
【0033】
上述の構造によれば、セラミックパッケージ2の一部であるセラミック基板21の表面に、電極パッド22、23及び補助パッド24が形成されており、水晶振動子3の引き出し電極32、34と水晶振動子3の一方の短辺側端面部分の3点が、導電性樹脂ペーストを硬化して成る導電性接着部材4を介して電気的且つ機械的に強固に接合されている。
【0034】
具体的には、この導電性接着部材4が水晶振動子3の下面と、一方側短辺側端面に夫々配置されることになり、一方の短辺側端面でフィレット(端面部分で導電性樹脂ペーストがはい上がる)が形成される。尚、セラミックパッケージ2の基板21(電極パッド22、23及び補助パッド24)と水晶振動子3(引き出し電極32、34及び水晶振動子3の一方の短辺側端面部分)の下面とでも接合が行なわれる。これにより、その接合強度が向上し、落下等により外部から衝撃が加わった場合、この接合部分で剥離が発生しにくくなり、発振周波数が大きく変化したり、発振不良を発生してしまうことがない。
【0035】
また同時に、導電性接着部材4が水晶振動子3の下面及び端面のみに付着し、表面側に実質的に付着していない。このため、引き出し電極32から表面側励振電極31に導電性接着部材4となる導電性樹脂ペーストが拡がりにくいため、水晶振動子3の発振特性、CI(クリスタルインピーダンス)の変動を有効に抑えられる。これにより、発振特性が変動することがない。
【0036】
尚、水晶振動子3の下面側励振電33に拡がろうとする導電性樹脂ペーストは、電極パッド22、23、補助パッド24の中央寄りに帯状のバンプ5によって規制されるため、水晶振動子3の表面側励振電極31同様に、下面側励振電極33においても導電性樹脂ペーストが付着しない。
【0037】
これにより、水晶振動子3全体として、導電性樹脂ペーストが、水晶振動子3の励振電極31、33側に拡がることがなく、導電性樹脂ペーストが水晶振動子3に付着される面積を小さくすることができる。
【0038】
上述の水晶発振子は以下のようにして製造される。
【0039】
まず、水晶基板30の両主面に励振電極31、33、一方の短辺側の両主面に延出された引き出し電極32、34を有する水晶振動子3を用意する。また、同時に、セラミックパッケージ2の底面、即ち、基板21の表面に一対の電極パッド22、23、及び補助パッド24が形成され、また、キャビティー部20の開口周囲の表面に封止用導体膜25、シールリング26が形成されたセラミックパッケージ2、及び金属製蓋体6を用意する。
【0040】
次に、電極パッド22、23、及び補助パッド24に導電性接着部材4となる導電性樹脂ペーストをディスペンサーなどで供給・塗布する。この時、供給された導電性樹脂ペーストは、概略半球状に全体盛り上がった形状となる。
【0041】
次に、水晶振動子3を概略半球状に盛り上がった形状に供給された導電性樹脂ペーストに載置する。具体的には、導電性樹脂ペーストを供給した部分に、一対の引き出し電極32、34、及び引き出し電極の中央部が当接するように水晶振動子3を載置する。
【0042】
次に、導電性樹脂ペーストを硬化して、セラミックパッケージ2と水晶振動子3とを接合固定する。具体的には、熱による印加により硬化する。
【0043】
その後、所定雰囲気中で、シールリング26に金属製蓋体6を載置し、両者をシーム溶接を行なう。
【0044】
従来の水晶発振子においては、電極パッド上に導電性樹脂ペーストを塗布しておき、水晶振動子を搭載し、さらに、その後、水晶振動子の表面側から、先の導電性樹脂ペーストと導通するように再度、導電性樹脂ペーストを供給していた。これに対して、本実施例では1回の導電性樹脂ペーストの塗布により、水晶振動子を電気的接続及び機械的な接合を行うことができるため、導電性樹脂ペーストを塗布する工程数も削減できる。
【0045】
上述の実施例では、水晶振動子3は、一方の短辺側のみで電極パッド22、23、補助パッド24に機械的に固定されている。即ち、水晶振動子3の一方の短辺側は固定接続端部となり、他方の短辺側は、振動自由端部となる。これにより、水晶振動子3は、片持ち固定型と言える。
【0046】
このように、片持ち固定型において、基板21と水晶振動子3の下面側の励振電極33とを所定間隔、例えば、10〜30μmの間隔とすることができる。これは、一方の短辺側の導電性樹脂ペーストが硬化し導電性接着部材4となる際に、導電性樹脂ペーストが収縮し、その応力が働く。この応力により、振動自由端部を、固定接続端部側に引きつけるような作用をし、例えば、電極パッド22、23、及び補助パッド24の中央寄りに形成した帯状バンプ5が支点となり、他方の短辺側端部である振動自由端部を浮かせるように働く。
【0047】
これより、水晶振動子3の下側に位置する基板21は、平板状であっても、問題は全くなく、従来のように段付き部55、56を形成するため2層構造にする必要がない。これにより、水晶振動子の低背化を可能となる。
【0048】
また、本発明において、励振電極31、33から短辺側の両主面に延出された引き出し電極32、34が、水晶振動子3の長辺側の端面を介して引き回され、水晶振動子3の短辺側端面には電極が形成されていない。これは、導電性樹脂ペーストの付着力が、金属が形成されている部位(電極)と水晶基板露出部分とで比較すると、水晶基板露出部分で強固となる。このため、導電性接着部材4を水晶振動子3を、水晶基板30が露出する部分に付着させるようにすると、全体の接合強度が増加し、同時に、上述の自由端をひき上げる力が大きくなり、片持ち固定型の水晶振動子にとって有利になる。
【0049】
本発明者は、図5に示すように導電性接着部材4が水晶振動子3の短辺側幅及び一方の引き出し電極、例えば、32側の短辺側端面に接している幅W1について検討した。
【0050】
導電性接着部材4の幅W1を相対的に大きくしていくと、落下等、外部からの衝撃を与えた際に、導電性接着部材で接着された部分で剥離は起きにくくなる。しかし、導電性樹脂ペーストが塗布されている部分が増加するため、表面及び下面側の励振電極31、33に拡がる可能性が高くなり、CIを悪くしてしまう。尚、前記導電性樹脂ペーストが水晶振動子3の励振電極31、33側に広がることを抑えられれば、基本波のダンピングは起こらない。
【0051】
逆に、導電性接着部材4の接着幅W1が小さすぎると、外部から衝撃を与えた際に剥離が起こりやすくなり、その結果、発振周波数が大きく変動する場合がある。
【0052】
例えば、実際の水晶振動子の寸法に考慮すると、導電性接着部材4が水晶振動子3の短辺側幅W及び接着幅W1の関係は、0.21W≦W1<0.33Wとなる。
【0053】
例えば、図5に示すL、W、W1において、発振周波数が約13MHzで、寸法がL=3.5mm、W=1.85mmの圧電振動子を使用して、導電性接着部材4と水晶振動子3の端面の接着幅W1を種々変動させて、周波数の変動を調べた結果を図6に示す。
【0054】
その結果、W1<400μm にて、衝撃を加えた前後で周波数は急激に大きくなる変化が見られた。しかし、W1≧400μm では周波数の変化は安定して小さくできる。このことより、W1/Wとして考えると、W1≧0.21Wあれば、外部からの衝撃に対する周波数の変化は、十分小さく抑えられることがわかる。
【0055】
尚、W1<0.33Wに関しては、1つの短辺側端面で3つの導電性接着部材が存在するため、3つの導電性接着部材のショートを避けるようにに設定されている。
【0056】
即ち、
21W≦W1<0.33W
とすれば、ショートを避けることが可能であることを実験により確認できた。しかも、導電性接着部材のショートを防止して対衝撃性に優れ、かつ、信頼性を向上するには
0.21W≦W1≦0.29W
とすると良いことが実験により確認できた。
【0057】
また、L≦2.3Wにはついては、特に、片持ち固定型水晶振動子3においては、水晶振動子3の幅Wに対して、長さLが極端に長ければ、導電性接着部材4となる導電性樹脂ペーストの硬化・収縮時の応力を利用して、自由端側を持ち上げることが困難である。
【0058】
本発明者が、水晶振動子3の幅W、長さLとの関係を検討した結果、L≦2.3Wであれば、水晶振動子3の片持ち固定構造が達成でき、基板21の表面を平坦にしても、また、自由端側に保持用バンプ(図示せず)を形成しても、基板の表面や保持用バンプと接触することが一切なくなる。
【0059】
尚、上述の実施例では、圧電振動素子として、水晶振動子を用いて説明したが、水晶振動子に限らず、例えば、圧電セラミック基板を用いた圧電セラミック振動子、圧電単結晶基板を用いた圧電単結晶振動子であっても構わない。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、帯状バンプを有する電極パッド上に、圧電振動素子を、導電性樹脂ペーストを硬化して成る導電性接着部材で接合した圧電デバイスにおいて、帯状バンプを有する電極パッドが3個所に形成してあり、導電性接着部材と圧電振動素子の短辺とが接着されている幅W1が圧電振動素子の短辺方向の幅W、長辺方向の長さLに対して、0.21W≦W1<0.33W、L≦2.3Wの関係にあれば、対衝撃性を損なうことなく、かつ、電気特性の優れた圧電デバイスとすることができ、また、平板状の基板に片持ち固定型の圧電振動子を安定して維持できることになり、低背化が可能な圧電デバイスとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電デバイスである水晶発振子の蓋体を省略した状態の上面図である。
【図2】本発明に係る圧電デバイスである水晶発振子の断面図である。
【図3】本発明に使用する圧電振動子素子を示す斜視図。
【図4】本発明の圧電デバイスに用いるセラミックパッケージ、及び電極パッド上のバンプの形状を示す上面図である。
【図5】本発明の圧電デバイスの電極パッド上に接合された状態の水晶振動子を示す上面図である。
【図6】圧電デバイスにおける接合幅W1と周波数変動ΔFとの関係を示す特性図である。
【図7】従来の圧電デバイスの蓋体を省略した状態の上面図である。
【図8】従来の圧電デバイスの断面図である。
【符号の説明】
1・・・圧電デバイス(水晶発振子)
2・・・セラミックパッケージ
20・・・キャビティー部
21・・・基板
22、23、24・・・電極パッド
25・・・・封止用導体膜
26・・シールリング
3・・・水晶振動子
30・・・水晶基板
31、33・・・励振電極
32、34・・・引き出し電極
4・・・導電性接着部材
5・・・バンプ
5a、5b・・・バンプ
6・・・金属性蓋体
52・・・セラミックパッケージ
53・・・圧電振動素子
55・・・固定用段差部
56・・・先端側段差部
57・・・導電性接着部材
58・・・溝
Claims (1)
- 矩形状の圧電基板の両主面に励振電極を、該圧電基板の一方の短辺寄りの下面に前記励振電極に接続する一対の引き出し電極を形成した圧電振動素子と、表面にバンプを有する一対の電極パッドを形成した絶縁性基板とを、前記引き出し電極と電極パッドとが各々電気的に接続するように導電性接着部材を介して接合させて成る圧電デバイスであって、
前記絶縁基板に形成した一対の電極パッドの間に表面にバンプを有する接続パッドを設けると共に、前記圧電振動子の短辺寄りの下面と前記接続パッドとを前記導電性接着部材を介して接続させてなり、かつ、
前記導電性接着部材の幅をW1、圧電振動素子の短辺方向の幅をW、長辺方向の長さをLとした時、
0.21W≦W1<0.33W
L≦2.3W
の関係で表されることを特徴とする圧電デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000097245A JP4384329B2 (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 圧電デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000097245A JP4384329B2 (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 圧電デバイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001285011A JP2001285011A (ja) | 2001-10-12 |
JP4384329B2 true JP4384329B2 (ja) | 2009-12-16 |
Family
ID=18611886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000097245A Expired - Fee Related JP4384329B2 (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 圧電デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4384329B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102105391B1 (ko) * | 2014-12-23 | 2020-04-28 | 삼성전기주식회사 | 수정진동자 패키지 |
-
2000
- 2000-03-31 JP JP2000097245A patent/JP4384329B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001285011A (ja) | 2001-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4707021B2 (ja) | 圧電デバイス | |
JP3881503B2 (ja) | 圧電振動子及びそれを搭載した圧電デバイス | |
JP5853702B2 (ja) | 圧電振動デバイス | |
US6369490B1 (en) | Surface acoustic wave device having bump electrodes | |
JP2001102891A (ja) | 圧電デバイス | |
JP2007274339A (ja) | 表面実装型圧電振動デバイス | |
JP4051452B2 (ja) | 圧電振動子 | |
JP2001077651A (ja) | 圧電デバイス | |
JP4384329B2 (ja) | 圧電デバイス | |
JP2002084160A (ja) | 圧電デバイス | |
JP2013106054A (ja) | 圧電デバイス | |
JP3934322B2 (ja) | 圧電振動子及び圧電デバイス | |
JP2003318692A (ja) | 圧電デバイス | |
US7888850B2 (en) | Tuning-fork type piezoelectric unit | |
JP2002100950A (ja) | 圧電デバイス | |
JP2011155338A (ja) | 圧電振動子 | |
JP2002050710A (ja) | 電子部品装置 | |
JP2017130827A (ja) | 圧電デバイス及びその製造方法 | |
JP2001077656A (ja) | 圧電デバイス及びその製造方法 | |
JP2002261569A (ja) | 圧電デバイス | |
JP4599145B2 (ja) | 圧電振動板 | |
JP4042150B2 (ja) | 圧電振動デバイス | |
JP2001156193A (ja) | 電子部品装置 | |
JP6334192B2 (ja) | 圧電デバイスおよびその実装構造 | |
JP2004063960A (ja) | 電子装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070213 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090901 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090925 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |